(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-01-09
(45)【発行日】2026-01-20
(54)【発明の名称】釣り用ウェア
(51)【国際特許分類】
A41D 13/012 20060101AFI20260113BHJP
A41D 3/04 20060101ALI20260113BHJP
【FI】
A41D13/012
A41D3/04 P
(21)【出願番号】P 2021080868
(22)【出願日】2021-05-12
【審査請求日】2024-02-21
【審判番号】
【審判請求日】2025-04-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】森越 康倫
【合議体】
【審判長】高野 洋
【審判官】衣鳩 文彦
【審判官】土居 仁士
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-27884(JP,A)
【文献】特開2016-89325(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D13/00-13/12
A41D 1/02- 1/04
A41D 3/00- 3/08
A41D27/00-27/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
防水性を有する外側層と、
前記外側層の内側に配置された内側層と、
前記外側層と前記内側層との間に配置され吸水性を有する中間層と、を備え
、
前記内側層は、開口端部側の部分において厚さ方向に貫通して前記内側層の内面と前記中間層との間を連通する貫通部を有
し、
前記開口端部と前記内側層との間に前記中間層が露出する部分を有する、釣り用ウェア。
【請求項2】
前記内側層および前記中間層のウェアに形成される開口端部側の先端部は、前記外側層の前記開口端部側の先端部よりも前記開口端部からの距離が長く、
かつ前記内側層の先端部は、前記中間層の先端部よりも前記開口端部からの距離が長い、請求項1に記載の釣り用ウェア。
【請求項3】
前記内側層は、防水性を有する素材である、請求項1又は2に記載の釣り用ウェア。
【請求項4】
前記内側層は、透湿性を有する素材である、請求項3に記載の釣り用ウェア。
【請求項5】
前記中間層は、袖口から肘に向けて面方向に連続している、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の釣り用ウェア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣り用ウェアに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば防水性を有する外側層と、外側層の裏面に配置され吸水性を有する内側層と、を備えた釣り用ウェアが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献2に記載される釣り用ウェアでは、樹脂材により袖内部に浸入して吸湿性裏地に吸水された水滴が裏地全体に拡散することが防止されている。具体的には、袖口から肘側に向けた所定の位置でテープの樹脂材により吸湿性裏地を仕切った構成であり、樹脂材によって仕切られた袖口側の吸湿性裏地内に浸入した水滴が吸水される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-163723号公報
【文献】特開2003-221711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、樹脂材により吸水された水滴が吸湿性裏地全体への拡散が止められているため、吸水性裏地が吸水できる水分量が制限される。つまり、吸水が飽和した場合には、着用者の皮膚に水滴が接触し、快適性が低下するという問題があった。
さらに、このような構成において吸水量を大きくしようとすると、吸水性裏地の素材の厚み大きくして仕切られた袖口側の領域内の吸水量を増やす必要があった。したがって、ウェアの袖口が厚くなり着用者が動きにくくなり、ウェアとしての機能を妨げることとなり、その点で改善の余地があった。
【0005】
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、ウェアとしての機能を妨げることなく着用性を維持しつつ、着用者の快適性をより向上できる釣り用ウェアを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係る釣り用ウェアは、防水性を有する外側層と、前記外側層の内側に配置された内側層と、前記外側層と前記内側層との間に配置され吸水性を有する中間層と、を備える、ことを特徴としている。
【0007】
本発明に係る釣り用ウェアによれば、外側層が防水性を有する素材であるので、波しぶきや雨水が外側層を通じて外側層の裏側に浸入することを防止できる。袖口から浸入した水滴や、着用者の皮膚から発する汗の湿気は、内側層を透過あるいは迂回して内側層と外側層との間の中間層に達して吸収される。すなわち、本発明では、内側層に水滴が吸収されたり付着した状態になることを抑えることができる。そのため、着用者の皮膚に水分が接することを抑制することができ、着用者の快適性を保持することができる。
【0008】
また、本発明では、外側層の裏面のほぼ全体にわたって中間層を配置することが可能となる。そのため、部分的に吸水した水分が中間層全体に浸透して拡散されるので、中間層における吸水量を十分に確保することができる。例えば、袖口から多量の水滴が浸入した場合であっても、中間層の吸水が飽和することなく十分な吸水量を中間層にもたせることができる。このように、吸水許容量を超えて飽和し、ウェアの内側に水分が付着した状態となり、着用者の皮膚に水分が接することによる着用者の快適性が保てなくなることを抑制できる。
【0009】
さらに、本発明では、上述したように中間層全体にわたって吸水した水滴が拡散され、十分な吸水量が確保される構成となるので、従来のように吸水量を増大するために中間層の厚さを大きく対応が不要となる。そのため、部材のコストの増加を抑えることができ、厚さを大きくすることに伴う着用者の動きが阻害される不具合がなくなり、釣り用ウェアとして釣りを行う際の着用性も維持することができる。
【0010】
(2)前記内側層は、ウェアに形成される開口端部側の部分において厚さ方向に貫通してウェアの内側と前記中間層との間を連通する貫通部を有することを特徴としてもよい。
【0011】
この場合には、開口端部から浸入した水滴が内側層の開口端部側の部分から貫通部を通って中間層に到達して吸水される。すなわち、開口端部から浸入した水滴は内側層とウェアの内側である着用者の皮膚との間に浸入する手前で中間層によって吸水されることになり、内側層と皮膚との間に開口端部からの水滴が浸入することを抑制できる。このように、本発明では、着用者の皮膚に水分が接することをより確実に抑えることができ、快適な状態を継続的に保ち続けることができる。
【0012】
(3)前記内側層および前記中間層のウェアに形成される開口端部側の先端部は、前記外側層の前記開口端部側の先端部よりも前記開口端部からの距離が長く、かつ前記内側層の先端部は、前記中間層の先端部よりも前記開口端部からの距離が長いことが好ましい。
【0013】
この場合には、内側層の先端部と中間層の先端部との開口端部側の部分が開放されているので、その開口端部側の部分から浸入した水滴が中間層の開口端部側の部分に直接、到達して吸水される。すなわち、例えば袖口等の開口端部から浸入した水滴は内側層と着用者の皮膚との間に浸入する手前で中間層によって吸水されることになる。そのため、内側層と皮膚との間に開口端部からの水滴が浸入することを抑制でき、着用者の快適性をさらに高めることができる。
【0014】
(4)前記内側層は、防水性を有する素材であることを特徴としてもよい。
【0015】
この場合には、内側層が防水性を有するので、袖口から浸入した水滴が内側層に遮断され、中間層の端部側に到達し易くなる。中間層に到達した水滴は中間層に吸水される。すなわち、内側層と着用者の皮膚との間には開口端部から浸入した水滴が浸入しにくくなり、着用者の皮膚に水分が接することをより確実に抑えることができ、快適な状態を継続的に保ち続けることができる。
【0016】
(5)前記内側層は、透湿性を有する素材であることを特徴としてもよい。
【0017】
この場合には、着用者の皮膚から発する湿気が内側層を透過して中間層で吸湿される。つまり、着用者の皮膚と接触する内側層には前記湿気が吸湿されることがない。そのため、衣服内の湿度を下げることができ、衣服内環境を改善することができ、快適性を向上させることができる。
【0018】
(6)前記中間層は、袖口から肘に向けて面方向に連続していることを特徴としてもよい。
【0019】
この場合には、衣服内の温度が下がることから、衣服内環境を改善することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る釣り用ウェアによれば、ウェアとしての機能を妨げることなく着用性を維持しつつ、着用者の快適性をより向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の第1実施形態による釣り用ウェアを示す正面図である。
【
図2】
図1に示す釣り用ウェアの袖部の軸方向に沿って切断した横断面図である。
【
図3】
図2に示す釣り用ウェアの袖部の要部拡大図である。
【
図4】第2実施形態による釣り用ウェアの袖部の要部拡大図である。
【
図5】第3実施形態による釣り用ウェアの袖部の要部拡大図である。
【
図6】第4実施形態による釣り用ウェアの袖部の軸方向に沿って切断した横断面図である。
【
図7】第5実施形態による釣り用ウェアの袖部の要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る釣り用ウェアの実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面において、各構成部材を視認可能な大きさとするために必要に応じて各構成部材の縮尺を適宜変更している場合がある。
【0023】
(第1実施形態)
図1に示すように本第1実施形態の釣り用ウェア1は、魚釣りの際に着用するレインスーツであって、フード14を備えた上衣である。釣り用ウェア1は、筒状に形成された左右の袖部10と、ファスナによって開閉可能に設けられた前面部11と、後面部12と、ネック部13と、を備えている。釣り用ウェア1は、雨水や波しぶき等の水の浸入を防止する機能とともに、防寒の機能を有している。
【0024】
図2及び
図3に示すように、釣り用ウェア1は、防水性を有する素材からなる外側層2と、外側層2の内側に配置され、防水性及び透湿性を有する素材からなる内側層3と、外側層2と内側層3との間に配置され吸水性(吸湿性)を有する中間層4と、を備えて積層された三層構造となっている。
図2及び
図3は、袖部10を示している。以下、釣り用ウェア1のうち袖部10の構造の例を用いて説明する。袖部10において、袖本体10Aと、袖本体10Aの開口端部10a側に位置する袖口10Bと、を有している。袖口10Bは、外側層2により構成されている。
【0025】
ここで、釣り用ウェア1の厚み方向で外方に露出する側を外側とし、
図3に示す着用者Mの皮膚Ma側の裏面側を内側として以下説明する。
また、以下の説明において、水や水滴は、水W1で統一し、水分子が水素結合で繋がり見かけの分子量が大きい状態である液体であると定義する。また、水蒸気(湿気W2)は、水分子が単体で存在している状態である気体であると定義する。
【0026】
外側層2は、内側層3および中間層4よりも袖部10の開口端部10a側に長くなるように形成されている。内側層3及び中間層4における開口端部10a側の先端部3c、4cは、外側層2の先端部よりも袖部10の肘側に短くなっている。すなわち、内側層3の先端部3c及び中間層4の先端部4cは、外側層2の開口端部側の先端部よりも開口端部10aからの距離が長くなっている。本実施形態では、袖口10B側における内側層3の先端部3c及び中間層4の先端部4cの位置は一致している。また、中間層4は、内側層3よりも長さが短くなっている。外側層2の内面2aは、中間層4の外面4bに対して点接着、面接着、または縫製により接続されている。このように、袖部10は、内側層3の先端部3c及び中間層4の先端部4cより開口端部10a側において、着用者Mの皮膚Ma側から中間層4の先端部4cに連通する貫通部10bが形成されている。
【0027】
外側層2の防水生地としては、例えば、防水フィルム、コーティング等が付与された生地が採用される。防水フィルムとしては、ポリウレタンフィルム、表面撥水と防水フィルムラミネート生地を組み合わせたもの等が使用される。コーティングとしては、PU(ポリウレタン)コーティング、PVC(ポリ塩化ビニル)コーティング等が使用される。
【0028】
内側層3は、中間層4の内面4aに積層された状態で設けられている。内側層3の外面3bは、中間層4の内面4aに対して点接着、面接着、または縫製により接続されている。
内側層3の生地の素材としては、例えば外側層2と同等の防水フィルム、コーティング等が付与された防水性の生地で、かつ透湿性を有する素材が採用される。すなわち、内側層3は、水W1を透過させることなく湿気W2(水蒸気)のみを透過可能な素材となっている。つまり、釣り用ウェア1では、内側から内側層3を透湿した湿気W2は吸水性を有する中間層4の内面4aから吸湿される。
【0029】
中間層4は、袖口10Bから肘に向けて面方向に連続している。中間層4は、袖口10Bから浸入した水W1が貫通部10bを通して吸水可能に設けられている。中間層4は、外側層2及び内側層3に対して点接着、面接着、または縫製により接続されている。このように各層同士が接続されているので、内側層3を透湿した湿気W2の吸湿を阻害しない接着になっている。
中間層4の吸水・吸湿生地の素材としては、例えば、吸水速乾で、かつ水滴を吸収しやすいように生地皮膚側がパイル状等の表面積の多い形状(トリコット、パイル、起毛トリコット等)の素材が使用される。
【0030】
次に、このように構成される釣り用ウェア1の作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態による釣り用ウェア1では、外側層2が防水性を有する素材であるので、波しぶきや雨水による水W1が外側層2を通じて外側層2の裏側(内面2a側)に浸入することを防止できる。袖口10Bから浸入した水W1や、着用者Mの皮膚Maから発する汗の湿気W2は、内側層3を透過あるいは迂回して内側層3と外側層2との間の中間層4に達して吸収される。
すなわち、本実施形態では、内側層3に水滴(水W1)が吸収されたり付着した状態になることを抑えることができる。そのため、着用者Mの皮膚Maに水分が接することを抑制することができ、着用者Mの快適性を保持することができる。
【0031】
また、本実施形態による釣り用ウェア1では、外側層2の内面2aのほぼ全体にわたって中間層4を配置することが可能となる。そのため、部分的に吸水、吸湿した水分(水W1や湿気W2)が中間層4全体に浸透して拡散されるので、中間層4における吸水量を十分に確保することができる。例えば、袖口10Bから多量の水W1が浸入した場合であっても、中間層4で吸水、吸湿した水分が飽和することなく十分な吸水量を中間層4にもたせることができる。このように、吸水許容量を超えて飽和し、釣り用ウェア1の内側に水分が付着した状態となり、着用者Mの皮膚Maに水分が接することによる着用者Mの快適性が保てなくなることを抑制できる。
【0032】
さらに、本実施形態では、上述したように中間層4全体にわたって吸水した水分(水W1及び湿気W2)が拡散され、十分な吸水量が確保される構成となるので、従来のように吸水量を増大するために中間層4の厚さを大きく対応が不要となる。そのため、部材のコストの増加を抑えることができ、厚さを大きくすることに伴う着用者Mの動きが阻害される不具合がなくなり、釣り用ウェア1として釣りを行う際の着用性も維持することができる。
【0033】
本実施形態では、内側層3および中間層4が袖部10の開口端部10a側の先端部3c、4cにおいて外側層2よりも肘側に短く、かつ中間層4が内側層3よりも長さが短い構成となっている。
この場合には、内側層3の先端部3cと中間層4の先端部4cとが開放されているので、その開放部分から浸入した水W1が中間層4の先端部4cに直接、到達して吸水される。すなわち、例えば袖口10の開口端部10aから浸入した水W1は内側層3と着用者Mの皮膚Maとの間に浸入する手前で中間層4によって吸水されることになる。そのため、内側層3と皮膚Maとの間に開口端部10aからの水W1が浸入することを抑制でき、着用者Mの快適性をさらに高めることができる。
【0034】
また、本実施形態では、内側層3は、防水性及び透湿性を有する素材である。つまり、内側層3が防水性を有するので、袖口10Bから浸入した水W1が内側層3に遮断され、中間層4の先端部4c側に到達し易くなる。そして、中間層4に到達した水W1は中間層4に吸水される。すなわち、内側層3と着用者Mの皮膚Maとの間には開口端部10aから浸入した水W1が浸入しにくくなり、皮膚Maに水分が接することをより確実に抑えることができ、快適な状態を継続的に保ち続けることができる。
さらに、この場合には、内側層3が透湿性も有することから、着用者Mの皮膚Maから発する湿気W2が内側層3を透過して中間層4で吸湿される。つまり、着用者Mの皮膚Maと接触する内側層3には湿気W2が吸湿されることがない。そのため、釣り用ウェア1内の湿度を下げることができ、衣服内環境を改善することができ、快適性を向上させることができる。
【0035】
さらに、本実施形態では、中間層4は袖口10Bから肘に向けて面方向に連続しているので、衣服内の温度、あるいは湿度が低下することから、衣服内環境を改善することができる。
【0036】
上述のように構成された本実施形態による釣り用ウェア1では、ウェアとしての機能を妨げることなく着用性を維持しつつ、着用者Mの快適性をより向上できる。
【0037】
次に、他の実施形態による釣り用ウェアについて説明する。なお、上述した第1実施形態の構成要素と同一機能を有する構成要素には同一符号を付し、これらについては、説明が重複するので詳しい説明は省略する。
【0038】
(第2実施形態)
次に、
図4に示す第2実施形態による釣り用ウェア1Aは、上述した第1実施形態の釣り用ウェア1において、内側層3の先端部3cが中間層4の先端部4cよりも開口端部10aからの距離が長い構成となっている。つまり、内側層3の先端部3cは、中間層4の先端部4cよりも肘側に位置している。すなわち、内側層3の先端部3cより開口端部10a側には、厚さ方向に貫通して着用者Mの皮膚Maと中間層4の内面4aとの間を連通する第2貫通部10cを形成している。
なお、第2実施形態における外側層2、内側層3、及び中間層4の素材は、上述した第1実施形態と同様である。つまり、外側層2は防水性を有し、内側層は防水性かつ透湿性を有し、中間層4は吸水性かつ吸湿性を有している。
【0039】
このように構成される第2実施形態による釣り用ウェア1Aでは、開口端部10aから浸入した水W1が内側層3の開口端部10a側の先端部3cから第2貫通部10cを通って中間層4に到達して吸水される。すなわち、袖部10の開口端部10aから浸入した水W1は内側層3と着用者Mの皮膚Maとの間に浸入する手前で中間層4によって吸水されることになり、内側層3と皮膚Maとの間に開口端部10aからの水W1が浸入することを抑制できる。このように、本第2実施形態では、着用者Mの皮膚Maに水分が接することをより確実に抑えることができ、快適な状態を継続的に保ち続けることができる。
【0040】
(第3実施形態)
次に、
図5に示すように、第3実施形態による釣り用ウェア1Bは、上述した第1実施形態の釣り用ウェア1において、内側層3が防水性のみを有する素材を採用した構成である。
内側層3の生地の素材としては、例えば外側層2と同等の防水フィルム、コーティング等が付与された防水性のみを有する素材が採用されている。すなわち、内側層3は、水W1及び湿気W2(水蒸気)を透過させない素材となっている。なお、第3実施形態における外側層2、及び中間層4の素材は、上述した第1実施形態と同様である。つまり、外側層2は防水性を有し、中間層4は吸水性かつ吸湿性を有している。
【0041】
第3実施形態による釣り用ウェア1Bでは、内側層3が防水性のみを有するので、袖口10Bの開口端部10aら浸入した水W1が内側層3に遮断され、中間層4の先端部4c側に到達し易くなる。そして、中間層4に到達した水W1は中間層4に吸水される。すなわち、内側層3と着用者Mの皮膚Maとの間には開口端部10aから浸入した水W1が浸入しにくくなり、皮膚Maに水分が接することをより確実に抑えることができ、快適な状態を継続的に保ち続けることができる。
【0042】
(第4実施形態)
図6に示すように、第4実施形態による釣り用ウェア1Cは、上述した第1実施形態の釣り用ウェア1において、内側層3の先端部3c側の部分(形成領域3A)に多数の孔部31(貫通部)が設けられた構成となっている。多数の孔部31は、内側層3の厚さ方向に貫通して着用者Mの皮膚Maと中間層4との間を連通している。
【0043】
孔部31の断面形状、孔径、数量等の構成はとくに限定されることはなく、任意に設定することができる。また、多数の孔部31が配置される形成領域3A、すなわち内側層3の先端部3cから肘側に向けた距離も適宜設定することができる。
なお、第4実施形態における外側層2、内側層3、及び中間層4の素材は、上述した第1実施形態と同様である。つまり、外側層2は防水性を有し、内側層3は防水性かつ透湿性を有し、中間層4は吸水性かつ吸湿性を有している。
【0044】
第4実施形態による釣り用ウェア1Cでは、袖部10の開口端部10aから浸入した水W1が内側層3の先端部3c側の形成領域3Aに設けられる多数の孔部31を通って中間層4に到達して吸水される。すなわち、開口端部10aから浸入した水W1は内側層3と着用者Mの皮膚Maとの間に浸入する手前で中間層4によって吸水されることになり、内側層3と皮膚Maとの間に開口端部10aからの水W1が浸入することを抑制できる。このように、本実施形態では、皮膚Maに水分が接することをより確実に抑えることができ、快適な状態を継続的に保ち続けることができる。
【0045】
(第5実施形態)
図7に示すように、第5実施形態による釣り用ウェア1Dは、上述した第1実施形態の釣り用ウェア1において、内側層3及び中間層4が外側層2と同じ長さに設定されている。すなわち、内側層3の先端部3cと中間層4の先端部4cが袖部10の軸方向で外側層2の先端部と同じ位置に設けられ、袖部10の開口端部10aを構成している。
なお、第5実施形態における外側層2、内側層3、及び中間層4の素材は、上述した第1実施形態と同様である。つまり、外側層2は防水性を有し、内側層3は防水性かつ透湿性を有し、中間層4は吸水性かつ吸湿性を有している。
【0046】
第5実施形態による釣り用ウェア1Dでは、袖口10Bを着用者Mの皮膚Maに密着させた状態にすることで、開口端部10aからの水W1の浸入を抑えることができる。そして、開口端部10a近傍の水W1は中間層4の先端部4cから吸水され、着用者Mの皮膚Maから発する汗の湿気W2は内側層3を透過して内側層3と外側層2との間の中間層4に達して吸湿される。この場合には、袖部10の軸方向の全体にわたって内側層3及び中間層4が設けられているので、皮膚Maから発せられる湿気W2が内側層3を透湿して中間層4で確実に吸湿されることになる。
そのため、内側層3に水滴(水W1)が吸収されたり付着した状態になることを抑えることができる。そのため、着用者Mの皮膚Maに水分が接することを抑制することができ、着用者Mの快適性を保持することができる。
【0047】
以上、本発明による釣り用ウェアの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形例には、例えば当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、均等の範囲のものなどが含まれる。
【0048】
例えば、上記実施形態では、釣り用ウェア1における袖口10Bを開口端部10aとする袖部10を一例として説明しているが、袖部10に限定されることはなく、釣り用ウェア1における開口端部を有するネック部13、あるいは上衣ではなくズボンの裾を適用対象とすることができる。
【0049】
また、上述した釣り用ウェア1の外側層2、内側層3、及び中間層4からなる三層構造は、釣り用ウェア1の開口端部寄りの一部に適用されていてもよいし、上述した実施形態の袖部10のように部位全体であってもよいし、あるいは釣り用ウェア1全体であってもかまわない。
【符号の説明】
【0050】
1、1A、1B、1C、1D 釣り用ウェア
2 外側層
3 内側層
3a 内面
3b 外面
3c 先端部
4 中間層
4a 内面
4b 外面
4c 先端部
10 袖部
10A 袖本体
10B 袖口
10a 開口端部
10b 貫通部
10c 第2貫通部
31 孔部(貫通部)
M 着用者
Ma 皮膚
W1 水
W2 湿気