特許7802495IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

スイッチング素子を用いて変換された出力を負荷に印加する電力変換装置及びその製造方法に関するものである。

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

しかしながら、従来の対策ではインピーダンスのバランスをとるために付加された容量(コンデンサ)や寄生容量の周波数特性により、共振点近辺ではバランスを取ることが困難となり、結果としてバランスを取ることができる周波数の帯域(インピーダンスバランスの効果が得られる帯域)が狭くなってしまうという問題があった。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

請求項1の発明の電力変換装置は、スイッチング素子のスイッチングにより変換された出力を負荷に印加するものであって、直流電源の正極側からスイッチング素子に至る正極側経路と、直流電源の負極側からスイッチング素子に至る負極側経路と、正極側の寄生容量発生ポイントPと基準電位導体間に接続された正極側付加抵抗と、負極側の寄生容量発生ポイントNと基準電位導体間に接続された負極側付加抵抗を備え、正極側経路のイ・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る

発明の効果[発明の詳細な説明]から抜粋

請求項1及び請求項11の発明では、スイッチング素子のスイッチングにより変換された出力を負荷に印加する電力変換装置において、直流電源の正極側の寄生容量発生ポイントPと基準電位導体間に正極側付加抵抗を接続すると共に、直流電源の負極側の寄生容量発生ポイントNと基準電位導体間に負極側付加抵抗を接続し、直流電源の正極側からスイッチング素子に至る正極側経路のインダクタンスのインピーダンスをZv、直流電源の負極側からスイッチング素子に至る負極側経路のインダクタンスのインピーダンスをZg、正極側の寄生容量発生ポイントPと基準電位導体間の容量と正極側付加抵抗を含むインピーダンスをZt、負極側の寄生容量発生ポイントNと基準電位導体間の容量と負極側付加抵抗を含むインピーダンスをZbとしたとき、インピーダンスZv、Zg、Zt、及び、Zbで構成されるブリッジ回路の平衡条件が成立、若しくは、略成立するように、インピーダンスZt、及び、Zbを設定するようにしたので、正極側の寄生容量発生ポイントPと基準電位導体間の容量、及び、負極側の寄生容量発生ポイントNと基準電位導体間の容量における共振点近辺で、インピーダンスZtとインピーダンスZbが急激に低下してしまう不都合を、正極側付加抵抗と負極側付加抵抗により補い、インピーダンスZtとインピーダンスZbの比率を維持することができるようになる。

これにより、インピーダンスバランスの効果が得られる帯域を広げることができるようになり、コモンモード電流によるノイズを広帯域で効果的に抑制することができるようになる。

における平衡条件は、請求項2及び請求項12の発明の如く、Zb×Zv=Zg×Ztの関係が成立し、若しくは、Zb×Zv=Zg×Ztの関係が略成立することである。

また、請求項3及び請求項13の発明の如く正極側付加抵抗に直列に正極側付加容量を接続し、及び/又は、負極側付加抵抗に直列に負極側付加容量を接続して、インピーダンスZv、Zg、Zt、及び、Zbで構成されるブリッジ回路の平衡条件が成立、若しくは、略成立するように、正極側付加抵抗、及び、負極側付加抵抗の抵抗値と、正極側付加容量、及び/又は、負極側付加容量の容量を設定するようにすれば、正極側付加容量や負極側付加容量の容量を寄生容量より十分大きくすることにより、寄生容量の影響を受けること無く、インピーダンスバランスをとることができるようになる。即ち、正極側付加容量や負極側付加容量の容量を、寄生容量を考慮して選定することにより、寄生容量を調整すること無く、一層容易にインピーダンスバランスをとることができるようになる。

また、請求項4及び請求項14の発明の如く正極側付加抵抗に直列に正極側付加インダクタを接続し、及び/又は、負極側付加抵抗に直列に負極側付加インダクタを接続すると共に、インピーダンスZv、Zg、Zt、及び、Zbで構成されるブリッジ回路の平衡条件が成立、若しくは、略成立するように、正極側付加抵抗、及び、負極側付加抵抗の抵抗値と、正極側付加インダクタ、及び/又は、負極側付加インダクタのインダクタンスを設定するようにすれば、周波数が高い帯域において、インピーダンスZtとインピーダンスZbの比率を、正極側付加インダクタと負極側付加インダクタのインダクタンスの比率により維持することができるようになる。これにより、インピーダンスバランスの効果が得られる帯域をより一層広げることができるようになる。

また、請求項5及び請求項15の発明の如く正極側付加インダクタ、及び/又は、負極側付加インダクタに、並列に抵抗を接続すれば、高周波領域で共振が起きた場合に、抵抗によって共振を抑制することができるようになる。

尚、この抵抗は、請求項6及び請求項16の発明の如く正極側付加抵抗と正極側付加インダクタの直列回路、及び/又は、負極側付加抵抗と負極側付加インダクタの直列回路に、並列に接続してもよい。

更に、請求項7の発明の如く直流電源とスイッチング素子の間に接続されたEMIフィルタに、正極側経路と負極側経路の双方にそれぞれ接続されたノーマルモードコイルを設けることにより、ノーマルモード電流がコモンモード電流として基準電位導体に流出する不都合を抑制することができる。特に、正極側経路と負極側経路の双方にノーマルモードコイルを接続することで、正極側と負極側のインピーダンスを等しくし、平衡度を保つことができるようになり、インピーダンスバランスの効果を最大限に引き出すことが可能となる。

また、請求項8の発明の如く、各発明に加えて上アームのスイッチング素子と、下アームのスイッチング素子を有し、正極側経路が直流電源の正極側と上アームのスイッチング素子の高電位側端子とを接続し、負極側経路が直流電源の負極側と下アームのスイッチング素子の低電位側端子とを接続している電力変換装置の場合、上アームのスイッチング素子の低電位側端子と下アームのスイッチング素子の高電位側端子とを接続する中間経路と負荷との間に中間付加インピーダンスを接続すれば、負荷と基準電位導体間の寄生容量を経由する経路のインピーダンスを増加させ、この経路から流出するコモンモード電流を低減させることができるようになる。これにより、負荷と基準電位導体間の寄生容量が大きい場合にも、インピーダンスバランスの効果を向上させることが可能となり、大型のEMIフィルタを搭載すること無く、ノイズを一層抑制することができるようになる。

特に、中間経路と負荷との間に中間付加インピーダンスを接続して、負荷と基準電位導体間の寄生容量を経由する経路のインピーダンスを十分に大きくすることにより、インピーダンスZv、Zg、Zt、及び、Zbで構成されるブリッジ回路の平衡条件に基づき、インピーダンスZt、及び、Zbを設定することで、インピーダンスバランス(平衡)をとる際に、中間インピーダンスが関わる値を無視できる程に小さくすることが可能となり、バランスがとり易くなって効果的にノイズを低減することができるようになる。

この場合、請求項9の如く各相の上アームのスイッチング素子と、下アームのスイッチング素子を有して三相交流出力を負荷としてのモータに印加する電力変換装置においては、アーム中点と基準電位導体間の寄生容量が大きく、中間インピーダンスが小さいため、バランスをとることが困難となるが、の如く中間付加インピーダンスを接続することで、効果的に係る問題を解消することが可能となる。

また、中間付加インピーダンスは請求項10の発明の如く、ノーマルモードコイル、三相コモンモードコイル、フェライトコアのうちの何れか、又は、それらのうちの二つの組み合わせ、若しくは、それらの全てにより構成するとよい。中間付加インピーダンスとして三相コモンモードコイルとフェライトコアを設けることにより、コモンモードインピーダンスを増加させてコモンモード電流の流出を減少させることができるようになる。一方、中間付加インピーダンスとしてノーマルモードコイルを設けることにより、スイッチングサージを効果的に抑制することが可能となり、結果として三相線間のモード変換(ノーマルモードからコモンモード)の抑制となるので、これらにより、負荷と基準電位導体間の寄生容量の影響を受け難くすることができるようになる。

また、ノーマルモードコイルは、コモンモードコイルと異なり、三相線の結合が不要なことから、別々に配置することが可能であり、配置上の制約が少なく、コモンモードコイルの場合よりも小型化し易い。更に、三相全てに入れなくとも(例えば二相のみ)、ノイズ低減効果が得られることから、使い勝手がよいという利点がある。

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】 本発明を適用した一実施例の電力変換装置の電気回路図である。
【図2】 図1の電力変換装置のインバータ回路と制御基板の電気回路図である。
【図3】 図1の電力変換装置の制御基板(バスバーアセンブリを含む)の寄生成分を説明する図である。
【図4】 図1の電力変換装置のモデル化されたブリッジ回路を示す図である。
【図5】 図3、図4中のインピーダンスZtの実施例を説明する図である。
【図6】 図3、図4中のインピーダンスZbの実施例を説明する図である。
【図7】 一般的なコンデンサのインピーダンスの周波数特性を説明する図である。
【図8】 正極側付加容量、負極側付加容量のみを接続した場合のインピーダンスZt、Zbの周波数特性を説明する図である。
【図9】 図8の場合のインピーダンスZt、Zbによるバランス効果帯域を説明する図である。
【図10】 コンデンサ、抵抗、及び、インダクタの直列回路のインピーダンスの周波数特性を説明する図である。
【図11】 正極側付加容量、正極側付加抵抗、及び、正極側付加インダクタの直列回路、負極側付加容量、負極側付加抵抗、及び、負極側付加インダクタの直列回路を接続した場合のインピーダンスZt、Zbの周波数特性を説明する図である。
【図12】 図11の場合のインピーダンスZt、Zbによるバランス効果帯域を説明する図である。
【図13】 従来の電力変換装置のノイズ経路を説明する図である。
【図14】 図1の電力変換装置のノイズ経路を説明するための電気回路図である。
【図15】 図3、図4中のインピーダンスZtの更に他の実施例を説明する図である。
【図16】 図3、図4中のインピーダンスZbの更に他の実施例を説明する図である。

代表図 図1本件の代表的な図

1 電力変換装置 2 インバータ回路 3~8 上下アームスイッチング素子 11 制御基板 14 バッテリ(直流電源) 15 筐体(基準電位導体) 16 正極側経路 17 負極側経路 18 EMIフィルタ 22、30 ノーマルモードコイル 28 三相コモンモードコイル(Zm1) 29 フェライトコア(Zm1) 31U~31W 中間経路 32U~32W 出力経路 33C コンデンサ(正極側付加容量) 33L インダクタ(正極側付加インダクタ) 33R 抵抗(正極側付加抵抗) 33Rs1、33Rs2、34Rs1、34Rs2 抵抗 34C コンデンサ(負極側付加容量) 34L インダクタ(負極側付加インダクタ) 34R 抵抗(負極側付加抵抗) 35 ノーマルモードコイル(Zm1) M モータ(負荷) N 負極側の寄生容量発生ポイント P 正極側の寄生容量発生ポイント Zb 負極側の寄生容量発生ポイントNと筐体15間のインピーダンス Zg 負極側経路のインダクタンスのインピーダンス Zm 中間インピーダンス Zm1 中間付加インピーダンス Zt 正極側の寄生容量発生ポイントPと筐体15間のインピーダンス Zv 正極側経路のインダクタンスのインピーダンス

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