(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-01-13
(45)【発行日】2026-01-21
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
B65D 5/52 20060101AFI20260114BHJP
【FI】
B65D5/52 K
(21)【出願番号】P 2021166070
(22)【出願日】2021-10-08
【審査請求日】2023-12-18
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 圭太
【審査官】加藤 丈達
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-111469(JP,A)
【文献】実開昭51-141630(JP,U)
【文献】実公昭58-052214(JP,Y2)
【文献】特表2007-533561(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0099570(US,A1)
【文献】独国実用新案第202006012657(DE,U1)
【文献】欧州特許出願公開第00704386(EP,A1)
【文献】特開2008-162659(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/00- 5/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の胴部と、
前記胴部の上側の開口を塞ぐ頂板と、前記胴部の下側の開口を塞ぐ底板と、を備え、
前記頂板には、前後方向に延びている二本の第一切断誘導線が形成されており、
前記胴部の少なくとも一つの側面には、前記第一切断誘導線に連続し、前記頂板から前記底板まで延びている二本の第二切断誘導線が形成され、
前記第一切断誘導線の端部のうち前記第二切断誘導線に連続する端部とは反対側の端部には、二本の前記第一切断誘導線同士を結ぶ第四切断誘導線が形成され、
前記第二切断誘導線の前記底板側の端部には、二本の前記第二切断誘導線同士を結ぶ第五切断誘導線が形成され、
前記第二切断誘導線は、前記底板に向かうにつれて互いに近接するように形成されるとともに、二本の前記第二切断誘導線同士は互いに離間する方向に膨らむ曲線であ
り、
前記頂板の一部である頂板開封部を引き上げることで前記第一切断誘導線及び前記第四切断誘導線が破断し、前記頂板開封部が前記頂板から切り離され、
前記頂板開封部に連続して、前記胴部の一部である端壁開封部を外側に引くことで前記第二切断誘導線が破断し、前記第五切断誘導線を破断させることで、前記端壁開封部が前記胴部から切り離されて開口部が形成されることを特徴とする包装箱。
【請求項2】
請求項1に記載の包装箱であって、
前記第二切断誘導線が形成された側面と対向する側面の上縁部には開封開始部が形成されていることを特徴とする包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
段ボール製の包装箱としては、筒状の胴部と、頂板及び底板と、を備え、頂板から胴部に亘って切り取り部を切り離すことで、包装箱の一部を開封してそのまま内容物を陳列できるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の包装箱では、内容物の視認性を高めるために開口部の横幅を広く設けている一方、横方向に延在する切断誘導線を側面の高さ方向中間部に設け、側面の下部を帯状に残置することにより、内容物のこぼれ落ちを防止している。しかし、胴部を横切る切断誘導線が形成されている包装箱は、胴部を横切る切断誘導線がきっかけとなって座屈しやすく強度が低下するため、倉庫等において包装箱を積み重ねた際に、上載荷重で包装箱が変形する虞がある。
【0005】
本発明は、前記した問題を解決し、内容物の視認性を高める開口部を形成可能でありながら強度の低下を防ぐことができ、かつ、陳列時に内容物のこぼれ落ちを防ぐことができる包装箱を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は、筒状の胴部と、前記胴部の上側の開口を塞ぐ頂板と、前記胴部の下側の開口を塞ぐ底板と、を備え、前記頂板には、前後方向に延びている二本の第一切断誘導線が形成されており、前記胴部の少なくとも一つの側面には、前記第一切断誘導線に連続し、前記頂板から前記底板まで延びている二本の第二切断誘導線が形成され、前記第一切断誘導線の端部のうち前記第二切断誘導線に連続する端部とは反対側の端部には、二本の前記第一切断誘導線同士を結ぶ第四切断誘導線が形成され、前記第二切断誘導線の前記底板側の端部には、二本の前記第二切断誘導線同士を結ぶ第五切断誘導線が形成され、前記第二切断誘導線は、前記底板に向かうにつれて互いに近接するように形成されるとともに、二本の前記第二切断誘導線同士は互いに離間する方向に膨らむ曲線であり、前記頂板の一部である頂板開封部を引き上げることで前記第一切断誘導線及び前記第四切断誘導線が破断し、前記頂板開封部が前記頂板から切り離され、前記頂板開封部に連続して、前記胴部の一部である端壁開封部を外側に引くことで前記第二切断誘導線が破断し、前記第五切断誘導線を破断させることで、前記端壁開封部が前記胴部から切り離されて開口部が形成されることを特徴とする包装箱。
【0007】
本発明の包装箱を開封するときには、二本の第一切断誘導線に挟まれた部位を把持し、当該部位を外側に引くことで、第一切断誘導線を容易に切り開くことができる。そして、二本の第二切断誘導線に挟まれた部位をさらに外側に開くと、胴部の側面が底板に向けて切り裂かれる。このように、本発明の包装箱によれば、内容物の視認性を高める開口部が形成されるため、包装箱から内容物を取り出さずにそのまま陳列することができる。
また、第二切断誘導線が下端に向かうにつれて近接し、内容物の幅よりも狭くなるため、内容物のこぼれ落ちを防ぐことができる。さらに、胴部の側面を横断する切断誘導線をなくせるため、強度の低下を防ぐことができる。
また、二本の第二切断誘導線に挟まれた部位を外側に引きやすくなるため、より容易に胴部の側面に開口部を形成することができる。
【0010】
前記した包装箱において、前記第二切断誘導線が形成された側面と対向する側面の上縁部には開封開始部が形成されていることが好ましい。
【0011】
この構成では、作業者は後ろ側の端壁の開封開始部に手を差し込むことで、二本の第一切断誘導線で囲まれた部位把持しやすくなり、容易に開口させることができる
【発明の効果】
【0012】
本発明の包装箱は、内容物の視認性を高める開口部を形成可能でありながら強度の低下を防ぐことができ、かつ、陳列時に内容物のこぼれ落ちを防ぐことができる包装箱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係る包装箱を前方右上から見た斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る包装箱のブランクシートを示した図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る包装箱において頂板の開封部を開いた状態を示した斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る包装箱において胴部の側面を開いた状態を示した斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る包装箱のブランクシートの変形例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
以下の説明において、前後左右方向とは、本実施形態の包装箱を説明する上で便宜上設定したものであり、包装箱の構成や使用状態を限定するものではない。
【0015】
本実施形態の包装箱1は、本実施形態の包装箱1は、
図1に示すように、筒状の胴部10と、胴部10の上縁部に連設された頂板20と、胴部10の下縁部に連設された底板30と、を備えている。本実施形態の包装箱1は、ラップアラウンド方式の段ボール箱である。
【0016】
包装箱1は、
図2に示すように、段ボール製のシートを切り抜いたブランクシートSを各罫線において山折りまたは谷折りすることで形成される。
図2に示すブランクシートSは外面側が見えるように配置されている。
ブランクシートSの各罫線(折線)は、ブランクシートSの表面を押し込んで形成された線状の溝(押罫)である。
なお、罫線に断続的な切れ込みを形成してもよい。このようにすると、罫線においてブランクシートSを折り曲げ易くなる。
【0017】
ブランクシートSに形成された各切断誘導線は、複数の切れ込みが断続して形成されたミシン目の線である。なお、切れ込みの形状や長さは限定されるものではない。また、ブランクシートSから組み立てた包装箱1を示した各図では、包装箱1の構造を分かり易く図示するために、各切断誘導線の切れ込みの形状は簡略化している。
【0018】
胴部10は、
図1に示すように、前後の端壁11,11と、左右の側壁12,12と、を有している。前後の端壁11,11及び、左右の側壁12,12は、それぞれ四角形の平板である。
端壁11の上縁部には、罫線を介して頂板20が連設されている。また、前側の端壁11の下縁部には、罫線を介して底板30が連設されている。また、底板30の後側縁部には、罫線を介して後側の端壁11が連接されている。また、頂板20の前縁部には、帯状の接合片50が連設されている。
【0019】
図1に示すように、前側の端壁11には、後述する左右の第二切断誘導線L12,L12と、端壁開封部42と、が形成されている。
図2に示すように、後側の端壁11の上縁部には、開封開始部41aが形成されている。
また、後側の端壁11と頂板20との間の罫線(稜線)に沿って、第四切断誘導線L14が形成されており、前側の端壁11と底板30との間の罫線(稜線)に沿って、第五切断誘導線L15が形成されている。開封開始部41aは、第四切断誘導線L14に隣接した位置に形成されている。
【0020】
右側の側壁12は、
図1及び
図2に示すように、前後の端壁11,11の右縁部に連設された前後の横フラップ12a,12b(
図2参照)と、頂板20の右縁部に連設された上フラップ21と、底板30の右縁部に連設された下フラップ31と、を備えている。
前後の横フラップ12a,12bの先端縁部は突き合わされている。前後の横フラップ12a,12bの外面には、上フラップ21および下フラップ31が貼り付けられている。
【0021】
左側の側壁12は、
図1に示すように、右側の側壁12と同じ構成であり、前後の横フラップ12a,12bと、上フラップ21と、下フラップ31と、を備え、前後の横フラップ12a,12bの外面に、上フラップ21および下フラップ31が貼り付けられている。
【0022】
頂板20は、
図1に示すように、胴部10の上側開口部を閉塞している。頂板20には、
図1に示すように、左右の第一切断誘導線L11,L11と、頂板開封部41と、が形成されている。
左右の第一切断誘導線L11,L11は、頂板20の前後の縁部に亘って形成されている。第一切断誘導線L11,L11の後端は、第四切断誘導線L14に接続されている。すなわち、第四切断誘導線L14は、第一切断誘導線L11,L11の後端同士を結ぶように形成されている。第一切断誘導線L11および第四切断誘導線L14は、複数の切れ込みを断続して形成したミシン目の線であり、各切れ込みは頂板20を貫通している。
頂板開封部41は、左右の第一切断誘導線L11,L11と、第四切断誘導線L14と、頂板20の前側の縁部に囲まれた領域であり、四角形を呈している。
【0023】
左右の第二切断誘導線L12,L12は、第一切断誘導線L11,L11の両端部から連続しており、前側の端壁11の上下の縁部に亘って形成されている。つまり、第二切断誘導線L12,L12は、頂板20から底板30に至るまで、延在している。
【0024】
右側の第二切断誘導線L12は、前側の端壁11の左側上部の角から離間する方向に膨らむ曲線状に形成されている。
左側の第二切断誘導線L12は、前側の端壁11の右側上部の角から離間する方向に膨らむ曲線状に形成されている。
第二切断誘導線L12,L12は、複数の切れ込みを断続して形成したミシン目の線であり、各切れ込みは前側の端壁11を貫通している。
【0025】
左右の第二切断誘導線L12,L12は、下側の縁部に向かうにつれて互いに近接するように形成されている。つまり、第二切断誘導線L12,L12間の下端の長さは、上端の長さに比べて短く形成されている。
より具体的には、第二切断誘導線L12,L12の下端の離隔距離は、上端の離隔距離の半分以下、好ましくは1/3以下、より好ましくは1/4以下となるように形成するとよい。
第二切断誘導線L12,L12の下端は、第五切断誘導線L15に接続されている。すなわち、第五切断誘導線L15は、第二切断誘導線L12,L12の下端同士を結ぶように形成されている。
【0026】
端壁開封部42は、左右の第二切断誘導線L12,L12と前側の端壁11の上側の縁部と第五切断誘導線L15に囲まれた領域であり、下側の縁部に近づくにつれて左右方向の幅が狭くなる先細り形状(略逆さ台形状)を呈している。
【0027】
底板30は、
図1に示すように、胴部10の下側開口部を閉塞している。底板30は、頂板20と同じ四角形の平板である。
【0028】
接合片50には第二切断誘導線L12,L12に対応する位置に、第三切断誘導線L13,L13が形成されている。つまり、第三切断誘導線L13,L13は、接合片50を前側の端壁11の表面に貼り付けた状態で、第二切断誘導線L12,L12と重なるように配置されている。なお、第二切断誘導線L12,L12を後側の端壁11に形成する場合は、第三切断誘導線L13,L13は省略してもよい。
【0029】
本実施形態の包装箱1を開封するときには、まず、後側の端壁11の開封開始部41aを包装箱1の内側に押し込む。次いで、
図3に示すように、後側の端壁11の開封開始部41aに作業者の指を入れて、頂板開封部41を把持して引き上げる。これにより、第四切断誘導線L14が破断するとともに、第一切断誘導線L11,L11が前側の端壁11側に向けて破断し、頂板開封部41が切り離される。
【0030】
次に、切り離した頂板開封部41をさらに前側に引き出すと、第二切断誘導線L12,L12が頂板20から底板30に向けて破断する。その後、第五切断誘導線L15を破断させると、端壁開封部42が切り離される。これにより、
図4に示すように、頂板20から前側の端壁11の下側縁部にかけて開口部60が形成される。
【0031】
包装箱1に開口部60を形成すると、内容物Aの前面や上面を視認できるような状態となる。
【0032】
以上のような包装箱1では、頂板開封部41を外側に引いて、頂板20の一部を開口させ、頂板開封部41に連続して端壁開封部42を外側に引くことで、胴部10に開口部60を形成することができる。これにより、内容物Aの視認性を高める開口部60が形成されるため、包装箱1から内容物Aを取り出さずにそのまま陳列することができる。
また、第二切断誘導線L12が下端に向かうにつれて近接し、内容物Aの幅よりも狭くなるため、内容物Aの下部が押さえられ、内容物Aのこぼれ落ちを防ぐことができる。さらに、胴部10の側面を横断する切断誘導線をなくせるため、強度の低下を防ぐことができる。
【0033】
本実施形態の包装箱1では、
図1に示すように、第二切断誘導線L12,L12は曲線であるため、第二切断誘導線L12,L12で囲まれた端壁開封部42を容易に開口させることができる。
【0034】
本実施形態の包装箱1では、
図2に示すように、後側の端壁11の上縁部には開封開始部41aが形成されているため、作業者は後側の端壁11の開封開始部41aに手を差し込むことができる。
【0035】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
例えば、
図5に示すように、後側の端壁11に第一切断誘導線L11,L11を形成してもよい。この場合には、開封開始部41aを接合片50に形成して、後側の端壁11を開くように構成してもよい。
【0036】
本実施形態の包装箱1は、ラップアラウンド方式の段ボール箱であるが、包装箱1の胴部や蓋板の形状は限定されるものではなく、例えば、A式の段ボール箱であってもよい。
【0037】
本実施形態の包装箱1は段ボール製であるが、各種公知の板紙によって包装箱1を形成できる。
【符号の説明】
【0038】
1 包装箱
10 胴部
11 端壁
12 側壁
12a 横フラップ
12b 横フラップ
21 上フラップ
31 下フラップ
20 頂板
30 底板
41 頂板開封部
42 端壁開封部
50 接合片
60 開口部
L11 第一切断誘導線
L12 第二切断誘導線
L13 第三切断誘導線
L14 第四切断誘導線
L15 第五切断誘導線
A 内容物