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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-01-13
(45)【発行日】2026-01-21
(54)【発明の名称】撮像装置及び撮像装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/63 20230101AFI20260114BHJP
   H04N 23/53 20230101ALI20260114BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20260114BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20260114BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20260114BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20260114BHJP
【FI】
H04N23/63
H04N23/53
H04N23/50
G03B17/18
G03B15/00 D
G03B17/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022017535
(22)【出願日】2022-02-07
(65)【公開番号】P2023114934
(43)【公開日】2023-08-18
【審査請求日】2024-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 英治
(74)【代理人】
【識別番号】100095496
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 榮二
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】110000763
【氏名又は名称】弁理士法人大同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三枝 繁
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2022/024653(WO,A1)
【文献】特開2012-042743(JP,A)
【文献】特開2013-191290(JP,A)
【文献】特開2014-216825(JP,A)
【文献】特許第7679835(JP,B2)
【文献】特開2018-116226(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0225156(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/63
H04N 23/53
H04N 23/50
G03B 17/18
G03B 15/00
G03B 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部を含む本体と、
前記撮像部で撮った画像を表示する表示部と、
前記本体に対して左右方向に開閉する開閉軸と前記表示部を前記開閉軸に対して上下方向に回転する回転軸を介して前記表示部を前記本体背面に連結する連結部と、
前記表示部が前記開閉軸回りに前記本体に対し開いた位置において前記回転軸回りに回転した角度を検出する検出部と、
前記角度に応じて前記表示部を制御する制御部と、
を具備し、
前記表示部は、撮影者自身を被写体に含めて撮影を行うために前記撮像部で撮った画像を左右反転して表示して自撮り表示モードと、前記撮像部で撮った画像と同じ画像を観察できるように前記撮像部で撮った画像を上下及び左右反転して表示する通常表示モードを有し、
前記制御部は、前記表示部の現在の表示モードと前記角度の変化に基づいて、撮影者が自撮り撮影及び通常撮影のいずれへの切り替えを意図するかを判定して、自撮り撮影を意図する場合は自撮り表示モードとなる前記角度の区間を長くし、通常撮影を意図する場合は、通常表示モードとなる前記角度の区間を長くする、
撮像装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記自撮り表示モード下で前記角度が第2の角度を超えたときに前記通常表示モードに切り替え、前記通常表示モード下で前記角度が前記第2の角度より小さい第1の角度未満となったときに前記自撮り表示モードに切り替える、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記表示部に配置された磁石と、前記本体側に配置された第1の磁気センサ及び第2の磁気センサを含み、
前記第1の磁気センサは前記本体側の前記開閉軸付近に配置されるとともに、前記第2の磁気センサは前記回転軸を挟んで前記第1の磁気センサとはほぼ対称的な位置に配置され、
前記磁石は、前記表示部が前記開閉軸回りに回転しない位置で前記第1の磁気センサに接近するとともに、前記表示部が前記開閉軸回りに回転して上下反転した位置で前記第2の磁気センサに接近する位置に配置され、
前記第1の磁気センサは、前記角度が前記第1の角度以下になったときに前記磁石の磁力を検出でき、前記第2の磁気センサは、前記角度が前記第2の角度以上になったときに前記磁石の磁力を検出できる、
請求項に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記連結部は、前記本体に対して縦方向にチルトする縦チルト機構部と、前記表示部を前記縦チルト機構部に対して前記開閉軸回りに左右方向に開閉可能で且つ前記開閉軸に対して前記回転軸回りに上下方向に回転可能に連結するヒンジ部を含み、
前記検出部は、前記表示部が前記開閉軸回りに前記縦チルト機構部に対し開いた位置から前記回転軸回りに回転した角度を検出する、
請求項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記検出部は、前記表示部に配置された第1の磁石及び第2の磁石と、前記縦チルト機構部側に配置された第1の磁気センサ及び第2の磁気センサからなり、
前記第1の磁石は前記表示部側の前記開閉軸付近に配置されるとともに、前記第2の磁石は前記回転軸を挟んで前記第1の磁石とはほぼ対称的な位置で且つ磁界が逆向きとなるように配置され、
前記第1の磁気センサ及び前記第2の磁気センサは、前記縦チルト機構部の前記開閉軸付近に隣接して且つ互いに逆向きの磁界を検出するように配置され、
前記第1の磁気センサは、前記角度が前記第1の角度以下になったときに前記第1の磁石の磁力を検出でき、前記第2の磁気センサは、前記角度が前記第2の角度以上になったときに前記第2の磁石の磁力を検出できる、
請求項に記載の撮像装置。
【請求項6】
撮像部を含む本体と、前記撮像部で撮った画像を表示する表示部と、前記本体に対して左右方向に開閉する開閉軸と前記表示部を前記開閉軸に対して上下方向に回転する回転軸を介して前記表示部を前記本体背面に連結する連結部と備え、前記表示部は、撮影者自身を被写体に含めて撮影を行うために前記撮像部で撮った画像を左右反転して表示して自撮り表示モードと、前記撮像部で撮った画像と同じ画像を観察できるように前記撮像部で撮った画像を上下及び左右反転して表示する通常表示モードを有する撮像装置の制御方法であって、
前記表示部が前記開閉軸回りに前記本体に対し開いた位置において前記回転軸回りに回転した角度を検出する検出ステップと、
前記表示部の現在の表示モードと前記角度の変化に基づいて、撮影者が自撮り撮影及び通常撮影のいずれへの切り替えを意図するかを判定して、自撮り撮影を意図する場合は自撮り表示モードとなる前記角度の区間を長くし、通常撮影を意図する場合は、通常表示モードとなる前記角度の区間を長くする制御ステップと、
を有する撮像装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術(以下、「本開示」とする)は、本体の背面に画像を表示する表示部を有する撮像装置及び撮像装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にデジタルカメラは、本体の背面にライブビュー映像や撮像画像を表示する表示パネルを備えている。表示パネルが可動式で本体に支持される場合、撮影者は本体に対する表示パネルの回転角度を適宜調整しながら撮影を容易に行うことができる。また、このようなデジタルカメラは、表示パネルの回転位置に応じて表示パネルに表示される画像を上下、左右に反転するなどの表示の切り替えを行うようにすると、撮影者は違和感なく表示画像を観察することができる。
【0003】
表示パネルをデジタルカメラ本体に対して操作する可動方式として、バリアングル方式とチルト方式が知られている。いずれの可動方式でも、ヒンジ機構などにセンサを組み込むことにより、カメラ本体に対する表示パネルの回転位置を検出して表示画像の向きを自動的に切り替える仕組みが可能である。また、コスト削減の観点から最小限のセンサ構成で実現するため、表示画像の向きを数パターンに簡略化していることが多い。
【0004】
例えば、電子機器の可動部に第1のマグネットと第2のマグネットを配設するとともに、機器本体に第1の磁気センサと第2の磁気センサを配設して、第1の磁気センサ及び第2の磁気センサの出力信号に基づいて可動部の機器本体に対する可動状態に応じた制御を行う電子機器が提案されている(特許文献1を参照のこと)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-42743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の目的は、本体に可動式の表示部を有する撮像装置及び撮像装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、
撮像部を含む本体と、
前記本体に対して可動式で複数の表示モードを有する表示部と、
前記本体に対する前記表示部の位置を検出する検出部と、
前記表示部の現在の表示モードと前記位置の変化の組み合わせに応じて表示モードの切り替えを制御する制御部と、
を具備する撮像装置である。
【0008】
前記検出部は前記撮像部の撮像方向と前記表示部の表示方向のなす角度を検出する。そして、前記制御部は前記表示部の現在の表示モードと前記角度の変化の組み合わせに応じて表示モードの切り替えを制御する。
【0009】
前記表示部は第1の表示モードと第2の表示モードを含む。前記制御部は、前記第1の表示モード下で前記角度が第1の角度を超えたときに前記第2の表示モードに切り替え、前記第2の表示モード下で前記角度が前記第1の角度より大きい第2の角度未満となったときに前記第1の表示モードに切り替える。
【0010】
ここで、前記第1の表示モードは、前記表示方向を前記撮像方向に向けて、撮影者自身を被写体に含めて撮影を行うための自撮り表示モードであり、前記第2の表示モードは、前記表示方向を前記撮像方向の反対側に向けて、通常の撮影を行うための通常撮影モードである。
【0011】
また、本開示の第2の側面は、撮像部を含む本体と可動式の表示部を備えた撮像装置の制御方法であって、
前記本体に対する前記表示部の位置を検出する検出ステップと、
前記表示部の現在の表示モードと前記位置の変化の組み合わせに応じて前記表示部の表示モードの切り替えを制御する制御ステップと、
を有する撮像装置の制御方法である。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、撮影者が見易くなるように可動式の表示部の表示モードを切り替える撮像装置及び撮像装置の制御方法を提供することができる。
【0013】
なお、本明細書に記載された効果は、あくまでも例示であり、本開示によりもたらされる効果はこれに限定されるものではない。また、本開示が、上記の効果以外に、さらに付加的な効果を奏する場合もある。
【0014】
本開示のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、バリアングル方式のデジタルカメラ100の構成例を示した図である。
図2図2は、デジタルカメラ100の表示部120を左方向に開く動作を示した図である。
図3図3は、デジタルカメラ100の表示部120を開いた自撮り撮影の状態を示した図である。
図4図4は、デジタルカメラ100の表示部120を下方向に回転させる動作を示した図である。
図5図5は、デジタルカメラ100の表示部120を反転させた通常撮影の状態を示した図である。
図6図6は、デジタルカメラ100の表示部120を右方向に閉じる動作を示した図である。
図7図7は、デジタルカメラ100の表示部120を閉じた状態(表示パネル121が隠れた状態)を示した図である。
図8図8は、表示部120の回転動作に応じた自撮り表示と通常表示の表示モードの切り替え動作の一例を示した図である。
図9図9は、本開示を適用した、表示部120の回転動作に応じた自撮り表示と通常表示の表示モードの切り替え動作例を示した図である。
図10図10は、表示パネル121の表示方向とデジタルカメラ100の撮像方向のなす角度と表示モードの関係を示した図である。
図11図11は、デジタルカメラ100における表示パネル121のモード遷移を示した図である。
図12図12は、デジタルカメラ100内の機能的構成例を示した図である。
図13図13は、バリアングル方式のデジタルカメラ1300(正位置)の側面を示した図である。
図14図14は、バリアングル方式のデジタルカメラ1300(正位置)の背面を示した図である。
図15図15は、デジタルカメラ1300の動作を示した図である。
図16図16は、デジタルカメラ1300の動作を示した図である。
図17図17は、デジタルカメラ1300の動作(自撮り位置)を示した図である。
図18図18は、デジタルカメラ1300の動作(自撮り位置)を示した図である。
図19図19は、デジタルカメラ1300の動作(ローアングル位置)を示した図である。
図20図20は、デジタルカメラ1300の動作(ローアングル位置)を示した図である。
図21図21は、デジタルカメラ1300の動作(横開き位置)を示した図である。
図22図22は、デジタルカメラ1300の動作(横開き位置)を示した図である。
図23図23は、デジタルカメラ1300の動作(ハイアングル位置)を示した図である。
図24図24は、デジタルカメラ1300の動作(ハイアングル位置)を示した図である。
図25図25は、デジタルカメラ1300の動作(パネルオフ位置)を示した図である。
図26図26は、デジタルカメラ1300の動作(パネルオフ位置)を示した図である。
図27図27は、デジタルカメラ1300にMRセンサ及び磁石を配置した例を示した図である。
図28図28は、デジタルカメラ1300にMRセンサ及び磁石を配置した例を示した図である。
図29図29は、デジタルカメラ1300にMRセンサ及び磁石を配置した例を示した図である。
図30図30は、デジタルカメラ1300にMRセンサ及び磁石を配置した例を示した図である。
図31図31は、表示パネル1321の左右反転を検出する方法を説明するための図である。
図32図32は、表示パネル1321の左右反転を検出する方法を説明するための図である。
図33図33は、表示パネル1321の左右反転を検出する方法を説明するための図である。
図34図34は、表示パネル1321の左右反転を検出する方法を説明するための図である。
図35図35は、表示部の各位置とMRセンサのオンオフ動作の関係(横バリアングル式の場合)を示した図である。
図36図36は、自撮り位置におけるMRセンサ及び磁石の配置を示した図である。
図37図37は、自撮り位置におけるMRセンサ及び磁石の配置を示した図である。
図38図38は、横開き位置におけるMRセンサ及び磁石の配置を示した図である。
図39図39は、横開き位置におけるMRセンサ及び磁石の配置を示した図である。
図40図40は、表示部の回転動作に応じたMRセンサのオンオフ動作を示した図である。
図41図41は、表示部の回転動作に応じたMRセンサのオンオフ動作を示した図である。
図42図42は、表示部の回転動作に応じた自撮り表示と通常表示の表示モードの切り替え動作を示した図である。
図43図43は、マルチアングル方式のデジタルカメラ4300(正位置)の側面を示した図である。
図44図44は、マルチアングル方式のデジタルカメラ4300(正位置)の背面を示した図である。
図45図45は、デジタルカメラ4300を側面から眺めた様子(自撮り位置)を示した図である。
図46図46は、デジタルカメラ4300を側面から眺めた様子(ローアングル位置)を示した図である。
図47図47は、デジタルカメラ4300を側面から眺めた様子(横開き位置)を示した図である。
図48図48は、デジタルカメラ4300を側面から眺めた様子(ハイアングル位置)を示した図である。
図49図49は、デジタルカメラ4300を側面から眺めた様子(パネルオフ位置)を示した図である。
図50図50は、第2の支持板4332をチルトさせた姿勢のデジタルカメラ4300を側面から眺めた様子(正位置)を示した図である。
図51図51は、第2の支持板4332をチルトさせた姿勢のデジタルカメラ4300を側面から眺めた様子(90度だけ開いた位置)を示した図である。
図52図52は、第2の支持板4332をチルトさせた姿勢のデジタルカメラ4300を側面から眺めた様子(自撮り位置)を示した図である。
図53図53は、第2の支持板4332をチルトさせた姿勢のデジタルカメラ4300を側面から眺めた様子(ローアングル位置)を示した図である。
図54図54は、第2の支持板4332をチルトさせた姿勢のデジタルカメラ4300を側面から眺めた様子(横開き位置)を示した図である。
図55図55は、第2の支持板4332をチルトさせた姿勢のデジタルカメラ4300を側面から眺めた様子(ハイアングル位置)を示した図である。
図56図56は、第2の支持板4332をチルトさせた姿勢のデジタルカメラ4300を側面から眺めた様子(パネルオフ位置)を示した図である。
図57図57は、第1の支持板4331をチルトさせた姿勢のデジタルカメラ4300を側面から眺めた様子(正位置)を示した図である。
図58図58は、第1の支持板4331をチルトさせた姿勢のデジタルカメラ4300を側面から眺めた様子(90度だけ開いた位置)を示した図である。
図59図59は、第1の支持板4331をチルトさせた姿勢のデジタルカメラ4300を側面から眺めた様子(自撮り位置)を示した図である。
図60図60は、第1の支持板4331をチルトさせた姿勢のデジタルカメラ4300を側面から眺めた様子(ローアングル位置)を示した図である。
図61図61は、第1の支持板4331をチルトさせた姿勢のデジタルカメラ4300を側面から眺めた様子(横開き位置)を示した図である。
図62図62は、第1の支持板4331をチルトさせた姿勢のデジタルカメラ4300を側面から眺めた様子(ハイアングル位置)を示した図である。
図63図63は、第1の支持板4331をチルトさせた姿勢のデジタルカメラ4300を側面から眺めた様子(パネルオフ位置)を示した図である。
図64図64は、デジタルカメラ1300にMRセンサ及び磁石を配置した例を示した図である。
図65図65は、デジタルカメラ1300にMRセンサ及び磁石を配置した例を示した図である。
図66図66は、デジタルカメラ1300にMRセンサ及び磁石を配置した例を示した図である。
図67図67は、デジタルカメラ1300にMRセンサ及び磁石を配置した例を示した図である。
図68図68は、デジタルカメラ1300にMRセンサ及び磁石を配置した例を示した図である。
図69図69は、デジタルカメラ1300にMRセンサ及び磁石を配置した例を示した図である。
図70図70は、開閉軸4341付近を拡大して示した図である。
図71図71は、表示部の各位置とMRセンサのオンオフ動作の関係(マルチアングル式の場合)を示した図である。
図72図72は、表示部の縦チルト位置とMRセンサのオンオフ動作の関係(マルチアングル式の場合)を示した図である。
図73図73は、表示部の回転動作に応じたMRセンサのオンオフ動作を示した図である。
図74図74は、表示部の回転動作に応じたMRセンサのオンオフ動作を示した図である。
図75図75は、表示部の回転動作に応じた自撮り表示と通常表示の表示モードの切り替え動作を示した図である。
図76図76は、チルト位置における表示部の回転動作に応じた自撮り表示と通常表示の表示モードの切り替え動作を示した図である。
図77図77は、チルト位置における表示部の回転動作に応じた自撮り表示と通常表示の表示モードの切り替え動作を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本開示について、以下の順に従って説明する。
【0017】
A.概要
B.基本動作
C.デジタルカメラの機能的構成
D.実装例
D-1.バリアングル方式の実装例
D-2.マルチアングル方式の実装例
【0018】
A.概要
一般にデジタルカメラは、本体の背面にライブビュー映像や撮像画像を表示する表示パネルを備えている。表示パネルをデジタルカメラ本体に対して操作する可動方式として、バリアングル方式とチルト方式が知られている。
【0019】
チルト式は、表示パネルをカメラ本体の背面から引き出すように操作して上下方向に動かせる方式である。チルト式のメリットとして、表示パネルの角度を素早く調整することができること、レンズの光軸上で表示パネルを動かすことができ、撮影者の視線と光軸にズレがない(少ない)のでフレーミングがし易いことが挙げられる。一方、バリアングル方式は、表示パネルをカメラ本体の背面から左側に開いて上下方向に回転する方式である。バリアングル式のメリットとして、表示パネルを開いた状態のまま上下方向に回転できるので表示パネルの可動範囲が広いこと、左右方向の角度も調整でき、カメラの横位置撮影及び縦位置撮影の両方でハイポジション・ローポジションに対応できることが挙げられる。すなわち、バリアングル方式では、背面の表示パネルをカメラ本体に対して開閉軸回りに開閉操作が可能であるとともに、各開閉位置において表示パネルを開閉軸に対して回転操作が可能であり、表示パネルの画面をカメラ本体の前方及び後方のいずれにも向けることができる。さらに最近では、チルト方式とバリアングル方式を組み合わせてカメラ本体に対する表示パネルの姿勢の自由度を増したハイブリッド方式(以下、本明細書では「マルチアングル方式」とも呼ぶ)も出現している。
【0020】
また、このようなデジタルカメラは、表示パネルの回転位置に応じて表示パネルに表示される画像を上下、左右に反転するなどの表示の切り替えを行うようにすると、撮影者は違和感なく表示画像を観察することができる。例えば、バリアングル方式では、表示パネルの画面をカメラ本体の後方に向けて、撮影者がカメラ本体の後方から表示画像を観察しながら撮影する「通常撮影」と、表示パネルの画面をカメラの撮像方向に向けて、撮影者自身を被写体に含めて撮影する「自撮り撮影」を行うことができる。そして、通常撮影及び自撮り撮影の各々の際に、カメラで撮った画像を適宜上下及び左右に反転させることで、撮影者にとって違和感のない画像を表示パネルに表示することができる。
【0021】
カメラ本体と表示部を連結するヒンジ機構などにセンサを組み込むことにより、カメラ本体に対する表示パネルの回転位置を検出して表示画像の向きを自動的に切り替える仕組みが可能である。ここで、コスト削減の観点から最小限のセンサ構成で実現するため、表示画像の向きを数パターンに簡略化していることが多い。例えば表示パネル側にマグネットを配置するとともに本体側に磁気センサを配置して、磁気センサがオン状態のときに表示パネルが自撮り撮影を行う方向を向いたと判定して、表示パネルの表示を上下及び左右に反転させることができる(例えば、特許文献1を参照のこと)。しかしながら、このような構造では、磁気センサのオン状態となる狭い回転位置の範囲においてしか表示パネルは自撮り撮影用に表示に切り替わらないので、撮影者にとって使い勝手が良くないことがある。
【0022】
これに対し、本開示では、表示パネルの現在の表示モードと表示部の回転角度の変化の組み合わせに応じて表示モードの切り替え制御を行うようにする。その結果、ユーザが自撮り撮影を意図する場合には自撮り表示できる区間を長くし、ユーザが通常撮影を意図する場合には通常表示できる区間を長くするようにして、ユーザ利便性を向上することができる。
【0023】
B.基本動作
このB項では、バリアングル方式を例にとって、本開示を適用したデジタルカメラの基本動作について説明する。
【0024】
まず、図1図7を参照しながら、バリアングル方式のデジタルカメラにおける表示パネルの可動範囲と表示パネルの表示切り替え動作について考察してみる。
【0025】
図1に示すデジタルカメラ100は、撮像部を含むカメラ本体110と、表示パネル121を含む表示部120と、カメラ本体110に表示部120を連結させるヒンジ部130を備えている。図1では撮像部は図示しないが、撮像レンズ111はカメラ本体110の前方に出現している。そして、ヒンジ部130は、カメラ本体110に対し表示部120を左右方向に開閉可能な開閉軸131と、開閉軸131の中央付近においてカメラ本体110に対し表示部120を上下方向に回転可能な回転軸132を備えている。図1に示すように、表示パネル121をカメラ本体110の背面側で露出する向きにして、表示部120がカメラ本体110に閉じられた位置を正位置とする。この正位置では、表示パネル121の表示方向はデジタルカメラ100の撮像方向のちょうど反対方向を向き、ユーザの視線方向はデジタルカメラ100の撮像方向と一致するので、図1の下半分に示すようにデジタルカメラ100で撮った画像をそのまま表示すればよい。
【0026】
続いて、図2に示すように、表示部120をカメラ本体110に対して開閉軸131回りに左方向に開いていくと、図3に示すように、表示部120は正位置から開閉軸131回りに180度回転して、表示パネル121の表示方向はデジタルカメラ100の撮像方向とほぼ同じ方向を向く。図3に示す状態では、表示パネル121を観察するユーザ(撮影者)は撮像方向にいるので、撮影者自身を被写体に含めて自撮り撮影を行うことができる。そして、図3の下半分に示すようにデジタルカメラ100で撮った画像を左右反転して表示パネル121に表示すれば、ユーザはデジタルカメラ100で撮った画像と左右が合う画像を観察することができる。図3に示す表示パネル121の表示を「自撮り表示」とする。
【0027】
さらに続いて、図4に示すように、表示部120をカメラ本体110に対して回転軸132回りに下方向(紙面の時計回り)に回転させると、図5に示すように、表示部120は回転軸132回りに180度回転して、表示パネル121の表示方向はデジタルカメラ100の撮像方向のほぼ反対方向を向く。図5に示す状態では、ユーザの視線方向はデジタルカメラ100の撮像方向と一致するが、図1に示した正位置に対して表示パネル121の向きは上下及び左右に反転している。したがって、デジタルカメラ100で撮った画像を上下に反転させさらに左右に反転させることで、ユーザはデジタルカメラ100で撮った画像と同じ画像を観察できるようになる。図5に示す表示パネル121の表示を「通常表示」とする。
【0028】
さらに続いて、図6に示すように、表示部120をカメラ本体110に対して開閉軸131回りに右方向に閉じると、図7に示すように、表示部120がカメラ本体110に閉じられた状態になる。この状態では、表示パネル121はカメラ本体110側を向き隠れてしまい、ユーザは表示画像を観察できないので、表示パネル121の表示をオフにすることが好ましい。
【0029】
図1図7に示したデジタルカメラ100の動作例のうち、図3図5に示した動作範囲では、表示部120がカメラ本体110に対して回転軸132回りに回転するが、その回転角度に応じて表示パネル121は自撮り表示から通常表示に切り替わる。図3図5では表示部120が紙面時計回りに回転する例を示したが、表示部120が逆に反時計回りに回転する場合には、表示パネル121は通常表示から自撮り表示に切り替わる。
【0030】
図8には、デジタルカメラ100の左側面図を参照しながら、表示部120の回転動作に応じた自撮り表示と通常表示の表示モードの切り替え動作の一例を示している。図8では、図3と同様に表示パネル121の表示方向はデジタルカメラ100の撮像方向とほぼ同じ方向を向いている様子を示している。ここでは、表示部120の回転動作により、表示パネル121の表示方向とデジタルカメラ100の撮像方向のなす角度θth(例えば30度程度)を、表示モードを切り替える閾値に設定している。
【0031】
表示パネル121が撮像方向を向いている状態では、自撮り表示モードとなっている。表示部120をカメラ本体110に対して紙面時計回りに回転させて、表示パネル121の表示方向とデジタルカメラ100の撮像方向のなす角度が閾値角度θthに到達すると、自撮り表示モードから通常表示モードに切り替わる。その後、限界角度θlimitに到達するまで、表示部120を同じ方向に回転させることができるが、その間の表示パネル121は通常表示モードのままである。続いて、表示部120を、限界角度θlimitから逆方向すなわち紙面反時計回りに回転させて、表示パネル121の表示方向とデジタルカメラ100の撮像方向のなす角度が閾値角度θthに到達すると、通常表示モードから自撮り表示モードに切り替わる。
【0032】
図8に示す表示モードの切り替え動作例では、表示部120の回転可能範囲のうち自撮り表示モードの占める区間が短すぎる。このため、ユーザは、表示部120を上下方向に反転させて通常撮影から自撮り撮影しようと思っていても、なかなか表示パネル121が自撮り表示に切り替わらないので、使い勝手が良くないことがある。
【0033】
そこで、本開示では、表示パネル121の現在の表示モードと表示部120の回転角度の変化の組み合わせに応じて表示モードの切り替え制御を行うようにした。本開示によれば、ユーザが自撮り撮影を意図する場合には自撮り表示できる区間を長くし、ユーザが通常撮影を意図する場合には通常表示できる区間を長くするようにして、ユーザ利便性を向上することができる。
【0034】
表示パネル121の表示方向とデジタルカメラ100の撮像方向のなす角度に閾値を設定する点では図8に示した動作例と同様であるが、本開示では、表示パネル121が自撮り表示モードのときに通常表示モードに切り替える第2の角度閾値θ2と、表示パネル121が通常表示モードのときに自撮り表示モードに切り替える第1の角度閾値θ1を、個別に設定する。そして、第1の角度閾値θ1よりも第2の角度閾値θ2を大きな値に設定しておけば、表示パネル121の現在の表示モードに応じて、表示部120の回転位置が第1の角度閾値θ1から第2の角度閾値θ2までの間で、自撮り表示モード及び通常表示モードのいずれにもなり得るヒステリシス区間が形成されるので、ユーザの撮影の意図に応じた表示モードを設定することが可能となり、ユーザ利便性が向上する。
【0035】
図9には、本開示を適用した、表示部120の回転動作に応じた自撮り表示と通常表示の表示モードの切り替え動作例を示している。図9でも、図3と同様に表示パネル121の表示方向はデジタルカメラ100の撮像方向とほぼ同じ方向を向いている様子を示している。ここでは、表示パネル121が自撮り表示モードのときには、表示パネル121の表示方向とデジタルカメラ100の撮像方向のなす第2の角度θ2(例えば150度程度)を通常表示モードに切り替える閾値に設定するとともに、表示パネル121が通常表示モードのときには、表示パネル121の表示方向とデジタルカメラ100の撮像方向のなす第1の角度θ1(例えば30度程度)を自撮り表示モードに切り替える閾値に設定している。
【0036】
表示パネル121が撮像方向を向いている状態では、自撮り表示モードとなっている。表示部120をカメラ本体110に対して紙面時計回りに回転させて、表示パネル121の表示方向とデジタルカメラ100の撮像方向のなす角度が第2の角度閾値θ2に到達すると、自撮り表示モードから通常表示モードに切り替わる。その後、表示部120を同じ方向に回転させると、限界角度θlimitに到達するまでの区間は、表示パネル121は通常表示モードのままである。表示パネル121が自撮り撮影の位置でユーザが向きを変えようとするときは、自撮り撮影しようとしている意図であることが推察されるので、長い区間にわたって自撮り撮影モードに保つことで、ユーザ利便性が向上する。
【0037】
なお、図8及び図9では、表示部1320の回転軸132回りの回転角度を、カメラ本体110の背面から傾斜した角度で表現しているが、これは撮像部111の撮像方向に対する表示パネル131の表示方向が傾斜した角度と等価である。
【0038】
続いて、通常表示モードとなっている状態で、表示部120を紙面反時計回りに回転させて、表示パネル121の表示方向とデジタルカメラ100の撮像方向のなす角度が第2の角度閾値θ2に到達しても表示モードは切り替わらないまま通過する。その後、表示部120を同じ方向に回転させて、第1の角度閾値θ1に到達すると、通常表示モードから自撮り表示モードに切り替わる。表示パネル121が通常撮影の位置でユーザが向きを変えようとするときは、通常撮影しようとしている意図であることが推察されるので、長い区間にわたって通常撮影モードに保つことで、ユーザ利便性が向上する。
【0039】
なお、コスト削減の観点から最小限のセンサ構成により第1の角度閾値θ1及び第2の角度閾値θ2の検出を実現すべきであるが、センサ構成の詳細については後述のD項に譲る。
【0040】
図10には、図9に示したデジタルカメラ100の動作例において、表示パネル121の表示方向とデジタルカメラ100の撮像方向のなす角度と、表示パネルの表示モードの関係を示している。
【0041】
自撮り表示モードとなっている状態で、表示部120をカメラ本体110に対して紙面時計回りに回転させて、表示パネル121の表示方向とデジタルカメラ100の撮像方向のなす角度が第2の角度閾値θ2に到達すると、表示パネル121は自撮り表示モードから通常表示モードに切り替わる。表示パネル121が第2の角度閾値θ2に到達する動作は、表示パネル121を撮像方向の逆向きにして、通常撮影に切り替えようとしている動作に相当する。その後、表示部120を同じ方向に回転させると、限界角度θlimitに到達するまでの区間は、表示パネル121は通常表示モードのままである。
【0042】
一方、通常表示モードとなっている状態で、表示部120を図9の紙面反時計回りに回転させて、表示パネル121の表示方向とデジタルカメラ100の撮像方向のなす角度が第2の角度閾値θ2に到達しても表示モードは切り替わらないまま通過する。その後、表示部120を同じ方向に回転させて、第1の角度閾値θ1に到達すると、通常表示モードから自撮り表示モードに切り替わる。表示パネル121が第1の角度閾値θ1に到達する動作は、表示パネル121を撮像方向に向けて、自撮り撮影に切り替えようとしている動作に相当する。その後、表示部120を同じ方向に回転させると、表示パネル121の表示方向がデジタルカメラ100の撮像方向とほぼ同じ向きとなるまでの区間は、表示パネル121は自撮り表示モードのままである。
【0043】
表示部120を図9の紙面時計回りに回転させて自撮り表示モードに復帰した後に、再び表示部120をカメラ本体110に対して図9の紙面時計回りに回転させると、上記と同様の動作を繰り返す。
【0044】
本開示によれば、表示パネル121が自撮り表示モードのときに通常表示モードに切り替える第2の角度閾値θ2と、表示パネル121が通常表示モードのときに自撮り表示モードに切り替える第1の角度閾値θ1を、個別に設定することができる。したがって、図9に示したように第1の角度閾値θ1よりも第2の角度閾値θ2を大きな値に設定しておけば、図10に示すように、自撮り表示モード及び通常表示モードのいずれにもなり得るヒステリシス区間が形成されるので、ユーザの撮影の意図に応じた表示モードを設定することが可能となり、ユーザ利便性が向上する。もちろん、通常表示モードのときに自撮り表示モードに切り替える第1の角度閾値θ1を、自撮り表示モードのときに通常表示モードに切り替える第2の角度閾値θ2よりも大きな値に設定することによって、別のユーザ利便性が向上する。例えば、カメラ正面に向けた自撮り表示モードから表示パネル121を30度傾けると通常表示モードに切り替わってしまうのを、もっと広い範囲で自撮り表示モードのままに保つことができるようになる。
【0045】
図11には、本開示を適用したデジタルカメラ100における表示パネル121のモード遷移図を示している。上述したように、本実施形態では、表示パネル121の表示モードとして、自撮り表示モードと通常表示モードを有する。なお、表示パネル121は、ライブビュー映像を表示する以外に、記録された撮像画像を表示したり、撮像条件の設定値やバッテリーの残量を表示したりするのにも用いられるが、ここでは説明の簡素化のため他の用途の表示モードについては省略する。
【0046】
自撮り表示モード及び通常表示モードのいずれの表示モード下でも、表示パネル121の表示方向とデジタルカメラ100の撮像方向のなす角度がモニターされる。但し、コスト削減の観点から最小限のセンサ構成で実現するため、角度を数パターンに簡略化してモニターするものとする。具体的には、角度が0度~θ1の範囲内に入っているか否か、及び角度がθ2~180度の範囲内に入っているか否かという粗い粒度でモニターされている。
【0047】
自撮り表示モード下では、表示パネル121の表示方向とデジタルカメラ100の撮像方向のなす角度が第1の角度閾値θ1を超えても、モード遷移を起こさず、自撮り表示モードを保持する。そして、表示パネル121の表示方向とデジタルカメラ100の撮像方向のなす角度が第2の角度閾値θ2未満の間は、モード遷移を起こさず、自撮り表示モードを保持する。そして、表示パネル121の表示方向とデジタルカメラ100の撮像方向のなす角度が第2の角度閾値θ2以上になったことをトリガにして、自撮り表示モードから通常表示モードに切り替わる。第2の角度閾値θ2に到達する動作は、表示パネル121を撮像方向の逆向きにして、通常撮影に切り替えようとしている動作に相当する。
【0048】
また、通常表示モード下では、表示パネル121の表示方向とデジタルカメラ100の撮像方向のなす角度が第2の角度閾値θ2未満になっても、モード遷移を起こさず、通常表示モードを保持する。そして、表示パネル121の表示方向とデジタルカメラ100の撮像方向のなす角度が第1の角度閾値θ1以下になったことをトリガにして、通常表示モードから自撮り表示モードに切り替わる。第1の角度閾値θ1に到達する動作は、表示パネル121を撮像方向に向けて、自撮り撮影に切り替えようとしている動作に相当する。
【0049】
図9に示したように第1の角度閾値θ1よりも第2の角度閾値θ2を大きな値に設定しておけば、自撮り表示モード及び通常表示モードのいずれにもなり得るヒステリシス区間(図10を参照のこと)が形成されるので、ユーザの撮影の意図に応じた表示モードを設定することが可能となり、ユーザ利便性が向上する。
【0050】
図10及び図11に示したような表示モードの遷移は、例えばフリップフロップを使ったハードウェアによっても実現することができる。
【0051】
C.デジタルカメラの機能的構成
このC項では、上記B項で説明したような表示モードの切替動作及び撮像動作を実現する、デジタルカメラ100の機能的構成について説明する。
【0052】
図12には、デジタルカメラ100内の機能的構成例を示している。図示のデジタルカメラ100は、制御部1201と、表示部1202と、撮像部1203と、検出部1204と、記録部1205と、操作部1206を備えている。以下、各部について説明する。
【0053】
表示部1202は、上述した表示パネルを含む。表示パネルは、例えば液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)又は有機EL(electro-luminescence)ディスプレイからなり、画面にはタッチパネルが重畳されている。表示部1202は、ヒンジ部(図12には図示しない)を介してデジタルカメラ100の本体に対して可動式に連結されている。ヒンジ部は、例えば図1図7に示したように、デジタルカメラ100の本体に対して開閉軸131回りに開閉可能で且つ開閉軸に対して回転軸132回りに回転可能に表示部1202を支持するが、必ずしもかかる自由度構成には限定されない。液晶パネルの駆動信号やタッチパネルの検出信号がヒンジ部を挿通するが詳細は省略する。
【0054】
撮像部1203は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxyde Semiconductor)などの撮像素子、被写体からの反射光を撮像素子の撮像面に結像させる光学系などを備えている。撮像部1203は、光電変換により被写体を撮像した画像信号を生成して、制御部1201に出力する。
【0055】
検出部1204は、表示部1202と撮像部1203の関係を検出する。具体的には、例えば表示部1202がバリアングル方式又はマルチアングル方式によりデジタルカメラ100の本体に連結している場合に、表示部1202の表示方向と撮像部1203の撮像方向が所定の角度(上述した第1の角度閾値θ1、第2の角度閾値θ2など)であるか否かを検出する。コスト削減の観点から検出部1204は最小限のセンサで構成されるが、詳細については後述に譲る。
【0056】
操作部1206は、例えば機能ボタンやレリーズボタンなどの機械的な操作子を含み、デジタルカメラ100を操作するためのユーザインターフェースとして機能する。操作部1206は、表示部1202の表示画面上に提示された各種メニューボタンや、リモートコントローラなどの外部制御装置を含んでいてもよい。操作部1206が受け付けたユーザの入力操作に応じた操作信号は、制御部1201に出力される。
【0057】
制御部1201は、例えばCPU(Central Porcessing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)などのプロセッサを含む処理装置であり、撮像部1203による撮像動作や撮像画像の処理、表示部1202における画面表示など、デジタルカメラ100内の各部を制御する。また、制御部1201は、操作部1206からの操作信号に基づいて、各部を制御する。
【0058】
制御部1201内には、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリ素子(いずれも図12には図示しない)が配置される。ROMは、デジタルカメラ100の固有情報などの重要データや、制御プログラムなどが不揮発的に格納する。RAMは、CPUなどのプロセッサが実行する制御プログラムをROMや記録部1205からロードしたり、プログラム実行中の作業データなどを一時的に保持したりするために使用される。
【0059】
また、制御部1201は、機能的には、例えば表示制御部1211、画像処理部1212、画像記録部1213などを備えている。これらの機能モジュールは、ハードウェアとして構成されてもよいし、CPUなどのプロセッサが所定の制御プログラムを実行するという形態で実現されてもよい。
【0060】
表示制御部1211は、表示部1202に各種データを表示させるための表示制御を行う。表示制御部1211は、撮像部1203から取得される現在の撮像画像や、過去に撮像された(又は、記録部1205から読み出された)記録画像などを、表示部1202に表示させる。また、表示制御部1211は、バッテリーの残量や記録部1205の残り容量などの内部状態を示すアイコンや、現在時刻、撮影に使用されるパラメータの設定値などのデータを、表示部1202に表示させる。
【0061】
また、表示制御部1211は、検出部1204による検出結果に応じて、表示部1202の表示モードの切り替えを制御する。本実施形態では、撮像部1203で撮像中の画像を表示する際に、表示部1202は少なくとも自撮り表示モードと通常表示モードの2種類の表示モードを有している。そして、表示制御部1211は、検出部1204による検出結果に基づいて、図11に示したモード遷移図に従った自撮り表示モードと通常表示モードの切り替えを制御するようになっている。
【0062】
画像処理部1212は、撮像部1203から出力される画像信号に対して所定の信号処理を施す。ここで言う信号処理として、例えばデジタルゲイン調整、ガンマ補正、色補正、コントラスト補正などが挙げられる。
【0063】
画像記録部1213は、画像処理部1212による信号処理後の画像信号を、JPEG(Joint Photographic Experts Group)やMPEG(Moving Picture Experts Group)などの所定の圧縮符号化方式により圧縮符号化処理して、圧縮画像データを記録部1205に格納させる。
【0064】
記録部1205は、撮像部1203で撮像した画像の保存に用いられる。また、記録部1205は、制御部1201で実行される、デジタルカメラ100内の各部の制御を行うための制御プログラムや、画像以外のデータを格納することもできる。デジタルカメラ100の内部に固定された内部記録装置と、デジタルカメラ100から着脱可能な外部記録装置を含む。内部記録装置は、例えばハードディスクやフラッシュメモリなどで構成される。外部記録装置は、例えばHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)やUSB(Universal Serial Bus)などの所定のインターフェースを介してデジタルカメラ100に外部接続される。
【0065】
D.実装例
上述したように、デジタルカメラの表示パネルの可動方式として、表示パネルを含む表示部を縦方向又は上下方向に傾斜させるチルト方式と、表示部をカメラ本体の背面から左側に開いてさらに上下方向に傾斜させるバリアングル方式、さらには、チルト方式とバリアングル方式を組み合わせてカメラ本体に対して表示部を左右方向に開閉可能であるとともに上下方向に傾斜可能でもあるマルチアングル方式が挙げられる。このD項では、バリアングル方式及びマルチアングル方式の各デジタルカメラを例にとって、表示部と撮像部の関係を検出する検出部の具体的な実装方法と、その検出結果に基づく表示モードの切り替え制御について説明する。
【0066】
D-1.バリアングル方式の実装例
図13及び図14には、バリアングル方式のデジタルカメラ1300の左側面及び背面をそれぞれ示している。デジタルカメラ1300は、前方に撮像部1311を含むカメラ本体1310と、表示パネル1321を含む表示部1320で構成されている。表示部1320は、カメラ本体1310の背面の左端縁において、開閉軸1331回りに左右方向に開閉可能で、且つ回転軸1332回りに上下方向に回転可能となるような2自由度のヒンジ機構1330を介して、連結されている。図13及び図14に示す例では、表示部1320は、表示パネル1321を背面に向けた状態で、カメラ本体1310の背面に閉じているが、これを正位置とする。この状態では、ユーザは撮像方向の被写体を観察しながら、撮影を行うことができる。なお、図13及び図14に示すように、カメラ本体1310の上面で、表示パネル1321のほぼ中央となる位置に、電子ビューファインダー(以下、単に「ファインダー」とも呼ぶ)1340が配置されている。ユーザは、表示パネル1321でなくファインダー1340越しに、撮像方向の被写体を観察することもできる。
【0067】
なお、以下の説明で参照する各図において、表示部1320の側面を描くときには、表示パネル1321が向く面(表示方向)が分かり易くするように、表示部1320を断面で描くとともにヒンジ機構1330の図示を省略する。
【0068】
図15及び図16には、上記の正位置から表示部1320を開閉軸1331回りに90度だけ回転させた状態のデジタルカメラ1300の左側面及び背面をそれぞれ示している。
【0069】
図17及び図18には、図15及び図16に示した状態からさらに表示部1320を開閉軸1331回りに開く方向に90度だけ回転させて、上記の正位置から表示部1320が開閉軸1331回りに180度だけ開いた状態のデジタルカメラ1300の左側面及び背面をそれぞれ示している。この状態では、表示パネル1321は前方を向き、表示方向が撮像方向と同じとなる自撮り位置であり、表示パネル1321を観察するユーザ(撮影者)は撮像方向にいるので、撮像部1311は撮影者自身を被写体に含んだ画像を撮ることができる。このとき、撮像部1311で撮った画像を左右反転して表示パネル1321に表示する自撮り表示モードに切り替えれば、ユーザは撮像部1311で撮った画像と上下及び左右が合う画像を観察しながら自撮り撮影を行うことができる。
【0070】
図19及び図20には、図17及び図18に示した自撮り表示の状態から、表示部1320を回転軸回りに90度だけ下方に(紙面時計回りに)回転させて、表示パネル1321を上に向けた状態のデジタルカメラ1300の左側面及び背面をそれぞれ示している。この状態では、デジタルカメラ1300を低い位置に移動させても、ユーザは、下を向くという無理のない体勢で、撮像部1311で撮った画像を表示パネル1321で観察することができるので、ローアングル撮影を行い易くなる。
【0071】
図21及び図22には、図19及び図20に示したローアングル表示の状態から、表示部1320を回転軸回りに同じ方向に(紙面時計回りに)さらに90度だけ回転させて、表示パネル1321を裏返しにした状態のデジタルカメラ1300の左側面及び背面をそれぞれ示している。図13及び図14に示した状態では表示パネル1321はカメラ本体1310の背面内に収まるのに対し、図21及び図22に示した状態では、表示パネル1321はカメラ本体1310から横に開いた横開き位置となる。この横開き位置では、撮像部1311で撮った画像を上下及び左右にそれぞれ反転して表示パネル1321に表示すれば、ユーザは撮像部1311で撮った画像と上下及び左右が合う画像を観察しながら撮影を行うことができる。
【0072】
図23及び図24には、図21及び図22に示した横開きの位置から表示部1320を回転軸回りに90度だけ下方に(紙面時計回りに)回転させて、表示パネル1321を下に向けた状態のデジタルカメラ1300の左側面及び背面をそれぞれ示している。この状態では、デジタルカメラ1300を高い位置に移動させても、ユーザは、上を向くという無理のない体勢で、撮像部1311で撮った画像を表示パネル1321で観察することができるので、ハイアングル撮影を行い易くなる。
【0073】
また、図25及び図26には、図21及び図22に示した横開きの位置から、表示部1320を開閉軸1331回りに閉じる方向に180度だけ回転させて、表示部1320がカメラ本体1310の背面に閉じた状態のデジタルカメラ1300の左側面及び背面をそれぞれ示している。この状態では、表示パネル1321は隠れてしまい、ユーザは観察できない。表示パネル1321の表示をオフにして省電力化することが好ましいので、これをパネルオフ位置とする。この状態では、ユーザはファインダー1340越しに被写体を観察して撮影を行うことになる。
【0074】
図13図26を参照しながら説明したように、バリアングル方式のデジタルカメラ1300においては、表示部1320は、少なくとも正位置、自撮り位置、ローアングル位置、横開き位置、ハイアングル位置、及びパネルオフ位置の6通りの位置をとることができる。表示部1320の位置に応じて表示パネル1321の表示モードの自動切り替えを制御するには、検出部により少なくとも上記の6通りの位置を識別する必要がある。また、コスト削減の観点から最小限のセンサ構成により、表示部1320の位置検出を実現することが好ましい。
【0075】
そこで、最小限の個数の磁石及び磁気センサを用いて表示部1320の位置の検出する方法について、以下に説明する。なお、ここで言う磁気センサは、MRセンサ(磁気抵抗効果素子)のように所定方向の磁界の変化を検出するセンサを想定している。
【0076】
図27図30には、デジタルカメラ1300にMRセンサ及び磁石を配置した例を示している。但し、図27及び図28は、表示部1320が正位置にある状態を示し、図29及び図30は、表示部1320が上下反転してパネルオフ位置にある状態を示している。各図に示す例では、カメラ本体1310側に4個のMRセンサ2701A、2701B、2701C、2701Dが配置されるとともに、表示部1320側に4個の磁石2711A、2711B、2711C、2711Eが配置されている。各MRセンサを示す四角のブロック内に描いた矢印は、検出可能な磁界の方向を表している。また、各磁石は、基本的にN極とS極の組で構成され、且つ、N極からS極に向かって磁界が発生する。したがって、あるMRセンサに、検出可能な磁界の方向を発生する磁石が所定距離内に近づくと、そのMRセンサはオンとなり、磁石が所定距離外に離れるとオフになる仕組みである。これら4個のMRセンサ2701A、2701B、2701C、2701Dと、4個の磁石2711A、2711B、2711C、2711Eは、図12に示した機能ブロック図内の検出部1204を構成するものとする。なお、各MRセンサ及び磁石の配置を説明する便宜上、各MRセンサ及び磁石を、デジタルカメラ1300よりも相対的に大きく描いている点には留意されたい。
【0077】
MRセンサ2701A及びMRセンサ2701Dは、磁石2711Aを検出することによって、表示部1320の回転軸1332回りの回転すなわち表示パネル1321の上下反転を検知するために用いられる。図27及び図28から分かるように、MRセンサ2701Aと磁石2711Aは、表示部1320の正位置において、カメラ本体1310側及び表示部1320側の左端縁付近の互いに対向する場所で、且つ、磁石2711AはMRセンサ2701Aが検出可能な磁界の方向となるように配置されている。したがって、図27及び図28に示すような正位置では、MRセンサ2701Aは磁石2711Aの磁界を検出してオンとなる。図示を省略するが表示部1320が開閉軸1331回りに開閉している間も、表示部1320が上下方向に回転しない限り、MRセンサ2701Aは磁石2711Aを検出し続け、すなわちオン状態である。
【0078】
一方、MRセンサ2701Dは、図27及び図28から分かるように、回転軸1332に対しMRセンサ2701Aとは上下に対称的となるカメラ本体1310上の位置に配置されている。したがって、表示部1320が回転軸1332回りに回転して、図29及び図30に示すように表示パネル1321が上下反転すると、MRセンサ2701Dは、磁石2711Aの磁界を検出してオンとなる。図示を省略するが表示部1320がカメラ本体1311に対し開閉軸1331回りに開閉している間も、表示部1320が上下方向に回転しない限り、MRセンサ2701Dは磁石2711Aを検出し続け、すなわちオン状態である。
【0079】
MRセンサ2701Cは、磁石2711C又は磁石2711Eのいずれかを検出することによって、表示部1320がカメラ本体1310の背面に閉じられた状態を検出するために用いられる。図27及び図28に示すように、MRセンサ2701Cは、カメラ本体1310側で、閉じられた表示部1320の上端付近に配置されている。そして、磁石2711Cは、正位置においてMRセンサ2701Cと対向する場所で、且つ、MRセンサ2701Cが検出可能な磁界の方向となるように配置されている。したがって、図28に示すような正位置では、MRセンサ2701Cは磁石2711Cの磁界を検出してオンとなる。図示を省略するが、表示部1320が開閉軸1331回りに開いて、磁石2711Cの磁界が検出範囲外にはなれると、MRセンサ2701Cはオフになる。
【0080】
また、磁石2711Eは、図27及び図28から分かるように、回転軸1332に対し磁石2711Cとは上下に対称的となる表示部1320上の位置に配置されている。すなわち、表示部1320が上下反転してパネルオフ位置になると、磁石2711Eは、MRセンサ2701Cと対向する場所で、且つ、MRセンサ2701Cが検出可能な磁界の方向となるように配置される。したがって、図30から分かるように、パネルオフ位置では、MRセンサ2701Cは磁石2711Eの磁界を検出してオンとなる。図示を省略するが、表示部1320が開閉軸1331回りに開いて、磁石2711Eの磁界が検出範囲外にはなれると、MRセンサ2701Cはオフになる。
【0081】
MRセンサ2701Bは、磁石2711Bを検出することによって、表示部1320の開閉軸1331回りの開閉操作すなわち表示パネル1321の左右反転を検出するために用いられる。図27図30では分かり難いので、さらに図31図34に示す、開閉軸1331付近を拡大した上面図を参照しながら、MRセンサ2701B及び磁石2711Bの配置と、MRセンサ2701Bの動作について説明する。但し、図31は表示部1320が正位置(表示パネル1321を後方に向けてカメラ本体1310に閉じた状態)のとき、図32は表示部1320を開閉軸1331回りに正位置から135度だけ開いたとき、図33は表示部1320を開閉軸1331回りに正位置から180度開いた自撮り位置のとき、図34は自撮り位置から表示部1320を開閉軸1332回りに上下反転させた横開き(表示パネル1321を後方に向けてカメラ本体1310から開いた状態)のときを、それぞれ示している。
【0082】
MRセンサ2701Bは、カメラ本体1310側で、開閉軸1331から少し中心寄りの場所に配置されている。一方、磁石2711Bは表示パネル1321の開閉軸1331付近に配置されている。磁石2711Bは、表示部1320を開閉操作する際には開閉軸1331とともに回転するが、表示部1320を回転操作(言い換えれば、上下反転)する際には、開閉軸1331と一体となって、回転軸1332回りには動かない。
【0083】
図31に示すように、表示パネル1321が正位置のときに、磁石2711Bは、開閉軸1331を挟んでMRセンサ2701Bのほぼ反対側となるように開閉軸1331付近に配置されている。この状態では、MRセンサ2701Bは、磁石2711Bはから離間していて十分な磁束を検出できないのでオフとなる。
【0084】
図32に示すように、表示部1320を開閉軸1331回りに正位置から135度だけ開くと、磁石2711Bが発生する磁界がMRセンサ2701Bに届くようになり、MRセンサ2701Bがオンになる。図33に示す、表示部1320が180度開いた自撮り位置では、MRセンサ2701Bはオンのままである。また、表示部1320を回転軸1332回りに回転操作(言い換えれば、上下反転)して図34に示す横開き位置に変わるまでの間、磁石2711Bは開閉軸1331と一体となって動かないので、MRセンサ2701Bはオンのままである。
【0085】
図35には、デジタルカメラ1300に図27図34に示したようなMRセンサ2701A、2701B、2701C、2701D及び磁石2711A、2711B、2711C、2711Eを配置した場合の、表示部1320の6通りの各位置における4個のMRセンサ2701A、2701B、2701C、2701Dのオンオフ動作の関係をまとめている。各MRセンサ2701A、2701B、2701C、2701Dのオンオフ動作に基づいて、カメラ本体1310に対する表示部1320の6通りの位置を識別することができる。
【0086】
具体的には、MRセンサ2701A及びMRセンサ2701Dのオンオフにより、表示パネル1321の上下が反転したか否かを識別することができる。また、MRセンサ2701Bのオンオフにより、表示パネル1321がカメラ本体1310から開いたか否かを識別することができる。また、MRセンサ2701Cのオンオフにより、表示部1320がカメラ本体1310から開いているか閉じているかを識別することができる。要するに、少数のセンサ構成で表示パネル1321の向きを6パターンに簡略化して検出することができ、コスト削減を実現できるという点を理解されたい。
【0087】
続いて、デジタルカメラ1300におけるMRセンサの検出結果に基づいて、自撮り表示モードと通常表示モードの切り替え制御について説明する。
【0088】
上述したように、MRセンサ2701A及びMRセンサ2701Dのオンオフにより表示パネル1321の上下が反転したか否かを識別することができる。表示部1320がカメラ本体1310から開いた状態では、MRセンサ2701A及びMRセンサ2701Dのオンオフにより、自撮り位置及び横開き位置を識別することができる。
【0089】
図36及び図37には、表示部1320が自撮り位置となっているデジタルカメラ1300の左側面及び背面を、MRセンサ2701A及びMRセンサ2701D、磁石2711Aとともに示している。図36及び図37から分かるように、MRセンサ2701Aはオン、MRセンサ2701Dはオフになる。自撮り位置では、表示部1320は正位置から左右反転しているので、表示パネル1321は撮像画像を左右に反転させて表示する自撮り表示モード(例えば図3を参照のこと)となる。
【0090】
また、図38及び図39には、表示部1320が横開き位置となっているデジタルカメラ1300の左側面及び背面を、MRセンサ2701A及びMRセンサ2701D、磁石2711Aとともに示している。各図から分かるように、MRセンサ2701Aはオフ、MRセンサ2701Dはオンになる。横開き位置では、表示部1320は正位置から上下及び左右に反転しているので、表示パネル1321は撮像画像を上下及び左右に反転させて表示する通常表示モード(例えば図5を参照のこと)となる。
【0091】
表示部1320の回転動作に応じたMRセンサ2701A及びMRセンサ2701Dのオンオフ動作について、図40及び図41を参照しながら説明する。但し、ここでは、表示部1320が自撮り位置から回転軸1332回りに紙面時計回りに回転する角度をθとする。
【0092】
MRセンサ2701Aは、図40に示すように表示部1320の回転角度θが0度からおよそ30度までの範囲では、磁石2711Aからの十分な磁束を検出してオンとなるが、回転角度θが30度を超えると磁束が低下してオンからオフに切り替わる。また、回転を続けて、図41に示すように表示部1320の回転角度θがおよそ150度を超えると(言い換えれば、図40とは逆向きに、表示部1320がおよそ30度傾斜すると)、MRセンサ2701Dは、磁石2711Aからの十分な磁束を検出して、オフからオンに切り替わる。
【0093】
したがって、デジタルカメラ1300においては、図42に示すように、通常表示モードから自撮り表示モードに切り替える第2の角度閾値θ2を150度に設定するとともに、自撮り表示モードから通常表示モードに切り替える第1の角度閾値θ1を30度に設定することにより、図9に示したような表示モードの切り替え動作、図10に示したようなヒステリシス特性、並びに図11に示したような表示モード遷移を実現することができる。その結果、ユーザの撮影の意図に応じた表示モードを設定することが可能となり、ユーザ利便性が向上する。但し、第1の角度閾値θ1の30度並びに第2の角度閾値θ2の150度は、使用する各MRセンサの感度や磁石の磁力、並びにMRセンサと磁石の配置場所(回転軸1322からの距離)などに応じて変わる設計値である。
【0094】
また、通常表示モードのときに自撮り表示モードに切り替える第1の角度閾値θ1を、自撮り表示モードのときに通常表示モードに切り替える第2の角度閾値θ2よりも大きな値に設定することによって、別のユーザ利便性が向上する。例えば、カメラ正面に向けた自撮り表示モードから表示パネル1321を30度傾けると通常表示モードに切り替わってしまうのを、もっと広い範囲で自撮り表示モードのままに保つことができるようになる。
【0095】
なお、図40~及び図42では、表示部1320の回転軸1332回りの回転角度を、カメラ本体1310の背面から傾斜した角度で表現しているが、これは撮像部1311の撮像方向に対する表示パネル1321の表示方向が傾斜した角度と等価である。
【0096】
D-2.マルチアングル方式の実装例
図43及び図44には、マルチアングル方式のデジタルカメラ4300の左側面及び背面をそれぞれ示している。デジタルカメラ4300は、前方に撮像部4311を含むカメラ本体4310と、表示パネル4321を含む表示部4320で構成されている。表示部4320は、カメラ本体4310の背面に対して縦方向(又は上下方向)に傾斜させる縦チルト機構部4330と、縦チルト機構部4330の左端縁において左右方向に開閉可能で且つ上下方向に回転可能となる横バリアングル機構部4340を介して、カメラ本体4310に連結されている。
【0097】
縦チルト機構部4330は、カメラ本体4310の背面から順に第1の支持板4331と第2の支持板4332を備え、第1の支持板4331は下端縁でカメラ本体4310の背面に第1のチルト軸4333を介して回転可能に支持されるとともに、上端縁で第2のチルト軸4334を介して第2の支持板4332を回転可能に支持する。また、横バリアングル機構部4340は、縦チルト機構部4330の第2の支持板4332に対して開閉軸4341と回転軸4342の2自由度を有する。
【0098】
図43及び図44に示す例では、表示部4320は、表示パネル4321を背面に向けた状態で、カメラ本体4310の背面に閉じているが、これを正位置とする。この状態では、ユーザは撮像方向の表示パネル4321を観察しながら、撮影を行うことができる。
【0099】
マルチアングル方式のデジタルカメラ4300は、縦チルト機構部4330を固定させた状態では、表示部4320は、横バリアングル機構部4340が持つ開閉軸4341と回転軸4342の2自由度により、カメラ本体4310に対して左右方向の開閉操作及び上下方向の回転操作が可能である。すなわち、縦チルト機構部4330を固定させた状態では、表示部4320は、カメラ本体4310に対して(又は、第2の支持板4332に対して)正位置、自撮り位置、ローアングル位置、横開き位置、ハイアングル位置、及びパネルオフ位置の6通りの位置をとることができる。正位置は図43に示した通りである。縦チルト機構部4330を固定させた状態において、表示部4320が自撮り位置、ローアングル位置、横開き位置、ハイアングル位置、及びパネルオフ位置の各位置となる場合のデジタルカメラ4300を側面から眺めた様子を、図45図49にそれぞれ示している。
【0100】
図45に示す自撮り位置は、表示部4320を、図43に示した正位置から開閉軸4341回りに左方向に180度だけ開いた位置である。図46に示すローアングル位置は、表示部4320を、図45に示した自撮り位置から第2の支持板4332に対し回転軸4342回りに上方向(紙面時計回り)に90度だけ回転させた位置である。図47に示す横開き位置は、表示部4320を、図46に示した自撮り位置から第2の支持板4332に対し回転軸4342回りに上方向(紙面時計回り)にさらに90度だけ回転させて上下反転させた位置である。図48に示すハイアングル位置は、表示部4320を、図47に示した横開き位置からさらに第2の支持板4332に対し回転軸4342回り(紙面時計回り)に90度だけ回転させた位置である。図49に示すパネルオフ位置は、表示部4320を、図47に示した横開き位置から開閉軸4341回りに右方向に180度だけ回転させて第2の支持板4332に閉じた位置である。
【0101】
また、マルチアングル方式のデジタルカメラ4300は、カメラ本体4310が縦チルト機構部4330を介して表示部4320を支持しているので、カメラ本体4310に対する第1の支持板4331の第1のチルト軸4333回りの上下方向のチルト動作、及び第1の支持板4331に対する第2の支持板4332の第2のチルト軸4334回りの上下方向のチルト動作の各々によって表示部4320をカメラ本体4310に対して上下方向にチルトさせることができる。さらに、上下方向にチルトした姿勢で、横バリアングル機構部4340が持つ開閉軸4341と回転軸4342の2自由度により、表示部4320は、第2の支持板4332に対して左右方向の開閉操作及び上下方向の回転操作が可能である。すなわち、表示部4320は、チルトした姿勢でも、第2の支持板4332に対して正位置、自撮り位置、ローアングル位置、横開き位置、ハイアングル位置、及びパネルオフ位置の6通りの位置をとることができる。
【0102】
図50図56には、第1の支持板4331に対して第2の支持板4332をチルトさせた姿勢において、表示部4320が第2の支持板4332に対して正位置、正位置から90度だけ左方向に開いた位置、自撮り位置、ローアングル位置、横開き位置、ハイアングル位置、及びパネルオフ位置の各位置となる場合のデジタルカメラ4300を側面から眺めた様子を示している。
【0103】
図50に示す正位置は、図43に示した位置から第1の支持板4331に対して第2の支持板4332をチルトさせた位置である。そして、図51に示すように、表示部4320を開閉軸4341回りに開閉操作することができる。図52に示す自撮り位置は、表示部4320を、図50に示した正位置から開閉軸4341回りに左方向に180度だけ開いた位置である。図53に示すローアングル位置は、表示部4320を、図52に示した自撮り位置から第2の支持板4332に対し回転軸4342回りに上方向(紙面時計回り)に90度だけ回転させた位置である。図54に示す横開き位置は、表示部4320を、図52に示した自撮り位置から第2の支持板4332に対し回転軸4342回りに上方向(紙面時計回り)に180度だけ回転させて上下反転させた位置である。図55に示すハイアングル位置は、表示部4320を、図54に示した横開き位置からさらに第2の支持板4332に対し回転軸4342回り(紙面時計回り)に90度だけ回転させた位置である。図56に示すパネルオフ位置は、表示部4320を、図54に示した横開き位置から開閉軸4341回りに右方向に180度だけ回転させて第2の支持板4332に閉じた位置である。
【0104】
また、図57図63には、さらにカメラ本体4310に対して第1の支持板4331をチルトさせた姿勢において、表示部4320が第2の支持板4332に対して正位置、正位置から90度だけ左方向に開いた位置、自撮り位置、ローアングル位置、横開き位置、ハイアングル位置、及びパネルオフ位置の各位置となる場合のデジタルカメラ4300を側面から眺めた様子を示している。
【0105】
図57に示す正位置は、図50に示した位置からさらにカメラ本体4310に対して第1の支持板4331をチルトさせた位置である。そして、図58に示すように、表示部4320を開閉軸4341回りに開閉操作することができる。図59に示す自撮り位置は、表示部4320を、図57に示した正位置から開閉軸4341回りに左方向に180度だけ開いた位置である。図60に示すローアングル位置は、表示部4320を、図59に示した自撮り位置から第2の支持板4332に対し回転軸4342回りに上方向(紙面時計回り)に90度だけ回転させた位置である。図61に示す横開き位置は、表示部4320を、図59に示した自撮り位置から第2の支持板4332に対し回転軸4342回りに上方向(紙面時計回り)に180度だけ回転させて上下反転させた位置である。図62に示すハイアングル位置は、表示部4320を、図61に示した横開き位置からさらに第2の支持板4332に対し回転軸4342回りに上方向(紙面時計回り)に90度だけ回転させた位置である。図63に示すパネルオフ位置は、表示部4320を、図61に示した横開き位置から開閉軸4341回りに右方向に180度だけ回転させて第2の支持板4332に閉じた位置である。
【0106】
図43図63を参照しながら説明したように、マルチアングル方式のデジタルカメラ4300においては、縦チルト機構4330を用いた各縦チルト位置において、表示部4320は、少なくとも正位置、自撮り位置、ローアングル位置、横開き位置、ハイアングル位置、及びパネルオフ位置の6通りの位置をとることができる。表示部4320の位置に応じて表示パネル4321の表示モードの自動切り替えを制御するには、検出部により少なくとも上記の6通りの位置を識別する必要がある。また、コスト削減の観点から最小限のセンサ構成により、表示部4320の位置検出を実現することが好ましい。
【0107】
そこで、マルチアングル方式においても、最小限の個数の磁石及びMRセンサを用いて表示部4320の位置を検出する方法について説明する。但し、以下では、便宜上、第2の支持板4332に対する表示部4320の位置検出に限定して説明する。第1の支持板4331に対する第2の支持板4332の位置、又はカメラ本体4310に対する第2の支持板4332の位置についても、同様に最小限の個数の磁石及びMRセンサを用いて検出することは可能であるが、本明細書ではこの点については言及しない。
【0108】
図64図69には、デジタルカメラ4300にMRセンサ及び磁石を配置した例を示している。但し、図64図66は、表示部4320が正位置にある状態を示し、図67図69は、表示部4320が上下反転してパネルオフ位置にある状態を示している。各図に示す例では、第2の支持板4332にMRセンサ6401A、6401B、6401C、6401Dが配置され、表示部4320に磁石6411A、6411B、6411C、6411D、6411Fが配置され、カメラ本体4310の背面側にMRセンサ6401Eが配置され、第2の支持板4332に磁石6411Eが配置されている。各MRセンサを示す四角のブロック内に描いた矢印は、検出可能な磁界の方向を表している。また、各磁石は、基本的にN極とS極の組で構成され、且つ、N極からS極に向かって磁界が発生する。したがって、あるMRセンサに、検出可能な磁界の方向を発生する磁石が所定距離内に近づくと、そのMRセンサはオンとなり、磁石が所定距離外に離れるとオフになる仕組みである。これら5個のMRセンサ6401A、6401B、6401C、6401D、6401Eと、6個の磁石6411A、6411B、6411C、6411D、6411E、6411Fは、図12に示した機能ブロック図内の検出部1204を構成するものとする。なお、各MRセンサ及び磁石の配置を説明する便宜上、各MRセンサ及び磁石を、デジタルカメラ4300よりも相対的に大きく描いている点には留意されたい。
【0109】
MRセンサ6401A及びMRセンサ6401Dは、それぞれ磁石6411A及び6411Dを検出することによって、表示部4320の回転軸4342回りの回転すなわち表示パネル4321の上下反転を検知するために用いられる。図66から分かるように、MRセンサ6401Aと磁石6411Aは、表示部4320の正位置において、第2の支持板4332側及び表示部4320側の左端縁付近の互いに対向する場所で、且つ、磁石6411AはMRセンサ6401Aが検出可能な磁界の方向となるように配置されている。したがって、図66に示すような正位置では、MRセンサ6401Aは磁石6411Aの磁界を検出してオンとなる。図示を省略するが表示部4320が第2の支持板4332に対し開閉軸4341回りに開閉している間も、表示部4320が上下方向に回転しない限り、MRセンサ6401Aは磁石6411Aを検出し続け、すなわちオン状態である。
【0110】
一方、MRセンサ6401Dは、MRセンサ6401Aに隣接して、磁界の検出方向がMRセンサ6401とは逆向きになるように配置されている。また、磁石6411Dは、図66から分かるように、回転軸4342に対し磁石6411Aとは上下に対称的で且つ極性の向きが同じとなるように、表示部4320上の位置に配置されている。したがって、表示部4320が回転軸4342回りに回転して、図69に示すように表示パネル4321が上下反転すると、MRセンサ6401Aは磁石6411Aの磁界を検出しなくなりオフとなるが、MRセンサ6401Dは磁石6411Dの磁界を検出してオンとなる。図示を省略するが表示部4320が第2の支持板4332に対し開閉軸4341回りに開閉している間も、表示部4320が上下方向に回転しない限り、MRセンサ6401Dは磁石6411Dを検出し続け、すなわちオン状態である。
【0111】
MRセンサ6401Cは、磁石6411C又は磁石6411Fのいずれかを検出することによって、表示部4320が第2の支持板4332に閉じられた状態を検出するために用いられる。図65及び図66に示すように、MRセンサ6401Cは、第2の支持板4332側で、閉じられた表示部4320の上端付近に配置されている。そして、磁石6411Cは、正位置においてMRセンサ6401Cと対向する場所で、且つ、MRセンサ6401Cが検出可能な磁界の方向となるように配置されている。したがって、図65及び図66に示すような正位置では、MRセンサ6401Cは磁石6411Cの磁界を検出してオンとなる。図示を省略するが、表示部4320を開閉軸4341回りに開いて、磁石6411Cの磁界が検出範囲外にはなれると、MRセンサ6401Cはオフになる。
【0112】
また、磁石6411Fは、図65及び図66から分かるように、回転軸4342に対し磁石6411Cとは上下に対称的となる表示部4320上の位置に配置されている。すなわち、表示部4320が上下反転してパネルオフ位置になると、磁石6411Fは、MRセンサ6401Cと対向する場所で、且つ、MRセンサ6401Cが検出可能な磁界の方向となるように配置される。したがって、図68及び図69から分かるように、パネルオフ位置では、MRセンサ6401Cは磁石6411Fの磁界を検出してオンとなる。図示を省略するが、表示部4320を開閉軸4341回りに開いて、磁石6411Fの磁界が検出範囲外にはなれると、MRセンサ6401Cはオフになる。
【0113】
MRセンサ6401Bは、磁石6411Bを検出することによって、表示部4320の開閉軸4341回りの開閉操作すなわち表示パネル4321の左右反転を検出するために用いられる。図64図69では分かり難いので、さらに図70に示す、開閉軸4341付近を拡大した上面図を参照すると、MRセンサ6401Bは、第2の支持板4332側で、開閉軸4341から少し中心寄りの場所に配置されている。一方、磁石6411Bは表示パネル4321の開閉軸4341付近に配置されている。但し、図70は表示部4320が正位置(表示パネル4321を後方に向けて第2の支持板4332に閉じた状態)のときを示している。
【0114】
磁石6411Bは、表示部4320を開閉操作する際には開閉軸4341とともに回転するが、表示部4320を回転操作(言い換えれば、上下反転)する際には、開閉軸4341と一体となって、回転軸4342回りには動かない。図示を省略するが、表示パネル4321の開閉軸4341回りの開閉操作に伴うMRセンサ6401Bの動作は、上記D-1項において図31図34を参照しながら説明したMRセンサ2701Bの動作と同様である。
【0115】
図70に示すように、表示パネル4321が正位置のときに、磁石6411Bは、開閉軸4341を挟んでMRセンサ6401Bのほぼ反対側となるように開閉軸4341付近に配置されている。この状態では、MRセンサ6401Bは、磁石6411Bはから離間していて十分な磁束を検出できないのでオフとなる。そして、表示部4320を開閉軸4341回りに正位置から135度だけ開くと、磁石6411Bが発生する磁界がMRセンサ6401Bに届くようになり、MRセンサ6401Bがオンになる。表示部4320が180度開いた自撮り位置では、MRセンサ6401Bはオンのままである。また、表示部4320を回転軸4342回りに回転操作(言い換えれば、上下反転)して横開き位置に変わるまでの間、磁石6411Bは開閉軸4341と一体となって動かないので、MRセンサ6401Bはオンのままである。
【0116】
以上をまとめると、MRセンサ6401A、6401B、6401C、6401Dは、いずれも第2の支持板4332上に配置され、それぞれ表示部4320上に配置された磁石6411A、6411B、6411C又は6411F、6411Dの磁界を検出してオンオフ動作する。図71には、第2の支持板4332に対する表示部4320の6通りの各位置における4個のMRセンサ6401A、6401B、6401C、6401Dのオンオフ動作の関係をまとめている。各MRセンサ6401A、6401B、6401C、6401Dのオンオフ動作に基づいて、第2の支持板4332に対する表示部1320の6通りの位置を識別することができる。
【0117】
具体的には、MRセンサ6401A及びMRセンサ6401Dのオンオフにより、第2の支持板4332に対して表示パネル4321の上下が反転したか否かを識別することができる。また、MRセンサ6401Bのオンオフにより、表示パネル4321が第2の支持板4332から開いたか否かを識別することができる。また、MRセンサ6401Cのオンオフにより、表示部4320が第2の支持板4332から開いているか閉じているかを識別することができる。要するに、少数のセンサ構成で第2の支持板4332に対する表示パネル4321の向きを6パターンに簡略化して検出することができ、コスト削減を実現できるという点を理解されたい。
【0118】
また、MRセンサ6401Eは、カメラ本体4310の背面側に配置されて、第2の支持板4332上に配置された磁石6411Eの磁界を検出してオンオフ動作する。図72には、カメラ本体4310に対する第1の支持板4331と第2の支持板4332の縦チルト位置とMRセンサ6401Eのオンオフ動作の関係をまとめている。MRセンサ6401Eのオンオフ動作に基づいて、第1の支持板4331と第2の支持板4332の縦チルト位置を識別することができる。具体的には、第1の支持板4331と第2の支持板4332がカメラ本体4310の背面に閉じているときには、MRセンサ6401Eはオンとなり、第1の支持板4331と第2の支持板4332がカメラ本体4310の背面から開くと、MRセンサ6401Eはオフとなる。
【0119】
続いて、デジタルカメラ4300におけるMRセンサの検出結果に基づいて、自撮り表示モードと通常表示モードの切り替え制御について説明する。
【0120】
表示部4320が自撮り位置では、図45図52、及び図59に示したようないずれの縦チルト状態であっても、MRセンサ6401Aはオン、MRセンサ6401Dはオフになる。自撮り位置では、表示部4320は正位置から左右反転しているので、表示パネル4321は撮像画像を左右に反転させて表示する自撮り表示モード(例えば図3を参照のこと)となる。
【0121】
一方、表示部4320が横開き位置では、図47図54、及び図61に示したようないずれの縦チルト状態であっても、MRセンサ6401Aはオフ、MRセンサ6401Dはオンになる。横開き位置では、表示部4320は正位置から上下及び左右に反転しているので、表示パネル4321は撮像画像を上下及び左右に反転させて表示する通常表示モード(例えば図5を参照のこと)となる。
【0122】
表示部4320の回転動作に応じたMRセンサ6401A及びMRセンサ6401Dのオンオフ動作について、図73図77を参照しながら説明する。但し、ここでは、表示部4320が自撮り位置から回転軸4342回りに紙面時計回りに回転する角度をθとする。
【0123】
MRセンサ6401Aは、図73に示すように表示部4320の回転角度θが0度からおよそ30度までの範囲では、磁石6411Aからの十分な磁束を検出してオンとなるが、回転角度θが30度を超えると磁束が低下してオンからオフに切り替わる。また、回転を続けて、図74に示すように表示部4320の回転角度θがおよそ150度を超えると(言い換えれば、図73とは逆向きに、表示部4320がおよそ30度傾斜すると)、MRセンサ6401Dは、磁石6411Aからの十分な磁束を検出して、オフからオンに切り替わる。
【0124】
したがって、デジタルカメラ4300においては、図75に示すように、通常表示モードから自撮り表示モードに切り替える第2の角度閾値θ2を150度に設定するとともに、自撮り表示モードから通常表示モードに切り替える第1の角度閾値θ1を30度に設定することにより(すなわち、第1の角度閾値θ1よりも第2の角度閾値θ2を大きな値に設定することにより)、図9に示したような表示モードの切り替え動作、図10に示したようなヒステリシス特性、並びに図11に示したような表示モード遷移を実現することができる。その結果、ユーザの撮影の意図に応じた表示モードを設定することが可能となり、ユーザ利便性が向上する。
【0125】
なお、図73~及び図75では、表示部4320の回転軸4342回りの回転角度を、カメラ本体4310の背面から傾斜した角度で表現しているが、これは撮像部4311の撮像方向に対する表示パネル4321の表示方向が傾斜した角度と等価である。
【0126】
但し、第1の角度閾値θ1の30度並びに第2の角度閾値θ2の150度は、使用する各MRセンサの感度や磁石の磁力、並びにMRセンサと磁石の配置場所(回転軸1322からの距離)などに応じて変わる設計値である。
【0127】
また、図73図75では、表示部4320がカメラ本体4310に対して縦チルトしていない状態を示しているが、第1の支持板4331に対して第2の支持板4332がチルトした場合や、さらに第1の支持板4331がカメラ本体4310に対してチルトした場合も同様に、それぞれ図76及び図77に示すように、ヒステリシス特性を有する表示モード遷移を実現することができる。
【0128】
また、通常表示モードのときに自撮り表示モードに切り替える第1の角度閾値θ1を、自撮り表示モードのときに通常表示モードに切り替える第2の角度閾値θ2よりも大きな値に設定することによって、別のユーザ利便性が向上する。例えば、カメラ正面に向けた自撮り表示モードから表示パネル4321を30度傾けると通常表示モードに切り替わってしまうのを、もっと広い範囲で自撮り表示モードのままに保つことができるようになる。これは、この縦チルト及び横開き状態のときに際立つ。例えば図77に示した表示モード遷移では、表示パネル4321を0度から紙面時計回りに傾けていくと、表示パネル4321がカメラ正面を向く前に通常表示に切り替わってしまうところ、第1の角度閾値θ1と第2の角度閾値θ2の大小関係を入れ替えるとこの問題が解消する。
【産業上の利用可能性】
【0129】
以上、特定の実施形態を参照しながら、本開示について詳細に説明してきた。しかしながら、本開示の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
【0130】
本開示は、例えばデジタルスチルカメラ及びデジタルビデオカメラのように機器本体の背面に可動方式の表示パネルを備えたデジタルカメラに好適に適用することができる。また、本明細書では、本開示をデジタルカメラに適用した実施形態を中心に説明してきたが、本開示の要旨はこれに限定されるものではない。本体の可動方式の表示パネルを備え、且つ表示パネルの姿勢に応じて表示画像を上下、左右に反転するなどの表示の切り替え行うさまざまなタイプの情報機器及び電子機器(例えば、スマートフォンなどの情報端末、ゲーム機など)に同様に本開示を適用することができる。
【0131】
要するに、例示という形態により本開示について説明してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本開示の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
【0132】
なお、本開示は、以下のような構成をとることも可能である。
【0133】
(1)撮像部を含む本体と、
前記本体に対して可動式で複数の表示モードを有する表示部と、
前記本体に対する前記表示部の位置を検出する検出部と、
前記表示部の現在の表示モードと前記位置の変化の組み合わせに応じて表示モードの切り替えを制御する制御部と、
を具備する撮像装置。
【0134】
(2)前記検出部は前記撮像部の撮像方向と前記表示部の表示方向のなす角度を検出し、
前記制御部は前記表示部の現在の表示モードと前記角度の変化の組み合わせに応じて表示モードの切り替えを制御する、
上記(1)に記載の撮像装置。
【0135】
(3)前記表示部は第1の表示モードと第2の表示モードを含み、
前記制御部は、前記第1の表示モード下で前記角度が第1の角度を超えたときに前記第2の表示モードに切り替え、前記第2の表示モード下で前記角度が前記第1の角度より大きい第2の角度未満となったときに前記第1の表示モードに切り替える、
上記(2)に記載の撮像装置。
【0136】
(4)前記第1の表示モードは、前記表示方向を前記撮像方向に向けて、撮影者自身を被写体に含めて撮影を行うための自撮り表示モードであり、
前記第2の表示モードは、前記表示方向を前記撮像方向の反対側に向けて、通常の撮影を行うための通常撮影モードである、
上記(3)に記載の撮像装置。
【0137】
(5)前記表示部を前記本体背面に可動式で連結する連結部をさらに備え、
前記検出部は、前記連結部の操作に応じた前記表示部の位置を検出する、
上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の撮像装置。
【0138】
(6)前記連結部は、前記表示部を前記本体に対して開閉軸回りに左右方向に開閉可能で且つ前記開閉軸に対して回転軸回りに上下方向に回転可能に連結するヒンジ部を含み、
前記検出部は、前記表示部が前記開閉軸回りに前記本体に対し開いた位置から前記回転軸回りに回転した角度を検出し、
前記制御部は、前記表示部の現在の表示モードと前記角度の変化の組み合わせに応じて表示モードの切り替えを制御する、
上記(5)に記載の撮像装置。
【0139】
(7)前記表示部は第1の表示モードと第2の表示モードを含み、
前記制御部は、前記第1の表示モード下で前記角度が第1の角度を超えたときに前記第2の表示モードに切り替え、前記第2の表示モード下で前記角度が前記第1の角度より大きい第2の角度未満となったときに前記第1の表示モードに切り替える、
上記(6)に記載の撮像装置。
【0140】
(8)前記制御部は、前記第1の表示モードでは前記撮像部が撮像した画像を左右反転して前記表示部に表示し、前記第2の表示モードでは前記第1の表示モードの表示画像をさらに上下反転して前記表示部に表示する、
上記(7)に記載の撮像装置。
【0141】
(9)前記検出部は、前記表示部に配置された磁石と、前記本体側に配置された第1の磁気センサ及び第2の磁気センサからなり、
前記第1の磁気センサは前記本体側の前記開閉軸付近に配置されるとともに、前記第2の磁気センサは前記回転軸を挟んで前記第1の磁気センサとはほぼ対称的な位置に配置され、
前記磁石は、前記表示部が前記開閉軸回りに回転しない位置で前記第1の磁気センサに接近するとともに、前記表示部が前記開閉軸回りに回転して上下反転した位置で前記第1の磁気センサに接近する位置に配置され、
前記第1の磁気センサは、前記角度が前記第1の角度以下になったときに前記磁石の磁力を検出でき、前記第2の磁気センサは、前記角度が前記第2の角度以上になったときに前記磁石の磁力を検出できる、
上記(7)又は(8)のいずれかに記載の撮像装置。
【0142】
(10)前記連結部は、前記本体に対して縦方向にチルトする縦チルト機構部と、前記表示部を前記縦チルト機構部に対して開閉軸回りに左右方向に開閉可能で且つ前記開閉軸に対して回転軸回りに上下方向に回転可能に連結するヒンジ部を含み、
前記検出部は、前記表示部が前記開閉軸回りに前記縦チルト機構部に対し開いた位置から前記回転軸回りに回転した角度を検出し、
前記制御部は、前記表示部の現在の表示モードと前記角度の変化の組み合わせに応じて表示モードの切り替えを制御する、
上記(5)に記載の撮像装置。
【0143】
(11)前記表示部は第1の表示モードと第2の表示モードを含み、
前記制御部は、前記第1の表示モード下で前記角度が第1の角度を超えたときに前記第2の表示モードに切り替え、前記第2の表示モード下で前記角度が前記第1の角度より大きい第2の角度未満となったときに前記第1の表示モードに切り替える、
上記(10)に記載の撮像装置。
【0144】
(12)前記制御部は、前記第1の表示モードでは前記撮像部が撮像した画像を左右反転して前記表示部に表示し、前記第2の表示モードでは前記第1の表示モードの表示画像をさらに上下反転して前記表示部に表示する、
上記(11)に記載の撮像装置。
【0145】
(13)前記検出部は、前記表示部に配置された第1の磁石及び第2の磁石と、前記縦チルト機構部側に配置された第1の磁気センサ及び第2の磁気センサからなり、
前記第1の磁石は前記表示部側の前記開閉軸付近に配置されるとともに、前記第2の磁石は前記回転軸を挟んで前記第1の磁石とはほぼ対称的な位置で且つ磁界が逆向きとなるように配置され、
前記第1の磁気センサ及び前記第2の磁気センサは、前記縦チルト機構部の前記開閉軸付近に隣接して且つ互いに逆向きの磁界を検出するように配置され、
前記第1の磁気センサは、前記角度が前記第1の角度以下になったときに前記第1の磁石の磁力を検出でき、前記第2の磁気センサは、前記角度が前記第2の角度以上になったときに前記第2の磁石の磁力を検出できる、
上記(11)又は(12)のいずれかに記載の撮像装置。
【0146】
(14)撮像部を含む本体と可動式の表示部を備えた撮像装置の制御方法であって、
前記本体に対する前記表示部の位置を検出する検出ステップと、
前記表示部の現在の表示モードと前記位置の変化の組み合わせに応じて前記表示部の表示モードの切り替えを制御する制御ステップと、
を有する撮像装置の制御方法。
【符号の説明】
【0147】
100…デジタルカメラ、110…カメラ本体、111…撮像レンズ
120…表示部、121…表示パネル、130…ヒンジ部
131…開閉軸、132…回転軸
1201…制御部、1202…表示部、1203…撮像部
1204…検出部、1205…記録部、1206…操作部
1211…表示制御部、1212…画像処理部
1213…画像記録部
1300…デジタルカメラ、1310…カメラ本体、1311…撮像部
1320…表示部、1321…表示パネル、1330…ヒンジ機構
1331…開閉軸、1332…回転軸、1340…ファインダー
2701…MRセンサ、2711…磁石
4300…デジタルカメラ、4310…カメラ本体、4311…撮像部
4320…表示部、4321…表示パネル、4330…縦チルト機構部
4331…第1の支持板、4332…第2の支持板
4333…第1のチルト軸、4334…第2のチルト軸
4340…横バリアングル機構部
4341…開閉軸、4342…回転軸
6401…MRセンサ、6411…磁石
図1
図2
図3
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