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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-01-13
(45)【発行日】2026-01-21
(54)【発明の名称】光学系及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 15/22 20060101AFI20260114BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20260114BHJP
   G02B 13/00 20060101ALI20260114BHJP
【FI】
G02B15/22
G02B13/18
G02B13/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021184724
(22)【出願日】2021-11-12
(65)【公開番号】P2023072281
(43)【公開日】2023-05-24
【審査請求日】2024-10-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000133227
【氏名又は名称】株式会社タムロン
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(74)【代理人】
【識別番号】100143786
【弁理士】
【氏名又は名称】根岸 宏子
(72)【発明者】
【氏名】小林 知広
【審査官】瀬戸 息吹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-152279(JP,A)
【文献】特開2006-301474(JP,A)
【文献】特開2000-292700(JP,A)
【文献】特開2021-039304(JP,A)
【文献】特開2020-060661(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
合焦に際して隣り合うレンズ群の間隔が変化する複数のレンズ群と、開口絞りとを有する光学系であって
無限遠物体合焦状態、撮像倍率がβ1である第一の近距離物体合焦状態、及び、撮像倍率がβ2である第二の近距離物体合焦状態における前記開口絞りによる軸上光線の射出瞳と像面との間隔をそれぞれPinf、P1、P2としたとき
前記無限遠物体合焦状態から前記第一の近距離物体合焦状態までの間は、2つのレンズ群を光軸方向に移動させることで合焦し、この2つのレンズ群の間に前記開口絞りが配置され、
下記条件を満たすことを特徴とする光学系。
|β1| < |β2| ・・・(1)
|Pinf|> |P1| ・・・(2)
|P2| > |P1| ・・・(3)
【請求項2】
最も像面側に配置されるレンズ群は合焦の際に光軸方向に固定される請求項1に記載の光学系。
【請求項3】
下記条件を満たす請求項1又は請求項2に記載の光学系。
|β1| > 0.2 ・・・(4)
|β2| ≧ 0.8 ・・・(5)
【請求項4】
最も物体側に配置されるレンズ群は、前記無限遠物体合焦状態から前記第一の近距離物体合焦状態までの間は光軸方向に固定される、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項5】
前記無限遠物体合焦状態から前記第一の近距離物体合焦状態までの間は、単一のレンズエレメントから構成されるレンズ群を光軸方向に移動させることで合焦する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項6】
前記第一の近距離物体合焦状態から前記第二の近距離物体合焦状態までの間は、光軸方向に沿って複数のレンズ群を同じ軌跡で移動させることで合焦する、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項7】
前記無限遠物体合焦状態から前記第一の近距離物体合焦状態までの間に光軸方向に沿って移動する第一フォーカス群と、前記第一の近距離物体合焦状態から前記第二の近距離物体合焦状態までの間に光軸方向に沿って移動する第二フォーカス群とを備え、
前記無限遠物体合焦状態から前記第一の近距離物体合焦状態までの間は前記第二フォーカス群が光軸方向に固定されており、前記第一の近距離物体合焦状態から前記第二の近距離物体合焦状態までの間は前記第一フォーカス群が光軸方向に固定される請求項1から請求項のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項8】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の光学系と、当該光学系によって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子と、を備えたことを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件発明は、光学系及び撮像装置に関し、特に、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等の固体撮像素子(CCDやCMOS等)を用いた撮像装置に好適な光学系及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、一眼レフレックスカメラ、ミラーレス一眼カメラ等の種々の固体撮像素子を用いた撮像装置が普及している。これらの撮像装置の高性能化及び小型化の進展に伴い、その撮像レンズ(光学系)についても一層の高性能化及び小型化が求められており、マクロレンズもその例外ではない。マクロレンズとは、一般に、最大撮像倍率が0.5倍~1倍の撮像レンズをいう。
【0003】
マクロレンズでは、特に、フォーカシングに際する収差変動、例えば球面収差や像面湾曲の変動を抑えてフォーカス全域にわたり高い光学性能を実現することが求められている。しかしながら、現在市販されているマクロレンズの多くはF2.8程度である。ズームレンズでもF2.8程度の明るさで同様の撮像倍率を実現することが可能であり、ズームレンズをマクロレンズの代用として使用される場合もある。そのため、マクロレンズには、より小型且つ高性能であり、マクロレンズならではの撮像表現を追求したより高付加価値の製品が求められるようになってきている。
【0004】
このようなマクロレンズとして、特許文献1及び特許文献2に開示の光学系が知られている。
特許文献1に開示の光学系は、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する前群と、負の屈折力を有する後群とから構成され、フォーカシングの際に、後群を不動とし、前群をフォーカス群として光軸方向に沿って物体側に移動させることで被写体に合焦するようにしている。
【0005】
また、特許文献2に開示の光学系は、フォーカシングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化する複数のレンズ群を有する。当該光学系では、フローティングフォーカス方式を採用し、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群を光軸方向に沿って移動させることで被写体に合焦するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2021-39304号公報
【文献】特開2020-60661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示の光学系はF2.0であり大口径比化が図られているものの、フォーカス群の重量及び移動量が大きいため、当該マクロレンズの大型化を抑制しながら更なる撮像倍率やフォーカス速度の向上を図ることは困難である。
【0008】
また、特許文献2に開示の光学系では、第3レンズ群に強い正の屈折力を配置し、フォーカス群である第4レンズ群の径小化を図っている。この場合、より一層の大口径化及び撮像倍率の向上を図ろうとすると、第3レンズ群において発生する収差を良好に補正するには他のレンズ群を構成するレンズ枚数を増加させる必要があり、光学系が大型化してしまう。
【0009】
そこで、本発明の課題は、全体を小型に維持しつつ、より大口径で撮像倍率の高い光学系及び撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本件発明に係る光学系は、合焦に際して隣り合うレンズ群の間隔が変化する複数のレンズ群と、開口絞りとを有する光学系であって、無限遠物体合焦状態、撮像倍率がβ1である第一の近距離物体合焦状態、及び、撮像倍率がβ2である第二の近距離物体合焦状態における前記開口絞りによる軸上光線の射出瞳と像面との間隔をそれぞれPinf、P1、P2としたとき、下記条件を満たすことを特徴とする。
|β1| < |β2| ・・・(1)
|Pinf|> |P1| ・・・(2)
|P2| > |P1| ・・・(3)
但し、当該光学系における最至近合焦状態時の撮像倍率(最大撮像倍率)をβmaxとしたとき、|β2|≦|βmax|とする。
【0011】
また、上記課題を解決するために本件発明に係る撮像装置は、上記光学系と、当該光学系によって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本件発明によれば、全体を小型に維持しつつ、より大口径で撮像倍率の高い光学系及び撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施例1の光学系のレンズ断面図であり、上段は無限遠物体合焦状態、中段は第一の近距離物体合焦状態(撮像倍率β1)、下段は第二の近距離物体合焦状態(撮像倍率β2)を示す(以下、レンズ断面図において同じである)。
図2】実施例1の光学系の無限遠物体合焦状態における球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図3】実施例1の光学系の第一の近距離物体合焦状態における球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図4】実施例1の光学系の第二の近距離物体合焦状態における球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図5】本発明の実施例2の光学系のレンズ断面図である。
図6】実施例2の光学系の無限遠物体合焦状態における球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図7】実施例2の光学系の第一の近距離物体合焦状態における球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図8】実施例2の光学系の第二の近距離物体合焦状態における球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図9】本発明の実施例3の光学系のレンズ断面図である。
図10】実施例3の光学系の無限遠物体合焦状態における球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図11】実施例3の光学系の第一の近距離物体合焦状態における球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図12】実施例3の光学系の第二の近距離物体合焦状態における球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図13】本発明の実施例4の光学系のレンズ断面図である。
図14】実施例4の光学系の無限遠物体合焦状態における球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図15】実施例4の光学系の第一の近距離物体合焦状態における球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図16】実施例4の光学系の第二の近距離物体合焦状態における球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本件発明に係る光学系及び撮像装置の実施の形態を説明する。但し、以下に説明する光学系及び撮像装置は本件発明に係る光学系及び撮像装置の一態様であって、本件発明に係る光学系及び撮像装置は以下の態様に限定されるものではない。
【0015】
1.光学系
当該光学系は、フォーカシングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化する複数のレンズ群と、開口絞りとを有する。ここで、「レンズ群」は1枚又は複数枚の互いに隣接配置されるレンズから構成される群をいうものとし、互いに隣接するレンズ群の空気間隔は、フォーカシングの際に変化するものとする。さらに、「1つのレンズ群」と称した場合、その「1つのレンズ群」に含まれる各レンズの空気間隔はフォーカシングの際に変化しないものとする。以下、フォーカシングの際に光軸方向に移動するレンズ群をフォーカス群と称する。当該光学系はフォーカス群を少なくとも1つ有するため、少なくとも2つのレンズ群から構成される。以下、当該光学系が満たすべき、或いは満たすことが好ましい条件式、フォーカシングの際の動作について述べる。
【0016】
1-1.条件式
1-1-1. 条件式(1)から条件式(3)
当該光学系は、無限遠物体合焦状態、撮像倍率がβ1である第一の近距離物体合焦状態、及び、撮像倍率がβ2である第二の近距離物体合焦状態における前記開口絞りによる軸上光線の射出瞳と像面との間隔をそれぞれPinf、P1、P2としたとき、下記条件を満たす。
|β1| < |β2| ・・・(1)
|Pinf|> |P1| ・・・(2)
|P2| > |P1| ・・・(3)
但し、当該光学系における最至近合焦状態時の撮像倍率(最大撮像倍率)をβmaxとしたとき、|β2|≦|βmax|とする。
なお、第一の近距離物体合焦状態とは、第一の撮像距離において目的とする被写体に合焦したときに、被写体の実寸に対して|β1|倍の大きさの被写体像が像面に結像する状態を意味する。また、第二の近距離物体合焦状態とは、第二の撮像距離において目的とする被写体に合焦したときに、被写体の実寸に対して|β2|倍の大きさの被写体像が像面に結像する状態を意味する。
【0017】
当該光学系では無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングに際し、隣合うレンズ群間の間隔を変化させることで、目的とする被写体に合焦する。その際に撮像距離に応じて、上記条件式(1)~条件式(3)を満たすようにすると、無限遠物体から第一の近距離物体にフォーカシングする際には射出瞳位置が像側に移動する。第一の近距離物体から第二の近距離物体にフォーカシングする際には、射出瞳位置が物体側に移動する。このように無限遠物体から第二の近距離物体へのフォーカシングの際に、射出瞳位置を一度像側に移動させた上で物体側に移動させるため、フォーカス域全域でみたときにフォーカシングの際の射出瞳位置の変動が小さくなり、フォーカシングの際の像面変動を抑制することができる。そのため、収差補正に要するレンズ枚数を少なくすることができ、最大撮像倍率を大きくしたときも、全体を小型に維持した状態で結像性能の高い光学系を得ることができる。
【0018】
また、条件式(2)及び条件式(3)を満たすようにすることで、被写体に寄って撮像する際にも(撮像倍率がβ1より大きいときも)、射出瞳の位置が無限遠物体合焦状態における位置と大きく変動しないようにすることができる。また、上述のとおり、少ないレンズ枚数で高い結像性能を得ることができるため、レンズ枚数の増加に伴う明るさの低下も抑制することができる。これらのことから、全体を小型に維持した状態で大口径化を図ることも容易である。
以上のように、上記条件式(1)~条件式(3)を満たすようにすることで、全体を小型に維持しつつ、より大口径で撮像倍率の高い光学系を得ることができる。
【0019】
1-1-2. 条件式(4)及び条件式(5)
当該光学系において、上記第一の撮像倍率β1及び上記第二の撮像倍率β2がそれぞれ下記条件を満たすことが好ましい。
|β1| > 0.2 ・・・(4)
|β2| ≧ 0.8 ・・・(5)
【0020】
上記条件式(5)を満たす場合、当該光学系を最大撮像倍率が0.8倍以上のマクロレンズとすることができる。その際、上記条件式(4)を満たすようにすることで、最大撮像倍率の大きい光学系としたときも、上述した条件式(1)~条件式(3)を満たすことにより得られる効果を十分に得ることができ、全体を小型に維持した状態で結像性能の高い大口径の光学系を実現することができる。
【0021】
上記効果を得る上で、条件式(4)の下限値は0.25であることがより好ましく、0.3であることがさらに好ましく、0.4であることが一層好ましい。また、条件式(4)の上限値は上記条件式(1)に規定するとおり|β2|未満であることが求められる。当該光学系が条件式(5)を満たす場合、条件式(4)の上限値は0.7であることが好ましく、0.6であることがより好ましい。また、条件式(5)の下限値は0.85であることがより好ましく、0.9であることがさらに好ましく、0.95であることが一層好ましい。なお、条件式(4)及び条件式(5)において不等号(<)を等号付不等号(≦)に置換してもよい。また、条件式(4)の上限値に関し、条件式(4)の数値は上記列挙した数値以下であってもよいし、上記列挙した数値未満であってもよい。
【0022】
1-2.フォーカシング時の動作
当該光学系では、いずれか1つ以上のレンズ群を光軸方向に沿って移動させることで被写体に合焦する。その際に、上記条件式(1)~条件式(3)を満たす限り、当該光学系におけるフォーカシング時の動作は特に限定されるものではないが、以下のようにすることが好ましい。
【0023】
1-2-1. 無限遠物体合焦状態から第一の近距離物体合焦状態までの間
無限遠物体合焦状態から第一の近距離物体合焦状態までの間、次のようにして被写体に合焦することが好ましい。
【0024】
(1)インナーフォーカス方式
まず、当該光学系において最も物体側に配置されるレンズ群(最物体側レンズ群)は、無限遠物体合焦状態から第一の近距離物体合焦状態までの間は光軸方向に固定されることが好ましい。すなわち、無限遠物体合焦状態から第一の近距離物体合焦状態までの間はインナーフォーカス方式により被写体に合焦することが好ましい。
【0025】
インナーフォーカス方式を採用した場合、最物体側レンズ群と比較すると小型及び軽量のレンズ群をフォーカス群とすることができる。そのため、高速オートフォーカスを実現することが容易になる。また、最物体側レンズ群をフォーカス群とした場合と比較すると、フォーカシングの際の画角変動を抑制することが容易になる。動画撮像時やライブビュー撮像時等に、フォーカス群を微少振幅で光軸方向に高速で振動(ウォブリング)させながら、目的とする被写体に対する合焦状態となるようにフォーカス群の最適位置を求め、その最適位置にフォーカス群を移動させることが行われている。その際に、インナーフォーカス方式を利用することで、ウォブリング時のフォーカス群の振動に伴う画角の変動を抑制することができる。従って、ウォブリング時の被写体像の大きさの変動を抑制し、動画撮像時やライブビュー撮像時等にユーザに違和感が生じることを防ぐことができる。
【0026】
(2)フローティング方式
無限遠物体合焦状態から第一の近距離物体合焦状態までの間は、2つのレンズ群を光軸方向に移動させることで合焦することが好ましい。このとき、この2つのレンズ群の間に開口絞りが配置されることが好ましい。
【0027】
このようにすることで、無限遠物体合焦状態から第一の近距離物体合焦状態までの間は、いわゆるフローティングフォーカスにより被写体に合焦することができ、フォーカシングの際の収差変動を抑制することができる。
【0028】
(3)単一レンズエレメント
無限遠物体合焦状態から上記第一の近距離物体合焦状態までの間は、単一のレンズエレメントから構成されるレンズ群をフォーカス群とし、当該フォーカス群を光軸方向に移動させることで被写体に合焦することが好ましい。すなわち、無限遠物体合焦状態から上記第一の近距離物体合焦状態までの間においてフォーカス群として機能するレンズ群は単一のレンズエレメントから構成されることが好ましい。
【0029】
ここで、「単一のレンズエレメント」とは、1枚のレンズのみ、又は、複数枚のレンズを接合した一つの接合レンズのみから構成される要素をいう。無限遠物体合焦状態から第一の近距離物体合焦状態までの間を単一のレンズエレメントから構成されるレンズ群をフォーカス群とすることで、フォーカス群の小型化及び軽量化を図ることができ、高速オートフォーカスを実現することができる。また、フォーカス群の小型化及び軽量化を図ることでフォーカス群を駆動するための駆動機構の小型化及び軽量化を図ることができ、レンズユニット全体の小型化及び軽量化を図ることができる。
【0030】
1-2-2. 第一の近距離物体合焦状態から第二の近距離物体合焦状態までの間
第一の近距離物体合焦状態から第二の近距離物体合焦状態までの間は、光軸方向に沿って複数のレンズ群を同じ軌跡で移動させることで合焦することが好ましい。
【0031】
このようにすることで、複数のレンズ群を同じレンズ枠に固定して、当該レンズ枠を一つの駆動機構により駆動することで複数のレンズ群を同時に移動させることができる。この場合、各レンズ群毎に駆動機構を設ける必要がなく、フォーカス駆動機構の簡素化を図ることができるため、レンズユニット全体をコンパクトに構成することができる。なお、複数のレンズ群は二つのレンズ群であってもよいし、三つ以上のレンズ群であってもよい。
【0032】
1-2-3.最物体側レンズ群
上記のとおり、無限遠物体合焦状態から第一の近距離物体合焦状態までの間はインナーフォーカス方式により被写体に合焦することが好ましく、当該光学系において最物体側レンズ群は光軸方向に固定されることが好ましい。
【0033】
第一の近距離物体合焦状態から第二の近距離物体合焦状態の間は、フォーカシングに際して、当該最物体側レンズ群は固定群として構成されていてもよいし、フォーカス群として構成されていてもよい。
【0034】
第一の近距離物体合焦状態から第二の近距離物体合焦状態の間も最物体側レンズ群を固定群とすれば、その間もインナーフォーカス方式により被写体に合焦することができるため、フォーカス群の小型化及び軽量化を図ることができると共に、フォーカス群を駆動するための駆動機構の簡素化も図ることができ、レンズユニット全体をコンパクトに構成することができる。また、フォーカスシングの際に鏡筒長が変化しないため、鏡筒の物体側を密閉構造とすることができ、鏡筒を防水構造、防塵構造とすることが容易になる。
【0035】
一方、第一の近距離物体合焦状態から第二の近距離物体合焦状態までの間では、最物体側レンズ群をフォーカス群とし、最物体側レンズ群を光軸方向に移動させることで被写体に合焦させるようにすれば、最大撮像倍率の向上や最短撮像距離の短縮化を図りつつ、全体を小型に構成することが容易になる。これは次の理由による。
まず、最物体側レンズ群をフォーカス全域において固定群とした場合、光学構成上の制約が生じ光学全体を小型に維持しつつ、最短撮像距離を短くしたり、最大撮像倍率を向上することが困難になる。一方、フォーカシングの際に撮像距離に応じて最物体側レンズ群を例えば物体側に繰り出すようにすれば、光学構成の自由度が高くなり、最短撮像距離を短くしたり、最大撮像倍率を向上することが容易になる。また、撮像しないときは最物体側を像側に移動させることで、全体を小型に構成することが可能になる。
【0036】
撮像倍率が小さいときはオートフォーカス方式を採用してもユーザの意図する物点に焦点を合わせた状態で被写体を撮像することは比較的容易であるが、被写体に寄って大きな撮像倍率で被写体を撮像する際にはオートフォーカス方式ではユーザの意図する物点に焦点を合わせることは一般に困難である。そこで、無限遠物体合焦状態から第一の近距離物体合焦状までの間は最物体側レンズ群を光軸方向に固定しインナーフォーカス方式により被写体に合焦することで高速オートフォーカスを実現し、第一の近距離物体合焦状態から第二の近距離物体合焦状態までの間はマニュアルフォーカス方式により被写体に合焦するようにすることで、ユーザの使い勝手も向上する。そして、第一の近距離物体合焦状態から第二の近距離物体合焦状態までの間は、最物体側レンズ群を鏡筒に設けたカム機構により前方に繰り出すように構成すれば、最物体側レンズ群を駆動するためのフォーカス駆動機構を設ける必要がなくなり、レンズユニット全体の小型化及び軽量化を図ることができる。
【0037】
1-2-4. 最終レンズ群
当該光学系において最も像面側に配置されるレンズ群(最終レンズ群)は、フォーカシングの際に光軸方向に固定されることが好ましい。このように最終レンズ群を固定群とすることで、像面側に最終レンズ群を駆動するための駆動機構を配置する必要がないため、鏡筒構造を簡素にすることができる。また、最終レンズ群を固定群とすることで、鏡筒の像面側を密閉構造とすることができ、像面側から塵や埃、水などが浸入することを防ぐことができる。
【0038】
但し、最終レンズ群は固定群に限定されるものではなく、最終レンズ群をフォーカス群として用いてもよい。例えば、第一の近距離合焦状態から第二の近距離合焦状態までの間に、最物体側レンズ群を光軸方向に固定し、最終レンズ群を光軸方向に沿って移動させることで被写体に合焦するようにしてもよい。
【0039】
1-2-5. レンズ群構成
当該光学系におけるレンズ群構成は特に限定されるものではないが、無限遠物体合焦状態から第一の近距離物体合焦状態までの間と、第一の近距離合焦状態と第二の近距離合焦状態との間では、それぞれ異なるレンズ群をフォーカス群とすることで、条件式(1)~条件式(3)を満たす光学系を得ることが容易になる。具体的には、無限遠物体合焦状態から第一の近距離物体合焦状態までの間に光軸方向に沿って移動する第一フォーカス群と、第一の近距離物体合焦状態から第二の近距離物体合焦状態までの間に光軸方向に沿って移動する第二フォーカス群とを備え、無限遠物体合焦状態から第一の近距離物体合焦状態までの間は第二フォーカス群が光軸方向に固定されており、第一の近距離物体合焦状態から第二の近距離物体合焦状態までの間は第一フォーカス群が光軸方向に固定されるようにすることが好ましい。
【0040】
当該光学系において、上述のように無限遠物体合焦状態から第一の近距離物体合焦状態までの間はインナーフォーカス方式を採用する場合、第一フォーカス群は最物体側レンズ群よりも像面側に配置されるレンズ群であることが求められる。また、フローティングフォーカス方式を採用する場合、第一フォーカス群を2つ以上備えることが求められ、第一フォーカス群の間に開口絞りが配置されることが好ましい。また、第一フォーカス群は単一レンズエレメントから構成されることが好ましい。
【0041】
また、当該光学系において、第二フォーカス群を1つ以上備えることが好ましく、例えば、第一フォーカス群と第一フォーカス群との間に配置されるレンズ群、最物体側レンズ群などを第二フォーカス群とすることができる。
【0042】
2.撮像装置
次に、本件発明に係る撮像装置について説明する。本件発明に係る撮像装置は、上記本件発明に係る撮像レンズと、当該撮像レンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする。なお、撮像素子は光学系の像側に設けられることが好ましい。
【0043】
ここで、撮像素子等に特に限定はなく、CCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどの固体撮像素子等も用いることができる。本件発明に係る撮像装置は、デジタルカメラやビデオカメラ等のこれらの固体撮像素子を用いた撮像装置に好適である。また、当該撮像装置は、一眼レフカメラ、ミラーレス一眼カメラ、デジタルスチルカメラ、監視カメラ、車載用カメラ、ドローン搭載用カメラ等の種々の撮像装置に適用することができる。また、これらの撮像装置はレンズ交換式の撮像装置であってもよいし、レンズが筐体に固定されたレンズ固定式の撮像装置であってもよい。特に、当該撮像レンズは最大撮像倍率が0.5倍以上であり、被写体に近接して撮像が可能ないわゆるマクロレンズに好適であるため、一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラ等の撮像装置や、産業用撮像装置等の被写体を大きく撮像することが求められる用途に好適である。
【0044】
次に、実施例を示して本件発明を具体的に説明する。但し、本件発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0045】
(1)光学構成
図1は、本件発明に係る実施例1の光学系のレンズ断面図であり、上段は無限遠物体合焦状態、中段は第一の近距離物体合焦状態(撮像倍率β1)、下段は第二の近距離物体合焦状態(撮像倍率β2)を示す。以下、各実施例で示すレンズ断面図において同じであるため、以下では説明を省略する。
【0046】
図1に示すように、当該光学系は、物体側から順に正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とを備えている。開口絞りSは第3レンズ群G3の物体側に配置されている。なお、各レンズ群の構成は図に示すとおりである。
【0047】
当該実施例1の光学系では「撮像倍率β1」=-0.5であり、「撮像倍率β2」=-1.0であり、撮像倍率β2は当該光学系における最大撮像倍率βmaxに相当する。当該光学系では、無限遠物体合焦状態から第一の近距離物体合焦状態までの間は、第2レンズ群G2と第4レンズ群G4を光軸方向に沿って移動させることで被写体に合焦し、その間、第1レンズ群G1、第3レンズ群G3及び第5レンズ群G5は光軸方向に固定される。また、第一の近距離物体合焦状態から第二の近距離物体合焦状態までの間は、第1レンズ群G1と第3レンズ群G3を光軸方向に沿って同一の軌跡で移動させることで被写体に合焦し、その間、第2レンズ群G2、第4レンズ群G4及び第5レンズ群G5は光軸方向に固定される。第2レンズ群G2と第4レンズ群G4は第一フォーカス群であり、第1レンズ群G1と第3レンズ群G3は第二フォーカス群である。
【0048】
図1において、「Pinf」、「P1」、「P2」はそれぞれ無限遠物体合焦状態、第一の近距離物体合焦状態、第二の近距離物体合焦状態における射出瞳位置を示している。図1に示すように、フォーカス域全域において射出瞳位置の変動が抑制されている。
なお、図1において、「IMG」は像面であり、具体的には、CCDセンサやCMOSセンサなどの固体撮像素子の撮像面、或いは、銀塩フィルムのフィルム面等を示す。また、IPの物体側にはカバーガラスCG等を備える。この点は、他の実施例で示す各レンズ断面図においても同様であるため、以後説明を省略する。
【0049】
(2)数値実施例
次に、当該光学系の数値実施例について説明する。以下に当該光学系の面データ、各種データ、合焦時の可変間隔、各レンズ群の焦点距離を示す。
面データを表す表において、「No.」は物体側から数えたレンズ面の順番(面番号)、「R」はレンズ面の曲率半径、「D」はレンズ面の光軸上の間隔、「Nd」はd線(波長λ=587.6nm)に対する屈折率、「ABV」はd線に対するアッベ数をそれぞれ示している。また、「No.」の欄において、面番号の次の欄に表示する「STOP」は開口絞りを表している。また、「D」の欄において「D○○」(本実施例ではD7等)と表示するのは、合焦時の可変間隔であることを示す。なお、以下に示す各表において長さの単位は全て「mm」であり、画角の単位は全て「°」である。また各表において「∞」は無限大を表す。
【0050】
各種データを表す表において、「f」は当該光学系の焦点距離であり、「β」は撮像倍率であり、「Fno」はF値であり、「ω」は半画角であり、「Y」は像高であり、「BF」はバックフォーカスであり、「TL」は光学全長であり、それぞれ無限遠物体合焦状態、第一の近距離物体合焦状態、第二の近距離物体合焦状態のときの値を示している。但し、表中の値は、厚さ2.5mmのカバーガラス(Nd=1.5168)を含む値であり、他の実施例に示すバックフォーカスも同様である。
【0051】
合焦時の可変間隔を示す表では、無限遠物体合焦状態、第一の近距離物体合焦状態、第二の近距離物体合焦状態のときの可変間隔を、そのときの焦点距離(f)及び撮像距離と共に示している。
各レンズ群の焦点距離を表す表では、各レンズ群に含まれるレンズ面と、各レンズ群の焦点距離とを示している。
【0052】
さらに、各条件式(1)~条件式(5)で用いた数値を表1(後掲)に示す。これらの表に関する事項は他の実施例で示す各表においても同様であるため、以下では説明を省略する。
【0053】
図2図3及び図4に当該光学系の無限遠物体合焦状態、第一の近距離物体合焦状態(撮像倍率β1)、第二の近距離物体合焦状態(撮像倍率β2)における縦収差図を示す。各縦収差図において、図面に向かって左から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差を表している。球面収差を表す図では、縦軸は開放F値との割合、横軸にデフォーカスをとり、実線がd線(波長λ=587.56nm)、破線がC線(波長λ=656.28nm)、一点鎖線がF線(波長λ=486.13nm)における球面収差を示す。非点収差を表す図では、縦軸は半画角(ω)、横軸にデフォーカスをとり、実線がd線に対するサジタル像面、点線がd線に対するメリジオナル像面を示す。歪曲収差を表す図では、縦軸は半画角(ω)、横軸に%をとり、歪曲収差を表す。これらの各図に関する事項は他の実施例で示す縦収差図においても同様であるため、以下では説明を省略する。
【0054】
(面データ)
No. R D Nd ABV
1 179.9617 4.1633 1.77250 49.62
2 -384.0735 6.8484
3 79.7721 4.2145 1.49700 81.61
4 2266.2517 0.2000
5 59.6990 6.1353 1.59282 68.62
6 -126.8915 1.0000 1.84666 23.78
7 169.6620 D7
8 -250.8703 0.8000 1.80400 46.53
9 106.3512 4.5353 1.92286 20.88
10 -86.6084 0.8000 1.83481 42.74
11 43.7378 D11
12STOP ∞ 1.0000
13 77.9391 1.0000 1.76174 26.71
14 30.2075 7.6150 1.51106 77.74
15 -89.5658 0.2000
16 38.8444 5.7779 1.62620 59.44
17 -122.0103 D17
18 ∞ 0.0000
19 116.2374 4.0000 1.69671 31.70
20 -38.1606 0.8000 1.86180 38.82
21 31.2754 D21
22 55.8335 5.4512 1.90925 35.35
23 -46.7074 0.9110
24 -69.5328 1.3000 1.51004 68.81
25 38.2703 12.9013
26 -23.6330 1.0000 1.84666 23.78
27 -47.7349 15.0000
28 ∞ 2.5000 1.51633 64.14
29 ∞ 1.0000
【0055】
(各種データ)
INF β1 β2
f 92.7002 56.4352 38.4725
β 0 -0.5 -1.0
Fno 2.110 3.200 4.200
ω 12.5792 6.5626 3.7783
Y 21.633 21.633 21.633
BF 18.500 18.500 18.500
TL 134.619 134.619 145.676
【0056】
(可変間隔)
INF β1 β2
f 92.7002 56.4352 38.4725
撮像距離 INF 334.90 263.79
D7 3.0674 18.3151 29.3727
D11 29.5683 14.3206 3.2630
D17 2.2000 10.2615 21.3192
D21 10.6298 2.5682 2.5682
【0057】
(各レンズ群の焦点距離)
群 面番号 焦点距離
G1 1-7 65.4594
G2 8-11 -49.3120
G3 12-17 36.1356
G4 18-20 -39.3439
G5 21-26 267.9377
【実施例2】
【0058】
(1)光学構成
図5は、本件発明に係る実施例2の光学系のレンズ断面図である。図5に示すように、当該光学系は、物体側から順に正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とを備えている。開口絞りSは第3レンズ群G3の物体側に配置されている。なお、各レンズ群の構成は図に示すとおりである。
【0059】
当該実施例2の光学系では「撮像倍率β1」=-0.5であり、「撮像倍率β2」=-0.8であり、撮像倍率β2は当該光学系における最大撮像倍率βmaxに相当する。当該光学系では、無限遠物体合焦状態から第一の近距離物体合焦状態までの間は、第2レンズ群G2と第4レンズ群G4を光軸方向に沿って移動させることで被写体に合焦し、その間、第1レンズ群G1、第3レンズ群G3及び第5レンズ群G5は光軸方向に固定される。また、第一の近距離物体合焦状態から第二の近距離物体合焦状態までの間は、第3レンズ群G3を光軸方向に沿って移動させることで被写体に合焦し、その間、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第4レンズ群G4及び第5レンズ群G5は光軸方向に固定される。第2レンズ群G2と第4レンズ群G4は第一フォーカス群であり、第3レンズ群G3は第二フォーカス群である。
【0060】
(2)数値実施例
次に、当該光学系の数値実施例について説明する。以下に当該光学系の面データ、各種データ、合焦時の可変間隔、各レンズ群の焦点距離、非球面データを示す。
【0061】
面データの「No.」の欄において、面番号の次の欄に表示する「ASPH」はその面が非球面であることを示している。「非球面データ」は、各非球面の非球面係数を示す。但し、非球面は、xを光軸方向の面頂点からの変位量として次式で定義されるものとする。
x=(h/r)/[1+{1-(1+k)×(h/r)1/2
+A4×h+A6×h+A8×h+A10×h10+A12×h12
上記式においてhは光軸からの高さ、rは近軸曲率半径、kは円錐係数、Anはn次の
非球面係数を表す。また、「E±XX」は指数表記を表し「×10±XX」を意味する。以下非球面に関し、同じであるため、説明を省略する。
【0062】
また、図6図7及び図8に当該光学系の無限遠物体合焦状態、第一の近距離物体合焦状態(撮像倍率β1)、第二の近距離物体合焦状態(撮像倍率β2)における縦収差図を示す。
【0063】
(面データ)
No. R D Nd ABV
1 268.6607 3.3383 1.76169 50.13
2 -288.1781 0.6336
3 79.9614 5.1240 1.49700 81.61
4 -257.8755 0.2000
5 74.5842 5.5062 1.59282 68.62
6 -132.5628 1.0000 1.84666 23.78
7 243.9703 D7
8 -133.7219 0.8000 1.76665 49.89
9 102.8476 0.5442
10 133.0884 4.4475 1.92286 20.88
11 -83.2619 0.8000 1.80817 44.37
12 49.2117 D12
13STOP ∞ 1.0000
14 32.0346 1.0000 1.81052 24.88
15 21.5241 10.3613 1.51502 76.75
16 -146.3724 0.4168
17ASPH 84.8960 3.7046 1.57154 66.04
18 -186.2521 D18
19 106.0691 6.4737 1.76700 26.49
20 -24.4352 0.8000 1.84872 33.72
21 28.9820 D21
22 51.8305 5.5661 1.86838 38.28
23 -47.7138 1.5121
24 -76.4518 1.3000 1.51214 58.15
25 53.2939 12.9816
26 -25.4575 1.0000 1.84666 23.78
27 -58.6778 15.0000
28 ∞ 2.5000 1.51633 64.14
29 ∞ 1.0000
【0064】
(各種データ)
INF β1 β2
f 92.7001 61.6892 46.4780
β 0 -0.5 -0.8
Fno 2.1549 3.2000 3.8000
ω 12.5935 5.8338 5.7301
Y 21.633 21.633 21.633
BF 18.500 18.500 18.500
TL 136.903 136.903 136.903
【0065】
(可変間隔)
INF β1 β2
f 92.7001 61.6892 46.4780
撮像距離 INF 367.88 297.08
D7 3.4132 20.3409 20.3409
D12 31.4879 14.5603 3.4745
D18 2.2000 6.4277 17.5134
D21 12.7918 8.5641 8.5641
【0066】
(各レンズ群の焦点距離)
群 面番号 焦点距離
G1 1-7 61.2857
G2 8-12 -46.1949
G3 13-18 42.3498
G4 19-21 -40.8445
G5 22-27 125.6290
【0067】
(非球面データ)
No. K A4 A6 A8 A10
17 0.00000E+00 0.00000E+00 1.51299E-09 9.60398E-12 -2.04325E-14
No. A12
17 8.36539E-17
【実施例3】
【0068】
(1)光学構成
図9は、本件発明に係る実施例3の光学系のレンズ断面図である。図9に示すように、当該光学系は、物体側から順に正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とを備えている。開口絞りSは第3レンズ群G3の物体側に配置されている。なお、各レンズ群の構成は図に示すとおりである。
【0069】
当該実施例3の光学系では「撮像倍率β1」=-1.0であり、「撮像倍率β2」=-2.0であり、撮像倍率β2は当該光学系における最大撮像倍率βmaxに相当する。当該光学系では、無限遠物体合焦状態から第一の近距離物体合焦状態までの間は、第2レンズ群G2と第4レンズ群G4を光軸方向に沿って移動させることで被写体に合焦し、その間、第1レンズ群G1、第3レンズ群G3及び第5レンズ群G5は光軸方向に固定される。また、第一の近距離物体合焦状態から第二の近距離物体合焦状態までの間は、第1レンズ群G1及び第3レンズ群G3を光軸方向に沿って移動させることで被写体に合焦し、その間、第2レンズ群G2、第4レンズ群G4及び第5レンズ群G5は光軸方向に固定される。第2レンズ群G2と第4レンズ群G4は第一フォーカス群であり、第1レンズ群G1と第3レンズ群G3は第二フォーカス群である。
【0070】
(2)数値実施例
次に、当該光学系の数値実施例について説明する。以下に当該光学系の面データ、各種データ、合焦時の可変間隔、各レンズ群の焦点距離、非球面データを示す。
【0071】
また、図10図11及び図12に当該光学系の無限遠物体合焦状態、第一の近距離物体合焦状態(撮像倍率β1)、第二の近距離物体合焦状態(撮像倍率β2)における縦収差図を示す。
【0072】
(面データ)
No. R D Nd ABV
1 98.1640 3.8639 1.92286 20.88
2 -784.3577 1.0000 1.49700 81.61
3 27.5834 17.1841
4 163.4552 6.9948 1.49700 81.61
5 -33.5015 0.9133
6 -29.4497 1.0000 1.84666 23.78
7 -57.3774 0.2000
8ASPH 49.1121 9.1606 1.59282 68.62
9ASPH -35.5559 D9
10 -85.4429 0.8000 1.55560 68.54
11 36.4897 D11
12STOP ∞ 1.0000
13 90.9642 0.8000 1.84666 23.78
14 32.0307 3.2946
15 266.9782 3.7448 1.82748 39.97
16 -54.3529 0.2000
17 28.2447 7.5604 1.43700 95.10
18 -41.2961 D18
19 463.2052 2.2000 1.84666 23.78
20 -53.0340 0.8000 1.77899 48.54
21 22.5173 D21
22 47.1906 5.6024 1.57279 42.61
23 -29.6587 2.2428
24 -29.5772 1.0000 1.56133 63.85
25 39.5661 34.3772
26 ∞ 2.5000 1.51633 64.14
27 ∞ 1.0000
【0073】
(各種データ)
INF β1 β2
f 87.8766 39.7703 25.9505
β 0 -1.0 -2.0
Fno 2.9000 5.8500 8.7000
ω 12.9523 8.4795 5.1482
Y 21.633 21.633 21.633
BF 37.877 37.877 37.877
TL 145.000 145.000 154.112
【0074】
(可変間隔)
INF β1 β2
f 87.8766 39.7703 25.9505
撮像距離 INF 208.41 181.58
D9 1.5000 8.9551 18.0666
D11 21.0666 13.6116 4.5000
D18 2.2000 11.9944 21.1060
D21 12.7945 3.0000 3.0000
【0075】
(各レンズ群の焦点距離)
群 面番号 焦点距離
G1 1-9 35.2989
G2 10-11 -45.9144
G3 12-18 33.6266
G4 19-21 -31.8769
G5 22-25 777.5670
【0076】
(非球面データ)
No. K A4 A6 A8 A10
8 0.00000E+00 -1.99576E-06 -7.78596E-10 -1.67883E-12 5.30277E-15
9 0.00000E+00 5.38841E-06 -2.33885E-09 2.70945E-12 2.47653E-15
No. A12
8 0.00000E+00
9 0.00000E+00
【実施例4】
【0077】
(1)光学構成
図13は、本件発明に係る実施例4の光学系のレンズ断面図である。図13に示すように、当該光学系は、物体側から順に正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4とを備えている。開口絞りSは第3レンズ群G3の物体側に配置されている。なお、各レンズ群の構成は図に示すとおりである。
【0078】
当該実施例4の光学系では「撮像倍率β1」=-0.75であり、「撮像倍率β2」=-1.5であり、撮像倍率β2は当該光学系における最大撮像倍率βmaxに相当する。当該光学系では、無限遠物体合焦状態から第一の近距離物体合焦状態までの間は、第2レンズ群G2と第4レンズ群G4とを光軸方向に沿って移動させることで被写体に合焦し、その間、第1レンズ群G1及び第3レンズ群G3は光軸方向に固定される。また、第一の近距離物体合焦状態から第二の近距離物体合焦状態までの間は、第1レンズ群G1及び第3レンズ群G3を光軸方向に沿って移動させることで被写体に合焦し、その間、第2レンズ群G2及び第4レンズ群G4は光軸方向に固定される。第2レンズ群G2と第4レンズ群G4は第一フォーカス群であり、第1レンズ群G1と第3レンズ群G3は第二フォーカス群である。
【0079】
(2)数値実施例
次に、当該光学系の数値実施例について説明する。以下に当該光学系の面データ、各種データ、合焦時の可変間隔、各レンズ群の焦点距離、非球面データを示す。
【0080】
また、図14図15及び図16に当該光学系の無限遠物体合焦状態、第一の近距離物体合焦状態(撮像倍率β1)、第二の近距離物体合焦状態(撮像倍率β2)における縦収差図を示す。
【0081】
(面データ)
No. R D Nd ABV
1 212.2695 5.0000 1.92286 20.88
2 -139.1666 1.0000 1.59282 68.62
3 36.1996 10.3366
4 216.2681 6.0443 1.49700 81.61
5 -37.8837 2.2524
6 -28.7055 0.8000 1.84666 23.78
7 -50.9510 0.2000
8ASPH 43.9348 12.0000 1.49700 81.61
9ASPH -31.3294 D9
10 -98.0288 0.8000 1.49700 81.61
11ASPH 43.4918 D11
12STOP ∞ 1.0000
13 128.6684 0.8000 1.84052 25.16
14 34.3070 2.7517
15 -655.0362 2.7599 1.90043 37.37
16 -60.4366 2.7808
17 39.2806 5.8311 1.49700 81.61
18 -37.3238 D18
19 -48.5273 2.2089 1.84666 23.78
20 -30.3491 0.8000 1.49700 81.61
21 30.5832 D21
22 ∞ 2.5000 1.51633 64.14
23 ∞ 1.0000
【0082】
(各種データ)
INF β1 β2
f 91.6041 50.1114 35.1898
β 0 -0.75 -1.5
Fno 2.9100 5.0000 6.5000
ω 12.7285 8.6295 5.5211
Y 21.633 21.633 21.633
BF 53.033 40.589 40.589
TL 143.520 143.520 154.229
【0083】
(可変間隔)
INF β1 β2
f 91.6041 50.1114 35.1898
撮像距離 INF 240.97 201.73
D9 4.1722 14.2867 24.9956
D11 23.4275 13.3130 2.6041
D18 5.5222 17.9655 28.6744
D21 49.5326 37.0893 37.0893
【0084】
(各レンズ群の焦点距離)
群 面番号 焦点距離
G1 1-9 43.5649
G2 10-11 -60.5025
G3 12-18 41.1919
G4 19-21 -44.7940
【0085】
(非球面データ)
No. K A4 A6 A8 A10
8 0.00000E+00 -3.39392E-06 -2.03399E-09 1.64767E-12 -3.05491E-15
9 0.00000E+00 6.07741E-06 -1.25563E-09 4.83644E-12 -1.70952E-15
11 0.00000E+00 -2.41579E-06 -5.58930E-11 5.89953E-12 -2.24425E-14
No. A12
8 0.00000E+00
9 0.00000E+00
11 0.00000E+00
【0086】
[表1]
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4
β1 -0.5 -0.5 -1.0 -0.75
β2 -1.0 -0.8 -2.0 -1.5
Pinf -44.94 -47.77 -63.00 -68.52
P1 -41.99 -45.99 -57.42 -60.65
P2 -44.13 -48.72 -59.13 -63.58
【産業上の利用可能性】
【0087】
本件発明によれば、全体を小型に維持しつつ、より大口径で撮像倍率の高い光学系及び撮像装置を提供することができる。

図1
図2
図3
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図16