IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

<>
  • -外針組立体 図1
  • -外針組立体 図2
  • -外針組立体 図3
  • -外針組立体 図4
  • -外針組立体 図5
  • -外針組立体 図6
  • -外針組立体 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-01-14
(45)【発行日】2026-01-22
(54)【発明の名称】外針組立体
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/158 20060101AFI20260115BHJP
【FI】
A61M5/158 500H
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022532505
(86)(22)【出願日】2021-06-22
(86)【国際出願番号】 JP2021023686
(87)【国際公開番号】W WO2021261500
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2024-05-22
(31)【優先権主張番号】P 2020106775
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135036
【氏名又は名称】ニプロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001966
【氏名又は名称】弁理士法人笠井中根国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【弁理士】
【氏名又は名称】笠井 美孝
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【弁理士】
【氏名又は名称】中根 美枝
(72)【発明者】
【氏名】貞廣 衝
(72)【発明者】
【氏名】中神 裕之
(72)【発明者】
【氏名】工藤 辰也
(72)【発明者】
【氏名】片岡 直也
【審査官】鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/146791(WO,A1)
【文献】実開平4-103149(JP,U)
【文献】特開昭63-197463(JP,A)
【文献】特開2001-46507(JP,A)
【文献】特開2005-349195(JP,A)
【文献】特表2010-508989(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/158
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内針が挿通される中空の外針と、該外針に接続された流路形成部材とを備え、
該流路形成部材は可撓性のチューブと流路接続部材とを有し、
該流路接続部材の内部に弁体を有し、
該弁体よりも先端側の第1内部空間における該弁体から該外針の先端までの軸方向長さが、該弁体より基端側の第2内部空間における該弁体から該流路接続部材の基端までの軸方向長さに比して長尺とされた外針組立体であって、
前記第1内部空間の空気を外部へ逃がす通気路が前記弁体の近傍において該第1内部空間に連通されていると共に、
該第1内部空間が、前記外針の血管への穿刺部分に形成される穿刺部と、該穿刺部より基端側に形成されて基端側へ向かって内径寸法が大きくなるテーパ部と、該テーパ部より基端側に形成されて該テーパ部の基端に比して内径寸法が小さい又は同じであり且つ該第1内部空間の基端の内径寸法より小さい内径寸法とされた小径部とを、備えており、
該小径部は該チューブによって形成された該第1内部空間の先端を含んでいる外針組立体。
【請求項2】
前記流路形成部材が可撓性のチューブを備えており、該チューブが前記外針に接続されている請求項1に記載の外針組立体。
【請求項3】
前記チューブの先端部分には内径寸法が大きくされた大径筒部が設けられて、前記外針の基端部分が該大径筒部に対して挿入状態で固定されている請求項に記載の外針組立体。
【請求項4】
前記チューブにおける前記大径筒部よりも基端側には、該大径筒部よりも内径寸法及び外径寸法が小さい小径筒部が設けられている請求項に記載の外針組立体。
【請求項5】
前記流路形成部材が可撓性のチューブを備えており、前記外針の先端から該チューブの基端にわたる内周面において、段差状の拡径部分が設けられていない請求項1~の何れか一項に記載の外針組立体。
【請求項6】
針に接続された流路形成部材を備え、
該流路形成部材は可撓性のチューブと流路接続部材とを有し、
該流路接続部材の内部に弁体を有し、
該弁体よりも先端側の第1内部空間における該弁体から該針の先端までの軸方向長さが、該弁体より基端側の第2内部空間における該弁体から該流路接続部材の基端までの軸方向長さに比して長尺とされた針組立体であって、
前記第1内部空間の空気を外部へ逃がす通気路が前記弁体の近傍において該第1内部空間に連通されていると共に、
該第1内部空間が、前記針の血管への穿刺部分に形成される穿刺部と、該穿刺部より基端側に形成されて基端側へ向かって内径寸法が大きくなるテーパ部と、該テーパ部より基端側に形成されて該テーパ部の基端に比して内径寸法が小さい又は同じであり且つ該第1内部空間の基端の内径寸法より小さい内径寸法とされた小径部とを、備えており、
該小径部は該チューブによって形成された該第1内部空間の先端を含んでいる針組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外針の基端側に流路形成部材が接続された外針組立体に関し、特に流路形成部材の内腔から外部へ空気を排出可能とする通気路と、流路形成部材の内腔を連通/遮断する弁体とを備えた外針組立体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、透析や輸液などに用いられる外針組立体が知られている。外針組立体は、例えば、特開2015-080707号公報(特許文献1)に開示された留置針のように、中空の外針と、外針の基端側に連通状態で接続された外針基等の流路形成部材とを有している。外針組立体は、外針が内針とともに患者の血管等へ穿刺された後、内針が抜去されることにより血管等へ留置される。そして、血管等へ留置された外針組立体に透析回路や輸液ライン等の外部流路が接続されることにより、透析や輸液が行われる。
【0003】
また、特許文献1の留置針は、外針基に弁体としてのゴム栓部が収容されており、ゴム栓部に設けられたスリット弁の開閉によって、外針基の内腔の連通と遮断が切り換えられるようになっている。即ち、内針が抜去されて留置針が血管へ留置された状態では、ゴム栓部のスリット弁が閉じて外針基の内腔が遮断されることから、血液の漏出が制限される。一方、外針基に対する外部流路の接続によってゴム栓部のスリット弁が開くことにより、外部流路が留置針の内腔を介して血管に連通される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-080707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、血管へ留置された外針組立体は、外部流路を接続する前に、内腔を血液等の液体によって満たして空気を排出し、血管へ空気が入るのを防ぐ必要がある。そこで、特許文献1では、血液が留置針(外針組立体)の内腔へ流入する際に、外針基とゴム栓部の間に形成された通気路としての隙間を通じて空気が外部へ排出されるようになっている。
【0006】
しかしながら、本発明者が実験によって確認したところ、針先端が斜め上方を向くように外針組立体を傾けて穿刺を行うと、空気が十分に排出されずに外針組立体の内腔に残留してしまう場合があることが新たに明らかになった。
【0007】
本発明の解決課題は、空気の残留を防ぐことができる、新規な構造の外針組立体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、外針組立体の内腔に対する空気の残留を防ぐために、先ず、通気路の形状や大きさ、数、配置等を変更することを試みたが、十分な効果を得ることはできなかった。
【0009】
次に、本発明者は、外針組立体内の液体(血液相当)の流動態様を実験によって詳細に観察した。その結果、図7(a)に示す内針の穿刺状態から図7(b)に示す状態まで内針を外針から引き抜くと、外針の針先から流入した液体が外針組立体内において先端側と基端側に分かれるように位置して、基端側への空気の排出が液体によって阻害され、空気が先端側の液体と基端側の液体との間に残留することが確認された。
【0010】
本発明者は、外針組立体の内腔へ導入された液体が残留空気に対して先端側と基端側に分離して、空気が液体の中間に残留する理由を検討する中で、外針組立体の内周面において段差状の拡径部分が存在することに着目した。本発明者は、このような段差状の拡径部分が外針組立体の内腔に設けられていると、液体が流れる外針組立体の内腔の断面積が途中で急激に拡大することから、拡径部分において液体で満たされない領域が生ずるものと推定した。そして、液体で満たされない領域の空気が残留したまま液体が外針組立体の基端まで達して、通気路が液体によって塞がれることにより、通気路を通じた空気の排出が阻害されて、空気が外針組立体の中間部分に残留し、残留空気の両側に液体が存在する状態となっているものと考えた。また、本発明者の検討によれば、液体が外針組立体の内腔における段差状の拡径部分を流れる際に、流路断面積の急激な変化に伴う乱流が生じ易く、それによって液体中への空気の巻き込みが生じて空気の排出が不十分になることも、空気が残留する一因であると推定した。そして、本発明者は、かくの如き知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0011】
以下、本発明を把握するための好ましい態様について記載するが、以下に記載の各態様は、例示的に記載したものであって、適宜に互いに組み合わせて採用され得るだけでなく、各態様に記載の複数の構成要素についても、可能な限り独立して認識及び採用することができ、適宜に別の態様に記載の何れかの構成要素と組み合わせて採用することもできる。それによって、本発明では、以下に記載の態様に限定されることなく、種々の別態様が実現され得る。
【0012】
第1の態様は、内針が挿通される中空の外針と、該外針に接続された流路形成部材とを備え、該流路形成部材は可撓性のチューブと流路接続部材とを有し、該流路接続部材の内部に弁体を有し、該弁体よりも先端側の第1内部空間における該弁体から該外針の先端までの軸方向長さ該弁体より基端側の第2内部空間における該弁体から該流路接続部材の基端までの軸方向長さに比して長尺とされた外針組立体であって、前記第1内部空間の空気を外部へ逃がす通気路が前記弁体の近傍において該第1内部空間に連通されていると共に、該第1内部空間が、前記外針の血管への穿刺部分に形成される穿刺部と、該穿刺部より基端側に形成されて基端側へ向かって内径寸法が大きくなるテーパ部と、該テーパ部より基端側に形成されて該テーパ部の基端に比して内径寸法が小さい又は同じであり且つ該第1内部空間の基端の内径寸法より小さい内径寸法とされた小径部とを、備えており、該小径部は該チューブによって形成された該第1内部空間の先端を含んでいるものである。
【0013】
本態様に従う構造とされた外針組立体によれば、小径部における内部空間の断面積がテーパ部の基端における内部空間の断面積と同じか小さいことから、穿刺部及びテーパ部を介して小径部に血液が流入する際に、血液が空気を回り込むようにして部分的な先行を生じにくく、血液が小径部の断面全体を流れ易くなる。その結果、部分的に先行した血液が空気を残したまま小径部を通過して、空気が抜けないうちに血液が通気路を塞いでしまうといった事態が生じにくく、小径部内の空気が残留することなく血液によって通気路まで押し出されて外部へ排出される。それゆえ、針先を斜め上方に向けて穿刺が行われても、弁体より先端側の第1内部空間において空気が残留しにくい。
【0014】
なお、空気の残留現象は、通気路と外針との間が大きく離間している場合に生じやすいことから、空気の残留を防止し得る本態様の構成は、弁体を保持する部材と外針を保持する部材の間に筒状部材を有するなどして通気路と外針が大きく離れて配された外針組立体に対して、好適に適用される。また、本態様の構成は、小径部の長さが、テーパ部の先端から小径部の先端までの距離よりも長くされた外針組立体に対して、特に好適に適用される。また、小径部より基端側には、小径部に比して内径の大きい大径部が形成されていて、大径部は弁体と隣接してもよい。
【0020】
の態様は、第1の態様に記載された外針組立体において、前記流路形成部材が可撓性のチューブを備えており、該チューブが前記外針に接続されているものである。
【0021】
本態様に従う構造とされた外針組立体によれば、血管等に穿刺されて留置された外針組立体において、例えばチューブが必要に応じて曲げられることにより、外針組立体を透析回路や輸液ライン等の外部流路に容易に接続することができる。
【0022】
の態様は、第の態様に記載された外針組立体において、前記チューブの先端部分には内径寸法が大きくされた大径筒部が設けられて、前記外針の基端部分が該大径筒部に対して挿入状態で固定されているものである。
【0023】
本態様に従う構造とされた外針組立体によれば、外針の基端部分をチューブの大径筒部に挿入して固定することにより、外針とチューブの接続部分におけるチューブの内径寸法を、外針の内径寸法以下とし易くなる。
【0024】
の態様は、第の態様に記載された外針組立体において、前記チューブにおける前記大径筒部よりも基端側には、該大径筒部よりも内径寸法及び外径寸法が小さい小径筒部が設けられているものである。
【0025】
本態様に従う構造とされた外針組立体によれば、外針と流路形成部材の接続部分における内径の急激な拡大を防ぎつつ、流路形成部材が外針との接続部分よりも基端側において必要以上に厚肉となるのを防ぐことができる。
【0026】
の態様は、第1~第の何れか1つの態様に記載された外針組立体であって、前記流路形成部材が可撓性のチューブを備えており、前記外針の先端から該チューブの基端にわたる内周面において、段差状の拡径部分が設けられていないものである。
【0027】
本態様に従う構造とされた外針組立体によれば、外針の先端からチューブの基端にわたって内径寸法が急激に大きくなることが回避されている。それ故、外針組立体の内部空間における急激な体積変化が抑制されて、かかる急激な体積変化部分における空気の巻き込みや滞留が抑制され得る。なお、段差状の拡径部分とは、流路断面積が急激に変化する部分であって、例えば軸直角方向に広がる段差面などが含まれる。
【0028】
の態様は、針に接続された流路形成部材を備え、該流路形成部材は可撓性のチューブと流路接続部材とを有し、該流路接続部材の内部に弁体を有し、該弁体よりも先端側の第1内部空間における該弁体から該針の先端までの軸方向長さが、該弁体より基端側の第2内部空間における該弁体から該流路接続部材の基端までの軸方向長さに比して長尺とされた針組立体であって、前記第1内部空間の空気を外部へ逃がす通気路が前記弁体の近傍において該第1内部空間に連通されていると共に、該第1内部空間が、前記針の血管への穿刺部分に形成される穿刺部と、該穿刺部より基端側に形成されて基端側へ向かって内径寸法が大きくなるテーパ部と、該テーパ部より基端側に形成されて該テーパ部の基端に比して内径寸法が小さい又は同じであり且つ該第1内部空間の基端の内径寸法より小さい内径寸法とされた小径部とを、備えており、該小径部は該チューブによって形成された該第1内部空間の先端を含んでいるものである。
【0029】
前記第1の態様では、外針と内針が組み合わされており、外針を有する外針組立体の内腔において空気の残留防止の効果が発揮されていたが、本態様のように単一の針を有する針組立体においても同様の効果が発揮されて、針を有する針組立体の内腔において空気の残留防止の効果が発揮される。なお、本態様は、後述する実施形態において外針(48)を本態様の針とすることによって実施可能と把握され得る。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、外針組立体の内腔において空気の残留を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の第1の実施形態としての留置針組立体を示す断面図
図2図1に示す留置針組立体の一部を拡大して示す断面図
図3図2に示す留置針組立体を構成する外針組立体を示す断面図
図4図3に示す外針組立体に外部流路が接続された状態を示す断面図
図5】本発明の第2の実施形態としての外針組立体を示す断面図
図6】本発明の第3の実施形態としての外針組立体を示す断面図
図7】従来構造の外針組立体について、外針組立体内の液体の流動態様を観察する実験を行った際の写真であって、(a)が外針から内針が引き抜かれる前の状態を、(b)が外針から内針が引き抜かれた状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0033】
図1図2には、本発明の第1の実施形態としての外針組立体10を備える留置針組立体12が示されている。留置針組立体12は、内針組立体14と外針組立体10が組み合わされた構造を有している。以下の説明において、原則として、軸方向とは図1中の左右方向を言い、図1中の左端を先端、図1中の右端を基端とする。
【0034】
内針組立体14は、内針16を備えている。内針16は、中空の金属針であって、先端面が傾斜した刃面18を有することで鋭角の針先20が形成されている。なお、図1において、内針16の刃面18は、図中の上側に設けられている。
【0035】
内針16の基端側には、内針ハブ22が設けられている。内針ハブ22は、内針16の基端部分が挿入状態で固着される台座部24を有しており、台座部24の先端側にプロテクタ収容部26が設けられていると共に、台座部24の基端側に連結部28が設けられている。
【0036】
プロテクタ収容部26は、筒状とされている。プロテクタ収容部26の先端側には、プロテクタ収容部26よりも大径の略筒状とされた規制筒部30が設けられている。プロテクタ収容部26の外周面は、突起、凹所、シボなどの滑止めが設けられていても良い。
【0037】
連結部28は、筒状とされており、内針キャップ32が取外し可能に差し入れられて装着されている。内針キャップ32は、軸方向の中間部分に段差が設けられた略段付き円筒形状とされている。内針キャップ32の先端部分には、気体の通過を許容し液体の通過を阻止する性質の膜状フィルタ33が設けられており、内針16を通じての逆血が外部に漏れ出さないようになっている。なお、内針ハブ22や内針キャップ32を透明乃至は半透明とすれば、逆血(フラッシュバック)によって血管への穿刺を容易に確認することができる。
【0038】
プロテクタ収容部26の内周側には、プロテクタハウジング34が配されている。プロテクタハウジング34は、筒状の収容筒部36と、収容筒部36の先端側の開口を閉塞する蓋体38とを備えている。また、蓋体38は、先端側の板状部と基端側の板状部が軸方向で離れて設けられており、それら板状部の間に針先プロテクタ40が配されている。
【0039】
針先プロテクタ40は、プロテクタハウジング34に収容された遮蔽部材42と固定部材44によって構成されている。遮蔽部材42と固定部材44は、軸直角方向で内針16を挟んで相互に離れて配置されている。遮蔽部材42と固定部材44は、一方が磁石とされていると共に、他方が磁石又は強磁性体とされており、それら遮蔽部材42と固定部材44の間に相互に引き合う磁気的な引力が作用している。本実施形態では、遮蔽部材42が鉄などの強磁性材料によって形成されていると共に、固定部材44が永久磁石とされている。固定部材44は、収容筒部36の先端部に固定されている。遮蔽部材42は、固定部材44に対して接近方向へ変位可能とされており、遮蔽部材42と固定部材44の間に内針16が挿通された状態において、遮蔽部材42の固定部材44側への移動が内針16によって阻止されている。そして、内針16が遮蔽部材42よりも基端側まで引き抜かれることによって、磁気的な引力による遮蔽部材42の固定部材44側への移動が許容されて、遮蔽部材42が内針16の針先20を覆う位置まで移動し、内針16の先端側への移動が遮蔽部材42によって阻止される。
【0040】
内針16は、外針組立体10に対して抜去可能な態様で挿通されている。外針組立体10は、軸方向に貫通する内部空間としての内腔46を備えた筒状体とされており、外針48と、外針48の基端側に連通状態で接続された流路形成部材としての外針ハブ50とを、有している。
【0041】
外針48は、合成樹脂などで形成された中空の小径チューブ状とされている。外針48の外周面は、先端が次第に小径となる先細形状を有している。外針48の基端部分51は、図3に示すように、基端へ向けて拡径して大径となるテーパ形状の第1部分52と、第1部分52よりも基端側に位置して略一定の内外径寸法で延びる第2部分54とを有している。即ち、本実施形態の外針48は、テーパ形状の第1部分52を一体的に備えるテーパ一体型の異形チューブとされている。外針48の基端部分51は、テーパ形状の第1部分52を有することによって、外針48の先端部分55よりも大径とされている。本実施形態における外針48の基端部分51は、第1部分52において基端へ向けて次第に厚肉となっており、外針48の先端部分55よりも厚肉とされている。外針48の内腔は、血管に穿刺される先端部分55において略一定の径寸法で延びる穿刺部56とされていると共に、穿刺部56より基端側となる基端部分51の第1部分52において基端側へ向かって内径寸法が大きくなるテーパ部57とされている。外針48の内周面は、軸方向及び周方向において段差等の角部が形成されることなく滑らかに連続する湾曲面によって構成されている。テーパ形状の第1部分52(テーパ部57)は、全体として基端へ向けて拡径していればよく、一定のテーパ角度であってもよいし、軸方向でテーパ角度が変化していてもよい。
【0042】
なお、外針48に挿通される内針16の太さ等にもよるが、軸方向に略ストレートに延びる第2部分54の軸方向長さX(図3参照)に対して、テーパ形状とされた第1部分52の軸方向長さY(図3参照)が比較的長くされており、例えば1.5X≦Yとされて、本実施形態では、2X<Yとされている。また、第1部分52のテーパ角度αは限定されるものではないが、テーパ形状の第1部分52の長さ寸法Yが比較的長くされていることから、第1部分52のテーパ角度αは比較的緩やかに設定されている。なお、第1部分52のテーパ角度αは、第1部分52の両側に位置する先端部分55の基端と第2部分54の先端を結ぶ直線の軸方向に対する傾斜角度である。このように、第1部分52のテーパ角度αが比較的緩やかに設定されることにより、外針48の内部空間における急激な体積変化が抑制されている。ここで、第1部分52の軸方向長さYは、それぞれ略一定の内外径寸法で延びる外針48の先端部分55と第2部分54との間の軸方向長さである。
【0043】
外針ハブ50は、全体として筒状とされており、針接合部材58と流路接続部材59がチューブ60によって連結された構造を有している。
【0044】
針接合部材58は、硬質の合成樹脂によって形成されている。針接合部材58は、先端に向かって小径となるテーパ筒状とされている。針接合部材58の内周には、外針48の基端部分51が挿入されている。
【0045】
流路接続部材59は、後述する外部流路104に接続される接続部を基端に有する筒状の構造を有しており、本実施形態においては、筒状の弁ハウジング62に対して、弁体64と、押し子66とが収容された構造を有している。
【0046】
弁ハウジング62は、筒状とされたカバー部材68の基端部分に、筒状とされた押し子ガイド70の先端部分が挿し入れられて、それらカバー部材68と押し子ガイド70が軸方向において連結されることによって構成されている。
【0047】
カバー部材68には、チューブ連結部材72が挿入状態で取り付けられている。チューブ連結部材72は、カバー部材68の先端部分の内周面に重ね合わされて固定されている。チューブ連結部材72の基端部は、カバー部材68に対して内周へ離れた位置に対向配置されている。かかるチューブ連結部材72の基端部には、内周側に突出する環状のチューブ固定部73が設けられている。チューブ固定部73の先端側端面は環状の平坦面とされて、チューブ60の基端面が当接していると共に、チューブ固定部73の内周面は基端側に向かって次第に拡径するテーパ面73aとされている。そして、テーパ面73aの基端において、内径寸法が最も大きくされた部分からは、一定の内径寸法をもって基端側に突出する略筒状の基端筒部73bが設けられている。
【0048】
すなわち、チューブ固定部73のテーパ面73aにおける最小内径寸法C1(図3参照)は、後述するチューブ60の内径寸法r1より大きくされており、チューブ60の基端における内周端部が、チューブ固定部73の内周端部よりも内周側に突出している。また、テーパ面73aにおける最小内径寸法C1は、チューブ60の外径寸法より小さくされている。更に、チューブ固定部73の基端筒部73bにおける内径寸法C2(図3参照)は、テーパ面73aにおける最小内径寸法C1より大きくされている。要するに、チューブ60の基端側の開口部分では、テーパ面73aを有するチューブ固定部73が設けられることにより、後述する第1内部空間78の内径寸法が通気路80に向かって段階的に又は次第に大きくされている。この基端筒部73bを含めたチューブ固定部73の軸方向寸法D(図3参照)は比較的小さく設定されている。
【0049】
押し子ガイド70は、基端部分が略一定の断面形状で軸方向に延びており、基端には外周へ向けて突出する雄ねじ部74が一体形成されている(図1参照)。
【0050】
弁体64は、図3に示すように、全体として略円板形状とされており、樹脂エラストマやゴムなどの弾性体によって形成されている。弁体64は、円板形状の中央部分に放射状の切込み76が形成されており、中央部分の弾性変形によって切込み76が開閉されるようになっている。弁体64の外周部分は、押し子ガイド70の先端と、カバー部材68の内周に配された筒状の弁支持部材77との間で軸方向に挟持されている。これにより、弁体64が弁ハウジング62によって支持されて、弁ハウジング62の内腔が弁体64によって遮断されている。弁ハウジング62の内腔が弁体64によって遮断されることにより、外針組立体10の内腔46が弁体64よりも先端側と基端側に分けられており、内腔46における弁体64よりも先端側が第1内部空間78とされていると共に、内腔46における弁体64よりも基端側が第2内部空間79とされている。第1内部空間78は、第2内部空間79よりも軸方向において長尺とされている。
【0051】
また、弁体64が弁ハウジング62に収容された状態では、チューブ60を基端側から支持するチューブ固定部73の軸方向長さDが比較的小さくされていることもあって、チューブ60の基端面と弁体64の先端面が軸方向で比較的近接して対向している。特に、チューブ固定部73には基端側に突出する基端筒部73bが設けられており、基端筒部73bと弁体64の先端面との軸方向の対向距離は、チューブ60の基端面と弁体64の先端面との対向距離よりも小さくされている。そして、かかる基端筒部73bと弁体64の先端面との対向間隙間を通じて、後述するように外針組立体10の第1内部空間78が通気路80に連通されている。チューブ60の基端と弁体64は比較的近接しており、弁体64によって気体が周方向外方に誘導されやすく、気泡が残留しにくくされている。
【0052】
弁支持部材77は、カバー部材68に対して内周へ僅かに離れた位置に配されており、弁支持部材77とカバー部材68の径方向間には隙間が設けられている。そして、外針組立体10の内腔46を外部空間へ連通する通気路80が、弁支持部材77とカバー部材68の隙間を含んで構成されている。通気路80は、一方の端部がチューブ連結部材72と弁支持部材77の間を通じて外針組立体10の第1内部空間78に連通されていると共に、他方の端部がカバー部材68と押し子ガイド70の間を通じて外部空間に連通されている。これにより、外針組立体10の内腔46における弁体64よりも先端側(第1内部空間78)が、通気路80を通じて外部空間に連通されている。また、通気路80は、断面積が小さくされて、気体の流動を許容し、液体の流動を制限することが望ましい。また、本実施形態の通気路80は、中間部分において断面積が大きくされており、仮に血液が通気路80へ入った場合に、血液が中間部分に貯留されて、血液が通気路80から外部空間へ漏出し難くなっている。なお、通気路の構成は本実施形態の態様に限るものではなく、例えば弁体外面側に設けられ、気体が弁体外面側を通じて基端側に移動し外部空間に排出されるようでもよい。
【0053】
したがって、本実施形態では、通気路80が弁体64よりも外周側に設けられており、通気路80における第1内部空間78側の開口が、チューブ60やチューブ固定部73よりも外周側に設けられている。そして、チューブ60の基端部分では、チューブ固定部73によって段階的に内径寸法が大きくされていることから、換言すれば、チューブ60の基端部分では、チューブ60の基端側開口から通気路80に向かって内径寸法が大きくされている。
【0054】
通気路80には、通気フィルタ82が配されている。通気フィルタ82は、気体の通過を許容し、且つ血液等の液体の通過を制限するフィルタであって、円筒状乃至は円環状とされている。通気フィルタ82は、チューブ連結部材72及び弁支持部材77とカバー部材68との径方向間に配されており、径方向において圧縮された状態で保持されている。通気フィルタ82が通気路80上に配されていることにより、外針組立体10の内腔46が血液で満たされた状態において、通気路80への血液の浸入が通気フィルタ82によって抑制されて、通気路80を通じた血液の外部への漏出が防止される。
【0055】
押し子66は、筒状とされており、押し子ガイド70の内周に挿入されている。押し子66は、基端部分が略一定の外径寸法とされていると共に、先端部分の外周面が先端側に向かって小径となるテーパ形状とされている。
【0056】
針接合部材58と流路接続部材59をつなぐチューブ60は、樹脂エラストマやゴムなどで形成された可撓性を有する軟質チューブであって、湾曲変形可能とされていると共に、断面形状の変化も許容されている。チューブ60が設けられることにより、例えば、針接合部材58を皮膚に固定した状態で外部流路104を外針ハブ50に接続し易くなる。チューブ60は、先端部分が針接合部材58に固着されていると共に、基端部分が流路接続部材59に取り付けられたチューブ連結部材72の内周へ差し入れられて固着されている。これにより、針接合部材58と流路接続部材59がチューブ60で接続されており、流路接続部材59の内腔がチューブ60の内腔に連通されている。チューブ60における先端部分と基端部分の間に位置する中間部分は、針接合部材58と流路接続部材59の何れからも外れて、曲げや潰れなどの変形が許容されている。
【0057】
チューブ60の先端部分には、外針48の基端部分51が内挿されて接続されている。本実施形態では、チューブ60の先端部分が外針48の基端部分51と針接合部材58の径方向間に挟み込まれて固着されており、針接合部材58及びチューブ60を含む外針ハブ50が、外針48に対して基端側に接続されている。なお、針接合部材58と外針48の基端部分51とチューブ60の先端部分との固着方法は限定されるものではないが、例えばチューブ60の大径筒部84に外針48の基端部分51が圧入状態で挿入されて、必要に応じて接着される。また、針接合部材58内面の突起を利用して、チューブ60の針接合部材58への挿入端の位置決めや、大径筒部84の挟圧保持をしてもよい。そして、外針48の内腔と外針ハブ50の内腔が相互に連通されており、外針組立体10の内腔46が、外針48の内腔と外針ハブ50の内腔とを含んで構成されている。
【0058】
チューブ60は、外針48に固着される先端部分が、外針48から基端側に外れて位置する部分よりも内径寸法を大きくされた大径筒部84とされている。チューブ60は、外径寸法が軸方向で略一定とされていることから、大径筒部84において薄肉とされている。チューブ60は、大径筒部84の内周面と、大径筒部84を基端側へ外れた部分の内周面とをつなぐ環状の段差面86を備えている。段差面86は、チューブ60の内周部分に設けられて、軸直角方向に広がっている。そして、チューブ60は、段差面86よりも基端側において、略一定の内径寸法r1(後述)を有している。
【0059】
外針48は、基端部分51を構成する第2部分54が大径筒部84の内周へ差し入れられて、チューブ60に対して挿入状態で固着されている。換言すれば、チューブ60の先端部分である大径筒部84は、外針48の第2部分54と針接合部材58とによって径方向に挟み込まれた状態で保持されている。外針48の第2部分54の外周面は、チューブ60の大径筒部84の内周面に当接状態で重ね合わされている。外針48の基端面が、チューブ60の段差面86に対して軸方向で突き当てられることにより、外針48とチューブ60が軸方向で相互に位置決めされている。即ち、本実施形態では、外針48とチューブ60とが直接的に当接している。なお、外針48の内周には、外針48を大径筒部84に押し付けて固定する外針固定部材などが設けられておらず、外針48の内周において当該外針固定部材を配することによる段差の形成が回避されることから、段差による血液への空気の巻き込み等が防止される。また、本実施形態において、外針48におけるテーパ部57のテーパ角度αを比較的緩やかに設定することで、外針48の内部空間における急激な体積変化に伴う空気の巻き込みや滞留等を防止することも可能である。特に、テーパ角度αを30度以上や45度以上にすると略段差状になってしまって空気の巻き込みや滞留等が懸念される。
【0060】
外針48とチューブ60の接続部分88において、チューブ60の内径寸法r1は、外針48の内径寸法r2以下とされている(r1≦r2)。換言すれば、チューブ60における大径筒部84の基端の内径寸法r3から外針48とチューブ60の接続部分88におけるチューブ60の内径寸法r1を減じた差を2で除した大きさである段差面86の径方向幅寸法t1(t1=(r3-r1)/2)が、外針48の基端の厚さ寸法t2以上とされている(t1≧t2)。本実施形態では、外針48とチューブ60の接続部分88において、チューブ60の内径寸法r1が、外針48の基端の内径寸法r2に対して、実質的に同じとみなし得る範囲で小さくされている。なお、好適には、チューブ60の内径寸法r1が2.6mm以下とされて、より好適には、チューブ60の内径寸法r1は2.5mm以下とされる。また、好適には、外針48の内径寸法r2が2.5mm≦r2≦3.3mmとされる。より好適には、外針48の内径寸法r2は、例えば2.9mmとされて、チューブ60の内径寸法r1よりも大きくされる。また、チューブ60の内径寸法は、外針48とチューブ60の接続部分88からチューブ60の基端まで略一定とされており、外針ハブ50の内径寸法は、外針48とチューブ60の接続部分88からチューブ60の基端にわたって、外針48の基端の内径寸法r2以下とされている。
【0061】
また、前述のように、外針48における先端部分55(穿刺部56)の内径寸法A(図3参照)は、外針48におけるテーパ部57の内径寸法以下であり、チューブ60の内径寸法r1及び外針48の基端の内径寸法r2より小さくされている(A<r1≦r2)。このようにすることで、流量と気泡の残留のしにくさを両立させることができる。
【0062】
なお、外針48における穿刺部56の内径寸法Aは、外針48に挿通される内針16の太さ等にもよるが、例えば(チューブ60の内径寸法r1)<(1.5×A)とされることが好ましい。これにより、外針48における内部空間の断面積変化を小さくすることができて、気泡を巻き込みにくくすることができる。また、(6×A)<(テーパ部57の軸方向長さY)とされることが好ましい。これにより、テーパ部57の軸方向長さYを十分に大きく確保することができることから、テーパ部57を緩やかに拡径する形状とできて、気泡の残留を抑制することができる。更に、チューブ60の内径寸法r1は、例えば(基端筒部73bの内径寸法C2)<(2×r1)とされることが好ましい。また、チューブ60の内径寸法r1は、例えば(弁体64とチューブ60との間の軸方向長さE)<(2×r1)とされることが好ましい。これにより、弁体64とチューブ60とを相互に接近させて配置することができる。本実施形態においては、(弁体64とチューブ60との間の軸方向長さE)は、チューブ60の内径寸法r1より小さくされている。更にまた、チューブ60の内径寸法r1は、例えば(チューブ固定部73の軸方向長さD)<r1とされることが好ましい。これによっても、弁体64とチューブ60とを比較的接近させた状態で配置することが可能である。なお、第1内部空間78では、弁体64の前面に通気路80が開口している。また、チューブ60の内径寸法r1と外針48の基端の内径寸法r2は、実質的に同じとみなし得ることから、外針48の基端の内径寸法r2についても上記と同様の関係性があるとみなされる。即ち、外針48の基端の内径寸法r2は、(外針48の基端の内径寸法r2)<(1.5×A)とされることが好ましい。また、外針48の基端の内径寸法r2は、例えば(基端筒部73bの内径寸法C2)<(2×r2)とされることが好ましい。更にまた、外針48の基端の内径寸法r2は、例えば(弁体64とチューブ60との間の軸方向長さE)<(2×r2)とされることが好ましい。更に、外針48の基端の内径寸法r2は、例えば(チューブ固定部73の軸方向長さD)<r2とされることが好ましい。
【0063】
外針48とチューブ60の接続部分88とは、外針組立体10の内部流路の内面において外針48とチューブ60の境界となる部分である。本実施形態における外針48とチューブ60の接続部分88は、軸方向において外針48の基端面とチューブ60の段差面86が位置する部分に設けられている。外針48とチューブ60の接続部分88は、チューブ60において、大径筒部84に対して基端側に隣接する部分を含んでもよい。尤も、本発明において着目されるのは、外針組立体10の内部流路(内腔46)であって、内部流路の内面であるから、例えば外針48のテーパ形状や外針48とチューブ60との接続部分88も内部流路の流路内面(内周面)を対象として把握されるべきである。
【0064】
チューブ60の内腔における大径筒部84よりも基端側は、外針48のテーパ部57の基端よりも基端側に設けられて、テーパ部57の基端よりも小径とされた小径部89となっている。小径部89は、外針48とチューブ60の接続部分88からチューブ60の基端まで軸方向に連続している。小径部89は、略一定の径寸法で延びており、チューブ60の内周面が小径部89を構成する部分において円筒形状とされている。小径部89は、外針48のテーパ部57よりも軸方向の長さ寸法が長くされている。そして、外針組立体10の内腔46における弁体64よりも先端側の第1内部空間78は、外針48の内腔を構成する穿刺部56及びテーパ部57と、チューブ60の内腔を構成する小径部89とを含んでいる。
【0065】
外針48の内腔と外針ハブ50の内腔とを含んで構成される外針組立体10の内腔46には、内針16が基端側から挿通される。内針16は、図1図2に示すように、外針組立体10の内腔46に配された弁体64の切込み76を押し広げて、切込み76を貫通している。
【0066】
内針16を備えた内針組立体14と、外針48を備えた外針組立体10は、コネクタキャップ90によって連結されている。コネクタキャップ90は、軸直角方向に広がる底壁部92を備えている。底壁部92は、円環板状とされており、内周端部には先端側へ突出する管状突起94が一体形成されている。底壁部92の外周端部には、先端側へ延び出す周状壁部96と、基端側へ延び出す一対の弾性片98,98とが一体形成されている。
【0067】
筒状とされた周状壁部96の内周面には、雌ねじ100が設けられている。そして、周状壁部96の内周へ外針ハブ50を構成する押し子ガイド70の基端部分が差し入れられて、押し子ガイド70の雄ねじ部74と周状壁部96の雌ねじ100が螺合することにより、コネクタキャップ90が外針ハブ50の基端部分に取り付けられる。
【0068】
内針組立体14と外針組立体10の組付け状態において、コネクタキャップ90には、内針ハブ22の規制筒部30が外挿されている。これにより、弾性片98,98の外周側への変形が規制筒部30によって規制されて、一対の係止突起102,102によるコネクタキャップ90とプロテクタハウジング34との連結が安定して維持される。
【0069】
このような構造とされた留置針組立体12は、内針16が図示しない患者の腕などの血管に穿刺される。血管への穿刺を行う医療従事者(使用者)は、内針ハブ22を手指で持って、内針16を患者の腕などに穿刺する。内針16及び外針48が患者の血管に穿刺された後、外針48から内針16が抜去されることにより、外針48が患者の血管に挿入された状態で外針組立体10が留置される。
【0070】
外針組立体10の内腔46は、内針16及び外針48の穿刺前には、空気によって満たされている。そして、外針48から内針16を抜去する際に、外針48の先端開口から外針組立体10の内腔46へ血液が流入する。ここにおいて、外針組立体10の内腔46の壁内面における外針48とチューブ60の接続部分88では、チューブ60の内径寸法r1が、外針48の基端の内径寸法r2に対して、同じか或いは小さくされている。従って、外針組立体10の内腔46の壁内面には、外針48とチューブ60の接続部分88において、段差状の拡径部分が設けられていない。それゆえ、外針48とチューブ60の接続部分88の付近において、血液によって満たされない空気の残留領域が形成され難く、外針組立体10の内腔46を血液によって満たすことができる。なお、チューブ60の内径寸法r1が、外針48の基端の内径寸法r2に対して小さい方が気泡が残留しにくく好ましい。
【0071】
外針が血管に穿刺された状態において、外針組立体の先端が基端よりも上側に位置する傾斜状態となった場合には、外針組立体の内腔における外針とチューブの接続部分において、基端側を大径とされた拡径部分が段差状に設けられていると、当該拡径部分に血液が流れ込み難く、空気が残留しやすい。本実施形態に係る外針組立体10によれば、外針48とチューブ60の接続部分88において外針組立体10の内腔46に段差状の拡径部分がなく、空気が血液によって効率的に基端側へ押し出されることから、空気が内腔46に残留することなく通気路80から外部へ排出される。なお、例えば、透析回路に接続される脱血側の留置針と返血側の留置針のように複数の外針組立体を留置する場合に、少なくとも1つの外針組立体は先端が上側に位置する向きとされ得る。
【0072】
また、外針48とチューブ60の接続部分88において、外針組立体10の内腔46の壁内面に段差状の拡径部分が形成されないことにより、断面積の急激な拡大による乱流の発生が低減される。それゆえ、乱流による空気の巻き込みが低減されて、外針組立体10の内腔46において空気の残留が抑制される。特に、本実施形態では、外針48の先端からチューブ60の基端にわたって、外針組立体10の内周面において段差状の拡径部分や急激にテーパ角度が大きくなる部分が設けられておらず、内腔46における急激な体積変化が抑制されることから、空気の巻き込みや滞留等が一層防止され得る。なお、本実施形態の外針組立体10の内腔46には、外針の肉厚を超える段差状の拡径部分が設けられないことが好ましい。
【0073】
外針48の基端部分51は、内周面が緩やかなテーパ形状とされた第1部分52を備えており、基端部分51の内径寸法が基端へ向けて大きくなっている。これにより、外針48とチューブ60の接続部分88に位置する外針48の基端において、外針48の先端よりも血液の流速が小さくなることから、空気が血液によって基端側へより確実に押し出され、また、乱流が防止され易くなって、空気の内腔46への残留がより効果的に防止される。
【0074】
外針48とチューブ60の接続部分88は、外針48の基端部分51がテーパ状に拡径されて流速が急に低下する箇所であることに加え、段差状の拡径部分が生じやすい箇所であるために、流路内における血液の空気による分断が発生しやすいことに加えて、通気路80に対して先端側へ離れて位置している。それゆえ、外針48とチューブ60の接続部分88において拡径による空気の残存や巻き込みが発生すると、残留した空気が通気路80まで達し難く、外針組立体10の内腔46に残り易い。そこで、外針48とチューブ60の接続部分88において内腔46の基端へ向けた急激な拡径を防いで、外針48とチューブ60の接続部分88における空気の残存や巻き込みを抑制した。これにより、外針組立体10の内腔46において空気の残留を防いで、内腔46を血液によって満たすことができる。なお、本実施形態の外針組立体10の内腔46は、チューブ60の基端において段差状に拡径しているが、当該拡径部分は、外針48のテーパ状に拡径された基端部分51から離れており、また、外針48とチューブ60の接続部分88よりも通気路80に近い位置に設けられていることから、空気の内腔46への残留を引き起こし難い。特に、本実施形態では、チューブ60よりも外周側に通気路80が設けられており、外針組立体10の内腔46がチューブ60の基端において段差状に又は次第に拡径することで通気路80に向かう方向に広がっている。
【0075】
外針組立体10の第1内部空間78は、テーパ部57より基端側に形成される小径部89の内径寸法が、テーパ部57の基端の内径寸法よりも小さくされている。これにより、流路断面積の大きなテーパ部57の基端から流路断面積の小さな小径部89へ血液が流入する際に、血液が小径部89の流路断面の一部において先行して流れることなく、小径部89の流路断面全体へ流れ込み、血液が空気を残して基端側へ回り込みにくい。それゆえ、小径部89よりも基端側で弁体64の近傍に開口する通気路80は、先行した血液によって塞がれることがなく、空気が通気路80を通じて有効に排出され、第1内部空間78において血液導入時の空気の残留が防止される。
【0076】
内針16から分離して留置された外針組立体10において、外針ハブ50からコネクタキャップ90が取り外されて、図4に示すように、外部流路104を構成するオスコネクタ106が外針ハブ50の押し子ガイド70に基端側から挿入される。また、外針ハブ50の流路接続部材59に設けられた雄ねじ部74に対して、外部流路104を構成するオスコネクタ106に設けられた図示しないロック部が螺着される。これにより、外針組立体10と外部流路104が接続されて、外針組立体10の内腔46が外部流路104に連通される。このように、外針ハブ50の雄ねじ部74は、コネクタキャップ90の外針ハブ50への連結と、外部流路104の外針ハブ50への連結との両方に用いられる。オスコネクタ106は、図示しないロック部を備えていなくてもよく、オスコネクタ106が押し子ガイド70の基端へ嵌め入れられることによって、オスコネクタ106と押し子ガイド70が接続されるようにもできる。
【0077】
外針ハブ50にオスコネクタ106が接続されると、押し子66がオスコネクタ106によって先端側へ押し込まれる。押し込まれた押し子66が弁体64に押し当てられて弁体64を変形させることにより、弁体64の切込み76が開放される。これにより、外針組立体10の内腔46を通じて、患者の血管と外部流路104が接続されて、血液透析や採血、薬液の投与などの治療を行うことができる。
【0078】
図4に示す外部流路104が外針組立体10に接続された状態において、押し子66によって押し開かれた弁体64は、通気路80の内腔46側の開口を覆っており、通気路80が弁体64によって遮断されている。これにより、通気路80を通じた血液や薬液などの外部への漏れが、弁体64によって阻止される。もっとも、弁体64による通気路80の遮断は、必須ではない。
【0079】
図5には、本発明の第2の実施形態としての外針組立体110が示されている。外針組立体110は、チューブ112を備えている。以下の説明において、第1の実施形態と実質的に同一の部材及び部位については、図中に同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
【0080】
チューブ112は、先端部分を構成する大径筒部84の基端側に小径筒部114が連続して設けられた構造を有している。小径筒部114は、略円筒形状とされており、内径寸法及び外径寸法が軸方向において略一定とされている。小径筒部114は、内径寸法と外径寸法の両方が大径筒部84よりも小さくされている。本実施形態の小径筒部114は、大径筒部84と略同じ厚さ寸法とされているが、小径筒部114は大径筒部84よりも厚肉であってもよいし、薄肉であってもよい。
【0081】
小径筒部114の基端側には、厚肉連結部116が設けられている。厚肉連結部116は、外径寸法が大径筒部84と略同じとされていると共に、内径寸法が小径筒部114と略同じとされており、小径筒部114よりも外周へ突出して厚肉とされている。チューブ112は、軸方向の中間部分である小径筒部114において、両端部分である大径筒部84及び厚肉連結部116よりも外径寸法が小さくされている。
【0082】
このような本実施形態に従う構造とされた外針組立体110によれば、第1の実施形態と同様に、外針48とチューブ112の接続部分88において、チューブ112側が大径となっておらず、血液の流入に際して、外針組立体110の内腔46に対する空気の残留が防止される。
【0083】
また、チューブ112は、外針48への固着部分よりも基端側に設けられた小径筒部114において、外針48に固着される大径筒部84よりも小径とされている。それゆえ、小径筒部114においてチューブ112の内径寸法を外針48の基端の内径寸法以下としつつ、小径筒部114を薄肉化することによって形成材料を節約することができる。
【0084】
小径筒部114においてチューブ112が薄肉とされていることにより、小径筒部114の弾性を小さくして、小径筒部114を容易に変形可能とすることができる。それゆえ、チューブ112を曲げることによる外針ハブ50と図示しない外部流路との接続の容易化を実現することができる。
【0085】
図6には、本発明の第3の実施形態としての外針組立体120が示されている。本実施形態における流路形成部材としての外針ハブ122は、分岐部124を有する分岐部材126を備えており、かかる分岐部124において、外針48から基端側に延びる主流路が側方に分岐されて、分岐流路を備えた分岐ポート部132が形成されている。
【0086】
なお、図6は、図3,5と同様に内針(16)を引き抜いた状態を示す。また、本実施形態において、外針48の基端側と外針ハブ122との接続部分(図6中に符号58で示される付近)は、前記第1の実施形態で図3に示された構造と実質的に同じであることから、内部構造の図示を省略する。即ち、本実施形態において、外針48の基端部分と外針ハブ122との接続部分における内部構造は、第1の実施形態におけるチューブ60を分岐部材126に置き換えたような構造とされている。より具体的には、分岐部材126の先端部分には、内径寸法が大きくされた大径筒部(図3中の大径筒部84に相当)が設けられており、当該分岐部材126の大径筒部に外針48の基端部分(51)が差し入れられて、分岐部材126(図3中のチューブ60に相当)に対して挿入状態で固着されている。ここにおいて、分岐部材126の内径寸法(第1の実施形態におけるチューブ60の内径寸法r1に相当)が、外針48の基端の内径寸法r2と同じか或いは小さくされることで、外針48の基端側と外針ハブ122との接続部分に小径部(89)を有している。また、外針ハブ122の基端側における外部流路(104)の接続部分(図6中に符号59で示される付近)は、前記第1の実施形態で図3図4に示された構造と実質的に同じであることから、内部構造の図示と説明を省略する。更に、本実施形態において、分岐流路の基端に設けられた分岐ポート部132は、主流路の基端に設けられた接続ポート部134と実質的に同じであることから、内部構造の図示と説明を省略する。
【0087】
因みに、分岐部材126の基端側(図6中の右側)は、主流路と分岐流路のそれぞれに対して、チューブ112を介して流路接続部材59が接続されている。かかるチューブ112は、前記第2の実施形態と同様に小径筒部114を有している。また、図6中に拡大断面図が示されているように、チューブ112の先端は、分岐部材126の内腔46(主流路)へ嵌め入れられて固着されている。本実施形態では、チューブ112の内径が先端側において拡大された拡径部とされていると共に、当該拡径部の先端開口径が、分岐部材126内の主流路の内径よりも小さくされている。これにより、図6中の拡大断面図から判るように、分岐部材126内の主流路とチューブ112との接続部分では、先端側から基端側に向かって略段差状に小径とされている。更に、チューブ112の内部流路においても、拡径部の基端側が、流路接続部材59側に向かって略段差状に小径とされている。
【0088】
尤も、本実施形態の外針組立体120も、第1の実施形態と同様に外針48の基端側の接続部分(88)に位置して略段差状となる小径部(89)を有していることから、分岐部材126の基端側における段差状の小径部を設けなくても前述の如き本発明効果は達成される。従って、分岐部材126の基端側の流路は、内径寸法が略一定とされていてもよいし、外針48のテーパ状に拡径された基端部分51から離隔し且つ通気路80に近いことから、たとえ先端側から基端側に向かって流路が拡径していても流通液への空気の巻き込みや残留の問題を生じ難い。
【0089】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、特開2004-298622号公報や特開2014-108112号公報のような留置針の基端コネクタ内部に弁体及び通気路を設け、本発明の構成を採用してもよい。
【0090】
外針48の基端部分51において、チューブ60に接続される第2部分54の外径寸法が、第1部分52の基端における外径寸法よりも小さくされていれば、チューブ60の内周面に設けられた段差面86の径方向幅寸法が外針48の基端の厚さ寸法より小さい場合にも、外針48とチューブ60の接続部分88における段差状の拡径が回避される。
【0091】
外針48は、チューブ60に対して外挿状態で接続されていてもよい。この場合には、例えば、チューブ60の先端部分の外径寸法を小さくして薄肉化したり、外針48の基端部分51の内径寸法を大きくして薄肉化するなどして、外針48とチューブ60の接続部分88に形成される段差を小さくすることが望ましい。外針48は、チューブ60に対して軸方向に突き合わされて溶着等の手段で接続されていてもよい。
【0092】
チューブ60は、例えば、針接合部材58と流路接続部材59の間において、厚さ寸法が一定である必要はなく、例えば、内周面が軸方向の中央に向けて次第に内周へ突出して厚肉となっていてもよい。
【0093】
内針16においてチューブ60に挿通される部分の外周面は、例えば、凹凸、シボなどの粗面化や、摩擦抵抗の大きいエラストマ、ゴム、合成樹脂などによる被覆等によって、チューブ60の内周面に対して滑り難くされた滑止めが設けられ得る。このようにすれば、チューブ60を把持した場合に、チューブ60と内針16の間の滑りが生じ難く、内針16と外針48の相対位置をずれ難くすることができる。なお、チューブ60の内周面に対して滑り難くする構成(滑止め)は、内針16の外周面に設けられなくてもよく、例えば、チューブ60の内周面に設けられていてもよい。要するに、滑止めは、内針16とチューブ60の間、換言すれば、内針16の外周面とチューブ60の内周面との少なくとも一方に設けられる。
【0094】
流路形成部材において可撓性のチューブは必須ではなく、例えば、全体が硬質とされた流路形成部材に弁体を収容した構造であってもよい。具体的には、例えば、針接合部材と流路接続部材がチューブを介することなく直接的に固定された構造等も採用され得る。
【0095】
前記実施形態に示したように、通気路80は、血液の漏出を防止するための通気フィルタ82を備えることが望ましいが、例えば、通気路の断面積や断面形状等によって血液の漏出が防止される場合には、通気フィルタを設けなくてもよい。また、通気路は、流路形成部材の構成部品間を延びる構造に限定されず、例えば、流路形成部材の構成部品を貫通する孔構造であってもよい。
なお、本発明は、もともと以下(i)~(viii)に記載の各発明を何れも含むものであり、その構成および作用効果に関して、付記しておく。
本発明は、
(i) 内針が挿通される中空の外針と、該外針に接続された流路形成部材とを備え、該流路形成部材の内部に弁体を有し、該弁体よりも先端側の第1内部空間が該弁体より基端側の第2内部空間に比して長尺とされた外針組立体であって、前記第1内部空間の空気を外部へ逃がす通気路が前記弁体の近傍において該第1内部空間に連通されていると共に、該第1内部空間が、前記外針の血管への穿刺部分に形成される穿刺部と、該穿刺部より基端側に形成されて基端側へ向かって内径寸法が大きくなるテーパ部と、該テーパ部より基端側に形成されて該テーパ部の基端に比して内径寸法が小さい又は同じである小径部とを、備えている外針組立体、
(ii) 内針が挿通される中空の外針と、該外針に接続された流路形成部材とを備え、該流路形成部材の内部に弁体を有し、該流路形成部材が該弁体よりも先端側の内部空間を外部へ連通する通気路を備えている外針組立体であって、前記外針の基端部分が基端へ向けて拡径するテーパ形状とされており、該外針と前記流路形成部材の接続部分において、該流路形成部材の内径寸法が該外針の内径寸法以下とされている外針組立体、
(iii) 前記外針と前記流路形成部材の接続部分において、該流路形成部材の内径寸法と該外針の内径寸法が同じとされている(ii)に記載の外針組立体、
(iv) 前記流路形成部材が可撓性のチューブを備えており、該チューブが前記外針に接続されている(i)~(iii)の何れか一項に記載の外針組立体、
(v) 前記チューブの先端部分には内径寸法が大きくされた大径筒部が設けられて、前記外針の基端部分が該大径筒部に対して挿入状態で固定されている(iv)に記載の外針組立体、
(vi) 前記チューブにおける前記大径筒部よりも基端側には、該大径筒部よりも内径寸法及び外径寸法が小さい小径筒部が設けられている(v)に記載の外針組立体、
(vii) 前記流路形成部材が可撓性のチューブを備えており、前記外針の先端から該チューブの基端にわたる内周面において、段差状の拡径部分が設けられていない(i)~(vi)の何れか一項に記載の外針組立体、
(viii) 針に接続された流路形成部材を備え、該流路形成部材の内部に弁体を有し、該弁体よりも先端側の第1内部空間が該弁体より基端側の第2内部空間に比して長尺とされた針組立体であって、前記第1内部空間の空気を外部へ逃がす通気路が前記弁体の近傍において該第1内部空間に連通されていると共に、該第1内部空間が、前記針の血管への穿刺部分に形成される穿刺部と、該穿刺部より基端側に形成されて基端側へ向かって内径寸法が大きくなるテーパ部と、該テーパ部より基端側に形成されて該テーパ部の基端に比して内径寸法が小さい又は同じである小径部とを、備えている針組立体、
に関する発明を含む。
上記(i)に記載の発明では、小径部における内部空間の断面積がテーパ部の基端における内部空間の断面積と同じか小さいことから、穿刺部及びテーパ部を介して小径部に血液が流入する際に、血液が空気を回り込むようにして部分的な先行を生じにくく、血液が小径部の断面全体を流れ易くなる。その結果、部分的に先行した血液が空気を残したまま小径部を通過して、空気が抜けないうちに血液が通気路を塞いでしまうといった事態が生じにくく、小径部内の空気が残留することなく血液によって通気路まで押し出されて外部へ排出される。それゆえ、針先を斜め上方に向けて穿刺が行われても、弁体より先端側の第1内部空間において空気が残留しにくい。なお、空気の残留現象は、通気路と外針との間が大きく離間している場合に生じやすいことから、空気の残留を防止し得る本態様の構成は、弁体を保持する部材と外針を保持する部材の間に筒状部材を有するなどして通気路と外針が大きく離れて配された外針組立体に対して、好適に適用される。また、本態様の構成は、小径部の長さが、テーパ部の先端から小径部の先端までの距離よりも長くされた外針組立体に対して、特に好適に適用される。また、小径部より基端側には、小径部に比して内径の大きい大径部が形成されていて、大径部は弁体と隣接してもよい。
上記(ii)に記載の発明では、外針と流路形成部材の接続部分において、基端側が大径となる拡径部分が形成されない。それゆえ、外針組立体の内腔における外針と流路形成部材の接続部分において、外針から流路形成部材へ導入される液体によって満たされない領域が形成され難く、空気の残留が抑制される。また、外針の基端部分が基端へ向けて拡径するテーパ形状を有することから、外針を流れる液体は、基端へ行くにしたがって流速が小さくなる。その結果、外針の基端において液体の流動による乱流の発生がより抑制されて、液体に対する空気の巻き込みが防止される。
上記(iii)に記載の発明では、外針と流路形成部材の接続部分において段差の形成が防止されることから、外針組立体の内腔を流れる液体において乱流の発生がより低減されて、空気の巻き込みが抑制される。
上記(iv)に記載の発明では、血管等に穿刺されて留置された外針組立体において、例えばチューブが必要に応じて曲げられることにより、外針組立体を透析回路や輸液ライン等の外部流路に容易に接続することができる。
上記(v)に記載の発明では、外針の基端部分をチューブの大径筒部に挿入して固定することにより、外針とチューブの接続部分におけるチューブの内径寸法を、外針の内径寸法以下とし易くなる。
上記(vi)に記載の発明では、外針と流路形成部材の接続部分における内径の急激な拡大を防ぎつつ、流路形成部材が外針との接続部分よりも基端側において必要以上に厚肉となるのを防ぐことができる。
上記(vii)に記載の発明では、外針の先端からチューブの基端にわたって内径寸法が急激に大きくなることが回避されている。それ故、外針組立体の内部空間における急激な体積変化が抑制されて、かかる急激な体積変化部分における空気の巻き込みや滞留が抑制され得る。なお、段差状の拡径部分とは、流路断面積が急激に変化する部分であって、例えば軸直角方向に広がる段差面などが含まれる。
上記(viii)に記載の発明のように単一の針を有する針組立体においても同様の効果が発揮されて、針を有する針組立体の内腔において空気の残留防止の効果が発揮される。なお、本態様は、後述する実施形態において外針(48)を本態様の針とすることによって実施可能と把握され得る。
【符号の説明】
【0096】
10 外針組立体(第1の実施形態)
12 留置針組立体
14 内針組立体
16 内針
18 刃面
20 針先
22 内針ハブ
24 台座部
26 プロテクタ収容部
28 連結部
30 規制筒部
32 内針キャップ
33 膜状フィルタ
34 プロテクタハウジング
36 収容筒部
38 蓋体
40 針先プロテクタ
42 遮蔽部材
44 固定部材
46 内腔(内部空間)
48 外針
50 外針ハブ(流路形成部材)
51 基端部分
52 第1部分
54 第2部分
55 先端部分
56 穿刺部
57 テーパ部
58 針接合部材
59 流路接続部材
60 チューブ
62 弁ハウジング
64 弁体
66 押し子
68 カバー部材
70 押し子ガイド
72 チューブ連結部材
73 チューブ固定部
73a テーパ面
73b 基端筒部
74 雄ねじ部
76 切込み
77 弁支持部材
78 第1内部空間
79 第2内部空間
80 通気路
82 通気フィルタ
84 大径筒部
86 段差面
88 接続部分
89 小径部
90 コネクタキャップ
92 底壁部
94 管状突起
96 周状壁部
98 弾性片
100 雌ねじ
102 係止突起
104 外部流路
106 オスコネクタ
110 外針組立体(第2の実施形態)
112 チューブ
114 小径筒部
116 厚肉連結部
120 外針組立体(第3の実施形態)
122 外針ハブ(流路形成部材)
124 分岐部
126 分岐部材
132 分岐ポート部
134 接続ポート部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7