(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-01-14
(45)【発行日】2026-01-22
(54)【発明の名称】容器詰炭酸飲料及びその製造方法、並びに容器詰炭酸飲料のガス抜け抑止方法
(51)【国際特許分類】
A23L 2/00 20060101AFI20260115BHJP
A23L 2/38 20210101ALI20260115BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20260115BHJP
【FI】
A23L2/00 U
A23L2/38 G
A23L2/52
(21)【出願番号】P 2025524829
(86)(22)【出願日】2024-12-20
(86)【国際出願番号】 JP2024045210
(87)【国際公開番号】W WO2025135167
(87)【国際公開日】2025-06-26
【審査請求日】2025-05-16
【審判番号】
【審判請求日】2025-10-09
(31)【優先権主張番号】P 2023217358
(32)【優先日】2023-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000253503
【氏名又は名称】キリンホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100230891
【氏名又は名称】里見 紗弥子
(72)【発明者】
【氏名】後藤 武知
(72)【発明者】
【氏名】熊田 紀子
(72)【発明者】
【氏名】四元 祐子
【合議体】
【審判長】松田 成正
【審判官】水野 明梨
【審判官】植前 充司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-112995(JP,A)
【文献】特開2018-201406(JP,A)
【文献】特開2019-27(JP,A)
【文献】特開2023-159361(JP,A)
【文献】特開2014-108105(JP,A)
【文献】特開2017-153460(JP,A)
【文献】特表2020-520247(JP,A)
【文献】特開2017-189140(JP,A)
【文献】特開2020-150933(JP,A)
【文献】特開2014-207873(JP,A)
【文献】国際公開第2023/137418(WO,A1)
【文献】日畜会報,1978年,Vol.49, No.10,pp.745-752
【文献】炭酸飲料の日本農林規格,農林水産省告示第1572号, 農林水産省, 最終改訂 平成29年10月20日,2017年,pp.1-3
【文献】1000億個!セブン「ゼロサイダートリプル乳酸菌」は太る?味とカロリー、糖質は![口コミ],The Wayback Machine[online],2022年03月15日,[検索日 2025.10.28], インターネット〈https://web.archive.org/web/20220315220047/https://outside.inside-shiina.com/entry/sej-zero-cider-triple-lactic-acid-bacteria〉
【文献】シールド乳酸菌を100億個配合「チェリオ メガ700りんごヨーグルト風味」は美味しいのか?まずいのか?実際に飲んだレビュー,The Wayback Machine[online],2021年12月17日,[検索日 2025.10.28],インターネット〈https://web.archive.org/web/20211217082742/https://www.drinkmenu.net/entry/mega700-appleyogurt〉
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 2/00
A23L 2/38
A23L 2/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器詰炭酸飲料であり、
有用細菌の死菌を含み、
前記有用細菌はラクトバチルス・ラムノーサス属菌であり、
前記有用細菌の死菌濃度が5億個/L以上であり、さらに、
20℃におけるガス圧が0.05MPa以上0.5MPa以下であり、
炭酸ガス含有時のpHが1.0以上5.5以下であ
り、
[前記有用細菌の死菌濃度(億個/L)/ガス圧(MPa)]の値をAとして、Aが15以上50,000以下である、
容器詰炭酸飲料。
【請求項2】
ガス抜け抑止機能を有する、請求項1に記載の容器詰炭酸飲料。
【請求項3】
前記有用細菌の死菌濃度が10,000億個/L以下である請求項1に記載の容器詰炭酸飲料。
【請求項4】
前記有用細菌が、ラクトバチルス・ラムノーサスCRL1505である、請求項1に記載の容器詰炭酸飲料。
【請求項5】
内容量が100mL/本以上2100mL/本以下の容器に詰められた、請求項1に記載の容器詰炭酸飲料。
【請求項6】
前記容器がプラスチック素材からなる、請求項1~5のいずれか記載の容器詰め炭酸飲料。
【請求項7】
容器詰炭酸飲料の製造方法であり、
有用細菌としてのラクトバチルス・ラムノーサス属菌の死菌を、5億個/L以上の死菌濃度となるように配合する配合工程と、
炭酸ガス含有時のpHが1.0以上5.5以下となるように、pHを調節する、pH調節工程と、
前記配合工程で得られた配合物に対して20℃におけるガス圧が0.05MPa以上0.5MPa以下
となり、[前記有用細菌の死菌濃度(億個/L)/ガス圧(MPa)]の値をAとして、Aが15以上50,000以下となるように、炭酸ガスを添加する炭酸ガス添加工程と、
を含む、容器詰炭酸飲料の製造方法。
【請求項8】
容器詰炭酸飲料のガス抜け抑止方法であり、
有用細菌としてのラクトバチルス・ラムノーサス属菌の死菌を、5億個/L以上の死菌濃度となるように配合する配合工程と、
炭酸ガス含有時のpHが1.0以上5.5以下となるように、pHを調節する、pH調節工程と、
前記配合工程で得られた配合物に対して20℃におけるガス圧が0.05MPa以上0.5MPa以下となるように、炭酸ガスを添加する炭酸ガス添加工程と、
を含む、容器詰炭酸飲料のガス抜け抑止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器詰炭酸飲料及びその製造方法、並びに容器詰炭酸飲料のガス抜け抑止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭酸飲料は、摂取した際の炭酸ガスの刺激による爽快感を楽しむ飲料として広く好まれている。一般に、炭酸飲料は、炭酸ガスの刺激を前提とした風味設計がされている。しかし、従来の容器詰炭酸飲料においては、容器の開栓後に、時間経過に伴って飲料に含まれていた炭酸ガスが減少する、いわゆるガス抜けが次第に生じ、上記の炭酸ガスによる刺激が弱まるという課題があった。特に、大型容器に詰められた場合には、消費に要する時間が長くなるためにガス抜けが生じやすい。ガス抜けを生じた炭酸飲料では、爽快感の低下に加え、炭酸ガスの刺激が低下に起因して甘味を強く感じる等の風味が変化するという問題がある。このガス抜けを抑止するために、様々な技術が検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含む乳化剤と、特定の疎水性成分を含む香料とを併用することによって、容器詰炭酸飲料のガス抜けを抑制することが提案されている。
【0004】
また、特許文献2には、特定のポリフェノール及び特定の甘味料を含有させることにより、炭酸ガスの抜けを抑制できることが記載されている。
【0005】
また、特許文献3には、炭酸飲料に難消化性デキストリンを含有させると飲料中の炭酸ガスが抜けやすくなるということ、及び当該炭酸飲料にペクチン及びコラーゲンを含有させることにより炭酸ガスの抜けを抑制できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2017-012016号公報
【文献】特開2017-123788号公報
【文献】特開2021-153412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1~3に記載の方法には、特定の香料、甘味料、あるいは添加物を使用するため、それらに合った風味を有する飲料にしか適用できないという制限があった。また、上記従来の方法は、炭酸飲料のガス抜けを抑制するという点において一層の向上の余地があった。
【0008】
そこで、本発明は、ガス抜けが抑止された容器詰炭酸飲料の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決することを目的として鋭意検討を行った。そして、本発明者らは、容器詰炭酸飲料において、一定濃度以上の有用細菌の死菌を添加することで、容器詰炭酸飲料のガス抜けを抑止できることを新たに見出し、本発明を完成させた。
【0010】
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明は、[1]容器詰め炭酸飲料であって、有用細菌の死菌を含み、前記有用細菌の死菌濃度が5億個/L以上であり、さらに、ガス圧が0.05MPa以上0.5MPa以下である、容器詰炭酸飲料である。上記のガス圧の範囲において、有用細菌の死菌濃度が上記下限値以上であれば、容器詰炭酸飲料のガス抜けを抑止することができる。
なお、本明細書において、容器詰飲料の「ガス圧」は容器詰飲料液中の20℃における溶存炭酸ガス濃度から換算し、本明細書の実施例に記載の方法に従って測定することができる。
【0011】
[2]ここで、上記[1]の容器詰炭酸飲料は、ガス抜け抑止機能を有することが好ましい。
【0012】
[3]上記[1]又は[2]の容器詰炭酸飲料において、前記有用細菌の死菌濃度が10,000億個/L以下であることが好ましい。有用細菌の死菌濃度が上記上限値以下であれば、有用細菌に由来する特定の香味により飲料の風味が変化することを抑制しうる。
【0013】
[4]上記[1]~[3]の何れかの容器詰炭酸飲料において、前記有用細菌が、ラクトバチルス属菌、及びラクトコッカス属菌からなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
【0014】
[5]上記[1]~[4]の何れかの容器詰炭酸飲料において、前記有用細菌が、ラクトバチルス・ラムノーサスCRL1505、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM5805、及びラクトバチルス・パラカゼイKW3110からなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
【0015】
[6]上記[1]~[5]の何れかの容器詰炭酸飲料において、炭酸ガス含有時のpHが1.0以上5.5以下であることが好ましい。pHが上記範囲内であれば、容器詰炭酸飲料のガス抜けをさらに一層抑止することができる。
なお、本明細書において、容器詰飲料の「炭酸ガス含有時のpH」は、ガス圧下pH、すなわち、炭酸を含有した状態でのpHを意味する。容器詰飲料の炭酸ガス含有時のpHは本明細書の実施例に記載の方法に従って測定することができる。
【0016】
[7]上記[1]~[6]の何れかの容器詰炭酸飲料は、内容量が100mL/本以上2100mL/本以下の容器に詰められた、容器詰炭酸飲料であることが好ましい。
【0017】
[8]上記[1]~[7]の何れかの容器詰炭酸飲料において、前記容器がプラスチック素材からなることが好ましい。
【0018】
[9]また、本発明は、容器詰炭酸飲料の製造方法であって、有用細菌の死菌を、5億個/L以上の死菌濃度となるように配合する配合工程と、前記配合工程で得られた配合物に対してガス圧が0.05MPa以上0.5MPa以下となるように、炭酸ガスを添加する炭酸ガス添加工程とを含む、容器詰炭酸飲料の製造方法である。かかる製造方法によれば、ガス抜けが抑止された容器詰炭酸飲料を提供することができる。
【0019】
[10]さらに、本発明は、容器詰炭酸飲料のガス抜け抑止方法であって、有用細菌の死菌を、5億個/L以上の死菌濃度となるように配合する配合工程と、前記配合工程で得られた配合物に対してガス圧が0.05MPa以上0.5MPa以下となるように、炭酸ガスを添加する炭酸ガス添加工程とを含む、容器詰炭酸飲料のガス抜け抑止方法である。かかるガス抜け抑止方法によれば、ガス抜けが抑止された容器詰炭酸飲料を提供することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ガス抜けが抑止された容器詰炭酸飲料を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(容器詰炭酸飲料)
本発明の容器詰炭酸飲料は、有用細菌の死菌を含む飲料である。より具体的には、本発明の容器詰炭酸飲料は、有用細菌の死菌濃度が5億個/L以上であり、さらに、ガス圧が0.05MPa以上0.5MPa以下であることを特徴とする。そして、本発明の飲料は、ガス抜け抑止機能を有しており、開栓後ある程度の時間がたった状態で飲用した場合にも、炭酸ガスによる刺激を味わうことができる。また、ガス抜け抑止機能を有用細菌の死菌の添加により付与しているため、有用細菌に由来する、例えば整腸効果及び健康促進効果などの有利な効果を奏することも期待できる。
【0022】
本発明において「容器詰炭酸飲料」は、炭酸ガス(二酸化炭素)の圧入された容器詰飲料を意味する。例えば、炭酸飲料は、甘味のある炭酸飲料であってもよく、甘味の無い炭酸飲料であってもよい。甘味のある炭酸飲料としては、特に限定されることなく、例えば、サイダー、ラムネ、コーラ、エナジー飲料、及び果汁含有炭酸飲料等が挙げられる。また甘味の無い炭酸飲料としては、特に限定されることなく、例えば、各種の非発泡性アルコール飲料に炭酸ガスを圧入した発泡性アルコール飲料、ビールテイスト飲料、及び甘味料を含まない炭酸水等が挙げられる。また、人工的に炭酸ガスを圧入した飲料に限定されず、地下水に炭酸ガスが溶け込んだ天然炭酸水、あるいは、発酵の過程で微生物の出す炭酸ガスが溶け込んだ炭酸水であってもよい。
【0023】
<有用細菌の死菌>
本発明においては、有用細菌の死菌を用いる。有用細菌としては、特に限定されないが、例えば、オエノコッカス(Oenococcus)属菌、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属菌、ワイセラ(Weissella)属菌、テトラジェノコッカス(Tetragenococcus)属菌、ラクトコッカス(Lactococcus)属菌、ロイコノストック(Leuconostoc)属菌、ペディオコッカス(Pediococcus)属菌、ストレプトコッカス(Streptococcus)属菌、エンテロコッカス(Enterococcus)属菌、ラクトバチルス(Lactobacillus)属菌、酢酸菌、及びバチルス属菌が挙げられる。
【0024】
なお、本発明におけるラクトバチルス属細菌は、ラクトバチルス属の再分類前にラクトバチルス属に分類されていた細菌を含む。例えば、ラクトバチルス属の再分類に伴い新たにアセチラクトバチルス(Acetilactobacillus)属、アグリラクトバチルス(Agrilactobacillus)属、アミロラクトバチルス(Amylolactobacillus)属、アピラクトバチルス(Apilactobacillus)属、ボンビラクトバチルス(Bombilactobacillus)属、コンパニラクトバチルス(Companilactobacillus)属、デラグリオア(Dellaglioa)属、フルクチラクトバチルス(Fructilactobacillus)属、フルフリラクトバチルス(Furfurilactobacillus)属、ホルザプフェリア(Holzapfelia)属、ラクチカゼイバチルス(Lacticaseibacillus)属、ラクチプランチバチルス(Lactiplantibacillus)属、ラピジラクトバチルス(Lapidilactobacillus)属、ラチラクトバチルス(Latilactobacillus)属、レンチラクトバチルス(Lentilactobacillus)属、レビラクトバチルス(Levilactobacillus)属、リジラクトバチルス(Ligilactobacillus)属、リモシラクトバチルス(Limosilactobacillus)属、リコリリラクトバチルス(Liquorilactobacillus)属、ロイゴラクトバチルス(Loigolactobacillus)属、パララクトバチルス(Paralactobacillus)属、パウチラクトバチルス(Paucilactobacillus)属、シュレイフェリラクトバチルス(Schleiferilactobacillus)属、セクンジラクトバチルス(Secundilactobacillus)属等に分類された細菌を含む。
【0025】
上記の中でも、細菌としては、オエノコッカス(Oenococcus)属菌、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属菌、レンチラクトバチルス(Lentilactobacillus)属菌、ワイセラ(Weissella)属菌、テトラジェノコッカス(Tetragenococcus)属菌、ラクトコッカス(Lactococcus)属菌、ロイコノストック(Leuconostoc)属菌、ペディオコッカス(Pediococcus)属菌、エンテロコッカス(Enterococcus)属菌、及び、ラクトバチルス(Lactobacillus)属菌、ラクチプランチバチルス(Lactiplantibacillus)属菌が好ましい。さらに、細菌として、ラクトバチルス属菌、及びラクトコッカス属菌からなる群から選択される1種又は2種以上を含むことがより好ましい。
【0026】
上記のオエノコッカス属菌としては、例えば、オエノコッカス・オエニ(Oenococcus oeni)等が挙げられる。オエノコッカス属菌の具体例としては、オエノコッカス・オエニJCM6125等が挙げられる。
【0027】
上記のビフィドバクテリウム属菌としては、例えば、ビフィドバクテリウム・アニマリス・サブスピーシズ・ラクティス(Bifidobacterium animalis subsp. lactis)及びビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス(Bifidobacterium longum subsp. infantis)等が挙げられる。ビフィドバクテリウム属菌の具体例としては、ビフィドバクテリウム・アニマリス・サブスピーシズ・ラクティスJCM10602及びビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスJCM1222等が挙げられる。
【0028】
上記のワイセラ属菌としては、例えば、ワイセラ・パラメセンテロイデス(Weissella paramesenteroides)及びワイセラ・ビリデスセンス(Weissella viridescens)等が挙げられる。ワイセラ属菌の具体例としては、ワイセラ・パラメセンテロイデスJCM9890及びワイセラ・ビリデスセンスJCM1174等が挙げられる。
【0029】
上記のテトラジェノコッカス属菌としては、例えば、テトラジェノコッカス・ハロフィルス(Tetragenococcus halophilus)等が挙げられる。テトラジェノコッカス属菌の具体例としては、テトラジェノコッカス・ハロフィルスNRIC0098等が挙げられる。
【0030】
上記のラクトコッカス属菌としては、例えば、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス(Lactococcus lactis subsp. lactis)、ラクトコッカス・ガルビエアエ(Lactococcus garvieae)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ホールドニアエ(Lactococcus lactis subsp. hordniae)及びラクトコッカス・プランタラム(Lactococcus plantarum)等が挙げられる。
【0031】
上記のラクトコッカス属菌の具体例としては、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM5805、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスNBRC12007、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスNRIC1150、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスJCM20101、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスJCM7638、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスATCC11454、ラクトコッカス・ガルビエアエNBRC100934、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスJCM16167、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスNBRC100676、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ホールドニアエJCM1180及びラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ホールドニアエJCM11040及びラクトコッカス・プランタラムJCM11056等が挙げられる。
【0032】
上記のロイコノストック属菌としては、例えば、ロイコノストック・カーノサム(Leuconostoc carnosum)及びロイコノストック・ラクティス(Leuconostoc lactis)等が挙げられる。ロイコノストック属菌の具体例としては、ロイコノストック・カーノサムJCM9695及びロイコノストック・ラクティスNBRC12455等が挙げられる。
【0033】
上記のペディオコッカス属菌としては、例えば、ペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)、ペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)、ペディオコッカス・セリコーラ(Pediococcus cellicola)、ペディオコッカス・クラウッセニー(Pediococcus claussenii)、ペディオコッカス・ダムノサス(Pediococcus damnosus)、ペディオコッカス・エタノーリデュランス(Pediococcus ethanolidurans)、ペディオコッカス・イノピナタス(Pediococcus inopinatus)、ペディオコッカス・パルヴルス(Pediococcus parvulus)、ペディオコッカス・スティレッシー(Pediococcus stilesii)等が挙げられる。ペディオコッカス属菌の具体例としては、例えば、ペディオコッカス・アシディラクティシJCM8797、ペディオコッカス・アシディラクティシK15及びペディオコッカス・ダムノサスJCM5886等が挙げられる。
【0034】
上記のストレプトコッカス属菌としては、例えば、ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)等が挙げられる。ペディオコッカス属菌の具体例としては、例えば、ストレプトコッカス・サーモフィラスSBC8781等が挙げられる。
【0035】
上記のエンテロコッカス属菌としては、例えば、エンテロコッカス・アルセディニス(Enterococcus alcedinis)等が挙げられる。
【0036】
上記のラクトバチルス属菌としては、例えば、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)、ラクトバチルス・デルブルエッキ(Lactobacillus delbrueckii)、ラクトバチルス・アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・フルクティヴォランス(Lactobacillus fructivorans)、ラクトバチルス・ヒルガルディー(Lactobacillus hilgardii)、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバチルス・パラケフィリ(Lactobacillus parakefiri)、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ペントーサス(Lactobacillus pentosus)が挙げられる。
【0037】
ラクトバチルス属菌の具体例としては、ラクトバチルス・パラカゼイKW3110、ラクトバチルス・パラカゼイMCC1849、ラクトバチルス・パラカゼイK71、ラクトバチルス・ラムノーサスGG、ラクトバチルス・ラムノーサスCRL1505、ラクトバチルス・ガセリSBT2055、ラクトバチルス・アシドフィルスL-92、ラクトバチルス・ブルガリクスOLL1073R-1、ラクトバチルス・パラケフィリ(新分類ではレンチラクトバチルス・パラケフィリ)JCM8573、ラクトバチルス・プランタラム(新分類ではラクチプランチバチルス・プランタラム)L-137、ラクトバチルス・ペントーサス(新分類ではラクチプランチバチルス・ペントーサス)ONRICb0240等が挙げられる。
【0038】
上記の酢酸菌としては、特に限定されないが、例えば、グルコンアセトバクター(Gluconacetobacter)属菌、アセトバクター(Acetobacter)属菌、グルコノバクター(Gluconobacter)属菌などが挙げられ、好ましくはグルコンアセトバクター属菌が挙げられ、より好ましくはグルコンアセトバクター・ハンゼニイが挙げられ、さらに好ましくはグルコンアセトバクター・ハンゼニイGK-1が挙げられる。
【0039】
上記のバチルス属菌としては、特に限定されないが、例えば、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)等が挙げられる。バチルス属細菌の具体例としては、例えば、バチルス・コアグランスSANK70258株等が挙げられる。
【0040】
上記の中でも、有用細菌として、ラクトバチルス・ラムノーサスCRL1505、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシズ・ラクティスJCM5805、及びラクトバチルス・パラカゼイKW3110からなる群から選択される1種又は2種以上を含むことが好ましい。
【0041】
本発明において、有用細菌の死菌としては、特に限定されることなく、乾燥物であっても、非乾燥物であってもよいが、有用細菌の死菌の保存安定性の観点から乾燥物であることが好ましい。中でも、有用細菌の死菌としては、有用細菌の死菌の乾燥粉末が好ましい。
【0042】
有用細菌の死菌の調製方法は特に制限されず、例えば、細菌を培養した培地を殺菌してから、ろ過、及び遠心分離など実施することにより菌体を集菌する方法、あるいは、細菌を培養した培地から、ろ過、及び遠心分離などを実施することにより菌体を集菌してから、殺菌する方法などを挙げることができる。なお、有用細菌の中でも例えば乳酸菌は、グルコース、タンパク加水分解物、及び酵母エキス等を含む、MRS(de Man-Rogosa-Sharpe)培地等の当業者に公知の乳酸菌培養用培地を用いて培養することができる。一般的に、培養温度は30℃~37℃、培養期間は2~3日であり、嫌気条件下で培養することができる。
【0043】
また、培養後に集菌した菌体に対して、必要に応じてさらに乾燥処理及び破砕処理を行うことができる。なお、殺菌の手段は特に制限されず、加熱のみならず、紫外線やγ線照射など、菌を死滅させる常套手段を用いることができる。
【0044】
本発明の容器詰炭酸飲料に含まれる有用細菌の死菌濃度は、5億個/L以上であることが必要であり、10億個/L以上であることが好ましく、20億個/L以上であることがより好ましく、50億個/L以上であることがさらに好ましく、10,000億個/L以下であることが好ましく、5,000億個/L以下であることがより好ましく、1,000億個/L以下であることがさらに好ましく、900億個/L以下であることがさらに好ましく、800億個/L以下であることがさらに好ましく、750億個/L以下であることがさらに好ましく、500億個/L以下であることがさらに好ましく、300億個/L以下であることがさらにより好ましく、200億個/L以下であることが特に好ましい。有用細菌の死菌濃度が上記下限値以上である場合に、容器詰炭酸飲料のガス抜け抑止機能を十分に高めることができる。また、有用細菌の死菌濃度が上記上限値以下であれば、有用細菌に由来する特定の香味により飲料の風味が変化することを抑制しうる。
飲料に含まれる有用細菌の死菌濃度は、飲料に配合する有用細菌の死菌の添加量を調整することによって、制御することができる。また、飲料に含まれる有用細菌の死菌濃度は、公知の細菌の菌数測定法が特に制限なく挙げられ、例えば、直接鏡検法、粒子電気的検知帯法、PCR法又はフローサイトメトリー法等が挙げられ、フローサイトメトリー法が好ましく挙げられる。
【0045】
<ガス圧>
容器詰炭酸飲料のガス圧は、0.05MPa以上である必要があり、0.1MPa以上であることが好ましく、0.2MPa以上であることがより好ましく、0.5MPa以下である必要があり、0.4MPa以下であることが好ましい。容器詰炭酸飲料のガス圧が上記範囲内であれば、容器詰炭酸飲料のガス抜け抑止機能を十分に高めることができる。
【0046】
本発明の容器詰炭酸飲料は、ガス圧及び有用細菌の死菌濃度の関係が、[有用細菌の死菌濃度(億個/L)/ガス圧(MPa)]の値をAとして、Aが15以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましく、100以上であることがさらに好ましく、300以上であることが一層好ましく、50,000以下であることが好ましく、40.000以下であることがより好ましく、10,000以下であることがさらに好ましい。Aが上記範囲内であれば、容器詰炭酸飲料のガス抜け抑止機能をより一層高めることができる。
【0047】
<その他の成分>
本発明の飲料は、本発明の効果を妨げない範囲で、酸味料、香料、着色料、甘味料、保存料、増粘剤、安定剤、乳化剤、食物繊維、苦味料、酸化防止剤、pH調整剤、ビタミン類、栄養強化剤、うま味成分、食物繊維、エキス、溶媒、ミネラル、水溶性の機能成分、及び、脂溶性の機能性成分からなる群から選択される1種又は2種以上の添加物を含んでもよい。なお、上記添加物としては、特に限定されず、一般に用いられるものを使用することができるが、具体的には、例えば甘味料としてはアセスルファムK、ステビア、及びスクラロース、酸味料としてはクエン酸、安定剤としては大豆多糖類及びペクチン、ミネラルとしては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、及びカルシウムを挙げることができる。
【0048】
上記列挙の中でも容器詰炭酸飲料がクエン酸を含むことが好ましい。クエン酸の濃度は、容器詰炭酸飲料のpHを下記の範囲に好適に調節可能な限りにおいて特に限定されないが、例えば0.0001質量%以上であることが好ましく、0.001質量%以上であることがより好ましく、0.005質量%以上であることがさらに好ましく、1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましく、0.05質量%以下であることがさらにより好ましく、0.01質量%以下であることが特に好ましい。クエン酸の濃度が上記範囲内であれば、容器詰炭酸飲料のガス抜け抑止機能をより一層高めることができる。
【0049】
<容器詰炭酸飲料の炭酸ガス含有時のpH>
容器詰炭酸飲料の炭酸ガス含有時のpHは、ガス圧下pH、すなわち、炭酸を含有した状態でのpHを意味する。容器詰飲料の炭酸ガス含有時のガス圧下pHは1.0以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましく、2.0以上であることがさらに好ましく、2.5以上であることが特に好ましく、5.5以下であることが好ましく、5.0以下であることがより好ましく、4.5以下であることがさらに好ましい。容器詰飲料のガス圧下pHが上記下限値以上であれば、容器詰炭酸飲料のガス抜けを一層抑止するとともに、酸味が過剰になることを抑制することができる。容器詰飲料のガス圧下pHが上記上限値以下であれば、容器詰炭酸飲料のエグ味を抑制することができる。
【0050】
<容器>
本発明の容器詰飲料の容器としては、ペットボトル、ポリプロピレンボトル、及びポリ塩化ビニルボトル等のプラスチック素材からなる容器(樹脂ボトル容器)、ビン容器、及び缶容器等の容器が挙げられる。容器の容量は特に限定されないが、例えば100mL/本以上、好ましくは350mL/本以上、例えば2100mL/本以下、好ましくは1600mL/本以下でありうる。より具体的には、プラスチック素材からなる容器の容量としては、150mL/本以上であることが好ましく、310mL/本以上であることがより好ましく、360mL/本以上であることがさらに好ましく、400mL/本以上であることが特に好ましく、1300mL/本以下であることが好ましく、1200mL/本以下であることがより好ましく、950mL/本以下であることがさらに好ましく、700mL/本以下であることが特に好ましい。また、ビン容器の容量としては、150mL/本以上であることが好ましく、430mL/本以上であることがより好ましく、1300mL/本以下であることが好ましい。缶容器の容量としては、150mL/本以上であることが好ましく、260mL/本以上であることがより好ましく、1250mL/本以下であることが好ましく、900mL/本以下であることがより好ましく、700mL/本以下であることがさらに好ましく、400mL/本以下であることが特に好ましい。
【0051】
(容器詰炭酸飲料の製造方法)
本発明の容器詰炭酸飲料の製造方法は、有用細菌の死菌を、5億個/L以上の死菌濃度となるように配合する配合工程と、配合工程で得られた配合物に対してガス圧が0.05MPa以上0.5MPa以下となるように、炭酸ガスを添加する炭酸ガス添加工程と、を含むことを特徴とする。そして、本発明の容器詰炭酸飲料の製造方法は、上記特定の配合工程、及び炭酸ガス添加工程を含む限りにおいて特に限定されない。言い換えると、上記の配合工程及び炭酸ガス添加工程を含む限りにおいて、従来公知の飲料の製造方法に従って製造することができる。
【0052】
有用細菌の死菌を、5億個/L以上の死菌濃度となるように配合する配合工程としては、例えば、混合槽に、任意で水などの溶媒、さらにその他の任意成分を添加し、ここに有用細菌の死菌を5億個/L以上となる割合で添加する工程が挙げられる。あるいは、有用細菌の死菌と、任意の溶媒とを、混合槽に対して同時に添加する工程が挙げられる。もちろん、添加の態様、及び配合の順序などは上記の態様に限定されない。
【0053】
配合工程で得られた配合物に対してガス圧が0.05MPa以上0.5MPa以下となるように炭酸ガスを添加する炭酸ガス添加工程は、カーボネーターを用いて、上記で得られた配合物を収容し所定のガス圧となるように炭酸ガスを圧入溶解する工程が挙げられる。
【0054】
そして、炭酸ガス添加工程を経て得られた炭酸飲料を、上記列挙したような容器に充填して、既知の方途に従って密閉することにより、本発明の容器詰炭酸飲料を製造することができる。
【0055】
(容器詰炭酸飲料のガス抜け抑止方法)
本発明の容器詰炭酸飲料のガス抜け抑止方法は、有用細菌の死菌を、5億個/L以上の死菌濃度となるように配合する配合工程と、配合工程で得られた配合物に対してガス圧が0.05MPa以上0.5MPa以下となるように、炭酸ガスを添加する炭酸ガス添加工程とを含む限りにおいて特に限定されない。
【0056】
配合工程、及び炭酸ガス添加工程としては、本発明の容器詰炭酸飲料の製造方法に関して記載した工程と同様の工程を採用することができる。
【実施例】
【0057】
以下、本発明について例示的な試験に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれら以下の記載事項に限定されるものではない。
後述する各試験区にかかるサンプルについて、下記の方法で、各種の測定及び評価を行った。
【0058】
(物性測定)
<ガス圧減損率測定方法>
下記各試験区の炭酸飲料サンプルのガス圧減損率は、パッケージ飲料アナライザーPBA(充填デバイスPFD、炭酸濃度計CarboQC ME、pH計MEASURING MODULE pH3201、密度計DMA4501付属)(アントンパール社製)を用いて、以下の方法によって求めた。
まず、開栓前の容器中の炭酸飲料サンプルの品温を20℃にした後、サンプル内の気液平衡を安定化させるため72時間以上静置させた。静置したサンプルを、十分に上下動撹拌させた後、測定器を用いて分析することで、開栓前のガス圧値を得た。一方、別の静置したサンプルを静かに開栓し、室温で1時間静置後に閉栓し、同様に十分に上下動撹拌させ気液平衡を安定化させた後、測定器を用いて分析することで、開栓1時間後のガス圧値を得た。開栓前及び開栓1時間後のガス圧値から、下式によって炭酸飲料サンプルのガス圧減損率を求めた。
ガス圧減損率=(開栓前のガス圧値-開栓1時間後のガス圧値)×100÷開栓前のガス圧値
【0059】
<ガス圧下pH>
ガス圧下pHは、上述のパッケージ飲料アナライザーPBAを用いて測定した。
【0060】
(試験1)ガス圧下pHがガス圧減損率に及ぼす影響
炭酸飲料におけるガス圧下pHとガス圧減損率との関係を調べるために、以下の試験を行った。
【0061】
<サンプル調製>
500mL容量のプラスチック容器に水を入れ、表1に記載のガス圧下pHになるようにリン酸又は水酸化ナトリウムを添加し、カーボネーターを用いて液温20℃において開栓前ガス圧が0.35MPaになるようにカーボネーション(炭酸ガス圧入溶解)して、試験区1-4の炭酸飲料サンプルを作製した。
【0062】
<測定>
上記試験区で得られた炭酸飲料サンプルについて、上記ガス圧下pH測定方法及びガス圧減損率測定方法に従って、ガス圧下pH及び開栓1時間後のガス圧減損率を求めた。ガス圧減損率は、上記各試験区の炭酸飲料サンプルについて、サンプル数をN=6作製し、開栓前及び開栓1時間後それぞれN=3で測定し、3サンプルの平均値から算出した。結果を表1に示す。
【0063】
(試験2)有用細菌の死菌濃度がガス圧減損率に及ぼす影響
炭酸飲料における有用細菌の死菌濃度とガス圧減損率との関係を調べるために、以下の試験を行った。
【0064】
<サンプル調製>
500mL容量のプラスチック容器に水を入れ、ガス圧下pH3.5になるようにクエン酸を0.005%添加するとともに、表2に記載の終濃度になるように抹茶粉末(あいや社)、酵母死菌粉末(オリエンタル酵母社)、又はラムノーサス死菌(一種又は複数種のラクトバチルス・ラムノーサスを含む)を添加した。このサンプルを、カーボネーターを用いて液温20℃において開栓前ガス圧が0.24MPaになるようにカーボネーションして、試験区5-11の炭酸飲料サンプルを作製した。
ラムノーサス死菌は、3,500億個/gのラムノーサス生菌原末(一種又は複数種のラクトバチルス・ラムノーサスを含む)を35倍に水で希釈して80℃60分の殺菌処理を行い、100億個/gのラムノーサス死菌水溶液を調製したものを使用した。
【0065】
<測定>
上記試験区で得られた炭酸飲料サンプルについて、上記ガス圧下pH測定方法及びガス圧減損率測定方法に従って、ガス圧下pH及び開栓1時間後のガス圧減損率を求めた。ガス圧減損率は、上記各試験区の炭酸飲料サンプルについて、サンプル数をN=6作製し、開栓前及び開栓1時間後それぞれN=3で測定し、3サンプルの平均値から算出した。結果を表2に示す。
【0066】
(試験3)有用細菌の死菌濃度がガス圧減損率に及ぼす影響及び開栓前ガス圧の関係
有用細菌の死菌濃度がガス圧減損率に及ぼす影響及び開栓前ガス圧の関係を調べるために、以下の試験を行った。
【0067】
<サンプル調製>
500mL容量のプラスチック容器に水を入れ、表3に記載の終濃度になるようにラムノーサス死菌を添加した。このサンプルを、カーボネーターを用いて液温20℃において開栓前ガス圧が0.38MPaになるようにカーボネーションして、試験区12-13の炭酸飲料サンプルを作製した。
ラムノーサス死菌は、3,500億個/gのラムノーサス生菌原末(一種又は複数種のラクトバチルス・ラムノーサスを含む)を35倍に水で希釈して80℃60分の殺菌処理を行い、100億個/gのラムノーサス死菌水溶液を調製したものを使用した。
【0068】
<測定>
上記試験区で得られた炭酸飲料サンプルについて、上記ガス圧下pH測定方法及びガス圧減損率測定方法に従って、ガス圧下pH及び開栓1時間後のガス圧減損率を測定した。ガス圧下pH及びガス圧減損率は、上記各試験区の炭酸飲料サンプルについて、サンプル数をN=6作製し、開栓前及び開栓1時間後それぞれN=3で測定し、3サンプルの平均値から算出した。結果を表3に示す。
【0069】
(試験4)難消化デキストリンを含む容器詰炭酸飲料における有用細菌の死菌がガス圧減損率に及ぼす影響
難消化デキストリンを含む容器詰炭酸飲料にて、有用細菌の死菌がガス圧減損率に及ぼす影響を調べるために、以下の試験を行った。
【0070】
<サンプル調製>
500mL容量のプラスチック容器に水を入れ、難消化デキストリンを1.1%配合し、ガス圧下pH3.5になるようにクエン酸を0.005%添加するとともに、表4に記載の終濃度になるようにラムノーサス死菌を添加した。このサンプルを、カーボネーターを用いて液温20℃において開栓前ガス圧が0.30MPaになるようにカーボネーションして、試験区14-15の炭酸飲料サンプルを作製した。
ラムノーサス死菌は、3,500億個/gのラムノーサス生菌原末(一種又は複数種のラクトバチルス・ラムノーサスを含む)を35倍に水で希釈して80℃60分の殺菌処理を行い、100億個/gのラムノーサス死菌水溶液を調製したものを使用した。
【0071】
<測定>
上記試験区で得られた炭酸飲料サンプルについて、上記ガス圧下pH測定方法及びガス圧減損率測定方法に従って、ガス圧下pH及び開栓1時間後のガス圧減損率を測定した。ガス圧減損率は、上記各試験区の炭酸飲料サンプルについて、サンプル数をN=6作製し、開栓前及び開栓1時間後それぞれN=3で測定し、3サンプルの平均値から算出した。結果を表4に示す。
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
表1より、開栓前ガス圧が0.05MPa以上0.5MPa以下の炭酸飲料において、ガス圧下pHが1.4と1.7との間では、ガス圧下pHの増加に伴い開栓後の飲料のガス圧減損率の抑制効果は高まると推察される。また、表1より、ガス圧下pHが1.7付近から5.0の範囲においては、概ね高いガス圧減損抑制効果が得られていることがわかる。
表2より、5億個/L以上の有用細菌の死菌を含み、開栓前ガス圧が0.05MPa以上0.5MPa以下の炭酸飲料サンプルである試験区8-11において、開栓後のガス圧減損率が抑制されたことがわかる。さらに、試験区8-11と、添加物として抹茶粉末又は酵母死菌を用いた試験区6及び7とを比較すると、上記のガス圧減損率の抑制効果は、有用細菌の死菌を添加した場合に特異的な効果であることがわかる。
表3より、5億個/L以上の有用細菌の死菌を含み、開栓前ガス圧が0.05MPa以上0.5MPa以下の炭酸飲料サンプルである試験区13において、試験2よりも高い開栓前ガス圧においても、開栓後のガス圧減損率が抑制されたことがわかる。
表4より、炭酸飲料が難消化デキストリンを含む場合においても、100億個/Lの有用細菌の死菌を含み、開栓前ガス圧が0.05MPa以上0.5MPa以下の炭酸飲料サンプルである試験区15において、開栓後のガス圧減損率が抑制されたことがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明によれば、ガス抜けが抑止された容器詰炭酸飲料を提供することができる。