(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-01-15
(45)【発行日】2026-01-23
(54)【発明の名称】嚥下困難者用容器詰め雑炊及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 7/10 20160101AFI20260116BHJP
A23B 2/00 20250101ALI20260116BHJP
【FI】
A23L7/10 B
A23B2/00 101A
(21)【出願番号】P 2025002419
(22)【出願日】2025-01-07
【審査請求日】2025-01-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001421
【氏名又は名称】キユーピー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【氏名又は名称】小島 一真
(72)【発明者】
【氏名】酒巻 麻衣
(72)【発明者】
【氏名】吉見 倫子
(72)【発明者】
【氏名】桑江 智美
【審査官】山村 周平
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-216891(JP,A)
【文献】特開2003-169625(JP,A)
【文献】特開2021-101696(JP,A)
【文献】国際公開第2012/114995(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 7/00-7/25
A23B 2/00-2/97
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
米飯、食塩、乳化剤、食用油脂、及び水を含む、嚥下困難者用容器詰め雑炊であって、
前記雑炊中の食塩相当量が、0.2質量%以上2.0質量%以下であり、
前記食用油脂の含有量が、前記米飯の生米換算1質量部に対して、0.10質量部以上1.35質量部以下であり、
前記乳化剤が、乳化性澱粉及び卵黄からなる群から選択される少なくとも1種を含み、
前記雑炊中の前記食用油脂が、水中油滴型に乳化された乳化粒子として存在していることを特徴とする、容器詰め雑
炊。
【請求項2】
前記乳化剤の含有量が、前記雑炊の全量に対して0.1質量%以上5.0質量%以下であることを特徴とする、
請求項1に記載の容器詰め雑炊。
【請求項3】
前記食用油脂の含有量が、前記雑炊の全量に対して1.0質量%以上13質量%以下であることを特徴とする、
請求項1に記載の容器詰め雑炊。
【請求項4】
前記食用油脂の含有量の、前記乳化剤の含有量に対する質量比が、1.0以上50以下であることを特徴とする、
請求項1に記載の容器詰め雑炊。
【請求項5】
前記米飯の含有量が、生米換算で、前記雑炊の全量に対して5.0質量%以上20質量%以下であることを特徴とする、
請求項1に記載の容器詰め雑炊。
【請求項6】
前記雑炊のカロリーが、50kcal/100g以上200kcal/100g以下であることを特徴とする、
請求項1に記載の容器詰め雑炊。
【請求項7】
前記雑炊の20℃における粘度が、1500mPa・s以上100000mPa・s以下であることを特徴とする、
請求項1に記載の容器詰め雑炊。
【請求項8】
前記雑炊の20℃における硬さが、1.0×10
4N/m
2以下であることを特徴とする、
請求項1に記載の容器詰め雑炊。
【請求項9】
前記雑炊の20℃における付着性が、100J/m
3以上1000J/m
3以下であることを特徴とする、
請求項1に記載の容器詰め雑炊。
【請求項10】
前記雑炊の23℃におけるボストウィック粘度が、6.5cm以下であることを特徴とする、
請求項1に記載の容器詰め雑炊。
【請求項11】
前記雑炊の液状部が、ゾル状態であることを特徴とする、
請求項1に記載の容器詰め雑炊。
【請求項12】
米飯、食塩、乳化剤、食用油脂、及び水を含む嚥下困難者用容器詰め雑炊の製造方法であって、
少なくとも、前記乳化剤、前記食用油脂、及び前記水を混合して、前記食用油脂が水中油滴型に乳化された乳化粒子を形成する工程と、
少なくとも、生米及び前記乳化粒子を混合して、雑炊原料を準備する工程と、
前記雑炊原料を容器に充填し、かつ、炊飯する工程と、
を含み、
前記雑炊中の食塩相当量が、0.2質量%以上2.0質量%以下であり、
前記食用油脂の含有量が、前記米飯の生米換算1質量部に対して、0.10質量部以上1.35質量部以下であり、
前記乳化剤が、乳化性澱粉及び卵黄からなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、
容器詰め雑炊の製造方法。
【請求項13】
前記乳化粒子の体積平均粒子径が、10.0μm以上70.0μm以下であることを特徴とする、
請求項12に記載の容器詰め雑炊の製造方法。
【請求項14】
前記乳化剤の含有量が、前記雑炊の全量に対して0.1質量%以上5.0質量%以下であることを特徴とする、
請求項12に記載の容器詰め雑炊の製造方法。
【請求項15】
前記食用油脂の含有量が、前記雑炊の全量に対して1.0質量%以上13質量%以下であることを特徴とする、
請求項12に記載の容器詰め雑炊の製造方法。
【請求項16】
前記食用油脂の含有量の、前記乳化剤の含有量に対する質量比が、1.0以上50以下であることを特徴とする、
請求項12に記載の容器詰め雑炊の製造方法。
【請求項17】
前記米飯の含有量が、生米換算で、前記雑炊の全量に対して5.0質量%以上20質量%以下であることを特徴とする、
請求項12に記載の容器詰め雑炊の製造方法。
【請求項18】
前記雑炊のカロリーが、50kcal/100g以上200kcal/100g以下であることを特徴とする、
請求項12に記載の容器詰め雑炊の製造方法。
【請求項19】
前記雑炊の20℃における粘度が、1500mPa・s以上100000mPa・s以下であることを特徴とする、
請求項12に記載の容器詰め雑炊の製造方法。
【請求項20】
前記雑炊の20℃における硬さが、1.0×10
4N/m
2以下であることを特徴とする、
請求項12に記載の容器詰め雑炊の製造方法。
【請求項21】
前記雑炊の20℃における付着性が、100J/m
3以上1000J/m
3以下であることを特徴とする、
請求項12に記載の容器詰め雑炊の製造方法。
【請求項22】
前記雑炊の23℃におけるボストウィック粘度が、6.5cm以下であることを特徴とする、
請求項12に記載の容器詰め雑炊の製造方法。
【請求項23】
前記雑炊の液状部が、ゾル状態であることを特徴とする、
請求項12に記載の容器詰め雑炊の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、嚥下困難者用容器詰め雑炊に関する。また、本発明は、嚥下困難者用容器詰め雑炊の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、高齢者の人口の増加に伴い、食物を飲み込む身体的機能が低下した嚥下困難者の人口も増加する傾向にある。また、高齢者にとって食べることは楽しみの一つである。しかし、嚥下困難者は、食品の粘性によっては嚥下時に誤って気管に食物が入る誤嚥が生じ易く、誤嚥性肺炎を起こす恐れがある。そのため、嚥下困難者が食事を安全にかつ、健常者と同じように美味しく楽しむことができるように、また、十分な栄養を摂取できることが求められている。
【0003】
嚥下困難者用の食品としては、通常の食事に近いものを食したいという要望から、大きな具材を配合でき、具材も米粒もやわらかい食感であるおじやが人気を博している。例えば、特許文献1では、全体のかたさが1×103N/m2以上5×105N/m2以下であるレトルトおじやであって、エステル化度1%以上25%以下であるペクチンを0.02質量%以上0.5質量%以下含有し、食塩相当濃度が0.5質量%以上である、レトルトおじやが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載のレトルトおじやは、また、風味(特に、塩味)や外観(特に、液状部の食用油脂による濁り)の点で改善の余地があった。さらに、雑炊を美味しく喫食するためには、米飯の外観(膨潤状態)も良好にする必要があった。そのため、本発明の目的は、風味および外観に優れた雑炊を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、驚くべきことに、嚥下困難者用の雑炊の製造において特定の原料を配合することによって、かつ、食用油脂を特定の乳化状態とすることによって、上記課題を解決できることを知見した。本発明者等は、当該知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1] 米飯、食塩、乳化剤、食用油脂、及び水を含む、嚥下困難者用容器詰め雑炊であって、
前記雑炊中の食塩相当量が、0.2質量%以上2.0質量%以下であり、
前記食用油脂の含有量が、前記飯米の生米換算1質量部に対して、0.10質量部以上1.35質量部以下であり、
前記雑炊中の前記食用油脂が、水中油滴型に乳化された乳化粒子として存在していることを特徴とする、容器詰め雑炊。
[2] 前記乳化剤が、乳化性澱粉、卵黄、及び合成乳化剤からなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、
[1]に記載の容器詰め雑炊。
[3] 前記乳化剤の含有量が、前記雑炊の全量に対して0.1質量%以上5.0質量%以下であることを特徴とする、
[1]または[2]に記載の容器詰め雑炊。
[4] 前記食用油脂の含有量が、前記雑炊の全量に対して1.0質量%以上13質量%以下であることを特徴とする、
[1]~[3]のいずれかに記載の容器詰め雑炊。
[5] 前記食用油脂の含有量の、前記乳化剤の含有量に対する質量比が、1.0以上50以下であることを特徴とする、
[1]~[4]のいずれかに記載の容器詰め雑炊。
[6] 前記米飯の含有量が、生米換算で、前記雑炊の全量に対して5.0質量%以上20質量%以下であることを特徴とする、
[1]~[5]のいずれかに記載の容器詰め雑炊。
[7] 前記雑炊のカロリーが、50kcal/100g以上200kcal/100g以下であることを特徴とする、
[1]~[6]のいずれかに記載の容器詰め雑炊。
[8] 前記雑炊の20℃における粘度が、1500mPa・s以上100000mPa・s以下であることを特徴とする、
[1]~[7]のいずれかに記載の容器詰め雑炊。
[9] 前記雑炊の20℃における硬さが、1.0×104N/m2以下であることを特徴とする、
[1]~[8]のいずれかに記載の容器詰め雑炊。
[10] 前記雑炊の20℃における付着性が、100J/m3以上1000J/m3以下であることを特徴とする、
[1]~[9]のいずれかに記載の容器詰め雑炊。
[11] 前記雑炊の23℃におけるボストウィック粘度が、6.5cm以下であることを特徴とする、
[1]~[10]のいずれかに記載の容器詰め雑炊。
[12] 前記雑炊の液状部が、ゾル状態であることを特徴とする、
[1]~[11]のいずれかに記載の容器詰め雑炊。
[13] [1]~[12]のいずれかに記載の嚥下困難者用容器詰め雑炊の製造方法であって、
少なくとも、前記乳化剤、前記食用油脂、及び前記水を混合して、前記食用油脂が水中油滴型に乳化された乳化粒子を形成する工程と、
少なくとも、生米及び前記乳化粒子を混合して、雑炊原料を準備する工程と、
前記雑炊原料を容器に充填し、かつ、炊飯する工程と、
を含む、容器詰め雑炊の製造方法。
[14] 前記乳化粒子の体積平均粒子径が、10.0μm以上70.0μm以下であることを特徴とする、
[13]に記載の容器詰め雑炊の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、風味(特に、塩味)や外観(特に、米飯の膨潤状態及び液状部の透明度)に優れた嚥下困難者用容器詰め雑炊を提供することができる。また、本発明によれば、当該嚥下困難者用容器詰め雑炊の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<容器詰め雑炊>
本発明の容器詰め雑炊は、少なくとも、米飯、食塩、乳化剤、食用油脂、及び水を含むものであり、具材及びその他の原料をさらに含んでもよい。本発明の好ましい実施形態においては雑炊の液状部はゾル状態であることが好ましく、雑炊を嚥下困難者用として好適に用いることができる。また、本発明の容器詰め雑炊はレトルト容器詰め雑炊であることが好ましい。
【0010】
(雑炊のカロリー)
雑炊のカロリーは、十分な栄養を摂取できる観点から、好ましくは50kcal/100g以上200kcal/100g以下であり、下限値がより好ましくは60kcal/100g以上であり、さらに好ましくは70kcal/100g以上であり、最も好ましくは100kcal/100g以上であり、また、上限値が180kcal/100g以下であってもよく、160kcal/100g以下であってもよく、150kcal/100g以下であってもよい。なお、カロリーは、雑炊100gを基準とする値である。
【0011】
(硬さ・付着性)
雑炊の20℃における硬さは、上限値が好ましくは1×104N/m2以下であり、より好ましくは8.0×103N/m2以下であり、さらに好ましくは6.0×103N/m2以下であり、さらにより好ましくは4.0×103N/m2以下であり、また、下限値は好ましくは1.0×103N/m2以上であり、より好ましくは1.2×103N/m2以上であり、さらに好ましくは1.5×103N/m2以上である。
雑炊の20℃における付着性は、好ましくは100J/m3以上1000J/m3以下であり、下限値がより好ましくは200J/m3以上であり、さらに好ましくは300J/m3以上であり、また、上限値がより好ましくは900J/m3以下であり、さらに好ましくは800J/m3以下である。
雑炊の硬さ及び付着性が上記数値範囲内であれば、嚥下困難者用として好適であり、日本介護食品協議会の「ユニバーザルデザインフード(UDF)」の「区分:舌でつぶせる」に該当する雑炊が得られる。
なお、雑炊の硬さ及び付着性は、品温20℃±2℃、測定機器(例えば、クリープメータ、株式会社山電製、型番RE2-33005C)を用いて、プランジャー直径20mm、圧縮速度は10mm/s、クリアランスは試料の厚さの30%、圧縮回数2回で、各試料を3回以上測定した平均値である。
【0012】
(雑炊の粘度)
雑炊の粘度は、好ましくは1500mPa・s以上100000mPa・s以下であり、下限値がより好ましくは3000mPa・s以上であり、さらに好ましくは5000mPa・s以上であり、さらにより好ましくは7000mPa・s以上であり、最も好ましくは9000mPa・s以上であり、また、上限値がより好ましくは80000mPa・s以下であり、さらに好ましくは70000mPa・s以下であり、さらにより好ましくは60000Pa・sm以下であり、最も好ましくは50000mPa・s以下である。雑炊の粘度が上記数値範囲内であれば、嚥下困難者用として好適である。
なお、雑炊の粘度は、BM型粘度計を用いて、品温20℃、粘度が50000mPa・s以下の場合には、回転数12rpmの条件でローターNo.4を使用し、また、粘度が50000mPa・s超の場合には、回転数6rpmの条件でローターNo.4を使用し、測定開始2分後の示度により算出した値である。
【0013】
(雑炊の液状部のボストウィック粘度)
雑炊の液状部のボストウィック粘度は、上限値が好ましくは6.5cm以下であり、より好ましくは6.0cm以下であり、さらに好ましくは5.5cm以下であり、さらにより好ましくは5.0cm以下であり、また、下限値が好ましくは1.0cm以上であり、より好ましくは1.5cm以上であり、さらに好ましくは2.0cm以上であり、さらにより好ましくは2.5cm以上である。雑炊の液状部のボストウィック粘度が上記数値範囲内であれば、雑炊の液状部が好適なゾル状態となり、嚥下困難者用として好適である。
なお、雑炊の液状部のボストウィック粘度は、品温23℃で下記の測定方法により測定した値である。
測定方法:袋内で雑炊の液状部と米飯を均一にした後、容器に擦り切れる程度の量(100g位)を入れた後で、仕切り坂をはね上げてから30秒後の液状部の流出先端までの距離(cm)を測定した。この距離をボストウィック粘度として採用する。
【0014】
(雑炊の水分含有量)
雑炊の水分含有量は、特に限定されず、各成分の配合量に応じて適宜、調節することができる。雑炊の水分含有量は、下限値が好ましくは30質量%以上であり、より好ましくは35質量%以上であり、さらに好ましくは40質量%以上であり、また、上限値が好ましくは70質量%以下であり、より好ましくは65質量%以下であり、さらに好ましくは60質量%以下である。
【0015】
(雑炊中の食塩相当量)
雑炊中の食塩相当量は、0.2質量%以上2.0質量%以下であり、下限値が好ましくは0.3質量%以上であり、より好ましくは0.4質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、さらにより好ましくは0.6質量%以上であり、また、上限値が好ましくは1.8質量%以下であり、より好ましくは1.7質量%以下であり、さらに好ましくは1.6質量%以下であり、さらにより好ましくは1.5質量%以下である。雑炊中の塩味相当量が上記数値範囲内であれば、風味(特に塩味)が良好で優しい味わいの雑炊が得られる。
なお、本発明において、食塩相当量とは、原料として配合した食塩量および他の原料に含まれる食塩量の合計である。食塩相当量は、例えば、モール法、原子吸光法、電位差滴定法等により、ナトリウムまたは塩化物イオンをそれぞれ基準成分として測定し、食塩含有量を塩化ナトリウム含有量として求めることができる。
【0016】
(米飯)
米飯とは、白飯や玄米を炊飯して得た米飯だけでなく、白米と大麦とを一緒に炊飯して得た麦飯、精米したもち米を炊飯又は蒸したもの等も含まれる。
【0017】
米は、その種類や精米歩合は特に限定されない。米の種類としては、例えば、ジャポニカ米、インディカ米、ジャバニカ米等を用いることができる。また、精米歩合の異なる米としては、分搗き米、精白米、無洗米等を用いることができる。
【0018】
米飯の含有量は、生米換算で、雑炊の全量に対して好ましくは5.0質量%以上20質量%以下であり、下限値がより好ましくは6.0質量%以上であり、さらに好ましくは7.0質量%以上であり、また、上限値がより好ましくは17質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以下である。米飯の含有量は、上記数値範囲内であれば、雑炊として良好な食感及び風味が得られ易い。
【0019】
(食用油脂)
食用油脂は、特に限定されず、従来公知の食用油脂を用いることができる。食用油脂としては、例えば、菜種油、大豆油、パーム油、綿実油、コーン油、ひまわり油、サフラワー油、胡麻油、オリーブ油、亜麻仁油、米油、椿油、荏胡麻油、グレープシードオイル、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、アボカドオイル等の植物油脂、魚油、牛脂、豚脂、鶏脂、又はMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油等のような化学的あるいは酵素的処理等を施して得られる油脂等を挙げることができる。これらの食用油脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0020】
食用油脂の含有量は、飯米の生米換算1質量部に対して、0.10質量部以上1.35質量部以下であり、下限値が好ましくは0.15質量部以上であり、より好ましくは0.20質量部以上であり、また、上限値が好ましくは1.30質量部以下であり、より好ましくは1.25質量部以下である。
食用油脂の含有量は、雑炊の全量に対して、好ましくは1.0質量%以上13質量%以下であり、下限値が好ましくは1.5質量%以上であり、より好ましくは2.0質量%以上であり、また、上限値が好ましくは12質量%以下であり、より好ましくは11質量%以下である。
食用油脂の含有量の、乳化剤の含有量に対する質量比は、好ましくは1.0以上50以下であり、下限値がより好ましくは1.5質量部以上であり、より好ましくは2.0質量部以上であり、また、上限値が好ましくは40質量部以下であり、より好ましくは30質量部以下である。
食用油脂の含有量が上記数値範囲内であれば、食用油脂が水中油滴型に乳化された乳化粒子として雑炊中に存在することで、風味(特に、塩味)や外観(特に、米飯の膨潤状態及び液状部の透明度)に優れた雑炊が得られる。
【0021】
(乳化剤)
乳化剤としては、特に限定されず、食品用として一般的に使用される従来公知の乳化剤を用いることができる。乳化剤としては、例えば、卵黄、乳化性澱粉、及び合成乳化剤等が挙げられる。これらの中でも卵黄及び乳化性澱粉が好ましく、乳化性澱粉がより好ましい。これらの乳化剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0022】
(卵黄)
卵黄としては、例えば、液卵黄や生卵黄、当該液卵黄や生卵黄に殺菌処理、冷凍処理、スプレードライ又はフリーズドライ等の乾燥処理、ホスホリパーゼA処理卵黄のようなホスホリパーゼA1またはホスホリパーゼA2による酵素処理、酵母又はグルコースオキシダーゼ等による脱糖処理、超臨界二酸化炭素処理等の脱コレステロール処理、食塩又は糖質等の混合処理等の1種又は2種以上の処理を施したもの等が挙げられる。これらの中でも酵素処理卵黄を用いることが好ましい。なお、具材として鶏卵等の卵類を使用する場合には、具材中の卵黄は乳化剤には含まれない。
【0023】
(乳化性澱粉)
乳化性澱粉としては、乳化能を有する加工澱粉を用いることができる。乳化性澱粉としては、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉コーンスターチ(例えば、スイートコーン由来、デントコーン由来、ワキシーコーン由来のコーンスターチ)、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、甘藷澱粉、小麦澱粉、及び米澱粉等の澱粉に乳化能を持たせる加工処理等を行ったものが挙げられる。例えば、乳化性澱粉としては、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム等のアルケニルコハク酸澱粉等が挙げられる。これらの乳化性澱粉は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0024】
(合成乳化剤)
合成乳化剤としては、卵黄レシチン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、及びソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの合成乳化剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。合成乳化剤のHLB値は特に限定されないが、乳化作用の観点から、好ましくは1.0以上3.0未満又は8.0超18以下であり、より好ましくは9.0以上15以下である。
【0025】
乳化剤の含有量は、雑炊の全量に対して、好ましくは0.1質量%以上5.0質量%以下であり、下限値がより好ましくは0.2質量%以上であり、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、また、上限値がより好ましくは4.0質量%以下であり、さらに好ましくは3.0質量%以下である。乳化剤の含有量が上記範囲内であれば、乳化粒子の体積平均粒子径を所望の範囲内に調節し易く、雑炊の液状部の透明感が向上し、外観がより優れたものとなる。
【0026】
(具材)
雑炊に用いる具材は、従来公知の具材を用いることができる。具材としては、植物性の具材及び動物性の具材のいずれでも用いることができる。植物性の具材としては、たまねぎ、ネギ、生姜、にんじん、大根、牛蒡、筍、キャベツ、白菜、セロリ、アスパラガス、ほうれん草、小松菜、青梗菜、トマト、にんにく等の野菜、ジャガイモ、薩摩芋、里芋等の芋類、大豆、小豆、蚕豆、エンドウ豆等の豆類、麦、稗、粟等の穀類、リンゴ、モモ、パイナップル、ゆず等の果実類、椎茸、シメジ、エノキ、ナメコ、松茸等のきのこ類、若布、昆布、ひじき等の海藻等を挙げることができる。また、動物性の具材としては、牛肉、豚肉、鳥肉、羊肉、馬肉、鹿肉、猪肉、山羊肉、兎肉、鯨肉、それらの内臓等の肉類や、鯵、鮎、鰯、鰹、鮭、鯖、鮪等の魚類、鮑、牡蠣、帆立、蛤等の貝類、エビ、カニ、イカ、タコ、ナマコ等の魚介類、鶏卵等の卵類を挙げることができる。これらの具材は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの具材の形状、硬さ、及びサイズは、嚥下困難者用として適切であれば、特に限定されない。
【0027】
(他の原料)
雑炊には、上述した原料以外に、本発明の効果を損なわない範囲で雑炊に通常用いられている各種原料を適宜選択し、配合してもよい。例えば、醤油、グルタミン酸ナトリウム、みりん等の調味料、ぶどう糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、オリゴ糖、トレハロース等の糖類、有機酸や果汁等の酸材、からし粉、山葵、梅干し、胡椒等の香辛料、アスコルビン酸、ビタミンE等の酸化防止剤、静菌剤等が挙げられる。
【0028】
(容器)
雑炊を充填する容器は、材質や形状等は特に制限されず、例えば、従来公知のレトルト食品用の容器を用いることができる。容器としては、例えば、ポリエチレン製、ポリプロピレン製、及びビニル製等の軟質容器等が挙げられる。また、これらの容器の形状としては、例えば、パウチ状、円筒状、ボトル状等が挙げられる。
【0029】
<容器詰め雑炊の製造方法>
本発明の容器詰め雑炊の製造方法は、食用油脂の乳化粒子の形成工程と、雑炊原料の準備工程と、雑炊原料の容器への充填及び炊飯工程とを含むものである。以下、各工程について詳細に説明する。
【0030】
(乳化粒子の形成工程)
当該形成工程は、少なくとも、乳化剤、食用油脂、及び水を混合して、食用油脂が水中油滴型に乳化された乳化粒子を形成する工程である。乳化剤、食用油脂及び水以外にも、調味料等の他の原料の少なくとも一部を配合してもよい。各原料の詳細については上記で説明した通りである。
【0031】
当該形成工程で得られる乳化粒子の体積平均粒子径は、好ましくは10.0μm以上70.0μm以下であり、下限値がより好ましくは12.0μm以上であり、さらに好ましくは15.0μm以上であり、さらにより好ましくは18.0μm以上であり、また、上限値がより好ましくは60.0μm以下であり、さらに好ましくは50.0μm以下であり、さらにより好ましくは40.0μm以下、最も好ましくは40.0μm未満である。乳化粒子の体積平均粒子径が上記数値範囲内であれば、雑炊の液状部の透明感が向上し、外観がより優れたものとなる。
乳化粒子の体積平均粒子径は、下記の測定手順及び測定条件により測定することができる。
(測定手順)
レーザー回折式粒度分布測定装置に試料液を数滴滴下し、下記の測定条件で測定を行う。
(測定条件)
・測定機器:レーザー回折式粒度分布測定装置(日機装株式会社製、MicrotracMT3300EXII)
・測定基準:体積
・分析条件:非球形、屈折率1.6
・粒子径測定範囲:0.021μm以上2000μm以下
・粒子径区分:132ch
・温度:20℃
【0032】
(雑炊原料の準備工程)
当該準備工程は、少なくとも、生米及び乳化粒子を混合して、雑炊原料を準備する工程である。生米及び乳化粒子以外にも、具材や調味料等の他の原料の少なくとも一部を配合してもよい。各原料の詳細については上記で説明した通りである。
【0033】
(雑炊原料の容器への充填及び炊飯工程)
当該充填及び炊飯工程は、雑炊原料を容器に充填し、かつ、炊飯する工程である。雑炊原料の容器への充填と炊飯は、別々に行ってもよいし、同時に行ってもよい。
例えば、雑炊原料をレトルトパウチ等の軟質容器に充填した後、レトルト殺菌処理(120℃で4分相当以上の加熱加圧殺菌)によって炊飯を行ってもよい。
また、雑炊原料を炊飯した後に、軟質容器への充填を行ってもよい。炊飯の加熱温度と加熱時間は、米の芯がなくなり、嚥下困難者用に柔らかくなるまで加熱されれば特に限定されない。例えば、加熱温度は好ましくは60℃以上100℃以下であり、より好ましくは70℃以上95℃以下であり、加熱時間は好ましくは10分以上80分以下であり、より好ましくは20分以上70分以下である。
あるいは、雑炊原料を軟質容器への充填中に加熱して、炊飯してもよい。
本発明の好ましい実施形態においては、上記の中でも、雑炊原料をレトルトパウチ等の軟質容器に充填した後、レトルト殺菌処理によって炊飯を行うことが最も好ましい。
【0034】
(製造装置)
雑炊の製造には、通常の食品の製造に使われる装置を用いることができる。このような装置としては、例えば、一般的な撹拌機、ニーダー、スーパーミキサー、ファインミキサー、スティックミキサー、スタンドミキサー、ホモミキサー等が挙げられる。撹拌機の撹拌羽形状としては、例えばプロペラ翼、タービン翼、パドル翼、アンカー翼等が挙げられる。
【実施例】
【0035】
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例の内容に限定して解釈されるものではない。
【0036】
<容器詰め雑炊の製造例>
[実施例1]
表1に記載の配合割合に準じ、容器詰め雑炊を製造した。具体的には、まず、食用油脂(菜種油)、乳化剤A(オクテニルコハク酸澱粉Na)、及び清水を混合し、食用油脂が水中油滴型に乳化された乳化粒子を形成した。次に、乳化粒子、生米、食塩、鮭フレーク、カツオエキス、醤油、澱粉、にんじん(6mmダイス)、及び清水を混合した後、撹拌しながら90℃までに加熱した。続いて、液全卵を加え、これを加熱凝固させた。その後、雑炊原料を容器(パウチ)に充填し、レトルト殺菌処理(120℃で30分)によって米を炊飯し、容器詰め雑炊を製造した。
【0037】
[実施例2]
食用油脂の配合量を5.0質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして容器詰め雑炊を製造した。
【0038】
[実施例3]
食用油脂の配合量を10質量%に変更し、かつ、生米の配合量を8.0質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして容器詰め雑炊を製造した。
【0039】
[実施例4]
食用油脂の配合量を5.0質量%に変更し、かつ、食塩の配合量を1.0質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして容器詰め雑炊を製造した。
【0040】
[実施例5]
食用油脂の配合量を10質量%に変更し、かつ、乳化剤Aの配合量を0.5質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして容器詰め雑炊を製造した。
【0041】
[実施例6]
食用油脂の配合量を5.0質量%に変更し、かつ、乳化剤Aの配合量を2.0質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして容器詰め雑炊を製造した。
【0042】
[実施例7]
食用油脂の配合量を5.0質量%に変更し、かつ、乳化剤Aの代わりに乳化剤B(酵素処理卵黄)を0.5質量%配合した以外は、実施例1と同様にして容器詰め雑炊を製造した。
【0043】
[実施例8]
食用油脂の配合量を5.0質量%に変更し、かつ、乳化剤Aの代わりに乳化剤C(ショ糖脂肪酸エステル、HLB値13)を0.5質量%配合した以外は、実施例1と同様にして容器詰め雑炊を製造した。
【0044】
[比較例1]
食用油脂を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして容器詰め雑炊を製造した。
【0045】
[比較例2]
食用油脂の配合量を15質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして容器詰め雑炊を製造した。
【0046】
[比較例3]
食用油脂の配合量を5.0質量%に変更し、かつ、乳化剤Aを配合しなかった以外は、実施例1と同様にして容器詰め雑炊を製造した。
【0047】
[比較例4]
食用油脂を配合せず、かつ、食塩の配合量を1.0質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして容器詰め雑炊を製造した。
【0048】
実施例1~8及び比較例1~4の雑炊について、各原料の配合割合を表1及び2に示した。
【0049】
【0050】
【0051】
<容器詰め雑炊の評価>
(成分分析)
上記で得られた雑炊中の各成分(タンパク質、脂質、炭水化物、及び有機酸)の含有量を下記の分析方法により測定した。
(分析方法)
・タンパク質:燃焼法、タンパク質換算係数6.25
・脂質:ソックスレー抽出法
・炭水化物:食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)による計算式:100-(水分+タンパク質+脂質+灰分+酢酸)
・有機酸:滴定酸度(酢酸換算)
【0052】
(カロリーの算出)
上記で得られた雑炊のカロリー(kcal/100g)は、上記の成分分析の測定結果を基にして、以下の各成分のエネルギー換算係数(各成分1g当たりのカロリー(kcal/g))を用いて算出した。算出結果を表1および2に示した。
(エネルギー換算係数)
タンパク質:4、脂質:9、炭水化物:4、有機酸:3
なお、上記に定めのないものについては、日本食品成分表2015年版(七訂)に記載の係数に従う。
【0053】
(雑炊の硬さおよび付着性の測定)
上記で得られた雑炊の20℃±2℃における硬さ(N/m2)および付着性(J/m3)について、クリープメータ(株式会社山電製、型番RE2-33005C)を用いて、日本介護食品協議会の「ユニバーザルデザインフード(UDF)」の自主規格に従って行った。すなわち、プランジャーは直径20mm、圧縮速度は10mm/s、クリアランスは試料の厚さの30%、圧縮回数2回で、各試料を3回または5回測定して、それらの平均値を採用した。測定結果を表3及び表4に示した。
【0054】
(乳化粒子の体積平均粒子径の測定)
上記の製造過程で得られた食用油脂が水中油滴型に乳化された乳化粒子の体積平均粒子径について、下記の測定手順及び測定条件により測定した。測定結果を表3及び表4に示した。
【0055】
(測定手順)
レーザー回折式粒度分布測定装置に試料液を数滴滴下し、下記の測定条件で測定を行う。
(測定条件)
・測定機器:レーザー回折式粒度分布測定装置(日機装株式会社製、MicrotracMT3300EXII)
・測定基準:体積
・分析条件:非球形、屈折率1.6
・粒子径測定範囲:0.021μm以上2000μm以下
・粒子径区分:132ch
・温度:20℃
【0056】
(粘度測定)
上記で得られた雑炊の粘度について、BM形粘度計を使用し、品温20℃、回転数12rpmの条件で、ローターNo.4を使用し、測定開始2分後の示度により算出した。測定結果を表3及び4に示した。
【0057】
(ボストウィック粘度測定)
上記で得られた雑炊の液状部の粘度について、ボストウィック粘度計を使用し、品温23℃で下記の測定方法により測定した。測定結果を表3及び表4に示した。
測定方法:袋内で雑炊の液状部と米飯を均一にした後、容器に擦り切れる程度の量(100g位)を入れた後で、仕切り坂をはね上げてから30秒後の液状部の流出先端までの距離(cm)を測定した。この距離をボストウィック粘度として採用した。
なお、ボストウィック粘度の値(cm)は、数値が小さいほど流動性が低く、まとまり感があることを意味し、6.5cm以下であれば合格である。
【0058】
(風味・外観評価)
上記で得られた雑炊の風味及び外観を、複数名の訓練されたパネルによって、下記の評価基準(1点~5点)によって0.1点刻みで41段階(1.0点~5.0点)で、風味(塩味)、外観1(目視と食感による米の膨潤状態)及び外観2(目視による液状部の透明感)の各項目で評価した。評価結果を表3及び4に示した。風味、外観1及び外観2の評価点が全て3.0点以上であれば、良好な結果であると言える。
[評価基準]
(風味:塩味)
5点:塩味が立ち過ぎず、大変好ましい優しい味わいであった。
4点:塩味が立ち過ぎず、十分に優しい味わいであった。
3点:塩味が立ち過ぎず、優しい味わいであった。
2点:やや塩味が立ち、味わいが悪かった。
1点:塩味が立ち、味わいが悪かった。
(外観1:目視と食感による米の膨潤状態)
5点:米飯が大変好ましい状態に膨潤していた。
4点:米飯が十分に膨潤していた。
3点:米飯が膨潤していた。
2点:米飯があまり膨潤していなかった。
1点:米飯が膨潤していなかった。
(外観2:目視による液状部の透明感)
5点:雑炊の液状部に大変好ましい透明感があった。
4点:雑炊の液状部に十分に透明感があった。
3点:雑炊の液状部に透明感があった。
2点:雑炊の液状部にやや透明感が無かった。
1点:雑炊の液状部に透明感が無かった。
【0059】
上記の通り、実施例1~8の雑炊はいずれも、風味(塩味)、外観1(目視と食感による米の膨潤状態)及び外観2(目視による液状部の透明感)の各項目で良好であった。また、実施例1~8の雑炊の液状部はゾル状態であり、嚥下困難者用として好適な硬さ及び付着性を有していた。
一方、比較例1の雑炊は、食用油脂を配合せず、食用油脂の乳化粒子が存在しなかったため、塩味が立ち過ぎて、風味が悪かった。
比較例2の雑炊は、食用油脂の配合量が多すぎて、雑炊の液状部に透明感が無く、濁っており、外観が悪かった。
比較例3の雑炊は、乳化剤を配合せず、食用油脂の乳化粒子が存在しなかったため、塩味が立ち過ぎて、風味が悪かった。
比較例4の雑炊は、食塩相当量が多く、また、食用油脂を配合せず、食用油脂の乳化粒子が存在しなかったため、塩味が立ち過ぎて、風味が悪かった。
【0060】
【0061】
【要約】
【課題】風味および外観に優れた嚥下困難者用容器詰め雑炊の提供。
【解決手段】本発明は、容器詰め雑炊であって、米飯、食塩、乳化剤、食用油脂、及び水を含む、嚥下困難者用容器詰め雑炊であって、
前記雑炊中の食塩相当量が、0.2質量%以上2.0質量%以下であり、
前記食用油脂の含有量が、前記飯米の生米換算1質量部に対して、0.10質量部以上1.35質量部以下であり、
前記雑炊中の前記食用油脂が、水中油滴型に乳化された乳化粒子として存在していることを特徴とする。
【選択図】なし