(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-01-20
(45)【発行日】2026-01-28
(54)【発明の名称】ログインシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/35 20130101AFI20260121BHJP
【FI】
G06F21/35
(21)【出願番号】P 2025165174
(22)【出願日】2025-10-01
【審査請求日】2025-11-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】澤田 英明
【審査官】▲柳▼谷 侑
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-132278(JP,A)
【文献】特開2006-114018(JP,A)
【文献】特開2005-284512(JP,A)
【文献】特開2007-31997(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/00
G06F 21/30 - 21/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ1又は複数の装置を有する複数の生産ラインによって薬品又は食品の生産を行う製造設備に適用されるとともに、前記装置に対するログインに係る処理を行うログインシステムであって、
ユーザごとに、該ユーザの生体情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、
ユーザの生体情報を書込可能な生体情報記憶手段を有する、持ち運び可能なIDタグと、
前記生産ラインが設置される生産エリアの外に位置する外部エリアに設置されるとともに、ユーザから該ユーザの生体情報を読取可能な生体情報読取手段と、該生体情報読取手段により読取られた生体情報を前記IDタグにおける前記生体情報記憶手段に書込可能な生体情報書込手段とを有し、前記生体情報記憶手段に生体情報が記憶された前記IDタグを発行可能な生体情報IDタグ発行手段と、
前記装置ごとに設けられ、前記IDタグから、該IDタグの前記生体情報記憶手段に記憶された生体情報を読取可能な装置側読取手段と、
前記ユーザ情報記憶手段に記憶された生体情報と、前記装置側読取手段により読取られた生体情報とに基づき、前記装置に対するログインの可否を判定するログイン可否判定手段とを備えることを特徴とするログインシステム。
【請求項2】
所定の条件を満たす場合に、前記生体情報記憶手段に記憶されている生体情報を消去又は無効化する生体情報消去・無効化手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のログインシステム。
【請求項3】
前記IDタグは、前記所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段を備え、
前記生体情報消去・無効化手段は、前記IDタグに設けられており、前記判定手段により前記所定の条件を満たすと判定された場合に、前記生体情報記憶手段に記憶されている生体情報を消去又は無効化するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のログインシステム。
【請求項4】
前記生産エリアからの退出時にユーザが通過する退出口に対応して設けられ、前記IDタグを検出可能なIDタグ検出手段と、
前記IDタグ検出手段によって前記IDタグが検出された場合に、その旨を報知する報知手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載のログインシステム。
【請求項5】
前記IDタグを回収するためのタグ回収手段と、
前記タグ回収手段により回収されてない前記IDタグの有無を判定する未回収有無判定手段と、
前記未回収有無判定手段によって回収されていない前記IDタグがあると判定された場合に、その判定に係る前記IDタグの使用を制限する使用制限手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載のログインシステム。
【請求項6】
前記IDタグと、前記生体情報IDタグ発行手段により該IDタグを発行する際に生体情報の読み取りを行ったユーザとを関連付けて記憶する持ち主情報記憶手段と、
前記未回収有無判定手段によって回収されていない前記IDタグがあると判定された場合に、前記持ち主情報記憶手段に記憶されている情報に基づき、その判定に係る前記IDタグに関連付けられたユーザを特定可能なユーザ特定手段とを備えることを特徴とする請求項5に記載のログインシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置へのログインに係る処理を行うログインシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、薬品や食品などの製造工場においては、各種装置を用いて製造・検査・包装などが行われている。例えば、薬品としてのPTPシートを製造・包装する工場では、PTPシートを製造・検査するための装置(PTP機)、製造されたPTPシートを所定数ごとに積み上げる装置(集積機)、積上げられた複数のPTPシートを所定のバンドによって結束する装置(バンド機)、PTPシートの袋詰め(ピロー包装)を行う装置(ピロー機)、PTPシートの箱詰め処理を行う装置(箱詰機)などが用いられている。
【0003】
ところで、誤った設定変更を防止したり、情報を適切に管理したりする等の点から、上記装置において設定変更や情報閲覧などを行うにあたっては、装置に対するユーザのログインを必要とすることが好ましい。
【0004】
ここで、装置に対するユーザのログイン手法としては、(1)キーボードやタッチパネルなどの入力手段によってパスワードやユーザIDなどの情報を入力する手法、(2)IDカードなどに記憶されたパスワードやユーザID等の情報を所定の読取装置に読み取らせる手法、(3)虹彩や音声、顔などのユーザの生体情報を所定の生体認証装置に読み取らせる手法などが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、(1)入力手段によって情報を入力する手法では、装置に対しログインしようとする都度、情報を入力する必要がある。そのため、装置へのログインのための操作(ログイン操作)が面倒で手間のかかるものとなり、ログインに係るユーザの負担が増すおそれがある。また、パスワードやユーザIDなどを用いる手法は、生体情報を用いる手法などと比べて、セキュリティ上の安全性の点で不安がある。
【0007】
一方、(2)IDカードなどに記憶された情報を読取装置に読み取らせる手法では、(1)の手法と比べてログイン操作を比較的容易に行うことができるが、パスワードやユーザIDなどを用いるため、(1)の手法と同様に、セキュリティ上の安全性の点で不安がある。
【0008】
これに対し、(3)ユーザの生体情報を生体認証装置に読み取らせる手法では、セキュリティ上の安全性を高めることができる。しかしながら、通常、薬品や食品の製造工場において、ユーザは手袋やマスクなどを装着し、また、場合によってはメガネやゴーグルなども装着する。さらに、各種装置の稼働により比較的大きな騒音が生じる。そのため、静脈や虹彩、顔、音声などのユーザの生体情報を生体認証装置に読み取らせることが難しい。また、薬品や食品の製造工場では、1又は複数の装置を有する複数の生産ラインによって薬品又は食品の生産を行うことがあり、装置が多数設けられることがあるところ、装置ごとに生体認証装置を設けると、システムの実現に要するコストが過度に増大するおそれがある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ログイン操作の容易性やセキュリティ上の安全性を高めることができるとともに、比較的低コストで実現することが可能なログインシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0011】
手段1.それぞれ1又は複数の装置を有する複数の生産ラインによって薬品又は食品の生産を行う製造設備に適用されるとともに、前記装置に対するログインに係る処理を行うログインシステムであって、
ユーザごとに、該ユーザの生体情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、
ユーザの生体情報を書込可能な生体情報記憶手段を有する、持ち運び可能なIDタグと、
前記生産ラインが設置される生産エリアの外に位置する外部エリアに設置されるとともに、ユーザから該ユーザの生体情報を読取可能な生体情報読取手段と、該生体情報読取手段により読取られた生体情報を前記IDタグにおける前記生体情報記憶手段に書込可能な生体情報書込手段とを有し、前記生体情報記憶手段に生体情報が記憶された前記IDタグを発行可能な生体情報IDタグ発行手段と、
前記装置ごとに設けられ、前記IDタグから、該IDタグの前記生体情報記憶手段に記憶された生体情報を読取可能な装置側読取手段と、
前記ユーザ情報記憶手段に記憶された生体情報と、前記装置側読取手段により読取られた生体情報とに基づき、前記装置に対するログインの可否を判定するログイン可否判定手段とを備えることを特徴とするログインシステム。
【0012】
上記手段1によれば、IDタグに記憶された生体情報を、装置に設けられた装置側読取手段に読み取らせることで、装置にログインすることができる。従って、ユーザIDやパスワードなどを入力する手法と比べて、ログイン操作の容易性を高めることができる。また、ユーザの生体情報を用いるため、セキュリティ上の安全性を向上させることができる。さらに、ユーザの生体情報を読み取るための生体情報読取手段は生体情報IDタグ発行手段にのみ設ければよく、各装置には、IDタグに記憶された情報を読み取るための装置側読取手段(例えばリーダ装置など)を設ければ足りる。従って、比較的低コストでログインシステムを実現することができる。
【0013】
加えて、生体情報IDタグ発行手段は、生産エリア(ユーザが手袋やマスクなどを装着する必要があるエリアであって、装置の稼働に伴い比較的大きな騒音が生じ得るエリア)の外に位置する外部エリアに設置されている。従って、ユーザが手袋やマスクなどを装着する前に、騒音が比較的小さな環境下で、生体情報読取手段によりユーザの生体情報を読み取らせることができる。これにより、生体情報読取手段によって生体情報をより正確かつ容易に読み取らせることができ、ひいてはIDタグに記憶されるユーザの生体情報の正確性や、生体情報読取手段による生体情報の読取に係るユーザの利便性を高めることが可能となる。
【0014】
手段2.所定の条件を満たす場合に、前記生体情報記憶手段に記憶されている生体情報を消去又は無効化する生体情報消去・無効化手段を備えることを特徴とする手段1に記載のログインシステム。
【0015】
上記手段2によれば、所定の条件を満たす場合に、IDタグに記憶されている生体情報が消去又は無効化される。つまり、所定の条件を満たす場合に、IDタグは、装置へのログインに利用することができない状態になる。従って、IDタグの紛失や盗難などが生じたとしても、そのIDタグが不正利用されることをより確実に防止できる。これにより、セキュリティ上の安全性を一層高めることができる。
【0016】
尚、所定の条件としては、生体情報が記憶されてからの経過時間が予め設定された時間以上となったこと、時刻がサーバ等に記憶されている消去・無効化予定時刻(例えば勤務終了時刻)になったこと、IDタグがユーザの体から離れたこと、IDタグがユーザの腕に巻くバンドを有する場合において該バンドの広がりが検知されたこと、生産エリアからIDタグが出たこと、所定のタグ回収手段にIDタグが入れられたこと等を挙げることができる。
【0017】
また、ユーザの権限をユーザごとに記憶する権限記憶手段と、所定の条件として、前記権限記憶手段に記憶されたユーザの権限に応じた条件を設定可能な権限対応条件設定手段とを備えることとしてもよい。この場合には、ユーザの権限に応じて、生体情報を消去又は無効化する条件を変えることができる。これにより、ユーザの権限に応じたIDタグのより適切な管理を行うことができる。
【0018】
手段3.前記IDタグは、前記所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段を備え、
前記生体情報消去・無効化手段は、前記IDタグに設けられており、前記判定手段により前記所定の条件を満たすと判定された場合に、前記生体情報記憶手段に記憶されている生体情報を消去又は無効化するように構成されていることを特徴とする手段2に記載のログインシステム。
【0019】
上記手段3によれば、IDタグ単体で、生体情報の消去又は無効化を行うことができる。従って、セキュリティ上の安全性の更なる向上を図ることができる。
【0020】
手段4.前記生産エリアからの退出時にユーザが通過する退出口に対応して設けられ、前記IDタグを検出可能なIDタグ検出手段と、
前記IDタグ検出手段によって前記IDタグが検出された場合に、その旨を報知する報知手段とを備えることを特徴とする手段1に記載のログインシステム。
【0021】
上記手段4によれば、外部(例えば生産エリア外)へとIDタグが持ち出されてしまうことをより確実に防止できる。これにより、セキュリティ上の安全性をより一層高めることができる。
【0022】
手段5.前記IDタグを回収するためのタグ回収手段と、
前記タグ回収手段により回収されてない前記IDタグの有無を判定する未回収有無判定手段と、
前記未回収有無判定手段によって回収されていない前記IDタグがあると判定された場合に、その判定に係る前記IDタグの使用を制限する使用制限手段とを備えることを特徴とする手段1に記載のログインシステム。
【0023】
上記手段5によれば、回収されていないIDタグ、つまり、外部に持ち出されたおそれのあるIDタグの使用を制限する(例えば、使用不可とする)ことができる。これにより、セキュリティ上の安全性をさらに高めることができる。
【0024】
尚、未回収有無判定手段は、例えば、タグ回収手段により回収されたIDタグの固有情報(IDタグを識別するための固有情報)と、生体情報IDタグ発行手段により発行されたIDタグの固有情報とを比較することで、回収されていないIDタグの有無を判定してもよい。また、未回収有無判定手段は、例えば、上述したIDタグ検出手段によるIDタグの検出の有無に応じて、回収されていないIDタグの有無を判定してもよい。
【0025】
さらに、前記外部エリアとしての、ユーザが所定の作業服を着脱するための更衣エリアに設けられた、前記作業服を回収するための作業服回収手段と、前記作業服回収手段により回収された前記作業服に対する前記IDタグの混入有無を判定する混入有無判定手段と、前記混入有無判定手段により前記IDタグの混入があると判定された場合に、その旨を報知する混入報知手段とを備えていてもよい。この場合には、ポケットなどにIDタグを入れたままの作業服を作業服回収手段により回収したときに、IDタグが混入している旨をユーザなどに報知することができる。これにより、タグ回収手段によるIDタグの回収がより確実に行われることとなる。
【0026】
手段6.前記IDタグと、前記生体情報IDタグ発行手段により該IDタグを発行する際に生体情報の読み取りを行ったユーザとを関連付けて記憶する持ち主情報記憶手段と、
前記未回収有無判定手段によって回収されていない前記IDタグがあると判定された場合に、前記持ち主情報記憶手段に記憶されている情報に基づき、その判定に係る前記IDタグに関連付けられたユーザを特定可能なユーザ特定手段とを備えることを特徴とする手段5に記載のログインシステム。
【0027】
上記手段6によれば、IDタグが回収されていない場合、そのIDタグの持ち主であるユーザを特定することができる。従って、ユーザから未回収のIDタグを回収することが容易に可能となる。
【0028】
尚、上記各手段に係る技術事項を適宜組み合わせてもよい。従って、例えば、上記手段2に係る技術事項に対し、上記手段4~6に係る各技術事項のうちの少なくとも1つを組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】ログインシステムや製造設備の概略構成を示すブロック図である。
【
図5】生産エリアに生産ラインが設置され、更衣エリアに生体情報IDタグ発行ステーションなどが設置されることを説明するための説明図である。
【
図6】PTP機などが有するタグリーダや装置用タッチパネルを示すブロック図である。
【
図7】IDタグの機能構成を示すブロック図である。
【
図8】IDタグ回収装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図9】サーバ制御部の機能構成を示すブロック図である。
【
図10】アカウント情報記憶部に記憶されている、ユーザID等の情報の一例を示す表図である。
【
図11】アカウント情報記憶部に記憶されている、権限カテゴリなどの情報の一例を示す表図である。
【
図12】IDタグ情報記憶部に記憶されている、発行されたIDタグに係る情報の一例を示す表図である。
【
図13】装置用タッチパネルの機能構成を示すブロック図である。
【
図14】装置用タッチパネルにおけるログイン処理の流れを示すフローチャートである。
【
図15】別の実施形態におけるIDタグの機能構成を示すブロック図である。
【
図16】別の実施形態におけるサーバの機能構成を示すブロック図である。
【
図17】別の実施形態において、更衣エリアに作業服回収装置が設置されることを説明するための説明図である。
【
図18】作業服回収装置の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、ログインシステム1は、薬品の生産を行う製造設備100に適用されるものであって、該製造設備100が有する複数の装置に対するログインに係る処理を行うためのものである。ログインシステム1の説明に先立って、まず、製造設備100について説明する。
【0031】
製造設備100は、複数(例えば10本)の生産ラインLを備えており、各生産ラインLは、それぞれ「薬品」としてのPTPシートの製造及び該PTPシートの包装のための複数の装置を有している。尚、PTPシート301は、内容物305(例えば錠剤やカプセルなど)が収容されるポケット部302を有する容器フィルム303と、その容器フィルム303に対しポケット部302の開口を塞ぐようにして取着されるカバーフィルム304とを備えている(
図2,3参照)。
【0032】
本実施形態において、各生産ラインLは、それぞれ「装置」としてのPTP機101、集積機102、バンド機103、ピロー機104及び箱詰機105の全て又はこれらのうちの一部を有している。各生産ラインLは、生産エリアA1に設置されている(
図5参照)。生産エリアA1では、装置(PTP機101等)の稼働に伴い比較的大きな騒音が生じ得る。また、PTPシート301の品質管理やユーザの安全性確保などの点から、生産エリアA1に入場するユーザは所定の作業服(例えば防塵服など)や手袋、マスクなどを着用する必要がある。尚、作業服には、後述するIDタグ60を収納するためのポケットなどが設けられている。
【0033】
PTP機101は、PTPシート301を製造するための装置である。
図4に示すように、PTP機101の最上流側では、帯状の容器フィルム303が巻回されてなる原反が設けられており、ここから送り出された容器フィルム303が所定経路を通って搬送される。PTP機101は、容器フィルム303の搬送経路に沿って、上流側から順に、予熱装置101a、ポケット部形成装置101b、第一検査装置101c、充填装置101d、第二検査装置101e、シール装置101f、第三検査装置101g、スリット形成装置101h、刻印装置101j及びシート打抜装置101kを備えている。
【0034】
予熱装置101aは、容器フィルム303の予熱を行う。ポケット部形成装置101bは、所定の金型等を用いて、予熱された容器フィルム303にポケット部302を形成する。
【0035】
第一検査装置101cは、ポケット部302に内容物305を充填する前において、容器フィルム303の良否判定を行う。良否判定は、閾値(例えば、良否判定用の面積値など)や画像処理を用いて行われる。
【0036】
充填装置101dは、ポケット部302に内容物305を充填する。第二検査装置101eは、例えば内容物305が各ポケット部302に確実に充填されているか否か、内容物305の異常の有無、ポケット部302への異物混入の有無など、主として内容物305に関する良否を行う。良否判定は、第一検査装置101cと同様に、閾値(例えば、良否判定用の面積値など)や画像処理を用いて行われる。
【0037】
シール装置101fは、加熱機能を有する加熱ロール101f1と、容器フィルム303を連続搬送するフィルム受けロール101f2とを備えており、ポケット部302の開口を塞ぐようにして容器フィルム303にカバーフィルム304を取着する。より詳しくは、加熱ロール101f1へと帯状のカバーフィルム304が案内されており、両フィルム303,304が両ロール101f1,101f2間を加熱圧接状態で通過することで、容器フィルム303にカバーフィルム304が取着される。容器フィルム303にカバーフィルム304が取着されることで、内容物305が各ポケット部302に収容された帯状のPTPフィルム306が製造される。
【0038】
第三検査装置101gは、内容物305や両フィルム303,304の取着部分(シート部分)に関する良否判定を行う。良否判定は、検査装置101c,101eと同様に、閾値(例えば、良否判定用の面積値など)や画像処理を用いて行われる。
【0039】
スリット形成装置101hは、PTPフィルム306の所定位置に切離用スリットを形成する。刻印装置101jはPTPフィルム306の所定位置(例えばタグ部)に刻印を付す。尚、
図2では、切離用スリットや刻印の図示を省略している。
【0040】
シート打抜装置101kは、PTPフィルム306をPTPシート301単位にその外縁を打抜く、つまりPTPフィルム306からPTPシート301を切離す機能を有する。シート打抜装置101kによって得られたPTPシート301は、コンベア101mによって搬送され、完成品用ホッパ101nに一旦貯留される。但し、検査装置101c,101e,101gのいずれかによって不良判定がなされた場合、この不良判定に係るPTPシート301は、完成品用ホッパ101nへ送られることなく、図示しない不良シート排出機構によって別途排出される。
【0041】
一方、PTPフィルム306の打抜き後に残ったスクラップ部分は、裁断装置101pにより所定寸法に裁断された上で、スクラップ用ホッパ101qに貯留される。
【0042】
尚、予熱装置101aにおける予熱温度、ポケット部形成装置101bによりポケット部302を形成する際の圧力、閾値などの良否判定で用いられる数値、加熱ロール101f1の温度(シール温度)、両フィルム303,304を取着する際の圧力などの各種設定は、PTP機101に設けられた後述の装置用タッチパネル203によって変更することができる。また、詳細については省略するが、充填装置101d、スリット形成装置101h、刻印装置101j及びシート打抜装置101kなどの設定も、装置用タッチパネル203によって変更可能である。
【0043】
図1に戻り、集積機102は、製造されたPTPシート301を所定数ごとに積み上げる装置である。バンド機103は、積上げられた複数のPTPシート301を所定のバンドによって結束する装置である。ピロー機104は、ピロー包装処理を行うことでPTPシート301の袋詰めを行う装置である。箱詰機105は、PTPシート301の箱詰め処理を行う装置である。集積機102、バンド機103、ピロー機104及び箱詰機105の設定は、これら装置ごとに設けられた装置用タッチパネル203によって変更可能である。
【0044】
各生産ラインLにおいては、最終的に得るべき製品によってライン構成(つまり、生産ラインLの構成装置)が適宜設定される。従って、例えば、PTPシート301の結束や袋詰めを要しない製品を最終的に得るための生産ラインLでは、PTP機101、集積機102及び箱詰機105が設けられる一方、バンド機103及びピロー機104が設けられないこととなる。
【0045】
また、PTP機101、集積機102、バンド機103、ピロー機104及び箱詰機105は、それぞれ制御装置201、タグリーダ202及び装置用タッチパネル203を備えている(
図6参照)。本実施形態では、タグリーダ202が「装置側読取手段」を構成する。制御装置201、タグリーダ202及び装置用タッチパネル203については後に説明する。
【0046】
次いで、ログインシステム1について説明する。ログインシステム1は、
図1に示すように、それぞれ通信可能に接続された、生体情報IDタグ発行ステーション10、IDタグ回収装置20、持ち出し警告装置30、サーバ40及び複数(本実施形態では4台)のPC51,52,53,54を備えている。また、制御装置201、タグリーダ202及び装置用タッチパネル203は、ログインシステム1の一構成要素として機能する。本実施形態では、生体情報IDタグ発行ステーション10が「生体情報IDタグ発行手段」を構成する。
【0047】
生体情報IDタグ発行ステーション10は、装置(PTP機101等)に対するログインに使用されるIDタグ60を発行するためのシステムである。まず、IDタグ60について説明する。
【0048】
IDタグ60は、カードタイプ又はシートタイプのものであり、容易に持ち運び可能なものである。IDタグ60は、所定の集積回路からなるタグ記憶部61と、該タグ記憶部61に接続されたタグアンテナ62とを有している(
図7参照)。本実施形態では、タグ記憶部61が「生体情報記憶手段」を構成する。尚、IDタグ60は、腕や指に装着可能なバンドタイプや指輪タイプのものであってもよい。
【0049】
タグ記憶部61は、ユーザの生体情報などを含む各種情報の記憶及び消去が可能な記憶媒体である。タグ記憶部61には、IDタグ60を識別するための固有情報が予め記憶されている。固有情報は、IDタグ60ごとに異なる情報である。
【0050】
タグアンテナ62は、タグ記憶部61に記憶された情報の読み取り及びタグ記憶部61に対する情報の書き込みを非接触で外部から行うために設けられている。タグアンテナ62は、タグリーダ202から送信された信号(電波)を受信するとともに、該信号に応答して所定の応答信号を送信(発信)する機能を有する。応答信号には、タグ記憶部61に記憶された情報(例えば、ユーザの生体情報など)が含まれる。
【0051】
生体情報IDタグ発行ステーション10は、生産エリアA1に隣接し、生産エリアA1の外に位置する更衣エリアA2に設置されている(
図5参照)。本実施形態では、更衣エリアA2が「外部エリア」に相当する。更衣エリアA2は、ユーザが作業服や手袋、マスクなどの着脱を行うためのエリアである。
【0052】
生体情報IDタグ発行ステーション10は、ステーション用タッチパネル11、生体情報読取部12、IDタグ発行部13及びIDタグ発行制御部14を備えている。本実施形態では、生体情報読取部12が「生体情報読取手段」を、IDタグ発行部13が「生体情報書込手段」を、それぞれ構成する。
【0053】
ステーション用タッチパネル11は、生体情報IDタグ発行ステーション10に対する情報の入力や、生体情報IDタグ発行ステーション10やサーバ40などに記憶されている情報の表示に用いられる。
【0054】
生体情報読取部12は、ユーザから該ユーザの生体情報を読み取るための装置である。生体情報は、個人ごとに異なる身体的な情報であり、生体情報としては、例えば、虹彩、静脈、顔の三次元形状(3D顔形状)、指紋、声紋などを挙げることができる。生体情報読取部12は、ユーザの虹彩を撮影可能なカメラ、ユーザの静脈や指紋を読取可能なセンサ、ユーザの三次元顔形状を取得可能な3Dカメラ、ユーザの声を取得可能なマイクなどによって構成することができる。
【0055】
IDタグ発行部13は、生体情報読取部12により読取られた生体情報を、初期化されたIDタグ60におけるタグ記憶部61に書き込むとともに、生体情報が書き込まれた(記憶された)IDタグ60を発行する。IDタグ60の発行は、生体情報が書き込まれたIDタグ60を所定の排出口から排出することにより行ってもよいし、所定位置に置かれた初期化済のIDタグ60に生体情報を非接触で書き込むことにより行ってもよい。また、IDタグ60に書き込まれる(記憶される)生体情報は、生体情報読取部12により読取られた生体情報自体(例えば、カメラにより撮像された画像自体)であってもよいし、該生体情報に基づき生成された情報(例えば、二値化処理などの画像処理を施した画像や、抽出した特徴点に基づく特徴点情報など)であってもよい。
【0056】
IDタグ発行制御部14は、生体情報読取部12やIDタグ発行部13の動作を制御することで、IDタグ60の発行に係る各種制御を行う。
【0057】
IDタグ回収装置20は、更衣エリアA2に設置されており、IDタグ60を回収するとともに、回収されたIDタグ60を識別するための情報(本実施形態では固有情報)をサーバ40に送る機能などを有する。IDタグ回収装置20は、タグ回収ボックス21、回収アンテナ22及びタグ回収制御部23を備えている(
図8参照)。本実施形態では、タグ回収ボックス21が「タグ回収手段」を構成する。
【0058】
タグ回収ボックス21は、IDタグ60を回収するためのものであり、投入されたIDタグ60を収容する。
【0059】
回収アンテナ22は、タグ回収ボックス21に収容されたIDタグ60との間で無線通信を行うことで、回収されたIDタグ60を識別するための情報(固有情報)を読み取るためのものである。本実施形態において、回収アンテナ22は、タグ回収ボックス21に収容されたIDタグ60のタグ記憶部61から、該IDタグ60に係る固有情報を読み取る。読み取られた固有情報は、タグ回収制御部23に送られる。尚、回収アンテナ22とタグ回収ボックス21の外に位置するIDタグ60との間で通信が行われることを防止すべく、タグ回収ボックス21に電波遮断用のシールドなどを設けてもよい。
【0060】
タグ回収制御部23は、回収されたIDタグ60に係る各種処理を行うものであり、生体情報消去・無効化部23aを備えている。本実施形態では、生体情報消去・無効化部23aが「生体情報消去・無効化手段」を構成する。
【0061】
生体情報消去・無効化部23aは、所定の条件を満たす場合に、タグ記憶部61に記憶されている生体情報を消去又は無効化する。本実施形態では、所定の条件としての「タグ回収ボックス21にIDタグ60が投入(収容)されたこと」を満たす場合に、生体情報消去・無効化部23aは、回収アンテナ22を介して、タグ記憶部61に記憶されている生体情報を消去する。「タグ回収ボックス21にIDタグ60が投入(収容)されたこと」は、回収アンテナ22により把握可能である。
【0062】
尚、生体情報消去・無効化部23aは、タグ記憶部61に記憶されている生体情報を無効化するものであってもよい。例えば、タグ記憶部61に、生体情報の有効又は無効を示すフラグ情報を設け、所定の条件を満たす場合に、生体情報消去・無効化部23aにより、前記フラグ情報が無効を示すものに変更されるように構成してもよい。
【0063】
また、タグ回収制御部23は、回収アンテナ22により読み取られたIDタグ60の固有情報をサーバ40に送る機能を有している。
【0064】
持ち出し警告装置30は、外部(つまり生産エリアA1及び更衣エリアA2の外)へのIDタグ60の持ち出しを未然に警告するための装置である。持ち出し警告装置30は、IDタグ検出部31及び報知部32を備えている(
図5参照)。本実施形態では、IDタグ検出部31が「IDタグ検出手段」を、報知部32が「報知手段」を、それぞれ構成する。
【0065】
IDタグ検出部31は、所定のアンテナ(不図示)によってIDタグ60を検出する機能を有するものであって、生産エリアA1からの退出時にユーザが通過する退出口(本実施形態では、更衣エリアA2の出入口)に対応して設けられている。従って、ユーザが、IDタグ60を持ったまま、更衣エリアA2から出ようとしたときには、IDタグ検出部31によって該IDタグ60が検出される。尚、IDタグ60の検出時には、IDタグ検出部31から報知部32に対し、検出した旨の情報が送られる。
【0066】
報知部32は、IDタグ検出部31によりIDタグ60が検出された場合に、警告音を発したり、警告ランプを発光させたり、所定の表示手段(例えばディスプレイなど)にて警告情報を表示したりすること等により、その旨(IDタグ60が検出された旨)を外部に報知する。尚、報知部32により報知される情報の種類を、生体情報読取部12により読み取られる生体情報の種類と異なるものとし、報知部32により報知される情報によって、生体情報読取部12による生体情報の読み取りに支障が生じないように構成してもよい。例えば、生体情報読取部12により虹彩や静脈などの視覚情報を読み取る場合には、報知部32から外部に報知される情報を警告音などの聴覚情報としてもよい。一方、生体情報読取部12により声紋などの聴覚情報を読み取る場合には、報知部32から外部に報知される情報を光などの視覚情報としてもよい。
【0067】
サーバ40は、生体情報IDタグ発行ステーション10、IDタグ回収装置20、PC51~54、各装置(PTP機101など)等に接続されており、これらとの間における各種情報の送受信や記憶された情報の管理などを行う。サーバ40は、所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、各種プログラムや固定値データ等を記憶するROM(Read Only Memory)、各種情報を記憶するための記憶媒体〔例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)〕などを含んだコンピュータによって構成されている。
【0068】
サーバ40は、前記記憶媒体で構成される記憶領域を備えており、この記憶領域には、アカウント情報記憶部41、ライン構成情報記憶部42、運転者・運転補助者情報記憶部43、割当情報記憶部44、監査証跡記憶部45及びIDタグ情報記憶部46が含まれている。本実施形態においては、アカウント情報記憶部41が「ユーザ情報記憶手段」を、IDタグ情報記憶部46が「持ち主情報記憶手段」を、それぞれ構成する。
【0069】
アカウント情報記憶部41は、ユーザアカウントとして、ユーザを識別するためのユーザID、ユーザの権限を示す権限カテゴリ及び予め取得したユーザの生体情報(例えば、右目光彩、左目光彩、右手静脈、左手静脈などに関する情報)を関連付けてユーザごとに記憶する(
図10参照)。また、アカウント情報記憶部41は、権限カテゴリ及び権限を関連付けて記憶する(
図11参照)。これにより、ユーザごとの権限が管理される。尚、
図11における権限は一例であり、権限の種別を適宜変更してもよい。
【0070】
本実施形態では、権限カテゴリとして、「0:製造者・販売者」、「1:システム管理者」、「2:保守者」、「3:品質管理者」、「4:生産責任者」、「5:運転者」及び「6:運転補助者」の計7種類が存在している。そして、各権限カテゴリに対し、権限が細分化されて設定されている。例えば、「3:品質管理者」という権限カテゴリには、監査証跡や設定の閲覧などの権限が設定されている。また、例えば、「5:運転者」という権限カテゴリには、各生産ラインLや装置(PTP機101など)に対するユーザの割当の変更や閲覧、運転者や運転補助者(以下、「運転者等」ということがある)に係る各種情報の変更や閲覧、装置(PTP機101など)の設定変更、装置の運転操作などの権限が設定されている。
【0071】
ライン構成情報記憶部42は、各生産ラインLの構成装置に関する情報や、各生産ラインLの属性などを記憶する。生産ラインLの属性とは、取り扱う内容物305(錠剤やカプセルなど)の点で、一般的な生産ラインとは異なる事項をいう。属性としては、例えば「危険薬品」や「全錠管理」などが挙げられる。「危険薬品」は、慎重な取り扱いを要する錠剤などを用いてPTPシートの製造を行う生産ラインであることを意味する。また、「全錠管理」は、全ての錠剤等の所在に関し適切な管理が求められる生産ラインであることを意味する。
【0072】
運転者・運転補助者情報記憶部43は、装置(PTP機101など)の操作を主に担当する運転者や運転補助者に関する情報を記憶する。運転者は、運転補助者とは異なり、生産ラインLや装置に対するユーザの割当の変更や、装置の設定変更に関する権限などを有している。
【0073】
割当情報記憶部44は、各生産ラインL及び装置に対するユーザ(特に運転者及び運転補助者)の割当に関する情報を記憶する。
【0074】
監査証跡記憶部45は、PC51~54や装置用タッチパネル203における操作内容や制御装置201における設定変更、IDタグ60の発行などの情報を、操作や設定変更、発行を行ったユーザを特定するための情報(本実施形態ではユーザID)とともに監査証跡として記憶する。本実施形態では、PC51~54や装置用タッチパネル203において操作などが行われると、PC51~54や装置(PTP機101など)からサーバ40へと操作内容やユーザIDなどの情報が自動的に送られ、その送られた情報が監査証跡記憶部45にて自動的に記憶される。また、IDタグ60の発行が行われると、生体情報IDタグ発行ステーション10からサーバ40へと発行に係る情報(生体情報やユーザID等)が自動的に送られ、その送られた情報が監査証跡記憶部45にて自動的に記憶される。尚、監査証跡記憶部45は、次述するIDタグ情報記憶部46に記憶されている情報を監査証跡として記憶するものであってもよい。
【0075】
IDタグ情報記憶部46は、生体情報IDタグ発行ステーション10により発行されたIDタグ60に係る情報を記憶する。本実施形態では、IDタグ60に係る情報として、IDタグ60ごとに設定されたIDタグ番号、IDタグ60を識別するための固有情報、IDタグ60の発行日時、IDタグ60の発行を行ったユーザを特定するための情報(ユーザID)、IDタグ60の「使用可否に係る情報」などが記憶される(
図12参照)。従って、IDタグ情報記憶部46には、IDタグ60(例えばIDタグ60の固有情報)と、生体情報IDタグ発行ステーション10により該IDタグ60を発行する際に生体情報の読み取りを行ったユーザとが関連付けて記憶されている。「使用可否に係る情報」とあるのは、IDタグ60が装置(PTP機101等)へのログインに使用可能であるか否かを示す情報である。尚、IDタグ情報記憶部46は、IDタグ60を発行してからの経過時間や、IDタグ60の使用履歴などを記憶するものであってもよい。
【0076】
また、生体情報IDタグ発行ステーション10によりIDタグ60が発行されると、IDタグ情報記憶部46に対し、発行されたIDタグ60に係る情報が追加で記憶される。
【0077】
さらに、サーバ40は、IDタグ60の回収に係る各種制御を行うサーバ制御部47を備えている。サーバ制御部47は、未回収有無判定部47a、使用制限部47b及びユーザ特定部47cを備えている(
図9参照)。本実施形態では、未回収有無判定部47aが「未回収有無判定手段」を、使用制限部47bが「使用制限手段」を、ユーザ特定部47cが「ユーザ特定手段」を、それぞれ構成する。
【0078】
未回収有無判定部47aは、タグ回収ボックス21により回収されていないIDタグ60の有無を判定する。例えば、未回収有無判定部47aは、生体情報IDタグ発行ステーション10によるIDタグ60の発行から予め設定された時間(例えば12時間など)が経過すると、IDタグ情報記憶部46に記憶された該IDタグ60の固有情報と、IDタグ回収装置20から送られた回収済みのIDタグ60の固有情報とを比較する。そして、未回収有無判定部47aは、IDタグ情報記憶部46に記憶されたIDタグ60の固有情報と、回収済みのIDタグ60の固有情報とが一致する場合、回収されていないIDタグ60はないと判定する。一方、未回収有無判定部47aは、IDタグ情報記憶部46に記憶されたIDタグ60の固有情報と、回収済みのIDタグ60の固有情報とが一致しない場合、回収されていないIDタグ60があると判定する。
【0079】
尚、未回収有無判定部47aは、例えば、上述したIDタグ検出部31によるIDタグ60の検出の有無に応じて、回収されていないIDタグ60の有無を判定してもよい。また、未回収有無判定部47aによる判定のタイミングについては適宜変更してもよい。従って、未回収有無判定部47aは、例えば、予め定められた時刻になったときに判定を行ってもよいし、ユーザ(例えば、システム管理者など)がサーバ40に対し所定の操作を行ったときに判定を行ってもよい。
【0080】
使用制限部47bは、未回収有無判定部47aによって回収されていないIDタグ60があると判定された場合、その判定に係るIDタグ60の使用を制限する。より詳しくは、使用制限部47bは、回収されていないIDタグ60があると判定された場合、IDタグ情報記憶部46に記憶されている、その判定に係るIDタグ60の情報において、「使用可否に係る情報」を“使用可”から“使用不可”に変更する。これにより、未回収のIDタグ60を用いた装置(PTP機101等)に対するログインは、該IDタグ60に記憶されている生体情報が適正であっても行えないことになる。
【0081】
ユーザ特定部47cは、未回収有無判定部47aによって回収されていないIDタグ60があると判定された場合に、IDタグ情報記憶部46に記憶されている情報に基づき、その判定に係るIDタグ60に関連付けられたユーザを特定する。つまり、ユーザ特定部47cは、回収されていないIDタグ60を発行させたユーザを特定する。特定されたユーザに関する情報は、サーバ40の記憶媒体に記憶され、記憶された情報は、例えばPC51により閲覧することが可能である。
【0082】
PC51~54は、サーバ40に記憶された情報の変更や閲覧などに用いられるものである。PC51~54は、CPUやROM、RAM、記憶媒体などを有するコンピュータによって構成されている。また、PC51~54は、各種情報を入力するための入力手段(例えばキーボードなど)や、各種情報を表示させるための表示手段(例えば液晶ディスプレイなど)を備えている。
【0083】
PC51は、複数のユーザのうち特にシステム管理者のみが利用可能な端末である。PC51にログインすることで、システム管理者は、監査証跡の閲覧、ユーザ特定部47cにより特定されたユーザに関する情報の閲覧、アカウント情報記憶部41やIDタグ情報記憶部46に記憶されている情報の変更などが可能である。従って、使用制限部47bによりIDタグ60の使用が制限されている場合、PC51にログインしたシステム管理者が、IDタグ情報記憶部46における「使用可否に係る情報」を変更することで、該IDタグ60を再び使用可能な状態に戻すことが可能である。
【0084】
PC52は、複数のユーザのうち特に生産責任者のみが利用可能な端末である。PC52にログインすることで、生産責任者は、監査証跡やサーバ40に記憶されている運転者・運転補助者に関する情報、ユーザの割当に関する情報を閲覧すること等が可能である。
【0085】
PC53は、複数のユーザのうち特に保守者のみが利用可能な端末である。PC53にログインすることで、保守者は、生産ラインLの構成装置の変更などが可能である。
【0086】
PC54は、複数のユーザのうち特に品質管理者のみが利用可能な端末である。PC54にログインすることで、品質管理者は、監査証跡や装置(PTP機101等)の設定に関する情報を閲覧すること等が可能である。
【0087】
次いで、装置(PTP機101など)ごとに設けられる制御装置201、タグリーダ202及び装置用タッチパネル203について説明する。
【0088】
制御装置201は、各種の設定情報〔製品品種ごとの生産速度、加熱ロール101f1(ヒータ)の温度など〕や動作用のプログラムなどを記憶しており、これら設定情報や動作プログラムに基づき装置(PTP機101など)の動作を制御する。装置の設定を変更する際には、制御装置201に記憶されている設定情報が変更される。
【0089】
タグリーダ202は、例えばRFIDリーダ等からなり、タグ記憶部61に記憶された情報を非接触で読取可能な装置である。タグリーダ202は、IDタグ60から、該IDタグ60のタグ記憶部61に記憶された生体情報などを読み取る。
【0090】
装置用タッチパネル203は、各種処理機能や情報の表示及び入力に係る機能を備えており、対応する装置(PTP機101など)の操作や設定変更、各種情報の確認などに用いられる。装置用タッチパネル203は、CPUやROM、RAM、記憶媒体などを有する制御部と、該制御部に対する情報の入力や該制御部などに記憶された情報の表示を行うためのパネル部とを備えている。尚、前記制御部を、制御装置201と一体化してもよい。
【0091】
装置用タッチパネル203は、複数のユーザのうち特に装置(PTP機101など)の運転操作を行える者(製造者・販売者、保守者、生産責任者、運転者及び運転補助者)のみが利用可能な端末である。装置用タッチパネル203は、
図13に示すように、監査証跡登録部203a、割当閲覧部203b、設定閲覧部203c、運転者等情報閲覧部203d、ライン構成情報閲覧部203e、運転操作部203f、設定変更部203g、割当変更部203h、運転者等情報変更部203j及びログイン可否判定部203kを備えている。本実施形態では、ログイン可否判定部203kが「ログイン可否判定手段」に相当する。
【0092】
監査証跡登録部203aは、装置用タッチパネル203ひいては装置(PTP機101等)へのログイン・ログアウトや、装置用タッチパネル203を用いた操作内容に関する情報などを、監査証跡としてサーバ40に送る。尚、本実施形態においては、PC51~54にも監査証跡登録部203aと同様の機能部が設けられている。
【0093】
割当閲覧部203bは、サーバ40の割当情報記憶部44に記憶されている、各生産ラインL及び装置(PTP機101など)に対するユーザ(特に運転者及び運転補助者)の割当に関する情報を、装置用タッチパネル203にて表示させる。但し、装置用タッチパネル203の各機能部による情報の閲覧や変更などに係る各機能は、装置用タッチパネル203に対するログインが許可された場合のみ利用可能である。特に、設定変更部203gによる装置の設定変更は、装置用タッチパネル203に対するログインが許可され、さらに、ログインを許可されたユーザが所定の権限カテゴリ(権限情報)を有する場合(本実施形態では、ユーザが「5:運転者」又は「4:生産責任者」である場合)にのみ可能である。
【0094】
設定閲覧部203cは、装置(PTP機101など)の制御装置201に記憶されている設定情報〔製品品種ごとの生産速度、加熱ロール101f1(ヒータ)の温度、ポケット部302の形成や両フィルム303,304の取着に係る圧力、検査条件など〕を、装置用タッチパネル203にて表示させる。
【0095】
運転者等情報閲覧部203dは、サーバ40の運転者・運転補助者情報記憶部43に記憶されている、運転者や運転補助者に関する情報を、装置用タッチパネル203にて表示させる。
【0096】
ライン構成情報閲覧部203eは、サーバ40のライン構成情報記憶部42に記憶されている、生産ラインLの構成装置に関する情報や生産ラインLの属性などを、装置用タッチパネル203にて表示させる。
【0097】
運転操作部203fは、装置用タッチパネル203に対応する装置(PTP機101など)の操作を行うための機能部である。但し、装置の操作は、該装置に対応する装置用タッチパネル203でのみ行うことができる。
【0098】
設定変更部203gは、装置における設定(制御装置201に記憶されている設定情報)を変更するための機能部である。但し、装置における設定変更は、該装置に対応する装置用タッチパネル203でのみ行うことができる。例えば、1のPTP機101における設定変更は、該PTP機101に対応する装置用タッチパネル203でのみ行うことができ、その他のPTP機101や集積機102に対応する装置用タッチパネル203では行うことができない。また、装置の設定変更は、装置用タッチパネル203に対するログインを許可されたユーザが所定の権限カテゴリ(権限情報)を有する場合(本実施形態では、ユーザが「5:運転者」又は「4:生産責任者」である場合)にのみ可能である。
【0099】
割当変更部203hは、サーバ40の割当情報記憶部44に記憶されている、各生産ラインLや装置に対するユーザの割当情報を変更するための機能部である。
【0100】
運転者等情報変更部203jは、サーバ40の運転者・運転補助者情報記憶部43に記憶されている、運転者や運転補助者に関する情報を変更するための機能部である。
【0101】
ログイン可否判定部203kは、装置用タッチパネル203ひいては装置(PTP機101等)に対するログイン処理を担う。より具体的には、
図14に示すように、ログイン可否判定部203kは、まず、タグリーダ202によってユーザが所持するIDタグ60の固有情報及び生体情報を読み取る(ステップS21)。その上で、ログイン可否判定部203kは、読み取られた固有情報をサーバ40に送るとともに、サーバ40に対し、入力された固有情報に係るIDタグ60が使用可能であるか否かの判定処理と、判定結果の返信とを要求する。IDタグ60が使用可能であるか否かの判定は、IDタグ情報記憶部46に記憶されている「使用可否に係る情報」に基づき行われる。そして、ログイン可否判定部203kは、使用可能である旨の返信があった場合には、IDタグ60が適正なものであると判定する(ステップS22;Yes)。一方、ログイン可否判定部203kは、使用不可である旨の返信があった場合には、IDタグ60が装置へのログインに使用することができない不適正なものであると判定する(ステップS22;No)。
【0102】
次いで、ログイン可否判定部203kは、タグリーダ202によって読み取られた生体情報をサーバ40に送るとともに、サーバ40に対し、読み取られた生体情報とアカウント情報記憶部41に記憶された生体情報とが一致するか否かについての判定処理と、判定結果の返信とを要求する。そして、ログイン可否判定部203kは、生体情報が一致する旨の返信があった場合には、ユーザが正当であると判定する(ステップS23;Yes)。一方、ログイン可否判定部203kは、生体情報が一致しない旨の返信があった場合には、ユーザが正当でないと判定する(ステップS23;No)。
【0103】
さらに、ログイン可否判定部203kは、ユーザが正当であると判定した場合に、アカウント情報記憶部41に記憶された該ユーザの権限カテゴリに基づき、装置用タッチパネル203ひいては装置(PTP機101等)に対するログインの可否を判定する。
【0104】
より詳しくは、ログイン可否判定部203kは、アカウント情報記憶部41に記憶されたユーザの権限カテゴリを確認し(ステップS24)、サーバ40から返信された権限カテゴリ―が「0:製造者・販売者」、「2:保守者」又は「6:運転補助者」である場合、装置用タッチパネル203ひいては装置(PTP機101等)に対する製造者・販売者、保守者又は運転補助者としてのログインを許可する(ステップS25)。ログインが許可されると、製造者・販売者、保守者又は運転補助者の権限内において、装置用タッチパネル203による各種操作が可能となる。
【0105】
さらに、ログイン可否判定部203kは、サーバ40から返信された権限カテゴリが「5:運転者」又は「4:生産責任者」である場合、装置用タッチパネル203ひいては装置(PTP機101等)に対する運転者又は生産責任者としてのログインを許可する(ステップS26)。ログインが許可されると、運転者又は生産責任者の権限内において、装置用タッチパネル203による各種操作が可能となる。
【0106】
一方、ログイン可否判定部203kは、返信された権限カテゴリが「0:製造者・販売者」、「2:保守者」、「4:生産責任者」、「5:運転者」及び「6:運転補助者」のいずれでもない場合(ステップS24;No)、装置用タッチパネル203ひいては装置(PTP機101等)に対するログインを不許可とする。その上で、ログイン可否判定部203kは、装置用タッチパネル203において、IDタグ60を所持するユーザに関連付けられている権限カテゴリと、装置(PTP機101等)へのログインに必要な権限カテゴリとが不一致である旨を表示する(ステップS27)。
【0107】
上述したログインシステム1は、ユーザにより次のようにして使用される。まず、ユーザは、更衣エリアA2にて、手袋やマスクなどを装着する前に、自身の生体情報を生体情報読取部12に読み取らせる。これにより、生体情報が容易かつ正確に読み取られる。そして、生体情報の読み取りに伴い、ユーザの生体情報が記憶されたIDタグ60が発行される。
【0108】
次いで、ユーザは、作業服などを装着し、かつ、IDタグ60を所持した上で、生産エリアA1に入室する。尚、IDタグ60は、作業服のポケットなどに収めることができる。そして、ユーザは、生産エリアA1にて、PTPシート301の製造などに係る各種作業を行う。作業を行うにあたり、装置(PTP機101)へのログインが必要となる場合には、ユーザの所持するIDタグ60の生体情報をタグリーダ202に読み取らせることで、装置へのログインを行うことができる。
【0109】
作業終了後、ユーザは、更衣エリアA2に移動し、IDタグ60をタグ回収ボックス21に投入する。これにより、IDタグ60が適切に回収される。その後、ユーザは、着替えを行った上で、更衣エリアA2から退出する。尚、退出時において、ユーザがIDタグ60を所持している場合には、IDタグ検出部31によりIDタグ60が検出されて、報知部32によりIDタグ60を検出した旨が報知される。これにより、ユーザは、IDタグ60の返却忘れに気付くことができる。
【0110】
以上詳述したように、本実施形態によれば、IDタグ60に記憶された生体情報を、装置に設けられたタグリーダ202に読み取らせることで、装置にログインすることができる。従って、ユーザIDやパスワードなどを入力する手法と比べて、ログイン操作の容易性を高めることができる。また、ユーザの生体情報を用いるため、セキュリティ上の安全性を向上させることができる。さらに、ユーザの生体情報を読み取るための生体情報読取部12は生体情報IDタグ発行ステーション10にのみ設ければよく、各装置には、IDタグ60に記憶された情報を読み取るためのタグリーダ202を設ければ足りる。従って、比較的低コストでログインシステム1を実現することができる。
【0111】
加えて、生体情報IDタグ発行ステーション10は、生産エリアA1の外に位置する更衣エリアA2に設置されている。従って、ユーザが手袋やマスクなどを装着する前に、騒音が比較的小さな環境下で、生体情報読取部12によりユーザの生体情報を読み取らせることができる。これにより、生体情報読取部12によって生体情報をより正確かつ容易に読み取らせることができ、ひいてはIDタグ60に記憶されるユーザの生体情報の正確性や、生体情報読取部12による生体情報の読取に係るユーザの利便性を高めることが可能となる。
【0112】
さらに、所定の条件を満たす場合に、IDタグ60に記憶されている生体情報が消去又は無効化される。つまり、所定の条件を満たす場合に、IDタグ60は、装置へのログインに利用することができない状態になる。従って、IDタグ60の紛失や盗難などが生じたとしても、そのIDタグ60が不正利用されることをより確実に防止できる。これにより、セキュリティ上の安全性を一層高めることができる。
【0113】
また、IDタグ検出部31及び報知部32が設けられているため、外部(生産エリアA1及び更衣エリアA2の外)へとIDタグ60が持ち出されてしまうことをより確実に防止できる。これにより、セキュリティ上の安全性をより一層高めることができる。
【0114】
加えて、使用制限部47bによって、回収されていないIDタグ60、つまり、外部に持ち出されたおそれのあるIDタグ60の使用を制限する(例えば、使用不可とする)ことができる。これにより、セキュリティ上の安全性をさらに高めることができる。
【0115】
併せて、IDタグ60が回収されていない場合、ユーザ特定部47cによって、そのIDタグ60の持ち主であるユーザを特定することができる。従って、ユーザから未回収のIDタグ60を回収することが容易に可能となる。
【0116】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0117】
(a)上記実施形態において、生体情報消去・無効化部23aは、IDタグ回収装置20に設けられているが、生体情報消去・無効化部をIDタグ回収装置20以外に設けてもよい。
【0118】
従って、例えば、
図15に示すように、生体情報消去・無効化部63をIDタグ60に設けてもよい。つまり、IDタグ60は、自身に記憶されている生体情報を消去又は無効化する機能を有していてもよい。また、IDタグ60に、所定の条件(つまり、生体情報の消去等の実行条件)を満たすか否かを判定するための判定部64を設け、該判定部64により所定の条件を満たすと判定された場合に、生体情報消去・無効化部63によってタグ記憶部61に記憶されている生体情報を消去又は無効化するように構成してもよい。尚、この場合、IDタグ60は、判定部64による判定処理に必要な各種演算を実行可能な制御部を有するものとされる。
【0119】
上記のように構成した場合には、IDタグ60単体で、生体情報の消去又は無効化を行うことができる。従って、セキュリティ上の安全性の更なる向上を図ることができる。
【0120】
尚、所定の条件としては、例えば、「IDタグ60に設けられたタイマー部65の示す時刻が予め設定した所定時刻になったこと」などを採用することができる。
【0121】
(b)
図16に示すように、サーバ40は、所定の条件として、アカウント情報記憶部41に記憶されたユーザの権限に応じた条件を設定可能な権限対応条件設定部48を備えるものであってもよい。そして、設定された条件を満たす場合に、生体情報消去・無効化部23a,63によってIDタグ60に記憶されている生体情報が消去又は無効化されるようにしてもよい。例えば、ユーザの権限カテゴリ―が「5:運転者」であり、該ユーザの権限が比較的大きい場合、権限対応条件設定部48は、所定の条件として、「タグ回収ボックス21にIDタグ60が投入(収容)されたこと」及び「IDタグ60に設けられたタイマー部65の示す時刻が予め設定した所定時刻になったこと」などの複数の条件を設定し、これら複数の条件のうちの少なくとも1つを満たす場合に、生体情報の消去又は無効化が行われるようにしてもよい。
【0122】
権限対応条件設定部48を設けることで、ユーザの権限に応じて、生体情報を消去又は無効化する条件を変えることができる。これにより、ユーザの権限に応じたIDタグ60のより適切な管理を行うことができる。
【0123】
本例では、アカウント情報記憶部41は「権限記憶手段」を、権限対応条件設定部48は「権限対応条件設定手段」を、それぞれ構成する。尚、権限対応条件設定部48をサーバ40以外に設けてもよい
(c)
図17,18に示すように、更衣エリアA2に、作業服回収ボックス71、混入有無判定部72及び混入報知部73を備えてなる作業服回収装置70を設けてもよい。作業服回収ボックス71は、使用済みの作業服を収容して回収するためのものである。混入有無判定部72は、作業服回収ボックス71内に存在するIDタグ60との間で無線通信可能なアンテナなどを有しており、該アンテナによる通信状況に応じて、作業服回収ボックス71内の作業服に対するIDタグ60の混入有無を判定する。混入報知部73は、混入有無判定部72によりIDタグ60の混入があると判定された場合に、その旨を報知する。作業服回収装置70を設けることで、ポケットなどにIDタグ60を入れたままの作業服を作業服回収ボックス71により回収したときに、IDタグ60が混入している旨をユーザなどに報知することができる。これにより、タグ回収ボックス21によるIDタグ60の回収がより確実に行われることとなる。
【0124】
尚、本例では、作業服回収ボックス71が「作業服回収手段」を、混入有無判定部72が「混入有無判定手段」を、混入報知部73が「混入報知手段」を、それぞれ構成する。
【0125】
(d)所定の条件(生体情報の消去又は無効化に係る条件)は、上記で挙げた例に限られるものではなく、所定の条件を適宜変更してもよい。従って、所定の条件として、IDタグ60に生体情報が記憶されてからの経過時間が予め設定された時間以上となったこと、時刻がサーバ40等に記憶されている消去・無効化予定時刻(例えば勤務終了時刻)になったこと、IDタグ60がユーザの体から離れたこと、IDタグ60がユーザの腕に巻くバンドを有する場合において該バンドの広がりが検知されたこと、生産エリアA1や更衣エリアA2からIDタグ60が出たこと(例えば、IDタグ検出部31によりIDタグ60が検出されたこと)等を採用してもよい。
【0126】
(e)IDタグ60の発行にあたって、アカウント情報記憶部41に記憶されている生体情報に基づき、タグ記憶部61に記憶される生体情報が、装置(PTP機101等)へのログインを行うことができるものであるか否かを事前に判定する事前判定部を設けてもよい。事前判定部は、IDタグ60のタグ記憶部61に記憶される生体情報とアカウント情報記憶部41の生体情報とが一致する場合、該IDタグ60は装置(PTP機101等)へのログインを行うことができるものであると判定する一方、両生体情報が一致しない場合、該IDタグ60は装置へのログインを行うことができないものであると判定する。事前判定部を設けることで、装置へのログインを行うことができない不適切なIDタグ60の発行をより確実に防止することができる。これにより、ユーザの利便性をより高めることができる。
【0127】
(f)上記実施形態においては、未回収のIDタグ60を用いた装置(PTP機101等)に対するログインが行えないように構成されることで、使用制限部47bによるIDタグ60の使用制限が実現されている。これに対し、IDタグ発行部13により、最終的に回収はされたものの、適切な時期に回収されなかったIDタグ60が発行されないように構成されることで、使用制限部47bによるIDタグ60の使用制限を実現してもよい。
【0128】
(g)ユーザの割当てられる生産ラインLの属性を記憶する属性記憶部と、所定の条件として、前記属性記憶部に記憶された属性に応じた条件を設定する属性対応条件設定部とを備えることとしてもよい。この場合には、ユーザが割当てられる生産ラインLの属性に応じて、該ユーザに発行されるIDタグ60の生体情報に係る消去又は無効化の条件を変えることができる。これにより、ユーザの担当する生産ラインLに応じたIDタグ60のより適切な管理を行うことができる。
【0129】
(h)上記実施形態において、持ち出し警告装置30は、更衣エリアA2に設けられているが、持ち出し警告装置30を生産エリアA1に設けてもよい。従って、例えば、IDタグ検出部31を生産エリアA1の出口に対応して設けてもよい。
【0130】
(i)上記実施形態において、装置に対するログイン処理は、装置用タッチパネル203で行われているが、ログイン処理をサーバ40にて行うようにしてもよい。
【0131】
(j)上記実施形態では、最終的にユーザの権限に応じて装置へのログインが許可又は不許可とされているが、ログインの許可又は不許可にあたり、ユーザの権限を考慮しない構成としてもよい。従って、IDタグ60の生体情報が適正であれば、装置へのログインを許可する構成としてもよい。
【0132】
(k)上記実施形態では、薬品としてPTPシート301を挙げているが、薬品はPTPシートに限定されるものではない。薬品には、例えば、錠剤やカプセル、散剤、顆粒剤、内服液剤、塗薬及びこれらを収容したものなどが含まれる。また、食品の製造や包装等を行う装置に対し、本件技術思想を適用してもよい。
【0133】
(l)上記実施形態では、PTP機101が「装置」に相当しているが、PTP機101の構成要素(例えば、予熱装置101aやシール装置101fなど)がそれぞれ「装置」に相当することとしてもよい。この場合、構成要素ごとにタグリーダ202や装置用タッチパネル203を設けてもよい。
【符号の説明】
【0134】
1…ログインシステム、10…生体情報IDタグ発行ステーション(生体情報IDタグ発行手段)、12…生体情報読取部(生体情報読取手段)、13…IDタグ発行部(生体情報書込手段)、21…タグ回収ボックス(タグ回収手段)、23a,63…生体情報消去・無効化部(生体情報消去・無効化手段)、31…IDタグ検出部(IDタグ検出手段)、32…報知部(報知手段)、41…アカウント情報記憶部(ユーザ情報記憶手段)、46…IDタグ情報記憶部(持ち主情報記憶手段)、47a…未回収有無判定部(未回収有無判定手段)、47b…使用制限部(使用制限手段)、47c…ユーザ特定部(ユーザ特定手段)、60…IDタグ、61…タグ記憶部(生体情報記憶手段)、64…判定部(判定手段)、100…製造設備、101…PTP機(装置)、102…集積機(装置)、103…バンド機(装置)、104…ピロー機(装置)、105…箱詰機(装置)、202…タグリーダ(装置側読取手段)、203k…ログイン可否判定部(ログイン可否判定手段)、A1…生産エリア、A2…更衣エリア(外部エリア)、L…生産ライン。
【要約】
【課題】ログイン操作の容易性やセキュリティ上の安全性を高めることができるとともに、比較的低コストで実現することが可能なログインシステムを提供する。
【解決手段】ログインシステム1は、生産エリアの外に位置する外部エリアに設置されるとともに、ユーザから該ユーザの生体情報を読取可能な生体情報読取部12及び生体情報読取部12により読取られた生体情報をIDタグ60に書込可能なIDタグ発行部13を有し、生体情報が記憶されたIDタグ60を発行可能な生体情報IDタグ発行ステーション10と、PTP機101等の装置ごとに設けられ、IDタグ60から生体情報を読取可能な装置側読取手段とを備える。アカウント情報記憶部41に記憶された生体情報と、装置側読取手段により読取られたIDタグ60の生体情報とに基づき、PTP機101等の装置に対するログインの可否を判定する。
【選択図】
図1