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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-01-21
(45)【発行日】2026-01-29
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20260122BHJP
   A63F 5/04 20060101ALI20260122BHJP
【FI】
A63F7/02 332Z
A63F5/04 682
A63F7/02 328
A63F7/02 340
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2025088063
(22)【出願日】2025-05-27
【審査請求日】2025-05-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】金井 生多
【審査官】平井 隼人
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-195496(JP,A)
【文献】特開2024-176388(JP,A)
【文献】特開2024-080882(JP,A)
【文献】特開2023-179064(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作入力及び遊技場に設置されている遊技機から出力される遊技信号のいずれか一方に基づき特定される稼動情報を含む遊技情報を複数の遊技場から収集する遊技情報収集手段と、
前記稼動情報を学習済み稼動情報予測モデルに入力する入力手段と、
前記学習済み稼動情報予測モデルから機種単位の予測稼動情報を出力する出力手段と、
前記遊技場を導入直後の稼動情報に従って順位付けすることで当該順位が中位ランクである中位のグループを含むようにグループ分けし、当該グループ単位で前記遊技情報を区分する区分手段と、
を備え、
前記学習済み稼動情報予測モデルは、前記区分手段により区分された前記遊技情報の内、前記出力手段により出力される予測稼動情報の予測対象期間以前であって、遊技機が遊技場へ導入された直後の期間における稼動情報と、前記中位のグループに属することを示す情報とを学習対象に含み構築されたモデルである遊技場用システム。
【請求項2】
前記稼動情報が、遊技機の稼動数及び稼動率の内少なくともいずれかを含む請求項1に記載した遊技場用システム。
【請求項3】
前記遊技情報の単位期間情報と基準情報とを比較することにより、遊技場への貢献度合いを示す貢献情報を特定する貢献情報特定手段を備え、
前記出力手段は、前記貢献情報特定手段により特定される貢献情報を含み出力する請求項1又は2に記載した遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技場において新規導入した機種の、導入後一定期間経過後の稼動予測を行うようにした遊技場用の管理システムが供されている(例えば特許文献1参照)。このような管理システムでは、遊技場毎に適した演算式を得ることで新機種の将来的な稼働(稼動)状況予測が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-176586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、導入直後の稼動状況が類似している遊技機であっても、その導入から一定期間経過後の稼動状況に乖離が生じる遊技機も多く存在している。
この点、上記の管理システムでは、導入直後の初期特性値及び導入後一定期間経過後の稼動特性値から、重回帰分析を用いて設置日数により減少するアウト数を予測しているが、導入後一定期間経過後の稼動状況の乖離要因を考慮しているとは言い難く、更なる高精度の稼動予測の実現が所望されている。
一方で、上記のような遊技機は、設置される遊技場によって稼動の低下が緩やかか、急激かが分かれる傾向にあり、そのような傾向が上述した乖離要因に影響を及ぼしているとも想定され得る。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、高精度の稼動予測を実現する遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技場用システムは、
操作入力(例えば管理装置6にて操作されるキーボード6b等での入力)及び遊技場に設置されている遊技機から出力される遊技信号のいずれか一方に基づき特定される稼動情報(例えばアウト)を含む遊技情報(例えば図2の各店舗A~Cの各種日毎遊技情報)を複数の遊技場(例えば店舗A~Cを含む各遊技場の管理装置6)から収集する遊技情報収集手段(例えば管理サーバ10)と、
前記稼動情報を学習済み稼動情報予測モデル(例えば図2の学習済みモデル32)に入力する入力手段(例えば管理サーバ10の制御部30)と、
前記学習済み稼動情報予測モデルから予測稼動情報を出力する出力手段(例えば管理サーバ10の制御部30)と、
前記遊技場を所定の条件(例えば遊技場A~Cを所定の順位で順位付けるための条件)に従ってグループ分けし、当該グループ単位で前記遊技情報を区分する区分手段(例えば管理サーバ10の制御部30)と、
を備え、
前記学習済み稼動情報予測モデルは、前記区分手段により区分された前記遊技情報の内、稼動情報(例えば図3のヒストグラムで色分けされた上位ランクの遊技場の稼動率に対応するデータReと中位ランクの遊技場の稼動率に対応するデータBlとを含む、グループ単位のランクで区分された稼動情報)を学習対象に含み構築されたモデルである。
【0007】
上記した構成によれば、遊技場を所定の条件に従ってグループ分けし、グループ単位で区分した稼動情報を含み学習された学習済みモデルに、稼動情報を入力することで予測データを出力するようにしたので、遊技機の導入から所定期間経過後における稼動情報を高精度に予測できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態における遊技場用システムの全体構成を示す概略図
図2】学習モデルの学習内容とその入出力データの関係を示す概要図
図3】導入直後の稼動率の分布を示すヒストグラム
図4】管理サーバのデータベースに記録される遊技情報を示す図(その1)
図5】管理サーバのデータベースに記録される遊技情報を示す図(その2)
図6】管理サーバのデータベースに記録される遊技情報を示す図(その3)
図7】管理装置において出力される予測稼動情報の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に示す「A店」「B店」「C店」は、3つの遊技場A,B,Cを模式的に例示しており、共通する遊技場用システムが構築されていることから、以下では、A店たる遊技場Aの構成を中心に説明する。
【0010】
図1に示す遊技場用システムにおいて、遊技場A内には、パチンコ機やスロットマシンといった遊技機1が複数設置されており、各遊技機1に対応してカードユニット2が付設されている。これら遊技機1及びカードユニット2は2台ずつ中継装置4に接続されており、中継装置4はLAN5を介して管理装置6と接続されている。
また、各遊技機1の上方には、情報表示装置3が付設されており、遊技機1から出力される各種遊技信号(遊技情報)をカードユニット2及び中継装置4経由で受信して、各種の表示用情報を作成し、表示する。中継装置4は、遊技機1やカードユニット2、情報表示装置3の情報を収集する。
【0011】
管理装置6は、遊技場A内の例えば事務室等に設置されている。詳しい図示は省略するが、管理装置6の制御部は、CPU、ROMやRAMといった記憶部6m(図2にのみ図示)を有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。当該制御部には、出力手段としてのモニタ6aやプリンタ(図示略)が接続されるとともに、遊技場管理者が操作するキーボード6bやマウス(図示略)等が接続されている。
【0012】
管理装置6は、遊技機1側から出力される遊技信号をカードユニット2及び中継装置4を順次経由して受信することで、遊技機1毎の遊技情報、会員登録された会員毎の個人データを管理するとともに、遊技機1やカードユニット2、情報表示装置3の情報を管理する(記憶部6mに記憶する)。なお、図1では省略しているが、例えば数百台にわたる複数機種の遊技機1が管理装置6の管理対象となっており、遊技媒体の貸単価(種別としてのレート)が異なる複数の遊技機島が形成されるものとする。
【0013】
管理装置6の制御部(単に「管理装置6」と称す)は、複数機種の遊技機1から収集した遊技情報を機種別に集計する。また、管理装置6では、管理サーバ10により集計され、求められた各種遊技情報(例えば後述の予測稼動情報)をモニタ6aに表示させ閲覧することができるが、詳しくは後述する。
【0014】
本実施形態の遊技機1は、例えば遊技媒体を情報のみで管理する所謂封入式パチンコ遊技機或いはメダルレス式スロットマシンで構成されるものとする。
具体的には、図1左側に示すパチンコ機は、予め機内に封入された循環遊技媒体(例えば循環パチンコ玉)を使用する封入式のパチンコ遊技機である。遊技機1で用いられる遊技価値(遊技媒体)は仮想上のパチンコ玉であるが、機内の記憶部に記憶される遊技価値であり、従来の払出式の遊技機とは異なり、盤面11に打出された玉は循環し、入賞した場合であっても遊技機外に払出されず、遊技に応じて記憶部の遊技価値(遊技点数)が増減される。
【0015】
パチンコ機は、カードユニット2から遊技点数を受信すると、その遊技点数分のパチンコ玉を発射可能となり、遊技点数が「0」になった時点でパチンコ玉を発射不可能となる。パチンコ機は、計数操作(下記タッチパネルでのタッチ操作)に応じて遊技点数をカードユニット2へ送信して遊技点数を減算する。遊技機1は、情報表示操作(同タッチパネルでの操作)に応じて各種の遊技データ(大当り回数、特図抽選回数等)を情報表示部13に表示する。
【0016】
即ち、同図1に示すように、パチンコ機は、パチンコ玉が発射される盤面11と、発射装置を構成する発射ハンドル12と、タッチパネルを表面に有するタッチパネル式の情報表示部13とを有する。盤面11には、液晶表示部14及びその表示部14における図柄表示部(特図表示部・普図表示部)と、特図1始動口15と、特図2始動口16と、大入賞口17とが設けられている。
パチンコ機において、所謂ヘソ(特図1始動口15)へ入賞することで特図1(或いは電チューへ入賞することで特図2)での大当り抽選を行う。大当り抽選1回をスタートとも称する。大当り抽選で大当りに当選すると、大当り遊技が開始(大当り状態に移行)され、特図の種類に応じたラウンド(R)だけ大入賞口17が開放される。この場合、例えば1Rの上限入賞数は10個であり、大入賞口17に入賞すると、15点分の遊技点数が加算される。
【0017】
図1右側に示すスロットマシンは、実際のメダルを使用せずに遊技を可能とするメダルレス式スロットマシンである。また、スロットマシンは、機内の記憶部に記憶される遊技価値(遊技点数)を記憶・管理しており、その遊技点数として少なくとも1回のゲームを実行するために必要な規定数(例えば3点)が存することを条件にゲームを開始することができ、入賞した役の種類に応じて遊技者が得点数を獲得すると、メダルを払出すことなくデータ上の遊技点数として加算するといったように、その増減につき主となって管理する。
【0018】
スロットマシンは、カードユニット2から遊技点数を受信すると、その遊技点数分の得点を賭けることが可能となる。
即ち、同図1に示すように、スロットマシンは、表示窓18、スタートレバー19、ストップ釦20(左ストップ釦、中ストップ釦および右ストップ釦)、タッチパネル式の情報表示部21、BET釦22等を有する。遊技者は、表示窓18を通じて内部に設けられたリールに描かれた図柄を視認可能となっている。遊技者によってBET釦22を操作することで、クレジットメダルが所定枚数ベットされる(前記3点分の得点を賭ける)。その状態でスタートレバー19が操作されると、内部抽選を実行するとともに図柄の変動を開始させ(ゲームを開始させ)、ストップ釦20を操作することによって所謂引込制御によりリールの変動を停止する。
【0019】
スロットマシンでは、周知のように小役、リプレイ役のほか、ボーナス役(BB役及びRB役)等が設定されている。上記の内部抽選時に、何れかの役に内部当選した状態で遊技者によりストップ釦20が操作されたとき、予め設定されている有効ライン上にその内部当選役に対応する図柄が停止表示されると、入賞が発生する。そして、入賞が発生した場合には、入賞した役の種類に応じた遊技点数の付与等が行われる。例えば、3点入賞役、5点入賞役、10点入賞役、15点入賞役などがあり、入賞した役が15点入賞役の場合、15点の遊技点数が付与される。入賞した役がボーナス役(BB、RB)の場合、ボーナス状態(BB状態、RB状態)へ移行する。BB状態及びRB状態は、通常状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態(大当り状態)であり、小役について付与される遊技点数或いは当選確率が向上することから、一気に遊技点数を獲得することができる。
なお、スロットマシンの情報表示部21は、パチンコ機の情報表示部13と同様、前記計数操作のため計数釦の他、遊技点数や各種の稼動データ(ゲームの実行回数、ボーナスの発生回数など)の表示が可能である。
【0020】
上記のパチンコ機やスロットマシンといった遊技機1からは、カードユニット2へ次の遊技信号を含む各種遊技信号が送信(出力)される。
・アウト信号:遊技に使用した得点数を示す信号。
・セーフ信号:遊技の結果得られた得点数を示す信号。
・大当り信号:大当り状態の発生中に出力される信号。
なお、上記のように、遊技者が遊技により獲得した遊技価値であって、遊技機1側で主として管理される得点数を遊技点数、カードユニット2側で主として管理される得点数を持点数とも表記する。
【0021】
上記遊技信号は、何れもデータ項目(例えばアウト=前回データ送信時からの消費(使用、打込)価値(アウト)を1点単位で示すデータ項目)として一括した、或いは複数の遊技情報を電文によりまとめたデータ信号としてもよい。この場合、所定期間(例えば200ms)単位でデータを集計し、その集計したデータやその時点における状態を特定可能な電文によるデータ信号を送信対象(出力対象)とすることができる。遊技信号は、係るデータ信号の他、パルス信号や状態信号等を含みうることは勿論である。また、遊技機1からは、遊技点数を使用した遊技の実行に応じて各種の遊技情報を信号出力にてカードユニット2側(中継装置4側)へ送信するものとし、上記の遊技信号に限らず、その機種によって様々な信号が出力される。
【0022】
カードユニット2については、図1に示すようにパチンコ機の左側に配置されるパチンコ機用のものと、スロットマシンの右側に配置されるスロットマシン用のものとがあるが、説明の便宜上、両者に共通の構成要素に同一の符号を付して一括して説明する。
パチンコ機用或いはスロットマシン用のカードユニット2(以下、単に「カードユニット2」と称す)は、紙幣(千円)が投入される紙幣挿入口23、遊技者からの操作入力を受付けると共に各種の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部24、貸出操作を行うための貸出釦25、返却操作を行うための返却釦26、再遊技操作を行うための再遊技釦27、ICカード(図示略)が挿入されるカード挿入口28等を有する。
【0023】
カードユニット2は、以下のように動作する。
(1)遊技機1から上記した各種の遊技信号を受信して集計及び記憶すると共に中継装置4を経由して管理装置6や情報表示装置3へ送信する。遊技者の入金残高及び遊技点数も管理装置6へ送信する。管理装置6から各種設定情報(遊技機番号、機種名、得点単価等)を受信して記憶する。なお、機種名は、各種の機種を特定可能な名称として、例えばパチンコ機では「AAA,BBB、…」で表され(図4図6等参照)、管理装置6において特定される遊技情報と対応付けて管理される。
【0024】
(2)紙幣が紙幣挿入口23に挿入されると、入金残高に加算して記憶する。ICカードがカード挿入口28に挿入されると、カードIDに対応付けられた入金残高及び持点数を読み出して表示する。例えばパチンコ機用カードユニット2では貸出釦25が操作されると、一定金額(例えば1000円)に対応する点数を250点ずつ遊技点数に変換して遊技機1へ送信する。再遊技釦27が操作されると、持点数を250点ずつ遊技点数に変換して遊技機1へ送信する。持点数、遊技点数、全得点数(持点数と遊技点数との合計)を記憶して表示する。遊技機1からの得点加算情報及び得点減算情報を受信し、記憶している得点数を、その受信した得点加算情報及び得点減算情報に応じて更新し、得点数の更新に応じて得点数情報を中継装置4へ送信する。
【0025】
(3)入金残高及び持点数の少なくとも何れか一方が存在する状態で返却釦26が操作されると、その入金残高及び持点数をICカードに記録して発行する。持点数を記録する場合、これを獲得した遊技機1に対応する種別情報(例えば前記種別としてのレート)も対応付けて記録する。遊技点数はICカードに記録せず、遊技機1側に残る。なお、持点数を持玉と称する場合もある。
(4)ICカードを最大10枚ストックしている。
【0026】
上記のカードユニット2は、中継装置4とのシリアル通信により管理装置6にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉(持点数)、貸出玉数(前記貸出時の点数)、変換玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、及び記録媒体の受付や発行処理等の各種情報を特定可能とする。これらはパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としてもよい。なお、遊技機1との通信は中継装置4を介さず、遊技機1とカードユニット2とで直接通信してもよいし、中継装置4を介して通信してもよい。
【0027】
管理装置6は、上記した遊技場Aに設置されている全ての機器の稼動状況を管理し、複数機種の遊技機1の遊技情報を収集する。係る遊技情報は、営業日の日付情報と対応付けた各種日毎遊技情報(図2参照)として、管理装置6の記憶部6mに記憶される。
図1図2に示すように、管理装置6はインターネット100(公衆通信回線)に接続可能となっており、センターに設置されている管理サーバ10とインターネット100等を介して通信可能である。遊技場B、Cでも遊技場Aの同等の構成が実現されており、遊技場B、Cの管理装置6についても、遊技場Aの管理装置6と同様、管理サーバ10とインターネット100等を介して通信可能とされている。
ここで、管理サーバ10は、例えば遊技場A~C外で情報提供会社により運営されるものとする。
【0028】
図2に示すように、管理サーバ10において、制御部30はCPUや記憶部31mを有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。制御部30(単に「管理サーバ10」とも称する)は、各遊技場A~Cの管理装置6と通信を行うための通信手段(図示しない送受信部)等を備えており、遊技情報収集手段、入力手段、出力手段、区分手段として機能する。
【0029】
即ち先ず、管理サーバ10は、遊技機1から出力される遊技信号に基づき特定される遊技情報を、管理装置6を介して(各種日毎遊技情報として)複数の遊技場A~Cから受信する。このように、管理サーバ10は、各種日毎遊技情報を複数の遊技場A~Cから収集する遊技情報収集手段として機能する。
各種日毎遊技情報には、例えば各店舗A~Cの機種毎や台番毎、種別毎のアウト(稼動情報)やセーフ、差玉、大当り回数、定時毎の稼動率、当該機種の遊技時間、又は売上若しく粗利等が含まれる。
【0030】
図2に示すように、管理サーバ10は、受信した各種日毎遊技情報を全国日毎遊技情報として記憶部31m(以下「データベース31m」とも称する)に記録する。
全国日毎遊技情報とは、例えば各種日毎遊技情報から算出される機種毎及び種別毎の各遊技情報を称するものであり、全国平均値として求められる。全国日毎遊技情報は、日々の遊技情報として十分に長い期間蓄積して記録される。
【0031】
また、詳しくは後述するように全国日毎遊技情報は、遊技場ID(遊技場A~C固有の識別情報)と対応付けて蓄積される。これにより、全国日毎遊技情報について、遊技場A~C毎の実績を求めることも可能であり、又、各遊技場A~Cを後述する所定の条件に従ってグループ分けし当該グループ単位で当該遊技情報を区分することも可能である。データベース31には、このような遊技場A~Cをグループ分けした遊技情報(区分された遊技情報)も記録される。
【0032】
そして、本実施形態の稼動情報予測モデルは、管理サーバ10における制御部30にて予測対象とする全国日毎遊技情報を例えばCSVファイルとして取り込み入力することで稼動情報を説明変数として入力し、所定の学習モデルにより特定の未来における予測結果を目的変数として出力する学習済みモデル32である。
この場合、管理サーバ10は、係る稼動情報を学習済みモデル32に入力する入力手段、及びその学習済みモデル32から予測稼動情報を出力する出力手段として機能する。
【0033】
このように、学習済みモデル32は、図2に示す全国日毎遊技情報の内、稼動情報を学習対象に含み構築されたモデル、つまりは稼動情報を含む学習用データに基づき機械学習により生成された学習済み稼動情報予測モデルであり、予測結果である予測稼動情報と、実際の稼動情報である実稼動情報との誤差に従って学習されている。
【0034】
なお、機械学習に用いる稼動情報は、遊技場へ導入されてからの期間が比較的短い期間、例えば導入から7日間の稼動情報を用いるようにする。
また、予測対象日は、対象となる遊技機1が遊技場へ導入されてから所定期間、例えば4週や8週経過後の未来を対象とする。
【0035】
ここで、前記所定の学習モデルとは既知の学習モデル(学習アルゴリズム)であり、例えば線形回帰モデルやニューラルネットワーク、決定木、ランダムフォレスト等から適宜選択される。
選択された学習モデルにより出力される予測結果と十分長い期間蓄積して記録される全国日毎遊技情報に対応する対象日における実稼動情報との誤差を既知の指標、例えば平均二乗誤差(MSE)や平均絶対誤差(MAE)により評価する。この評価により得られた誤差を最小化するように学習モデルのパラメータを適宜調整する。
【0036】
ところで、「背景技術」で述べたように、従来より遊技場において新規導入した機種(遊技機1)の、導入後一定期間経過後の稼動予測が行われている。
しかしながら、遊技場への導入直後の稼動情報、例えばアウトや稼動率の全国平均が同程度の遊技機1であっても、その導入から所定期間経過後の稼動情報に乖離が発生する遊技機1も多い。
そのため、導入直後の稼動予測では正確な値を予測することは困難であり、従来の稼動予測も、係る稼動状況の乖離要因を考慮しているとは言い難く、更なる高精度の稼動予測の実現が所望されている。
【0037】
そこで、本実施形態では、遊技機1が導入される遊技場A~Cを所定の条件に従ってグループ分けした際の稼動情報の分布に現れる特徴に着目し、管理サーバ10は、当該特徴を説明変数に加えて学習済みモデル32を構築する。
つまり、管理サーバ10は、区分手段として遊技場A~Cのグループ分けを行って当該グループ単位で全国日毎遊技情報を区分し、その区分した全国日毎遊技情報の内の稼動情報(グループ単位稼動情報)を学習用データとして取り込み構築された学習済みモデル32を有する。
【0038】
ここで、グループ分けに係る所定の条件とは、例えば遊技場A~Cを所定の順位で順位付けるための条件であり、全国日毎遊技情報に含まれる稼動人数や稼動率といった稼動情報、遊技場A~Cの粗利を示す粗利情報、により順位付けられる。
管理サーバ10は、このような稼動情報や粗利情報と所定の条件とに基づいて(所定の情報として)、遊技場A~Cの順位付けによるグループ分けを行い、グループ単位で稼動情報や粗利情報等を区分する。なお、管理サーバ10によるグループ分けの対象(管理対象)となる遊技場は、図1の遊技場A~Cを含む多数の遊技場を想定していることから、以下では単に「遊技場」とも称する。
【0039】
例えば、稼動率により遊技場を10のグループに分ける場合、遊技場を稼動率の高低に従って昇順で並べ替え、これを稼動率に係る所定の条件(10段階に分ける基準値)により分けて順位付けを行い、グループ単位での稼動情報として区分する。このとき、稼動率の高い上位のグループからランク1、ランク2、…、ランク10と表現する。
【0040】
この点、稼動率が良い、つまり10段階に区分した場合の上位ランク(例えばランク1,2)の遊技場では、遊技機1の人気や性能に関わらずいずれの遊技機1でも稼動率が良くなる傾向にある。
一方、稼動率が平均程度、つまり中位ランク(例えばランク3~6)の遊技場では、遊技機1の人気や性能に従って稼動率にも差が生まれる。そのため、稼動率のような遊技情報を上位ランクか中位ランクかのグループに区分して説明変数とする、つまりは学習済みモデル32への入力値に対応する変数とすることで、精度が高い予測値が得られることになる。
【0041】
図3(a)(b)のグラフは、導入直後の稼動情報が類似する遊技機1であっても、その導入から所定期間経過後の稼動情報に乖離が生じる遊技機1の導入直後における稼動情報の分布を示すヒストグラムである。このヒストグラムでは、横軸に稼動情報として例えば「稼動率(%)」を5%毎の区間で設定し、縦軸には各区間における「データ点数」(例えば店舗数や台数)を設定している。
【0042】
このうち、図3(a)では、遊技場への導入から所定期間経過後の稼動率の低下が緩やかな遊技機1の稼動情報を集計対象とし、同図(b)は、稼動率の低下が急激な遊技機1の稼動情報を集計対象として、それら(a)と(b)の別個のヒストグラムで表している。このような稼動率の低下の差異により、所定期間経過後に稼動率に乖離が生じることになる。
【0043】
また、図3のヒストグラムにおける符号「Re」「Bl」「Pu」は、上位ランクのグループの点数(頻度)を赤Re、中位ランクのグループの頻度を青Bl、それらが各区間(稼動率)において重複する箇所の頻度を紫Puとし、それらランクの色分けに対応して付している。当該ヒストグラムにおいて標準偏差を分析すると、上位ランクではいずれの遊技機1もピークの位置(区間)に違いは見られないが中位ランクでは、稼動の低下が緩やかな(a)の遊技機1の方が、急激な(b)の遊技機1よりもピークが右にある。
このような特徴を有する稼動情報、即ち図3のヒストグラム中の遊技機1の稼動率を含むグループ単位稼動情報を学習に用いる(学習済みモデル32に入力する)。なお、係る稼動情報は、遊技機1の稼動率に限らず、遊技機1の稼動数を学習に用いるようにしてもよい。
【0044】
図4は、管理サーバ10のデータベース31mに記録される遊技情報を示している。
管理サーバ10では、同図に示す「機種名」AAAについての「登場日」、全国日毎遊技情報の「稼動率」、上位及び下位ランクの「稼動率」というように遊技情報を遊技場の順位付けに係るグループ単位で管理(記録)している。
【0045】
具体的には、「機種名」AAAは、遊技機1の名称を示し、「登場日」は、機種AAAが遊技場に最初に導入された日を示す。
N日目稼動率(「1日目稼動率」…「7日目稼動率」)は、遊技場に機種AAAが導入されてからN日目の稼動率を示す。
N日目上位ランク稼動率(「1日目上位ランク稼動率」…「7日目上位ランク稼動率」)は、上位ランクの遊技場に機種AAAが導入されてからN日目の稼動率を示す。
N日目中位ランク稼動率(「1日目中位ランク稼動率」…「7日目中位ランク稼動率」)は、中位ランクの遊技場に機種AAAが導入されてからN日目の稼動率を示す。
【0046】
なお、図4以降において稼動率の欄の数値は便宜上「0.999」としているが、例えば図3のところで説明したように中位ランクの遊技場では、機種AAAの人気や性能に従って稼動率にも差が生じることから、その差が実際の数値として反映されることとなる。
また、図4はデータベース31mに記録される遊技情報の一部を例示するものであり、同図に示す遊技情報以外の遊技情報を含んでもよいことは勿論である。また、稼動情報として、稼動率を例示したが例えばアウトのような稼動数であってもよい。
【0047】
図5は、データベース31mにおいて図4の遊技情報に加えて或いは別に記録される、学習済みモデル32による稼動率の予測結果である「予測稼動情報」を示している。
予測対象日はいずれであってもよく、図5に例示する「22日目」…「56日目」の日毎の対象日にすることはもとより、例えば4週や8週経過後を含む22日目~28日目や、50日目~56日目といった期間でもよい。また、上記した期間に含まれる全てを対象日にしたり、上記した期間以降を対象日にしてもよい。
いずれにしても、同図の学習済みモデル32による予測結果は、上記のように遊技情報を上位ランクと中位ランクとで区分して説明変数とすることで、精度が高い稼動率の予測値が得られることになる。
【0048】
管理サーバ10のデータベース31mには、さらに、学習済みモデル32の学習に用いるために十分な期間の遊技情報が記録されている。
具体的には、図6に示すように機種AAAの導入直後である1日~7日目の稼動率から、1か月、2か月後である28日目や56日目を予測対象日として予測結果を出力し、当該予測結果をデータベース31mに記録された実稼動情報と比較して学習を行うようにする。なお、上記のデータベース31mでは、機種毎に日毎の遊技情報を蓄積するようにしたが、日毎に各遊技機1の遊技情報を蓄積するようにしてもよい。その際、日付を対応付けて蓄積する。
【0049】
こうして、各遊技場A~Cの管理装置6では、管理サーバ10により予測された予測稼動情報をモニタ6aに出力することができる。図7は、モニタ6aでの表示画面で表示される予測稼動情報を含む遊技情報の一例を示している。
同図に示すように予測稼動情報は、該当する「機種名」AAAとその「登場日」とともに表示される。
【0050】
具体的には、「登場週稼動率」は、機種AAAが遊技場に導入された日から1週間の平均稼動率を示す。「N週後予測稼動率」は、N週後1週間の予測稼動率の平均を示す。この場合、何週後を対象にするかは、遊技場管理者のキーボード6b等を用いた入力操作によって任意に設定し得るものであり、その設定した週の予測稼動率の平均値を表示させることができる。
【0051】
以上説明したように、本実施形態の遊技場用システムによれば、遊技機1の導入から所定期間経過後の稼動情報に影響を及ぼす要因に基づき遊技場をグループ分けし、グループ単位で区分した稼動情報を含み学習された学習済みモデル32に、稼動情報を入力することで予測データを出力するようにしたので、遊技機1の導入から所定期間経過後であっても稼動情報を高精度に予測できるようになる。
【0052】
遊技場を所定の情報により順位付けし、その順位付けによるランク毎に区分した稼動情報を用いて学習を行うようにしたので、所定期間経過後の稼動情報を考慮した稼動情報を高精度に予測できるようになる。
遊技場の業績に影響を及ぼすアウト(稼動数)及び稼動率を用いて学習を行うようにしたので、予測により得られる情報を営業に活かすことができるようになる。
【0053】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張したり、各変形例を上記実施形態と組み合せたり、各変形例を組み合わせるようにしてもよい。
遊技場を遊技情報に基づいてグループ分けする場合を例示したが当該遊技情報に稼動人数や、対応する遊技機1の台数等を含んでもよい。また、新台が導入されやすいか否かや、所定商圏や全国の稼動順位によりグループ分けしてもよい。
なお、稼動人数とは、例えば特定の遊技場における一時間当たりの平均実稼動人数(客数)に相当する。また、稼動率(%)は、「稼動人数」÷台数×100で求めることができるが、稼動率の算出方法はこれに限定するものではない。
【0054】
学習対象となる稼動情報はアウトや稼動率に加えて/代えて稼動情報の平均値や中央値、標準偏差を用いてもよい。
また、管理サーバ会社等で定義される特定の遊技機1の単位期間における遊技情報(単位期間情報)と基準遊技情報とを比較することにより、遊技場への貢献度合いを示す貢献情報を出力するようにしてもよい。即ち例えば、管理サーバ10を貢献情報特定手段として、当該遊技機1の単位期間情報と基準情報とを比較させることにより、遊技場への貢献度合いを示す指標(貢献情報)を特定する。
この際、管理サーバ10において特定される指標は、それぞれの予測結果を比較することにより算出して出力するようにしてもよいし、指標を学習対象に含む学習済みモデル32(学習済み稼動情報予測モデル)を構築し、当該学習済みモデルから直接出力されるようにしてもよい。いずれにしても、遊技場への貢献度を示す指標を出力する構成とすることにより、遊技場管理者は対象日における指標を客観的に把握でき、対応する遊技機1の増台や減台を適切に検討できるようになる。
【0055】
例示した学習に用いる稼動情報の対象期間はいずれであってもよく、3日間や10日間等適宜増減させてもよい。
また、予測対象日もいずれのように設定してもよく、所定期間におけるすべての日を対象日にしてもよい。さらに、複数の期間を対象にしてもよく、複数の期間を対象にして比較可能に出力できるようにしてもよい。
【0056】
管理装置6での出力において、学習の際にどの程度誤差が発生したかを示す指標を併せて出力するようにしてもよい。例えば、誤差の程度に応じて信頼度A~Cといった指標を出力する。
学習済みモデル32は管理サーバ10で都度学習させてもよいし、外部で学習させたモデルを導入するようにしてもよい。さらに、モデルの導入後に収集される遊技情報を用いて学習に利用してもよいし、新たに学習したモデルを導入できるようにしてもよい。
【0057】
管理サーバ10についてはクラウド型サーバを用いてもよく、集計や各処理についてはクラウド上で行ってもよい。管理サーバ10で行う処理を管理装置6で行ってもよく、さらにその逆でもよい。
管理サーバ10の情報を管理装置6のモニタ6aで閲覧可能であるが、例えば通常のパソコン(図示しない通常の端末装置のモニタ)等においても閲覧可能としてもよい。この場合、アカウントID(端末装置のID)等を入力して閲覧者を特定するとよい。また、予測稼動情報等の出力については、モニタ6a等での表示出力に限らず、プリンタ等での印字出力とする等、各種の出力手段を用いて行うことができる。
【0058】
管理装置6から送信される遊技情報に基づき稼動情報を特定したが、実際に集計した値を、管理装置6でのキーボード6b等の入力手段を用いた操作入力に基づき特定するようにしてもよい。
また、送信できない遊技場の遊技情報を他の遊技場の操作入力により収集するようにしてもよい。
例示の数値範囲には、その値を含むようにしてもよいし、含まないようにしてもよい。
【符号の説明】
【0059】
図面中、1は遊技機、10は管理サーバ(遊技情報収集手段、入力手段、出力手段、区分手段、貢献情報特定手段)、30は制御部(遊技情報収集手段、入力手段、出力手段、区分手段、貢献情報特定手段)である。
【要約】
【課題】高精度の稼動予測を実現する遊技場用システムを提供する。
【解決手段】遊技場用システムにおいて、遊技場を所定の条件に従ってグループ分けし、グループ単位で区分した稼動情報を含み学習された学習済みモデルに、稼動情報を入力することで予測データを出力するようにしたので、遊技機の導入から所定期間経過後であっても稼動情報を高精度に予測できるようになる。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7