(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-01-23
(45)【発行日】2026-02-02
(54)【発明の名称】突起部材及びペダルガイド装置
(51)【国際特許分類】
G05G 1/60 20080401AFI20260126BHJP
【FI】
G05G1/60
(21)【出願番号】P 2024524139
(86)(22)【出願日】2022-06-03
(86)【国際出願番号】 JP2022022669
(87)【国際公開番号】W WO2023233662
(87)【国際公開日】2023-12-07
【審査請求日】2024-08-02
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504132881
【氏名又は名称】国立大学法人東京農工大学
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】平松 真知子
(72)【発明者】
【氏名】川野 勉
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 壮
(72)【発明者】
【氏名】毛利 宏
【審査官】増岡 亘
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-090728(JP,A)
【文献】特開2001-1827(JP,A)
【文献】特開2008-174061(JP,A)
【文献】米国特許第1418968(US,A)
【文献】特開2009-208638(JP,A)
【文献】中国実用新案第207190874(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05G 1/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセルペダルを操作する運転者の踵の右側の側面部を当接させ、左側の側面を当接しないように運転席の床面に設置される第1突起部材と、
ブレーキペダルを操作する前記運転者の前記踵の左側の側面を当接させ、右側の側面を当接しないように前記床面に設置される第2突起部材と、を備え、
前記第1突起部材は、前記アクセルペダルの運転席側の先端の位置を通り前記床面に垂直な垂線が前記床面と交差する位置に定めた基準点を中心とし且つ車両前後方向の後方の方向を0度として、時計回りに0度以上90度未満の角度範囲内に前記第1突起部材の少なくとも一部が配置されるように位置決めされ、
前記第2突起部材は、前記ブレーキペダルの運転席側の先端の位置を基準に前記床面上に定めた基準位置から所定の範囲内に配置され、
前記基準位置は、前記ブレーキペダルの運転席側の先端の真下の位置に設定され、前記所定の範囲の車両前後方向範囲は、前記基準位置から後方に所定距離の範囲であり、前記所定の範囲の車幅方向範囲は、前記ブレーキペダルの先端が車幅方向に占める範囲である、
ことを特徴とするペダルガイド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、突起部材及びペダルガイド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、車両のブレーキペダルとアクセルペダルに対する運転者の誤操作を防止するためのペダルガイドシステムが開示されている。特許文献1のペダルガイドシステムは、板状、蛇腹状、帯状、又は幕状のガイド部を備える。ガイド部は、ブレーキペダルまたはアクセルペダルの少なくとも一方の横に0.5cm~10cmの所定の隙間をあけて車両に取付可能であり、ダッシュボード下面から床までの高さと同程度の高さを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のペダルガイドシステムは、ブレーキペダルまたはアクセルペダルの誤操作を防止することを意図しており、ペダル操作の調整能力を高めるものではない。
本発明は、アクセルペダルのペダル操作の調整を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、アクセルペダルを操作する運転者の踵の側面部を当接させるように運転席の床面に設置される突起部材が与えられる。突起部材は、アクセルペダルの運転席側の先端の位置を基準に床面上に定めた基準点を中心とし且つ車両前後方向の後方の方向を0度として、時計回りに0度以上90度未満の角度範囲内に突起部材の少なくとも一部が配置されるように位置決めされる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、アクセルペダルのペダル操作の調整が容易になる。
本発明の目的及び利点は、特許請求の範囲に示した要素及びその組合せを用いて具現化され達成される。前述の一般的な記述及び以下の詳細な記述の両方は、単なる例示及び説明であり、特許請求の範囲のように本発明を限定するものでないと解するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態のペダルガイド装置が配置された車室内装構造の模式図である。
【
図2】(a)~(c)は、第1突起部材の設置範囲の模式図である。
【
図3】(a)~(e)は、第1突起部材の第1例~第5例の模式図である。
【
図4】(a)~(c)は、第1突起部材を床面に固定する固定部材の第1例の模式図である。
【
図5】(a)~(c)は、第1突起部材を床面に固定する固定部材の第2例の模式図である。
【
図6】(a)~(c)は、第1突起部材を床面に固定する固定部材の第3例の模式図である。
【
図7】(a)~(c)は、第1突起部材を固定するための車体側の締結穴の配置の模式図である。
【
図8】(a)は第1突起部材をダッシュパネルに固定する固定部材の一例の模式図であり、(b)は第1突起部材を運転席のシートレールに固定する固定部材の一例の模式図である。
【
図9】(a)及び(b)は、第2突起部材の設置範囲の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(構成)
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、実施形態の車両用ペダルガイド装置が配置された車室内装構造の模式図である。車両の車室内装構造は、車両の運転席の前方のダッシュボード1と、運転席の前方の床面2と、客室とエンジンルームとを隔てるダッシュパネル(ダッシュロアパネル、トーボード)3と、運転者が車両を発進や加速させるためのアクセルペダル5と、運転者が車両を減速や停車させるためのブレーキペダル6を備える。床面2上にはフロアマット4が敷設されている。
【0009】
車室内装構造は、アクセルペダル5を操作する運転者の足Fの踵の側面部を当接させるように床面2に設置される第1突起部材10と、ブレーキペダル6を操作する運転者の足Fの踵の側面部を当接させるように床面2に設置される第2突起部材20と、を含んだペダルガイド装置を備える。なお、ペダルガイド装置は、必ずしも第1突起部材10及び第2突起部材20の両方を含まなくてもよく、第1突起部材10又は第2突起部材20のいずれか一方のみを含んでもよい。
【0010】
図2(a)~
図2(c)は、第1突起部材10の設置範囲R1の模式図である。第1突起部材10は、第1突起部材10の少なくとも一部が、設置範囲R1に配置されるように位置決めされる。
この設置範囲R1は、アクセルペダル5を操作する運転者の足Fの踵の側面部を第1突起部材10に当接させることができるように、アクセルペダル5の運転席側の先端(車両前後方向の後方側短辺)の位置である先端位置T1(例えば、アクセルペダル操作面の中央)を基準に床面2上に定めた基準点Pr1に基づいて設定される。
【0011】
図2(a)及び
図2(b)に示すように、アクセルペダル5が吊り下げ式のペダル(suspended pedal)である場合には、例えば先端位置T1の下方に基準点Pr1を設定する。例えば、先端位置T1から床面2に垂直に下ろした垂線の足(すなわち先端位置T1の真下の位置)を基準点Pr1として設定してもよく、先端位置T1から床面2に垂直に下ろした垂線の足の近傍に基準点Pr1を設定してもよい。
【0012】
また
図2(c)に示すように、アクセルペダル5がオルガン式(organ-type)のペダルである場合にはアクセルペダル5の運転席側の先端位置T1の近傍に基準点Pr1を設定する。例えば、先端位置T1よりも運転席の近くに基準点Pr1を設定してよい。
【0013】
図2(a)及び
図2(c)に示すように、基準点Pr1を中心とする設置範囲R1の角度範囲(方角範囲)は、床面2に垂直な方向から見て方向DTから方向DLまでの間の範囲である。
方向DLは基準点Pr1から後方へ向かう車両前後方向である。また方向DTは、基準点Pr1を中心とし且つ方向DLを0度として時計回りに90度の方向(すなわち基準点Pr1から左側に向かう車幅方向)である。
【0014】
このように、第1突起部材10は、基準点Pr1を中心とし且つ基準点Pr1から車両前後方向の後方へ向かう方向DLを0度として、時計回りに0度以上90度未満の角度範囲に第1突起部材10の少なくとも一部が配置されるように位置決めされる。
また、車両前後方向における設置範囲R1の前方の境界は、基準点Pr1の位置であり、後方の境界は、運転席のシートクッションの前端の位置である。
【0015】
図3(a)~
図3(e)は、第1突起部材10の第1例~第5例の模式図である。
図3(a)~
図3(d)に示すように、第1突起部材10は、床面2に設置された場合に床面2に沿って延在する柱形状の部材であってよい。すなわち、第1突起部材10が床面2に設置された場合に、柱形状の軸方向と平行な側面11が、床面2に対向して床面2に接触する。軸方向は、例えば柱形状の長手方向であってよい。
【0016】
図3(a)の第1突起部材10は三角柱形状を有し、床面2に設置された場合に、三角柱の側面となる1つの面11が床面2に対向して床面2に接触する。
図3(b)の第1突起部材10は四角柱形状を有し、床面2に設置された場合に、四角柱の側面となる1つの面11が床面2に対向して床面2に接触する。なお、第1突起部材10は三角柱形状又は四角柱形状に限定されず他の多角柱形状であってもよい。
【0017】
図3(c)の第1突起部材10は半円柱形状を有し、床面2に設置された場合に、半円柱の平坦な側面となる面11が床面2に対向して床面2に接触する。なお半円柱の断面形状は、真円を直径の位置で切断した円形状に限定されず、真円又は楕円など任意の円状の形状を任意の弦の位置で切断した形状であればよい。
【0018】
図3(d)の第1突起部材10は、断面がT字形のT形柱形状を有している。T形柱形状の第1突起部材10は、第1板部10aと、第1板部10aの一方の面に接続する第2板部10bとを備える。床面2に設置された場合に、第2板部10bが接続する第1板部10aの一方の面と反対側の他方の面11が床面2に対向して床面2に接触する。
このように、第1突起部材10が床面2に沿って延在する柱形状を有していることにより、踵の側面部が第1突起部材10に面接触又は線接触した状態で踵の側面部を支持できる。
【0019】
図3(e)を参照する。第1突起部材10は、床面2に設置された場合に、軸方向に垂直な底面11が床面2に対向して床面2に接触する柱形状の部材であってもよい。例えば、
図3(e)の第1突起部材10は円柱形状を有する。第1突起部材10は三角柱や四角柱のような多角柱形状であってよい。この場合、踵の側面部が第1突起部材10に面接触又は線接触している必要はなく、点接触した状態で踵の側面部を支持してもよい。
【0020】
また、第1突起部材10は、床面2に設置された場合に、軸方向に垂直な底面が床面2に対向して床面2に接触する錐形状(円錐形状、三角錐形状、四角錐形状、多角錐形状)の部材であってよい。
以下の説明において、床面2に設置された場合に、床面2に対向して床面2に接触する第1突起部材10の平坦な面11を「底面11」と表記する。
【0021】
第1突起部材10は、
図3(a)に示すように軸方向(延在方向)に沿って延在するとともに底面11に対して傾斜している側面12を有してもよく、
図3(b)に示すように軸方向(延在方向)に沿って延在するとともに底面11に対して垂直な側面12を有してもよい。
なお、第1突起部材10が多角柱形状や半円柱形状、円柱形状、錐形状である場合、第1突起部材10は中実構造であってもよく中空形状であってもよい。
【0022】
第1突起部材10は、運転者の踵の側面部を係止するのに十分な高さ、長さ及び硬度を有する。すなわち第1突起部材10は、運転者の踵の底部を床面2につけるとともに、運転者の踵の側面部を第1突起部材10に当接させて第1突起部材10の上端部分に力を加えたときに、運転者の踵を保持できる高さ、長さ及び硬度を有する。
第1突起部材10の「高さ」とは、第1突起部材10を床面2に設置された状態における鉛直方向の寸法を意味する。例えば、第1突起部材10の高さは、例えば1cm~3cmであってよい。
【0023】
また、第1突起部材10は、床面に設置された場合に車両前後方向となる方向に、運転者の踵の側面部を係止できる長さを有する。例えば軸方向における第1突起部材10の長さは、5cm~30cmであってよい。
また、第1突起部材10の材質は、運転者の踵を保持できる硬度を有するように適宜選択できる。例えば第1突起部材10の材質は、金属、木材、プラスチック、ゴムであってよい。
【0024】
図4(a)~
図4(c)は、第1突起部材10を床面2に固定する固定部材の第1例の模式図である。例えば固定部材は、第1突起部材10の底面11に形成された締結穴13と、床面2に形成された締結穴30と、締結穴13及び30に挿入されて第1突起部材10を床面2に固着させる固着具31を備える。
【0025】
例えば、固着具31は雄ネジであってよく、締結穴13の内周面に雌ねじを形成してもよい。固着具31は、締結穴30を介して締結穴13の内周面の雌ねじに螺合することによって、第1突起部材10を床面2に締結する。
したがって、床面2に形成された締結穴30の位置によって第1突起部材10が位置決めされる。
【0026】
例えば、
図3(a)~
図3(d)の第1突起部材10の場合のように、柱形状の第1突起部材10の軸方向と平行な面を底面11として床面2に接触させて第1突起部材10を床面2に設置する場合には、
図4(a)に示すように複数の締結穴13を底面11に形成し、床面2に形成された複数の締結穴30と複数の締結穴13にそれぞれ固着具31を挿入して第1突起部材10を床面2に固着させてもよい。
【0027】
これにより、単一の固着具31で第1突起部材10を床面2に固着した場合に固着具31を回転軸として第1突起部材10が回転するのを抑制するとともに、床面2上における第1突起部材10の延在方向を設定できる。第1突起部材10に複数の締結穴13を形成する場合、例えば柱形状の軸方向に沿って複数の締結穴13を配列してもよい。
【0028】
また例えば、
図3(e)の第1突起部材10の場合のように柱形状の第1突起部材10の軸方向に垂直な底面11を床面2に接触させて第1突起部材10を床面2に設置する場合や、錐形状の第1突起部材10の軸方向に垂直な底面11を床面2に接触させて第1突起部材10を床面2に設置する場合には、
図4(b)に示すように底面11の中央に単一の締結穴13を形成してもよく、複数の異なる位置に締結穴13を形成して固定強度を高めてもよい。
なお、固着具31としてネジ以外の部材を用いてもよく、リベットによって第1突起部材10を床面2に締結してもよい。
【0029】
図5(a)~
図5(c)は、第1突起部材10を床面2に固定する固定部材の第2例の模式図である。例えば固定部材は、第1突起部材10の底面11に立設された雄ねじ14と、床面2に形成された締結穴30と、締結穴30に挿入された雄ねじ14と螺合して第1突起部材10を床面2に固着させるナット32を備える。
したがって、床面2に形成された締結穴30の位置によって第1突起部材10が位置決めされる。
【0030】
例えば、
図3(a)~
図3(d)の第1突起部材10の場合のように、柱形状の第1突起部材10の軸方向と平行な面を底面11として床面2に接触させて第1突起部材10を床面2に設置する場合には、
図5(a)に示すように複数の雄ねじ14を底面11に立設し、床面2に形成された複数の締結穴30にそれぞれ挿入された複数の雄ねじ14にナット32を螺合させることにより第1突起部材10を床面2に固着させてもよい。
【0031】
これにより、単一の雄ねじ14で第1突起部材10を床面2に固着した場合に雄ねじ14を回転軸として第1突起部材10が回転するのを抑制するとともに、床面2上における第1突起部材10の延在方向を設定できる。第1突起部材10に複数の雄ねじ14を立設する場合、例えば柱形状の軸方向に沿って複数の雄ねじ14を配列してもよい。
【0032】
また例えば、
図3(e)の第1突起部材10の場合のように柱形状の第1突起部材10の軸方向に垂直な底面11を床面2に接触させて第1突起部材10を床面2に設置する場合や、錐形状の第1突起部材10の軸方向に垂直な底面11を床面2に接触させて第1突起部材10を床面2に設置する場合には、
図5(b)に示すように底面11の中央に単一の雄ねじ14を形成してもよく、複数の異なる位置に雄ねじ14を形成して固定強度を高めてもよい。
【0033】
図6(a)~
図6(c)は、第1突起部材10を床面2に固定する固定部材の第3例の模式図である。例えば固定部材は、第1突起部材10の底面11に固定された雄又は雌のいずれか一方のスナップボタン15と、床面2に固定された雄又は雌のいずれか他方のスナップボタン33を備える。そして、スナップボタン15とスナップボタン33とを嵌合することで第1突起部材10を床面2に固着させる。
したがって、床面2に固定されたスナップボタン33の位置によって第1突起部材10が位置決めされる。
【0034】
例えば、
図3(a)~
図3(d)の第1突起部材10の場合のように、柱形状の第1突起部材10の軸方向と平行な面を底面11として床面2に接触させて第1突起部材10を床面2に設置する場合には、
図6(a)に示すように複数のスナップボタン15を底面11に固定し、床面2に固定された複数のスナップボタン33にスナップボタン15をそれぞれ嵌合させることにより第1突起部材10を床面2に固着させてもよい。
【0035】
これにより、スナップボタン15、33の単一の組合せにより第1突起部材10を床面2に固着した場合に、スナップボタン15、33の位置を回転中心として第1突起部材10が回転するのを抑制するとともに、床面2上における第1突起部材10の延在方向を設定できる。第1突起部材10に複数のスナップボタン15を固定する場合、例えば柱形状の軸方向に沿って複数のスナップボタン15を配列してもよい。
【0036】
また例えば、
図3(e)の第1突起部材10の場合のように柱形状の第1突起部材10の軸方向に垂直な底面11を床面2に接触させて第1突起部材10を床面2に設置する場合や、錐形状の第1突起部材10の軸方向に垂直な底面11を床面2に接触させて第1突起部材10を床面2に設置する場合には、
図6(b)に示すように底面11の中央に単一のスナップボタン15を固定してもよく、複数の異なる位置にスナップボタン15を固定して固定強度を高めてもよい。
【0037】
なお、
図4(a)、
図5(a)及び
図6(a)では、第1突起部材10底面11に2個の締結穴13、雄ねじ14、スナップボタン15を設ける例を示したが、3個以上の締結穴13、雄ねじ14、スナップボタン15を設けてもよい。
また、
図4(c)、
図5(c)及び
図6(c)の例では、床面2に固定部材を設けたが、床面2上に敷設されるフロアマット4に固定部材を設けてもよい。この場合に第1突起部材10はフロアマット4に固定される。
また、第2突起部材20の構成は第1突起部材10の構成と同様である。また、第2突起部材20を床面2に固定する固定部材の構成は第1突起部材10を床面2に固定する固定部材の構成と同様である。
【0038】
次に、第1突起部材10を固定するために車体側に設置される固定部材の配置について説明する。以下の説明では、
図4(a)~
図4(c)又は
図5(a)~
図5(c)を参照して説明した締結穴30の配置について説明するが、
図6(a)~
図6(c)を参照して説明したスナップボタン33の配置についても同様である。
【0039】
図7(a)を参照する。
図4(b)や
図5(b)の第1突起部材10の場合のように底面11の中央に単一の締結穴13を形成したり単一の雄ネジ14を立設した場合には、設置範囲R1内に単一の締結穴30を形成してよい。
締結穴30の形成位置は、アクセルペダル5を操作する運転者の足Fの踵の側面部が第1突起部材10に支持されるように運転者の個人差に応じて適宜設定する。
【0040】
図7(b)及び
図7(c)を参照する。
図4(a)や
図5(a)の第1突起部材10の場合のように底面11に複数の締結穴13を形成したり複数の雄ネジ14を立設した場合には、第1突起部材10側の締結穴13や雄ネジ14の形成位置に合わせて複数の締結穴30の形成位置を決定する。すなわち、複数の締結穴30同士の相対位置関係が、複数の締結穴13同士の相対位置関係や複数の雄ネジ14同士の相対位置関係と等しくなるように締結穴30の形成位置を決定する。
【0041】
例えば
図7(b)に示すように複数の締結穴30の全てを設置範囲R1内に形成してもよい。この場合、例えば第1突起部材10は、全長に亘って設置範囲R1内に配置されるように位置決めされてもよい。
また、床面2に垂直な方向から見て、基準点Pr1を通る直線L1に沿って第1突起部材10が延在するように、複数の締結穴30の形成位置を決定してよい。例えば、第1突起部材10の軸方向に沿って締結穴13を形成するか、第1突起部材10の軸方向に沿って雄ネジ14を立設するとともに、床面2に垂直な方向から見て基準点Pr1を通る直線L1上に複数の締結穴30を配列してよい。
【0042】
このように、アクセルペダル5の先端位置T1に基づいて定めた基準点Pr1を通る直線L1に沿って第1突起部材10が延在することにより、運転者の足Fの踵が第1突起部材10に沿って変位しても、運転者の足Fの先端がアクセルペダル5の方を向くように踵の側面部を支持できる。このため、アクセルペダル5を操作しようとするときに運転者が足Fをアクセルペダル5に載せ易くなる。
【0043】
図7(c)を参照する。複数の締結穴30の全て又は一部を設置範囲R1の外側に形成してもよい。この場合、例えば第1突起部材10の一部が設置範囲R1内に配置され、第1突起部材10の残り部分が設置範囲R1の外側に配置されるように、第1突起部材10が位置決めされてもよい。
なお、
図7(c)は設置範囲R1よりも前方の範囲に締結穴30を形成する例を示しているが、設置範囲R1よりも後方の範囲に締結穴30を形成してもよい。
【0044】
図7(b)の場合と同様に、床面2に垂直な方向から見て、基準点Pr1を通る直線L2に沿って第1突起部材10が延在するように、複数の締結穴30の形成位置を決定してよい。例えば、第1突起部材10の軸方向に沿って締結穴13を形成するか第1突起部材10の軸方向に沿って雄ネジ14を立設するとともに、床面2に垂直な方向から見て基準点Pr1を通る直線L2上に複数の締結穴30を配列してよい。
【0045】
設置範囲R1よりも前方の範囲に締結穴30を形成する場合に、例えば、運転席の前方のダッシュパネル(ダッシュロアパネル、トーボード)3に第1突起部材10を固定してもよい。
図8(a)は、運転席の前方のダッシュパネル3に第1突起部材10を固定する場合の模式図である。
【0046】
また例えば、運転席のシートレールに第1突起部材10を固定してもよい。
図8(b)は、運転席を前後に調整するためのシートレールに第1突起部材10を固定する場合の模式図である。参照符号40、41及び42は、それぞれ運転席40(運転席座面部)と、運転席に固定されたシートフレーム41と、床面2に固定されたシートレール42を示す。
【0047】
このように、ダッシュパネル3やシートレール42に第1突起部材10を固定する場合、床面2と平行ではない面に締結穴30を設けることがある。例えば、
図8(a)の例ではダッシュパネル3に締結穴30を形成しているが、ダッシュパネル3は床面2と平行ではない。シートレール42に直接締結穴30を形成する場合も同様である。
このような場合であっても、床面2に平行な2次元平面において、基準点Pr1の面内座標を通る直線が、複数の締結穴30の面内座標を通るように締結穴30の位置を定めることにより、床面2に垂直な方向から見て基準点Pr1を通る直線上に複数の締結穴30を配列できる。
【0048】
なお、シートレール42自体に締結穴30を形成するスペースがない場合には、
図8(b)に示すように取付ステー43をシートレール42に固定して、取付ステー43に締結穴30を形成してもよい。ダッシュパネル3に締結穴30を形成するスペースがない場合も同様である。
【0049】
図9(a)及び
図9(b)は、第2突起部材20の設置範囲の模式図である。
第2突起部材20の設置範囲R2は、ブレーキペダル6を操作する運転者の足Fの踵の側面部を第2突起部材20に当接させることができるように、ブレーキペダル6の運転席側の先端の位置である先端位置T2を基準に設定される。
具体的には、先端位置T2に基づいて車両前後方向の基準位置Pr2を床面2上に設定し、基準位置Pr2に基づいて設置範囲R2の車両前後方向範囲RLを設定する。
【0050】
例えば、車両前後方向範囲RLは、基準位置Pr2から後方に所定距離(例えば30cm)以内の範囲として設定してよい。例えば、基準位置Pr2は先端位置T2の真下の位置であってもよく、先端位置T2の真下の位置の近傍位置であってもよい。
また、設置範囲R2の車幅方向範囲RTは、ブレーキペダル6の先端位置T2に基づいて設定される。例えば、ブレーキペダル6の先端が占める車幅方向範囲を設置範囲R2の車幅方向範囲RTとしてもよい。
【0051】
(実施形態の効果)
(1)実施形態のペダルガイド装置は、アクセルペダルを操作する運転者の踵の側面部を当接させるように運転席の床面に設置される第1突起部材10を備える。第1突起部材10は、アクセルペダルの運転席側の先端の位置を基準に床面上に定めた基準点を中心とし且つ車両前後方向の後方の方向を0度として、時計回りに0度以上90度未満の角度範囲内に第1突起部材10の少なくとも一部が配置されるように位置決めされる。
【0052】
これにより、従来のように踵が床面の1点のみに接触した状態で接触点を支点としてアクセルペダルを操作していた場合と比べて、本実施形態では、踵の裏面と側面がそれぞれ床面と第1突起部材10に支持される。このように踵が2箇所で支持されるのでペダル操作がし易くなる。
特に、加齢によりペダル操作の調整能力が低下したドライバでも、アクセルペダルのペダル操作の微調整が容易になり、低速域での速度調整がし易くなる。
【0053】
(2)実施形態のペダルガイド装置は、ブレーキペダルを操作する運転者の踵を当接させるように運転席の床面に設置され、ブレーキペダルの運転席側の先端の位置を基準に床面上に定めた基準点から所定の範囲内に配置される第2突起部材20を備えてもよい。
ブレーキペダルは、踵が床面から浮いた状態で操作されることが多いため、踵を支持する第2突起部材20を設置することによって、ブレーキ操作が容易になる。
【0054】
(3)第1突起部材10又は第2突起部材20は、運転者の踵の側面部を係止できる高さ及び硬度を有してもよい。
第1突起部材10及び第2突起部材20は、床面に設置された場合に車両前後方向となる方向に、運転者の踵の側面部を係止できる長さを有してもよい。
これにより、第1突起部材10又は第2突起部材20は、運転者の踵の底部を床面2につけるとともに、運転者の踵の側面部を第1突起部材10又は第2突起部材20に当接させて第1突起部材10又は第2突起部材20の上端部分に力を加えたときに、運転者の踵を保持できる。
【0055】
(4)第1突起部材10又は第2突起部材20は、床面に接触する底面に対して垂直な又は傾斜している側面を有してもよい。
これにより、踵の側面部を支持する支持面を設けることができる。
【0056】
(5)ペダルガイド装置は、第1突起部材10又は第2突起部材20を床面上に配置された状態で固定する固定部材と、を備えてもよい。固定部材は、床面に形成された締結穴に第1突起部材10又は第2突起部材20を締結する部材であってもよい。
これにより、取り外し可能に第1突起部材10又は第2突起部材20を固定できる。
【0057】
実施形態のペダルガイド装置は、第1突起部材10又は第2突起部材20を床面上に配置された状態で固定する固定部材と、を備えてもよい。固定部材は、運転席の前方のダッシュパネル又は運転席のシートレールに第1突起部材10又は第2突起部材20を固定してもよい。第1突起部材10又は第2突起部材20は、床面に沿って固定部材による固定位置と基準点とを通る直線に沿って延在してもよい。
これにより、床面だけでなくダッシュパネルやシートレールに固定部材で第1突起部材10又は第2突起部材20を取り付けることが可能になり、第1突起部材10又は第2突起部材20の取付箇所の自由度が向上する。
【0058】
ここに記載されている全ての例及び条件的な用語は、読者が、本発明と技術の進展のために発明者により与えられる概念とを理解する際の助けとなるように、教育的な目的を意図したものであり、具体的に記載されている上記の例及び条件、並びに本発明の優位性及び劣等性を示すことに関する本明細書における例の構成に限定されることなく解釈されるべきものである。本発明の実施例は詳細に説明されているが、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であると解すべきである。
【符号の説明】
【0059】
1…ダッシュボード、2…床面、3…ダッシュパネル、4…フロアマット、5…アクセルペダル、6…ブレーキペダル、10…第1突起部材、20…第2突起部材