IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

7809596接合装置、接合方法、及び半導体装置の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-01-23
(45)【発行日】2026-02-02
(54)【発明の名称】接合装置、接合方法、及び半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H10P 10/00 20260101AFI20260126BHJP
   H10P 72/70 20260101ALI20260126BHJP
   H10B 43/27 20230101ALI20260126BHJP
   H10D 30/69 20250101ALI20260126BHJP
【FI】
H01L21/02 B
H01L21/68 N
H10B43/27
H10D30/69
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022096807
(22)【出願日】2022-06-15
(65)【公開番号】P2023183276
(43)【公開日】2023-12-27
【審査請求日】2025-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】水田 吉郎
【審査官】豊島 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-150533(JP,A)
【文献】国際公開第2019/146427(WO,A1)
【文献】特開2017-005219(JP,A)
【文献】特開2022-079965(JP,A)
【文献】特開2015-032800(JP,A)
【文献】特表2019-508738(JP,A)
【文献】特開2015-220410(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/00-21/02
H01L21/04
H01L21/67-21/683
H10B10/00-53/50
H10B63/00-69/00
H10B99/00
H10D30/01
H10D30/68-30/69
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板を保持することが可能な第1ステージと、
前記第1ステージと対向して配置され、第2基板を保持することが可能な第2ステージと、
前記第1ステージに保持された前記第1基板に配置されたアライメントマークを計測することが可能な第1計測器と、
前記第2ステージに保持された前記第2基板に配置されたアライメントマークを計測することが可能な第2計測器と、
前記第1ステージに応力を印加することが可能な応力発生器と、
前記第1基板と前記第2基板のそれぞれのアライメント処理を含み、前記第1基板と前記第2基板とを接合する接合処理を実行するコントローラと、を備え、
前記コントローラは、前記応力発生器により変形した前記第1ステージの変形量と、変形した前記第1ステージに保持された前記第1基板の形状とに基づいて、前記第1ステージの変形量毎のフォーカスマップを生成し、
前記コントローラは、前記第1基板のアライメント処理において、前記第1計測器に、前記第1ステージに保持された前記第1基板に配置された前記アライメントマークを計測させる際に、前記第1ステージに適用した変形量に対応するフォーカスマップに基づいたフォーカス設定を使用する、
接合装置。
【請求項2】
前記第1基板の前記アライメント処理は、前記第1基板に配置された第1乃至第3アライメントマークの計測を含み、
前記第1アライメントマークは、前記第1基板の中心部に配置され、前記第2アライメントマーク及び前記第3アライメントマークは、それぞれ前記第1基板の外周の一方側と他方側とに配置され、
前記コントローラは、前記応力発生器により前記第1ステージを変形させている場合の前記フォーカスマップに基づいたフォーカス設定において、前記第1アライメントマークを計測する場合のフォーカスレンジを、前記第2アライメントマーク及び前記第3アライメントマークのそれぞれを計測する際のフォーカスレンジよりも高く設定する、
請求項1に記載の接合装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記第1ステージの変形量毎の前記フォーカスマップを生成する際に、前記フォーカスマップに基づいた前記フォーカス設定よりも広いフォーカスレンジを用いて前記アライメントマークを計測する、
請求項2に記載の接合装置。
【請求項4】
前記コントローラは、前記変形した前記第1ステージに保持された前記第1基板におけるベストフォーカスの計測結果に基づいて前記フォーカスマップを生成する、
請求項1に記載の接合装置。
【請求項5】
前記コントローラは、前記第1基板のアライメント処理において、前記第1計測器に、前記第1ステージに保持された前記第1基板に配置された前記アライメントマークを計測させる際に、前記第1ステージに適用した変形量に対応する光軸補正量に基づいて、前記第1計測器の光軸を補正する、
請求項1に記載の接合装置。
【請求項6】
前記コントローラは、前記第1基板のアライメント処理において、前記第1計測器に、前記第1ステージに保持された前記第1基板に配置された前記アライメントマークを計測させる際に、前記光軸補正量に基づいて、前記第1ステージと前記第1計測器との位置関係を補正する、
請求項5に記載の接合装置。
【請求項7】
第1ステージに保持された第1基板と第2ステージに保持された第2基板とのそれぞれのアライメント処理を含み、前記第1基板と前記第2基板とを接合する接合方法であって、
応力発生器により変形した第1ステージの変形量と、変形した前記第1ステージに保持された前記第1基板の形状とに基づいて、前記第1ステージの変形量毎のフォーカスマップを生成することと、
前記第1基板のアライメント処理において、前記第1ステージに保持された前記第1基板に配置されたアライメントマークを計測する際に、前記第1ステージに適用した変形量に対応するフォーカスマップに基づいたフォーカス設定を使用することと、
を備える、接合方法。
【請求項8】
第1ステージに保持された第1基板と第2ステージに保持された第2基板とのそれぞれのアライメント処理を含み、前記第1基板と前記第2基板とを接合する半導体装置の製造方法であって、
応力発生器により変形した第1ステージの変形量と、変形した前記第1ステージに保持された前記第1基板の形状とに基づいて、前記第1ステージの変形量毎のフォーカスマップを生成することと、
前記第1基板のアライメント処理において、前記第1ステージに保持された前記第1基板に配置されたアライメントマークを計測する際に、前記第1ステージに適用した変形量に対応するフォーカスマップに基づいたフォーカス設定を使用することと、
を備える、半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、接合装置、接合方法、及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体回路基板を3次元に積層する3次元積層技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-030025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
接合装置の性能を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の接合装置は、第1ステージと、第2ステージと、第1計測器と、第2計測器と、応力発生器と、コントローラと、を含む。第1ステージは、第1基板を保持することが可能である。第2ステージは、第1ステージのと対向して配置され、第2基板を保持することが可能である。第1計測器は、第1ステージに保持された第1基板に配置されたアライメントマークを計測することが可能である。第2計測器は、第2ステージに保持された第2基板に配置されたアライメントマークを計測することが可能である。応力発生器は、第1ステージに応力を印加することが可能である。コントローラは、接合処理を実行する。接合処理は、第1基板と第2基板のそれぞれのアライメント処理を含み、第1基板と第2基板とを接合する。コントローラは、応力発生器により変形した第1ステージの変形量と、変形した第1ステージに保持された第1基板の形状とに基づいて、第1ステージの変形量毎のフォーカスマップを生成する。コントローラは、第1基板のアライメント処理において、第1計測器に、第1ステージに保持された第1基板に配置されたアライメントマークを計測させる際に、第1ステージに適用した変形量に対応するフォーカスマップに基づいたフォーカス設定を使用する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】半導体装置の製造方法の概要を示す概略図。
図2】半導体装置の製造工程で使用される下ウエハのアライメントマークの配置の一例を示す模式図。
図3】ウエハに配置されるアライメントマークの形状及び信号波形の一例を示す概略図。
図4】第1実施形態に係る接合装置の構成の一例を示すブロック図。
図5】第1実施形態に係る接合装置の接合処理の流れの一例を示す概略図。
図6】第1実施形態に係る接合装置で使用される変形モデルの作成方法の一例を示すフローチャート。
図7】第1実施形態に係る接合装置で使用される変形モデルの作成方法の具体例を示す概略図。
図8】第1実施形態に係る接合装置の接合処理に含まれた下ウエハLWのアライメント処理の一例の詳細を示すフローチャート。
図9】第1実施形態に係る接合装置の接合処理に含まれた下ウエハLWのアライメント処理におけるアライメントマークの計測方法の具体例を示す概略図。
図10】第1実施形態に係る接合装置で使用される変形モデルの作成方法の変形例を示すフローチャート。
図11】アライメント処理時の光軸と信号波形との関係性の一例を示す概略図。
図12】第2実施形態に係る接合装置が備えるカメラの詳細な構成の一例を示す概略図。
図13】第2実施形態に係る接合装置で使用される変形モデルの作成方法の一例を示すフローチャート。
図14】第2実施形態に係る接合装置の接合処理に含まれた下ウエハのアライメント処理におけるアライメントマークの計測方法の具体例を示す概略図。
図15】第2実施形態に係る接合装置の接合処理の一例を示すフローチャート。
図16】第2実施形態に係る接合装置における下ウエハのアライメントマークの計測イメージと、1パターンの信号波形との一例を示す概略図。
図17】第3実施形態に係るメモリデバイスの構成の一例を示すブロック図。
図18】第3実施形態に係るメモリデバイスが備えるメモリセルアレイの回路構成の一例を示す回路図。
図19】第3実施形態に係るメモリデバイスの構造の一例を示す斜視図。
図20】第3実施形態に係るメモリデバイスが備えるメモリセルアレイの平面レイアウトの一例を示す平面図。
図21】第3実施形態に係るメモリデバイスが備えるメモリセルアレイの断面構造の一例を示す断面図。
図22】第3実施形態に係るメモリデバイスが備えるメモリピラーの断面構造の一例を示す、図21のXXII-XXII線に沿った断面図。
図23】第3実施形態に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、実施形態について図面を参照して説明する。各実施形態は、発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示している。図面は、模式的又は概念的なものである。各図面の寸法や比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。構成の図示は、適宜省略されている。図面に付加されたハッチングは、構成要素の素材や特性とは必ずしも関連していない。本明細書において、略同一の機能及び構成を有する構成要素には、同一の符号が付加されている。参照符号に付加された数字などは、同じ参照符号により参照され、且つ類似した要素同士を区別するために使用される。
【0008】
本明細書における半導体装置は、それぞれに半導体回路が形成された2枚の半導体回路基板を接合し、接合された半導体回路基板をチップ毎に分離することにより形成される。以下では、半導体回路基板のことを“ウエハ”と呼ぶ。露光処理を実行する装置のことを、“露光装置”と呼ぶ。2枚のウエハを接合する処理のことを、“接合処理”と呼ぶ。接合処理を実行する装置のことを、“接合装置”と呼ぶ。接合処理の際に、上側に配置されるウエハのことを、“上ウエハUW”と呼ぶ。接合処理の際に、下側に配置されるウエハのことを、“下ウエハLW”と呼ぶ。接合された2枚のウエハ、すなわち上ウエハUW及び下ウエハLWの組のことを、“接合ウエハBW”と呼ぶ。本明細書において、“ウエハの表面(おもて面)”は、ウエハの表側の面に対応し、後述される前工程により半導体回路が形成される側の面に対応する。“ウエハの裏面”は、ウエハの表面に対する反対側の面に対応する。X方向及びY方向は、互いに交差する方向であり、ウエハの表面と平行な方向(水平方向)である。Z方向は、X方向及びY方向のそれぞれに対して交差する方向であり、ウエハの表面に対する鉛直方向である(垂直方向)。本明細書における“上下”は、Z方向に沿った方向に基づいて定義される。
【0009】
[0]半導体装置の製造方法の概要
図1は、半導体装置の製造方法の概要を示す概略図である。以下に、図1を参照して、本明細書の半導体装置の製造方法における大まかな処理の流れについて説明する。
【0010】
まず、ウエハがロットに割り当てられる(“ロット割当”)。ロットは、複数のウエハを含み得る。ロットとしては、例えば、上ウエハUWを含むロットと、下ウエハLWを含むロットとに分類される。それから、上ウエハUWを含むロットと下ウエハLWを含むロットとのそれぞれに前工程が実施され、上ウエハUWと下ウエハLWとのそれぞれに半導体回路が形成される。前工程は、“露光処理”と“露光OL(オーバーレイ)計測”と“加工処理”との組み合わせを含む。
【0011】
露光処理は、例えば、レジストが塗布されたウエハにマスクを透過した光を照射することによって、マスクのパターンをウエハに転写する処理である。1回の露光によりマスクのパターンが転写される領域が、“1ショット”に対応している。“1ショット”は、露光処理における露光の区画領域に対応する。露光処理では、1ショットの露光が、露光位置をずらして繰り返し実行される。すなわち、露光処理は、ステップアンドリピート方式によって実行される。上ウエハUWにおける複数のショットのレイアウトと、下ウエハLWにおける複数のショットのレイアウトとは、同一に設定される。
【0012】
また、露光処理では、各ショットの配置や形状が、後述されるアライメントマークの計測結果や、様々な補正値などに基づいて補正され得る。これにより、露光処理に形成されたパターンと、ウエハに形成された下地のパターンとの重ね合わせ位置が調整(アライメント)される。以下では、重ね合わせ位置のアライメントで使用される補正値、すなわち重ね合わせずれを抑制するための制御パラメータのことを、“アライメント補正値”と呼ぶ。アライメント補正値は、X方向及びY方向のオフセット(シフト)成分、倍率成分、直交度成分などを含む様々な成分の組み合わせにより表現され得る。本明細書では、ウエハの面内で発生する倍率成分の重ね合わせずれ成分のことを、“ウエハ倍率”と呼ぶ。
【0013】
露光OL計測は、露光処理によって形成されたパターンと、露光処理の下地となっているパターンとの重ね合わせずれ量を計測する処理である。露光OL計測により得られた重ね合わせずれ量の計測結果は、露光処理のリワーク判定や、後続のロットに適用されるアライメント補正値の算出などに使用され得る。加工処理は、露光処理によって形成されたマスクを使用して、ウエハを加工(例えば、エッチング)する処理である。加工処理が完了すると、使用されたマスクが除去され、次の工程が実行される。
【0014】
関連付けられた上ウエハUWのロットと下ウエハLWのロットとのそれぞれの前工程が完了すると、接合処理が実行される。接合処理において、接合装置は、上ウエハUWの表面と下ウエハLWの表面とを向かい合わせて配置する。そして、接合処理は、上ウエハUWの表面に形成されたパターンと、下ウエハLWの表面に形成されたパターンとの重ね合わせ位置を調整する。それから、接合装置は、上ウエハUWと下ウエハLWの表面同士を接合し、接合ウエハBWを形成する。
【0015】
接合処理により形成された接合ウエハBWに対しては、接合OL(オーバーレイ)計測が実行される。接合OL計測は、上ウエハUWの表面に形成されたパターンと、下ウエハLWの表面に形成されたパターンとの重ね合わせずれ量を計測する処理である。接合OL計測により得られた重ね合わせずれ量の計測結果は、後続のロットの露光処理に適用されるアライメント補正値の算出などに使用され得る。露光処理や接合処理において発生する露光装置及び接合装置のそれぞれは、重ね合わせ位置のアライメントに、ウエハ上に形成されたアライメントマークの計測結果を利用する。
【0016】
図2は、半導体装置の製造工程で使用される下ウエハLWのアライメントマークAMの配置の一例を示す模式図である。なお、図示が省略されているが、上ウエハUWのアライメントマークAMの配置は、例えば、下ウエハLWと同様である。図2に示すように、接合装置は、接合処理時に、下ウエハLW及び上ウエハUWのそれぞれに配置された少なくとも3点のアライメントマークAM_C、AM_L及びAM_Rを計測する。
【0017】
アライメントマークAM_Cは、ウエハの中心近傍に配置される。接合装置は、例えば、下ウエハLW及び上ウエハUWのそれぞれのアライメントマークAM_Cの計測結果に基づいて、シフト成分の重ね合わせを調整し得る。アライメントマークAM_L及びAM_Rは、それぞれウエハの外周の一方側と他方側とに配置される。接合装置は、例えば、下ウエハLW及び上ウエハUWのそれぞれのアライメントマークAM_L及びAM_Rの計測結果に基づいて、回転成分(X方向及びY方向で共通の直交度成分)の重ね合わせを調整し得る。さらに、接合装置は、ウエハを保持するステージを変形させる機能を有し得る。接合装置は、変形させたステージにウエハを保持させることによって、ウエハ倍率を補正することができる。接合装置は、ウエハ倍率の補正値として、例えば、露光処理で使用されたウエハ倍率のアライメント補正値や、露光OLの計測結果に基づいて算出されたウエハ倍率の値などを使用し得る。このように、接合装置は、下ウエハLWと上ウエハUWとの接合面(表面)における重ね合わせずれを補正することができる。
【0018】
図3は、ウエハに配置されるアライメントマークAMの構成及び信号波形の一例を示す概略図である。図3の(A)は、アライメントマークAMの構成の一例を示している。図3の(A)に示すように、アライメントマークAMは、例えば、パターンAP1~AP4を含む。パターンAP1及びAP2は、それぞれがY方向に延伸した部分を有し、X方向に並んでいる。パターンAP3及びAP4は、それぞれがX方向に延伸した部分を有し、Y方向に並んでいる。例えば、アライメントマークAMのX方向の座標は、パターンAP1及びAP2の計測結果に基づいて算出され、アライメントマークAMのY方向の座標は、パターンAP3及びAP4の計測結果に基づいて算出される。
【0019】
図3の(B)は、図3の(A)に示されたアライメントマークAMのX方向に沿った信号波形を示し、パターンAP1及びAP2の計測結果を含む。図3の(B)に示すように、信号波形は、パターンAP1に対応する信号SP1と、パターンAP2に対応する信号SP2とを含む。各信号SPは、信号波形のエッジ部分などが検出されることによって特定され得る。本例において、信号SP1及びSP2のそれぞれの信号強度は、その他の部分よりも高い。アライメントマークAMのX座標としては、例えば、信号SP1及びSP2のそれぞれの重心部分の中間に対応する座標が利用される。同様に、アライメントマークAMのY座標は、パターンAP3及びAP4を用いて算出され得る。なお、アライメントマークAMの構成は、その他の構成であってもよいし、アライメントマークAMの位置の算出方法は、その他の算出方法であってもよい。
【0020】
[1]第1実施形態
第1実施形態に係る接合装置1は、接合処理において、下ウエハLWを保持するステージの変形量に基づいてアライメント時のフォーカス設定を変更する。以下に、第1実施形態に係る接合装置1の詳細について説明する。
【0021】
[1-1]構成
図4は、第1実施形態に係る接合装置1の構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、接合装置1は、例えば、制御装置10、記憶装置11、搬送装置12、通信装置13、及び接合ユニット14を含む。
【0022】
制御装置10は、接合装置1の全体の動作を制御するコンピュータなどである。制御装置10は、記憶装置11、搬送装置12、通信装置13、及び接合ユニット14のそれぞれを制御する。制御装置10は、図示が省略されているが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備える。CPUは、接合装置の制御に関する様々なプログラムを実行するプロセッサである。ROMは、接合装置の制御プログラムを記憶する不揮発性の記憶媒体である。RAMは、CPUの作業領域として使用される揮発性の記憶媒体である。制御装置10は、“コントローラ”とよばれてもよい。
【0023】
記憶装置11は、データやプログラムなどの記憶に使用される記憶媒体である。記憶装置11は、例えば、接合レシピ110、及び変形モデル111を記憶する。接合レシピ110は、接合処理の設定が記録されたテーブルである。接合レシピ110は、処理工程や処理ロット毎に用意される。接合処理の設定は、使用するアライメントマークAMの情報や、アライメントマークAMの計測時のフォーカス設定などを含む。フォーカス設定は、アライメントに使用されるカメラの制御に適用される。変形モデル111は、後述される下ステージ140の変形量から、下ウエハLWのアライメントマークAMを計測する際のベストフォーカスBFを推測するための情報を含む。図示が省略されているが、記憶装置11は、アライメント補正値に関連付けられた複数の変形モデル111を記憶し得る。変形モデル111の詳細については後述する。なお、記憶装置11は、制御装置10に含まれていてもよい。
【0024】
搬送装置12は、ウエハを搬送することが可能な搬送アームや、複数枚のウエハを一時的に載置するためのトランジションなどを備える装置である。例えば、搬送装置12は、接合処理の前処理装置から受け取った上ウエハUW及び下ウエハLWを、接合ユニット14に搬送する。また、搬送装置12は、接合処理後に、接合ユニット14から受け取った接合ウエハBWを、接合装置1の外部に搬送する。搬送装置12は、ウエハの上下を反転させる機構を備えていてもよい。
【0025】
通信装置13は、ネットワークNWに接続可能な通信インターフェースである。接合装置1は、ネットワークNW上の端末の制御に基づいて動作してもよいし、ネットワーク上のサーバーに動作ログを記憶させてもよいし、サーバーに記憶された情報に基づいて接合処理を実行してもよい。
【0026】
接合ユニット14は、接合処理で使用される構成の集合である。接合ユニット14は、例えば、下ステージ140、応力装置141、カメラ142、上ステージ143、押圧ピン144、及びカメラ145を含む。
【0027】
下ステージ140は、下ウエハLWを保持する機能を有する。下ステージ140は、例えば、真空吸着によりウエハを保持するウエハチャックを含む。下ステージ140は、例えば、レーザー干渉計による下ステージ140の位置の計測結果に基づいて、水平方向に移動可能に構成される。応力装置141は、下ステージ140に応力を印加し、下ステージ140を介して下ウエハLWを変形させる機能を有する。応力装置141による下ステージ140の変形量に応じて、下ステージ140に保持された下ウエハLWの膨張量(Scaling)が変化する。具体的には、下ステージ140が下ウエハLWを吸着することによって、下ウエハLWの外周部が下ステージ140上に落下して保持される。すると、下ステージ140に吸着された下ウエハLWは、変形した下ステージ140の形状に沿って伸びる(変形する)。そして、下ウエハLWが伸びた量(すなわち、膨張量)は、下ステージ140の変形量に応じて変化する。カメラ142は、下ステージ140側に配置され、上ウエハUWのアライメントマークAMの計測に使用される撮影機構である。
【0028】
上ステージ143は、上ウエハUWを保持する機能を有する。上ステージ143は、例えば、真空吸着によりウエハを保持するウエハチャックを含む。また、上ステージ143は、例えば、下ステージ140の上方に配置され、上下方向に移動可能に構成される。下ステージ140及び上ステージ143の組は、下ステージ140に保持された下ウエハLWと、上ステージ143に保持された上ウエハUWとを対向配置可能に構成される。押圧ピン144は、制御装置10の制御に基づいて上下方向に駆動し、上ステージ143に保持された上ウエハUWの中心部の上面を押すことができるピンである。カメラ145は、上ステージ143側に配置され、下ウエハLWのアライメントマークAMの計測に使用される撮影機構である。
【0029】
なお、下ステージ140が下ウエハLWを変形させて保持する処理は、下ステージ140が変形してから下ウエハLWが吸着されることによって実現されてもよいし、下ステージ140が下ウエハLWを吸着してから下ステージ140が変形することによって実現されてもよい。上ステージ143が、下ステージ140と同様に、ウエハを変形させて保持する機構を備えていてもよい。
【0030】
図4において、下ステージ140に保持された下ウエハLWの下面及び上面は、下ウエハLWの裏面及び表面にそれぞれ対応する。図4において、上ステージ143に保持された上ウエハUWの下面及び上面は、上ウエハUWの表面及び裏面にそれぞれ対応する。接合装置1は、下ステージ140及び上ステージ143の相対位置を調整することにより、シフト成分と回転成分の重ね合わせを調整(アライメント)し得る。また、接合装置1は、下ステージ140を応力装置141により変形させることにより、変形された下ステージ140に保持された下ウエハLWのウエハ倍率を調整(補正)することができる。
【0031】
なお、接合装置1は、下ステージ140及び上ステージ143による真空吸着で利用される真空ポンプを有していてもよい。応力装置141は、“応力発生器”と呼ばれてもよい。カメラ142は、上ステージ143の位置を測定する機能を有するアライメントセンサと呼ばれてもよい。カメラ145は、下ステージ140の位置を測定する機能を有するアライメントセンサと呼ばれてもよい。カメラ142及び145のそれぞれは、垂直(光軸)方向に駆動してフォーカスを調整する移動部を有していてもよい。
【0032】
なお、上述された“接合処理の前処理装置”は、接合処理の前に、上ウエハUW及び下ウエハLWのそれぞれの接合面を接合可能に改質及び親水化させる機能を有する装置である。簡潔に述べると、前処理装置は、まず上ウエハUW及び下ウエハLWのそれぞれの表面に対してプラズマ処理を実行し、上ウエハUW及び下ウエハLWのそれぞれの表面を改質する。プラズマ処理では、所定の減圧雰囲気下において、処理ガスである酸素ガス又は窒素ガスを基に酸素イオン又は窒素イオンが生成され、生成された酸素イオン又は窒素イオンが各ウエハの接合面に照射される。その後、前処理装置は、上ウエハUW及び下ウエハLWのそれぞれの表面に純水を供給する。すると、上ウエハUW及び下ウエハLWのそれぞれの表面に水酸基が付着して、当該表面が親水化される。接合処理では、このように接合面が改質及び親水化された上ウエハUW及び下ウエハLWが使用される。接合装置1は、前処理装置等と組み合わされることにより、接合システムを構成してもよい。
【0033】
[1-2]半導体装置の製造方法
以下に、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法として、接合装置1を用いた具体的な処理の一例について説明する。すなわち、以下で説明される第1実施形態の接合方法(接合処理)を用いて半導体装置が製造される。
【0034】
[1-2-1]接合処理の概要
図5は、第1実施形態に係る接合装置1の接合処理の概要を示す概略図である。図5(A)~(H)のそれぞれは、接合処理における接合ユニット14の状態を示している。以下に、図5を参照して、接合処理の概要について説明する。
【0035】
図5の(A)は、接合処理前の接合ユニット14の状態を示している。接合装置1は、接合処理の実行指示と、関連付けられた上ウエハUWと下ウエハLWとの組を受け取ると、接合処理を開始する。
【0036】
接合処理が開始すると、下ステージ140が変形される(図5の(B):下ステージ変形)。具体的には、制御装置10が、アライメント補正値に基づいて応力装置141を制御して、下ステージ140を変形させる。制御装置10により参照されるアライメント補正値は、外部のサーバーから取得されてもよいし、露光装置又はサーバーから取得したアライメント補正値に基づいて算出されてもよい。なお、アライメント補正値に依っては、図5の(B)の処理の時点で、応力装置141が下ステージ140に応力を印加せず、下ステージ140が変形していない状態であってもよい。
【0037】
次に、上ウエハUWがロードされる(図5の(C):上ウエハロード)。具体的には、制御装置10が、搬送装置12に、上ウエハUWを上ステージ143に搬送させる。そして、制御装置10は、真空吸着により上ステージ143に上ウエハUWを保持させる。なお、接合装置1にロードされる上ウエハUWの表面は、前処理装置により改質及び親水化されている。
【0038】
次に、上ウエハUWのアライメント処理が実行される(図5の(D):上ウエハアライメント)。具体的には、制御装置10は、カメラ142を用いて上ウエハUWのアライメントマークAM_C、AM_L及びAM_Rを計測し、これらのアライメントマークAMの座標を算出する。
【0039】
次に、下ウエハLWがロードされる(図5の(E):下ウエハロード)。具体的には、制御装置10が、搬送装置12に、下ウエハLWを下ステージ140に搬送させる。そして、制御装置10は、真空吸着により下ステージ140に下ウエハLWを保持させる。このとき、応力装置141が下ステージ140に応力を印加していない場合、下ウエハLWは、フラットな状態で下ステージ140に保持される。一方で、応力装置141が下ステージ140に応力を印加している場合、下ウエハLWは、応力装置141により変形された下ステージ140の形状に沿って変形する。なお、接合装置1にロードされる下ウエハLWの表面は、前処理装置により改質及び親水化されている。
【0040】
次に、下ウエハLWのアライメント処理が実行される(図5の(F):下ウエハアライメント)。具体的には、制御装置10は、カメラ145を用いて下ウエハLWのアライメントマークAM_C、AM_L及びAM_Rを計測し、これらのアライメントマークAMの座標を算出する。下ウエハLWのアライメントマークAM_C、AM_L及びAM_Rを計測する際には、事前に作成された変形モデル111が用いられる。
【0041】
次に、カメラ142及び145の原点合わせが実行される(図5の(G):カメラ原点合わせ)。具体的には、制御装置10は、下ステージ140及び上ステージ143の位置を制御して、カメラ142の光軸と、カメラ145の光軸との間に、共通ターゲット146を挿入する。それから、制御装置10は、カメラ142及び145のそれぞれによる共通ターゲット236の計測結果に基づいて、カメラ142及び145の原点を合わせる。
【0042】
次に、接合シーケンスが実行される(図5の(H):接合シーケンス)。具体的には、まず、制御装置10は、上ウエハUW及び下ウエハLWのそれぞれのアライメント結果と、カメラ142及び145の原点合わせの結果とに基づいて、下ステージ140と上ステージ143との相対位置を調整する。そして、制御装置10は、上ステージ143の位置を下ステージ140に近づけて、上ウエハUW及び下ウエハLW間の間隔を調整する。それから、制御装置10は、押圧ピン144を下降させることにより上ウエハUWの中心部を押し下げて、上ウエハUWの表面と下ウエハLWの表面とを接触させる。
【0043】
その後、制御装置10は、上ステージ143による上ウエハUWの保持(真空吸着)を内側から外側に向かって順に解除する。すると、上ウエハUWが下ウエハLWの上に落下して、上ウエハUWの表面と下ウエハLWの表面とが接合される。具体的には、改質された上ウエハUWの接合面と、改質された下ウエハLWの接合面との間にファンデルワールス力(分子間力)が生じ、上ウエハUW及び下ウエハLWの接触部分が接合される。それから、上ウエハUW及び下ウエハLWのそれぞれの接合面が親水化されていることから、上ウエハUW及び下ウエハLWの接触部分の親水基が水素結合し、上ウエハUW及び下ウエハLWの接触部分がより強固に接合される。
【0044】
[1-2-2]変形モデル111の作成方法
図6は、第1実施形態に係る接合装置で使用される変形モデル111の作成方法の一例を示すフローチャートである。以下に、図6を参照して、第1実施形態に係る接合装置1における変形モデル111の作成方法の流れについて説明する。
【0045】
まず、アライメントマークAMの配置されたウエハが用意される(S101)。S101で用意されるウエハは、アライメントマークAMが設けられた部分の構造が、接合処理時の下ウエハLWと同様である。すなわち、S101の処理では、変形モデル111の作成対象であるウエハが用意されることが好ましい。変形モデル111の作成対象としては、接合処理時に接合装置1により変形されるウエハであればよく、上ウエハUW及び下ウエハLWのいずれであってもよい。
【0046】
次に、制御装置10は、接合レシピ110を確認する(S102)。変形モデル111の作成時における接合レシピ110は、S101で用意されたウエハにおける複数のアライメントマークAMの座標の情報と、下ステージ140の変形量の設定とを含む。
【0047】
次に、制御装置10は、第mの変形量で下ステージ140を変形させる(S103)。“m”は、2以上の整数である。“m”は、例えば、図6に示された一連の処理の初期値として“1”に設定される。制御装置10は、応力装置141に第mの変形量に対応する応力を下ステージ140に印加させることによって、下ステージ140に対して第mの変形量を適用する。なお、本例では、第1の変形量が、応力装置141による補正なしの状態に対応する。ウエハの変形量は、例えば、ウエハの外周部分の高さを基準とした場合における、ウエハの中央部分の高さにより示される。変形量の単位としては、例えば、マイクロメートル(μm)が使用される。また、ウエハの変形量は、応力装置141がウエハに印加する応力の大きさにより表現されてもよい。応力の単位としては、例えば、メガパスカル(MPa)が使用される。
【0048】
次に、制御装置10は、ウエハをロードする(S104)。本例では、制御装置10の制御に基づいて、下ウエハLWが、下ステージ140に搬送され、下ステージ140に真空吸着される。このとき、下ウエハLWは、応力装置141により変形された下ステージ140の形状に基づいて変形する。なお、応力装置141による補正なしの場合には、下ウエハLWは、フラットな状態で保持される。
【0049】
次に、制御装置10は、カメラ145を用いてウエハ面内の複数点の高さを計測する(S105)。本例では、“複数点”が複数のアライメントマークAMにそれぞれ対応し、“高さ”がベストフォーカスの位置に対応する。具体的には、S105の処理において、制御装置10は、下ステージ140の水平位置を制御することによって、下ウエハLWのアライメントマークAMの位置に、上ステージ143のカメラ145の光軸を合わせる。そして、カメラ145は、所定のフォーカスレンジ及び所定のフォーカスステップで、各アライメントマークAMを計測する。それから、制御装置10は、カメラ145の計測結果に基づいて、アライメントマークAM毎のベストフォーカス(高さ)を決定する。
【0050】
次に、制御装置10は、ウエハをアンロードする(S106)。本例では、搬送装置12が、下ステージ140の真空吸着が解除された下ウエハLWを受け取る。
【0051】
次に、制御装置10は、“m=M”が満たされたか否かを判定する(S107)。“M”は、ウエハの変形量(すなわち、ウエハ倍率の補正値)に応じた変形モデル111を作成する数に対応する。なお、S107の処理は、制御装置10が、S105の計測結果が得られていないウエハの変形量の設定が残っているかを否かを判定する処理と言い換えられてもよい。
【0052】
S107の処理において“m=M”が満たされていない場合(S107:NO)、制御装置10は、“m”をインクリメントして(S108)、S103の処理に進む。つまり、制御装置10は、S103の処理における下ステージ140の変形量、すなわち下ステージ140に吸着された下ウエハLWの変形量が変更された状態で、S104及びS105の処理を実行する。制御装置10は、S103~S108の処理を繰り返すことによって、各変形量に関連付けられたベストフォーカスの情報を生成することができる。なお、S108の処理は、制御装置10が、S105の計測結果が得られていないウエハの変形量の設定を選択する処理と言い換えられてもよい。
【0053】
S107の処理において“m=M”が満たされている場合(S107:YES)、制御装置10は、S105の計測結果に基づいて、複数の変形量の設定にそれぞれ関連付けて複数の変形モデル111を作成する(S109)。具体的には、制御装置10は、第1の変形量におけるS105の計測結果から、第1の変形量に関連付けた変形モデル111を作成する。同様に、制御装置10は、第2の変形量~第Mの変形量にそれぞれ関連付けられた複数の変形モデル111を作成する。なお、変形モデル111は、各アライメントマークAMのベストフォーカス位置(高さ)に基づいて算出されることから、“フォーカスマップ”と呼ばれてもよい。変形モデル111は、例えば、各アライメントマークAMのベストフォーカスの値を用いて多項式近似することによって算出される。
【0054】
なお、制御装置10は、S105の処理により計測されていない変形量に対応する変形モデル111に関しては、近い変形量の値を用いた変形モデル111から推測してもよいし、当該変形量を挟む複数の条件の変形モデル111に基づいて推測してもよい。そして、制御装置10は、下ステージ140の変形量に関連付けられた変形モデル111を用いることによって、下ステージ140に真空吸着された下ウエハLWの座標から、当該座標におけるアライメントマークAMの高さを算出することができる。S109の処理が完了すると、制御装置10は、図6に示された一連の処理を終了する。
【0055】
(変形モデル111の作成方法の具体例)
図7は、第1実施形態に係る接合装置で使用される変形モデル111の作成方法の具体例を示す概略図である。図7は、下ステージ140上の下ウエハLWの計測イメージと、フォーカス設定及びベストフォーカス算出結果とを下ステージ140の変形量毎に示している。m=1の場合における第1変形量は、下ステージ140に対するウエハ倍率の補正無しの状態に対応する。m=2の場合における第2変形量は、応力装置141により下ステージ140が変形した状態に対応する。m=3の場合における第3変形量は、応力装置141により下ステージ140が第2変形量よりも変形した状態に対応する。図7に示された座標(1)、(2)及び(3)の数字は、計測順番の一例に対応する。また、座標(1)、(2)及び(3)は、例えば、アライメントマークAM_C、AM_L及びAM_Rにそれぞれ対応している。
【0056】
下ステージ140の変形量が第1変形量(補正無し)である場合、下ステージ140に真空吸着された下ウエハLWは、フラットな状態で保持される。つまり、上ステージ143のカメラ145は、フラットな状態の下ウエハLWに配置されたアライメントマークAMを、所定のフォーカス設定に基づいた条件で撮像する。この場合、座標(1)、(2)及び(3)のそれぞれのアライメントマークAMの計測に基づいて決定されたベストフォーカスBFは、略均一の位置(高さ)となり得る。このため、第1変形量に関連付けられた変形モデル111は、座標に依らず略均一の値を示す近似式となり得る。
【0057】
下ステージ140の変形量が第2変形量である場合、下ステージ140に真空吸着された下ウエハLWは、凸形状に変形した状態で保持される。つまり、上ステージ143のカメラ145は、凸形状に変形した状態の下ウエハLWに配置されたアライメントマークAMを、所定のフォーカス設定に基づいた条件で撮像する。この場合、中心部に配置された座標(1)におけるベストフォーカスBFの位置が、外周部に配置された座標(2)及び(3)におけるベストフォーカスBFの位置よりも高くなる。このため、第2変形量に関連付けられた変形モデル111は、ウエハの中心に近づくほど高い値を示す近似式となり得る。
【0058】
下ステージ140の変形量が第3変形量である場合、下ステージ140に真空吸着された下ウエハLWは、第2変形量の場合よりも大きく凸形状に変形した状態で保持される。つまり、上ステージ143のカメラ145は、第2変形量よりも大きく凸形状に変形した状態の下ウエハLWに配置されたアライメントマークAMを、所定のフォーカス設定に基づいた条件で撮像する。この場合、座標(1)、(2)及び(3)のベストフォーカスBFの位置は、それぞれ第2変形量における座標(1)、(2)及び(3)のベストフォーカスBFの位置よりも高くなり得る。このため、第3変形量に関連付けられた変形モデル111は、第2変形量の場合よりもウエハの中心に近づくほど高い値を示す近似式となり得る。
【0059】
変形モデル111の作成時において、座標(1)、(2)及び(3)のそれぞれのアライメントマークAMを計測する際のフォーカスレンジFRは、広範囲に設定されることが好ましい。フォーカスレンジFRは、アライメントマークAMの計測点において、アライメントマークAMを撮像する位置(高さ)の範囲に対応する。アライメントマークAMの計測では、フォーカスレンジFR内で、予め設定されたフォーカスステップに基づいて、複数回の撮像が実行される。ここで説明された“広範囲”は、各座標において、下ステージ140がいずれの変形量であった場合においても、ベストフォーカスBFが含まれるようなフォーカス設定であることに対応する。フォーカスレンジFRが広範囲に設定されることによって、フォーカスレンジFR内でベストフォーカスBFが検出されなかった場合のフォーカスの再計測の発生が抑制され得る。
【0060】
[1-2-3]下ウエハLWのアライメント処理
図8は、第1実施形態に係る接合装置1の接合処理に含まれた下ウエハLWのアライメント処理(図5の(F))の一例の詳細を示すフローチャートである。以下に、図8を参照して、第1実施形態に係る接合装置1における下ウエハLWのアライメント処理の流れについて説明する。
【0061】
第1実施形態における下ウエハLWのアライメント処理が開始すると、まず、制御装置10は、下ステージ140の変形量に対応する変形モデル111に基づいて、各計測座標のフォーカス位置(高さ)を算出する(S111)。言い換えると、S111の処理において、制御装置10は、下ウエハLWに適用されるウエハ倍率の補正値に関連付けられた変形モデル111を選択して(使用して)、各計測座標のフォーカス位置を算出する。さらに言い換えると、S111の処理において、制御装置10は、カメラ145がフォーカスを合わせるためのキャリブレーションを実行する領域において、下ウエハLWの変形モデル111に基づくベストフォーカスを推測(算出)する。
【0062】
次に、制御装置10は、S111の処理において座標(1)で算出されたフォーカス位置を含み、且つ変形モデル111の生成時よりも狭いフォーカスレンジで、座標(1)におけるベストフォーカスを探索する(S112)。S112の処理により、座標(1)におけるベストフォーカスが決定される。
【0063】
次に、制御装置10は、S112で決定されたベストフォーカスの設定で、アライメントマークAM_Cを計測する(S113)。
【0064】
次に、制御装置10は、S111の処理において座標(2)で算出されたフォーカス位置を含み、且つ変形モデル111の生成時よりも狭いフォーカスレンジで、座標(2)におけるベストフォーカスを探索する(S114)。S114の処理により、座標(2)におけるベストフォーカスが決定される。
【0065】
次に、制御装置10は、S114で決定されたベストフォーカスの設定で、アライメントマークAM_Lを計測する(S115)。
【0066】
次に、制御装置10は、S111の処理において座標(3)で算出されたフォーカス位置を含み、且つ変形モデル111の生成時よりも狭いフォーカスレンジで、座標(3)におけるベストフォーカスを探索する(S116)。S116の処理により、座標(3)におけるベストフォーカスが決定される。
【0067】
次に、制御装置10は、S116で決定されたベストフォーカスの設定で、アライメントマークAM_Lを計測する(S117)。
【0068】
次に、制御装置10は、S113、S115及びS117の計測結果に基づいて、下ステージ140の位置を調整する(S118)。S118の処理が完了すると、制御装置10は、下ウエハLWのアライメント処理を完了し、接合処理における次の処理に進む。
【0069】
なお、第1実施形態に係る接合装置1において、S112及びS113の処理と、S114及びS115の処理と、S116及びS117の処理とのそれぞれは、統合されてもよい。なお、第1実施形態に係る接合装置1は、少なくとも、下ステージ140の変形量に対応する変形モデル111に基づいて、フォーカスレンジFRやフォーカスステップなどのフォーカス設定を決定していればよい。
【0070】
(アライメントマークAMの計測方法の具体例)
図9は、第1実施形態に係る接合装置1の接合処理に含まれた下ウエハLWのアライメント処理におけるアライメントマークAMの計測方法の具体例を示す概略図である。図9は、下ステージ140上の下ウエハLWの計測イメージと、フォーカス設定及びベストフォーカス算出結果とを下ステージ140の変形量毎に示している。下ステージ140の変形量が第1変形量(補正無し)である場合の計測イメージと、下ステージ140の変形量が第2変形量である場合の計測イメージと、下ステージ140の変形量が第3変形量である場合の計測イメージとのそれぞれは、図7を用いて説明された内容と同様である。図9図7との間では、各変形量におけるフォーカス設定が異なっている。
【0071】
図9に示すように、下ステージ140の変形量が第1変形量(補正無し)である場合における各計測座標のフォーカスレンジFRは、第1変形量に対応する変形モデル111により示されたベストフォーカスBFを含み、且つ変形モデル111の生成時よりも狭く設定されている。また、第1変形量に関連付けられたフォーカス設定では、座標(1)、(2)及び(3)におけるフォーカスレンジFRの位置が、略同じ高さに設定されている。
【0072】
下ステージ140の変形量が第2変形量である場合における各計測座標のフォーカスレンジFRは、第2変形量に対応する変形モデル111により示されたベストフォーカスBFを含み、且つ変形モデル111の生成時よりも狭く設定されている。また、第2変形量に関連付けられたフォーカス設定では、座標(1)、(2)及び(3)におけるフォーカスレンジFRの位置が、第1変形量に関連付けられたフォーカス設定よりも高い方にシフトして設定されている。さらに、第2変形量に関連付けられた変形モデル111に基づいて、座標(1)におけるフォーカスレンジFRの位置が、座標(2)及び(3)と比較して高い方にシフトして設定されている。
【0073】
下ステージ140の変形量が第3変形量である場合における各計測座標のフォーカスレンジFRは、第3変形量に対応する変形モデル111により示されたベストフォーカスBFを含み、且つ変形モデル111の生成時よりも狭く設定されている。また、第3変形量に関連付けられたフォーカス設定では、座標(1)、(2)及び(3)におけるフォーカスレンジFRの位置が、第2変形量に関連付けられたフォーカス設定よりも高い方にシフトして設定されている。さらに、第3変形量に関連付けられた変形モデル111に基づいて、座標(1)におけるフォーカスレンジFRの位置が、座標(2)及び(3)と比較して高い方にシフトして設定されている。
【0074】
[1-3]第1実施形態の効果
以上で説明された第1実施形態に係る接合装置1に依れば、接合装置の性能を向上させることができる。以下に、第1実施形態の効果の詳細について説明する。
【0075】
接合装置1は、ウエハを保持するステージの位置を確認する際に、ウエハ上のアライメントマークAMを計測する。その際に、接合装置1は、例えば、カメラ145本体若しくはカメラ145内のレンズを上下に駆動させることによって、フォーカスのキャリブレーションを実行する。また、接合装置1の機能としては、下ステージ140を変形させることによってウエハ倍率を補正する機能が知られている。
【0076】
接合装置1においてウエハ倍率が補正されると、下ステージ140の変形に伴い、アライメントマークAMのベストフォーカスの位置が変わってしまう。この対策としては、ウエハ倍率が変わった場合においてもアライメントマークAMのベストフォーカスが検出できるように、フォーカスのキャリブレーション範囲(フォーカスレンジ)を広く設定することが考えられる。しかしながら、フォーカスレンジが広く設定されると、アライメントマークAMの計測時間が長くなり、接合装置のスループットが低下する。
【0077】
そこで、第1実施形態に係る接合装置1は、予め下ステージ140の変形量と下ウエハLWのベストフォーカス位置のウエハ面内の傾向とを関連づけた変形モデル111を作成する。そして、接合装置1は、下ステージ140の変形量とウエハの変形モデル111とに基づいたフォーカス設定を用いて、下ウエハLWのアライメント処理を実行する。例えば、接合装置1は、下ステージ140の変形量に応じて、計測座標のベストフォーカス位置を事前に予測することによって、アライメント処理時のフォーカスのキャリブレーションの際のフォーカスレンジを狭く設定し得る。
【0078】
その結果、第1実施形態に係る接合装置1は、アライメントマークAMの計測時間を短縮することができ、接合装置1のスループットを向上させることができる。すなわち、第1実施形態に係る接合装置1は、接合装置の性能を向上させることができる。
【0079】
なお、第1実施形態に係る接合装置1は、フォーカスレンジFRを狭く設定し、且つフォーカスステップを変形モデル111の作成時よりも細かく設定してもよい。フォーカスステップが細かく設定されると、カメラ145による撮像回数の増加に伴いアライメントマークAMの計測時間が長くなる。一方で、フォーカスステップが細かく設定されることによって、ベストフォーカス位置の検出精度が向上し得る。つまり、第1実施形態に係る接合装置1は、変形モデル111に基づくフォーカス設定において、フォーカスレンジFRとフォーカスステップの設定とをユーザーに選択させることによって、スループットとフォーカス精度とのバランスを調整することができる。
【0080】
[1-4]第1実施形態の変形例
図6を用いて説明された変形モデル111の作成方法において、下ステージ140の変形量を変更する際にウエハをリロードする処理は、省略されてもよい。図10は、第1実施形態に係る接合装置1で使用される変形モデル111の作成方法の変形例を示すフローチャートである。以下に、図10を参照して、第1実施形態の変形例における変形モデル111の作成方法の流れについて説明する。
【0081】
まず、アライメントマークAMの配置されたウエハが用意される(S101)。次に、接合レシピ110が確認される(S102)。次に、ウエハがロードされる(S104)。次に、第mの変形量で下ステージ140が変形される(S103)。次に、カメラ145を用いてウエハ面内の複数点の高さが計測される(S105)。次に、“m=M”が満たされるか否かが判定される(S107)。
【0082】
S107の処理において“m=M”が満たされていない場合(S107:NO)、“m”がインクリメントされ(S108)、S103及びS105の処理が実行される。つまり、ウエハが下ステージ140に真空吸着された状態で下ステージ140の変形量が変更され、ウエハ面内の複数点の高さが計測される。
【0083】
S107の処理において“m=M”が満たされている場合(S107:YES)、ウエハがアンロードされる(S106)。それから、S105の計測結果に基づいて下ステージ140の変形量に関連付けられたウエハの変形モデル111が作成される(S109)。S109の処理が完了すると、図10に示された一連の処理が終了する。
【0084】
以上で説明されたように、変形モデル111を作成するための処理の順番は、入れ替えられても良いし、一部の処理が省略されてもよい。このような場合においても、接合装置1は、第1実施形態と同様に、変形モデル111を作成することができる。
【0085】
[2]第2実施形態
第2実施形態に係る接合装置1は、接合処理時の下ウエハLWのアライメント処理において、下ステージ140の変形量と計測座標とに基づいてカメラ145の光軸の設定を変更する。以下に、第2実施形態に係る接合装置1の詳細について説明する。
【0086】
[2-1]アライメント処理時の光軸と信号波形との関係性について
図11は、アライメント処理時の光軸と信号波形との関係性を示す概略図である。図11は、下ステージ140上の下ウエハLWの計測イメージと1パターンAPの信号波形とを、下ステージ140の変形なしの場合と下ステージ140の変形ありの場合とのそれぞれで示している。図11に示された座標(1)、(2)及び(3)は、例えば、アライメントマークAM_C、AM_L及びAM_Rにそれぞれ対応している。信号波形において、“DF”は、デフォーカスした場合に対応し、“BF”は、ベストフォーカスに対応する。
【0087】
下ステージ140が変形なしの場合、下ステージ140に真空吸着された下ウエハLWは、フラットな状態で保持される。この場合、上ステージ143のカメラ145の光軸の傾きは、下ウエハLWの表面に対して垂直方向となる。この場合、1パターンAPの信号波形は、アライメントマークAM_C、AM_L及びAM_Rの何れにおいても、対称となり得る。信号波形が対称である場合、プラス方向とマイナス方向のいずれにデフォーカスした場合においても、信号波形の重心位置の変化が抑制される。このため、制御装置10は、信号強度に基づいて、ベストフォーカスBFを検出することができる。
【0088】
一方で、下ステージ140が変形ありの場合、下ステージ140に真空吸着された下ウエハLWは、下ステージ140に沿って凸形状に変形した状態で保持される。この場合、上ステージ143のカメラ145の光軸と下ウエハLWの表面とにより形成される角度は、下ウエハLWの中心部分(座標(1))から離れるほど、直角から離れていく。すると、座標(2)におけるアライメントマークAM_Lの計測と、座標(3)におけるアライメントマークAM_Rの計測とのそれぞれでは、アライメントマークAMが斜め方向から計測される。その結果、アライメントマークAM_L及びAM_Rのそれぞれにおける信号波形が、非対称になり得る。
【0089】
信号波形が非対称になると、アライメントマークAMの検出精度が悪化する。具体的には、プラス方向のデフォーカスDFpと、マイナス方向のデフォーカスDFmとの間で、1パターンAPの信号波形の重心位置が逆方向に変化する。すると、制御装置10が信号波形のピークを誤検出する可能性が高くなり、計測結果に基づいて算出されたアライメントマークAMの座標がずれてしまうおそれがある。そこで、第2実施形態に係る接合装置1は、計測座標毎にカメラ145の光軸を調整する機能を有している。
【0090】
[2-2]カメラ145の構成
図12は、第2実施形態に係る接合装置1が備えるカメラ145の詳細な構成の一例を示す概略図である。図12は、カメラ145の計測対象である下ウエハLWのアライメントマークAMも併せて示している。図12に示すように、カメラ145は、例えば、光源150、光学素子151、レンズユニット152、支持部153、及び受光部154を備えている。
【0091】
光源150は、レーザー光を出射可能な半導体素子である。以下では、光源150により出射されるレーザー光のことを、出射光ELとも呼ぶ。カメラ145は、複数の光源を有していてもよく、出射光ELの波長が、計測対象(アライメントマークAM)の構成に応じて使い分けられてもよい。
【0092】
光学素子151は、例えば、ハーフミラーである。光学素子151は、光源150から照射されたレーザー光(出射光EL)を、レンズユニット152に向けて反射する。また、光学素子151は、レンズユニット152を透過したレーザー光を透過する。
【0093】
レンズユニット152は、出射光ELを計測対象(例えば、下ウエハLW)に導く光学系である。レンズユニット152は、下ウエハLWに照射された出射光ELが下ウエハLWの表面で反射した反射光RLを、光学素子151を介して受光部154に導く。レンズユニット152の光軸は、カメラ145の光軸に対応している。
【0094】
支持部153は、レンズユニット152を支持し、レンズユニット152の光軸の傾きを調整可能な機構を有する。なお、カメラ145では、支持部153によって変更されたレンズユニット152の光軸の傾きに合わせて、レンズユニット152に対する光源150、光学素子151及び受光部154の相対位置も変更され得る。
【0095】
受光部154は、反射光RLを検出可能なセンサである。受光部154は、例えば、レンズユニット152の光軸上に配置される。受光部154は、少なくとも反射光RLを検出可能な位置に配置されていればよい。
【0096】
第2実施形態に係る接合装置1のその他の構成は、第1実施形態と同様である。なお、カメラ145の構成は、その他の構成であってもよい。例えば、カメラ145において、光源150と受光部154の配置が入れ替えられてもよい。
【0097】
[2-3]半導体装置の製造方法
以下に、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法として、接合装置1を用いた具体的な処理の一例について説明する。すなわち、以下で説明される第2実施形態の接合方法(接合処理)を用いて半導体装置が製造される。なお、第2実施形態に係る接合装置1における接合処理の概要は、第1実施形態と同様である。
【0098】
[2-3-1]光軸の補正方法
図13は、第2実施形態に係る接合装置1で使用される光軸の補正方法の一例を示すフローチャートである。以下に、図13を参照して、第2実施形態に係る接合装置1における光軸の補正方法の流れについて説明する。
【0099】
まず、第1実施形態で図6を用いて説明された変形モデル111の作成方法と同様に、S101~S109の処理が実行される。つまり、まずアライメントマークAMの配置されたウエハが用意される(S101)。次に、接合レシピ110が確認される(S102)。次に、第mの変形量で下ステージ140が変形される(S103)。次に、ウエハがロードされる(S104)。次に、カメラ145を用いてウエハ面内の複数点の高さが計測される(S105)。次に、ウエハがアンロードされる(S106)。次に、“m=M”が満たされるか否かが判定される(S107)。S107の処理において“m=M”が満たされていない場合(S107:NO)、“m”がインクリメントされ(S108)、S103の処理が実行される。S107の処理において“m=M”が満たされている場合(S107:YES)、S105の計測結果に基づいて、複数の変形量の設定にそれぞれ関連付けて複数の変形モデル111が作成される(S109)。
【0100】
S109の処理が完了すると、制御装置10は、複数の変形量の設定毎に、対応する変形モデル111を用いてウエハ面内の各座標の光軸補正量の関係表を作成する(S201)。光軸補正量の関係表は、計測座標の情報と光軸補正量とが関連付けられた情報を含む。光軸補正量は、各計測座標において変形モデル111に基づいて算出された下ウエハLWの表面の向きに対して、カメラ145の光軸が垂直になるように設定される。言い換えると、カメラ145の光軸は、変形モデル111基づいて算出される計測座標における下ウエハLWの表面の傾きに対して直交する方向に設定される。光軸補正量は、デフォルトの状態からのレンズユニット152の回転量により示されてもよいし、支持部153の制御パラメータにより示されてもよい。
【0101】
次に、制御装置10は、光軸補正量に基づいて下ステージ140とカメラ145との位置関係(相対位置)を補正する(S202)。S202の処理において、制御装置10は、各計測座標で補正された光軸が対応するアライメントマークAMの位置に合うように、カメラ145の位置が調整される。言い換えると、カメラ145の位置が、アライメントマークAMの表面からの垂直軸と、カメラ145の光軸とが揃うように調整される。なお、S202の処理では、下ステージ140とカメラ145との位置関係の補正量が、S201で作成された関係表に記録されてもよい。S202の処理が完了すると、制御装置10は、図13に示された一連の処理を終了する。
【0102】
(アライメントマークAMの計測方法の具体例)
図14は、第2実施形態に係る接合装置1の接合処理に含まれた下ウエハLWのアライメント処理におけるアライメントマークAMの計測方法の具体例を示す概略図である。図14は、光軸の補正イメージと、下ステージ140とカメラ145との位置関係の補正イメージとの一例を示している。第1変形量~第3変形量と、座標(1)~(3)とのそれぞれの概要は、第1実施形態と同様である。光軸の補正イメージに示された二点鎖線は、各計測座標における光軸の傾きを示している。
【0103】
下ステージ140の変形量が第1変形量(補正無し)である場合、下ステージ140に真空吸着された下ウエハLWは、フラットな状態で保持される。この場合、座標(1)、(2)及び(3)のそれぞれのアライメントマークAMの計測時におけるカメラ145の光軸の傾きは、略同一(例えば、垂直)に設定される。このとき、下ステージ140とカメラ145との位置関係は、接合レシピ110により示された各座標と、実際の計測座標とが一致した状態に制御される。
【0104】
下ステージ140の変形量が第2変形量である場合、下ステージ140に真空吸着された下ウエハLWは、凸形状に変形した状態で保持される。この場合、座標(2)及び(3)のそれぞれのアライメントマークAMの計測時におけるカメラ145の光軸の傾きは、座標(1)に対して外側(すなわち、反射光RLが下ウエハLWの中心部から離れる方向)に傾いた状態に設定される。このとき、例えば、座標(3)のアライメントマークAM_Rの計測では、下ステージ140とカメラ145との位置関係が、接合レシピ110により示された座標から、外側に長さL1だけシフトした状態に制御される。
【0105】
下ステージ140の変形量が第3変形量である場合、下ステージ140に真空吸着された下ウエハLWは、第2変形量の場合よりも大きく凸形状に変形した状態で保持される。この場合、座標(2)及び(3)のそれぞれのアライメントマークAMの計測時におけるカメラ145の光軸の傾きは、第2変形量の場合よりも座標(1)に対して外側に傾いた状態に設定される。このとき、例えば、座標(3)のアライメントマークAM_Rの計測では、下ステージ140とカメラ145との位置関係が、接合レシピ110により示された座標から、外側に長さL1よりも大きい長さL2だけシフトした状態に制御される。
【0106】
[2-3-2]下ウエハLWのアライメント処理
図15は、第2実施形態に係る接合装置1の接合処理に含まれた下ウエハLWのアライメント処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図15を参照して、第2実施形態に係る接合装置1における下ウエハLWのアライメント処理の流れについて説明する。
【0107】
第2実施形態における下ウエハLWのアライメント処理が開始すると、まず、制御装置10は、下ステージ140の変形量に対応する光軸補正量の関係式に基づいて、各計測座標の光軸補正量を算出する(S211)。言い換えると、S211の処理において、制御装置10は、下ウエハLWに適用されるウエハ倍率の補正値に関連付けられた光軸補正量の関係式を選択して(使用して)、各計測座標の光軸補正量を算出する。S211の処理により、制御装置10は、カメラ145がフォーカスのキャリブレーションを実行する領域において、下ウエハLWの変形モデル111に基づいて光軸の傾きを補正する。
【0108】
次に、制御装置10は、算出された各計測座標の光軸補正量に基づいて、各計測座標における下ステージ140とカメラ145との位置関係の補正量を算出する(S212)。
【0109】
次に、制御装置10は、S211の処理において座標(1)で算出された光軸補正量と、下ステージ140とカメラ145との位置関係の補正量とに基づいてカメラ145の光軸及び位置を決定し、座標(1)におけるベストフォーカスを探索する(S213)。S213の処理により、座標(1)におけるベストフォーカスが決定される。
【0110】
次に、制御装置10は、S213で決定されたベストフォーカスの設定で、アライメントマークAM_Cを計測する(S214)。
【0111】
次に、制御装置10は、S211の処理において座標(2)で算出された光軸補正量と、下ステージ140とカメラ145との位置関係の補正量とに基づいてカメラ145の光軸及び位置を決定し、座標(2)におけるベストフォーカスを探索する(S215)。S215の処理により、座標(2)におけるベストフォーカスが決定される。
【0112】
次に、制御装置10は、S215で決定されたベストフォーカスの設定で、アライメントマークAM_Lを計測する(S216)。
【0113】
次に、制御装置10は、S211の処理において座標(3)で算出された光軸補正量と、下ステージ140とカメラ145との位置関係の補正量とに基づいてカメラ145の光軸及び位置を決定し、座標(3)におけるベストフォーカスを探索する(S217)。S217の処理により、座標(3)におけるベストフォーカスが決定される。
【0114】
次に、制御装置10は、S217で決定されたベストフォーカスの設定で、アライメントマークAM_Lを計測する(S218)。
【0115】
次に、制御装置10は、S214、S216及びS218の計測結果に基づいて、下ステージ140の位置を調整する(S219)。S219の処理が完了すると、制御装置10は、下ウエハLWのアライメント処理を完了し、接合処理における次の処理に進む。
【0116】
なお、第2実施形態に係る接合装置1において、S213及びS214の処理と、S215及びS216の処理と、S217及びS218の処理とのそれぞれは、統合されてもよい。S213、S215及びS217の処理に、それぞれ第1実施形態のS112、S114及びS116の処理が組み合わされてもよい。第2実施形態に係る接合装置1は、少なくとも、下ステージ140の変形量に対応する変形モデル111に基づいて、計測座標毎に光軸を補正していればよい。
【0117】
(接合処理におけるフォーカス動作の具体例)
図16は、第2実施形態に係る接合装置1におけるアライメント処理時の光軸と信号波形との関係性を示す概略図である。図16は、下ウエハLWのアライメントマークAMの計測イメージと、1パターンAPの信号波形とを下ステージ140の変形量毎に示している。第1変形量~第3変形量のそれぞれにおけるカメラ145の光軸の設定は、図15を用いて説明された内容と同様である。
【0118】
図16に示すように、下ステージ140の変形量が第1変形量(補正無し)である場合、下ステージ140に真空吸着された下ウエハLWは、フラットな状態で保持される。このため、各計測座標におけるカメラ145の光軸が、下ウエハLWの表面に対して垂直に設定される。この場合、上ステージ143の各座標における1パターンAPの信号波形は、略対称となる。
【0119】
そして、第2実施形態に係る接合装置1では、下ステージ140の変形量が第2変形量又は第3変形量である場合においても、各計測座標におけるカメラ145の光軸が、下ウエハLWの表面に対して垂直に設定される。このため、下ステージ140の変形量が第2変形量又は第3変形量である場合においても、上ステージ143の各計測座標における1パターンAPの信号波形が、略対称となる。
【0120】
[2-4]第2実施形態の効果
以上で説明されたように、ウエハ倍率を補正するために下ステージ140を変形させた場合、アライメント処理時において、カメラ145の光軸がずれるおそれがある。そして、アライメント処理における計測結果が変わってしまうおそれがある。
【0121】
これに対して、第2実施形態に係る接合装置1は、下ステージ140の変形量に応じて、アライメント処理時におけるカメラ145の光軸を調整する機構を有している。例えば、第2実施形態に係る接合装置1は、下ステージ140を変形させ且つカメラ145の光軸を調整することによって、計測座標のいずれでデフォーカスが発生した場合においても、信号波形の対称性を維持することができる。
【0122】
その結果、第2実施形態に係る接合装置1は、アライメント処理の計測精度を向上させることができ、接合処理における重ね合わせ精度を改善させることができる。従って、第2実施形態に係る接合装置1は、接合装置の性能を向上させることができる。
【0123】
[3]第3実施形態
第3実施形態は、第1及び第2実施形態で説明された半導体装置の製造方法が適用され得る半導体装置の具体例に関する。以下に、半導体装置の具体例として、NAND型フラッシュメモリであるメモリデバイス2について説明する。
【0124】
[3-1]構成
[3-1-1]メモリデバイス2の構成
図17は、第3実施形態に係るメモリデバイス2の構成の一例を示すブロック図である。図17に示すように、メモリデバイス2は、例えば、メモリインターフェース(メモリI/F)20、シーケンサ21、メモリセルアレイ22、ドライバモジュール23、ロウデコーダモジュール24、及びセンスアンプモジュール25を含む。
【0125】
メモリI/F20は、外部のメモリコントローラと接続されるハードウェアインターフェースである。メモリI/F20は、メモリデバイス2とメモリコントローラとの間のインターフェース規格に従った通信を行う。メモリI/F20は、例えば、NANDインターフェース規格をサポートする。
【0126】
シーケンサ21は、メモリデバイス2の全体の動作を制御する制御回路である。シーケンサ21は、メモリI/F20を介して受信したコマンドに基づいてドライバモジュール23、ロウデコーダモジュール24、及びセンスアンプモジュール25などを制御して、読み出し動作、書き込み動作、消去動作などを実行する。
【0127】
メモリセルアレイ22は、複数のメモリセルの集合を含む記憶回路である。メモリセルアレイ22は、複数のブロックBLK0~BLKn(nは1以上の整数)を含む。ブロックBLKは、例えば、データの消去単位として使用される。また、メモリセルアレイ22には、複数のビット線及び複数のワード線が設けられる。各メモリセルは、例えば1本のビット線と1本のワード線とに関連付けられる。各メモリセルは、ワード線WLを識別するアドレスと、ビット線BLを識別するアドレスとに基づいて識別される。
【0128】
ドライバモジュール23は、読み出し動作、書き込み動作、消去動作などで使用される電圧を生成するドライバ回路である。ドライバモジュール23は、複数の信号線を介してロウデコーダモジュール24に接続される。ドライバモジュール23は、メモリI/F20を介して受信したページアドレスに基づいて、複数の信号線の各々に印加する電圧を変更し得る。
【0129】
ロウデコーダモジュール24は、メモリI/F20を介して受信したロウアドレスをデコードするデコーダである。ロウデコーダモジュール24は、デコード結果に基づいて1つのブロックBLKを選択する。そして、ロウデコーダモジュール24は、選択したブロックBLKに設けられた複数の配線(ワード線WLなど)に、複数の信号線に印加された電圧をそれぞれ転送する。
【0130】
センスアンプモジュール25は、読み出し動作において、ビット線BLの電圧に基づいて、選択されたブロックBLKから読み出されたデータをセンスするセンス回路である。センスアンプモジュール25は、読み出したデータを、メモリI/F20を介してメモリコントローラに送信する。また、センスアンプモジュール25は、書き込み動作において、ビット線BL毎に、メモリセルに書き込むデータに応じた電圧を印加し得る。
【0131】
[3-1-2]メモリセルアレイ22の回路構成
図18は、第3実施形態に係るメモリデバイス2が備えるメモリセルアレイ22の回路構成の一例を示す回路図である。図18は、メモリセルアレイ22に含まれた複数のブロックBLKのうち1つのブロックBLKを表示している。図18に示すように、ブロックBLKは、例えば、ストリングユニットSU0~SU3を含む。
【0132】
各ストリングユニットSUは、複数のNANDストリングNSを含む。NANDストリングNSは、それぞれビット線BL0~BLm(mは1以上の整数)に関連付けられている。ビット線BL0~BLmには、それぞれ異なるカラムアドレスが割り当てられる。各ビット線BLは、複数のブロックBLK間で同一のカラムアドレスが割り当てられたNANDストリングNSによって共有される。各NANDストリングNSは、例えば、メモリセルトランジスタMT0~MT7、並びに選択トランジスタSTD及びSTSを含む。
【0133】
各メモリセルトランジスタMTは、制御ゲート及び電荷蓄積層を含み、データを不揮発に記憶する。各NANDストリングNSのメモリセルトランジスタMT0~MT7は、直列に接続される。メモリセルトランジスタMT0~MT7の制御ゲートは、それぞれワード線WL0~WL7に接続される。ワード線WL0~WL7のそれぞれは、ブロックBLK毎に設けられる。同一のストリングユニットSUで共通のワード線WLに接続された複数のメモリセルトランジスタMTの集合は、例えば、“セルユニットCU”と呼ばれる。各メモリセルトランジスタMTが1ビットデータを記憶する場合、セルユニットCUは、“1ページデータ”を記憶する。セルユニットCUは、メモリセルトランジスタMTが記憶するデータのビット数に応じて、2ページデータ以上の記憶容量を有し得る。
【0134】
選択トランジスタSTD及びSTSのそれぞれは、ストリングユニットSUの選択に使用される。選択トランジスタSTDのドレインは、関連付けられたビット線BLに接続される。選択トランジスタSTDのソースは、直列に接続されたメモリセルトランジスタMT0~MT7の一端に接続される。ストリングユニットSU0~SU3に含まれた選択トランジスタSTDのゲートは、選択ゲート線SGD0~SGD3にそれぞれ接続される。選択トランジスタSTSのドレインは、直列に接続されたメモリセルトランジスタMT0~MT7の他端に接続される。選択トランジスタSTSのソースは、ソース線SLに接続される。選択トランジスタSTSのゲートは、選択ゲート線SGSに接続される。ソース線SLは、例えば、複数のブロックBLKで共有される。
【0135】
[3-1-3]メモリデバイス2の構造
以下に、第3実施形態に係るメモリデバイス2の構造の一例について説明する。なお、第3実施形態では、X方向がワード線WLの延伸方向に対応し、Y方向がビット線BLの延伸方向に対応し、Z方向がメモリデバイス2の形成に使用される半導体基板(ウエハ)の表面に対する鉛直方向に対応している。
【0136】
図19は、第3実施形態に係るメモリデバイス2の構造の一例を示す斜視図である。図19に示すように、メモリデバイス2は、メモリチップMC及びCMOSチップCCを含む。メモリチップMCの下面は、下ウエハLWの表面に対応している。CMOSチップCCの上面は、上ウエハUWの表面に対応している。メモリチップMCは、例えば、メモリ領域MR、引出領域HR1及びHR2、並びにパッド領域PR1を含む。CMOSチップCCは、例えば、センスアンプ領域SR、周辺回路領域PERI、転送領域XR1及びXR2、並びにパッド領域PR2を含む。
【0137】
メモリ領域MRは、メモリセルアレイ22を含む。引出領域HR1及びHR2は、メモリチップMCに設けられた積層配線とCMOSチップCCに設けられたロウデコーダモジュール24との間の接続に使用される配線などを含む。パッド領域PR1は、メモリデバイス2とメモリコントローラとの接続に使用されるパッドなどを含む。引出領域HR1及びHR2は、メモリ領域MRをX方向に挟んでいる。パッド領域PR1は、メモリ領域MR並びに引出領域HR1及びHR2のそれぞれとY方向に隣り合っている。
【0138】
センスアンプ領域SRは、センスアンプモジュール25を含む。周辺回路領域PERIは、シーケンサ21やドライバモジュール23などを含む。転送領域XR1及びXR2は、ロウデコーダモジュール24を含む。パッド領域PR2は、メモリI/F20を含む。センスアンプ領域SR及び周辺回路領域PERIは、Y方向に隣り合って配置され、メモリ領域MRと重なっている。転送領域XR1及びXR2は、センスアンプ領域SR及び周辺回路領域PERIの組をX方向に挟み、それぞれ引出領域HR1及びHR2と重なっている。パッド領域PR2は、メモリチップMCのパッド領域PR1と重なっている。
【0139】
メモリチップMCは、メモリ領域MR、引出領域HR1及びHR2、並びにパッド領域PR1のそれぞれの下部に、複数の貼合パッドBPを有する。メモリ領域MRの貼合パッドBPは、関連付けられたビット線BLに接続される。引出領域HRの貼合パッドBPは、メモリ領域MRに設けられた積層配線のうち関連付けられた配線(例えば、ワード線WL)に接続される。パッド領域PR1の貼合パッドBPは、メモリチップMCの上面に設けられたパッド(図示せず)に接続される。メモリチップMCの上面に設けられたパッドは、例えば、メモリデバイス2とメモリコントローラと間の接続に使用される。
【0140】
CMOSチップCCは、センスアンプ領域SR、周辺回路領域PERI、転送領域XR1及びXR2、並びにパッド領域PR2のそれぞれの上部に、複数の貼合パッドBPを有する。センスアンプ領域SRの貼合パッドBPは、メモリ領域MRの貼合パッドBPと重なっている。転送領域XR1及びXR2の貼合パッドBPは、それぞれ引出領域HR1及びHR2の貼合パッドBPと重なっている。パッド領域PR1の貼合パッドBPは、パッド領域PR2の貼合パッドBPと重なっている。
【0141】
メモリデバイス2は、メモリチップMCの下面とCMOSチップCCの上面とが接合された構造を有する。メモリデバイス2に設けられた複数の貼合パッドBPのうち、メモリチップMCとCMOSチップCCとの間で対向する2つの貼合パッドBPは、接合されることによって電気的に接続される。これにより、メモリチップMC内の回路とCMOSチップCC内の回路との間が、貼合パッドBPを介して電気的に接続される。メモリチップMCとCMOSチップCCとの間で対向する2つの貼合パッドBPの組は、境界を有していてもよいし、一体化していてもよい。
【0142】
(メモリセルアレイ22の平面レイアウト)
図20は、第3実施形態に係るメモリデバイス2が備えるメモリセルアレイ22の平面レイアウトの一例を示す平面図である。図20は、メモリ領域MRのうち1つのブロックBLKを含む領域を表示している。図20に示すように、メモリデバイス2は、例えば、複数のスリットSLTと、複数のスリットSHEと、複数のメモリピラーMPと、複数のビット線BLと、複数のコンタクトCVとを含む。メモリ領域MRでは、以下で説明される平面レイアウトが、Y方向に繰り返し配置される。
【0143】
各スリットSLTは、例えば、絶縁部材が埋め込まれた構造を有する。各スリットSLTは、当該スリットSLTを介して隣り合う配線(例えば、ワード線WL0~WL7、並びに選択ゲート線SGD及びSGS)を絶縁している。各スリットSLTは、X方向に沿って延伸して設けられた部分を有し、メモリ領域MR並びに引出領域HR1及びHR2をX方向に沿って横切っている。複数のスリットSLTは、Y方向に並んでいる。スリットSLTによって区切られた領域は、ブロックBLKに対応している。
【0144】
各スリットSHEは、例えば、絶縁部材が埋め込まれた構造を有する。各スリットSHEは、当該スリットSLTを介して隣り合う配線(少なくとも、選択ゲート線SGD)を絶縁している。各スリットSHEは、X方向に沿って延伸して設けられた部分を有し、メモリ領域MRを横切っている。複数のスリットSHEは、Y方向に並んでいる。本例では、3つのスリットSHEが、隣り合うスリットSLTの間に配置されている。スリットSLT及びSHEによって区切られた複数の領域は、それぞれストリングユニットSU0~SU3に対応している。
【0145】
各メモリピラーMPは、例えば、1つのNANDストリングNSとして機能する。複数のメモリピラーMPは、隣り合う2つのスリットSLTの間の領域において、例えば、19列の千鳥状に配置される。そして、紙面の上側から数えて、5列目のメモリピラーMPと、10列目のメモリピラーMPと、15列目のメモリピラーMPとのそれぞれに、1つのスリットSHEが重なっている。
【0146】
各ビット線BLは、Y方向に沿って延伸して設けられた部分を有し、複数のブロックBLKが設けられた領域をY方向に沿って横切っている。複数のビット線BLは、X方向に並んでいる。各ビット線BLは、ストリングユニットSU毎に少なくとも1つのメモリピラーMPと重なるように配置される。本例では、2本のビット線BLが、各メモリピラーMPと重なっている。
【0147】
各コンタクトCVは、メモリピラーMPと重なっている複数のビット線BLのうち1本のビット線BLと、当該メモリピラーMPとの間に設けられる。コンタクトCVは、メモリピラーMPとビット線BLとの間を電気的に接続する。なお、スリットSHEと重なったメモリピラーMPと、ビット線BLとの間のコンタクトCVは、省略される。
【0148】
(メモリセルアレイ22の断面構造)
図21は、第3実施形態に係るメモリデバイス2が備えるメモリセルアレイ22の断面構造の一例を示す断面図である。図21は、メモリ領域MR内でメモリピラーMPとスリットSLTとを含み且つY方向に沿った断面を表示している。なお、図21におけるZ方向は紙面の下側を指しているが、図21の説明では、紙面の上側のことを“上方”と呼び、紙面の下側のことを“下方”と呼ぶ。図21に示すように、メモリデバイス2は、例えば、絶縁体層30~37、導電体層40~46、並びにコンタクトV1及びV2を含む。
【0149】
絶縁体層30は、例えば、メモリチップMCの最下層に設けられる。絶縁体層30上に、導電体層40が設けられる。導電体層40上に、絶縁体層31が設けられる。絶縁体層31上に、導電体層41及び絶縁体層32が交互に設けられる。最上層の導電体層41上に、絶縁体層33が設けられる。絶縁体層33上に、導電体層42と絶縁体層34とが交互に設けられる。最上層の導電体層42上に、絶縁体層35が設けられる。絶縁体層35上に、導電体層43及び絶縁体層36が交互に設けられる。最上層の導電体層43上に、絶縁体層37が設けられる。絶縁体層37上に、導電体層44が設けられる。導電体層44上に、コンタクトV1が設けられる。コンタクトV1上に、導電体層45が設けられる。導電体層45上に、コンタクトV2が設けられる。コンタクトV2上に、導電体層46が設けられる。導電体層44、45及び46が設けられた配線層は、それぞれ“M0”、“M1”及び“M2”と呼ばれる。
【0150】
導電体層40、41、42及び43のそれぞれは、例えば、XY平面に沿って広がった板状に形成される。導電体層44は、例えば、Y方向に延伸したライン状に形成される。導電体層40、41及び43は、それぞれソース線SL、選択ゲート線SGS、及び選択ゲート線SGDとして使用される。複数の導電体層42は、導電体層40側から順に、それぞれワード線WL0~WL7として使用される。導電体層44は、ビット線BLとして使用される。コンタクトV1及びV2は、柱状に設けられる。導電体層44と45との間は、コンタクトV1を介して接続される。導電体層45と導電体層46との間は、コンタクトV2を介して接続される。導電体層45は、例えば、X方向に延伸したライン状に形成された配線である。導電体層46は、メモリチップMCの界面に接し、貼合パッドBPとして使用される。導電体層46は、例えば、銅を含む。
【0151】
スリットSLTは、XZ平面に沿って広がった板状に形成された部分を有し、絶縁体層31~36、及び導電体層41~43を分断している。各メモリピラーMPは、Z方向に沿って延伸して設けられ、絶縁体層31~36、及び導電体層41~43を貫通している。各メモリピラーMPは、例えば、コア部材50、半導体層51、及び積層膜52を含む。コア部材50は、Z方向に沿って延伸して設けられた絶縁体である。半導体層51は、コア部材50を覆っている。半導体層51の下部は、導電体層40に接している。積層膜52は、半導体層51の側面を覆っている。半導体層51の上に、コンタクトCVが設けられる。コンタクトCV上には、導電体層44が接触している。
【0152】
なお、図示された領域には、2つのメモリピラーMPのうち、1つのメモリピラーMPに対応するコンタクトCVが示されている。当該領域においてコンタクトCVが接続されていないメモリピラーMPには、図示されない領域においてコンタクトCVが接続される。メモリピラーMPと複数の導電体層41とが交差した部分は、選択トランジスタSTSとして機能する。メモリピラーMPと導電体層42とが交差した部分は、メモリセルトランジスタMTとして機能する。メモリピラーMPと複数の導電体層43とが交差した部分は、選択トランジスタSTDとして機能する。
【0153】
(メモリピラーMPの断面構造)
図22は、第3実施形態に係るメモリデバイス2が備えるメモリピラーMPの断面構造の一例を示す、図22のXXII-XXII線に沿った断面図である。図22は、メモリピラーMPと導電体層42とを含み且つの導電体層40と平行な断面を表示している。図22に示すように、積層膜52は、例えば、トンネル絶縁膜53、絶縁膜54、及びブロック絶縁膜55を含む。
【0154】
コア部材50は、例えば、メモリピラーMPの中心部に設けられる。半導体層51は、コア部材50の側面を囲っている。トンネル絶縁膜53は、半導体層51の側面を囲っている。絶縁膜54は、トンネル絶縁膜53の側面を囲っている。ブロック絶縁膜55は、絶縁膜54の側面を囲っている。導電体層42は、ブロック絶縁膜55の側面を囲っている。半導体層51は、メモリセルトランジスタMT0~MT7並びに選択トランジスタSTD及びSTSのチャネル(電流経路)として使用される。トンネル絶縁膜53及びブロック絶縁膜55のそれぞれは、例えば、酸化シリコンを含む。絶縁膜54は、メモリセルトランジスタMTの電荷蓄積層として使用され、例えば、窒化シリコンを含む。これにより、メモリピラーMPの各々が、1つのNANDストリングNSとして機能する。
【0155】
(メモリデバイス4の断面構造)
図23は、第3実施形態に係るメモリデバイス2の断面構造の一例を示す断面図である。図23は、メモリ領域MR及びセンスアンプ領域SRを含む断面、すなわちメモリチップMCとCMOSチップCCとを含む断面を表示している。図23に示すように、メモリデバイス4は、センスアンプ領域SRにおいて、半導体基板60、導電体層GC及び61~64、並びにコンタクトCS及びC0~C3を含む。
【0156】
半導体基板60は、CMOSチップCCの形成に使用される基板である。半導体基板60は、複数のウェル領域(図示せず)を含む。複数のウェル領域のそれぞれには、例えば、トランジスタTRが形成される。複数のウェル領域の間は、例えば、STI(Shallow Trench Isolation)によって分離される。半導体基板60の上に、ゲート絶縁膜を介して導電体層GCが設けられる。センスアンプ領域SR内の導電体層GCは、センスアンプモジュール25に含まれたトランジスタTRのゲート電極として使用される。導電体層GCの上には、コンタクトC0が設けられる。トランジスタTRのソース及びドレインに対応して、半導体基板60の上に2つのコンタクトCSが設けられる。
【0157】
コンタクトCSの上とコンタクトC0の上とのそれぞれに、導電体層61が設けられる。導電体層61上に、コンタクトC1が設けられる。コンタクトC1上に、導電体層62が設けられる。導電体層61及び62の間は、コンタクトC1を介して電気的に接続される。導電体層62上に、コンタクトC2が設けられる。コンタクトC2上に、導電体層63が設けられる。導電体層62及び63の間は、コンタクトC2を介して電気的に接続される。導電体層63上に、コンタクトC3が設けられる。コンタクトC3上に、導電体層64が設けられる。導電体層63及び64の間は、コンタクトC3を介して電気的に接続される。導電体層61~64が設けられた配線層は、それぞれ“D0”、“D1”、“D2”、及び“D3”と呼ばれる。
【0158】
導電体層64は、CMOSチップCCの界面に接し、貼合パッドBPとして使用される。センスアンプ領域SR内の導電体層64は、対向して配置されたメモリ領域MR内の導電体層46(すなわち、メモリチップMCの貼合パッドBP)と貼り合わされる。そして、センスアンプ領域SR内の各導電体層64は、1本のビット線BLと電気的に接続される。導電体層64は、例えば、銅を含む。
【0159】
メモリデバイス2では、CMOSチップCCの配線層D3とメモリチップMCの配線層M2とが、メモリチップMC及びCMOSチップCCとが接合されることにより隣接している。半導体基板60が、上ウエハUWの裏面側に対応し、配線層D3が、上ウエハUWの表面側に対応している。絶縁体層30が、下ウエハLWの裏面側に対応し、配線層M2が、下ウエハLWの表面側に対応している。メモリチップMCの形成に使用された半導体基板は、接合処理後のパッドの形成などの工程に伴い除去されている。
【0160】
[3-2]第3実施形態の効果
以上で説明されたように、メモリデバイス2は、例えば、メモリセルが3次元に積層された構造を含むメモリチップMCと、その他の制御回路などを含むCMOSチップCCとを有する。メモリチップMCとCMOSチップCCとでは、メモリチップMCの方がウエハ倍率のばらつきがウエハ間で大きくなる傾向がある。具体的には、メモリチップMCは、高層化されたメモリセルアレイ22を備えるため、ウエハの反り量のばらつきが大きくなり、ウエハ倍率のばらつきが大きくなり得る。一方で、CMOSチップCCのショットの配置は、露光装置を基準とした理想格子に近くなる。このため、接合処理が実行される場合には、メモリチップMCが形成されたウエハが、ウエハ倍率を補正することが可能な下ウエハLWに割り当てられ、CMOSチップCCが形成されたウエハが、上ウエハUWに割り当てられることが好ましい。これにより、第1及び第2実施形態のそれぞれは、メモリデバイス2の歩留まりを改善することができる。
【0161】
[4]その他
実施形態において、動作の説明に用いたフローチャートは、あくまで一例である。フローチャートを用いて説明された各動作は、処理の順番が可能な範囲で入れ替えられてもよいし、その他の処理が追加されてもよいし、一部の処理が省略されてもよい。上記実施形態では、S109において変形モデル111の作成が一括で実行される場合について例示したが、S105の計測結果に基づく変形モデル111の算出は、S105の処理が完了する度に実行されてもよい。同様に、第2実施形態において、S105の計測結果に基づく変形モデル111の算出及び光軸補正量の関係式の作成は、S105の処理が完了する度に実行されてもよい。上記実施形態では、下ステージ130に載置(保持)された下ウエハLWにアライメント補正を適用して接合する場合を例示したが、これに限定されない。接合処理におけるアライメント補正は、例えば、上ステージ133に載置(保持)された上ウエハUWに適用されても良いし、上ステージ133に保持された上ウエハUWと、下ステージ130に保持された下ウエハLWとの両方に適用されてもよい。本明細書において、CPUの替わりに、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、あるいはFPGA(field-programmable gate array)などが使用されてもよい。また、実施形態において説明された処理のそれぞれは、専用のハードウェアによって実現されてもよい。実施形態で説明された処理は、ソフトウェアにより実行される処理と、ハードウェアによって実行される処理とが混在していてもよいし、どちらか一方のみであってもよい。
【0162】
各実施形態において、接合装置1のカメラ142及び145は、光学系(顕微鏡)と受光センサとが分かれた構成であってもよく、アライメントマークAMを計測可能であればよい。カメラ142及び145のそれぞれは、“計測装置”、“計測器”、“アライメントカメラ”と呼ばれてもよい。“光軸”は、“光路”と言い換えられてもよい。本明細書において、“重ね合わせずれ”は、“位置ずれ”と言い換えられてもよい。第1及び第2実施形態の説明において、“高さ”は、フォーカスの位置に関連付けられている。フォーカスのキャリブレーション方法は、実施形態で説明された方法に限定されず、その他の方法が使用されてもよい。実施形態では、ベストフォーカス位置を基準として変形モデル111が作成される場合について例示したが、変形モデル111は、少なくとも下ウエハLWの表面の形状を示していればよい。
【0163】
第3実施形態で説明された構成はあくまで例示であり、メモリデバイス4の構成はそれらに限定されない。メモリデバイス2の回路構成、平面レイアウト、及び断面構造は、メモリデバイス2のデザインに応じて適宜変更され得る。例えば、第3実施形態では、CMOSチップCCの上にメモリチップMCが設けられる場合について例示したが、メモリチップMCの上にCMOSチップCCが設けられてもよい。下ウエハLWにメモリチップMCが割り当てられ、上ウエハUWにCMOSチップCCが割り当てられた場合について例示したが、上ウエハUWにメモリチップMCが割り当てられ、下ウエハLWにCMOSチップCCが割り当てられてもよい。第1及び第2実施形態で説明された製造方法を適用する場合、ウエハ間でウエハ倍率のばらつきが大きいウエハが、下ウエハLWに割り当てられることが好ましい。これにより、接合処理における重ね合わせずれが抑制され得るため、重ね合わせずれ起因の不良の発生が抑制され得る。
【0164】
本明細書において“接続”は、電気的に接続されている事を示し、間に別の素子を介することを除外しない。“電気的に接続される”は、電気的に接続されたものと同様に動作することが可能であれば、絶縁体を介していてもよい。“柱状”は、製造工程において形成されたホール内に設けられた構造体であることを示している。“平面視”は、例えば半導体基板60の表面に対して鉛直な方向に対象物を見ることに対応している。“領域”は、CMOSチップCCの半導体基板60によって含まれる構成と見なされてもよい。例えば、半導体基板60がメモリ領域MRを含むと規定された場合、メモリ領域MRは、半導体基板80の上方の領域に関連付けられる。貼合パッドBPは、“接合金属”と呼ばれてもよい。
【0165】
なお、上記各実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下に限られるものではない。
【0166】
[付記1]
第1基板を保持することが可能な第1ステージと、
上記第1ステージの上方に配置され、第2基板を保持することが可能な第2ステージと、
上記第1ステージに保持された上記第1基板に配置されたアライメントマークを計測することが可能な第1計測器と、
上記第2ステージに保持された上記第2基板に配置されたアライメントマークを計測することが可能な第2計測器と、
上記第1ステージに応力を印加することが可能な応力発生器と、
上記第1基板と前記第2基板のそれぞれのアライメント処理を含み、上記第1基板と上記第2基板とを接合する接合処理を実行するコントローラと、を備え、
上記コントローラは、上記応力発生器により変形した上記第1ステージの変形量と、変形した上記第1ステージに保持された上記第1基板の形状とに基づいて、上記第1ステージの変形量毎のフォーカスマップを生成し、
上記コントローラは、上記第1基板のアライメント処理において、上記第1計測器に、上記第1ステージに保持された上記第1基板に配置された上記アライメントマークを計測させる際に、上記第1ステージに適用した変形量に対応する光軸補正量に基づいて、上記第1計測器の光軸を補正する、
接合装置。
【0167】
[付記2]
上記コントローラは、上記第1基板のアライメント処理において、上記第1計測器に、上記第1ステージに保持された上記第1基板に配置された上記アライメントマークを計測させる際に、上記光軸補正量に基づいて、上記第1ステージと上記第1計測器との位置関係を補正する、
付記1に記載の接合装置。
【0168】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0169】
1…接合装置、10…制御装置、11…記憶装置、12…搬送装置、13…通信装置、14…接合ユニット、140…下ステージ、141…応力装置、142…カメラ、143…上ステージ、144…押圧ピン、145…カメラ、146…共通ターゲット、150…光源、151…光学素子、152…レンズユニット、153…支持部、154…受光部、EL…出射光、RL…反射光、2…メモリデバイス、20…メモリインターフェース、21…シーケンサ、22…メモリセルアレイ、23…ドライバモジュール、24…ロウデコーダモジュール、25…センスアンプモジュール、30~37…絶縁体層、40~46…導電体層、50…コア部材、51…半導体層、52…積層膜、53…トンネル絶縁膜、54…絶縁膜、55…ブロック絶縁膜、60…半導体基板、61~64…導電体層、C0~C3,V1,V2…コンタクト、M0~M2,D0~D3…配線層、BLK…ブロック、SU…ストリングユニット、MT…メモリセルトランジスタ、TR…トランジスタ、BL…ビット線、WL…ワード線、SGD,SGS…選択ゲート線、SL…ソース線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23