(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-01-27
(45)【発行日】2026-02-04
(54)【発明の名称】電池パック
(51)【国際特許分類】
H01M 50/242 20210101AFI20260128BHJP
H01M 50/256 20210101ALI20260128BHJP
【FI】
H01M50/242
H01M50/256 101
(21)【出願番号】P 2022557379
(86)(22)【出願日】2021-10-05
(86)【国際出願番号】 JP2021036736
(87)【国際公開番号】W WO2022085422
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2024-08-21
(31)【優先権主張番号】P 2020178420
(32)【優先日】2020-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】322003798
【氏名又は名称】パナソニックエナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003225
【氏名又は名称】弁理士法人豊栖特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河上 聡
【審査官】山本 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-139866(JP,A)
【文献】特開2009-051515(JP,A)
【文献】国際公開第2020/026346(WO,A1)
【文献】特表2009-527077(JP,A)
【文献】特開2013-201112(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第0867113(EP,A2)
【文献】米国特許出願公開第2014/0216973(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
B65D 1/00- 1/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池を収納するコアパックと、
前記コアパックを収納する外装ケースとを備え、
前記外装ケースが、一対の表面プレートの外周縁に外周壁を連結してなる箱形で、
前記表面プレートの出隅部に設けてなる前記外周壁が、
外側表面の衝撃吸収壁と、前記衝撃吸収壁の内側に配置してなる本体壁とを所定の間隔で分離してなる衝撃吸収隙間を有し、
前記衝撃吸収隙間が
一対の両側の前記表面プレート側に開口されてな
り、
前記出隅部の間に位置する前記外周壁の中間部が、前記出隅部の前記衝撃吸収壁の先端部よりも外方に突出することがなく、
前記衝撃吸収壁の高さ方向の先端部が、前記表面プレートの位置まで延在してなり、
前記衝撃吸収壁の先端縁よりも先に前記表面プレートが衝撃を受けることがない電池パック。
【請求項2】
複数の電池を収納するコアパックと、
前記コアパックを収納する外装ケースとを備え、
前記外装ケースが、一対の表面プレートの外周縁に外周壁を連結してなる箱形で、
前記表面プレートの出隅部に設けてなる前記外周壁が、
外側表面の衝撃吸収壁と、前記衝撃吸収壁の内側に配置してなる本体壁とを所定の間隔で分離してなる衝撃吸収隙間を有し、
前記衝撃吸収隙間が前記表面プレート側に開口されてなり、
前記外装ケースが、
前記表面プレートと、
前記表面プレート外周の
前記外周壁とを一体構造に成形してなる箱形の第1のケースと、
前記第1のケースの開口部を閉塞してなる第2のケースとを備え、
前記第1のケースと前記第2のケースが、
前記本体壁と前記衝撃吸収壁とを連結してなる連結フランジを有し、
前記第1のケースと前記第2のケースが
前記連結フランジを介して連結されてな
り、
前記出隅部の間に位置する前記外周壁の中間部が、前記出隅部の前記衝撃吸収壁の先端部よりも外方に突出することがなく、
前記衝撃吸収壁の高さ方向の先端部が、前記表面プレートの位置まで延在してなり、
前記衝撃吸収壁の先端縁よりも先に前記表面プレートが衝撃を受けることがない電池パック。
【請求項3】
複数の電池を収納するコアパックと、
前記コアパックを収納する外装ケースとを備え、
前記外装ケースが、一対の表面プレートの外周縁に外周壁を連結してなる箱形で、
前記表面プレートの出隅部に設けてなる前記外周壁が、
外側表面の衝撃吸収壁と、前記衝撃吸収壁の内側に配置してなる本体壁とを所定の間隔で分離してなる衝撃吸収隙間を有し、
前記衝撃吸収隙間が前記表面プレート側に開口されてなり、
前記外周壁が、
前記衝撃吸収壁と前記本体壁を局所的に連結してなる連結リブを有
し、
前記出隅部の間に位置する前記外周壁の中間部が、前記出隅部の前記衝撃吸収壁の先端部よりも外方に突出することがなく、
前記衝撃吸収壁の高さ方向の先端部が、前記表面プレートの位置まで延在してなり、
前記衝撃吸収壁の先端縁よりも先に前記表面プレートが衝撃を受けることがない電池パック。
【請求項4】
複数の電池を収納するコアパックと、
前記コアパックを収納する外装ケースとを備え、
前記外装ケースが、一対の表面プレートの外周縁に外周壁を連結してなる箱形で、
前記表面プレートの出隅部に設けてなる前記外周壁が、
外側表面の衝撃吸収壁と、前記衝撃吸収壁の内側に配置してなる本体壁とを所定の間隔で分離してなる衝撃吸収隙間を有し、
前記衝撃吸収隙間が前記表面プレート側に開口されてなり、
前記衝撃吸収壁が、
外側面に突出する縦リブを先端縁に沿って一体構造に設けてな
り、
前記出隅部の間に位置する前記外周壁の中間部が、前記出隅部の前記衝撃吸収壁の先端部よりも外方に突出することがなく、
前記衝撃吸収壁の高さ方向の先端部が、前記表面プレートの位置まで延在してなり、
前記衝撃吸収壁の先端縁よりも先に前記表面プレートが衝撃を受けることがない電池パック。
【請求項5】
複数の電池を収納するコアパックと、
前記コアパックを収納する外装ケースとを備え、
前記外装ケースが、一対の表面プレートの外周縁に外周壁を連結してなる箱形で、
前記表面プレートの出隅部に設けてなる前記外周壁が、
外側表面の衝撃吸収壁と、前記衝撃吸収壁の内側に配置してなる本体壁とを所定の間隔で分離してなる衝撃吸収隙間を有し、
前記衝撃吸収隙間が前記表面プレート側に開口されてなり、
前記表面プレートの
前記出隅部が所定の曲率半径で湾曲する湾曲部を有し、
前記衝撃吸収隙間の開口部が、
前記表面プレートの
前記出隅部の前記湾曲部に沿って湾曲するスリットであ
り、
前記出隅部の間に位置する前記外周壁の中間部が、前記出隅部の前記衝撃吸収壁の先端部よりも外方に突出することがなく、
前記衝撃吸収壁の高さ方向の先端部が、前記表面プレートの位置まで延在してなり、
前記衝撃吸収壁の先端縁よりも先に前記表面プレートが衝撃を受けることがない電池パック。
【請求項6】
請求項1
ないし5のいずれか一項に記載の電池パックであって、
前記衝撃吸収隙間の開口幅(W1)が2mm以上である電池パック。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか一項に記載の電池パックであって、
前記外装ケースがグリップを有し、
前記外装ケースが、
前記グリップと反対側に位置する
前記外周壁の両側の
前記出隅部に前記衝撃吸収壁を設けてなる電池パック。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか一項に記載の電池パックであって、
前記衝撃吸収壁の先端縁の表面が、
前記外周壁の中央部よりも突出してなる突出部である電池パック。
【請求項9】
請求項8に記載の電池パックであって、
前記衝撃吸収壁の外側表面が、
中央部から先端縁に向かって突出する傾斜面としてなる電池パック。
【請求項10】
請求項8または9に記載の電池パックであって、
前記表面プレートの全体形状が多角形状で、
多角形状である前記表面プレートの直線領域に連結してなる前記外周壁が、前記直線領域の両端を前記突出部としてなる電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電池を外装ケースに収納している電池パック、とくに耐衝撃強度に優れた電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
電池パックには耐衝撃強度が要求される。とくに、電池の収納数が多くなって重くなる電池パックは、落下等の大きな衝撃で故障しない耐衝撃強度が要求される。多数の電池を収納している電池パックは充放電の容量が大きく、重くて高価格であるので、落下などで破損して使用できなくなると経済的な損失が極めて大きい。さらに、充放電容量が大きくて高価格な電池パックは、重くて落下の衝撃が大きくて破損しやすいので、耐衝撃強度を強くすることが極めて重要である。
このことを実現するために、ケースの内部に衝撃吸収隙間を設けた電池パックが開発されている。(特許文献1及び2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-273180号公報
【文献】特開2011-192592号公報
【発明の概要】
【0004】
特許文献1の電池パックは、インナーケースとアウターケースの間に衝撃吸収隙間を設けて、ここに金属板などの弾性バネを配置している。この電池パックは、インナーケースとアウターケースを独特の構造として、衝撃吸収隙間には特定の形状に加工している弾性バネを配置するので、部品コストが高くなり、さらにケースの定位置に弾性バネを配置して組み立てるので、組み立てに手間がかかって組み立てコストも高くなる欠点がある。
また、特許文献2の電池パックは、ケースに設けている衝撃吸収壁の内側に内壁を設けて、この内壁の内側に電池のコアパックを配置し、内壁を独特の形状に成形して、内壁と電池のコアパックとの間に衝撃吸収隙間を設けている。この構造の電池パックは、電池のコアパックが局部的に衝撃を受けるので、重いコアパック全体を強い衝撃から保護するのが難しい。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、さらに以上の欠点を解消することを目的に開発されたもので、本発明の大切な目的は、外装ケースでもって内蔵する電池のコアパックに作用する衝撃を吸収して耐衝撃強度を大きくできる電池パックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様の電池パックは、複数の電池を収納するコアパックと、コアパックを収納する外装ケースとを備えている。外装ケースは、一対の表面プレートの外周縁に外周壁を連結してなる箱形で、表面プレートの出隅部に設けてなる外周壁が、外側表面の衝撃吸収壁と、衝撃吸収壁の内側に配置してなる本体壁とを所定の間隔で分離してなる衝撃吸収隙間を有し、衝撃吸収隙間が一対の両側の表面プレート側に開口している。出隅部の間に位置する外周壁の中間部が、出隅部の衝撃吸収壁の先端部よりも外方に突出することがなく、衝撃吸収壁の高さ方向の先端部が、表面プレートの位置まで延在してなり、衝撃吸収壁の先端縁よりも先に表面プレートが衝撃を受けることがない。
【発明の効果】
【0007】
以上の電池パックは、複数の電池を収納するコアパックに作用する衝撃を外装ケース自体で吸収して、強い耐衝撃強度を実現する。とくに、落下などで出隅部に受ける衝撃を効果的に吸収して強い耐衝撃性強度を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態1にかかる電池パックの平面図である。
【
図2】本発明の実施形態2にかかる電池パックの平面図である。
【
図3】本発明の実施形態3にかかる電池パックの正面図である。
【
図4】
図1に示す電池パックの外装ケースを示す断面斜視図である。
【
図5】
図1に示す電池パックの外装ケースの他の一例を示す断面斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態4にかかる電池パックの一部拡大斜視図である。
【
図7】
図6に示す電池パックのVII-VII線断面斜視図である。
【
図8】
図6に示す電池パックのVIII-VIII線断面斜視図である。
【
図9】
図6に示す電池パックのIX-IX線断面斜視図である。
【
図10】
図6に示す電池パックのX-X線断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施態様にかかる電池パックは、複数の電池を収納するコアパックと、コアパックを収納する外装ケースとを備えている。外装ケースは、一対の表面プレートの外周縁に外周壁を連結してなる箱形で、表面プレートの出隅部に設けてなる外周壁が、外側表面の衝撃吸収壁と、衝撃吸収壁の内側に配置してなる本体壁とを所定の間隔で分離してなる衝撃吸収隙間を有し、衝撃吸収隙間を表面プレート側に開口している。
【0010】
以上の電池パックは、内蔵するコアパックに作用する衝撃を外装ケース自体で吸収して、強い耐衝撃強度を実現する。それは、以上の電池パックが、落下などで衝撃を受ける出隅部の外周壁に、本体壁と衝撃吸収壁とを分離する衝撃吸収隙間を設けて、衝撃吸収隙間を表面プレート側に開口しているからである。衝撃で出隅部の外周壁が変形する状態を
図4の断面斜視図に示している。この図に示すように、出隅部3aの外周壁4は、本体壁6の外側に衝撃吸収隙間7を介して衝撃吸収壁5を設けて、衝撃吸収隙間7を表面プレート3側に開口しているので、図の矢印Aで示すように、出隅部3aの外周壁4が受ける衝撃を衝撃吸収壁5が変形して吸収して、出隅部3aの耐衝撃強度を向上する。さらに、以上の電池パックは、衝撃吸収壁が変形して衝撃を吸収するので、衝撃吸収壁の緩衝作用で内蔵するコアパックを衝撃から保護する効果も実現する。
【0011】
電池パックが落下する状態で、水平姿勢や垂直姿勢で水平な地面などに面接触して衝撃を受ける確率は極めて低い。落下する電池パックは、ほとんど例外なく傾斜姿勢で落下するので、地面などに衝突する状態で、外周壁の出隅部であって、いずれか一方の側縁が衝突して衝撃を受ける。以上の電池パックは、衝撃吸収隙間を表面プレート側に開口しているので、外周壁の側縁に衝撃吸収壁の先端が配置される。衝撃吸収壁は先端縁が変形しやすい。したがって、外周壁の側縁に位置する衝撃吸収壁の先端縁に受ける衝撃が、衝撃吸収壁に効率よく吸収されて、外装ケースの耐衝撃強度を向上し、さらに衝撃吸収壁の緩衝作用で内蔵する電池パックの衝撃を抑制する。
【0012】
本発明の他の実施態様にかかる電池パックは、衝撃吸収隙間の開口幅(W1)を2mm以上としている。
【0013】
本発明の他の実施態様にかかる電池パックは、外装ケースが、表面プレートと表面プレート外周の外周壁とを一体構造に成形してなる箱形の第1のケースと、第1のケースの開口部を閉塞してなる第2のケースとを備え、第1のケースと第2のケースが、本体壁と衝撃吸収壁とを連結してなる連結フランジを有し、第1のケースと第2のケースとを連結フランジを介して連結している。
【0014】
本発明の他の実施態様にかかる電池パックは、外周壁が、衝撃吸収壁と本体壁を局所的に連結してなる連結リブを有している。
【0015】
本発明の他の実施態様にかかる電池パックは、衝撃吸収壁が、外側面に突出する縦リブを先端縁に沿って一体構造に設けている。
【0016】
以上の電池パックは、衝撃吸収壁の先端縁に局所的に作用する衝撃を縦リブで拡散できるので、衝撃吸収壁の耐衝撃強度を強くできる特長がある。
【0017】
本発明の他の実施態様にかかる電池パックは、表面プレートの出隅部が所定の曲率半径で湾曲する湾曲部を有しており、衝撃吸収隙間の開口部を、表面プレートの出隅部の湾曲部に沿って湾曲するスリットとしている。
【0018】
本発明の他の実施態様にかかる電池パックは、外装ケースがグリップを有しており、外装ケースが、グリップと反対側に位置する外周壁の両側の出隅部に衝撃吸収壁を設けている。
【0019】
以上の電池パックは、グリップを持って持ち運ぶ状態で、誤って落としてもグリップと反対側にある下部の衝撃吸収壁が衝撃を吸収して破損を防止できる特長がある。
【0020】
本発明の他の実施態様にかかる電池パックは、衝撃吸収壁の先端縁の表面を、外周壁の中央部よりも突出してなる突出部としている。
【0021】
以上の電池パックは、いかなる姿勢で落下しても衝撃吸収壁が効果的に衝撃を吸収して強い耐衝撃強度を実現する。それは、電池パックがいかなる姿勢で落下しても、衝撃吸収壁の先端縁の突出部が地面などに衝突して衝撃を吸収するからである。
【0022】
本発明の他の実施態様にかかる電池パックは、衝撃吸収壁の外側表面を、中央部から先端縁に向かって突出する傾斜面としている。
【0023】
本発明の他の実施態様にかかる電池パックは、表面プレートの全体形状が多角形状で、多角形状である表面プレートの直線領域に連結してなる外周壁が、直線領域の両端を突出部としている。
【0024】
以上の電池パックは、いかなる姿勢で落下しても衝撃吸収壁が効果的に衝撃を吸収して強い耐衝撃強度を実現する。それは、電池パックがいかなる姿勢で落下しても、直線領域の両端に設けている突出部が局所的に地面などに衝突して、直線領域の両端部に設けている出隅部の外周壁が衝撃を吸収するからである。
【0025】
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
さらに以下に示す実施形態は、本発明の技術思想の具体例を示すものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
【0026】
(電池パック100、200、300)
図1ないし
図3の平面図、
図4と
図5の断面図に示す電池パック100、200、300は、外装ケース1の内部に複数の電池を収納したコアパック2を配置している。ただし、
図4は、
図1の電池パック100のIV-IV線断面斜視図を示しており、
図5は、
図1の電池パック100のIV-IV線断面に相当する他の一例の断面斜視図を示している。外装ケース1は、表面プレート3の周囲に外周壁4を連結して箱形としている。表面プレート3の出隅部3aに設けてなる外周壁4は、外側表面の衝撃吸収壁5と、衝撃吸収壁5の内側に配置している本体壁6とを衝撃吸収隙間7で所定の間隔で分離して、衝撃吸収隙間7を表面プレート3側に開口している。衝撃吸収壁5は、衝撃を受けると変形して衝撃を吸収する。
【0027】
図1の電池パック100は、表面プレート3の全周の外周壁4に衝撃吸収壁5を設けており、
図2の電池パック200は表面プレート3の四隅の出隅部3aの外周壁4に衝撃吸収壁5を設けている。
図3の電池パック300は、グリップ15の反対側の外周壁4の両端部の出隅部3aに衝撃吸収壁5を設けている。これ等の図に示すように、電池パック100、200、300は、表面プレート3の出隅部3aの外周壁4に衝撃吸収壁5を設けているが、必ずしも全ての出隅部3aに衝撃吸収壁5を設けることなく、少なくとも落下などの衝撃を受ける出隅部3aに衝撃吸収壁5を設けて耐衝撃強度を向上している。
【0028】
(コアパック2)
図4と
図5に示す電池パック100は、外装ケース1内に複数の電池を収納したコアパック2を配置している。コアパック2は、図示しないが、複数の電池を電池ホルダで定位置に配置して、各々の電池を直列や並列に接続している。さらに、コアパック2は、電池の充放電を制御する制御回路や保護回路を実装する回路基板を電池ホルダに固定している。コアパック2は、外装ケース1内の定位置に移動しない状態で配置される。
【0029】
(外装ケース1)
外装ケース1は、多角形状である両面の表面プレート3の外周縁に外周壁4を連結して箱形として、内部にコアパック2を収納している。
図1ないし
図3の電池パック100、200、300は、外装ケース1の表面プレート3を四角形として、表面プレート3の周囲に外周壁4を設けて、表面プレート3と外周壁4とで直方体の箱形としている。
図4と
図5の外装ケース1は、プラスチックで別々に成形している第1のケース1Xと第2のケース1Yを開口端面で連結して、内部の定位置にコアパック2を配置している。外装ケース1は、外周壁4の開口端面に設けている連結フランジ8を連結して、第1のケース1Xと第2のケース1Yを連結して、内部にコアパック2を配置している。
図4の外装ケース1は、第1のケース1Xと第2のケース1Yの連結フランジ8に、所定の間隔で止ネジ19をねじ込んで、第1のケース1Xと第2のケース1Yを連結している。
図5の外装ケース1は、連結フランジ8を溶着し、あるいは接着して第1のケース1Xと第2のケース1Yを連結している。以上の外装ケース1は、第1のケース1Xと第2のケース1Yの連結フランジ8を止ネジ19で連結し、あるいは溶着し、あるいはまた接着しているが、本発明は第1のケースと第2のケースを連結する構造を特定するものでなく、第1のケースと第2のケースは他の種々の連結構造、たとえば嵌合構造や係止構造などで連結することもできる。
【0030】
図1と
図2の外装ケース1は、表面プレート3を四角形とするが、表面プレート3は必ずしも四角形とすることなく、例えば、
図3の正面図に示すように、外装ケース1の上面をアーチ状として、上面にグリップ15を設けて、両側と底面の外周壁4を底面の両側で直角に連結する形状とすることもできる。
【0031】
外装ケース1は、表面プレート3の出隅部3aの外周壁4に衝撃を吸収する衝撃吸収壁5を設けて、衝突して受ける衝撃を吸収する。
図4と
図5の断面図に示す外周壁4は、外側表面に配置している衝撃吸収壁5と、衝撃吸収壁5の内側に配置している本体壁6との間に衝撃吸収隙間7を設けて、衝撃吸収隙間7で衝撃吸収壁5と本体壁6とを所定の間隔で分離している。衝撃吸収隙間7は、表面プレート3側に開口されて、衝撃吸収壁5を衝撃で変形しやすい形状としている。
【0032】
電池パック100、200は、表面プレート3の出隅部3aの強度を強くして耐衝撃強度を強くできる。
図1と
図2の外装ケース1は、表面プレート3の出隅部3aの外周壁4に衝撃吸収壁5を設けて、落下などの衝撃を効率よく吸収する。
図1と
図2の外装ケース1は、表面プレート3の出隅部3aを所定の曲率半径で湾曲する湾曲部として、湾曲する出隅部3aに沿う湾曲形状の衝撃吸収壁5を設けている。
【0033】
図2の外装ケース1は、表面プレート3の直線領域3bの外周壁4に、表面に所定の間隔で補強リブ13を設けている。補強リブ13は、外周壁4の幅方向に伸びる板状で、外周壁4と一体構造に成形して設けている。この外装ケース1は、出隅部3aの衝撃を衝撃吸収壁5で吸収して、直線領域3bの衝撃は表面の補強リブ13で補強する。
【0034】
図4と
図5の断面図に示す衝撃吸収壁5は、第1のケース1Xと第2のケース1Yを連結している連結フランジ8に、衝撃吸収壁5と本体壁6の付け根部を連結している。衝撃吸収隙間7の開口部7aは、衝撃吸収壁5が衝撃を受けて
図4と
図5の矢印Aで示す方向に変形できるように、開口幅(W1)を、例えば、2mm以上、好ましくは3mm以上、さらに好ましくは5mm以上としている。
【0035】
衝撃吸収隙間7は、連結フランジ8から開口部7aに向かって内幅を広くするテーパー状に成形して、衝撃による衝撃吸収壁5の先端部の変形量を大きくできる。さらに、衝撃吸収壁5は、衝撃吸収隙間7の内幅(W2)を開口部7aに向かって広くして、連結フランジ8から開口部7aに向かって次第に薄くなる形状としている。この衝撃吸収壁5は、薄く形成している先端縁が変形し易く、衝撃を効率よく吸収できる特長がある。
【0036】
さらに、衝撃吸収壁5は、
図4と
図5に示すように、衝撃吸収壁5と本体壁6とを衝撃吸収隙間7に設けている連結リブ9で連結する構造とすることもできる。この衝撃吸収壁5は、連結リブ9で衝撃吸収壁5を補強して耐衝撃強度を強くできる。衝撃吸収壁5の両端を本体壁6に連結している連結リブ9は、衝撃吸収壁5が衝撃を受ける状態で、それ自体が変形して衝撃を吸収するが破損しない強度として、耐衝撃強度を補強する。
図4と
図5の外装ケース1は、衝撃吸収隙間7に所定の間隔で連結リブ9を設けて、衝撃吸収壁5と本体壁6とを局所的に補強しているが、連結リブ9が衝撃吸収壁5と本体壁6とを連結する位置や個数、さらに連結リブ9が衝撃で変形する強度や厚さを調整して、衝撃吸収壁5を変形させて衝撃を吸収しながら補強することができる。
【0037】
図4と
図5の断面図に示す衝撃吸収壁5は、開口端の表面を外周壁4の中央部5cよりも突出する突出部5aとしている。この図の外周壁4は、外側表面の断面形状をV字状として、衝撃吸収壁5の外側表面を、中央部5cの連結フランジ8に連結している領域から先端縁に向かって突出する傾斜面5bとして、先端縁を突出部5aとしている。この衝撃吸収壁5は、落下などの衝撃を変形しやすい突出部5aで受け止めて効率よく吸収できる特長がある。この衝撃吸収壁5は、電池パック100がいかなる姿勢で平面状の地面などに落下しても、常に衝撃吸収壁5の突出する先端縁が地面等に衝突して衝撃を効率よく吸収するので、電池パック100の落下姿勢によらず、常に衝撃吸収壁5が有効に衝撃を吸収して、外装ケース1の耐衝撃強度を強くできる特長がある。
【0038】
さらに、衝撃吸収壁5は、
図4の鎖線で示すように、外側面に突出する縦リブ10を先端縁に沿って一体構造に設けて、衝撃吸収壁5の先端縁を中央部よりも突出させることもできる。先端縁に縦リブ10を設けている衝撃吸収壁5は、
図4に示すように、外周壁4の外側面の断面形状を必ずしもV字状とすることなく、衝撃吸収壁5の先端縁を中央部よりも突出して、全ての落下姿勢において耐衝撃強度を強くできる特長がある。さらに、
図4に示すように、外周壁4の外側面の断面形状をV字状として、衝撃吸収壁5の先端縁に縦リブ10を設ける構造は、衝撃吸収壁5の先端縁の突出量を大きくして、全ての落下姿勢での耐衝撃強度を強くできる特長がある。また、先端縁に縦リブ10を設けている衝撃吸収壁5は、電池パック100から落下して、衝撃吸収壁5の先端縁に局所的に強い衝撃を受ける状態においても、縦リブ10で衝撃を両側に拡散して、衝撃吸収壁5の耐衝撃強度を強くできる特長も実現する。したがって、衝撃吸収壁5を
図4の鎖線で示す形状とする外装ケース1は、いかなる姿勢で落下しても衝撃吸収壁5が効果的に衝撃を吸収して強い耐衝撃強度を実現する。電池パック100がいかなる姿勢で落下しても、外周壁4の両側に設けている側縁の突出部5aが地面などに衝突して衝撃を吸収するからである。
【0039】
(電池パック400)
図6の一部拡大斜視図に示す電池パック400は、異なる形状に成形している第1のケース1Xと第2のケース1Yとで外装ケース1を構成する実施態様を示す。
図7~
図10は、
図6に示す電池パックの拡大断面斜視図をそれぞれ示している。これらの図の外装ケース1は、第1のケース1Xと第2のケース1Yを異なる形状にプラスチックを成形して、外周壁4の出隅部3aに衝撃吸収隙間7と衝撃吸収壁5とを設けている。
【0040】
図7は
図6のVII-VII線断面斜視図であって、出隅部3aの外周壁4の断面形状を示している。この図の衝撃吸収壁5は、第1の衝撃吸収壁5Xと第2の衝撃吸収壁5Yを、表面プレート3と同一平面に位置する縦リブ10で連結して、縦リブ10と表面プレート3との間に衝撃吸収隙間7を開口している。第1の衝撃吸収壁5Xと第2の衝撃吸収壁5Yは内側を中空として、下端開口部11を第2のケース1Yの連結フランジ8に連結している。第1の衝撃吸収壁5Xは第2の衝撃吸収壁5Yの内側にあって、付け根部を連結フランジ8に一体構造に連結されて、本体壁6との間に衝撃吸収隙間7を設けている。第2の衝撃吸収壁5Yは連結フランジ8に連結されることなく、
図7の矢印Aで示す方向に受ける衝撃で、第1の衝撃吸収壁5Xと第2の衝撃吸収壁5Yを一体構造とする衝撃吸収壁5が変形して衝撃を吸収できる構造としている。
【0041】
図8は
図6のVIII-VIII線断面斜視図であって、第1のケース1Xと第2のケース1Yの出隅部3aにおける連結フランジ8の連結部を示している。第1のケース1Xと第2のケース1Yは、各々のケースに設けている連結フランジ8を止ネジ19で連結している。出隅部3aに設けている以上の衝撃吸収壁5は、縦リブ10で一体構造に連結している第1の衝撃吸収壁5Xと第2の衝撃吸収壁5Yとで衝撃吸収壁5を構成し、内側に配置している第1の衝撃吸収壁5Xは全体を連結フランジ8に連結して、第2の衝撃吸収壁5Yは止ネジで第2のケース1Yに連結される領域のみを局部的に連結フランジ8に連結しているので、衝撃吸収壁5が衝撃を受ける状態では、第1の衝撃吸収壁5Xと第2の衝撃吸収壁5Yの両方が弾性変形して衝撃を吸収するので、強い衝撃に耐える強度を実現できる。
【0042】
図9は
図6のIX-IX線断面斜視図であって、第1のケース1Xと第2のケース1Yの直線領域3bにおける連結フランジ8の連結部を示している。
図9は、連結フランジ8が止ネジ19で連結される部分を示している。
図8と
図9に示す第1のケース1Xと第2のケース1Yは、止ネジ19で連結する部分に局所的に連結フランジ8を設けている。第1のケース1Xは、連結フランジ8を設けている領域では、縦リブ10に貫通穴を設けて、貫通穴の底部に連結フランジ8を成形している。第1のケース1Xの連結フランジ8から第2のケース1Yの連結フランジ8にねじ込まれる止ネジ19は、第1のケース1Xと第2のケース1Yを連結フランジ8で連結している。第1の衝撃吸収壁5Xと第2の衝撃吸収壁5Yの間の中空部12は、
図7に示すように、止ネジ19で連結されない領域を下端で開口して、下端開口部11に第2のケース1Yの連結フランジ8に設けている連結凸条8aに嵌合構造に連結される。
【0043】
図7ないし
図9の断面斜視図に示す第1のケース1Xの衝撃吸収壁5は、衝撃吸収隙間7を開口部7aに向かって(図において上方に向かって)内幅(W2)を広くするテーパー状として、第1の衝撃吸収壁5Xを先端縁に向かって次第に薄くして、衝撃で変形しやすい形状としている。この衝撃吸収壁5は、衝撃力に対する変形量を大きくして、衝撃をより効果的に吸収できる特長がある。また、
図7と
図8の衝撃吸収壁5は、衝撃吸収壁5の外側表面となる、第2の衝撃吸収壁5Yの外側表面であって先端縁に突出部5aを設けている。この衝撃吸収壁5は、落下時に突出部5aが地面などに衝撃して、衝撃吸収壁5を有効に変形して衝撃を確実に吸収できる特長がある。
【0044】
第1のケース1Xにおいて、表面プレート3の直線領域3bに連結している外周壁4は、
図10に示すように、2枚の衝撃吸収壁で衝撃を吸収することなく、1枚の衝撃吸収壁5で衝撃を吸収する。直線領域3bの外周壁4は、第2の衝撃吸収壁5Yと同一平面に位置する衝撃吸収壁5を設けて、この衝撃吸収壁5を連結リブ9で本体壁6の外側面に連結している。衝撃吸収壁5は、所定の間隔に配置している複数の連結リブ9を介して本体壁6に連結される。直線領域3bの衝撃吸収壁5は、第2の衝撃吸収壁5Yと同一平面に位置するので、本体壁6との間に設けられる衝撃吸収隙間7の開口幅(W1)を広くできる。したがって、直線領域3bの衝撃吸収壁5は、衝撃で変形するが破損しない強度として、衝撃を効率よく吸収できる構造が実現できる。
【0045】
図6の外装ケース1は、第1のケース1Xの表面プレート3全周に衝撃吸収隙間7と衝撃吸収壁5を設けているので、全周の耐衝撃強度を強くできる。ただ、外装ケース1は、全周に衝撃吸収隙間7と衝撃吸収壁5を設けることなく、出隅部3aのみに衝撃吸収隙間7と衝撃吸収壁5を設けて外装ケース1の直線領域3bには衝撃吸収壁5を設けない形状とすることもできる。
【0046】
第2のケース1Yは、
図7ないし
図10の断面斜視図に示すように、衝撃吸収壁5を1枚のプレートで構成して、衝撃吸収壁5と本体壁6との間に衝撃吸収隙間7を設けている。衝撃吸収壁5は先端縁に沿って縦リブ10を一体構造に設けている。さらに、衝撃吸収壁5の表面には、所定の間隔で幅方向に伸びる連結リブ9を一体構造に成形している。連結リブ9は、両端を連結フランジ8と縦リブ10に、側縁を衝撃吸収壁5と一体構造に成形される。縦リブ10は連結リブ9よりも厚く成形されて、衝撃吸収壁5の先端縁に作用する衝撃を両側に分散して衝撃吸収壁5の破損を防止する。連結リブ9は衝撃吸収壁5を補強して衝撃に対する変形量を抑制するので、連結リブ9の厚さと高さを調整し、さらに隣接する連結リブ9の間隔を調整し、さらにまた衝撃吸収壁5の厚さも調整して、衝撃吸収壁5が衝撃で変形して衝撃を吸収する最適値に設定する。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、複数の電池を外装ケースに収納している電池パックであって、とくに落下等の大きな衝撃による耐衝撃強度に優れた電池パックとして好適に使用できる。
【符号の説明】
【0048】
100、200、300、400…電池パック
1…外装ケース
1X…第1のケース
1Y…第2のケース
2…コアパック
3…表面プレート
3a…出隅部
3b…直線領域
4…外周壁
5…衝撃吸収壁
5X…第1の衝撃吸収壁
5Y…第2の衝撃吸収壁
5a…突出部
5b…傾斜面
5c…中央部
6…本体壁
7…衝撃吸収隙間
7a…開口部
8…連結フランジ
8a…連結凸条
9…連結リブ
10…縦リブ
11…下端開口部
12…中空部
13…補強リブ
15…グリップ
19…止ネジ