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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-01-28
(45)【発行日】2026-02-05
(54)【発明の名称】電気回路形成方法、および電気回路形成装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/32 20060101AFI20260129BHJP
   H05K 3/34 20260101ALI20260129BHJP
【FI】
H05K3/32 B
H05K3/34 504B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023568866
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(86)【国際出願番号】 JP2021047510
(87)【国際公開番号】W WO2023119469
(87)【国際公開日】2023-06-29
【審査請求日】2024-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100162237
【弁理士】
【氏名又は名称】深津 泰隆
(74)【代理人】
【識別番号】100191433
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 友希
(72)【発明者】
【氏名】塚田 謙磁
【審査官】塩澤 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-169433(JP,A)
【文献】特開平01-226162(JP,A)
【文献】特開2001-332846(JP,A)
【文献】特開2004-363434(JP,A)
【文献】特開平07-030236(JP,A)
【文献】国際公開第2021/075051(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/32 - 3/34
H05K 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂層の上に金属配線を形成する配線形成工程と、
前記金属配線上の電子部品の電極の装着予定位置に導電性流体を塗布する第1塗布工程と、
前記第1塗布工程において塗布された導電性流体を硬化させる第1硬化工程と、
前記樹脂層上の前記電子部品の部品本体の装着予定位置に硬化性樹脂を塗布する第2塗布工程と、
前記第2塗布工程において塗布された硬化性樹脂を半硬化させる第2硬化工程と、
前記第1硬化工程において硬化した導電性流体に前記電極が接触するとともに、前記第2硬化工程において半硬化した硬化性樹脂に前記部品本体が接触するように、前記電子部品を装着する装着工程と、
前記装着工程において前記電子部品が装着された後に、前記第2硬化工程において半硬化した硬化性樹脂を硬化させる第3硬化工程と
を含む電気回路形成方法。
【請求項2】
前記第3硬化工程は、
前記電子部品を前記樹脂層に向って押し付けながら硬化性樹脂を硬化させる請求項1に記載の電気回路形成方法。
【請求項3】
前記第3硬化工程は、
前記電子部品の上に板状の弾性体を載置した状態で、前記弾性体を介して前記電子部品を前記樹脂層に向って押し付けながら硬化性樹脂を硬化させる請求項2に記載の電気回路形成方法。
【請求項4】
前記第3硬化工程において硬化性樹脂を硬化させた後に、前記部品本体の周囲に硬化性樹脂を塗布する第3塗布工程と、
前記第3塗布工程において塗布された硬化性樹脂を硬化させる第4硬化工程と、
を含む請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の電気回路形成方法。
【請求項5】
樹脂層の上に金属配線を形成する配線形成装置と、
前記金属配線上の電子部品の電極の装着予定位置に導電性流体を塗布する第1塗布装置と、
前記第1塗布装置により塗布された導電性流体を硬化させる第1硬化装置と、
前記樹脂層上の前記電子部品の部品本体の装着予定位置に硬化性樹脂を塗布する第2塗布装置と、
前記第2塗布装置により塗布された硬化性樹脂を半硬化させる第2硬化装置と、
前記第1硬化装置により硬化した導電性流体に前記電極が接触するとともに、前記第2硬化装置により半硬化した硬化性樹脂に前記部品本体が接触するように、前記電子部品を装着する装着装置と、
を備え、
前記第2硬化装置が、
前記装着装置により前記電子部品が装着された後に、半硬化した硬化性樹脂を硬化させる電気回路形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属配線と電子部品とを電気的に接続する電気回路形成方法、および電気回路形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献には、金属配線と電子部品とを電気的に接続する電気回路形成方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-007503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書は、金属配線と電子部品とを適切に電気的に接続することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本明細書は、樹脂層の上に金属配線を形成する配線形成工程と、前記金属配線上の電子部品の電極の装着予定位置に導電性流体を塗布する第1塗布工程と、前記第1塗布工程において塗布された導電性流体を硬化させる第1硬化工程と、前記樹脂層上の前記電子部品の部品本体の装着予定位置に硬化性樹脂を塗布する第2塗布工程と、前記第2塗布工程において塗布された硬化性樹脂を半硬化させる第2硬化工程と、前記第1硬化工程において硬化した導電性流体に前記電極が接触するとともに、前記第2硬化工程において半硬化した硬化性樹脂に前記部品本体が接触するように、前記電子部品を装着する装着工程と、前記装着工程において前記電子部品が装着された後に、前記第2硬化工程において半硬化した硬化性樹脂を硬化させる第3硬化工程とを含む電気回路形成方法を開示する。
【0006】
また、上記課題を解決するために、本明細書は、樹脂層の上に金属配線を形成する配線形成装置と、前記金属配線上の電子部品の電極の装着予定位置に導電性流体を塗布する第1塗布装置と、前記第1塗布装置により塗布された導電性流体を硬化させる第1硬化装置と、前記樹脂層上の前記電子部品の部品本体の装着予定位置に硬化性樹脂を塗布する第2塗布装置と、前記第2塗布装置により塗布された硬化性樹脂を半硬化させる第2硬化装置と、前記第1硬化装置により硬化した導電性流体に前記電極が接触するとともに、前記第2硬化装置により半硬化した硬化性樹脂に前記部品本体が接触するように、前記電子部品を装着する装着装置と、を備え、前記第2硬化装置が、前記装着装置により前記電子部品が装着された後に、半硬化した硬化性樹脂を硬化させる電気回路形成装置を開示する。
【発明の効果】
【0007】
本開示では、金属配線上の電子部品の電極の装着予定位置に導電性流体が塗布され、その導電性流体が硬化される。次に、電子部品の部品本体の装着予定位置に硬化性樹脂が塗布されて、その硬化性樹脂が半硬化される。続いて、硬化された導電性流体に電極が接触するとともに、半硬化した硬化性樹脂に部品本体が接触するように、電子部品が装着される。そして、電子部品が装着された後に、半硬化した硬化性樹脂が硬化される。これにより、金属配線と電子部品とを適切に電気的に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】回路形成装置を示す図である。
図2】制御装置を示すブロック図である。
図3】基台の上に貼着された感熱剥離フィルムを示す断面図である。
図4】樹脂積層体が形成された状態の回路基板を示す断面図である。
図5】樹脂積層体の上に配線が形成された状態の回路基板を示す断面図である。
図6】配線の上に導電性樹脂ペーストが塗布された状態の回路基板を示す断面図である。
図7】導電性樹脂ペーストに電極が接触するように電子部品が装着された状態の回路基板を示す断面図である。
図8】部品本体の装着予定位置に熱硬化性樹脂が塗布された状態の回路基板を示す断面図である。
図9】導電性樹脂ペーストに電極が接触するとともに、熱硬化性樹脂に部品本体が接触するように電子部品が装着された状態の回路基板を示す断面図である。
図10】圧縮されながら加熱される状態の回路基板を示す断面図である。
図11】電子部品の周囲に熱硬化性樹脂が吐出された状態の回路基板を示す断面図である。
図12】圧縮されながら加熱される状態の回路基板を示す断面図である。回路を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に回路形成装置10を示す。回路形成装置10は、搬送装置20と、第1造形ユニット22と、第2造形ユニット23と、第3造形ユニット24と、第4造形ユニット25と、圧縮ユニット26と、装着ユニット27と、制御装置(図2参照)28とを備える。それら搬送装置20と第1造形ユニット22と第2造形ユニット23と第3造形ユニット24と第4造形ユニット25と圧縮ユニット26と装着ユニット27とは、回路形成装置10のベース29の上に配置されている。ベース29は、概して長方形状をなしており、以下の説明では、ベース29の長手方向をX軸方向、ベース29の短手方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向の両方に直交する方向をZ軸方向と称して説明する。
【0010】
搬送装置20は、X軸スライド機構30と、Y軸スライド機構32とを備えている。そのX軸スライド機構30は、X軸スライドレール34とX軸スライダ36とを有している。X軸スライドレール34は、X軸方向に延びるように、ベース29の上に配設されている。X軸スライダ36は、X軸スライドレール34によって、X軸方向にスライド可能に保持されている。さらに、X軸スライド機構30は、電磁モータ(図2参照)38を有しており、電磁モータ38の駆動により、X軸スライダ36がX軸方向の任意の位置に移動する。また、Y軸スライド機構32は、Y軸スライドレール50とステージ52とを有している。Y軸スライドレール50は、Y軸方向に延びるように、ベース29の上に配設されており、X軸方向に移動可能とされている。そして、Y軸スライドレール50の一端部が、X軸スライダ36に連結されている。そのY軸スライドレール50には、ステージ52が、Y軸方向にスライド可能に保持されている。さらに、Y軸スライド機構32は、電磁モータ(図2参照)56を有しており、電磁モータ56の駆動により、ステージ52がY軸方向の任意の位置に移動する。これにより、ステージ52は、X軸スライド機構30及びY軸スライド機構32の駆動により、ベース29上の任意の位置に移動する。
【0011】
ステージ52は、基台60と、保持装置62と、昇降装置(図2参照)64と、ヒータ(図2参照)66とを有している。基台60は、平板状に形成され、上面に基板が載置される。保持装置62は、基台60のX軸方向の両側部に設けられている。そして、基台60に載置された基板のX軸方向の両縁部が、保持装置62によって挟まれることで、基板が固定的に保持される。また、昇降装置64は、基台60の下方に配設されており、基台60を昇降させる。また、ヒータ66は、基台60に内蔵されており、基台60に載置された基板を任意の温度に加熱する。
【0012】
第1造形ユニット22は、回路基板の配線を造形するユニットであり、第1印刷部72と、焼成部74とを有している。第1印刷部72は、インクジェットヘッド(図2参照)76を有しており、インクジェットヘッド76が金属インクを線状に吐出する。金属インクは、ナノメートルサイズの金属、例えば銀の微粒子が溶剤中に分散されたものである。なお、金属微粒子の表面は分散剤によりコーティングされており、溶剤中での凝集が防止されている。また、インクジェットヘッド76は、例えば、圧電素子を用いたピエゾ方式によって複数のノズルから金属インクを吐出する。
【0013】
焼成部74は、赤外線照射装置(図2参照)78を有している。赤外線照射装置78は、吐出された金属インクに赤外線を照射する装置であり、赤外線が照射された金属インクは焼成し、配線が形成される。なお、金属インクの焼成とは、エネルギーを付与することによって、溶媒の気化や金属微粒子の保護膜、つまり、分散剤の分解等が行われ、金属微粒子が接触または融着をすることで、導電率が高くなる現象である。そして、金属インクが焼成することで、金属製の配線が形成される。
【0014】
また、第2造形ユニット23は、回路基板の樹脂層を造形するユニットであり、第2印刷部84と、硬化部86とを有している。第2印刷部84は、インクジェットヘッド(図2参照)88を有しており、インクジェットヘッド88は紫外線硬化樹脂を吐出する。紫外線硬化樹脂は、紫外線の照射により硬化する樹脂である。なお、インクジェットヘッド88は、例えば、圧電素子を用いたピエゾ方式でもよく、樹脂を加熱して気泡を発生させ複数のノズルから吐出するサーマル方式でもよい。
【0015】
硬化部86は、平坦化装置(図2参照)90と照射装置(図2参照)92とを有している。平坦化装置90は、インクジェットヘッド88によって吐出された紫外線硬化樹脂の上面を平坦化するものであり、例えば、紫外線硬化樹脂の表面を均しながら余剰分の樹脂を、ローラもしくはブレードによって掻き取ることで、紫外線硬化樹脂の厚みを均一させる。また、照射装置92は、光源として水銀ランプもしくはLEDを備えており、吐出された紫外線硬化樹脂に紫外線を照射する。これにより、吐出された紫外線硬化樹脂が硬化し、樹脂層が形成される。
【0016】
第3造形ユニット24は、回路基板の上に電子部品の電極と配線との接続部を造形するユニットであり、第3印刷部100を有している。第3印刷部100は、ディスペンサ(図2参照)106を有しており、ディスペンサ106は導電性樹脂ペーストを吐出する。導電性樹脂ペーストは、比較的低温の加熱により硬化する樹脂に、マイクロメートルサイズの金属粒子が分散されたものである。ちなみに、金属粒子は、フレーク状とされており、導電性樹脂ペーストの粘度は、金属インクと比較して比較的高い。なお、ディスペンサ106による導電性樹脂ペーストの吐出量は、ニードルの内径や吐出時の圧力および吐出時間により制御される。
【0017】
そして、ディスペンサ106により吐出された導電性樹脂ペーストは、基台60に内蔵されているヒータ66により加熱され、加熱された導電性樹脂ペーストでは、樹脂が硬化する。この際、導電性樹脂ペーストでは、樹脂が硬化して収縮し、その樹脂に分散されたフレーク状の金属粒子が接触する。これにより、導電性樹脂ペーストが導電性を発揮する。また、導電性樹脂ペーストの樹脂は、有機系の接着剤であり、加熱により硬化することで接着力を発揮する。
【0018】
第4造形ユニット25は、電子部品を回路基板に固定するための樹脂を造形するユニットであり、第4印刷部110を有している。第4印刷部110は、ディスペンサ(図2参照)116を有しており、ディスペンサ116は熱硬化性樹脂を吐出する。熱硬化性樹脂は、加熱により硬化する樹脂である。なお、ディスペンサ116は、例えば、圧電素子を用いたピエゾ方式である。そして、ディスペンサ116により吐出された熱硬化性樹脂は、基台60に内蔵されているヒータ66により加熱され、硬化する。
【0019】
また、圧縮ユニット26は、回路基板を圧縮するためのユニットであり、圧縮部120を有している。圧縮部120は、圧縮プレート(図10参照)122と、ゴムシート(図10参照)124と、シリンダ(図2参照)126とを有している。ゴムシート124は、シリコン製のゴムにより成形されており、板厚のシート形状とされている。また、圧縮プレート122は、鋼材により成形されており、板形状とされている。そして、圧縮プレート122の下面にゴムシート124が貼着されており、シリンダ126の作動により、圧縮プレート122が、回路基板に向って押し付けられる。これにより、回路基板が、ゴムシート124を介して圧縮プレート122により圧縮される。なお、シリンダ126の作動が制御されることで、基板を圧縮する力を制御可能に変更することができる。
【0020】
また、装着ユニット27は、回路基板に電子部品を装着するユニットであり、供給部130と、装着部132とを有している。供給部130は、テーピング化された電子部品を1つずつ送り出すテープフィーダ(図2参照)134を複数有しており、供給位置において、電子部品を供給する。なお、供給部130は、テープフィーダ134に限らず、トレイから電子部品をピックアップして供給するトレイ型の供給装置でもよい。また、供給部130は、テープ型とトレイ型との両方、あるいはそれ以外の供給装置を備えた構成でもよい。
【0021】
装着部132は、装着ヘッド(図2参照)136と、移動装置(図2参照)138とを有している。装着ヘッド136は、電子部品を吸着保持するための吸着ノズル(図示省略)を有する。吸着ノズルは、正負圧供給装置(図示省略)から負圧が供給されることで、エアの吸引により電子部品を吸着保持する。そして、正負圧供給装置から僅かな正圧が供給されることで、電子部品を離脱する。また、移動装置138は、テープフィーダ134による電子部品の供給位置と、基台60に載置された基板との間で、装着ヘッド136を移動させる。これにより、装着部132では、テープフィーダ134から供給された電子部品が、吸着ノズルにより保持され、その吸着ノズルによって保持された電子部品が、基板に装着される。
【0022】
また、制御装置28は、図2に示すように、コントローラ140と、複数の駆動回路142とを備えている。複数の駆動回路142は、上記電磁モータ38,56、保持装置62、昇降装置64、ヒータ66、インクジェットヘッド76、赤外線照射装置78、インクジェットヘッド88、平坦化装置90、照射装置92、ディスペンサ106、ディスペンサ116、シリンダ126、テープフィーダ134、装着ヘッド136、移動装置138に接続されている。コントローラ140は、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータを主体とするものであり、複数の駆動回路142に接続されている。これにより、搬送装置20、第1造形ユニット22、第2造形ユニット23、第3造形ユニット24、第4造形ユニット25、圧縮ユニット26、装着ユニット27の作動が、コントローラ140によって制御される。
【0023】
回路形成装置10では、上述した構成によって、基台60の上に樹脂積層体が形成され、その樹脂積層体の上面に配線が形成される。そして、導電性樹脂ペーストを介して、電子部品の電極が配線に電気的に接続され、その電子部品が樹脂により固定されことで、回路基板が形成される。
【0024】
具体的には、ステージ52の基台60の上面に、まず、図3に示すように、感熱剥離フィルム150が敷かれる。感熱剥離フィルム150は、粘着性を有するため、基台60の上面に適切に密着する。そして、感熱剥離フィルム150の上に回路基板が形成されるが、感熱剥離フィルム150の基台60への密着により、回路形成時における回路基板のズレ等が防止される。なお、感熱剥離フィルム150は、加熱により粘着性が低下するため、感熱剥離フィルム150の上に回路基板が形成された後に、感熱剥離フィルム150が加熱されることで、感熱剥離フィルム150の上に形成された回路基板とともに感熱剥離フィルム150を、基台60から容易に剥離することができる。
【0025】
基台60の上に、感熱剥離フィルム150が敷かれると、ステージ52が、第2造形ユニット23の下方に移動される。そして、第2造形ユニット23において、図4に示すように、感熱剥離フィルム150の上に樹脂積層体152が形成される。樹脂積層体152は、キャビティ154を有しており、インクジェットヘッド88からの紫外線硬化樹脂の吐出と、吐出された紫外線硬化樹脂への照射装置92による紫外線の照射とが繰り返されることにより形成される。
【0026】
詳しくは、第2造形ユニット23の第2印刷部84において、インクジェットヘッド88が、感熱剥離フィルム150の上面に紫外線硬化樹脂を薄膜状に吐出する。続いて、紫外線硬化樹脂が薄膜状に吐出されると、硬化部86において、紫外線硬化樹脂の膜厚が均一となるように、紫外線硬化樹脂が平坦化装置90によって平坦化される。そして、照射装置92が、その薄膜状の紫外線硬化樹脂に紫外線を照射する。これにより、感熱剥離フィルム150の上に薄膜状の樹脂層155が形成される。
【0027】
続いて、インクジェットヘッド88が、その薄膜状の樹脂層155の上に紫外線硬化樹脂を薄膜状に吐出する。そして、平坦化装置90によって薄膜状の紫外線硬化樹脂が平坦化され、照射装置92が、その薄膜状に吐出された紫外線硬化樹脂に紫外線を照射することで、薄膜状の樹脂層155の上に薄膜状の樹脂層155が積層される。このように、薄膜状の樹脂層155の上への紫外線硬化樹脂の吐出と、紫外線の照射とが繰り返され、複数の樹脂層155が積層されることで、第1の積層体156が形成される。
【0028】
次に、インクジェットヘッド88は、第1の積層体156の上面の所定の部分が露出するように、紫外線硬化樹脂を吐出する。続いて、紫外線硬化樹脂が薄膜状に吐出されると、硬化部86において、紫外線硬化樹脂の膜厚が均一となるように、紫外線硬化樹脂が平坦化される。そして、照射装置92が、その薄膜状の紫外線硬化樹脂に紫外線を照射する。これにより、第1の積層体156の上に樹脂の薄膜層157が形成される。
【0029】
続いて、インクジェットヘッド88が、その薄膜層157の上の部分にのみ紫外線硬化樹脂を薄膜状に吐出する。つまり、インクジェットヘッド88は、第1の積層体156の上面の所定の部分が露出するように、薄膜層157の上に紫外線硬化樹脂を薄膜状に吐出する。そして、平坦化装置90によって薄膜状の紫外線硬化樹脂が平坦化され、照射装置92が、その薄膜状に吐出された紫外線硬化樹脂に紫外線を照射することで、薄膜層157の上に薄膜層157が積層される。このように、薄膜層157の上への紫外線硬化樹脂の吐出と、紫外線の照射とが繰り返され、複数の薄膜層157が積層されることで、第2の積層体158が形成される。これにより、第1の積層体156の上に第2の積層体158が形成されることで、第1の積層体156と第2の積層体158との段差部がキャビティ154として機能する樹脂積層体152が形成される。
【0030】
上述した手順により樹脂積層体152が形成されると、ステージ52が第1造形ユニット22の下方に移動される。そして、第1造形ユニット22の第1印刷部72において、インクジェットヘッド76が、図5に示すように、樹脂積層体152のキャビティ154、つまり、第1の積層体156の上面に金属インク160を、回路パターンに応じて線状に吐出する。続いて、回路パターンに応じて吐出された金属インク160に、第1造形ユニット22の焼成部74において、赤外線照射装置78が赤外線を照射する。これにより、金属インク160が焼成し、キャビティ154に配線162が形成される。なお、図5では、3本の配線162が形成されるが、それら3本の配線162を区別する場合に、図5での左側の配線を配線162aと記載し、中央の配線を配線162bと記載し、右側の配線を配線162cと記載する。
【0031】
続いて、樹脂積層体152のキャビティ154に配線162が形成されると、ステージ52が第3造形ユニット24の下方に移動される。そして、第3造形ユニット24の第3印刷部100において、ディスペンサ106が、図6に示すように、配線162bの両端部の上と、その配線162bの両端部と対向する配線162a及び配線162cの端部の上に導電性樹脂ペースト166を吐出する。このように、導電性樹脂ペースト166が配線162の端部に吐出されると、基台60に内蔵されているヒータ66により樹脂積層体152が導電性樹脂ペーストの加熱条件に従って加熱される。これにより、樹脂積層体152を介して導電性樹脂ペースト166が加熱されて、硬化する。なお、導電性樹脂ペーストの加熱条件は、導電性樹脂ペーストを完全に硬化させるための加熱条件であり、導電性樹脂ペーストの製造元のメーカにより設定されている。また、導電性樹脂ペーストの加熱条件は、導電性樹脂ペーストのユーザにより実験的に実施された導電性樹脂ペーストの加熱結果に応じて設定されている。このように、導電性樹脂ペースト166が導電性樹脂ペーストの加熱条件に従って加熱されて、完全に硬化することで、導電性を発揮する。
【0032】
そして、配線162の端部に吐出された導電性樹脂ペースト166が加熱により完全に硬化すると、ステージ52が装着ユニット27の下方に移動される。装着ユニット27では、テープフィーダ134により電子部品(図7参照)172が供給され、その電子部品172が装着ヘッド136の吸着ノズルによって、保持される。なお、電子部品172は、部品本体176と、部品本体176の下面に配設された2個の電極178とにより構成されている。そして、装着ヘッド136が、移動装置138によって移動され、吸着ノズルにより保持された電子部品172が、図7に示すように、樹脂積層体152の上面に装着される。なお、図7では、2個の電子部品172が樹脂積層体152の上面に装着されており、それら2個の電子部品172のサイズは異なっている。このため、大きなサイズの電子部品を電子部品172aと記載し、小さなサイズの電子部品を電子部品172bと記載する。そして、電子部品172aが2本の配線162a,bと電気的に接続され、電子部品172bが2本の配線162b,cと電気的に接続されるように、それら2個の電子部品172a,bが樹脂積層体152の上面に装着される。
【0033】
具体的には、電子部品172aは、電極178が配線162a,bの上で硬化した状態の導電性樹脂ペースト166に接触するように、装着される。また、電子部品172bは、電極178が配線162b,cの上で硬化した状態の導電性樹脂ペースト166に接触するように、装着される。これにより、電子部品172と配線162とが硬化した状態の導電性樹脂ペースト166を介して電気的に接続される。
【0034】
ただし、硬化した状態の導電性樹脂ペースト166は部品との付着性がなく、ヤング率も低いため、導電性樹脂ペースト166に接触するように装着された電子部品172が導電性樹脂ペースト166から離脱する虞がある。詳しくは、ヤング率は、弾性範囲における歪量と応力との比例定数であり、歪量に対する応力の比率である。このため、ヤング率が高い物体とヤング率の低い物体とを同じ応力で変形させた場合に、ヤング率の低い物体がヤング率の高い物体よりも大きく変形する。つまり、ヤング率が低い物体は変形し易い。このため、硬化した状態の導電性樹脂ペースト166に電極178が接触した際に、導電性樹脂ペースト166が変形し、変形した導電性樹脂ペースト166の弾性力により電子部品172が導電性樹脂ペースト166から離脱する虞がある。このように、電子部品172が導電性樹脂ペースト166から離脱すると、電子部品172と配線162との電気的な接続を担保することができない。
【0035】
このため、配線162の上に導電性樹脂ペーストが吐出された後に、導電性樹脂ペーストを加熱することなく、未硬化の状態の導電性樹脂ペーストに電極が接触するように、電子部品を装着することが考えられる。しかしながら、未硬化の状態の導電性樹脂ペーストに電極が接触するように電子部品が装着されると、電極により未硬化の状態の導電性樹脂ペーストが潰されて、導電性樹脂ペーストの膜厚が薄くなる。導電性樹脂ペーストは加熱してもはんだのように液化して最適な形状に変形せずに潰れて薄くなった状態で接合されてしまうため、電極と配線との接合部に大きな応力が生じる虞がある。詳しくは、電子部品が装着される樹脂積層体152は、上述したように、紫外線硬化樹脂により形成される。紫外線硬化樹脂により形成された樹脂積層体152の熱膨張率は、一般的な回路基板と比較すると、高いため、電極と配線との接合部に大きな応力が生じる。そこで、電極と配線との間に挟まれる導電性樹脂ペーストとして、上述したように、ヤング率の低い導電性樹脂ペーストが採用されている。そして、電極と配線との間に挟まれる導電性樹脂ペーストの膜厚を所定の厚さとすることで、樹脂積層体152が変形した際に、導電性樹脂ペーストが変形することで、電極と配線との接合部に生じた応力が緩和される。しかしながら、電子部品の装着時に、電極により未硬化の状態の導電性樹脂ペーストが潰されて、導電性樹脂ペーストの膜厚が薄くなると、導電性樹脂ペーストの変形量が少なくなり、電極と配線との接合部に生じた応力を適切に緩和することができない。このため、未硬化の状態の導電性樹脂ペーストに電極が接触するように電子部品が装着されると、電極と配線との接合部に大きな応力が生じる虞がある。
【0036】
そこで、配線の上に吐出された導電性樹脂ペーストが硬化した後に、電子部品の部品本体の装着予定位置に熱硬化性樹脂が吐出され、その熱硬化性樹脂が半硬化される。そして、硬化した状態の導電性樹脂ペーストに電極が接触するとともに、半硬化した状態の熱硬化性樹脂に部品本体が接触するように、電子部品が樹脂積層体の上に装着された後に、半硬化の状態の熱硬化性樹脂が完全に硬化される。
【0037】
詳しくは、図6に示すように、配線162の上に導電性樹脂ペースト166が吐出された後に、導電性樹脂ペーストが上記導電性樹脂ペーストの加熱条件に従って加熱される。これにより、導電性樹脂ペーストが完全に硬化する。そして、ステージ52は第4造形ユニット25の下方に移動し、第4造形ユニット25の第4印刷部110において、ディスペンサ116が、図8に示すように、配線162aと配線162bとの間の第1の積層体156の上面及び、配線162bと配線162cとの間の第1の積層体156の上面に熱硬化性樹脂180を吐出する。なお、熱硬化性樹脂180の粘度は低いため、具体的には、例えば、0.5~30Pa・sであるため、微小量塗布が可能であり、細かい隙間等であっても好適に充填することができる。
【0038】
そして、熱硬化性樹脂180が第1の積層体156の上面に吐出されると、基台60に内蔵されているヒータ66により樹脂積層体152が所定の加熱条件で加熱される。これにより、樹脂積層体152を介して熱硬化性樹脂180が加熱されて、硬化する。なお、ここでの加熱条件は、熱硬化性樹脂を完全に硬化させるための加熱条件より、加熱温度が低く、加熱時間が短くされている。このため、樹脂積層体152が所定の加熱条件で加熱されても、熱硬化性樹脂は完全に硬化せず、未硬化の状態、つまり、半硬化した状態となる。そこで、ここでの加熱条件を熱硬化性樹脂の半硬化加熱条件と記載し、熱硬化性樹脂を完全に硬化させるための加熱条件を完全硬化加熱条件と記載する。なお、熱硬化性樹脂の半硬化加熱条件は、熱硬化性樹脂の完全硬化加熱条件より加熱温度が低く、完全硬化加熱条件の加熱時間と同じでもよい。また、熱硬化性樹脂の半硬化加熱条件は、熱硬化性樹脂の完全硬化加熱条件より加熱時間が短く、完全硬化加熱条件の加熱温度と同じでもよい。
【0039】
このように、熱硬化性樹脂180が半硬化加熱条件で加熱されて半硬化すると、ステージ52が装着ユニット27の下方に移動される。そして、装着ユニット27において、電子部品172が、図9に示すように、樹脂積層体152の上面に装着される。具体的には、電子部品172aが、電極178が配線162a,bの上で硬化した状態の導電性樹脂ペースト166に接触するように、装着される。この際、電子部品172aの部品本体176は、配線162a,bの間に吐出されて半硬化の状態の熱硬化性樹脂180に接触する。また、電子部品172bは、電極178が配線162b,cの上で硬化した状態の導電性樹脂ペースト166に接触するように、装着される。この際、電子部品172bの部品本体176は、配線162b,c間に吐出されて半硬化の状態の熱硬化性樹脂180に接触する。つまり、導電性樹脂ペースト166は配線162への電極178の装着予定位置に吐出されており、熱硬化性樹脂180は部品本体176の装着予定位置に吐出されている。このため、電子部品172が樹脂積層体152に装着されることで、電極178が配線162の上で硬化した状態の導電性樹脂ペースト166に接触し、部品本体176が半硬化の状態の熱硬化性樹脂180に接触する。
【0040】
このように、2個の電子部品172a,bが装着されることで、電子部品172aが2本の配線162a,bと電気的に接続され、電子部品172bが2本の配線162b,cと電気的に接続される。この際、電極178が、硬化した状態の導電性樹脂ペースト166に接触するように、電子部品172は装着されるため、導電性樹脂ペースト166は電極178により潰されることなく、導電性樹脂ペーストの適切な膜厚を確保することができる。ただし、電極178は硬化した状態の導電性樹脂ペースト166に接触するため、電極178と導電性樹脂ペースト166との接触面積は小さい。一方で、電子部品172の部品本体176は半硬化の状態の熱硬化性樹脂180に接触するため、部品本体176と熱硬化性樹脂180との接触面積はある程度大きくなる。このため、熱硬化性樹脂180の接着力により、電子部品172は部品本体176において樹脂積層体152の上面に固定される。これにより、電子部品172の位置ズレを適切に防止することができる。
【0041】
このように、電極178が配線162の上で硬化した状態の導電性樹脂ペースト166に接触し、部品本体176が半硬化の状態の熱硬化性樹脂180に接触するように電子部品172が樹脂積層体152に装着されると、ステージ52は圧縮ユニット26の下方に移動される。そして、圧縮ユニット26の圧縮部120において、図10に示すように、樹脂積層体152に装着された電子部品172が上方から下方に向って圧縮プレート122によりゴムシート124を介して圧縮される。この際、電子部品172が下方に向って圧縮されることで、部品本体176の下面に接触している熱硬化性樹脂180も下方に向って圧縮されるが、熱硬化性樹脂180は半硬化しているため、熱硬化性樹脂180の電極への染み出し,ボイドの発生などが抑制される。
【0042】
また、2個の電子部品172a,bは樹脂積層体152のキャビティ154に装着されているが、キャビティ154の深さ寸法は、それら2個の電子部品172の高さ寸法より小さい。このため、それら2個の電子部品172a,bの上面はキャビティ154より上方に延び出しており、それら2個の電子部品172を圧縮プレート122により上方から下方に向って圧縮することができる。また、それら2個の電子部品172のサイズは、上述したように、異なっているため、高さ寸法も異なるが、圧縮プレート122の下面には、ゴムシート124が貼着されている。これにより、2個の電子部品172a,bが圧縮された際に、ゴムシート124が弾性変形することで、高さ寸法の異なる2個の電子部品172a,bを適切に圧縮することができる。
【0043】
また、圧縮ユニット26において電子部品172が圧縮されている際に、基台60に内蔵されているヒータ66により樹脂積層体152が熱硬化性樹脂の完全硬化加熱条件で加熱される。これにより、樹脂積層体152を介して熱硬化性樹脂180が完全硬化加熱条件で加熱されることで、完全に硬化する。つまり、熱硬化性樹脂180が、樹脂積層体152の上面と部品本体176の下面との間に封入された状態で完全に硬化する。また、電子部品172が圧縮されることで、つまり、樹脂積層体152に装着されている電子部品172が樹脂積層体152に向って押し付けられることで、電極178と接触している導電性樹脂ペースト166が変形し、電極178と導電性樹脂ペースト166との接触面積が増大する。特に、導電性樹脂ペースト166のヤング率は、上述したように低いため、ヤング率の低い導電性樹脂ペースト166が電極178により押さえ付けられることで変形し、電極178と導電性樹脂ペースト166との接触面積が増大する。これにより、電子部品172と配線162との電気的な接続が担保される。また、樹脂積層体152に装着されている電子部品172が樹脂積層体152に向って押し付けられることで、部品本体176と接触している熱硬化性樹脂180も変形し、部品本体176と熱硬化性樹脂180との接触面積も増大する。このように、部品本体176と熱硬化性樹脂180との接触面積も増大することで、熱硬化性樹脂180の接着力により、電子部品172を好適に樹脂積層体152に固定することができる。
【0044】
そして、圧縮ユニット26での圧縮プレート122による圧縮が完了すると、ステージ52は第4造形ユニット25の下方に移動される。そして、第4造形ユニット25の第4印刷部110において、ディスペンサ116が、図11に示すように、電子部品172の部品本体176の側面を覆うように電子部品172の周囲に熱硬化性樹脂190を吐出する。そして、基台60に内蔵されているヒータ66により樹脂積層体152が熱硬化性樹脂の完全硬化加熱条件で加熱される。これにより、樹脂積層体152を介して熱硬化性樹脂190が完全硬化加熱条件で加熱されて、完全に硬化する。これにより、熱硬化性樹脂190が部品本体176の側面を覆った状態で硬化する。つまり、樹脂積層体152に装着された電子部品172において、熱硬化性樹脂180,190が、樹脂積層体152の上面と部品本体176の下面との間に封入されるとともに、部品本体176の側面を覆った状態で硬化する。これにより、樹脂積層体152の上面に装着された電子部品172が硬化した樹脂により固定される。
【0045】
このように、樹脂積層体152の上面に装着された電子部品172が硬化した樹脂により固定されることで、回路基板200が基台60の上面において感熱剥離フィルム150の上に形成される。そして、形成された回路基板200から感熱剥離フィルム150を剥離するために、基台60に内蔵されているヒータ66により、感熱剥離フィルム150が加熱されるが、この際に、回路基板200も加熱されて、回路基板200に反りが生じる虞がある。このため、感熱剥離フィルム150の加熱時において、回路基板200を圧縮しながら、感熱剥離フィルム150が加熱される。
【0046】
そこで、熱硬化性樹脂190の硬化により、樹脂積層体152の上面に装着された電子部品172が固定されると、ステージ52は圧縮ユニット26の下方に移動される。そして、圧縮ユニット26の圧縮部120において、図12に示すように、回路基板200の全体が下方に向って圧縮プレート122によりゴムシート124を介して圧縮される。この際、圧縮プレート122による圧縮時において、基台60に内蔵されているヒータ66により感熱剥離フィルム150が加熱される。これにより、感熱剥離フィルム150の粘着性が低下し、回路基板200を感熱剥離フィルム150とともに、基台60から容易に剥がすことができる。そして、回路基板200から感熱剥離フィルム150を剥離することで、回路基板200の形成が完了する。
【0047】
このような手法により回路基板200が形成されることで、電子部品172の電極178と配線162との間において導電性樹脂ペースト166の適切な膜厚を確保するとともに、半硬化した状態の熱硬化性樹脂180により電子部品の位置ズレを適切に防止することができる。これにより、電極178と配線162との接合部に生じた応力を適切に緩和するとともに、電子部品172と配線162との電気的な接続を適切に担保することが可能な回路を形成することができる。
【0048】
なお、制御装置28のコントローラ140は、図2に示すように、樹脂層形成部210と配線形成部212と第1塗布部214と第1硬化部216と第2塗布部218と第2硬化部220と装着部222と第3硬化部224と第3塗布部226と第4硬化部228とを有している。樹脂層形成部210は、紫外線硬化樹脂により樹脂積層体152を形成するための機能部である。配線形成部212は、金属インク160により配線162を形成するための機能部である。第1塗布部214は、配線上の電極178の装着予定位置に導電性樹脂ペースト166を塗布するための機能部である。第1硬化部216は、配線上に塗布された導電性樹脂ペースト166を完全に硬化させるための機能部である。第2塗布部218は、部品本体176の装着予定位置に熱硬化性樹脂180を塗布するための機能部である。第2硬化部220は、部品本体の装着予定位置に塗布された熱硬化性樹脂180を半硬化させるための機能部である。装着部222は、硬化した導電性樹脂ペースト166に電極178が接触するとともに、半硬化の熱硬化性樹脂180に部品本体176が接触するように、電子部品172を装着するための機能部である。第3硬化部224は、電子部品を圧縮しながら、部品本体に接触している熱硬化性樹脂180を完全に硬化させるための機能部である。第3塗布部226は、部品本体176の周囲に熱硬化性樹脂190を塗布するための機能部である。第4硬化部228は、部品本体の周囲に塗布された熱硬化性樹脂190を完全に硬化させるための機能部である。
【0049】
なお、上記実施例において、回路形成装置10は、電気回路形成装置の一例である。第1造形ユニット22は、配線形成装置の一例である。装着ユニット27は、装着装置の一例である。ヒータ66は、第1硬化装置及び第2硬化装置の一例である。ディスペンサ106は、第1塗布装置の一例である。ディスペンサ116は、第2塗布装置の一例である。ゴムシート124は、弾性体の一例である。樹脂積層体152は、樹脂層の一例である。配線162は、金属配線の一例である。導電性樹脂ペースト166は、導電性流体の一例である。電子部品172は、電子部品の一例である。部品本体176は、部品本体の一例である。電極178は、電極の一例である。熱硬化性樹脂180は、硬化性樹脂の一例である。また、配線形成部212により実行される工程は、配線形成工程の一例である。第1塗布部214により実行される工程は、第1塗布工程の一例である。第1硬化部216により実行される工程は、第1硬化工程の一例である。第2塗布部218により実行される工程は、第2塗布工程の一例である。第2硬化部220により実行される工程は、第2硬化工程の一例である。装着部222により実行される工程は、装着工程の一例である。第3硬化部224により実行される工程は、第3硬化工程の一例である。第3塗布部226により実行される工程は、第3塗布工程の一例である。第4硬化部228により実行される工程は、第4硬化工程の一例である。
【0050】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。例えば、上記実施例では、ゴムシート124を介して圧縮プレート122により回路基板が圧縮されているが、弾性変形可能な部材であれば、種々の部材を介して圧縮プレート122により回路基板を圧縮してもよい。例えば、弾性変形可能部材として、シリコン系樹脂,ウレタン系樹脂等を採用することが可能である。
【0051】
また、上記実施例では、配線162と電子部品172の電極178とを電気的に接続する流体として導電性樹脂ペースト166が採用されているが、導電性を発揮するものであれば、種々の流体を採用することが可能である。
【0052】
また、上記実施形態では、電子部品172を固定するための硬化性樹脂として、熱硬化性樹脂が採用されているが、紫外線硬化樹脂,2液混合型硬化性樹脂,熱可塑性樹脂などが採用されてもよい。また、上記実施例では、樹脂積層体152を形成する樹脂として紫外線硬化樹脂が採用され、電子部品172を固定する樹脂として熱硬化性樹脂が採用されている。つまり、樹脂積層体152を形成する樹脂と、電子部品172を固定する樹脂とが異なる硬化性樹脂とされているが、樹脂積層体152を形成する樹脂と、電子部品172を固定する樹脂とが同じ硬化性樹脂とされてもよい。
【0053】
また、上記実施例では、導電性樹脂ペーストは、ディスペンサ106により吐出されているが、転写装置等により転写されてもよい。また、スクリーン印刷により、導電性樹脂ペーストが印刷されてもよい。
【符号の説明】
【0054】
10:回路形成装置(電気回路形成装置) 22:第1造形ユニット(配線形成装置) 27:装着ユニット(装着装置) 66:ヒータ(第1硬化装置)(第2硬化装置) 106:ディスペンサ(第1塗布装置) 116:ディスペンサ(第2塗布装置) 124:ゴムシート(弾性体) 152:樹脂積層体(樹脂層) 162:配線(金属配線) 166:導電性樹脂ペースト(導電性流体) 172:電子部品 176:部品本体 178:電極 180:熱硬化性樹脂(硬化性樹脂) 212:配線形成部(配線形成工程) 214:第1塗布部(第1塗布工程) 216:第1硬化部(第1硬化工程) 218:第2塗布部(第2塗布工程) 220:第2硬化部(第2硬化工程) 222:装着部(装着工程) 224:第3硬化部(第3硬化工程) 226:第3塗布部(第3塗布工程) 228:第4硬化部(第4硬化工程)
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12