(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-02-04
(45)【発行日】2026-02-13
(54)【発明の名称】ドアグラスラン取付構造
(51)【国際特許分類】
B60J 10/76 20160101AFI20260205BHJP
B60J 10/88 20160101ALI20260205BHJP
B60J 10/27 20160101ALI20260205BHJP
B60J 5/04 20060101ALI20260205BHJP
【FI】
B60J10/76
B60J10/88
B60J10/27
B60J5/04 M
(21)【出願番号】P 2022042251
(22)【出願日】2022-03-17
【審査請求日】2025-01-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(72)【発明者】
【氏名】太田 裕一
【審査官】岩見 勤
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-274709(JP,A)
【文献】特開平11-301280(JP,A)
【文献】特開2007-131249(JP,A)
【文献】米国特許第05317835(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 10/76
B60J 10/88
B60J 10/27
B60J 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアグラスラン取付構造であって、
車両用のサッシュドアと、
前記サッシュドアに設けられた嵌め置きガラスと、
前記嵌め置きガラスに隣接して設けられた、昇降により開閉可能な昇降ガラスと、
前記嵌め置きガラス及び閉じられた前記昇降ガラスの周囲を保持する、前記サッシュドアに設けられたドアサッシュと、
前記嵌め置きガラスと前記昇降ガラスとの間に設けられた分割サッシュと、
前記分割サッシュから前記ドアサッシュへと連続して取り付けられるグラスランと、
前記分割サッシュの端部を前記ドアサッシュに固定するブラケットと、
前記グラスランから前記ドアサッシュに向けて突設された係合突起と、
前記ブラケットに形成された、前記係合突起と係合する係合部と、を備え
、
前記ドアサッシュが前記ブラケットとの間に補強板を有しており、
前記ブラケットには前記ドアサッシュに向けて突出された係合片が形成されており、
前記補強板には前記係合片と係合する係合孔が形成されているドアグラスラン取付構造。
【請求項2】
前記グラスランが、前記分割サッシュと前記ドアサッシュとの間の屈曲する接続部に合わせた第一屈曲部を有しており、
前記係合突起が、前記第一屈曲部の近傍に形成されており、
前記ブラケットが、前記接続部に合わせた第二屈曲部を有しており、
前記係合部が前記ブラケットを貫通する係合貫通孔又は係合切欠部として前記第二屈曲部の近傍に形成されており、
前記ドアサッシュの内面と前記ブラケットの前記係合部が形成されている部分とが離間されている、請求項1に記載のドアグラスラン取付構造。
【請求項3】
前記ブラケットが前記補強板にネジによって締結されることで前記ドアサッシュに固定されており、
前記ブラケットには、前記係合部と前記第二屈曲部との間に前記ネジが螺合されるネジ孔が形成され
、前記係合片は、前記係合部に対して前記ネジ孔とは反対側
に形成されている、請求項2に記載のドアグラスラン取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のサッシュドアへのグラスランの取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1は、車両のサッシュドアを開示している。特許文献1に開示されたサッシュドアはフロントドアであり、フロントドアの前方には嵌め置きの三角窓が設けられている。三角窓のガラスの後縁は分割サッシュに保持されており、分割サッシュよりも後方のドアガラスは昇降可能で開閉される。このドアガラスの昇降をガイドすると共に閉じられたドアガラスの周縁を保持するために、分割サッシュの後縁からドアサッシュ下縁にかけて、屈曲したグラスランが取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
グラスランは、ドアガラスの昇降時にドアガラスとの摺動抵抗によって引きずられるので位置ズレを生じやすい。閉じられたドアガラスの気密性、液密性及び遮音性を向上させようとすると、摺動抵抗は大きくなる傾向がある。このため、グラスランは、位置ズレを起こさないようにサッシュに取り付けられる必要がある。特許文献1に開示されたグラスランの取付構造では、グラスランのドアサッシュ下縁に沿う部分に突起を設け、この突起をドアサッシュに形成された係合孔に係合させている。ドアサッシュに係合孔を形成させるので、係合孔を通って雨水や洗車水などの水が車室内に浸入するおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、水の浸入を防止しつつ、かつ、グラスランを確実にサッシュに取り付けることのできるドアグラスラン取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、嵌め置きガラスに隣接して設けられた昇降ガラスを有するサッシュドアにおける、昇降ガラスのためのグラスランの取付構造である。グラスランは、嵌め置きガラスと昇降ガラスとの間に設けられた分割サッシュからドアサッシュへと連続して取り付けられる。分割サッシュの端部はブラケットによってドアサッシュに固定される。グラスランからは、ドアサッシュに向けて係合突起が突設される。係合突起と係合する係合部が、ドアサッシュではなくブラケットに形成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るドアグラスラン取付構造によれば、水の浸入を防止しつつ、かつ、グラスランを確実にサッシュに取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第一実施形態に係るドアグラスラン取付構造を備えた車両ドアの部分側面図である。
【
図2】上記取付構造を上方から見た拡大斜視図である。
【
図3】上記取付構造におけるドアサッシュと分割サッシュとの接続部をやや下方から見た拡大斜視図である(グラスランなし)。
【
図4】上記取付構造を上方から見た拡大斜視図である(ドアサッシュなし)。
【
図7】第二実施形態に係るドアグラスラン取付構造を上方から見た拡大斜視図である(ドアサッシュなし)。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照しつつ、実施形態に係るドアグラスラン取付構造について説明する。
【0010】
図1~
図6に第一実施形態に係るドアグラスラン取付構造を示す。
図1には、車両用のフロントドア1の一部を車外から見た拡大側面図が示されている。フロントドア1はサッシュドアである。なお、
図1にはドアミラーは示されていない。このフロントドア1の前部には、嵌め置きガラス2が設けられている。また、嵌め置きガラス2に隣接して、嵌め置きガラス2の後方には、昇降により開閉可能な昇降ガラス3が設けられている。ただし、
図1では昇降ガラス3の位置のみが示されている。フロントドア1は、嵌め置きガラス2と閉じられた昇降ガラス3の周囲を保持するドアサッシュ4を有している。
【0011】
なお、追って詳しく説明するが、ドアサッシュ4は、主としてアウタパネル4a及びインナパネル4bとで構成されており(
図6参照)、
図1ではアウタパネル4aが見えている。嵌め置きガラス2と昇降ガラス3との間には、分割サッシュ5が設けられている。ドアサッシュ4と分割サッシュ5との接続部6は、屈曲した形態となる。分割サッシュ5から接続部6を経てドアサッシュ4へと、グラスラン7が連続して取り付けられる。グラスラン7は、昇降ガラス3の昇降をガイドすると共に、閉じられた昇降ガラス3の周縁を保持する。閉じられた昇降ガラス3とグラスラン7との間は気密性及び液密性が確保される。グラスラン7は、車外騒音を防音する機能も有している。
【0012】
グラスラン7は、分割サッシュ5とドアサッシュ4との間の接続部6の屈曲形状に合わせた第一屈曲部7aを有している。なお、グラスラン7は昇降ガラス3の昇降をガイドするため、第一屈曲部7aより下方のほぼ垂直に延在する垂直部はフロントドア1の内部にまで延設される。グラスラン7は、
図1に示されるように、分割サッシュ5の後縁からドアサッシュ4の下縁にかけて取り付けられる。
【0013】
上述したように、グラスラン7によって気密性及び液密性が確保されるので、グラスラン7の取付位置がズレると気密性及び液密性が不十分となるおそれがある。また、昇降ガラス3の昇降時に昇降ガラス3との摺動抵抗によってグラスラン7は引きずられるので位置ズレを生じやすい。特に、昇降ガラス3を上昇させる際にグラスラン7が上方に引きずられやすく、屈曲する接続部6と第一屈曲部7aとがズレると気密性及び液密性が不十分となるおそれがある。本実施形態の取付構造は、このような位置ズレを防止するものである。
【0014】
図2~
図6を参照しつつ、上述した位置ズレを防止する取付構造について詳しく説明する。この取付構造は、上述した接続部6の部分に特徴がある。なお、
図2及び
図3にはドアサッシュ4のアウタパネル4a(
図6参照)は示されておらず、インナパネル4bのみが示されている。また、
図2ではインナパネル4bは二点鎖線で示されている。
図4ではドアサッシュ4は示されておらず、
図5ではグラスラン7のみが示されている。
【0015】
分割サッシュ5の上端には、ドアサッシュ4への取り付けのためのブラケット8が固定されている。ブラケット8も接続部6の屈曲形状に合わせた第二屈曲部8aを有している。ブラケット8の基端部は分割サッシュ5にスポット溶接されており、ブラケット8の上部がドアサッシュ4にネジ9によって締結される。インナパネル4bには、ネジ9へのアクセスホール4d及び嵌め置きガラス2のウェザーストリップ取付用の取付孔4eが形成されている。
【0016】
本実施形態のドアサッシュ4は、インナパネル4bの裏面にスポット溶接で固定された補強板4cを有している。ブラケット8は、この補強板4cにネジ9によって締結される。補強板4cにはネジ9が挿通される挿通孔が形成されており、この挿通孔に挿通されたネジ9がブラケット8のネジ孔8bに螺合される。補強板4cの挿通孔及びネジ孔8bの周囲は、ネジ9の頭部を収容するように凹まされており、ネジ9の頭部上面とインナパネル4bの上面とはほぼ平坦となる。補強板4cには、インナパネル4bの取付孔4fに合わせて、嵌め置きガラス2のウェザーストリップ取付用の取付孔4fが形成されている。これらの取付孔4e及び4fにはウェザーストリップに形成された位置決め用の突起が挿入されることで液密性が確保されている。
【0017】
また、ブラケット8には、後述するグラスラン7の係合突起7bと係合する係合部8cとしての係合貫通孔80が形成されている。係合貫通孔80は、第二屈曲部8aよりも上方の先端部の中ほどに形成されている。また、ブラケット8の先端部の最先端部には、ドアサッシュ4に向けて突出された係合片8dが形成されている。さらに、ブラケット8には、ネジ9が螺合される上述したネジ孔8bが第二屈曲部8aの近傍に形成されている。即ち、係合部8c(係合貫通孔80)と第二屈曲部8aとの間にネジ9が螺合されるネジ孔8bが形成されると共に、係合部8c(係合貫通孔80)に対してネジ孔8bとは反対側に係合片8dが形成されている。
【0018】
ドアサッシュ4の上述した補強板4cの先端部には、ブラケット8の係合片8dと係合する係合孔4gが形成されている。この係合孔4gは、インナパネル4bによって覆われており、外部からは視認できない。上述したように、分割サッシュ5は、ブラケット8を介して、補強板4cにネジ9によって締結される。締結時には、回転されるネジ9との摺動抵抗によって、ブラケット8を回転させる回転力が生じる。ブラケット8を正規の位置に締結するために、係合片8d及び係合孔4gが形成されている。
【0019】
ネジ9によるブラケット8の締結時には、ブラケット8を
図2中の時計方向に回転させる回転力が生じる。このとき、
図2に示されるように、係合片8dは係合孔4gの内周縁と当接するので、ブラケット8はドアサッシュ4に対して正規の固定位置に保持される。また、ネジ孔8bに対して係合片8dは最も遠くなる位置に設けられており、係合片8dと係合孔4gとの当接は、ブラケット8を回転させようとするネジ孔8b回りのトルクに対して有効に対抗できる。
【0020】
グラスラン7は、気密性及び液密性を確保するためにドアサッシュ4に固定された分割サッシュ5からドアサッシュ4にかけて連続的に取り付けられるゴム製の部材である。分割サッシュ5及びドアサッシュ4に対するグラスラン7の取付位置がズレないように、グラスラン7の第一屈曲部7aの近傍からは、ブラケット8の上述した係合貫通孔80(係合部8c)と係合する係合突起7bがドアサッシュ4に向けて突出されている。係合突起7bと係合貫通孔80(係合部8c)との係合は、昇降ガラス3の昇降時のグラスランの位置ズレも防止する。
【0021】
係合突起7bと係合貫通孔80(係合部8c)との係合を確実なものとするため、ドアサッシュ4(インナパネル4b)の内面とブラケット8の係合貫通孔80が形成されている部分とは離間されており、隙間10が形成されている(
図3及び
図6参照)。インナパネル4bの内面とブラケット8とが離間されて隙間10が形成されることで、係合突起7bはその最先端部ではなく、より基端に近い位置で係合貫通孔80の内周縁と当接する。この結果、係合突起7bが係合貫通孔80からより外れにくくなり、分割サッシュ5及びドアサッシュ4に対するグラスラン7の位置ズレが確実に防止される。
【0022】
また、この係合突起7b及び係合貫通孔80の係合構造は、ドアサッシュ4と分割サッシュ5との接続部6の近傍に設けられる。即ち、係合突起7bはグラスラン7の第一屈曲部7aの近傍に設けられ、かつ、係合貫通孔80はブラケット8の第二屈曲部8aの近傍に設けられる。上述したように、グラスラン7は、昇降ガラス3の上昇時に、分割サッシュ5に沿うその垂直部と昇降ガラス3との摺動抵抗によって上方に引きずられる。この引きずり力は第一屈曲部7aに作用するが、第一屈曲部7aの近傍に上述した係合構造を設けることで、分割サッシュ5に沿うグラスラン7の垂直部、及び、ドアサッシュ4に沿うグラスラン7の斜行部の双方の位置ズレを効果的に防止することができる。
【0023】
互いに固定されているドアサッシュ4及び分割サッシュ5にグラスラン7を取り付ける際には、作業者は係合突起7b及び係合貫通孔80を直接目視しつつグラスラン7を取り付けることはできない。しかし、作業者は、上述した接続部6における第一屈曲部7aの屈曲形状と第二屈曲部8aの屈曲形状を合わせてグラスラン7を取り付ければ、係合突起7bを係合貫通孔80により簡単に係合させることができる。
【0024】
図6を参照しつつ、昇降ガラス3が閉じられた状態について簡単に説明する。
図6に示されるように、グラスラン7はドアサッシュ4(アウタパネル4a及びインナパネル4b)に取り付けられる。このとき、ドアサッシュ4(補強板4c)の内面とブラケット8とが離間されて隙間10が形成されているので、係合突起7bは、係合貫通孔80から隙間10内へと突出し、係合貫通孔80としっかりと係合する。そして、係合突起7bと係合する係合部8c(係合貫通孔80)はブラケット8に形成されるため、係合突起7bとの係合相手となる係合孔をドアサッシュ4(インナパネル4b)に設ける必要がない。従って、グラスラン7の位置ズレ防止のための係合構造のためにドアサッシュ4(インナパネル4b)に孔を形成する必要はなく、この係合構造によってドアサッシュ4(インナパネル4b)上面から水が浸入することはない。
【0025】
なお、グラスラン7の車外側の下縁には、U字状の外リップ7cが形成されている。外リップ7cの外側縁はアウタパネル4aに密接しており、気密性及び液密性を確保している。また、外リップ7cの内側縁は閉じられた昇降ガラス3に密接して、気密性及び液密性を確保する。同様に、グラスラン7の車内側の下縁にも、U字状の内リップ7dが形成されている。内リップ7dの内側縁はインナパネル4bに密接しており、気密性及び液密性を確保している。また、内リップ7dの外側縁は閉じられた昇降ガラス3に密接して、気密性及び液密性を確保する。
【0026】
次に、
図7を参照しつつ、第二実施形態に係るドアグラスラン取付構造について説明する。
図7は、第一実施形態の
図4に相当する図である。
図7にはドアサッシュ4は示されていないが、分割サッシュ5のドアサッシュ4への固定、即ち、ドアサッシュ4へのブラケット8の螺合については、第一実施形態と同様である。本実施形態では、ブラケット8の係合部8cの形態のみが、第一実施形態と異なる。第一実施形態の係合部8cは、ブラケット8を貫通する係合貫通孔80として形成されたが、本実施形態の係合部8cは、ブラケット8を貫通する係合切欠部81として形成されている。
【0027】
言い換えれば、本実施形態の係合切欠部81は、第一実施形態の係合貫通孔80を側方に開放させたものと言える。上述したように、グラスラン7の取り付け時には、作業者はグラスラン7の係合突起7b及び係合切欠部81を直接目視して取り付けることができない。グラスラン7の取り付けは、分割サッシュ5に沿ってフロントドア1の内部にまで延びる第一屈曲部7aよりも下方の垂直部を取り付けつつ、ドアサッシュ4に沿う第一屈曲部7aよりも上方の斜行部を取り付ける。このとき、係合突起7bは、
図7中の上方からブラケット8に近づけられて係合切欠部81に係合される。
【0028】
本実施形態の係合切欠部81は、側方が開放されているため、上述した係合突起7bのブラケット8への接近時に係合突起7bが側方に逃げたとしても、係合突起7bは側方から係合切欠部81の内部に入り込むことができ、作業性が向上する。さらに、上述したブラケット8の係合片8dは板状のブラケット8の先端をドアサッシュ4に向けて屈曲させることで形成されている。このため、係合片8dの根元には湾曲部が形成され、この湾曲部と補強板4cの表面とによって、係合突起7bの係合切欠部81への移動が案内されることになり、グラスラン7の取付時の係合突起7bの引っ掛かりが抑止される。これは、第一実施形態でも同様である。
【0029】
なお、本実施形態でも、係合突起7bと係合切欠部81とが係合する部分は、ドアサッシュ4(インナパネル4b)の内面から離間されており、隙間10が形成される(ただし、
図7中に参照符号10は示されていない)。従って、係合突起7bと係合切欠部81とはやはり確実に係合され、分割サッシュ5及びドアサッシュ4に対するグラスラン7の位置ズレが確実に防止される。
【0030】
上記実施形態によれば、昇降ガラス3のためのグラスラン7の取付構造において、グラスラン7が、分割サッシュ5からドアサッシュ4へと連続して取り付けられる。分割サッシュ5の端部はブラケット8によってドアサッシュ4に固定される。グラスラン7からは、ドアサッシュ4に向けて係合突起7bが突設される。係合突起7bと係合する係合部8c(係合貫通孔80又は係合切欠部81)が、ドアサッシュ4ではなくブラケット8に形成される。従って、グラスラン7の位置ズレを防止する係合構造のためにドアサッシュ4に孔を形成する必要はなく、この係合構造によってドアサッシュ4上面から水が浸入することはない。さらに、この係合構造によってグラスラン7の位置ズレを防止でき、グラスラン7を確実にドアサッシュ4及び分割サッシュ5に取り付けることができる。
【0031】
また、上記実施形態によれば、グラスラン7が、分割サッシュ5とドアサッシュ4との間の屈曲する接続部6に合わせた第一屈曲部7aを有し、かつ、ブラケット8が、接続部6に合わせた第二屈曲部8aを有している。そして、係合突起7bが第一屈曲部7aの近傍に形成されると共に、係合貫通孔80又は係合切欠部81が第二屈曲部8aの近傍に形成されている。このため、グラスラン7の位置ズレを防止する係合構造が接続部6(第一屈曲部7a、第二屈曲部8a)の近傍に設けられることになり、より効果的にグラスラン7の位置ズレを防止できる。さらに、上記実施形態によれば、ドアサッシュ4の内面とブラケット8の係合貫通孔80又は係合切欠部81が形成されている部分とが離間されている。このため、係合突起7bと係合貫通孔80又は係合切欠部81とが確実に係合するため、グラスラン7の位置ズレはより効果的に防止される。
【0032】
さらに、上記実施形態によれば、ドアサッシュ4がブラケット8との間に補強板4cを有しており、ブラケット8が補強板4cにネジ9によって締結されることで、ブラケット8がドアサッシュ4に固定されている。ブラケット8には、係合部8cと第二屈曲部8aとの間にネジ9が螺合されるネジ孔8bが形成されると共に、係合部8cに対してネジ孔8bとは反対側にドアサッシュ4に向けて突出された係合片8dが形成されている。補強板4cには、係合片8dと係合する係合孔4gが形成されている。このため、係合片8dと係合孔4gとの係合によって、ネジ9の螺合時のブラケット8の回転による位置ズレを抑止して、ブラケット8を正規の位置に固定することができる。このとき、ネジ孔8bと係合片8dとの間の距離をできるだけ長く確保することで、ネジ9の螺合時のブラケット8を回転させようとするトルクに有効に対抗できる。さらに、この係合構造のためにドアサッシュ4に孔を形成する必要がないため、この係合構造によってドアサッシュ4上面から水が浸入することもない。
【0033】
なお、本発明のドアグラスラン取付構造は上記実施形態に限定されない。上記実施形態の取付構造は前部に嵌め置きガラスが設けられたフロントドアに設けられた。しかし、後部に嵌め置きガラスが設けられたリアドアもあり、本発明の取付構造はこのようなリアドアに適用することもできる。
【符号の説明】
【0034】
1 フロントドア(サッシュドア)
2 嵌め置きガラス
3 昇降ガラス
4 ドアサッシュ
4c 補強板
4g 係合孔
5 分割サッシュ
6 接続部
7 グラスラン
7a 第一屈曲部
7b 係合突起
8 ブラケット
8a 第二屈曲部
8b ネジ孔
8c 係合部
80 係合貫通孔(係合部)
81 係合切欠部(係合部)
8d 係合片
9 ネジ
10 隙間