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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-02-04
(45)【発行日】2026-02-13
(54)【発明の名称】車両駆動用バッテリの取付構造
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20190101AFI20260205BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20260205BHJP
   H01M 50/244 20210101ALI20260205BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
H01M50/249
H01M50/244 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022049833
(22)【出願日】2022-03-25
(65)【公開番号】P2023142763
(43)【公開日】2023-10-05
【審査請求日】2025-01-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 公宣
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 拓也
【審査官】熊谷 健治
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-223959(JP,A)
【文献】特開2020-114701(JP,A)
【文献】特開2013-067255(JP,A)
【文献】特開2022-010129(JP,A)
【文献】国際公開第2009/041079(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/198753(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 1/00-16/00
H01M 50/249
H01M 50/244
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロアパネルの下に配置された車両駆動用のバッテリであって、重心が該バッテリの車両前後方向中心より後方に位置するものと、
前記フロアパネルの下面に設けられ、前記バッテリの左右の側縁部に沿ってそれぞれ延在する一対のフロア骨格メンバと、
前記一対のフロア骨格メンバに前記バッテリを固定する複数のブラケットと、
を備え、
前記一対のフロア骨格メンバの後部は、車両後方に向かうに従って互いの車幅方向の間隔が小さくなるように延在しており、
前記複数のブラケットは、
前記バッテリの車両前後方向中心よりも前方に位置する部分を前記フロア骨格メンバに固定する第1ブラケットと、
前記バッテリの車両前後方向中心よりも後方に位置する部分を前記フロア骨格メンバに固定する第2ブラケットと、
を少なくとも含み、
前記第1ブラケットは、前記バッテリの側縁部から車幅方向外方へ延伸して前記フロア骨格メンバの下面に結合され、
前記第2ブラケットは、前記バッテリの側縁部から上方へ延伸して前記フロア骨格メンバの前記後部における車幅方向外側の縦側面に結合されている、車両駆動用バッテリの取付構造。
【請求項2】
前記一対のフロア骨格メンバは、
前記側縁部の車幅方向外側に該側縁部と車幅方向に並んで配置された前部と、
前記前部の後端から車幅方向内方かつ上方に向けて延伸し、少なくとも一部が前記側縁部の後端部の上側に該後端部と上下方向に並んで配置された前記後部と、
をそれぞれ備え、
前記第1ブラケットが、前記前部に結合され、
前記第2ブラケットが、前記後部のうち前記側縁部の後端部と上下方向に並んで配置された部分に結合されている、請求項1に記載の車両駆動用バッテリの取付構造。
【請求項3】
前記フロア骨格メンバは、車幅方向外側の前記縦側面と車幅方向内側の前記縦側面とをそれぞれ備え、
前記第2ブラケットは、前記車幅方向外側の前記縦側面に結合されている、請求項1または2に記載の車両駆動用バッテリの取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両駆動用バッテリの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)などの電動車両では、フロアパネルの下に車両駆動用バッテリを配置する場合がある。当該バッテリは、典型的には複数のブラケットを介してフロア骨格メンバに固定される。特許文献1に開示された車両では、複数のブラケットをフロアフレームに締結することにより、バッテリユニットをフロアパネルの下方に吊り下げるように取り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6442609号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、フロアパネルの下に配置された車両駆動用のバッテリは、前半部よりも後半部の方が重くなる傾向がある。これは、例えば後席前端部より前方の領域では、足元空間確保等のために車室のフロア面を低くして、バッテリを薄型に形成する一方、後方の領域では、フロア面をより高くし、その分バッテリを厚くして、バッテリ容量の増大が図られるからである。
【0005】
本発明の目的は、前半部よりも後半部の方が重い車両駆動用バッテリに適した取付構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様にかかる取付構造は、フロアパネルの下に配置された車両駆動用のバッテリと、バッテリの左右の側縁部に沿ってそれぞれ延在する一対のフロア骨格メンバと、一対のフロア骨格メンバにバッテリを固定する複数のブラケットと、を備える。複数のブラケットは、バッテリの車両前後方向中心よりも前方に位置する部分をフロア骨格メンバに固定する第1ブラケットと、バッテリの車両前後方向中心よりも後方に位置する部分をフロア骨格メンバに固定する第2ブラケットと、を少なくとも含む。第1ブラケットは、バッテリの側縁部から車幅方向外方へ延伸してフロア骨格メンバの下面に結合されており、第2ブラケットは、バッテリの側縁部から上方へ延伸してフロア骨格メンバの縦側面に結合されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、前半部よりも後半部の方が重い車両駆動用バッテリに適した取付構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る車両駆動用バッテリの取付構造を示す斜視図である。
図2】実施形態に係るバッテリを示す斜視図である。
図3】実施形態に係る車両駆動用バッテリの取付構造を示す側面図である。
図4】実施形態に係る車両駆動用バッテリの取付構造を示す底面図である。
図5図3のV-V線に沿った断面図である。
図6図3のVI-VI線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態にかかる車両駆動用バッテリの取付構造Sについて、図面を参照して説明する。各図中のFR,RRは、車両前後方向前方、後方をそれぞれ示し、LH,RHは、車幅方向左方、右方を、UP,DNは、上方、下方をそれぞれ示す。なお、以下の説明では、車幅方向左側、右側、車両前後方向前方、前側、後方、後側を、それぞれ単に「左側」「右側」「前方」「前側」「後方」「後側」と称する。また、同一の機能を有する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
実施形態にかかる電動車両Vは、例えば、電動モータのみを駆動力源として走行する電気自動車(EV)である。図1図4に示すように、電動車両VのフロアパネルFPの下には、図示しない電動モータに駆動用の電力を供給するバッテリ1が配置されている。バッテリ1は、図3に示すように、車両前後方向におけるダッシュパネルDPの下端位置近傍から後席Sのシートクッションの後端位置近傍にまで延在している。以下、バッテリ1の車両前後方向中心C(以下、単に中心Cと称する)よりも前方に位置する部分をバッテリ前半部1と称し、中心Cよりも後方に位置する部分をバッテリ後半部1と称する。
【0011】
バッテリ1は、図2及び図3に示すように、少なくとも、バッテリケース2と、その内部の収容空間に収容された複数のバッテリモジュール3とから構成される。バッテリケース2内には、バッテリモジュール3の容量、電圧、温度等を管理するコントローラ、スイッチ、リレー等の図示しない補機類が収容されてもよい。
【0012】
バッテリケース2は、例えば鋼板等のプレス成形品から構成され、平面視で略矩形の形状を有する。バッテリケース2は、下向きに開口する有底箱形のアッパーケース2と、上向きに開口する有底箱形のロアケース2と、を備える。アッパーケース2及びロアケース2の開口部の周囲には、アッパーケース2とロアケース2との間をシールするシール材を備えたシール部2が設けられている。ロアケース2の左右の側縁部2は、図5及び図6に示すように、断面C字状の部材からなり、バッテリ1の左右の側縁部1をそれぞれ構成している。
【0013】
アッパーケース2の後部には、隆起部2が形成されている。隆起部2は、それより前方に位置する部分よりも一段高く隆起し、それより前方に位置する収容空間よりも広い収容空間をバッテリケース2の内部に形成している。以下、バッテリ1のうち、隆起部2に対応する部分を大容積部1と称し、大容積部1より前方に位置する部分を一般部1と称する。
【0014】
大容積部1は、バッテリ後半部1の後側大部分を構成し、一般部1は、バッテリ前半部1の全体及びバッテリ後半部1の前側一部分を構成している。大容積部1は、図3に示すように、後席Sの下方に配置されている。車両前後方向位置において、一般部1と大容積部1との境界は、後席S前端部の位置近傍に位置している。
【0015】
バッテリ1の車幅方向の寸法は、一般部1において一定である。大容積部1では、前側約3分の1の範囲でバッテリ1の車幅方向の寸法が増大し、後側約3分の2の範囲で車幅方向の寸法が一定かつ最大となっている。なお、バッテリ1の車幅方向の寸法は、バッテリ1の前端部1から後端部1に亘って一定であってもよい。
【0016】
バッテリモジュール3は、例えばリチウムイオン電池などの単電池を複数接続して構成されている。隆起部2において形成された広い収容空間内には、図3に示すように、大型のバッテリモジュール3が配置されている。また、一般部1において形成された収容空間内には、小型のバッテリモジュール3が配置されている。大型のバッテリモジュール3を構成する単電池は、小型のバッテリモジュール3を構成する単電池より、高さ及び車両前後方向の幅が大きく、従って、車幅方向視における面積が大きい。
【0017】
各バッテリモジュール3は、ロアケース2内の底面上に載置されている。載置面における単位面積当たりの荷重は、大型のバッテリモジュール3の方が小型のバッテリモジュール3より大きい。従って、バッテリ1の車両前後方向における単位長さ当たりの重量は、小型のバッテリモジュール3が配置された部分より大型のバッテリモジュール3が配置された部分の方が大きい。このため、バッテリ1全体の重心Gは、図3及び図4に例示するように、中心Cより後方、即ちバッテリ後半部1に位置している。
【0018】
バッテリ1の左右の側縁部1(本実施形態では、ロアケース2の左右の側縁部2)は、車両前後方向に沿って延在している。図4に示すように、バッテリ1の右側の側縁部1は、バッテリ1の前端部1から後端部1に亘り、車両前後方向に沿って直線状に延在している。一方、バッテリ1の左側の側縁部1は、大容積部1において屈曲している。バッテリ1の左側の側縁部1は、大容積部1の前側約3分の1の範囲で、後方に向かうほど車幅方向外方に位置するように斜めに延在し、大容積部1の後側約3分の2の範囲で車両前後方向に沿って直線状に延在している。なお、バッテリ1の左側の側縁部1は、右側の側縁部1と同様に、バッテリ1の前端部1から後端部1に亘って車両前後方向に沿って直線状に延在してもよい。
【0019】
フロアパネルFPの下面には、図1及び図4に示すように、一対のフロア骨格メンバである左右のバッテリ保護メンバ4が設けられている。左側のバッテリ保護メンバ4は、バッテリ1の左側の側縁部1に沿って延在し、右側のバッテリ保護メンバ4は、バッテリ1の右側の側縁部1に沿って延在している。左側のバッテリ保護メンバ4の車幅方向外側には、左側のサイドシル5が設けられ、右側のバッテリ保護メンバ4の車幅方向外側には、右側のサイドシル5が設けられている。
【0020】
各バッテリ保護メンバ4は、例えば鋼板等をプレス成形して形成された部材であり、上方に開口したハット型断面を有する。各バッテリ保護メンバ4は、図5及び図6に示すように、その横断面において、下壁部4と、外側縦壁部4と、内側縦壁部4と、外側フランジ部4と、内側フランジ部4とを備えている。外側縦壁部4は、下壁部4の車幅方向外側端縁から上方に延びている。内側縦壁部4は、下壁部4の車幅方向内側端縁から上方に延びている。外側フランジ部4は、外側縦壁部4の上端縁から車幅方向外方に向けて延びている。内側フランジ部4は、内側縦壁部4の上端縁から車幅方向内方に向けて延びている。
【0021】
外側フランジ部4及び内側フランジ部4の上面は、フロアパネルFPの下面に接合され、閉断面を形成している。なお、バッテリ保護メンバ4が、フロアパネルFPの下面から離間して配置される部分では、外側フランジ部4及び内側フランジ部4の上面に図示しない板材を接合することで閉断面を構成している。
【0022】
図3及び図4に示すように、左右のバッテリ保護メンバ4の前部4(以下、メンバ前部4とも称する)は、各々、バッテリ1の左右の側縁部1の車幅方向外側に、当該側縁部1と車幅方向に並んで配置されている。また、左右のメンバ前部4は、各々、バッテリ1の前端部1より前方の領域において、車両前後方向に沿って略水平に延伸し、その前端部においてフロントサイドメンバ6の後端下部に連結されている(図1参照)。
【0023】
図3に示すように、各メンバ前部4の高さは、少なくともその下面4SHが、車幅方向視において、ロアケース2の側縁部2と重複するように設定されている。具体的には、各メンバ前部4の下面4SHが、ロアケース2の下面より高く、シール部2より低い位置に配置されている。また、各メンバ前部4の上面、即ち、外側フランジ部4及び内側フランジ部4は、アッパーケース2の車幅方向中央部の上面の高さより低く、シール部2の高さより高い位置に配置されている。
【0024】
図3及び図4に示すように、左右のメンバ前部4の後端4FEは、車両前後方向位置において、バッテリ1の一般部1と大容積部1との境界近傍に位置している。左右のバッテリ保護メンバ4の後部4(以下、メンバ後部4とも称する)は、各々、メンバ前部4の後端4FEから車幅方向内方かつ上方に向けて延伸している。各メンバ後部4は、車両前後方向から視たときにバッテリ1の側縁部1の車幅方向外側から当該側縁部1を中心にして当該側縁部1の上側へ回り込むように、滑らかに湾曲している。
【0025】
また、左右のメンバ後部4は、バッテリ1の後端部1より後方の領域において、各々、車幅方向内方かつ略水平に延伸し、バッテリ1の後端部1から離間した位置に設けられたリアクロスメンバ8によって互いに連結されている。リアクロスメンバ8の両端部は、左右のリアサイドメンバ7にそれぞれ連結されている。左のリアサイドメンバ7は、左のメンバ後部4の車幅方向外側に配置され、右のリアサイドメンバ7は、右のメンバ後部4の車幅方向外側に配置されている。左右のリアサイドメンバ7には、図示しないリアサスペンションが取り付けられている。リアクロスメンバ8より後方の位置では、左右のメンバ後部4は、各々、車両前後方向に沿って略水平に延伸し、その後端部は、リアパネル9に達している。このため、後突時にバッテリ1をバッテリ保護メンバ4によって保護することができる。
【0026】
メンバ後部4の一部は、図1図3及び図4に示すように、バッテリ側縁部1の後端部1E1の上側に、該後端部1E1と上下方向に並んで配置されている。即ち、メンバ後部4の一部は、平面視においてバッテリ側縁部1の後端部1E1と重複している。以下、メンバ後部4のうちバッテリ1の側縁部1の後端部1E1と上下方向に並んで配置された部分を、上下並設部4VAと称する。
【0027】
バッテリ1には、図1図4に示すように、左右のバッテリ保護メンバ4にバッテリ1を固定するための、例えば鋼など金属からなるブラケット10が複数設けられている。本実施形態では、ブラケット10は、6つの第1ブラケット11と、2つの第2ブラケット12とから構成されている。
【0028】
第1ブラケット11のうち前側の4つは、図2図4に示すように、バッテリ1の中心Cより前方に位置し、バッテリ前半部1、即ち一般部1の前側部分をメンバ前部4に固定している。残りの2つの第1ブラケット11は、バッテリ1の中心Cより後方に位置し、バッテリ後半部1における一般部1をメンバ前部4に固定している。
【0029】
各第1ブラケット11は、図5に示すように、バッテリ1の側縁部1から車幅方向外方へ延伸して、メンバ前部4の下面4SHに結合されている。メンバ前部4の下面4SH、即ち、下壁部4の下面は、車両前後方向に垂直な断面において、車幅方向に平行に延在している。メンバ前部4の下面4SHは、図3に示すように、前部4の全長に亘って略水平に延在する平坦面である。なお、下面4SHは、第1ブラケット11が結合される部分において車幅方向に平行に延在していればよく、第1ブラケット11が結合される部分以外の部分は、平坦でなくてもよく、水平でなくてもよい。
【0030】
各第1ブラケット11は、図5に示すように、上パネル材11と下パネル材11とから構成されている。上パネル材11は、車両前後方向視で略L字状の形状を有し、ロアケース2の側縁部2の車幅方向外側の側面に接合されたフランジ部11Aaと、フランジ部11Aaの下端から車幅方向外方へ略水平に延びるアーム部11Abとを有する。図2に示すように、上パネル材11の車両前後方向の中央部には、車幅方向に延在する、上方に凸となる凸部11Acが形成されている。即ち、上パネル材11には、車幅方向に延びる稜線が複数形成されている。
【0031】
下パネル材11は、図5に示すように、車両前後方向視で略S字状の形状を有し、ロアケース2の下面に接合された車幅方向内側端部11Baと、車幅方向内側端部11Baから車幅方向外方かつ上方へ滑らかに湾曲して延びるアーム部11Bbとを有する。図3及び図4に示すように、下パネル材11の車両前後方向の中央部には、車幅方向に延在する、上方に凸となる凸部11Bcが形成されている。また、下パネル材11には、凸部の両側に沿って車幅方向に延在する、下方に凸のリブ11Bdも形成されている。即ち、下パネル材11には、車幅方向に延びる稜線が複数形成されている。
【0032】
図5に示すように、上パネル材11のアーム部11Abの車幅方向外側の先端部と、下パネル材11のアーム部11Bbの車幅方向外側の先端部とは、上下に重ね合わされた状態で接合され、第1ブラケット11の被締結部11を構成している。被締結部11は、上パネル材11のアーム部11Abと同じ高さで略水平に延びる平板状の形状を有しており、ボルト等の締結部材Fによりメンバ前部4の下面4SHに締結されている。
【0033】
なお、左側の第1ブラケット11の下パネル材11と、右側の第1ブラケット11の下パネル材11とは、図1及び図4に示すように、ロアケース2の下面に接合された補剛用のクロスメンバ13の両端部から構成してもよい。これにより、左右の第1ブラケット11が、クロスメンバ13の本体部、即ち両端部の間の部分を介して互いに連結される。
【0034】
2つの第2ブラケット12は、図1図4に示すように、バッテリ1の中心Cより後方に位置し、バッテリ後半部1における大容積部1をメンバ後部4に固定している。各第2ブラケット12は、図6に示すように、バッテリ1の側縁部1から上方へ延伸して、バッテリ保護メンバ4の縦側面4SVに結合されている。具体的には、各第2ブラケット12は、バッテリ保護メンバ4の上下並設部4VAにおける車幅方向外側の縦側面4SVに結合されている。メンバ後部4の車幅方向外側の縦側面4SV、即ち、外側縦壁部4の外表面は、車両前後方向に垂直な断面において、略上下方向に沿って延在している。
【0035】
各第2ブラケット12は、図2図3及び図6に示すように、一枚のパネル材から構成された略平板状の部材であり、上側の取付面部12と、下側の取付面部12と、それらを連結する連結部12とを有している。下側の取付面部12は、車幅方向に略垂直な平板状の形状を有しており、ボルト等の締結部材Fにより、ロアケース2の側縁部2の後端部2E1における車幅方向外側の側面に締結されている。上側の取付面部12は、車幅方向に略垂直な平板状の形状を有しており、ボルト等の締結部材Fにより、メンバ後部4の上下並設部4VAの車幅方向外側の縦側面4SVに締結されている。
【0036】
ロアケース2の側縁部2の側面のうち下側の取付面部12と当接している部分と、メンバ後部4の縦側面4SVのうち上側の取付面部12と当接している部分とは、それらを略鉛直な直線で結ぶことのできる位置関係にある。また、下側の取付面部12及び上側の取付面部12は、当該直線と略平行になるように形成されている。第2ブラケット12の車両前後方向の両端縁部には、車幅方向外側に延出し、上下方向に連続して延在するリブ12が形成されている。即ち、第2ブラケット12には、上下方向に延びる稜線が複数形成されている。
【0037】
以下、本実施形態の作用効果について説明する。
【0038】
(1)取付構造Sでは、第1ブラケット11が、バッテリ1の側縁部1から車幅方向外方へ延伸してバッテリ保護メンバ4の下面4SHに結合されている。即ち、第1ブラケット11は、側突荷重の入力方向に沿って延伸して、該入力方向に沿った面に結合されている。このため、第1ブラケット11によれば、側突荷重が直接或いはバッテリ保護メンバ4を介して第1ブラケット11に伝達された際の反力を高め、吸収エネルギーを向上させることができる。また、側突時のフロアパネルFPの変形を抑制して、バッテリ1を保護することができる。
【0039】
さらに、取付構造Sでは、第2ブラケット12が、バッテリ1の側縁部1から上方へ延伸してバッテリ保護メンバ4の縦側面4SVに結合されている。即ち、第2ブラケット12は、上下方向に沿って延伸して、上下方向に沿った面に結合されている。このため、第2ブラケット12は、バッテリ1の重量、即ち上下方向の荷重を、第1ブラケット11よりも効率よくバッテリ保護メンバ4に伝達することができる。換言すれば、第2ブラケット12は、第1ブラケット11よりも軽量かつ簡易な構造でより大きな重量を支持することができる。
【0040】
そして、取付構造Sでは、バッテリ保護メンバ4にバッテリ1を固定する複数のブラケット10が、バッテリ前半部1を固定する第1ブラケット11と、バッテリ後半部1を固定する第2ブラケット12とを含んでいる。このため、前半部よりも後半部の方が重いバッテリ1を、側突時のエネルギー吸収を向上させつつ効率よく支持することができる。
【0041】
(2)また、取付構造Sでは、バッテリ保護メンバ4の前部4が、バッテリ1の側縁部1の車幅方向外側に該側縁部1と車幅方向に並んで配置されているため、側突時、バッテリ保護メンバ4の前部4によりバッテリ1を保護することができる。
【0042】
さらに、取付構造Sでは、バッテリ保護メンバ4の後部4が、第2ブラケット12を介してバッテリ1の側縁部1の後端部1E1に接続されている。このため、バッテリ保護メンバ4の後部4のより後側の部分に対して下向き荷重(バッテリ1の重量)を付与することができ、後突時にバッテリ保護メンバ4の後端部が跳ね上がるように変形することを抑制することができる。
【0043】
(3)また、取付構造Sでは、第2ブラケット12がバッテリ保護メンバ4の車幅方向外側の縦側面4SVに結合されている。このため、第2ブラケット12を車幅方向内側の縦側面に結合した場合と比較して、バッテリ1の車幅方向の寸法を大きくすることができ、バッテリ1の容量を増大させることができる。
【0044】
(4)さらに、取付構造Sでは、左右の第1ブラケット11が、バッテリケース2を補剛する部材であるクロスメンバ13の一部として構成され、互いに連結されている。このため、左右いずれか一方側から入力された側突荷重が、クロスメンバ13及び他方側の第1ブラケット11を介して、他方側のバッテリ保護メンバ4等にも伝達される。従って、取付構造Sによれば、側突荷重が第1ブラケット11に伝達された際の反力をさらに高めることができる。
【0045】
上記実施形態は、発明の理解を容易にするために記載された単なる例示に過ぎない。発明の技術的範囲は、上記実施形態で開示した具体的な技術事項に限らず、そこから容易に導きうる様々な変形、変更、代替技術なども含むものである。
【0046】
上記実施形態では、6つの第1ブラケット11と、2つの第2ブラケット12とを備えていたが、第1ブラケット11及び第2ブラケット12の個数は、これに限定されない。また、上記実施形態では、第2ブラケット12が、バッテリ1の中心Cより後方に位置するもののみから構成されていたが、第2ブラケット12は、中心Cより前方に位置するものを含んでもよい。さらに、上記実施形態では、第1ブラケット11が、バッテリ1の中心Cより後方に位置するものを含んでいたが、第1ブラケット11は、バッテリ1の中心Cより前方に位置するもののみから構成されてもよい。また、上記実施形態では、第2ブラケット12は、第1ブラケット11より後方に位置するもののみから構成されていたが、第1ブラケット11より前方に位置するものを含んでもよい。
【0047】
上記実施形態では、電気自動車(EV)を例にとって説明したが、本発明がハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)などにも適用できることは勿論である。
【符号の説明】
【0048】
S 取付構造
FP フロアパネル
1 バッテリ
バッテリ前半部(バッテリの車両前後方向中心よりも前方に位置する部分)
バッテリ後半部(バッテリの車両前後方向中心よりも後方に位置する部分)
側縁部
E1 側縁部の後端部
C 車両前後方向中心
G 重心
4 バッテリ保護メンバ(フロア骨格メンバ)
前部
後部
VA 上下並設部(バッテリの側縁部の後端部と上下方向に並んで配置された部分)
SH 下面
SV 縦側面
10 ブラケット
11 第1ブラケット
12 第2ブラケット
図1
図2
図3
図4
図5
図6