IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

<>
  • -アンテナ構成 図1
  • -アンテナ構成 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-02-04
(45)【発行日】2026-02-13
(54)【発明の名称】アンテナ構成
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/40 20060101AFI20260205BHJP
   H01Q 13/08 20060101ALI20260205BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20260205BHJP
【FI】
H01Q1/40
H01Q13/08
H01Q21/06
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023528495
(86)(22)【出願日】2021-11-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-24
(86)【国際出願番号】 EP2021081827
(87)【国際公開番号】W WO2022101498
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2024-10-28
(31)【優先権主張番号】20207878.8
(32)【優先日】2020-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】510191919
【氏名又は名称】エージーシー グラス ユーロップ
【氏名又は名称原語表記】AGC GLASS EUROPE
【住所又は居所原語表記】Avenue Jean Monnet 4, 1348 Louvain-la-Neuve, Belgique
(73)【特許権者】
【識別番号】000000044
【氏名又は名称】AGC株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507090421
【氏名又は名称】エージーシー フラット グラス ノース アメリカ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AGC FLAT GLASS NORTH AMERICA,INC.
【住所又は居所原語表記】11175 Cicero Dr. Suite 400, Alpharetta, GA 30022, U.S.A.
(73)【特許権者】
【識別番号】518428303
【氏名又は名称】エージーシー ビードロス ド ブラジル エルティーディーエー
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【弁理士】
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】ユーセフベイキ, モーセン
(72)【発明者】
【氏名】アドダシ, ラフィク
【審査官】麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】仏国特許出願公開第02981930(FR,A1)
【文献】特開2006-135764(JP,A)
【文献】国際公開第2019/177144(WO,A1)
【文献】特開2015-061221(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/40
H01Q 13/08
H01Q 21/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 第1透明誘電パネル(11)と、
- 前記第1透明誘電パネルの前面にあり、かつ前記第1透明誘電パネルから少なくとも1つのパネル中間層(204、302)によって分離された第2透明誘電パネル(12)と、
- 少なくとも1つのパッチ中間層(Ip)によって取り付けられかつ前記第1透明誘電パネルから分離されたパッチネットワーク(P)と、
- 少なくとも1つのフィード中間層(If)によって取り付けられかつ前記第2透明誘電パネルから分離されたフィーディングネットワーク(F)、ただし、前記フィーディングネットワーク(F)は、前記パッチネットワークと前記フィーディングネットワーク(F)との間に距離Dpfを規定する、と、
少なくとも1つのスロットを含む接地プレーン(G)と、
を含むアンテナ構成(10)であって、
前記少なくとも1つのパッチ中間層が透明ポリマー中間層であること、及び前記接地プレーン(G)が、前記第1透明誘電パネル(11)と前記第2透明誘電パネル(12)の間に配設されており、かつ前記第2透明誘電パネル(12)に対して少なくとも1つの接地中間層によって分離されており、前記接地中間層のうちの少なくとも1つが、ガスによって充填された空間であることを特徴とするアンテナ構成。
【請求項2】
前記接地プレーンは、前記フィーディングネットワークと前記第1透明誘電パネルの間に配設される請求項1に記載のアンテナ構成。
【請求項3】
前記少なくとも1つのパネル中間層は、透明ポリマー中間層である、請求項1又は2に記載のアンテナ構成。
【請求項4】
前記少なくとも1つのパネル中間層は、ガスによって充填された空間である、請求項1又は2に記載のアンテナ構成。
【請求項5】
前記第1及び/又は第2透明誘電パネルは、ガラスパネルを含む、請求項1~のいずれか1項に記載のアンテナ構成。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にアンテナ構成に関し、更に詳しくは、高周波信号の送信及び/又は受信を最適化するための改善された性能のアパーチャ結合又は近接結合プレーナーアンテナ構成に関する。
【0002】
従って、本発明は、アンテナ構成が使用される複数の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
モバイルデータトラフィックが継続的に増大し、5Gに伴って格段に急増していることにより、モバイルネットワーク事業者はCAPEX圧力下に置かれている。5Gのための、より高い周波数帯域は、特に容量が必要とされ厳格なEMF制限が適用される高密度の市街地において、カバレージ配備のさらなる課題を意味する。小さなセルを配備することは、電磁波の送信及び受信を安定的に実行するための多数のアンテナの設置を必要とする容量改善のための良好な解決策であると言われている。但し、多くの欠点が小さなセルの配備を制限している。第1に、新しいアンテナのための場所を見出すことが非常に困難である。第2に、ファイバ及び電気を屋外に持ち出すには費用を要する。最後に、都市の規制が小さなセルの可能性を制限する場合がある。
【0004】
その一方で、近年においては、小型化に伴って、アンテナは益々建物内に設置されている。建物内にアンテナを設置する場合、建物の外観の劣化を防止しつつ電磁波が安定的に送信及び受信されることができるように、アンテナの適切な位置付けを選択することが必要である。
【0005】
米国特許第5,322,143号明細書は、パッチネットワーク、接地、及びフィーディングネットワークという3つの導電層を有するプレーナーアンテナについて記述している。プレーナーアンテナは、担持体としてガラスパネルを使用することにより、建物のファサード内に統合することができる。このようなプレーナーアンテナに伴う課題は、ファサード内に統合されることから、少なくとも電気接続、設置、及び維持が複雑化し、且つ、ファサードが建物上にあると管理が不可能であるという点にある。これらに加えて、プレーナーアンテナの性能パラメータは、ガラスパネル、スペーサ、などのようなファサードのコンポーネントの厚さによって制限される。
【0006】
従って、このようなプレーナーアンテナにより、現時点の及び将来の通信システムの要件に適合するための、周波数帯域の変更、又はアンテナの送信及び/若しくは受信の最適化を行うことは不可能である。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、第1の態様において、第1透明誘電パネルと、第2透明誘電パネルとを含むアンテナ構成に関する。第2透明誘電パネルは、第1透明誘電パネルの前面にあり、かつ第1透明誘電パネルから少なくとも1つのパネル中間層によって分離されている。
【0008】
アンテナ構成は、少なくとも1つのパッチ中間層によって取り付けられかつ第1透明誘電パネルから分離されたパッチネットワークと、少なくとも1つのフィード中間層によって取り付けられかつ第2透明誘電パネルから分離されたフィーディングネットワークとを更に含む。フィーディングネットワークは、パッチネットワークとフィーディングネットワークとの間に距離Dpfを規定する。また、距離Dpgをパッチネットワークと接地プレーンとの間に規定することもできる。
【0009】
本発明の第1の態様において規定されている解決策は、少なくとも1つのパッチ中間層が透明ポリマー中間層であるということに基づいている。
【0010】
本発明は、第2の態様において、第1の態様によるアンテナ構成を組み立てる方法に関し、方法は、
A.第1透明誘電パネル上にパッチネットワークを組み立てるステップと、
B.第2透明誘電パネル上にフィーディングネットワークを組み立てるステップと、
C.第1透明誘電パネル及び第2透明誘電パネルをパネル中間層と一緒に組み立てるステップと、
を含む。
【0011】
本発明は、請求項において又は記述されている実施形態において記述されている特徴の、すべての可能な組合せに関することに留意されたい。
【0012】
以下の説明は建物用途に関するが、本発明は、自動車又は輸送用途のような他の分野にも適用可能であり得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
以下、限定ではなく例示を目的として提供される、本発明の様々な例示のための実施形態を示す添付図面を参照し、本発明のこの態様及び他の態様について更に詳細に説明する。図面は概略表現であり、その縮尺は正確ではない。図面は、本発明を決して限定するものではない。更なる利点については、例によって説明する。
【0014】
図1】本発明の第1実施形態によるアンテナ構成の概略断面図である。
図2】本発明の第2実施形態によるアンテナ構成の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の目的は、上述の問題を軽減し、屋外4G及び5Gネットワークの高密度化に対する障壁を除去することにある。特に、本発明の第1の態様の目的は、通りにおける足場組立又は基礎工事に対するニーズを除去するアンテナ構成の設置、好ましくは特に屋内設置を得ることにある。本発明の別の利点は、透明アンテナが都市の美観及びEMFの制約と合致したシームレスな屋内の又は屋外の位置付けを可能にするという点にある。
【0016】
本発明の第1の態様によれば、本発明は、第1透明誘電パネル11及び第2透明誘電パネル12を含むアンテナ構成10に関する。第2透明誘電パネル12は、第1透明誘電パネル11の前面にあり、かつ第1透明誘電パネル11から少なくとも1つのパネル中間層204、302によって分離されている。
【0017】
アンテナ構成は、通常、動作周波数、アンテナ構成に含まれる要素の数、及び/又は透明設計に応じて、例えば、210mm×250mmの矩形形状、150mm×160mmの矩形形状、又は255mm×500mmの矩形形状などの20mm~600mmの幅及び/又は長さを有する。
【0018】
好ましくは、アンテナ構成は、690MHz~70GHzの周波数を有する波長を意味する4G及び/又は5Gにおいて機能する。
【0019】
「前面に(in front of)」という用語は、第1透明誘電パネルがアンテナシステムの前面と対向しており、第2透明誘電パネルが第1透明誘電パネルと対向していることを表す。
【0020】
「透明(transparent)」という用語は、少なくとも1%の、可視スペクトルにおいて材料を透過した可視光の平均TL(光透過)を示す特性を表す。好ましくは、透明は、少なくとも10%のTL特性に関する。更に好ましくは、透明は、少なくとも50%のTLを表す。理想的には、透明は、少なくとも70%のTLを表す。
【0021】
誘電パネルは、導電性を有していないパネルである。
【0022】
第1透明誘電パネル11及び第2透明誘電パネル12は、プラスチックに基づいた組成などの異なる化学的組成を有することができる。プラスチックに基づいた組成は、PET、ポリカーボネート、PVC、又はパネルとして使用されることができる任意の他の透明誘電プラスチックに基づいたものであってよい。
【0023】
好ましくは、第1及び/又は第2透明誘電パネルは、アンテナ構成及びアンテナシステムを擦過傷から保護するためのガラスパネルを含む。ガラスパネルは、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、又はボロシリケートガラスのようなガラスなどの少なくとも50重量%のSiO2を含むことができる。
【0024】
いくつかの実施形態において、第1及び第2透明誘電パネルは、取扱い及び製造のプロセスを低減するために、同一の化学的組成を有する。
【0025】
好ましくは、第1及び第2透明誘電パネルは、アンテナシステムの効率を増大させつつパネル内のエネルギー損失を低減するために、0.03以下の損失正接を有することが可能であり、更に好ましくは、誘電パネルの損失正接は0.02以下であり、更に好ましくは、誘電パネルの損失正接は0.01以下である。
【0026】
好適な実施形態において、第1及び第2透明誘電パネルは0.005以下の損失正接を有し、更に好ましくは、誘電パネルの損失正接は、アンテナシステムの効率を増大させつつパネル内のエネルギー損失を低減するように、0.003以下である。
【0027】
好ましくは、第1及び第2透明誘電パネルは、損失正接を0.01以下の値に低減するために、ボロシリケートガラスパネルである。
【0028】
誘電パネルは、フロート法、フュージョン法、リドロー法、プレスモールディング法、又はプリング法などの既知の製造方法によって製造することができる。ガラスパネルの製造方法としては、生産性及び費用の観点において、フロート法を使用することが好ましい。
【0029】
それぞれの透明誘電パネルは、独立的に処理及び/又は着色などをすることが可能であり、及び/又は、美観、安全性などを改善するために、異なる厚さを有することもできる。
【0030】
それぞれの透明誘電パネルは、セキュリティ要件の仕様を尊重するために、処理、即ち、焼きなまし、焼き戻し、などを実行することができる。透明誘電パネルは、独立的に、クリアな又は着色された透明誘電パネルであってよく、例えば、特定の組成により、或いは、更なる被覆又はプラスチック層を適用することにより、着色することができる。
【0031】
第1透明誘電パネル11及び第2透明誘電パネル12は、任意の形状を有することができる。平面図における透明誘電パネル11、12の形状は、矩形に制限されるものではなく、台形、三角形、正方形、円形、又はこれらに類似したものであってよい。
【0032】
いくつかの実施形態において、可能な限り別個に窓を通じた少なくとも動作周波数の送信及び/又は受信を提供するために、アンテナ構成は、窓の前面に置くことができる。好ましくは、アンテナ構成は、例えば、窓を通じて放出及び/又は受信するために、並びに建物の外側においてターミナルをカバーするために、第1透明誘電パネル11を通じて、特定の方向に向かって放射する。このような実施形態においては、第1透明誘電パネル11及び/又は第2透明誘電パネル12は、窓の前面に取り付けることができる。
【0033】
いくつかの実施形態において、アンテナ構成は、例えば、窓の反対方向において放出及び/又は受信するために、並びに建物の内側においてターミナルをカバーするために、第1透明誘電パネルとは反対の側を通じて、特定の方向に向かって放射する。
【0034】
いくつかの実施形態において、アンテナ構成は、例えば、窓を通じて放出及び/又は受信するために、並びに建物の外側及び内側においてターミナルをカバーするために、2つの特定の方向に向かって放出する。
【0035】
いくつかの実施形態において、第1誘電パネルは、固定手段により、窓の外部表面に固定される。固定手段は、糊、プラスチック中間層、吸着パッド、又は窓の表面上にアンテナ構成を固定することができる任意の他の手段であってよい。
【0036】
アンテナ構成は、窓の前面において取り付けられるように、及び/又は、アンテナ構成と窓の間の距離を適合させるように、及び/又は、アンテナ構成のコンポーネントの間の距離を適合させるように、アンテナハウジング内において組み立てることができる。
【0037】
いくつかの実施形態において、アンテナ構成は、第1誘電パネル11と窓との間に配設された、設置インターフェイスパネルを含むことができる。設置インターフェイスパネルは、アンテナシステムの性能に対する1つ又は複数の設置媒体の影響を相殺することを許容し、アンテナのインピーダンス応答のみならずアンテナの放射特性を仕様内において維持することを許容する。いくつかの実施形態において、設置インターフェイスパネルは、ビーム操向又はビーム成形などの更に多くの機能をアンテナシステムに追加することができる。
【0038】
設置インターフェイスパネル14は、少なくとも、ガラス及び/又はプラスチックなどの透明誘電パネルを含むことができる。いくつかの実施形態においては、少なくとも、誘電パネルの少なくとも1つの上に導電パターンを堆積させることができる。
【0039】
好ましくは、設置インターフェイスパネル14は、信号の送信及び/又は受信を最適化しつつ設置インターフェイスパネルの設計及び製造を単純化するために、アンテナ構成に対して平行である。
【0040】
また、アンテナ構成10は、少なくとも1つのパッチ中間層Ipによって取り付けられかつ第1透明誘電パネル11から分離された、パッチネットワークPを含む。
【0041】
少なくとも1つのパッチ中間層Ipは、ポリマー中間層である。好ましくは、透明ポリマー中間層は、ポリビニルブチラル(PVB)、エチレン-ビニルアセテート(EVA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリウレタン、アクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマー(ABS)、スチレンアクリロニトリルコポリマー(SAN)、スチレンメチルメタクリレートコポリマー(SMMA)、及びこれらのものの任意の混合物、架橋された樹脂、イオノプラスト、イオノマー、シクロ-オレフィンポリマー(COP)、シクロ-オレフィンコポリマー(COC)、又は光学用透明粘着シート(OCA)であってよい。
【0042】
架橋又は硬化された樹脂は当業者には既知であり、架橋剤としても知られる硬化剤との反応により、或いは、熱、UV放射(UV)、又は電子ビーム(EB)に対する曝露の際に低分子量種の架橋/硬化によって得られる3次元ポリマーネットワークである。架橋された樹脂の非網羅的な例は、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、UV又はEB硬化可能樹脂である。本発明においては、架橋された樹脂が透明になるように、架橋された樹脂のプレカーソルは透明であってもよく、或いは提供されなくてもよい。
【0043】
いくつかのポリマー混合物、コポリマー、及びいくつかの半結晶性ポリマーは、分散相に起因して又は結晶質の存在に起因して不透明かつ非透明であり得ると言われている。従って、以上に言及されている列挙されたポリマーの組成のすべてが透明ではないことが可能である。当業者は、どの組成が透明であるかを識別することができ、従って、与えられたポリマーが特許請求されている透明ポリマーに含まれるかどうかを識別することができる。
【0044】
パッチネットワークPは、第1透明誘電パネル11の表面の任意のものに対して取り付けられることができることを理解されたい。好ましくは、パッチネットワークPは、図1に示されているように、より高度なアンテナ性能を実現するために、且つ、並行して、湿気、擦過傷などのような外部攻撃からパッチネットワークPを保護するために、窓に対向する表面とは反対側の表面に取り付けられている。
【0045】
いくつかの実施形態において、パッチネットワークPは、少なくとも1つの共振導電要素を含む。好ましくは、導電要素の長さは、動作周波数の有効波長の半分と等価である。
【0046】
好ましくは、パッチネットワークの表面の寸法は、第1透明誘電パネルの表面未満である。
【0047】
いくつかの実施形態においては、同一又は異なる周波数を送信及び/又は受信するアンテナシステムを得るために、いくつかのパッチネットワークを第1透明誘電パネルに取り付けることができる。このような実施形態において、パッチネットワークは互いに電気的に絶縁される。
【0048】
パッチネットワークの導電要素は、矩形形状などの任意の形状を有することができる。二重偏波動作が望ましいいくつかの実施形態においては、円形又は正方形の形状が好ましい。好ましくは、パッチネットワークは、導電パッチネットワークである。
【0049】
パッチネットワークは、パッチ中間層上に印刷、糊付け、被覆することが可能であり、或いは、スクリーン印刷、インクジェット印刷、堆積、糊付けされたワイヤ、銅フォイル、銅メッシュなどのような、中間層上にパッチネットワークを着脱不能に置かれることができる任意の他の方法によって置かれることもできる。
【0050】
いくつかの実施形態において、パッチネットワークは、パッチ中間層による第1透明誘電パネルへの取り付け及び取扱いを促進するために、透明層上において印刷、糊付け、被覆することができる。このような透明層は、好ましくは、透明ポリマーフィルムである。好ましくは、透明ポリマーフィルムは、ポリビニルブチラル(PVB)、エチレン-ビニルアセテート(EVA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリウレタン、アクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマー(ABS)、スチレンアクリロニトリルコポリマー(SAN)、スチレンメチルメタクリレートコポリマー(SMMA)、及びこれらの任意の混合物、架橋された樹脂、イオノプラスト、イオノマー、シクロ-オレフィンコポリマー(COC)、シクロ-オレフィンポリマー(COP)、又は光学用透明粘着シート(OCA)であってよい。
【0051】
パッチネットワークの材料は、銅、銀などの金属に基づいた材料、金などのメッキされた材料を有する又は有していない導電金属合金、或いは、導電性であることができかつパッチ中間層上に又は透明層上に置かれることができる任意の他の材料であってよい。
【0052】
また、透明アンテナ構成10は、少なくとも1つのフィード中間層Ifによって取り付けられかつ第2透明誘電パネル12から分離された、フィーディングネットワークFを含む。
【0053】
距離Dpfは、パッチネットワークとフィーディングネットワークとの間に規定される。好ましくは、この距離は実質的に40~100mmであり、更に好ましくは実質的に45~8mmであり、更に好ましくは実質的に48~68mmである。
【0054】
フィーディングネットワークFは、第2透明誘電パネル12の表面の任意のものに取り付けられることができることを理解されたい。好ましくは、フィーディングネットワークFは第1透明誘電パネル11に対向する表面に取り付けられ、これは、図1に示されているように、湿気、擦過傷、などのような外部攻撃からフィーディングネットワークFを保護するためにアンテナシステムの前面31にも対向する表面を意味する。
【0055】
いくつかの実施形態において、フィーディングネットワークは、アンテナシステム入力とパッチネットワークとの間において信号を転送するための少なくとも1つの導電要素を含む。好ましくは、入力側におけるフィーディングネットワークの幅は、約50Ωの特性インピーダンスを提供するようなものである。
【0056】
それぞれのアンテナシステム入力当たり、パッチネットワーク内の2つ以上の導電要素が存在する、いくつかの実施形態においては、フィーディングネットワークはこれらの上述の導電要素の間にエネルギーを分散させることができる。
【0057】
フィーディングネットワークは、フィード中間層上に印刷、糊付け、被覆することが可能であり、或いは、スクリーン印刷、インクジェット印刷、堆積、糊付けされたワイヤ、銅フォイル、銅メッシュなどのような、中間層上にフィーディングネットワークを着脱不能に置かれることができる任意の他の方法によって置かれることができる。
【0058】
いくつかの実施形態において、フィーディングネットワークは、フィード中間層による第2透明誘電パネルへの取り付け及び取扱いを促進するために、透明層上に印刷、糊付け、被覆することができる。このような透明層は、好ましくは、透明ポリマーフィルムである。好ましくは、透明ポリマーフィルムは、ポリビニルブチラル(PVB)、エチレン-ビニルアセテート(EVA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリウレタン、アクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマー(ABS)、スチレンアクリロニトリルコポリマー(SAN)、スチレンメチルメタクリレートコポリマー(SMMA)、及びこれらの任意の混合物、架橋された樹脂、イオノプラスト、イオノマー、シクロ-オレフィンコポリマー(COC)、シクロ-オレフィンポリマー(COP)、又は光学用透明粘着シート(OCA)であってよい。
【0059】
フィーディングネットワークの材料は、銅、銀などの金属に基づいた材料、金などのメッキされた材料を有する又は有していない導電金属合金、或いは、導電性であることができかつフィード中間層上に又は透明層上に置かれることができる任意の他の材料であってよい。
【0060】
また、透明アンテナ構成10は、アンテナシステムの良好でかつ正しい機能を保証するために接地プレーンGを含む。
【0061】
パッチネットワーク及びフィーディングネットワークとの比較における接地プレーンの場所は重要であり、アンテナシステムの性能に大きな影響を及ぼし得る。
【0062】
接地プレーンがパッチネットワークとフィーディングネットワークとの間に配設されるいくつかの実施形態において、接地プレーンは、望ましい性能を得るために、少なくとも1つの最適化された形状及びサイズのスロットを含む。
【0063】
フィーディングネットワークがパッチネットワークと接地との間に配設されるいくつかの実施形態において、接地プレーン内の少なくとも1つの最適化された成形及びサイズ設定されたスロットを省略することができる。
【0064】
構造の選択肢は、複雑さと性能との間の妥協である。
【0065】
接地プレーンは、誘電パネル上、接地中間層上、又は透明層上に印刷、糊付け、被覆することが可能であり、或いは、スクリーン印刷、インクジェット印刷、堆積、糊付けされたワイヤ、銅フォイル、銅メッシュ、などのような、誘電パネル上、接地中間層上、又は透明層上に接地プレーンを着脱不能に置かれることができる任意の他の方法によって置かれることができる。
【0066】
いくつかの実施形態において、接地プレーンは、第2透明誘電パネルに対して、少なくとも1つの接地中間層によって分離されている。
【0067】
いくつかの実施形態において、接地中間層は、空隙などの、ガスが充填された空間であってよい。接地プレーンは、第3透明誘電パネル上に印刷、糊付け、被覆することが可能であり、或いは、スクリーン印刷、インクジェット印刷、堆積、糊付けされたワイヤ、銅フォイル、銅メッシュ、などのような、誘電パネル上に接地プレーンを着脱不能に置くことができる任意の他の方法によって置かれることができる。いくつかの実施形態において、接地プレーンは、第3透明誘電パネルに対して、少なくとも1つの接地中間層によって取り付けられかつ分離することができる。
【0068】
いくつかの実施形態において、接地プレーンは、第3透明誘電パネルに対して、少なくとも1つの接地中間層によって取り付けられかつ分離される。このような実施形態において、接地中間層は透明ポリマー中間層であってよい。いくつかの実施形態においては、第3透明誘電パネルを保持するために、第4保持手段をアンテナハウジング上に含むことができる。
【0069】
接地プレーンは、接地中間層による第2又は第3透明誘電パネルへの取り付け及び取扱いを促進するために、透明層上において印刷、糊付け、被覆することができる。このような透明層は、好ましくは、透明ポリマーフィルムである。好ましくは、透明ポリマーフィルムは、ポリビニルブチラル(PVB)、エチレン-ビニルアセテート(EVA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリウレタン、アクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマー(ABS)、スチレンアクリロニトリルコポリマー(SAN)、スチレンメチルメタクリレートコポリマー(SMMA)、及びこれらの任意の混合物、架橋された樹脂、イオノプラスト、イオノマー、シクロ-オレフィンコポリマー(COC)、シクロ-オレフィンポリマー(COP)、又は光学用透明粘着シート(OCA)であってよい。
【0070】
接地プレーンの材料は、銅、銀などの金属に基づいた材料、金などのメッキされた材料を有する又は有していない導電金属合金、或いは、導電性であることができかつ接地中間層上に又は透明層上に置かれることができる任意の他の材料であってよい。
【0071】
いくつかの好適な実施形態においては、パッチネットワーク及びフィーディングネットワークとの関連において、導電性及び透明性を保証するために、PET層などの透明層の上部にCu-メッシュを使用することにより、接地プレーンを設計することができる。
【0072】
いくつかの実施形態においては、第1及び/又は第2透明誘電パネル及び/又は存在する場合に第3透明誘電パネルに対して少なくともパッチネットワーク、フィーディングネットワーク、及び/又は接地プレーンを分離、組み付け、及びラミネートするために、その他の透明層を使用することができる。これらの層は、好ましくは、透明ポリマーである。
【0073】
好ましくは、透明層は、性能を増大させつつアンテナ構成の損失を低減するように、低損失透明層である。
【0074】
図1に戻ると、一実施形態によれば、透明アンテナ構成10は、パッチ中間層Ipにより、ガラスパネルである第1透明誘電パネル11に取り付けられかつそれから分離されたパッチネットワークPを含む。パッチ中間層は、COC又はCOPである。次いで、PET層201、そしてCOP層202及びガラス層203が、取扱いを促進するために及びパッチネットワークPを保護するために、パッチネットワークPに取り付けられている。パッチネットワークPはパッチ中間層Ipと共に、及び層201、202はガラスパネル203と共に、第1透明誘電パネル11上にラミネートされる。
【0075】
この実施形態において、パッチネットワークP、フィーディングネットワークF、及び接地プレーンGは、対応する透明誘電パネルへの取り付けを促進するために、個々に透明層201、207、208上に組み立てられている。好ましくは、これらの透明層はPET層である。
【0076】
この実施形態において、透明アンテナ構成10は、フィード中間層If及びPET層208において第2透明誘電パネル12に取り付けられかつそれによって分離されたフィーディングネットワークFを含む。フィード中間層Ifは、シクロ-オレフィンポリマーである。接地プレーンGは、接地中間層Igにより、第2透明誘電パネル12に取り付けられている。接地プレーンGは、フィーディングネットワークFと第1透明誘電パネル11との間に配設されている。接地中間層IgとフィーディングネットワークFとの間にはPET層207が存在し、これは、フィーディングネットワークFがフィード中間層IfとPET層207との間にラミネートされていることを意味している。接地プレーンG及びフィーディングネットワークFを保護するために、PET層208、COP層206、及びガラス層205は、第2透明誘電パネル12に対して取り付けられている。フィーディングネットワークF及び接地プレーンGは、フィード中間層Ifと一緒に、及び、接地中間層Igによって第2透明誘電パネル12に対して、ラミネートされている。このような実施形態においては、接地プレーンGがフィーディングネットワークとパッチネットワークとの間に位置決めされるとき、接地プレーンは少なくとも1つのスロットを含む。
【0077】
これは、PET層201、207、208、COP層202、206、及び/又はガラス層203、205が省略されることができるか、或いは別の組成から製造されることができるものと理解されたい。
【0078】
第1透明誘電パネル11及び第2透明誘電パネル12は、パネル中間層204によって分離されている。パネル中間層204は、ガスによって充填された空間、好ましくは、空隙である。空隙の厚さは、パッチネットワークとフィーディングネットワークの間の結合性能を増大させるために最小距離を最適化するように、及びアンテナ構成の広帯域性能を増大させるために最大距離を最適化するように、規定されている。
【0079】
表1は、LTE-B1及びLTE-B3用のアンテナシステムの受信及び/又は送信を最適化する、図1に示されている異なる層の、ミリメートルを単位として且つ主表面の垂直方向において計測された、特定の厚さを有する実施形態を示す。異なる厚さ値が同一の帯域のために又は異なる帯域のために使用され得ることを理解されたい。距離Dpfは、パッチネットワークとフィーディングネットワークとの間に規定される。
【0080】
【表1】
【0081】
この実施形態において、距離Dpfは、8.5mmに等しい。距離Dpfは、空隙204を変更する、及び/又はパッチネットワークPとフィーディングネットワークFとの間のその他の層を低減する又は除去することにより、適合させることができる。このような構造においては、パネル中間層204が空隙であるとき、距離Dpfを、アンテナ構成が窓上に取り付けられる場合にも適合させることができる。従って、動作周波数が変化した場合にも、窓上に取り付けられた又は取り付けられるアンテナ構成の送信及び/又は受信を最適化するために、距離Dpfを適合させることができる。また、パッチネットワークと接地プレーンとの間の距離Dpgも規定されている。この実施形態においては、距離Dpgは、7.6mmに等しい。
【0082】
図2は、本発明によるアンテナシステムのアンテナ構成10の別の実施形態を示す。
【0083】
第1透明誘電パネル11及び第2透明誘電パネル12は、パネル中間層302によって分離されている。パネル中間層302は、シクロオレフィンポリマーである透明ポリマー中間層であり、これは、第1透明誘電パネル11及び第2透明誘電パネル12がパネル中間層302によって一緒にラミネートされていることを意味している。パネル中間層の厚さは、パッチネットワークとフィーディングネットワークとの間の結合性能を増大させるために最小距離を最適化するように、及びアンテナ構成の広帯域性能を増大させるために最大距離を最適化するように規定される。
【0084】
この実施形態において、接地プレーンGは、フィーディングネットワークFと第2透明誘電パネル12との間に配設される。
【0085】
パッチネットワークP、フィーディングネットワークF、及び接地プレーンGは、個々に透明層301、303、304上に組み立てられる。好ましくは、これらの透明層はPET層である。パッチネットワークPは、パッチ中間層Ipにより、第1透明誘電パネル11に取り付けられている。アンテナ構成の一部分、パッチネットワーク、フィーディングネットワーク、又は接地プレーンを有するPET層は、中間層及びパッチネットワーク、フィード、接地、及びパネル中間層を有する層と共に、第1透明誘電パネル11及び第2透明誘電パネルと一緒にラミネートされており、これは、パッチネットワークP、フィーディングネットワークF、及び接地プレーンGが、それぞれ、パッチネットワーク、フィード及び接地中間層及び層と共に、第1透明誘電パネル11と第2透明誘電パネル12との間に一緒にラミネートされていることを意味している。
【0086】
表2は、LTE-B42、LTE-B43、5G-NR-n77、及び/又は5G-NR-n78用のアンテナシステムの受信及び送信を最適化する、図2に示される異なる層のミリメートルを単位とし、主表面の垂直方向において計測された特定の厚さを有する実施形態を示す。異なる厚さ値が、同一の帯域のために又は異なる帯域のために使用され得ることを理解されたい。
【0087】
【表2】
【0088】
この実施形態においては、距離Dpfは、1.8mmに等しい。この距離Dpfは、パネル中間層302を変更する及び/又はパッチネットワークPとフィーディングネットワークFとの間で他の層を低減する又は除去することにより、適合させることができる。このような構造においては、中間層及び層の厚さが組立ステップにおいて固定されているため、アンテナ構成が組み立てられるとき、アンテナ構成が窓上に取り付けられている場合も距離Dpfを適合させることはできない。また、パッチネットワークと接地プレーンとの間の距離Dpgも規定されている。この実施形態においては、距離Dpgは、2.7mmに等しい。
【0089】
好ましくは、パネル中間層302は、望ましい厚さを得るように、いくつかのポリマー中間層を有するように製造される。好ましくは、パネル中間層は、0.76mmの厚さを有する4つの層を含む。この結果、距離Dpfは、3.4mmに等しい。
【0090】
いくつかの実施形態において、第1及び第2透明誘電パネルの厚さは異なることができる。厚さは、アンテナシステムの効率を増大させるために、組成に依存することができる。
【0091】
いくつかの実施形態において、第1及び第2誘電パネルがガラスパネルである場合、厚さは0.05mm以上であり、好ましくは厚さは0.5mm以上であり、更に好ましくは、厚さは1mm以上であり、厚さは4mm以下であり、好ましくは厚さは3mm以下であり、更に好ましくは厚さは2mm以下である。
【0092】
一実施形態は、方法を提供する。
【0093】
本発明によれば、アンテナ構成は、窓上に取り付けることができる。窓は、建物などの静止物体の開口部を閉鎖するための、或いは列車、ボートなどのような移動可能物体の開口部を閉鎖するための窓として使用される窓であってよい。
【0094】
窓は、通常、窓の熱性能を増大させるために、複層窓である。
【0095】
複層窓は、視認性のために、可視波長に対して及び天然光又は人工光に対して少なくとも部分的な透明性を有することができる。複層窓は、複数のインターフェイスを形成する少なくとも1つの中間層によって分離された複数のパネルから製造される。従って、パネルは、ガスが充填された空間により、及び/又はポリマー中間層により、分離することができる。
【0096】
いくつかの実施形態において、複層窓は、複層窓の断熱を改善し、これにより断熱複層窓を生成するために、アルゴンのようなガスによって充填された空間の生成を許容するスペーサによって分離された少なくとも2つのガラスパネルを含むことができる。本発明は、2つのパネルを有する複層窓上において使用される装置に限定されるものではない。本発明の装置及び方法は、二重層窓、三重層窓などの任意の複層窓に適している。
【0097】
いくつかの実施形態において、ガラスパネルは、ノイズを低減するための及び/又は侵入安全性を保証するためのものなどの、ラミネートされた複層窓であってよい。ラミネートされたグレージングは、ガラスパネルの間に位置決めされた1つ又は複数の中間層によって維持されたパネルを含む。中間層は、通常、剛性が調整されることができるポリビニルブチラル(PVB)又はエチレン-ビニルアセテート(EVA)である。これらの中間層は、破壊されてもガラスが大きな鋭い断片に砕けることを防止するような方式で一緒に接合されて、ガラスパネルを維持する。
【0098】
複層窓の前記パネルは、ガラス、ポリカーボネート、PVC、或いは、静止物体上又は移動可能物体上に取付られた窓のために使用される、任意の他の材料から製造することができる。
【0099】
通常、複層窓のパネルの材料は、例えば、ソーダライムシリカガラス、ボロシリケートガラス、アルミノシリケートガラス、或いは、特に自動車用途において知られている熱可塑性ポリマー又はポリカーボネートなどの他の材料である。本出願の全体を通じたガラスに対する参照は、限定として見なしてはならない。
【0100】
複層窓は、フロート法、フュージョン法、リドロー法、プレスモールディング法、又はプリング法などの既知の製造方法によって製造することができる。複層窓の製造方法としては、生産性及び費用の観点から、フロート法を使用することが好ましい。
【0101】
それぞれのパネルは、美観、断熱性能、安全性などを改善するために、独立的に処理及び/又は着色などをすることが可能であり、及び/又は異なる厚さを有することができる。複層窓の厚さは、用途の要件に従って設定される。
【0102】
複層窓は、原位置において使用されている任意の既知の窓であってよい。例えば、複層窓は、セキュリティ及び盗難防止要件の仕様を尊重するために、処理、即ち、焼きなまし、焼き戻しなどを実行することができる。窓は、独立的にクリアガラス又は着色ガラスであることが可能であり、ガラスの特定の組成により、或いは、例えば、更なる被覆又はプラスチック層の適用により、着色することができる。窓は、既知のカッティング方法を使用することにより、平面図において、矩形形状などの開口部にフィットするように任意の形状を有することができる。複層窓をカットする方法としては、例えば、レーザー光が複層窓をカットするように複層窓の表面上に放射される方法、又はカッターホイールが機械的に切断する方法を使用することができる。複層窓は、例えば、自動車のウィンドシールド、サイドライト、サンルーフ、列車の横方向グレージング、建物の窓などのような用途にフィットするように、任意の形状を有することができる。
【0103】
平面図における複層窓の形状は、通常、矩形である。用途に応じて、形状は矩形に限定されるものではなく、特に車両のウィンドシールド又はバックライトの場合には台形であってもよく、特に車両のサイドライトの場合には三角形であってもよく、円形又はこれらに類似したものであってもよい。
【0104】
これに加えて、複層窓は、フレーム内において組み立てることも可能であり、或いは、ダブルスキンファサード内に、自動車ボディ内に、或いは、複層窓を維持することができる任意の他の手段内に取り付けることもできる。ガス及び/又は液体に対する密封性を保証するために、複層窓の固定を保証するために、又は複層窓に外部要素を追加するために、いくつかのプラスチック要素を、複層窓上に固定することもできる。いくつかの実施形態において、エナメル層などのマスキング要素を、複層窓の周辺の一部分に追加することができる。
【0105】
静止物体又は移動可能物体の内側における熱的快適さを目的として、被覆システムが、複層窓の1つのインターフェイス上に存在することができる。この被覆システムは、一般に、金属に基づいた層を使用しており、赤外光は、このタイプの層によって高度に屈折される。このような被覆システムは、通常、低エネルギー複層窓を実現するために使用される。
【0106】
いくつかの実施形態において、被覆システムは、例えば、霜取り及び/又は曇り止め機能を追加するために、及び/又は建物又は車両の内部における熱の蓄積を低減するために、或いは例えば、寒冷期に内側の熱を維持するために、複層窓上に適用される加熱可能な被覆であってよい。被覆システムは薄く、眼には主に透明である。
【0107】
通常、被覆システムは、複層窓のインターフェイスの表面の大部分をカバーしている。
【0108】
被覆システムは、様々な材料の層から製造することが可能であり、これらの層の少なくとも1つは導電性を有する。例えば、自動車の窓封止におけるものなどのいくつかの実施形態において、被覆システムは、複層窓の1つの主表面の大部分にわたって導電性を有することができる。これは、被覆剥離される部分が良好に設計されていない場合には、加熱点などの課題を生じることができる。
【0109】
適切な被覆システムは、例えば、導電性フィルムである。適切な導電性フィルムは、例えば、透明誘電体、金属フィルム、及び透明誘電体、ITO、フッ素添加すず酸化物(FTO)、又はこれらに類似したものを順番にラミネートすることによって得られるラミネートフィルムである。適切な金属フィルムは、例えば、Ag、Au、Cu、及びAlからなる群から選択される少なくとも1つを主成分として含むフィルムであってよい。
【0110】
被覆システムは、金属に基づいた低放射性被覆システムを含むことができる。このような被覆システムは、通常、赤外放射反射材料及び少なくとも2つの誘電被覆に基づいた、例えば、2つ、3つ、又は4つなどの、1つ又は複数の機能層を含む薄い層のシステムであり、それぞれの機能層は誘電被覆によって取り囲まれている。本発明の被覆システムは、具体的には、少なくとも0.010の放射率を有することができる。機能層は、一般に数ナノメートルの、ほとんどが約5~20nmの厚さを有する銀の層である。誘電層は、一般に透明であり、金属酸化物及び/又は窒化物の1つ又は複数の層から製造されている。これらの様々な層は、例えば、磁界支援型カソードスパッタリングなどの、更に一般的には「マグネトロンスパッタリング」と呼称される真空堆積技法を利用して堆積される。誘電層に加えて、それぞれの機能層は障壁層により保護されていてもよく、或いは、湿潤層上への堆積により改善されていてもよい。
【0111】
いくつかの実施形態において、被覆システムを有する窓の前面におけるアンテナシステムの送信及び受信を極大化するために、被覆システムに起因した減衰を軽減するように、アンテナの前面に被覆剥離された部分を生成することができる。
【0112】
本発明によれば、窓の構造を規定することは、アンテナ構成の送信及び/又は受信を最適化するために距離Dpfを適合させるべく電磁信号の劣化のレベルを推定及び/又は算出するように、被覆システム及び/又は被覆剥離エリアが存在している場合に窓の組立、組成について知ることを意味している。
【0113】
好ましくは、距離Dpf、距離Dpg、及び設置インターフェイスと窓との間の距離は、設置インターフェイスが存在する実施形態において、アンテナ構成の送信及び/又は受信を最適化するように適合される。
【0114】
いくつかの実施形態において、距離Dpfは、中間層などのアンテナ構成のコンポーネント及び/又は距離Dpgなどの層の厚さを規定することにより、アンテナの組立のときに生成される。
【0115】
アンテナ構成は窓上に取り付けることが可能であり、次いで、空隙の厚さを変更することにより、距離Dpf及び/又は距離Dpgを適合させることができる。
【0116】
一実施形態は、第1の態様によるアンテナ構成を組み立てる方法を提供する。組立方法は、
A.第1透明誘電パネル上にパッチネットワークを組み立てるステップと、
B.第2透明誘電パネル上にフィーディングネットワークを組み立てるステップと、
C.第1透明誘電パネル及び第2透明誘電パネルをパネル中間層と一緒に組み立てるステップと、
を含む。
【0117】
いくつかの実施形態において、好ましくは、パネル中間層がガスによって充填された空間であるとき、ステップA及びBを任意の順序で独立して実行することが可能であり、次いで、第1透明誘電パネル及び第2透明誘電パネルは、パネル中間層と一緒に組み立てられる。
【0118】
いくつかの実施形態において、アンテナ構成のコンポーネントは、取扱いを極小化しつつ組立を最適化するために、一緒に置かれ、ラミネートされる。
【0119】
一実施形態は、高周波信号の送信及び/又は受信を最適化するための窓の前面における第1の態様によるアンテナ構成の使用を提供する。
図1
図2