(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-02-09
(45)【発行日】2026-02-18
(54)【発明の名称】車両の上部構造
(51)【国際特許分類】
B62D 25/06 20060101AFI20260210BHJP
B60R 13/02 20060101ALI20260210BHJP
【FI】
B62D25/06 Z
B60R13/02 A
(21)【出願番号】P 2021205113
(22)【出願日】2021-12-17
【審査請求日】2024-10-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100176304
【氏名又は名称】福成 勉
(72)【発明者】
【氏名】蔵田 三穂
(72)【発明者】
【氏名】寺田 栄
(72)【発明者】
【氏名】山田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】中川 興也
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 昭則
(72)【発明者】
【氏名】山下 亘貴
(72)【発明者】
【氏名】松本 健士
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-040071(JP,A)
【文献】特開2020-148939(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0175185(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 25/06
B60R 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルーフパネルと、
前記ルーフパネルに対して車室内側に配され、車幅方向に延びる車体骨格部材と、
前記車体骨格部材に対して車室内側に配され、前記ルーフパネルを車室内側から覆うトップシーリングと、
前記トップシーリングにおける前記ルーフパネル側の上面に固定されるとともに、0.01以上の損失係数を有する振動減衰部材と、
を備え、
前記トップシーリングは、互いに車幅方向に離間する位置でそれぞれが前記車体骨格部材に固定された第1固定部および第2固定部を有しており、
前記振動減衰部材は、
車幅方向における前記第1固定部と前記第2固定部との間であって、且つ、前記車体骨格部材の近傍に配されているとともに、少なくとも2つの共振周波数を有し、且つ、前記少なくとも2つの共振周波数の内の1つの共振周波数が前記トップシーリングの共振周波数に略同一となるように構成されており、
前記上面に固定され、前記ルーフパネル側に向けて延びる柱状の第1部分と、前記第1部分の上端に接続されるとともに、ヤング率と平面視での面積とが前記第1部分よりも大きく、且つ、側周の少なくとも一部が自由端となるよう形成された第2部分とを有し、
1つの前記第1
部分と1つの前記第2
部分との接続により構成されている、
車両の上部構造。
【請求項2】
請求項1に記載の車両の上部構造において、
前記第1固定部と前記第2固定部との直線距離を固定部間距離とするとき、
前記振動減衰部材は、平面視において、前記第1固定部と前記第2固定部とを結ぶ仮想線上、または前記仮想線から前後方向に前記固定部間距離に相当する距離以下の範囲内に配置されている、
車両の上部構造。
【請求項3】
請求項1に記載の車両の上部構造において、
前記車体骨格部材を第1車体骨格部材とするとき、前記ルーフパネルと前記トップシーリングとの間であって、前記第1車体骨格部材に対して後方に離間して配置され、車幅方向に延びる第2車体骨格部材をさらに備え、
前記振動減衰部材は、平面視において、車幅方向における前記第1固定部と前記第2固定部との間の領域であって、且つ、前後方向における前記第1車体骨格部材と前記第2車体骨格部材との間の領域に配置されている、
車両の上部構造。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れかに記載の車両の上部構造において、
前記車体骨格部材は、フロントヘッダである、
車両の上部構造。
【請求項5】
請求項4に記載の車両の上部構造において、
前記第1固定部は、サンバイザーを前記トップシーリングとともに前記車体骨格部材に固定するサンバイザー固定部であり、
前記第2固定部は、前記トップシーリングがガセットを介して前記車体骨格部材に固定される部位であるガセット固定部である、
車両の上部構造。
【請求項6】
請求項1に記載の車両の上部構造において、
前記車体骨格部材は、リアヘッダである、
車両の上部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の上部構造に関し、特に車両におけるトップシーリングの振動抑制構造に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、燃費の向上などを目的として車両の軽量化が進められている。このように車両の軽量化を進めて行く上で車室内に対する騒音低減が重要となる。特に、ルーフパネルに対して車室内側を覆うように取り付けられるトップシーリングについては、当該トップシーリングの振動が車室への騒音の大きな要因となると考えられる。
【0003】
特許文献1には、ルーフパネルとトップシーリングとの間に制振補強材を介挿させてなる車両の上部構造が開示されている。特許文献1における制振補強材は、ウレタンの発泡体などから構成された基材層と、紙や樹脂などから構成され、基材層の表裏両面に積層された表皮層とで構成されている。制振補強材は、ルーフパネルに対して隙間を空けて配されている。そして、制振補強材におけるルーフパネルに面する表皮層には複数の孔が開けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示の制振補強材は、トップシーリングにおけるルーフパネル側の略全面を覆うように設けられているため、製造コストの上昇および車両重量の増加が問題となる。
【0006】
本発明は、上記のような問題の解決を図ろうとなされたものであって、製造コストの上昇および車両重量の増加を抑えながら、トップシーリングの振動を抑制することで車室の騒音を低減することができる車両の上部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る車両の上部構造は、ルーフパネルと、車体骨格部材と、トップシーリングと、振動減衰部材とを備える。前記車体骨格部材は、前記ルーフパネルに対して車室内側に配され、車幅方向に延びる部材である。前記トップシーリングは、前記車体骨格部材に対して車室内側に配され、前記ルーフパネルを車室内側から覆う部材である。前記振動減衰部材は、前記トップシーリングにおける前記ルーフパネル側の上面に固定されるとともに、0.01以上の損失係数を有する部材である。
【0008】
本態様に係る車両の上部構造において、前記トップシーリングは、互いに車幅方向に離間する位置でそれぞれが前記車体骨格部材に固定された第1固定部および第2固定部を有しており、前記振動減衰部材は、車幅方向における前記第1固定部と前記第2固定部との間であって、且つ、前記車体骨格部材の近傍に配されているとともに、少なくとも2つの共振周波数を有し、且つ、前記少なくとも2つの共振周波数の内の1つの共振周波数が前記トップシーリングの共振周波数に略同一となるように構成されている。
また、前記振動減衰部材は、前記上面に固定され、前記ルーフパネル側に向けて延びる柱状の第1部分と、前記第1部分の上端に接続されるとともに、ヤング率と平面視での面積とが前記第1部分よりも大きく、且つ、側周の少なくとも一部が自由端となるよう形成された第2部分とを有する。
さらに、前記振動減衰部材は、1つの前記第1部分と1つの前記第2部分との接続により構成されている。
【0009】
上記態様に係る車両の上部構造では、車体骨格部材の近傍に振動減衰部材を配置することとしているので、トップシーリングの上面の略全体を覆うように制振補強材を配設する上記特許文献1に開示の構造に対して、製造コストの上昇および重量の増加を抑制することができる。
【0010】
また、上記態様に係る車両の上部構造では、第1固定部と第2固定部との間に振動減衰部材を配設することとしているので、車体骨格部材から第1固定部および第2固定部を介してトップシーリングに伝達される振動エネルギによりトップシーリングが振動しようとするが、第1固定部と第2固定部との間(振動の腹となる部分)に配設された振動減衰部材によって振動エネルギを減衰することができ、振動抑制が可能となる。
【0011】
さらに、上記態様に係る車両の上部構造では、振動減衰部材が少なくとも2つの共振周波数を有し、その内の1つの共振周波数がトップシーリングの共振周波数と略同一となるように振動減衰部材を形成しているので、トップシーリングの振動を低減させるための狙いの共振周波数で振幅を減衰させ、且つ、他の共振周波数でも振幅を減衰させることができる。よって、上記態様に係る車両の上部構造では、トップシーリングにおける複数の周波数域での振動を減衰させることが可能である。
【0012】
なお、上記態様において「略同一」とは、振動減衰部材における上記1つの共振周波数がトップシーリングの共振周波数と一致する場合だけでなく、トップシーリングの共振周波数のピークの裾野に当たる周波数領域を含むことを意味する。
【0014】
また、上記態様に係る車両の上部構造では、振動減衰部材の損失係数が0.01以上に設定されているため、トップシーリングの振動減衰に関して高い効果を得ることができる。
【0016】
また、上記態様に係る車両の上部構造では、振動減衰部材が平面視で第1部分よりも大きな面積を有する第2部分を有し、第2部分の側周の少なくとも一部が自由端となっているので、少なくとも2つの共振周波数を有するとの構成を実現するとともに、第2部分における自由端の振動により、振動減衰部材における歪が大きくなり効果的に振動減衰し、トップシーリングの振動を抑制するのに好適である。
【0018】
また、上記態様に係る車両の上部構造では、振動減衰部材が第1部分よりもヤング率が大きい第2部分を有するので、第1部分の伸縮により振動減衰部材が少なくとも2つの共振周波数を有するとの構成を実現するとともに、第1部分の伸縮振動により、振動減衰部材における歪が大きくなり効果的に振動減衰することができる。よって、上記態様に係る車両の上部構造では、簡単で、且つ、軽量な構造でトップシーリングの振動を減衰させることができる。
【0019】
上記態様に係る車両の上部構造において、前記第1固定部と前記第2固定部との直線距離を固定部間距離とするとき、前記振動減衰部材は、平面視において、前記第1固定部と前記第2固定部とを結ぶ仮想線上、または前記仮想線から前後方向に前記固定部間距離に相当する距離以下の範囲内に配置されている、としてもよい。
【0020】
上記態様に係る車両の上部構造では、振動減衰部材を上記仮想線上、または上記仮想線から上記相当する距離以下の範囲内に配置することとしているので、第1固定部および第2固定部との間における振動の腹となる部分で振動減衰部材により振動エネルギを減衰、低減することが可能となる。
【0021】
上記態様に係る車両の上部構造において、前記車体骨格部材を第1車体骨格部材とするとき、前記ルーフパネルと前記トップシーリングとの間であって、前記第1車体骨格部材に対して後方に離間して配置され、車幅方向に延びる第2車体骨格部材をさらに備え、前記振動減衰部材は、平面視において、車幅方向における前記第1固定部と前記第2固定部との間の領域であって、且つ、前後方向における前記第1車体骨格部材と前記第2車体骨格部材との間の領域に配置されている、としてもよい。
【0022】
上記態様に係る車両の上部構造では、振動減衰部材を上記領域に配置するので、車幅方向および前後方向の双方で振動の腹となる部分で振動減衰部材により振動エネルギを減衰させることができる。
【0023】
上記態様に係る車両の上部構造において、前記車体骨格部材は、フロントヘッダである、としてもよい。
【0024】
上記車両の上部構造では、上記車体骨格部材としてフロントヘッダを採用するので、当該フロントヘッダの近傍に振動減衰部材が配されることとなり、フロントサスペンションからフロントヘッダを介して伝達される振動を振動減衰部材に確実に入力させることができる。よって、上記態様に係る車両の上部構造では、トップシーリングの振動を効果的に抑制して車室の騒音を抑えることができる。
【0025】
上記態様に係る車両の上部構造において、前記第1固定部は、サンバイザーを前記トップシーリングとともに前記車体骨格部材に固定するサンバイザー固定部であり、前記第2固定部は、前記トップシーリングがガセットを介して前記車体骨格部材に固定される部位であるガセット固定部である、としてもよい。
【0026】
上記態様に係る車両の上部構造では、第1固定部としてサンバイザー固定部、第2固定部としてガセット固定部を採用するので、フロントサスペンションからフロントヘッダを介して伝達される振動を第1固定部(サンバイザー固定部)と第2固定部(ガセット固定部)との間に配された振動減衰部材に確実に入力させることができる。よって、上記態様に係る車両の上部構造では、トップシーリングの振動を効果的に抑制して車室の騒音を抑えることができる。
【0027】
上記態様に係る車両の上部構造において、前記車体骨格部材は、リアヘッダである、としてもよい。
【0028】
上記態様に係る車両の上部構造では、上記車体骨格部材としてリアヘッダを採用するので、当該リアヘッダの近傍に振動減衰部材が配されることとなり、リアサスペンションからリアヘッダを介して伝達される振動を振動減衰部材に確実に入力させることができる。よって、上記態様に係る車両の上部構造では、トップシーリングの振動を効果的に抑制して車室の騒音を抑えることができる。
【発明の効果】
【0029】
上記の各態様に係る車両の上部構造では、製造コストの上昇および車両重量の増加を抑えながら、トップシーリングの振動を抑制することで車室の騒音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る車両の上部構造を示す平面図である。
【
図2】振動減衰部材の配設位置を示す模式図である。
【
図3】振動減衰部材の構造を示す図であって、(a)は側面図、(b)は下面図である。
【
図4】振動減衰部材の振動モードを示す図であって、(a)は端部が振動するモード、(b)は全体が振動するモード、(c)は撓むように振動するモードを示す。
【
図5】振動減衰部材の固有振動モードを示す特性グラフである。
【
図6】振動減衰部材における損失係数と1次共振ピーク低減量との関係を示すグラフである。
【
図7】台上加振試験で用いたトップシーリングを斜め上方から示す斜視図である。
【
図8】台上加振試験において、車体感度を計測した箇所を示す模式図である。
【
図9】(a)は振動減衰部材の配設位置を示す斜視図であり、(b)は周波数とERPとの関係を示す特性グラフである。
【
図10】(a)は振動減衰部材の配設位置を示す斜視図であり、(b)は周波数とERPとの関係を示す特性グラフである。
【
図11】(a)は振動減衰部材の配設位置を示す斜視図であり、(b)は周波数とERPとの関係を示す特性グラフである。
【
図12】本発明の第2実施形態に係る車両が備える振動減衰部材の構造を示す斜視図である。
【
図13】(a)は解析に用いたモデルを示す斜視図であり、(b)は周波数とPIとの関係を示す特性グラフである。
【
図14】(a)は振動減衰部材の配設位置を示す斜視図であり、(b)は周波数とERPとの関係を示す特性グラフである。
【
図15】(a)は変形例1に係る車両が備える振動減衰部材を示す正面図、(b)はその側面図、(c)は変形例2に係る車両が備える振動減衰部材を示す正面図、(d)は変形例3に係る車両が備える振動減衰部材を示す正面図である。
【
図16】(a)は変形例4に係る車両が備える振動減衰部材を示す正面図、(b)はその下面図、(c)は変形例5に係る車両が備える振動減衰部材を示す正面図、(d)はその下面図である。
【
図17】(a)は変形例6に係る車両が備える振動減衰部材を示す斜視図、(b)は変形例7に係る車両が備える振動減衰部材を示す斜視図、(c)は変形例8に係る車両が備える振動減衰部材を示す斜視図、(d)は変形例9に係る車両が備える振動減衰部材を示す斜視図、(e)は変形例10に係る車両が備える振動減衰部材を示す斜視図である。
【
図18】(a)は変形例11に係る車両が備える振動減衰部材を示す断面図、(b)は変形例12に係る車両が備える振動減衰部材を示す断面図である。
【
図19】(a)は変形例13に係る車両が備える振動減衰部材とトップシーリングとを示す断面図、(b)は変形例14に係る車両が備える振動減衰部材とトップシーリングとを示す断面図、(c)は変形例15に係る車両が備える振動減衰部材とトップシーリングとを示す断面図、(d)は変形例16に係る車両が備える振動減衰部材とトップシーリングとを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下では、本発明の実施形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下で説明の形態は、本発明を例示的に示すものであって、本発明は、その本質的な構成を除き何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
【0032】
[第1実施形態]
1.車両1の上部構造
第1実施形態に係る車両1の上部構造について、
図1を用いて説明する。なお、
図1では、車両1の上部構造の一部を抜き出して図示している。
【0033】
図1に示すように、車両1は、ルーフパネル(図示を省略。)と、左右一対のフロントピラー10と、左右一対のセンターピラー11と、左右一対のルーフサイドレール12と、フロントヘッダ(第1車体骨格部材)13と、左右一対のガセット14と、ルーフレイン(第2車体骨格部材)15およびルーフレイン16と、リアヘッダ19と、トップシーリング17と、振動減衰部材18とを備える。ルーフパネルは、フロントヘッダ13、ルーフレイン15,16、およびリアヘッダ19に取り付けられている。
【0034】
フロントヘッダ13は、ルーフパネルの前部に接合され、車幅方向に延びるように構成されている。ガセット14は、フロントヘッダ13の左右それぞれと、ルーフサイドレール12とに接合されている。ルーフレイン15,16は、フロントヘッダ13に対して後方に離間して配されているとともに、互いに前後方向に離間して配されている。リアヘッダ19は、ルーフパネルの後部に接合され、車幅方向に延びるように構成されている。
【0035】
トップシーリング17は、ルーフパネルの車室側を覆うように配され、複数の固定部でフロントヘッダ13、ガセット14、ルーフレイン15,16、およびリアヘッダ19に固定されている。複数の固定部には、サンバイザー固定部(第1固定部)17bと、ガセット固定部(第2固定部)17cとが含まれる。サンバイザー固定部17cは、トップシーリング17を間に挟んだ状態でサンバイザーがフロントヘッダ13に固定される箇所である。ガセット固定部17cは、ガセット14を介してトップシーリング17がフロントヘッダ13に固定される箇所である。サンバイザー固定部17bおよびガセット固定部17cは、トップシーリング17の前部中央に設けられた開口部17aを挟んで左右対称に配されている。
【0036】
振動減衰部材18は、トップシーリング17の上面(
図1の紙面奥側の面)に接合され、上方のルーフパネルに向けて延びるように形成されている。
【0037】
2.振動減衰部材18の配置
平面視した場合の振動減衰部材18の配置について、
図2を用いて説明する。
図2では、
図1で示した車両1の上部構造の一部を模式的に図示している。
【0038】
図2に示すように、サンバイザー固定部17bおよびガセット固定部17cのそれぞれから後方に向けて仮想線を引く。車幅方向の左右それぞれにおいて、サンバイザー固定部17bを通る仮想線とガセット固定部17cを通る仮想線との間の領域をAr1,Ar2とする。
【0039】
一方、前後方向において、フロントヘッダ13とルーフレイン15との間の領域をAr3とする。
【0040】
この場合に、領域Ar1と領域Ar3との重複領域、および領域Ar2と領域Ar3との重複領域に振動減衰部材18が配されている。
【0041】
3.振動減衰部材18の構成
振動減衰部材18の構成について、
図3を用いて説明する。
【0042】
図3(a)、(b)に示すように、トップシーリング17に接合される下面181aを有する第1部分181と、第1部分181の上面181bに接続される下面182aを有する第2部分182とから構成されている。第1部分181と第2部分182とは、一体形成されていてもよいし、互いに接着されていてもよい。
【0043】
第1部分181および第2部分182のそれぞれは、四角柱形状を有している。そして、
図3(b)に示すように、平面視における第2部分182の面積は、第1部分181よりも大きい。そして、第2部分182の下面182aは、第1部分181の上面181bの全体を覆うように構成されている。なお、第2部分182の上面182bは、ルーフパネルなどに接触しないように配されている。
【0044】
ここで、本実施形態では、第1部分181および第2部分182がともにアクリル発泡体から構成され、ヤング率が0.15MPa、損失係数が0.7、比重が0.15となっている。また、本実施形態では、第1部分181および第2部分182からなる振動減衰部材18は、24gの質量を有する。
【0045】
4.振動減衰部材18の振動モード
振動減衰部材18の振動モードについて、
図4を用いて説明する。
【0046】
図4(a)に示す第1の振動モードは、振動減衰部材18における第2部分182の端部182cが矢印A1で示すように振動するモードである。このモードでは、第2部分182の平面視での面積を第1部分181よりも大きく設定してので、第2部分182の端部182cは第1部分181に拘束されることなく振動することができる。
【0047】
図4(b)に示す第2の振動モードは、振動減衰部材18における第1部分181および第2部分182の全体が矢印A2で示すように高さ方向(車両1の上下方向)に振動するモードである。
【0048】
図4(c)に示す第3の振動モードは、矢印A3で示すように、第1部分181および第2部分182の全体がトップシーリング17との接合部(第1部分181の下面)を中心として倒れるように振動するモードである。
【0049】
以上のように、本実施形態に係る車両1が備える振動減衰部材18は、単に直方体で構成された振動減衰部材を採用する場合に比べて振動モードが多いという優位性を有する。
【0050】
5.イナータンスPI
本実施形態に係る車両1が備える振動減衰部材18のイナータンスPI(単位加振力当たりの加速度振幅の大きさ)について、
図5を用いて説明する。なお、
図5における各サンプル1~3は、次のような構成を有する。
【0051】
〈サンプル1〉 比較例としてのサンプルであって、24gの質量を有する単なる錘である。
【0052】
〈サンプル2〉 実施例1としてのサンプルであって、振動減衰部材18と同じ構成を有し、質量を7gとしたサンプルである。
【0053】
〈サンプル3〉 実施例2としてのサンプルであって、振動減衰部材18と同じ構成を有し、質量を24gとした。
【0054】
図5に示すように、サンプル1では、100Hzを少し超えたあたりに高いピークを有する。そして、サンプル1では、ピークは1点である。
【0055】
これに対して、サンプル2,3では、サンプル1のピークよりも若干高い周波数(102~103Hz付近)にサンプル1よりも低いピークを有する。また、サンプル2,3では、さらに高い周波数(104~105Hz付近)にもピークを有する。さらに、サンプル3では、80Hz付近にもピークを有する。
【0056】
以上のように、サンプル2,3では、複数の共振周波数を有するとともに、単なる錘であるサンプル1に比べて100Hz付近での振幅が1/10以下に低く抑えられる。
【0057】
6.振動減衰部材18の損失係数
トップシーリング17の振動を低減するために、振動減衰部材18の望ましい損失係数についての検討を行った。検討結果を
図6に示す。
【0058】
なお、上記検討に際しては、本実施形態に係る車両1と同様に、振動減衰部材18を備えるモデルを準備した。また、比較のために、振動減衰部材を備えないモデルについても準備した。
【0059】
図6に示すように、振動減衰部材18を備えるモデルにおいて、1次共振ピーク低減量は、損失係数が“0.001”から“0.1”に向けて漸減して行く。そして、損失係数が“0.1”よりも若干大きいポイントから、逆に漸増して行く。
【0060】
振動減衰部材18を備えるモデルにおいて、1次共振ピーク低減量が最も小さいポイントがP1となる。グラフ上にポイントP1を通る垂線を引き、振動減衰部材を備えないモデルでの特性線との交点P2とする。そして、ポイントP1とポイントP2との中点P3を通る横軸に平行な線をフラグ上に引く。このとき、振動減衰部材18を備えるモデルの特性線との交点をP4とする。
【0061】
ポイントP4における損失係数は、“0.01”である。よって、損失係数が“0.01”以上の振動減衰部材18を採用することにより、振動減衰部材を有さないモデルに比べて最大となる効果の50%以上の効果を確保することが可能となる。
【0062】
7.台上加振試験
実車を用いて実施した台上加振試験について、
図7および
図8を用いて説明する。
【0063】
台上加振試験においては、次のサンプルを準備した。
【0064】
〈サンプル11〉 サンプル11は、比較例としてのサンプルであって、トップシーリング17に振動減衰部材を取り付けないサンプルである。
【0065】
〈サンプル12〉 サンプル12は、実施例としてのサンプルであって、トップシーリング17における領域Ar11に振動減衰部材18を取り付けたサンプルである。なお、領域Ar11は、フロントヘッダ13に対して後方に隣接し、且つ、車幅方向におけるサンバイザー固定部17bとガセット固定部17cとの間の領域である。
【0066】
〈サンプル13〉 サンプル13は、実施例としてのサンプルであって、トップシーリング17における領域Ar12に振動減衰部材18を取り付けたサンプルである。なお、領域Ar12は、フロントヘッダ13とルーフレイン15との間の領域であって、且つ、車幅方向におけるサンバイザー固定部17bとガセット固定部17cとの間の領域である。
【0067】
図8に示すように、台上加振試験において、車体感度(振動に対する応答感度)を車室1a内の4箇所で計測した。具体的には、助手席1bにおける搭乗者の耳位置Pos.1と、運転席1cにおける運転者の耳位置Pos.2と、助手席1bの後の後席1dにおける搭乗者の耳位置Pos.3と、運転席1cの後の後席1eにおける搭乗者の耳位置Pos.4とで計測を行った。
【0068】
計測結果を次表に示す。
【0069】
【0070】
表1における車体感度は、数値が小さいほど振動が少ない。そして、サンプル11を基準としてサンプル12,13の計測結果を表している。
【0071】
表1に示すように、サンプル12,13では、各計測位置Pos.1~Pos.4の何れにおいても、比較例としてのサンプル11よりも小さな値を得た。この結果より、振動減衰部材18をトップシーリング17の取り付けたサンプル12,13では、車室1a内における騒音を低減することができることが分かる。
【0072】
8.振動減衰部材18の取付位置とERP
トップシーリング17における振動減衰部材18の取付位置とERP(等価放射パワー:Equivalent Radiated Power)との関係について、
図9から
図11を用いて説明する。なお、
図9から
図11におけるサンプル21~23は、それぞれ次のような構成を有する。
【0073】
〈サンプル21〉 サンプル21は、比較例としてのサンプルであって、トップシーリング17に振動減衰部材18を取り付けていないサンプルである。
【0074】
〈サンプル22〉 サンプル22も、比較例としてのサンプルであって、トップシーリング17に振動減衰部材18と同じ質量の錘を取り付けたサンプルである。
【0075】
〈サンプル23〉 サンプル23は、実施例としてのサンプルであって、トップシーリング17に振動減衰部材18を取り付けたサンプルである。
【0076】
図9(a)に示すように、サンプル23においては、振動減衰部材18をトップシーリング17の前端部分、換言すると、サンバイザー固定部17bとガセット固定部17cとを結ぶ直線状に取り付けた。サンプル22においては、サンプル23の振動減衰部材18を取り付けた位置と同じ位置に錘を取り付けた。
【0077】
図9(b)に示すように、110~140Hzの周波数域(矢印B1で示す領域)では、サンプル21に対してサンプル22,23がともに小さなERPを示した。なお、本発明者等が検討した結果、125Hz前後の周波数での振動が車室1aの騒音に対して大きな影響を及ぼすことが分かった。
【0078】
これより、サンプル22,23では、矢印B1で示す周波数域において、振動減衰部材や錘をトップシーリング17に取り付けなかったサンプル21に対してERPを小さくすることができる。
【0079】
ここで、矢印B2で示す80~105Hzの周波数域では、サンプル22のERPがサンプル21のERPよりも大きくなった。このため、単なる錘をトップシーリング17に取り付けたサンプル22では、110~140Hzの周波数域でのERPが低減される代わりに、80~105Hzの周波数域でのERPが大きくなってしまい、総合的に見て振動減衰効果が低いと考えられる。
【0080】
これに対して、振動減衰部材18をトップシーリング17に取り付けたサンプル23では、80~105Hzの周波数域においてもサンプル21よりもERPが低くなっており、高い振動減衰効果を得ることができる。
【0081】
図10(a)に示すように、サンプル23においては、振動減衰部材18をトップシーリング17におけるフロントヘッダ13への固定部分よりも後方であって、ルーフレイン15の固定部分の前方に隣接する位置に取り付けた。サンプル22においては、サンプル23の振動減衰部材18を取り付けた位置と同じ位置に錘を取り付けた。
【0082】
図10(b)に示すように、110~140Hzの周波数域(矢印C1で示す領域)では、サンプル21に対してサンプル22,23がともにERPが2~3dB小さな値を示した。これより、サンプル22,23では、矢印C1で示す周波数域において、振動減衰部材や錘をトップシーリング17に取り付けなかったサンプル21に対してERPを小さくすることができる。
【0083】
矢印C2で示す75~95Hzの周波数域では、サンプル22のERPがサンプル21のERPよりも大きくなった。このため、単なる錘をトップシーリング17に取り付けたサンプル22では、110~140Hzの周波数域でのERPが低減される代わりに、75~95Hzの周波数域でのERPが大きくなってしまい、総合的に見て振動減衰効果が低いと考えられる。
【0084】
これに対して、振動減衰部材18をトップシーリング17に取り付けたサンプル23では、75~95Hzの周波数域においてもサンプル21よりもERPが低くなっており、高い振動減衰効果を得ることができる。
【0085】
図11(a)に示すように、サンプル23においては、トップシーリング17における
図9(a)で示した取り付け位置と
図10(a)で示した取り付け位置との中間の位置に振動減衰部材18を取り付けた。サンプル22においては、サンプル23の振動減衰部材18を取り付けた位置と同じ位置に錘を取り付けた。
【0086】
図11(b)に示すように、110~140Hzの周波数域(矢印D1で示す領域)では、サンプル21に対してサンプル22,23がともにERPが4dB程度小さな値を示した。これより、サンプル22,23では、矢印D1で示す周波数域において、振動減衰部材や錘をトップシーリング17に取り付けなかったサンプル21に対してERPを小さくすることができる。
【0087】
矢印D2で示す80~90Hzの周波数域では、サンプル22のERPがサンプル21のERPよりも4dB程度大きくなった。このため、単なる錘をトップシーリング17に取り付けたサンプル22では、110~140Hzの周波数域でのERPが低減される代わりに、80~90Hzの周波数域でのERPが大きくなってしまい、総合的に見て振動減衰効果が低いと考えられる。
【0088】
これに対して、振動減衰部材18をトップシーリング17に取り付けたサンプル23では、80~90Hzの周波数域においてもサンプル21よりもERPが3dB程度小さくなっており、高い振動減衰効果を得ることができる。
【0089】
9.効果
本実施形態に係る車両1の上部構造では、トップシーリング17におけるフロントヘッダ(車体骨格部材)13が固定された部分の近傍に振動減衰部材18を配置することとしているので、トップシーリングの上面の略全体を覆うように制振補強材を配設する上記特許文献1に開示の構造に対して、製造コストの上昇および重量の増加を抑制することができる。
【0090】
また、本実施形態に係る車両1の上部構造では、車幅方向において、サンバイザー固定部(第1固定部)17bとガセット固定部(第2固定部)17cとの間に振動減衰部材18を配設することとしているので、フロントヘッダ13からサンバイザー固定部17bおよびガセット固定部17cを介してトップシーリング17に伝達される振動エネルギによりトップシーリング17が振動しようとするが、車幅方向において、サンバイザー固定部17bとガセット固定部17cとの間(振動の腹となる部分)に配設された振動減衰部材18によって振動エネルギが減衰、低減が可能となる。
【0091】
さらに、本実施形態に係る車両1の上部構造では、振動減衰部材18が少なくとも2つの共振周波数を有し、その内の1つの共振周波数がトップシーリング17の共振周波数と略同一となるように振動減衰部材18を形成しているので、トップシーリング17の振動を低減させるための狙いの共振周波数(特に、125Hz付近)で振幅を減衰させ、且つ、他の共振周波数でも振幅を減衰させることができる。よって、車両1の上部構造では、トップシーリング17における複数の周波数域での振動を減衰させることが可能である。
【0092】
また、本実施形態に係る車両1の上部構造では、振動減衰部材18の損失係数が0.01以上に設定されているため、トップシーリング17の振動減衰に関して高い効果を得ることができる。
【0093】
また、本実施形態に係る車両1の上部構造では、振動減衰部材18が平面視で第1部分181よりも大きな面積を有する第2部分182を有し、第2部分182の側周が自由端となっているので、少なくとも2つの共振周波数を有するとの構成を実現するとともに、第2部分182における自由端の振動により、振動減衰部材18における歪が大きくなり効果的に振動減衰し、トップシーリング17の振動を抑制するのに好適である。
【0094】
また、本実施形態に係る車両1の上部構造では、
図9(a)を用いて説明したように、振動減衰部材18をサンバイザー固定部17bとガセット固定部17cとを結ぶ仮想線上に配置することとししてもよく、この場合には、サンバイザー固定部17bおよびガセット固定部17cとの間における振動の腹となる部分で振動減衰部材18により振動エネルギを減衰することができ、トップシーリング17の振動を抑制することが可能となる。
【0095】
また、本実施形態に係る車両1の上部構造では、
図10(a)や
図11(a)を用いて説明した箇所に振動減衰部材18を配置してもよく、この場合には、車幅方向および前後方向の双方で振動の腹となる部分で振動減衰部材18により振動エネルギを減衰させることができる。
【0096】
また、本実施形態に係る車両1の上部構造では、フロントヘッダ13の近傍に振動減衰部材18を配することとしているので、フロントサスペンションからフロントヘッダ13を介して伝達される振動を振動減衰部材18に確実に入力させることができる。よって、車両1の上部構造では、トップシーリング17の振動を効果的に抑制して車室の騒音を抑えることができる。
【0097】
また、本実施形態に係る車両1の上部構造では、車幅方向において、サンバイザー固定部17bとガセット固定部17cとの間に振動減衰部材18を取り付けることとしているので、フロントサスペンションからフロントヘッダ13を介して伝達される振動を車幅方向におけるサンバイザー固定部17bとガセット固定部17cとの間に配された振動減衰部材18に確実に入力させることができる。よって、車両1の上部構造では、トップシーリング17の振動を効果的に抑制して車室1aの騒音を抑えることができる。
【0098】
以上のように、本実施形態に係る車両1の上部構造では、製造コストの上昇および車両重量の増加を抑えながら、トップシーリング17の振動を抑制することで車室の騒音を低減することができる。
【0099】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る車両1の上部構造について、
図12を用いて説明する。なお、本実施形態に係る車両1の上部構造は、上記第1実施形態に係る車両1の上部構造に対して、振動減衰部材28の構成が異なるのみであって、他の構成については、上記第1実施形態と同じである。このため、以下では、上記第1実施形態との差異部分である振動減衰部材28の構成を主に説明する。
【0100】
図12に示すように、本実施形態に係る車両1が備える振動減衰部材28は、トップシーリング17に固定される第1部分281と、第2部分281の上部に接合される第2部分282とから構成されている。第1部分281の縦横寸法L1,W1と、第2部分282の縦横寸法L2,W2とは略同じである。そして、第1部分281と第2部分282とは、振動減衰部材28全体として直方体形状となるように接合されている。
【0101】
第1部分281は、アクリル発泡材から構成されており、ヤング率が0.15MPaである。第2部分282は、PVC(ポリ塩化ビニル)から構成されており、ヤング率が第1部分281よりも大きい1.0MPaである。
【0102】
本実施形態に係る車両1が備える振動減衰部材28は、全体としての損失係数が0.1となるように構成されている。
【0103】
次に、振動減衰部材28におけるイナータンスPIについて、
図13を用いて説明する。
【0104】
図13(a)に示すように、長さが190~210mm、幅が20mm、板厚が3mmのアルミ合金の板材の一端に振動減衰部材28を取り付け、他端を加振点P
Vとし、長手方向の中間点を応答点P
Rとした。
【0105】
なお、
図13(b)においては、サンプル4が
図12に示す振動減衰部材28を備えるサンプルであり、サンプル1,3は、上記第1実施形態で説明したのと同様のサンプルである。
【0106】
図13(b)に示すように、サンプル1は、上述のように、100Hzを少し超えたあたりに高いピークを有する。サンプル3は、80Hz付近と、102~103Hz付近と、104~105Hz付近にそれぞれピークを有する。
【0107】
一方、サンプル4では、95Hz付近と、103~104Hz付近とにピークRf.41,Rf42を有する。即ち、本実施形態に係る車両1が備える振動減衰部材28も、少なくとも2つの共振周波数を有する。
【0108】
次に、振動減衰部材28を採用した場合のERPについて、
図14を用いて説明する。
【0109】
図14(a)に示すように、サンプル31においては、振動減衰部材28をトップシーリング17におけるフロントヘッダ13への固定部分よりも後方であって、ルーフレイン15の固定部分の前方に隣接する位置に取り付けた。なお、
図14(b)では、トップシーリング17に振動減衰部材28を取り付けないサンプル21と、トップシーリング17における同位置に単なる錘(上記第1実施形態を参照。)を取り付けたサンプル22とのERPについても示している。
【0110】
図14(b)に示すように、110~140Hzの周波数域(矢印E1で示す領域)では、サンプル21に対してサンプル22,31がともにERPが2~3dB小さな値を示した。これより、サンプル22,31では、矢印E1で示す周波数域において、振動減衰部材や錘をトップシーリング17に取り付けなかったサンプル21に対してERPを小さくすることができる。
【0111】
矢印E2で示す75~95Hzの周波数域では、サンプル22のERPがサンプル21のERPよりも大きくなった。これに対して、振動減衰部材28をトップシーリング17に取り付けたサンプル31では、75~95Hzの周波数域においてもサンプル21よりもERPが低くなっており、高い振動減衰効果を得ることができる。
【0112】
本実施形態に係る車両1の上部構造においても、上記第1実施形態と同様の配置をもって、トップシーリング17に振動減衰部材28を取り付けることにより、高い振動減衰効果を得ることができる。
【0113】
なお、本実施形態に係る車両1の上部構造では、全体として直方体形状の振動減衰部材28を採用するが、下部の第1部分281がアクリル発泡材からなるのに対して上部の第2部分282がPVCからなるので、第1部分281に対して第2部分282が重くなり、第1部分281の伸縮振動により、振動減衰部材28における歪が大きくなり効果的に振動減衰することができる。よって、振動減衰部材28の全体としての体積が小さくても、トップシーリング17の振動を効果的に減衰できるとともに、狭い空間にも配することが可能である。
【0114】
[変形例1]
変形例1に係る車両1が備える振動減衰部材38について、
図15(a)、(b)を用いて説明する。
【0115】
図15(a)、(b)に示すように、振動減衰部材38も、上記振動減衰部材18と同様に、トップシーリング17に固定される第1部分381と、第1部分381の上部に接合された第2部分382とで構成されている。
【0116】
第1部分381の長さはL3であるのに対して、第2部分382の長さはL3よりも長いL4である。そして、第1部分381の幅W3と第2部分382の幅W4とは略同一である。これより、第2部分382の平面視での面積は、上記第1実施形態と同様に、第1部分381の平面視での面積よりも大きい。
【0117】
振動減衰部材38においても、フロントヘッダ13等から入力された振動エネルギにより第2部分382の長手方向端部が振動したり、第1部分381および第2部分382が上下に振動したりすることにより振動が減衰される。
【0118】
なお、振動減衰部材38における第1部分381および第2部分382のそれぞれについては、上記第1実施形態と同様にアクリル発泡材から構成されてもよく、上記第2実施形態と同様に第1部分381がアクリル発泡材から構成され、第2部分382がPVCから構成されてもよい。そして、振動減衰部材38についても、少なくとも2つの共振周波数を有し、損失係数が0.01以上である。
【0119】
[変形例2]
変形例2に係る車両1が備える振動減衰部材48について、
図15(c)を用いて説明する。
【0120】
図15(c)に示すように、振動減衰部材48は、2つの第1部分481,482と、1つの第2部分483とから構成されている。第1部分481,482は、ともにトップシーリング17に取り付けられる部位であって、第2部分483の下面483aに対して長手方向の両端部に接合されている。
【0121】
振動減衰部材48においても、フロントヘッダ13等から入力された振動エネルギにより第2部分483の長手方向中央部分483bが振動したり、第1部分481,482および第2部分483が上下に振動したりすることにより振動が減衰される。
【0122】
なお、振動減衰部材48における第1部分481,482および第2部分483のそれぞれについては、上記第1実施形態と同様にアクリル発泡材から構成されてもよく、上記第2実施形態と同様に第1部分481,482がアクリル発泡材から構成され、第2部分483がPVCから構成されてもよい。そして、振動減衰部材48についても、少なくとも2つの共振周波数を有し、損失係数が0.01以上である。
【0123】
[変形例3]
変形例3に係る車両1が備える振動減衰部材58について、
図15(d)を用いて説明する。
【0124】
図15(d)に示すように、振動減衰部材58は、2つの第1部分581,582と、1つの第2部分583とから構成されている。第1部分581,582は、ともにトップシーリング17に取り付けられる部位であって、第2部分583の下面583aに対して長手方向の両端部よりも若干内側の部分に接合されている。
【0125】
振動減衰部材58においても、フロントヘッダ13等から入力された振動エネルギにより第2部分583の長手方向中央部分583bや両端部583bが振動したり、第1部分581,582および第2部分583が上下に振動したりすることにより振動が減衰される。
【0126】
なお、振動減衰部材58における第1部分581,582および第2部分583のそれぞれについては、上記第1実施形態と同様にアクリル発泡材から構成されてもよく、上記第2実施形態と同様に第1部分581,582がアクリル発泡材から構成され、第2部分583がPVCから構成されてもよい。そして、振動減衰部材58についても、少なくとも2つの共振周波数を有し、損失係数が0.01以上である。
【0127】
[変形例4]
変形例4に係る車両1が備える振動減衰部材68について、
図16(a)、(b)を用いて説明する。
【0128】
図16(a)、(b)に示すように、振動減衰部材68も、上記振動減衰部材18と同様に、トップシーリング17に固定される第1部分681と、第1部分681の上部に接合された第2部分682とで構成されている。
【0129】
第1部分681の幅はW5であるのに対して、第2部分682の幅はW5よりも広いW6である。そして、第2部分682の平面視での面積は、上記第1実施形態と同様に、第1部分681の平面視での面積よりも大きい。ただし、振動減衰部材68は、第1部分682の上面の一部681aが上方に露出するように第2部分682が接合されている。即ち、振動減衰部材68では、第2部分682が第1部分681の上部を完全には覆っていない。
【0130】
振動減衰部材68においても、フロントヘッダ13等から入力された振動エネルギにより第2部分682における長手方向の一方の端部682aや幅方向における端部682bが振動したり、第1部分681および第2部分682が上下に振動したりすることにより振動が減衰される。
【0131】
なお、振動減衰部材68における第1部分681および第2部分682のそれぞれについては、上記第1実施形態と同様にアクリル発泡材から構成されてもよく、上記第2実施形態と同様に第1部分681がアクリル発泡材から構成され、第2部分682がPVCから構成されてもよい。そして、振動減衰部材68についても、少なくとも2つの共振周波数を有し、損失係数が0.01以上である。
【0132】
[変形例5]
変形例5に係る車両1が備える振動減衰部材78について、
図16(c)、(d)を用いて説明する。
【0133】
図16(c)、(d)に示すように、振動減衰部材78も、上記振動減衰部材18と同様に、トップシーリング17に固定される第1部分781と、第1部分781の上部に接合された第2部分782とで構成されている。
【0134】
第1部分781の幅はW7であって、第2部分782の幅W8と略同一である。そして、第2部分782の平面視での面積は、上記第1実施形態と同様に、第1部分781の平面視での面積よりも大きい。ただし、振動減衰部材78も、第1部分782の上面の一部781aが上方に露出するように第2部分782が接合されている。即ち、振動減衰部材78でも、第2部分782が第1部分781の上部を完全には覆っていない。
【0135】
振動減衰部材78においても、フロントヘッダ13等から入力された振動エネルギにより第2部分782における長手方向の一方の端部782aが振動したり、第1部分781および第2部分782が上下に振動したりすることにより振動が減衰される。
【0136】
なお、振動減衰部材78における第1部分781および第2部分782のそれぞれについては、上記第1実施形態と同様にアクリル発泡材から構成されてもよく、上記第2実施形態と同様に第1部分781がアクリル発泡材から構成され、第2部分782がPVCから構成されてもよい。そして、振動減衰部材78についても、少なくとも2つの共振周波数を有し、損失係数が0.01以上である。
【0137】
[変形例6]
変形例6に係る車両1が備える振動減衰部材88について、
図17(a)を用いて説明する。
【0138】
上記第1実施形態や上記第2実施形態などで採用した振動減衰部材18,28では、第1部分181,281と第2部分182,282とが接合された構成を有することとしたが、本変形例では、一体構成を有する振動減衰部材88を採用する。
【0139】
振動減衰部材88についても、少なくとも2つの共振周波数を有し、損失係数が0.01以上である。そして、振動減衰部材88の長さ寸法と幅寸法と高さ寸法との相互の関係を規定することにより共振周波数を任意に規定することができる。これにより、本変形例においても、振動減衰部材88によってトップシーリング17の振動を低減することができる。
【0140】
また、本変形例では、単一の材料から構成される振動減衰部材88を採用することにより、複数の部材を接合する構成の振動減衰部材を採用する場合に比べて製造コストの上昇を抑えることができる。
【0141】
[変形例7]
変形例7に係る車両1が備える振動減衰部材98について、
図17(b)を用いて説明する。
【0142】
本変形例においても、単一の材料を用いて一体形成された振動減衰部材98を採用する。そして、振動減衰部材98についても、少なくとも2つの共振周波数を有し、損失係数が0.01以上である。
【0143】
振動減衰部材98は、トップシーリング17に取り付けられる下部から自由端である上部へと行くのに従って横断面が漸増するように形成されており、正面視で台形状を有する。本変形例においても、振動減衰部材98の上部が撓むことによって振動エネルギを消費し、トップシーリング17の振動を低減することができる。
【0144】
また、本変形例でも、単一の材料から構成される振動減衰部材98を採用することにより、複数の部材を接合する構成の振動減衰部材を採用する場合に比べて製造コストの上昇を抑えることができる。
【0145】
[変形例8]
変形例8に係る車両1が備える振動減衰部材108について、
図17(c)を用いて説明する。
【0146】
本変形例では、一体形成され、円柱形状を有する振動減衰部材108を採用する。振動減衰部材108についても、少なくとも2つの共振周波数を有し、損失係数が0.01以上である。そして、振動減衰部材108の横断面径と高さ寸法との相互の関係を規定することにより共振周波数を任意に規定することができる。これにより、本変形例においても、振動減衰部材108によってトップシーリング17の振動を低減することができる。
【0147】
また、本変形例でも、単一の材料から構成される振動減衰部材88を採用することにより、複数の部材を接合する構成の振動減衰部材を採用する場合に比べて製造コストの上昇を抑えることができる。
【0148】
[変形例9]
変形例9に係る車両1が備える振動減衰部材118について、
図17(d)を用いて説明する。
【0149】
本変形例においても、単一の材料を用いて一体形成された振動減衰部材118を採用する。そして、振動減衰部材118についても、少なくとも2つの共振周波数を有し、損失係数が0.01以上である。
【0150】
振動減衰部材118は、トップシーリング17に取り付けられる下面118aから自由端である上面118bへと行くのに従って横断面径が漸増するように形成されており、逆円錐台形状を有する。本変形例においても、振動減衰部材118の上部が撓むことによって振動エネルギを消費し、トップシーリング17の振動を低減することができる。
【0151】
また、本変形例でも、単一の材料から構成される振動減衰部材118を採用することにより、複数の部材を接合する構成の振動減衰部材を採用する場合に比べて製造コストの上昇を抑えることができる。
【0152】
[変形例10]
変形例10に係る車両1が備える振動減衰部材128について、
図17(e)を用いて説明する。
【0153】
本変形例では、それぞれが円柱形状を有する第1部分1281と第2部分1282とが一体形成された振動減衰部材128を採用する。振動減衰部材128についても、少なくとも2つの共振周波数を有し、損失係数が0.01以上である。本変形例においても、振動減衰部材128によってトップシーリング17の振動を低減することができる。
【0154】
また、本変形例でも、単一の材料から構成される振動減衰部材128を採用することにより、複数の部材を接合する構成の振動減衰部材を採用する場合に比べて製造コストの上昇を抑えることができる。
【0155】
[変形例11]
変形例11に係る車両1が備える振動減衰部材138について、
図18(a)を用いて説明する。
【0156】
図18(a)に示すように、振動減衰部材138も、上記振動減衰部材18と同様に、トップシーリング17に固定される第1部分1381と、第1部分1381の上部に接合された第2部分1382とで構成されている。
【0157】
本変形例では、第1部分1381および第2部分1382がともに発泡材(例えば、アクリル発泡材)から構成されているが、第2部分1382の密度が第1部分1381よりも高く設定されている。そして、振動減衰部材138についても、少なくとも2つの共振周波数を有し、損失係数が0.01以上である。
【0158】
本変形例においても、振動減衰部材138によってトップシーリング17の振動を低減することができる。
【0159】
[変形例12]
変形例12に係る車両1が備える振動減衰部材148について、
図18(b)を用いて説明する。
【0160】
図18(b)に示すように、振動減衰部材148は、トップシーリング17に固定される第1部分1481と、第1部分1481の上部に接合された中間部分1482と、中間部分1482の上部に接合された第2部分1483とで構成されている。
【0161】
本変形例でも、第1部分1481、中間部分1482、および第2部分1482がともに発泡材(例えば、アクリル発泡材)から構成されており、中間部分1482の密度が第1部分1481よりも高く、第2部分1483の密度が中間部分1482よりも高く設定されている。そして、振動減衰部材148についても、少なくとも2つの共振周波数を有し、損失係数が0.01以上である。
【0162】
本変形例においても、振動減衰部材148によってトップシーリング17の振動を低減することができる。
【0163】
なお、上記変形例11では、発泡材の密度が第1部分1381と第2部分1382とで変わるように振動減衰部材138を構成し、上記変形例12では、発泡材の密度が第1部分1481と中間部分1482と第2部分1483とで変わるように振動減衰部材148を構成したが、トップシーリング17に接合される下面から自由端である上面へと行くのに従って密度が漸次高くなるように構成された一体形成の振動減衰部材を採用することも可能である。
【0164】
[変形例13]
変形例13に係る車両1でのトップシーリング17への振動減衰部材158の取付構造について、
図19(a)を用いて説明する。
【0165】
図19(a)に示すように、本変形例においては、短冊板状の振動減衰部材158を備える。振動減衰部材158は、トップシーリング17における凸部17dに取り付けられ、凸部17dの周辺の部分(周辺部)17eに対しては隙間が空いた状態となっている。なお、振動減衰部材158についても、少なくとも2つの共振周波数を有し、損失係数が0.01以上である。
【0166】
トップシーリング17に振動が伝達された場合においては、振動減衰部材17におけるトップシーリング17から離間した部分(離間部分)158aが矢印F1で示すように振動し、これにより振動エネルギを消費する。よって、振動減衰部材158によってトップシーリング17の振動が減衰される。
【0167】
[変形例14]
変形例14に係る車両1でのトップシーリング17への振動減衰部材158の取付構造について、
図19(b)を用いて説明する。
【0168】
図19(b)に示すように、本変形例においても、短冊板状の振動減衰部材158を備える。振動減衰部材158は、トップシーリング17における凹部17fを跨ぐように当該凹部17fの周辺部17gに取り付けられている。
【0169】
トップシーリング17に振動が伝達された場合においては、振動減衰部材17におけるトップシーリング17から離間した部分(離間部分)158b、即ち、トップシーリング17の凹部17fの上に配された部分が矢印F2で示すように振動し、これにより振動エネルギを消費する。よって、振動減衰部材158によってトップシーリング17の振動が減衰される。
【0170】
[変形例15]
変形例15に係る車両1でのトップシーリング17への振動減衰部材158の取付構造について、
図19(c)を用いて説明する。
【0171】
図19(c)に示すように、本変形例においても、短冊板状の振動減衰部材158を備える。振動減衰部材158は、トップシーリング17における上面17hに対して、厚みを有する接着部材20を介して取り付けられ、下面158cにおける接着部材20が接着された部分の周辺がトップシーリング17の上面17hから離間した状態となっている。
【0172】
トップシーリング17に振動が伝達された場合においては、振動減衰部材17におけるトップシーリング17から離間した離間部分(長手方向の端部)158aが矢印F3で示すように振動し、これにより振動エネルギを消費する。よって、振動減衰部材158によってトップシーリング17の振動が減衰される。
【0173】
[変形例16]
変形例16に係る車両1でのトップシーリング17への振動減衰部材158の取付構造について、
図19(d)を用いて説明する。
【0174】
図19(d)に示すように、本変形例においても、短冊板状の振動減衰部材158を備える。振動減衰部材158は、トップシーリング17における上面17hに対して、厚みを有する2つの接着部材20を介して取り付けられ、下面158cにおける接着部材20が接着された部分同士の間の部分がトップシーリング17の上面17hから離間した状態となっている。
【0175】
トップシーリング17に振動が伝達された場合においては、振動減衰部材17におけるトップシーリング17から離間した離間部分(長手方向の中央部分)158bが矢印F4で示すように振動し、これにより振動エネルギを消費する。よって、振動減衰部材158によってトップシーリング17の振動が減衰される。
【0176】
[その他の変形例]
上記第1実施形態、上記第2実施形態、および上記変形例1~16では、振動減衰部材18,28,38,48,58,68,78,88,98,108,118,128,138,148,158が0.01以上の損失係数を有することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。トップシーリング17に振動減衰部材を取り付けることにより、振動減衰部材を取り付けない場合よりも振動減衰効果を得られれば、振動減衰部材の損失係数は0.01よりも小さくてもよい。
【0177】
上記第1実施形態および上記第2実施形態では、振動減衰部材18,28をフロントヘッダ13の近傍に取り付けることとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではなく、ルーフレイン15,16の近傍やリアヘッダ19の近傍に取り付けることとしてもよい。このような構成を採用する場合においても、上記第1実施形態や上記第2実施形態と同様に、トップシーリング17の振動を減衰でき、車室1aの騒音を低く抑えることができる。さらに、車両におけるトップシーリングの形状等に応じて、振動の腹となる部分に振動減衰部材18,28,38,48,58,68,78,88,98,108,118,128,138,148,158を取り付けることで、上記同様の効果を得ることができる。
【0178】
上記第1実施形態では、
図9(a)に示す位置(サンバイザー固定部17bとガセット固定部17cとを結ぶ仮想線上の位置)に振動減衰部材18を配置することとしたが、本発明は、車体骨格部材の近傍に振動減衰部材を配置することで上記同様の効果を得ることができる。例えば、第1固定部(サンバイザー固定部17b)と第2固定部(ガセット固定部17c)との直線距離を固定部間距離とするとき、第1固定部と第2固定部とを結ぶ仮想線から前後方向に前記固定部間距離に相当する距離以下の範囲内に振動減衰部材を配置することとしても、上記同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0179】
1 車両
1a 車室
13 フロントヘッダ(第1車体骨格部材)
14 ガセット
15 ルーフレイン(第2車体骨格部材)
17 トップシーリング
17b サンバイザー固定部(第1固定部)
17c ガセット固定部(第2固定部)
18,28,38,48,58,68,78,88,98,108,118,128,138,148,158 振動減衰部材
19 リアヘッダ(車体骨格部材)
181,281,381,481,482,581,582,681,781,1281,1381,1481 下部(第1部分)
182,282,382,483,583,682,782,1282,1382,1483 上部(第2部分)