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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-02-09
(45)【発行日】2026-02-18
(54)【発明の名称】排ガス浄化触媒装置
(51)【国際特許分類】
   B01J 29/76 20060101AFI20260210BHJP
   B01J 35/40 20240101ALI20260210BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20260210BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20260210BHJP
   F01N 3/10 20060101ALI20260210BHJP
   F01N 3/28 20060101ALI20260210BHJP
【FI】
B01J29/76 A
B01J35/40
B01D53/94 222
B01D53/94 ZAB
B01D53/94 228
F01N3/24 E
F01N3/10 A
F01N3/28 Q
F01N3/28 301G
F01N3/28 301D
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2025509157
(86)(22)【出願日】2024-10-15
(86)【国際出願番号】 JP2024036658
【審査請求日】2025-02-18
(31)【優先権主張番号】P 2024090806
(32)【優先日】2024-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000104607
【氏名又は名称】株式会社キャタラー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100122404
【弁理士】
【氏名又は名称】勝又 秀夫
(72)【発明者】
【氏名】大島 立寛
(72)【発明者】
【氏名】河野 祐也
(72)【発明者】
【氏名】丸山 達也
(72)【発明者】
【氏名】寺▲崎▼ 史高
【審査官】駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特表2022-545638(JP,A)
【文献】特開2002-355638(JP,A)
【文献】特開2012-250175(JP,A)
【文献】特開2020-110797(JP,A)
【文献】特開2021-169095(JP,A)
【文献】特開2021-186704(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J21/00-38/74
B01D53/73
B01D53/86-53/90
B01D53/94
B01D53/96
F01N 3/00
F01N 3/02
F01N 3/04-3/38
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材、及び前記基材上の触媒コート層を含む、排ガス浄化触媒装置であって、
前記基材が、コージェライト製であり、
前記触媒コート層が、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含み、
前記Fe-BEA型ゼオライトのSARが5.0以上14.0以下であ
前記Fe粒子の平均粒径D50が0.01μm以上0.90μm以下であ
前記Fe粒子の量が、前記Fe-BEA型ゼオライト100質量部に対して0.10質量部以上8.00質量部以下である、
排ガス浄化触媒装置。
【請求項2】
前記Fe粒子の平均粒径D50が0.01μm超0.90μm未満である、請求項1に記載の排ガス浄化触媒装置。
【請求項3】
前記Fe粒子の量が、前記Fe-BEA型ゼオライト100質量部に対して、0.10質量部超6.00質量部以下である、請求項1に記載の排ガス浄化触媒装置。
【請求項4】
前記Fe粒子の量が、前記Fe-BEA型ゼオライト100質量部に対して、0.10質量部超6.00質量部以下である、請求項2に記載の排ガス浄化触媒装置。
【請求項5】
前記Fe-BEA型ゼオライトにおけるFe換算のFe量が、前記Fe-BEA型ゼオライトの全質量を基準として、1.0質量%以上10.0質量%以下である、
請求項1~4のいずれか一項に記載の排ガス浄化触媒装置。
【請求項6】
前記Fe-BEA型ゼオライトのSARが7.0以上12.0以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の排ガス浄化触媒装置。
【請求項7】
前記触媒コート層が白金族元素を全く含まないか、又は
前記触媒コート層における白金族元素の量が、前記基材容量1L当たりの金属換算の白金族元素の合計量として、0.1g/L以下である、
請求項1~4のいずれか一項に記載の排ガス浄化触媒装置。
【請求項8】
前記触媒コート層が単層構成である、請求項1~4のいずれか一項に記載の排ガス浄化触媒装置。
【請求項9】
前記触媒コート層が、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含む第1の触媒コート層と、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含まない第2の触媒コート層とから構成される、請求項1に記載の排ガス浄化触媒装置。
【請求項10】
前記第2の触媒コート層が、白金及びパラジウムから選択される1種又は2種を含む、請求項9に記載の排ガス浄化触媒装置。
【請求項11】
前記第2の触媒コート層が、Cu-ゼオライトを含む、請求項9に記載の排ガス浄化触媒装置。
【請求項12】
前記触媒コート層が、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含む第1の触媒コート層と、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含まない第2の触媒コート層とから構成される、請求項2に記載の排ガス浄化触媒装置。
【請求項13】
前記第2の触媒コート層が、白金及びパラジウムから選択される1種又は2種を含む、請求項12に記載の排ガス浄化触媒装置。
【請求項14】
前記第2の触媒コート層が、Cu-ゼオライトを含む、請求項12に記載の排ガス浄化触媒装置。
【請求項15】
前記触媒コート層が、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含む第1の触媒コート層と、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含まない第2の触媒コート層とから構成される、請求項3に記載の排ガス浄化触媒装置。
【請求項16】
前記第2の触媒コート層が、白金及びパラジウムから選択される1種又は2種を含む、請求項15に記載の排ガス浄化触媒装置。
【請求項17】
前記第2の触媒コート層が、Cu-ゼオライトを含む、請求項15に記載の排ガス浄化触媒装置。
【請求項18】
前記触媒コート層が、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含む第1の触媒コート層と、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含まない第2の触媒コート層とから構成される、請求項4に記載の排ガス浄化触媒装置。
【請求項19】
前記第2の触媒コート層が、白金及びパラジウムから選択される1種又は2種を含む、請求項18に記載の排ガス浄化触媒装置。
【請求項20】
前記第2の触媒コート層が、Cu-ゼオライトを含む、請求項18に記載の排ガス浄化触媒装置。
【請求項21】
ディーゼルエンジンのSCR触媒として用いられる、請求項1~4及び9~20のいずれか一項に記載の排ガス浄化触媒装置。
【請求項22】
ディーゼルエンジンのASC触媒として用いられる、請求項10、13、16、及び19のいずれか一項に記載の排ガス浄化触媒装置。
【請求項23】
ディーゼルエンジンの排ガスを、請求項1~4及び9~20のいずれか一項に記載の排ガス浄化触媒装置を用いて浄化することを含む、排ガス浄化方法。
【請求項24】
請求項1~4及び9~20のいずれか一項に記載の排ガス浄化触媒装置、及びASC装置を含む、排ガス浄化触媒システム。
【請求項25】
DOC装置及びDPF装置から選択される1種又は2種の排ガス浄化触媒装置を更に含む、請求項24に記載の排ガス浄化触媒システム。
【請求項26】
ディーゼルエンジンの排ガスを、請求項24に記載の排ガス浄化触媒システムを用いて浄化することを含む、排ガス浄化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス浄化触媒装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の内燃機関、特にディーゼルエンジンから排出される排ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)を浄化する方法として、選択的触媒還元(SCR)と呼ばれるプロセスが知られている。SCRプロセスは、還元剤としてアンモニアを用いて、触媒によってNOxを選択的に触媒還元するプロセスである。
【0003】
SCRプロセスでは、NOxの還元浄化の副生成物として、NOが生成されることがある。このNOは、地球温暖化ガスとして知られており、その排出量は出来るだけ抑制されることが望まれる。
【0004】
SCRプロセスにおけるNOの排出を抑制するために、Cu-ゼオライト(特にCu-CHA)とFe-ゼオライト(特にFe-BEA)とを併用することが知られている。しかし、Fe-BEAは、排ガス中の炭化水素(HC)に被毒されて活性が低下するとの問題がある。
【0005】
更に、HC被毒されたFe-BEAを再生するために、加熱処理によりHCを脱離させることが考えられる。しかし、被毒されたFe-BEAからHCを脱離させるには、極めて高温における加熱を要するため、BEAゼオライト構造の破壊による活性低下が懸念される。
【0006】
そこで、従来技術において、Fe-BEAを含むSCRにおいて、Fe-BEAのHC被毒を抑制するための手段がいくつか提案されている。
【0007】
例えば、特許文献1では、排ガス浄化触媒装置の触媒層を2層構成とし、下層にFe-BEAを配置し、上層にCu-ゼイライトを配置することにより、Fe-BEAとHCとの接触頻度を低下させることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2016-221517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1を始めとする従来技術では、Fe-BEAのHC被毒の抑制効果は不十分である。また、Fe-BEAがいったんHC被毒されたときの再生温度が極めて高く、実効的な被毒再生プロセスを構築できないとの問題がある。
【0010】
本発明の目的は、HCの50%浄化温度が低く、したがって、HCが吸着しても、容易に除去されてFe-BEAのHC被毒が効果的に抑制されるとともに、NHの50%浄化温度が高く、NHが酸化されずにNOx浄化の還元剤として利用されて、高度のNOx浄化性能を示す、排ガス浄化触媒装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、以下のとおりである。
【0012】
《態様1》基材、及び前記基材上の触媒コート層を含む、排ガス浄化触媒装置であって、
前記触媒コート層が、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含む、
排ガス浄化触媒装置。
《態様2》前記Fe粒子の平均粒径D50が0.90μm未満である、態様1に記載の排ガス浄化触媒装置。
《態様3》前記Fe粒子の量が、前記Fe-BEA型ゼオライト100質量部に対して、0.10質量超10.00質量未満である、態様1に記載の排ガス浄化触媒装置。
《態様4》前記Fe粒子の量が、前記Fe-BEA型ゼオライト100質量部に対して、0.10質量超10.00質量未満である、態様2に記載の排ガス浄化触媒装置。
《態様5》前記Fe-BEA型ゼオライトにおけるFe換算のFe量が、前記Fe-BEA型ゼオライトの全質量を基準として、1.0質量%以上10.0質量%以下である、
態様1~4のいずれか一項に記載の排ガス浄化触媒装置。
《態様6》前記Fe-BEA型ゼオライトのSARが20.0以下である、態様1~4のいずれか一項に記載の排ガス浄化触媒装置。
《態様7》前記触媒コート層が白金族元素を実質的に含まない、態様1~4のいずれか一項に記載の排ガス浄化触媒装置。
《態様8》前記触媒コート層が単層構成である、態様1~4のいずれか一項に記載の排ガス浄化触媒装置。
《態様9》前記触媒コート層が、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含む第1の触媒コート層と、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含まない第2の触媒コート層とから構成される、態様1に記載の排ガス浄化触媒装置。
《態様10》前記第2の触媒コート層が、白金及びパラジウムから選択される1種又は2種を含む、態様9に記載の排ガス浄化触媒装置。
《態様11》前記第2の触媒コート層が、Cu-ゼオライトを含む、態様9に記載の排ガス浄化触媒装置。
《態様12》
前記触媒コート層が、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含む第1の触媒コート層と、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含まない第2の触媒コート層とから構成される、態様2に記載の排ガス浄化触媒装置。
《態様13》
前記第2の触媒コート層が、白金及びパラジウムから選択される1種又は2種を含む、態様12に記載の排ガス浄化触媒装置。
《態様14》
前記第2の触媒コート層が、Cu-ゼオライトを含む、態様12に記載の排ガス浄化触媒装置。
《態様15》
前記触媒コート層が、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含む第1の触媒コート層と、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含まない第2の触媒コート層とから構成される、態様3に記載の排ガス浄化触媒装置。
《態様16》
前記第2の触媒コート層が、白金及びパラジウムから選択される1種又は2種を含む、態様15に記載の排ガス浄化触媒装置。
《態様17》
前記第2の触媒コート層が、Cu-ゼオライトを含む、態様15に記載の排ガス浄化触媒装置。
《態様18》
前記触媒コート層が、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含む第1の触媒コート層と、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含まない第2の触媒コート層とから構成される、態様4に記載の排ガス浄化触媒装置。
《態様19》
前記第2の触媒コート層が、白金及びパラジウムから選択される1種又は2種を含む、態様18に記載の排ガス浄化触媒装置。
《態様20》
前記第2の触媒コート層が、Cu-ゼオライトを含む、態様18に記載の排ガス浄化触媒装置。
《態様21》ディーゼルエンジンのSCR触媒として用いられる、態様1~4及び9~20のいずれか一項に記載の排ガス浄化触媒装置。
《態様22》ディーゼルエンジンのASC触媒として用いられる、態様10、13、16、及び19のいずれか一項に記載の排ガス浄化触媒装置。
《態様23》ディーゼルエンジンの排ガスを、態様1~4及び9~20のいずれか一項に記載の排ガス浄化触媒装置を用いて浄化することを含む、排ガス浄化方法。
《態様24》態様1~4及び9~20のいずれか一項に記載の排ガス浄化触媒装置、及びASC装置を含む、排ガス浄化触媒システム。
《態様25》DOC装置及びDPF装置から選択される1種又は2種の排ガス浄化触媒装置を更に含む、態様24に記載の排ガス浄化触媒システム。
《態様26》ディーゼルエンジンの排ガスを、態様24に記載の排ガス浄化触媒システムを用いて浄化することを含む、排ガス浄化方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、HCによる被毒が効果的に抑制されるとともに、NHの50%浄化温度(T50)が高く、NHが酸化されずにNOx浄化の還元剤として利用されて、高度のNOx浄化性能を示す、排ガス浄化触媒装置が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
《排ガス浄化触媒装置》
本発明の排ガス浄化触媒装置は、
基材、及び前記基材上の触媒コート層を含む、排ガス浄化触媒装置であって、
前記触媒コート層が、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含む、
排ガス浄化触媒装置である。
【0015】
本発明の排ガス浄化触媒装置では、触媒コート層に添加したFe粒子が、吸着したHCの燃焼を促進することにより、Fe-BEAをHC被毒状態から回復させて、SCR性能が高い水準で維持されると考えられる。ただし、本発明は、特定の理論に拘束されない。
【0016】
以下、本発明の排ガス浄化触媒装置を構成する要素について、順に説明する。
【0017】
〈基材〉
本発明の排ガス浄化触媒装置における基材は、隔壁によって区分された複数のセル流路を有する基材であってよく、従来技術の排ガス浄化触媒装置に用いられているハニカム基材であってよい。基材の隔壁は、隣接する排ガス流路間を流体的に連通する細孔を有していてもよいし、このような細孔を有していなくてもよい。
【0018】
基材の構成材料は、例えば、コージェライト、炭化ケイ素(SiC)等の耐火性無機酸化物であってよいし、金属であってもよい。基材は、ストレートフロー型であっても、ウォールフロー型であってもよい。
【0019】
本発明の排ガス浄化触媒装置の製造方法における基材は、典型的には、例えば、コージェライト製又はSiC製のストレートフロー型のモノリスハニカム基材、コージェライト製又はSiC製のウォールフロー型のモノリスハニカム基材、メタルハニカム基材等であってよい。
【0020】
基材の形状は、円柱形、楕円柱形、多角柱等であってよい。
【0021】
基材の容量は、底面積×長さで表される見かけ容量として、例えば、500mL以上、800mL以上、1.0L以上、又は1.2L以上であってよく、例えば、8.0L以下、5.0L以下、3.0L以下、2.0L以下、1.5L以下、又は1.2L以下であってよい。
【0022】
〈触媒コート層〉
触媒コート層は、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含む。本発明の排ガス浄化触媒装置において本発明の効果を発現させるためには、Fe-BEA型ゼオライトとFe粒子とは、互いに近接して配置されていることが望まれる。そのため、Fe-BEA型ゼオライトとFe粒子とは、1つの層の中に共存していてよい。
【0023】
(Fe-BEA型ゼオライト)
本発明の排ガス浄化触媒装置における触媒コート層は、Fe-BEA型ゼオライトを含む。Fe-BEA型ゼオライトは、本発明の排ガス浄化触媒装置において、SCR触媒を発現する機能を有すると考えられる。
【0024】
Fe-BEA型ゼオライトにおけるFe換算のFe量は、良好なSCR触媒の発現を担保するとの観点から、Fe-BEA型ゼオライトの全質量を基準として、1.0質量%以上、2.0質量%以上、3.0質量%以上、又は4.0質量%以上であってよく、10.0質量%以下、8.0質量%以下、7.0質量%以下、6.0質量%以下、又は5.0質量%以下であってよい。
【0025】
Fe-BEA型ゼオライトのSiO/Al比(SAR)は、SCR触媒能と、合成のし易さ又は入手性とのバランスの観点から、Alのモル量に対するSiOのモル量の比として、50.0以下、20.0以下、18.0以下、16.0以下、14.0以下、12.0以下、又は10.0以下であってよく、1.0以上、3.0以上、5.0以上、7.0以上、又は9.0以上であってよい。
【0026】
Fe-BEA型ゼオライトは粒子状であってよい。粒子状のFe-BEA型ゼオライトについて、動的光散乱法により測定した粒径分布における累積質量百分率が50%のときの粒径(D50)は、0.5μm以上、0.7μm以上、1.0μm以上、1.2μm以上、又は1.5μm以上であってよく、5.0μm以下、4.5μm以下、4.0μm以下、又は3.5μm以下であってよい。
【0027】
本発明の排ガス浄化触媒装置におけるFe-BEA型ゼオライトの量は、基材容量1L当たりのFe-BEA型ゼオライトの質量として、例えば、80g/L以上250g/L以下であってよい。
【0028】
(Fe粒子)
本発明の排ガス浄化触媒装置における触媒コート層は、Fe粒子を含む。Fe粒子は、本発明の排ガス浄化触媒装置において、HCの燃焼を促進して、Fe-BEAのHC被毒を抑制する機能を有すると考えられる。
【0029】
Fe粒子は、HCの燃焼促進機能を高活性に発現させる観点から、小粒径の粒子であってよい。Fe粒子について、動的光散乱法により測定した粒径分布における累積質量百分率が50%のときの粒径(D50)は、0.90μm未満、0.80μm以下、0.60μm以下、0.40μm以下、0.20μm以下、又は0.10μm以下であってよく、0.01μm以上、0.01μm超、0.05μm以上、0.10μm以上、0.20μm以上、又は0.30μm以上であってよい。
【0030】
Fe粒子の量は、Fe-BEA型ゼオライト100質量部に対して、0.10質量部超、0.50質量部以上、1.00質量部以上、1.50質量部以上、2.00質量部以上、2.50質量部以上、又は3.00質量部以上であってよく、10.00質量以下、10.00質量未満、8.00質量部以下、6.00質量部以下、5.00質量部以下、4.50質量部以下、4.00質量部以下、又は3.50質量部以下であってよい。
【0031】
また、本発明の排ガス浄化触媒装置におけるFe粒子の量は、基材容量1L当たりのFe粒子の質量として、例えば0.08g/L以上25g/L以下であってよい。
【0032】
(その他の成分)
本発明の排ガス浄化触媒装置における触媒コート層は、上記のとおり、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含む。触媒コート層は、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子以外の成分を含んでいてもよい。触媒コート層に含まれるその他の成分は、例えば、Fe-BEA型ゼオライト以外のゼオライト、ゼオライト以外の無機酸化物、バインダー等であってよい。Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子、並びにFe-BEA型ゼオライト以外のゼオライト及びゼオライト以外の無機酸化物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、ランタノイド等の元素を含んでいてもよい。
【0033】
SCR活性をより高くする観点から、本発明における触媒コート層は、Fe-BEA型ゼオライトを、触媒コート層中に含まれるゼオライトの全質量に対して、80質量%以上、85質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、98質量%以上、若しくは99質量%以上含んでいてよく、又は触媒コート層中に含まれるゼオライトの100質量%がFe-BEA型ゼオライトであってもよい。
【0034】
ゼオライト以外の無機酸化物は、例えば、Al、Si、Ti、Zr、Ce、Ce以外の希土類等から選択される1種又は2種以上の元素の酸化物であってよい。SCR活性をより高くする観点から、触媒コート層に含まれるゼオライト以外の無機酸化物の量は、触媒コート層の全質量に対して、20質量%以下、10質量%以下、5質量%以下、3質量%以下、若しくは1質量%以下であってよく、又は、触媒コート層はゼオライト以外の無機酸化物を全く含まなくてもよい。
【0035】
触媒コート層に含まれるバインダーは、例えば、シリカゾル、アルミナゾル、ジルコニアゾル、チタニアゾル等から選択されてよい。
【0036】
本発明の排ガス浄化触媒装置における触媒コート層は、NHの酸化を抑制する観点から、白金族元素を実質的に含まなくてよい。ここでいう「白金族元素」は、具体的には、白金、パラジウム、及びロジウムを意味する。触媒コート層における白金族元素の量は、基材容量1L当たりの金属換算の白金族元素の合計量として、0.1g/L以下、0.05g/L以下、0.01g/L以下、0.005g/L以下、若しくは0.001g/L以下であってよく、又は、触媒コート層は白金族元素を全く含まなくてよい。
【0037】
〈触媒コート層の層構成〉
上述のとおり、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子は、1つの層中に含まれていてよい。
【0038】
本発明の排ガス浄化触媒装置において、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含む1層の触媒コート層のコート量は、本発明の効果を発現し、かつ、過度の圧損を来たさない観点から、基材容量1L当たりの触媒コート層の質量として、80g/L以上300g/L以下であってよい。
【0039】
本発明の排ガス浄化触媒装置のコート層は、
Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含む触媒コート層のみを有する単層構成であってもよいし、
Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含む第1の触媒コート層と、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含まない第2の触媒コート層とから構成されていてもよい。
【0040】
第2のコート層は、例えば、白金及びパラジウムから選択される1種又は2種を含む触媒層であってよい。白金及びパラジウムから選択される1種又は2種を含む第2のコート層は、アンモニアスリップ触媒(ASC)として機能し得る。
【0041】
第2の触媒コート層は、或いは、Cu-ゼオライトを含む触媒層等であってよい。Cu-ゼオライトを含む触媒層は、第1の触媒コート層と同様にSCR触媒として機能し得る。
【0042】
第1の触媒コート層と第2の触媒コート層は、両層が積層されて成る積層構成であってもよいし、両層が排ガス流れ方向に順に形成されたゾーン構成であってもよい。
【0043】
〈排ガス浄化触媒装置の用途〉
本発明の排ガス浄化触媒装置は、例えば、ディーゼルエンジンのSCR触媒装置として好適に用いられる。
【0044】
《排ガス浄化触媒装置の製造方法》
本発明の排ガス浄化触媒装置は、上述の構成を有している限り、どのような方法によって製造されたものであってもよい。
【0045】
本発明の排ガス浄化触媒装置の製造方法の一例として、基材上に、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含む触媒コート層(第1の触媒コート層)のみを有する単層構成の排ガス浄化触媒装置の製造方法について説明する。
【0046】
基材上に、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含む触媒コート層のみを有する単層構成の排ガス浄化触媒装置は、基材上に触媒コート層形成用スラリーをコートして焼成することにより、実施されてよい。コート後、焼成前に、必要に応じて、コート層の乾燥を行ってもよい。
【0047】
基材は、所望の排ガス浄化触媒装置の構成に応じて、適宜選択して使用してよい。基材は、例えば、コージェライト製又はSiC製のストレートフロー型、コージェライト製又はSiC製のウォールフロー型のモノリスハニカム基材、メタルハニカム基材等であってよい。
【0048】
基材上への触媒コート層形成用スラリーのコートは、例えば、基材の片側端面上にスラリーを配置して、基材の他方の端面から吸引する方法によって行われてよい。
【0049】
触媒コート層形成用スラリーは、所望の触媒コート層の構成に応じて、例えば、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子、並びに必要に応じて使用されるその他の成分を含んでよい。触媒コート層形成用スラリーは、上記以外に、例えば、増粘剤、pH調整剤、消泡剤等を、更に含んでいてもよい。
【0050】
基材上への触媒コート層形成用スラリーのコート、並びにコート後の乾燥及び焼成は、それぞれ、公知の方法に準じて行われてよい。
【0051】
以上の操作により、基材上に、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含む触媒コート層を有する排ガス浄化触媒装置が製造される。排ガス浄化触媒装置が第2の触媒コート層を有する場合、この第2の触媒コート層は、構成成分に応じて公知の方法により、又はこれに当業者による適宜の変更を加えた方法により、形成されてよい。
【0052】
《排ガス浄化触媒システム》
本発明の別の観点によると、排ガス浄化触媒システムが提供される。
【0053】
本発明の排ガス浄化触媒装置は、単独で用いてもよいが、他の排ガス触媒浄化装置と組み合わせて排ガス浄化触媒システムとして用いても好適である。
【0054】
排ガス浄化触媒システムは、例えば、本発明の排ガス浄化触媒装置と、アンモニアスリップ触媒(ASC)装置とを含んでいてよい。この場合、排ガス流れの上流側から下流側に向けて、本発明の排ガス浄化触媒装置及びASC装置の順に配置されてよい。
【0055】
排ガス浄化触媒システムは、また、本発明の排ガス浄化触媒装置及びASC装置とともに、ディーゼル酸化触媒(DOC)装置及びディーゼル微粒子フィルター(DPF)装置から選択される1種又は2種の排ガス浄化触媒装置を更に含んでいてよい。
【0056】
排ガス浄化触媒システムは、排ガス流れの上流側から下流側に向けて、例えば、
DOC装置、DPF装置、本発明の排ガス浄化触媒装置、及びASC装置の順;
本発明の排ガス浄化触媒装置、ASC装置、DOC装置、及びDPF装置の順;
等に配置されてよい。また、上記以外の排ガス浄化触媒装置が更に配置されてもよい。
【0057】
これらの排ガス浄化触媒システムにおけるASC装置、DOC装置、及びDPF装置は、それぞれ、公知の排ガス浄化触媒装置から適宜に選択されてよい。
【0058】
《排ガス浄化方法》
本発明の更に別の観点によると、排ガス浄化方法が提供される。
【0059】
本発明の排ガス浄化方法は、ディーゼルエンジンの排ガスを、
本発明の排ガス浄化触媒装置、又は
本発明の排ガス浄化触媒装置を含む排ガス浄化触媒システム
を用いて浄化することを含む方法である。
【実施例
【0060】
1.Fe粒子の粒径の影響
以下の実施例1~4及び比較例1~7では、Fe-BEA型ゼオライトにFe粒子を添加することの効果、及びFe粒子の粒径D50が排ガス浄化触媒装置の排ガス浄化能に与える影響を調べた。
【0061】
(1)排ガス浄化触媒装置の製造
《実施例1~6、並びに比較例3、4、6、及び7》
表1に記載のゼオライト材料87.6質量%、表1に記載のFe粒子2.7質量%、及びシリカ系バインダー(日産化学(株)製、品名「スノーテックスNXS」)9.7質量%を純水中に投入し、pH調整剤としてモノイソプロパノールアミンを添加して、pHを8~10の範囲に調整した後、30分間撹拌してスラリーを得た。
【0062】
得られたスラリーを10分間ミリングして、ゼオライト材料の二次粒径D50を1.9~3.3μmに調節した。次いで、増粘用多糖類として、キサンタンガム(エー・ディー・エム・ジャパン(株)製、品名「ノヴァザン200メッシュ」)を加えてスラリー粘度を調節し、6時間撹拌することにより、触媒コート層形成用スラリーを調製した。
【0063】
直径25mm、長さ25mmのストレートフロー型のコージェライト製ハニカム基材に、上記で得られた触媒コート層形成用スラリーをコートし、80℃において乾燥した後、500℃において3時間焼成することにより、排ガス浄化触媒装置を製造した。得られた排ガス浄化触媒装置における触媒コート層のコート量は150g/Lであり、Fe-BEA量は131.4g/Lであり、Fe粒子量は4.05g/Lであった。
【0064】
《比較例1》
ゼオライト材料及びシリカ系バインダーの使用量を、それぞれ、90.0質量%及び10.0質量%とし、Fe粒子を使用しなかった他は、実施例1と同様にして触媒コート層形成用スラリーを調製し、これを用いて排ガス浄化触媒装置を製造した。
【0065】
《比較例2》
Fe粒子のかわりに、酸化白金2.7質量%を使用した他は、実施例1と同様にして触媒コート層形成用スラリーを調製し、これを用いて排ガス浄化触媒装置を製造した。
【0066】
《比較例5》
ゼオライト材料としてCu-CHA型ゼオライト90.0質量%を使用し、シリカ系バインダーの使用量を10.0質量%とし、Fe粒子を使用しなかった他は、実施例1と同様にして触媒コート層形成用スラリーを調製し、これを用いて排ガス浄化触媒装置を製造した。
【0067】
(2)排ガス浄化触媒装置の評価
上記の各実施例及び比較例で得られた排ガス浄化触媒装置に、入りガス温度を100℃から500℃まで20℃/分の昇温速度で昇温させながら下記のモデルガスを導入し、HC、及びNOxそれぞれの50%浄化温度T50を調べた。また、入りガス温度を500℃から100℃まで20℃/分の降温速度で降温させながら下記のモデルガスを導入し、NHの50%浄化温度T50を調べた。得られた結果を表1に示す。
【0068】
NH、HC、及びNOxのT50を調べるためのモデルガスの組成は、それぞれ、以下のとおりとし、各ガスのT50はそれぞれ別個に評価した。モデルガスの空間速度は、いずれも、60,000h-1(流量:12,271mL/分)とした。
【0069】
〈NH評価用モデルガスの組成〉
NH:500ppm
:4,000ppmC
CO:0.08体積%
CO:7体積%
:8体積%
O:7体積%
:バランス
【0070】
〈HC評価用モデルガスの組成〉
NO:500ppm
:4,000ppmC
CO:0.08体積%
CO:7体積%
:8体積%
O:7体積%
:バランス
【0071】
〈NOx評価用モデルガスの組成〉
NO:250ppm
NO:250ppm
NH:500ppm
:4,000ppmC
CO:0.08体積%
CO:7体積%
:8体積%
O:7体積%
:バランス
【0072】
上記において、「ppmC」は、炭素換算濃度を示す。
【0073】
【表1】
【0074】
表1におけるゼオライト材料の略称は、それぞれ、以下の意味である。
Fe-BEA:Fe換算4.4質量%のFe担持したBEA型ゼオライト(SAR=9.2)
H-BEA:プロトン交換BEA型ゼオライト(SAR=41.9)
Cu-CHA:5.5質量%のCuOを担持したCHA型ゼオライト(SAR=14.0)
【0075】
上記において、ゼオライト材料中のFe及びCuの担持量は、それぞれ、ゼオライト材料の全質量を基準とする質量百分率値である。
【0076】
Fe粒子としては、平均粒径D50が0.90μm、0.55μm、0.38μm、0.20μm、及び0.01μmのものを用いた。平均粒径D50が0.90μmのFe粒子は、戸田工業(株)製の品名「SRFCA-010-1」である。平均粒径D50が0.55μm、0.38μm、及び0.20μmのFe粒子は、それぞれ、平均粒径D50が0.90μmのFe粒子(SRFCA-010-1)をミリングして分級することにより調製した。平均粒径D50が0.01μmのFe粒子は、当該Fe粒子がゾル状態で含有されている多木化学(株)社製、品名「バイラールFe-C10」をそのまま添加することにより配合した。
【0077】
表1において、NHの50%浄化温度(T50)は、NHが酸化され難く、NHをNOx浄化の還元剤として利用し易くなるとの観点から、高温であるほど好ましい。一方、HC及びNOxの50%浄化温度(T50)は、より低い温度からHC及びNOxを浄化できるとの観点から、低温であるほど好ましい。
【0078】
表1の結果から、以下のことが分かる。
【0079】
ゼオライト材料としてFe-BEAを用い、これに酸化白金を担持させた比較例2、並びにゼオライト材料としてCu-CHAを用いた比較例5~7の排ガス浄化触媒装置は、ゼオライト材料として第三成分未添加のFe-BEAを用いた比較例1の排ガス浄化触媒装置と比べて、NHの50%浄化温度(T50)が顕著に低くなったことから、NHをNOx浄化の還元剤として利用するとの観点からは、好ましいものではなかった。
【0080】
また、H-BEAにFeを添加した比較例3及び4の排ガス浄化触媒装置は、比較例1の排ガス浄化触媒装置と比べて、NHの50%浄化温度(T50)は高くなったが、HCの50%浄化温度(T50)が極めて高くなり、少なくともHCの浄化性能が大きく損なわれることが分かった。
【0081】
これに対して、Fe-BEAにFeを添加した実施例1~6の排ガス浄化触媒装置は、比較例1の排ガス浄化触媒装置と比べて、NHの50%浄化温度(T50)が高く、NHをNOx浄化の還元剤として利用し易いとともに、HC及びNOxの50%浄化温度(T50)が低く、より低い温度からHC及びNOxを浄化できることが検証された。特に、Feの平均粒径D50が0.90μm未満の実施例2~5の排ガス浄化触媒装置は、HCの50%浄化温度(T50)が極めて低かった。
【0082】
2.Fe粒子の添加量の影響
以下の実施例7~14及び比較例8では、Fe粒子の添加量が排ガス浄化触媒装置の排ガス浄化能に与える影響を調べた。なお、実施例14は参考例である。
【0083】
(1)排ガス浄化触媒装置の製造
《実施例7~14及び比較例8》
ゼオライト材料として上述のFe-BEAを用い、Fe粒子として上述の平均粒径D50が0.38μmのFe粒子を用い、両者の使用量を、それぞれ、表2に記載のとおりとした他は、実施例1と同様にして排ガス浄化触媒装置を製造した。
【0084】
(2)排ガス浄化触媒装置の評価
上記の各実施例及び比較例で得られた排ガス浄化触媒装置を用い、モデルガスの空間速度を、いずれも、85,561h-1(流量:17,500mL/分)とした他は、実施例1と同様にして、排ガス浄化触媒装置の評価を行った。
【0085】
得られた結果を、表2に示した。
【0086】
【表2】
【0087】
表2の結果から、以下のことが分かる。
【0088】
Fe-BEAにFeを添加した実施例7~14の排ガス浄化触媒装置は、Fe未添加のFe-BEAを用いた比較例8の排ガス浄化触媒装置と比べて、HC及びNOxの50%浄化温度(T50)が低く、より低い温度からHC及びNOxを浄化できることが検証された。特に、Fe-BEAに対するFeの使用量が0.10質量%を超えて10.00質量%未満の実施例8~13の排ガス浄化触媒装置は、比較例8の排ガス浄化触媒装置と比べて、HC及びNOxの50%浄化温度(T50)が極めて低いとともに、NHの50%浄化温度(T50)も高くなっており、並びにNHをNOx浄化の還元剤として利用し易いとともに、より低い温度からHC及びNOxを浄化できることが検証された。
【要約】
基材、及び前記基材上の触媒コート層を含む、排ガス浄化触媒装置であって、前記触媒コート層が、Fe-BEA型ゼオライト及びFe粒子を含む、
排ガス浄化触媒装置。