(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-03-04
(45)【発行日】2026-03-12
(54)【発明の名称】ガラス物品の製造装置
(51)【国際特許分類】
C03B 17/06 20060101AFI20260305BHJP
【FI】
C03B17/06
(21)【出願番号】P 2022569980
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(86)【国際出願番号】 JP2021045804
(87)【国際公開番号】W WO2022131205
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2024-08-27
(31)【優先権主張番号】P 2020209375
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100129148
【氏名又は名称】山本 淳也
(72)【発明者】
【氏名】山内 幸一
(72)【発明者】
【氏名】野田 光晴
【審査官】末松 佳記
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-114711(JP,A)
【文献】特表2009-519884(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 17/00-17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダウンドロー法によって溶融ガラスからガラスリボンを成形する成形炉と、成形された前記ガラスリボンを徐冷する徐冷炉とを備えるガラス物品の製造装置であって、
前記溶融ガラス又は前記ガラスリボンの温度を調整する温度調整部材と、前記温度調整部材を支持する支持部材と
、前記温度調整部材の内部に配置される温度制御ユニットとをさらに備え、
前記温度制御ユニットは、加熱器又は冷却器を有し、
前記支持部材は、1200℃におけるクリープ速度が2×10
-3h
-1以下である材料からなる耐クリープ性部材を備えることを特徴とするガラス物品の製造装置。
【請求項2】
前記支持部材は、複数の前記耐クリープ性部材を並設することにより構成される請求項1に記載のガラス物品の製造装置。
【請求項3】
前記耐クリープ性部材は、矩形の断面形状を有する請求項2に記載のガラス物品の製造装置。
【請求項4】
前記支持部材は、前記耐クリープ性部材により構成されるリブを有する請求項1から3のいずれか一項に記載のガラス物品の製造装置。
【請求項5】
前記温度調整部材及び前記支持部材は、前記成形炉内に配置される請求項1から4のいずれか一項に記載のガラス物品の製造装置。
【請求項6】
前記耐クリープ性部材は、SiCセラミックスからなる請求項1から5のいずれか一項に記載のガラス物品の製造装置。
【請求項7】
前記支持部材の下面を覆う防風部材をさらに備える請求項1から6のいずれか一項に記載のガラス物品の製造装置。
【請求項8】
前記防風部材は、金属板で構成される構造体を備える請求項7に記載のガラス物品の製造装置。
【請求項9】
前記防風部材は、耐熱繊維で構成される耐熱繊維層を備える請求項7又は8に記載のガラス物品の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダウンドロー法によってガラス物品を製造する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどのディスプレイ用のガラス基板やカバーガラスに代表される各種分野に板ガラスが利用される。これらの板ガラスには、表面欠陥やうねりに対して厳しい製品品位が要求されるのが実情である。
【0003】
このような要求を満たすために、板ガラスの製造方法としてダウンドロー法が広く利用されている。このダウンドロー法としては、オーバーフローダウンドロー法やスロットダウンドロー法が公知である。
【0004】
オーバーフローダウンドロー法は、断面が略くさび形の成形体の上部に設けられたオーバーフロー溝に溶融ガラスを流し込み、このオーバーフロー溝から両側に溢れ出た溶融ガラスを成形体の両側の側壁部に沿って流下させながら、成形体の下端部で融合一体化し、一枚のガラスリボンを連続成形するというものである。また、スロットダウンドロー法は、溶融ガラスが供給される成形体の底壁にスロット状の開口部が形成され、この開口部を通じて溶融ガラスを流下させることにより一枚のガラスリボンを連続成形するというものである。
【0005】
例えば、オーバーフローダウンドロー法を用いるガラス物品の製造装置としては、特許文献1に開示されるように、溶融ガラスをガラスリボン(板ガラス)に成形する成形体と、成形体の下方でガラスリボンの温度を調整する中空状の一対の温度調整部材と、温度調整部材の下方でガラスリボンを徐冷する徐冷炉と、を備えたものがある(同文献の請求項1参照)。
【0006】
温度調整部材は、支持部材によって支持されている。この支持部材は、金属製の板状部材として構成されるとともに、その中央部に、ガラスリボンを通過させることが可能な開口部を有する。支持部材は、その開口部の一方の縁部から他方の縁部にわたって一対の温度調整部材を架け渡した状態で、これらを支持する(同文献の段落0037及び
図1参照)。
【0007】
上記の製造装置では、成形体によって成形されたガラスリボンを一対の温度調整部材の間に通過させることで、幅方向における温度分布が均一となるようにガラスリボンの温度調整を行う。これにより、ガラスリボンの温度調整を精度良く行うことができ、厚さの均一な高品質のガラス物品(板ガラス)を製造することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の製造装置では、温度調整部材を支持する支持部材が金属製(例えばステンレス鋼製)とされていることから、長期の操業によって支持部材にクリープ変形が生じてしまう。これにより、支持部材が撓み、支持部材と温度調整部材との間に隙間が形成される。その隙間は、例えば、支持部材の長手方向(ガラスリボンの幅方向)における中央部分に形成される。この場合、部分的な隙間によってガラスリボンの幅方向における温度分布が不均一になる。また、隙間から装置内の雰囲気が流出するので、ガラスリボンに沿う上昇気流(ドラフト)が増大する。その結果、温度調整部材によるガラスリボンの温度調整が適切に行われず、ガラス物品の品質が低下するおそれがあった。
【0010】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、ダウンドロー法によって成形されるガラスリボンの温度調整を長期にわたって精度良く行うことを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、ダウンドロー法によって溶融ガラスからガラスリボンを成形する成形炉と、成形されたガラスリボンを徐冷する徐冷炉とを備えるガラス物品の製造装置であって、前記溶融ガラス又は前記ガラスリボンの温度を調整する温度調整部材と、温度調整部材を支持する支持部材と、をさらに備え、前記支持部材は、1200℃におけるクリープ速度が2×10-3h-1以下である材料からなる耐クリープ性部材を備えることを特徴とする。
【0012】
かかる構成によれば、クリープ速度が低い耐クリープ性部材によって支持部材を構成することで、支持部材のクリープ変形を長期にわたって抑制することができる。これにより、金属製の支持部材を使用した場合と比較して、温度調整部材による溶融ガラス又はガラスリボンの温度調整を長期にわたって精度良く行うことができる。したがって、高品質のガラス物品を長期にわたり製造することが可能となる。
【0013】
上記の製造装置において、前記支持部材は、複数の前記耐クリープ性部材を並設することにより構成されてもよい。これにより、設備コストの増大を抑制しながら支持部材の剛性を確保でき、温度調整部材を安定して支持できる。
【0014】
この場合において、前記耐クリープ性部材は、矩形の断面形状を有していてもよい。矩形の断面形状を有する耐クリープ性部材を複数並設することで、支持部材の剛性を効率よく向上でき、支持部材のクリープ変形を効果的に抑制することが可能となる。
【0015】
前記支持部材は、前記耐クリープ性部材により構成されるリブを有していてもよい。これによっても、支持部材の剛性を効率よく向上でき、支持部材のクリープ変形を効果的に抑制することが可能となる。
【0016】
前記温度調整部材及び前記支持部材は、前記成形炉内に配置されてもよい。本発明では、温度調整部材及び支持部材を成形炉内の高温環境下に配置した場合であっても、支持部材のクリープ変形を長期にわたって抑制できるため、温度調整部材による溶融ガラス又はガラスリボンの温度調整を長期にわたって精度良く行うことができる。
【0017】
前記耐クリープ性部材は、SiCセラミックスで構成してもよい。SiCは、金属と比較して、クリープ速度が低く耐火性に優れるため、耐クリープ性部材の材料に適している。
【0018】
本発明に係るガラス物品の製造装置は、前記支持部材の下面を覆う防風部材をさらに備えてもよい。
【0019】
製造装置の内部では、徐冷炉から成形炉に向かう上昇気流が発生する。この上昇気流は、支持部材を急冷し、熱衝撃による破損を支持部材に生じさせるおそれがある。本発明では、支持部材の下面を防風部材によって覆うことで、支持部材の破損を防止することができる。
【0020】
前記防風部材は、金属板で構成される構造体を備えてもよい。また、前記防風部材は、耐熱繊維で構成される耐熱繊維層を備えてもよい。これにより、製造装置の内部で発生する上昇気流から支持部材を好適に保護することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ダウンドロー法によって成形されるガラスリボンの温度調整を長期にわたって精度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】ガラス物品の製造装置の一実施形態における縦断側面図である。
【
図2】
図1のガラス物品の製造装置における縦断正面図である。
【
図4】温度調整部材及び支持部材の縦断側面図である。
【
図14】他の実施形態におけるガラス物品の製造装置の縦断側面図である。
【
図15】
図14のガラス物品の製造装置における縦断正面図である。
【
図16】温度調整部材、支持部材及び防風部材の斜視図である。
【
図17】他の実施形態におけるガラス物品の製造装置の縦断側面図である。
【
図18】温度調整部材、支持部材及び防風部材の斜視図である。
【
図19】他の実施形態におけるガラス物品の製造装置の縦断側面図である。
【
図20】他の実施形態におけるガラス物品の製造装置の縦断側面図である。
【
図21】他の実施形態におけるガラス物品の製造装置の縦断側面図である。
【
図22】他の実施形態におけるガラス物品の製造装置の縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
【0024】
図1乃至
図5は、本発明に係るガラス物品の製造装置の一実施形態を示す。
図1及び
図2に示すように、製造装置1は、溶融ガラスGMをガラスリボンGRに成形する成形炉2と、成形炉2の下方でガラスリボンGRを徐冷する徐冷炉(アニーラ)3と、成形炉2及び徐冷炉3を覆うケーシング4と、を主に備える。加えて、図示はしないが、製造装置1は、徐冷炉3の下方に、徐冷炉3を通過したガラスリボンGRを室温付近まで冷却する冷却室を備えている。
【0025】
成形炉2は、オーバーフローダウンドロー法を実行可能な成形体5と、成形体5を覆う隔壁部6と、成形体5の下方に配置される一対の温度調整部材7と、温度調整部材7を支持する支持部材8と、温度調整部材7の下方に配置されるエッジローラ9とを備える。
【0026】
成形体5は、長尺状に構成されるとともに、頂部にその長手方向に沿って形成されたオーバーフロー溝10と、一対の側壁部を構成する垂直面部11及び傾斜面部12とを備える。一対の傾斜面部12は、下方に向かって漸次接近することで交差し、成形体5の下端部13を構成している。成形体5のオーバーフロー溝10から溢れ出て、垂直面部11及び傾斜面部12を伝って流下する溶融ガラスGMは、加熱装置14により加熱されることでその粘度が調整されつつ、成形体5の下端部13で融合して一枚のガラスリボンGRに成形される。
【0027】
隔壁部6は、マッフル(muffle)とも呼ばれ、内部に収容する成形体5から溢れ出る溶融ガラスGMを所定の温度に維持するためのものである。隔壁部6は、その外面に加熱装置14を備える。
図1に示すように、加熱装置14は、成形体5の両側の垂直面部11及び傾斜面部12に対向するように配置されている。具体的には、加熱装置14は、垂直面部11に対向する位置と、傾斜面部12に対向する位置との上下二列で、複数個が隣接配置されている。隔壁部6及び加熱装置14は、図示しない取付具を介してケーシング4に保持されている。
【0028】
温度調整部材7は、隔壁部6の内側で支持部材8に支持されている。温度調整部材7は、上下方向Pにおいて成形体5と徐冷炉3との間に位置しており、徐冷炉3による徐冷が適切に行われるように、成形体5を離れてエッジローラ9に向かって下降するガラスリボンGRの温度を調整する。温度調整部材7は、隔壁部6と併せてマッフル炉と呼ばれる場合があり、成形炉2におけるガラスリボンGRの出口としてマッフル扉(muffle door)とも呼ばれる。
【0029】
温度調整部材7は、熱伝導性を有する材料、例えば、SiC(炭化ケイ素)セラミックスによって構成されることが望ましい。炭化ケイ素は、硬度が高く、耐熱性に優れ(分解温度2545℃)、熱伝導率が高く(焼結体の場合で約270W/m・K)、熱膨張係数が低い(40~400℃において2.0~6.0×10-6/℃)などの特徴を有する。
【0030】
図1乃至
図3に示すように、温度調整部材7は、上壁部15と、下壁部16と、上壁部15と下壁部16とを連結する側壁部17と、側壁部17から所定の間隔をおいて上壁部15と下壁部16とを連結する複数の支柱18と、温度調整部材7の長手方向における両端部を閉塞する蓋体19と、複数の支柱18の間に形成される開口部20とを備える。また、温度調整部材7の内部には、温度制御ユニット21が収容されている。
【0031】
上壁部15、下壁部16及び側壁部17は、ガラスリボンGRの幅方向Wに沿って長い長方形状に構成されている。上壁部15と下壁部16とは互いに対向し、かつ略平行に設けられ、側壁部17は、上壁部15及び下壁部16に直交するように(直角を為すように)設けられている。
【0032】
上壁部15、下壁部16、及び側壁部17は、長辺の寸法が約500mm以上5000mm以下、短辺の寸法が約50mm以上300mm以下、厚さ寸法が約5mm以上10mm以下とされているが、これに限定されるものではない。また、上壁部15、下壁部16及び側壁部17は、同じ厚さで構成されているが、これに限らず、これらの厚さを異ならせてもよい。
【0033】
側壁部17は、上壁部15の短辺における一端部と、下壁部16の短辺における一端部とを連結している。一方、支柱18は、上壁部15の短辺における他端部と、下壁部16の短辺における他端部とを連結している。本実施形態において支柱18は、四角柱状又は長尺の板状に構成されるが、この形状に限定されるものではない。また、支柱18は、一端部と他端部にリブ18a,18bを有する。一方のリブ18aは、支柱18と上壁部15とに一体に形成され、他方のリブ18bは、支柱18と下壁部16とに一体に形成される。
【0034】
蓋体19は、矩形状の板部材により構成される。本実施形態では、蓋体19は、SiCセラミックスにより構成されるが、これに限らず、金属その他の材料により構成され得る。
【0035】
図2及び
図3に示すように、開口部20は、四角形状に構成されているが、これに限定されるものではない。複数の開口部20は、温度調整部材7の長手方向に沿って等間隔で形成されている。
【0036】
なお、温度調整部材7の製造方法には、型成形や押出成形等の任意の成形方法および、任意の切断、孔開け手法を用いて良い。
【0037】
本実施形態では、温度調整部材7の内部に、各開口部20に対応して温度制御ユニット21が配置される。温度制御ユニット21は、
図4及び
図5に示すように、加熱器(ヒータ)22と、加熱器22を支持する耐火物(支持体)23とを有する。なお、温度制御ユニット21は、加熱器22に代えて冷却器を有してもよい。
【0038】
加熱器22は、その先端部が側壁部17の内面から離間された位置に配置されている。耐火物23は、加熱器22の先端部を露出させた状態で、この加熱器22を支持している。また、耐火物23は、加熱器22が温度調整部材7の上壁部15、下壁部16、側壁部17のいずれにも接触しないようにこれを支持する。また、耐火物23は、温度調整部材7の開口部20を閉塞している。これにより、温度調整部材7の内部には、耐火物23、上壁部15、下壁部16及び側壁部17によって囲まれた空間が形成され、加熱器22の端部がこの空間に配置されることになる。
【0039】
図5に示すように、温度調整部材7の内部には、温度制御ユニット21を支持する耐火物23の間に、耐火ブランケット24が配置されている。本実施形態では、耐火ブランケット24は、支柱18と同位置に配置されているが、この位置に限定されない。耐火ブランケット24は、上壁部15、下壁部16、側壁部17及び支柱18に接触している。
【0040】
耐火ブランケット24は、温度調整部材7の内部空間を複数のゾーンに区切ることができる。これにより、ガラスリボンGRの温度調整を好適に行うことができる。すなわち、一対の温度調整部材7の間を通過するガラスリボンGRは、その幅方向Wにおける温度が一様ではなく、温度分布に偏りがある。この温度分布の偏りを放置すると、比較的高温の部位の厚さが増大し、比較的低温の部位との間で厚さが異なる状態となる。そうすると、ガラスリボンGRには、その幅方向Wに沿って板厚が区々となる偏肉が生じてしまう。ガラスリボンGRの厚さを一定に制御するには、この偏肉を防止する必要がある。
【0041】
このため、耐火ブランケット24を用いることで、温度調整部材7を長手方向に沿って複数のゾーンに区切ることが望ましい。各ゾーンに温度制御ユニット21を配置することで、ゾーン毎に独立した温度調整を行うことができる。これによって、ガラスリボンGRの偏肉を防止して、その厚さを均一に維持することが可能になる。
【0042】
支持部材8は、一対の温度調整部材7を個別に支持するように、一対の支持部材を含む。支持部材8は、1200℃におけるクリープ速度が2×10-3h-1以下である材料からなる耐クリープ性部材25を備える。耐クリープ性部材25の材料としては、例えばSiCセラミックスが好適に用いられる。
【0043】
SiCセラミックスのクリープ速度は、このSiCセラミックスに係るクリープ曲線を測定し、その定常クリープ域における傾きを算出することにより特定される。クリープ曲線は、JIS R 1612 ファインセラミックスの曲げクリープ試験方法に準拠して測定するものとする。その際、試験温度は、1200℃とする。
【0044】
支持部材8は、複数(例えば2個~10個)の耐クリープ性部材25を並設することにより構成される。各耐クリープ性部材25は、例えば接着材によって相互に固定され、一体に構成される。
【0045】
図3及び
図4に示すように、耐クリープ性部材25は、矩形状(例えば長方形、正方形等)の断面を有し、長尺状の部材により構成される。耐クリープ性部材25は、中空状(管状又は筒状)に構成されるが、これに限らず、中実状に構成されてもよい。
【0046】
図4に示すように、支持部材8を構成する耐クリープ性部材25は、一対の縦壁部25a,25bと、縦壁部25a,25bの上部に一体に形成される上壁部25cと、縦壁部25a,25bの下部に一体に形成される下壁部25dと、を有する。縦壁部25a,25b、上壁部25c、及び下壁部25dは、押出成形等の成形法によって、継ぎ目なく一体に形成されている。
【0047】
並設されている複数の耐クリープ性部材25は、隣り合う耐クリープ性部材25の縦壁部25a,25b同士を接着材によって接合することによって一体化されている。以下、複数の耐クリープ性部材25において、接着材によって接合される部分26を「接合部」という。接合部26によって接合された縦壁部25a,25bは、中空状の支持部材8の内部において、リブとして機能する。
【0048】
支持部材8を構成する複数の耐クリープ性部材25は、同じ形状、同じ寸法のものが使用されている。複数の耐クリープ性部材25は、段差が生じないように、上壁部25cの上面同士が面一となり、下壁部25dの下面同士が面一となるように、接合部26によって相互に接合されている。
【0049】
なお、
図2に示すように、支持部材8を構成する耐クリープ性部材25における長手方向の各端部は、ケーシング4に支持されている。
【0050】
図1及び
図3に示すように、一対の温度調整部材7及び一対の支持部材8の間には、ガラスリボンGRが通過可能な空間27が形成されている。
【0051】
エッジローラ9は、ガラスリボンGRの収縮を抑制するためのものであり、冷却構造を有する。エッジローラ9は、
図1及び
図2に示すように、ガラスリボンGRの幅方向Wにおける両端部を挟持するように二対のローラ対として構成される。
【0052】
徐冷炉3は、温度調整部材7を経て下降するガラスリボンGRを徐冷してその内部歪を除去する。すなわち、徐冷炉3内は、所定の温度勾配を有するように温度設定がなされており、ガラスリボンGRが下降するにつれて徐々に温度が低下し、これによってガラスリボンGRの内部歪が除去されることになる。徐冷炉3は、内部に配置された上下複数段の案内ローラ28を介してガラスリボンGRを鉛直下方に案内する。
【0053】
ケーシング4は、上下方向Pに沿って長い中空構造体として構成される。ケーシング4は、その上部において成形炉2を支持している。また、ケーシング4の中途部では、その側壁部が徐冷炉3を区画している。
【0054】
以下、上記構成の製造装置1を用いてガラスリボンGRを製造する方法について説明する。この製造方法は、オーバーフローダウンドロー法により溶融ガラスGMをガラスリボンGRに成形する成形工程と、成形工程後にガラスリボンGRを徐冷する徐冷工程とを主に備える。
【0055】
成形工程では、成形炉2の成形体5に供給された溶融ガラスGMがオーバーフロー溝10から溢れ出て、垂直面部11及び傾斜面部12を伝って流下する。そして、溶融ガラスGMは、成形体5の下端部13において融合一体化してガラスリボンGRに成形される。
【0056】
また、成形工程では、成形体5を離れて下降してきたガラスリボンGRが一対の温度調整部材7の間の空間27を通過する。温度調整部材7は、内部に設けられる複数の温度制御ユニット21により、ガラスリボンGRの幅方向Wにおける温度が一定となるように調整する。また、温度調整部材7は、側壁部17からガラスリボンGRの熱を吸収することによって、このガラスリボンGRの温度を徐冷点付近にまで低下させる。
【0057】
さらに、成形工程では、エッジローラ9によってガラスリボンGRの幅方向Wにおける各端部が挟持され、エッジローラ9の回転に伴ってガラスリボンGRが下方に引き抜かれる。また、エッジローラ9でガラスリボンGRの幅方向Wにおける各端部が冷却されることによって、ガラスリボンGRの幅方向の収縮が抑制される。
【0058】
徐冷工程では、エッジローラ9を通過したガラスリボンGRが徐冷炉3を通過する。このとき、ガラスリボンGRは、案内ローラ28によって下方に案内されながら所定の温度勾配に従い徐冷され、その内部歪が除去される。
【0059】
その後、ガラスリボンGRは、冷却室において自然冷却によりさらに冷却され(冷却工程)、所定の寸法に切断され(切断工程)、または、切断されることなくロール状に巻き取られる(巻取工程)。
【0060】
【0061】
図6に示す例において、支持部材8を構成する耐クリープ性部材25は、断面視においてI形状又はH形状に構成される。具体的には、耐クリープ性部材25は、一つの縦壁部25aと、上壁部25cと、下壁部25dとを有する。
【0062】
縦壁部25aの上端部は、上壁部25cの中途部と一体化されている。縦壁部25aの下端部は、下壁部25dの中途部と一体化されている。
【0063】
上壁部25cは、縦壁部25aの上端部から水平方向に突出する一対の突出部25c1,25c2を有する。一対の突出部25c1,25c2は、第一突出部25c1と、第一突出部25c1とは反対の方向に突出する第二突出部25c2とを含む。
【0064】
第一突出部25c1の端面は、他の耐クリープ性部材25に係る第二突出部25c2の端面と接合される。すなわち、この例では、隣り合う耐クリープ性部材25のうち、一方の耐クリープ性部材25における第一突出部25c1の端面と、他方の耐クリープ性部材25における第二突出部25c2の端面とを接着材によって接合することで、接合部26が形成される。
【0065】
下壁部25dは、縦壁部25aの下端部から水平方向に突出する一対の突出部25d1,25d2を有する。一対の突出部25d1,25d2は、第一突出部25d1と、第一突出部25d1とは反対の方向に突出する第二突出部25d2とを含む。
【0066】
第一突出部25d1の端面は、他の耐クリープ性部材25に係る第二突出部25d2の端面と接合される。すなわち、この例では、隣り合う耐クリープ性部材25のうち、一方の耐クリープ性部材25における第一突出部25d1の端面と、他の耐クリープ性部材25に係る第二突出部25d2の端面とが接着材により接合されることで、接合部26が形成される。
【0067】
各耐クリープ性部材25の上壁部25c同士及び下壁部25d同士を接合した状態では、縦壁部25aは、中空状に構成される支持部材8の内部でリブとして機能する。
【0068】
図7に示す例において、支持部材8を構成する耐クリープ性部材25は、断面視において溝形状に構成される。耐クリープ性部材25は、一つの縦壁部25aと、縦壁部25aの上端部から水平方向に突出する一つの突出部を有する上壁部25cと、縦壁部25aの下端部から上壁部25cと同じ方向に突出する一つの突出部を有する下壁部25dと、を備える。
【0069】
この例では、隣り合う耐クリープ性部材25のうち、一方の耐クリープ性部材25における上壁部25c及び下壁部25dと、他方の耐クリープ性部材25における縦壁部25aとを接合部26によって接合している。複数の耐クリープ性部材25を接合すると、縦壁部25aは、中空状に構成される支持部材8の内部でリブとして機能する。
【0070】
図8に示す例において、支持部材8を構成する耐クリープ性部材25は、
図7に示す例と同じ構成を有する。但し、この例では、隣り合う耐クリープ性部材25のうち、一方の耐クリープ性部材25における上壁部25c(突出部)の端面と、他方の耐クリープ性部材25における上壁部25c(突出部)の端面とが接合部26によって接合されている。また、隣り合う耐クリープ性部材25のうち、一方の耐クリープ性部材25における下壁部25d(突出部)の端面と、他方の耐クリープ性部材25における下壁部25d(突出部)の端面とが接合部26によって接合されている。また、隣り合う耐クリープ性部材25のうち、一方の耐クリープ性部材25における縦壁部25aと、他方の耐クリープ性部材25における縦壁部25aとが接合部26によって接合されている。
【0071】
各耐クリープ性部材25が接合された状態において、接合部26によって接合された一対の縦壁部25aは、中空状に構成される支持部材8の内部でリブとして機能する。
【0072】
図9に示す例では、支持部材8を構成する耐クリープ性部材25A,25Bは、L字状に構成される第一耐クリープ性部材25A及び第二耐クリープ性部材25Bを含む。第一耐クリープ性部材25Aは、リブとしての一つの縦壁部25aと、一つの下壁部25dを有する。第二耐クリープ性部材25Bは、リブとしての一つの縦壁部25aと、一つの上壁部25cとを有する。
【0073】
支持部材8は、第一耐クリープ性部材25Aの下壁部25dと、第二耐クリープ性部材25Bの縦壁部25aとを接合部26によって接合し、第一耐クリープ性部材25Aの縦壁部25aと、第二耐クリープ性部材25Bの上壁部25cとを接合部26によって接合することにより、中空状に構成される。
【0074】
図10に示す例では、支持部材8を構成する耐クリープ性部材25A~25Dは、第一耐クリープ性部材25A乃至第四耐クリープ性部材25Dを含む。第一耐クリープ性部材25Aは、
図9に示す例と同様に、一つの縦壁部25aと、一つの下壁部25dを有する。第二耐クリープ性部材25Bは、
図9に示す例と同様に、一つの縦壁部25aと、一つの上壁部25cとを有する。第三耐クリープ性部材25C及び第四耐クリープ性部材25Dは、板状に構成されている。
【0075】
支持部材8は、以下のように各耐クリープ性部材25A~25Dを接合することによって構成される。すなわち、第一耐クリープ性部材25Aの下壁部25dと、第二耐クリープ性部材25Bの縦壁部25aとを接合部26によって接合する。第一耐クリープ性部材25Aの縦壁部25aと、第二耐クリープ性部材25Bの上壁部25cとを接合部26によって接合する。また、第一耐クリープ性部材25Aの縦壁部25a及び第二耐クリープ性部材25Bの上壁部25cを、接合部26によって第三耐クリープ性部材25Cに接合する。また、第一耐クリープ性部材25Aの下壁部25d及び第二耐クリープ性部材25Bの縦壁部25aを、接合部26によって第四耐クリープ性部材25Dに接合する。
【0076】
上記のように接合することで、第一耐クリープ性部材25A(縦壁部25a及び下壁部25d)及び第二耐クリープ性部材25B(縦壁部25a及び上壁部25c)は、中空状に構成される支持部材8の内部でリブとして機能する。
【0077】
図11に示す例において、支持部材8を構成する耐クリープ性部材25A~25Dは、板状に構成される複数の第一耐クリープ性部材25A乃至第四耐クリープ性部材25Dを含む。この例において、支持部材8は、複数(四つ)の第一耐クリープ性部材25Aと、二つの第二耐クリープ性部材25Bと、一つの第三耐クリープ性部材25Cと、一つの第四耐クリープ性部材25Dとを備えるが、各耐クリープ性部材25A~25Dの数はこの例に限らず、任意に設定してよい。
【0078】
複数の第一耐クリープ性部材25Aは、その上端部が、第三耐クリープ性部材25Cの下面の中途部に接合部26によって接合されている。各第一耐クリープ性部材25Aは、その下端部が、第四耐クリープ性部材25Dの上面の中途部に接合部26によって接合されている。
【0079】
二つの第二耐クリープ性部材25Bは、支持部材8の端部を構成するように、第三耐クリープ性部材25Cの端部及び第四耐クリープ性部材25Dの端部に接合部26によって接合されている。
【0080】
第三耐クリープ性部材25Cは、水平方向に沿うように、第一耐クリープ性部材25Aの上方に配置されている。第四耐クリープ性部材25Dは、水平方向に沿うように、第一耐クリープ性部材25Aの下方に配置されている。
【0081】
各耐クリープ性部材25A~25Dが接合された状態において、各第一耐クリープ性部材25Aは、中空状に構成される支持部材8の内部でリブとして機能する。
【0082】
図12に示す例において、支持部材8は、一つの耐クリープ性部材25により構成されている。耐クリープ性部材25は、リブとしての縦壁部25aと、上壁部25cと、下壁部25dとを有する。耐クリープ性部材25は、縦壁部25aと上壁部25cとの間、及び縦壁部25aと下壁部25dとの間に接合部26を有していない。耐クリープ性部材25は、押出成形等の成形法を用いて、縦壁部25aと、上壁部25cと、下壁部25dとを一体成形することにより構成される。
【0083】
図13に示す例において、支持部材8を構成する耐クリープ性部材25A~25Dは、中空状に構成される複数の第一耐クリープ性部材25Aと、板状に構成される二つの第二耐クリープ性部材25Bと、板状に構成される一つの第三耐クリープ性部材25Cと、板状に構成される一つの第四耐クリープ性部材25Dと、を含む。なお、第二耐クリープ性部材25B、第三耐クリープ性部材25C及び第四耐クリープ性部材25Dは、省略してもよい。
【0084】
各第一耐クリープ性部材25Aは、円筒状に構成されるが、この形状に限定されず、多角筒状その他の形状により構成され得る。複数の第一耐クリープ性部材25Aは、外周面の一部同士が接合部26によって接合されている。
【0085】
二つの第二耐クリープ性部材25Bは、並設された複数の第一耐クリープ性部材25Aのうち、最も外側に位置する第一耐クリープ性部材25Aに、接合部26によって接合される。また、各第二耐クリープ性部材25Bは、第三耐クリープ性部材25Cの端部及び第四耐クリープ性部材25Dの端部に、接合部26によって接合される。
【0086】
第三耐クリープ性部材25Cは、各第一耐クリープ性部材25Aの上部に接合部26を介して接合されている。第四耐クリープ性部材25Dは、各第一耐クリープ性部材25Aの下部に接合部26を介して接合されている。
【0087】
各耐クリープ性部材25A~25Dが接合された状態において、各第一耐クリープ性部材25Aは、中空状に構成される支持部材8の内部でリブとして機能する。
【0088】
以上説明した本実施形態に係るガラス物品の製造装置1によれば、温度調整部材7を支持する支持部材8を1200℃におけるクリープ速度が2×10-3h-1以下の材料からなる耐クリープ性部材25によって構成することで、この支持部材8のクリープ変形を長期にわたって抑制することができる。これにより、支持部材8と温度調整部材7との間に隙間が形成されるのを防止できる。このため、製造装置1は、金属製の支持部材を使用した場合と比較して、ガラスリボンGRの温度調整を長期にわたって精度良く行うことができる。したがって、高品質のガラス物品を長期にわたり製造することが可能となる。
【0089】
図14乃至
図16は、本発明の他の実施形態を示す。本実施形態に係るガラス物品の製造装置1は、支持部材8の下面を覆う防風部材29を備える。防風部材29は、金属板で構成される構造体30を備える。
【0090】
本実施形態に係る防風部材29の構造体30は、一枚の金属板により構成されるが、この構成に限定されるものではない。防風部材29の構造体30は、複数枚の金属板を積層した積層体により構成されてもよい。この構造体30に用いられる金属板は、例えばニッケル基合金、ステンレス鋼等の金属により構成される。これに限らず、構造体30は、窒化ケイ素系、アルミナ系等のセラミックスにより構成されてもよい。
【0091】
図15に示すように、構造体30は、その長手方向の一端部及び他端部がケーシング4に支持されている。
【0092】
製造装置1におけるケーシング4の内部では、徐冷炉3から成形炉2に向かう上昇気流が発生する。この上昇気流が支持部材8に接触することで、支持部材8を急冷し、熱衝撃によって支持部材8を破損させるおそれがある。本実施形態では、支持部材8の下面を防風部材29によって覆うことで、上昇気流による支持部材8の破損を防止することができる。
【0093】
図17及び
図18は、本発明の他の実施形態を示す。本実施形態に係るガラス物品の製造装置では、防風部材の構成が
図14乃至
図16の実施形態と異なる。防風部材29は、中空状の金属板により構成される構造体30を備える。構造体30は、この構成に限らず、複数の金属板を溶接することにより中空状に構成されてもよい。
【0094】
図19は、本発明の他の実施形態を示す。本実施形態に係るガラス物品の製造装置では、防風部材の構成が
図17及び
図18の実施形態と異なる。防風部材29は、金属板により構成される構造体30の他、耐熱繊維で構成される耐熱繊維層31を備える。耐熱繊維層31は、例えばアルミナ系、シリカ系等の断熱ウールにより構成される。
【0095】
耐熱繊維層31は、構造体30がクリープ変形した場合に、この構造体30と支持部材8との間に隙間が発生しないように、構造体30の上面と支持部材8の下面との間に配置されている。
【0096】
図20は、本発明の他の実施形態を示す。本実施形態に係るガラス物品の製造装置では、防風部材の構成が
図19の実施形態と異なる。防風部材29は、一枚の金属板に曲げ加工を施すことにより、または、複数の金属板を溶接することにより構成される構造体30を備える。
【0097】
防風部材29の構造体30は、支持部材8の下面を被覆する板状の第一被覆部32と、最も内側(空間27側)に位置する耐クリープ性部材25の側部を被覆する板状の第二被覆部33と、を備える。防風部材29は、
図19の実施形態と同様に、支持部材8と構造体30との間に耐熱繊維層31を備える。
【0098】
図21は、本発明の他の実施形態を示す。本実施形態に係るガラス物品の製造装置では、防風部材の構成が
図19の実施形態と異なる。防風部材29は、複数の金属板を溶接すること等により構成される構造体30を有する。防風部材29の構造体30は、支持部材8下面を被覆する板状の第一被覆部32と、第一被覆部32の下方に位置する板状の第二被覆部33と、第一被覆部32と第二被覆部33とを連結する板状の連結部34(リブ)と、を備える。
【0099】
防風部材29における構造体30は、第一被覆部32と第二被覆部33の二重構造により、支持部材8を徐冷炉3からの上昇気流から好適に保護することができる。また、防風部材29の構造体30は、金属板により構成される複数の連結部34によって第一被覆部32と第二被覆部33とを連結することで補強されており、変形し難い構造となっている。
【0100】
図22は、本発明の他の実施形態を示す。本実施形態に係るガラス物品の製造装置では、防風部材の構成が
図19の実施形態と異なる。防風部材29の構造体30は、中空状の金属板により構成され、支持部材8の下面のうちでガラスリボンGRが通過可能な空間27の周辺領域を被覆する。防風部材29の耐熱繊維層31は、その一端部31aがケーシング4に支持されており、その他端部31bが構造体30に支持されている。本実施形態に係る防風部材29の構造は、
図16乃至
図21の各実施形態にも適用することができる。
【0101】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0102】
上記の実施形態では、オーバーフローダウンドロー法により、ガラスリボンGRを製造する例を示したが、これに限定されない。本発明は、スロットダウンドロー法によってガラスリボンGRを製造する場合にも適用可能である。
【0103】
上記の実施形態では、温度調整部材7の下方に設けられたエッジローラ9を示したが、本発明は、この構成に限定されるものではない。エッジローラ9は、温度調整部材7の上方に設けられてもよい。或いは、エッジローラ9は、温度調整部材7や支持部材8の側方に設けられてもよい。
【0104】
温度調整部材7及び支持部材8は、徐冷炉3内に配置されてもよい。また、温度調整部材7及び支持部材8は、成形体5の近傍に配置され、溶融ガラスGMの温度を調整するために使用されてもよい。
【0105】
上記の実施形態では、耐クリープ性部材25における長手方向の各端部は、ケーシング4まで伸び、ケーシング4に支持されているが、本発明は、この構成に限定されるものではない。例えば、温度調整部材7の長さL2に対して耐クリープ性部材25の長さL1がL2≦L1を満足すれば(温度調整部材7の長手方向の全長を耐クリープ性部材25が支持すれば)、耐クリープ性部材25の長手方向の各端部がケーシング4の内側に位置してもよい。この場合、支持部材8は、耐クリープ性部材25の長手方向の各端部を支持する端部支持部材を備えてもよい。この端部支持部材の第一端部は耐クリープ性部材25の長手方向の端部を支持し、端部支持部材の第二端部はケーシング4に支持される。端部支持部材の材質には、耐クリープ性部材25と同様のSiCセラミックスや、金属(例えばステンレス鋼)を採用できる。
【0106】
防風部材29が金属板で構成される構造体30を備える場合、構造体30の熱膨張による支持部材8等の破損を防止する観点から、構造体30が冷却機構を備えることが好ましい。冷却機構として、例えば冷却液や冷却ガスが流通する冷却配管を採用することができる。
【0107】
図17乃至
図19及び
図22に示すように中空状の金属板により構成される構造体30を用いる場合、冷却機構は、構造体30の内部に配置されることが好ましく、少なくとも、ガラスリボンGRと対向する部位を冷却することが好ましい。構造体30のうちでガラスリボンGRと対向する部位は、ガラスリボンGRからの熱によって高温となって熱膨張しやすく、冷却機構によって冷却すれば、支持部材8等の破損を防止する効果が顕著となる。また、冷却機構によってガラスリボンGRと対向する部位を冷却するのに伴ってガラスリボンGRも冷却することができる。冷却機構によってガラスリボンGRと対向する部位と共にガラスリボンGRを冷却する場合、ガラスリボンGRの徐冷点を上回る温度域に防風部材29を配置することが好ましい。
【符号の説明】
【0108】
1 ガラス物品の製造装置
2 成形炉
3 徐冷炉
7 温度調整部材
8 支持部材
25 耐クリープ性部材
25a 縦壁部(リブ)
25b 縦壁部(リブ)
29 防風部材
30 構造体
31 耐熱繊維層
GM 溶融ガラス
GR ガラスリボン