IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

<>
  • -アピキサバンを含有する錠剤 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-03-12
(45)【発行日】2026-03-23
(54)【発明の名称】アピキサバンを含有する錠剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/437 20060101AFI20260313BHJP
   A61K 9/28 20060101ALI20260313BHJP
   A61P 7/02 20060101ALI20260313BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20260313BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20260313BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20260313BHJP
   A61K 47/20 20060101ALI20260313BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20260313BHJP
【FI】
A61K31/437
A61K9/28
A61P7/02
A61K47/26
A61K47/38
A61K47/32
A61K47/20
A61K47/12
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022173796
(22)【出願日】2022-10-12
(65)【公開番号】P2024057549
(43)【公開日】2024-04-24
【審査請求日】2025-05-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】306020438
【氏名又は名称】日本ジェネリック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】弁理士法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】脇山 尚樹
(72)【発明者】
【氏名】打出 利哉
(72)【発明者】
【氏名】苅谷(菅原) 有希
【審査官】佐々木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特許第5846647(JP,B2)
【文献】特開2022-112698(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0022008(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0358215(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0272891(US,A1)
【文献】国際公開第2021/095048(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00
A61K 9/00
A61K 47/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
素錠部とフィルムコーティング部とを有する錠剤であって、
素錠部が、
粒子径D90が100μmより大きく、かつ200μmより小さく、粒子径D50が3μmより大きく、かつ10μmより小さく、粒子径D10が0.3μmより大きく、かつ5μmより小さいアピキサバンを含有してなる錠剤。
【請求項2】
素錠部が、乳糖、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムを含有してなる、請求項1に記載の錠剤。
【請求項3】
粒子径D90が100μmより大きく、かつ200μmより小さく、粒子径D50が3μmより大きく、かつ10μmより小さく、粒子径D10が0.3μmより大きく、かつ5μmより小さいアピキサバンを含有してなる錠剤の製造方法であって、粒子径D90の大きいアピキサバンと粒子径D90の小さいアピキサバンとを混合し、アピキサバンの粒子径を調整する工程を含み、
ここで、錠剤は、素錠部とフィルムコーティング部とを有する、錠剤の製造方法。
【請求項4】
素錠部が、乳糖、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムを含有してなる、請求項3に記載の錠剤の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子径D90が89μmより大きく、かつ粒子径D50が20μmより小さいアピキサバンを含有してなる錠剤に関する。
【背景技術】
【0002】
アピキサバンは、化学名4,5,6,7-テトラヒドロ-1-(4-メトキシフェニル)-7-オキソ-6-[4-(2-オキソ-1-ピペリジニル)フェニル]-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-カルボキサミドであり、アピキサバンを有効成分とする錠剤は、経口FXa阻害剤であることが知られており、エリキュース(登録商標)錠2.5mg/5mgとして販売されている(非特許文献1)。
【0003】
効能・効果は「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」及び「静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制」であり、用法・用量は、非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制の効能効果においては、「通常、成人にはアピキサバンとして1回5mgを1日2回経口投与する。なお、年齢、体重、腎機能に応じて、アピキサバンとして1回2.5mg 1日2回投与へ減量する。」であり、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制の効能効果においては、「通常、成人にはアピキサバンとして1回10mgを1日2回、7日間経口投与した後、1回5mgを1日2回経口投与する。」である薬剤である。
【0004】
特許文献1には、結晶形の粒子であるアピキサバン及び医薬的に許容される希釈剤又は担体を含み、各アピキサバン粒子は、レーザー光散乱法によって測定されると、89μmと同等またはそれ以下のD90を有するものである、錠剤またはカプセル剤に関する発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許5846647号公報
【非特許文献】
【0006】
【文献】添付文書「エリキュース錠2.5mg/5mg」、2022年7月改訂(第4版)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、粒子径D90が89μmより大きく、かつ粒子径D50が20μmより小さいアピキサバンを含有してなる錠剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の発明者らは、粒子径の大きいアピキサバンを使用しても、溶出性が改善することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、
(1)粒子径D90が89μmより大きく、かつ粒子径D50が20μmより小さいアピキサバンを含有してなる錠剤、
(2)さらに、粒子径D10が10μmより小さいアピキサバンである、前記(1)に記載の錠剤、
(3)粒子径D90が89μmより大きく、かつ粒子径D50が20μmより小さいアピキサバンを含有してなる錠剤の製造方法であって、粒子径D90の大きいアピキサバンと粒子径D90の小さいアピキサバンとを混合し、アピキサバンの粒子径を調整する工程を含む、錠剤の製造方法、
(4)さらに、粒子径D10が10μmより小さいアピキサバンである、前記(3)に記載の錠剤の製造方法、
に関するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、粒子径D90が89μmより大きく、かつ粒子径D50が20μmより小さいアピキサバンを含有してなる錠剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1、比較例1の錠剤並びに先発製剤における経時的なアピキサバンの溶出プロファイルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書における「溶出性の改善」とは、市販製剤と同等もしくはそれ以上の溶出率を担保することを意味する。本発明の錠剤からのアピキサバンの溶出性は、例えば、日本薬局方に記載されている溶出試験法により評価することができる。具体的には、例えば、パドル法毎分50回転で溶出試験を行うとき、pH1.2の溶出試験液中におけるアピキサバンの溶出率が、溶出試験開始後30分で70%以上、かつ溶出試験開始後60分で80%以上と規定する。
【0013】
本明細書におけるD90とは、レーザー回折法により測定した体積基準の粒子径をいう。原理的には、一定体積の粒子を小さいものから順に篩分けし、その90%体積に当たる粒子が分別された時点での粒子径を意味する。
【0014】
本明細書におけるD50とは、レーザー回折法により測定した体積基準の粒子径をいう。原理的には、一定体積の粒子を小さいものから順に篩分けし、その50%体積に当たる粒子が分別された時点での粒子径を意味する。
【0015】
本明細書におけるD10とは、レーザー回折法により測定した体積基準の粒子径をいう。原理的には、一定体積の粒子を小さいものから順に篩分けし、その10%体積に当たる粒子が分別された時点での粒子径を意味する。
【0016】
本明細書におけるモード径とは、レーザー回折法により測定した体積基準の粒子径をいう。原理的には、一定体積の粒子を小さいものから順に篩分けし、その分布の極大値を意味する。
【0017】
本明細書におけるアピキサバン粒度調整品とは、D90が89μmより大きく、粒子径D50が20μmより小さいアピキサバンを意味する。アピキサバン粒度調整品はD90が89μmより大きいアピキサバンと、D90が89μmより小さいアピキサバンとを混合することで得られる。
【0018】
以下に、本発明のアピキサバンを含有する錠剤に関して説明する。
【0019】
本発明に用いられるアピキサバンは、例えば、国際公開第2006/13542号、国際公開第2007/001385号に記載された方法に従って製造され得る。アピキサバンの形態は、結晶状態、非晶質状態のいずれでも使用することができる。
【0020】
本発明に用いられるアピキサバンの配合量は、医薬品製剤としての用量を構成する製剤中のアピキサバン量であれば、特に制限されない。例えば、製剤全量あたり、ある態様として0.5~50重量%であり、ある態様として1~30重量%であり、ある態様として2~15重量%である。
【0021】
本発明に用いられるアピキサバンのD90は、粒子径の大きいアピキサバンを含有する錠剤の溶出性の改善の観点から、ある態様として89μmより大きく、ある態様として、94μmより大きく、ある態様として、100μmより大きい。
本発明に用いられるアピキサバンのD90は、錠剤中の原薬均一性の観点から、ある態様として、300μmより小さく、ある態様として、250μmより小さく、ある態様として、200μmより小さい。
【0022】
本発明に用いられるアピキサバンのD50は、アピキサバンを含有する錠剤の製造性の観点から、ある態様として1μmより大きく、ある態様として、2μmより大きく、ある態様として、3μmより大きい。
本発明に用いられるアピキサバンのD50は、アピキサバンを含有する錠剤の溶出性の改善の観点から、ある態様として20μmより小さく、ある態様として、15μmより小さく、ある態様として、10μmより小さい。
【0023】
本発明に用いられるアピキサバンのD10は、アピキサバンを含有する錠剤の製造性の観点から、ある態様として0.1μmより大きく、ある態様として、0.2μmより大きく、ある態様として、0.3μmより大きい。
本発明に用いられるアピキサバンのD10は、アピキサバンを含有する錠剤の溶出性改善の観点から、ある態様として、10μmより小さく、ある態様として、8μmより小さく、ある態様として、5μmより小さい。
【0024】
本発明に用いられるアピキサバンのモード径は、アピキサバンを含有する錠剤の製造性の観点から、ある態様として1μmより大きく、ある態様として、2μmより大きく、ある態様として、3μmより大きい。
本発明に用いられるアピキサバンのモード径は、アピキサバンを含有する錠剤の溶出性改善の観点から、ある態様として、50μmより小さく、ある態様として、30μmより小さく、ある態様として、15μmより小さい。
【0025】
本発明の錠剤には、必要に応じて、更に医薬品添加物を配合することができる。具体的には、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、コーティング剤、酸味料、発泡剤、甘味剤、香料、着色剤、緩衝剤、抗酸化剤等が挙げられる。
【0026】
賦形剤としては、例えば、D-マンニトール、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、トレハロース、イソマルト、無水リン酸水素カルシウム、D-ソルビトール、乳糖、白糖、デンプン、アルファ化デンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、アラビアゴム、デキストリン、プルラン等が挙げられる。
【0027】
結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロース、結晶セルロース等が挙げられる。
【0028】
崩壊剤としては、例えば、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、結晶セルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルスターチ、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、アルファ化デンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
【0029】
界面活性剤としては、例えば、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0030】
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、フマル酸ステアリルナトリウム、硬化油、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0031】
流動化剤としては、例えば、軽質無水ケイ酸、タルク等が挙げられる。
【0032】
コーティング剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ポリエチレングリコール、モノステアリン酸グリセリン、酸化チタン、タルク等が挙げられる。
【0033】
酸味料としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸等が挙げられる。
【0034】
発泡剤としては、例えば、重曹等が挙げられる。
【0035】
甘味剤としては、例えば、スクラロース、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビア、ソーマチン等が挙げられる。
【0036】
香料としては、例えば、レモン、レモンライム、オレンジ、メントール等が挙げられる。
【0037】
着色剤としては、例えば、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、食用黄色4号、食用黄色5号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用青色3号等が挙げられる。
【0038】
緩衝剤としては、例えば、クエン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、アスコルビン酸又はその塩類、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、アスパラギン酸、アラニン、アルギニン又はその塩類、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、リン酸、ホウ酸又はその塩類等が挙げられる。
【0039】
抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル等が挙げられる。
【0040】
本発明の錠剤には、本発明の所望の効果が達成される範囲で更なる各種医薬品添加物が適宜使用される。
本発明の錠剤に配合される上記更なる各種医薬品添加物は、適宜組合せることができる。
【0041】
配合量は、本発明の所望の効果の達成に影響を与えない量であれば特に制限されない。
【0042】
本発明のアピキサバンを含む錠剤には、口腔内崩壊錠も含まれ、素錠、フィルムコーティング錠であってもよい。
【0043】
本発明の錠剤は、通常の錠剤製造方法により製造することが可能である。より具体的には、例えば、粒子径D90の大きいアピキサバンと粒子径D90の小さいアピキサバンとを混合しアピキサバン粒度調整品を得る。該アピキサバン粒度調整品、賦形剤、崩壊剤及び流動化剤を混合し、滑沢剤を添加して混合し、打錠用末を得る。
【0044】
またある様態では、アピキサバン粒度調整品、賦形剤、崩壊剤及び流動化剤を混合し、乾式造粒機により圧縮し、得られた造粒品を整粒する。得られる整粒品に、崩壊剤、滑沢剤を添加し、混合することで打錠用末が得られる。
【0045】
またある様態では、アピキサバン粒度調整品、賦形剤を流動層造粒機に投入して、精製水に結合剤を溶解させ、必要に応じて色素を分散させた結合剤溶液を噴霧し、造粒・乾燥する。アピキサバン、賦形剤及び結合剤を流動層造粒機に投入して、精製水を噴霧し、造粒・乾燥することもできる。乾燥終了後、整粒機を用いて整粒し、得られる整粒品に、崩壊剤、滑沢剤を添加し、混合することで打錠用末が得られる。
【0046】
またある様態では、アピキサバン粒度調整品、賦形剤を撹拌造粒機に投入して、精製水に結合剤を溶解させ、必要に応じて色素を分散させた結合剤溶液を噴霧し、造粒・乾燥する。アピキサバン、賦形剤及び結合剤を撹拌造粒機に投入して、精製水を噴霧し、造粒・乾燥することもできる。乾燥終了後、整粒機を用いて整粒し、得られる整粒品に、崩壊剤、滑沢剤を添加し、混合することで打錠用末が得られる。
【0047】
得られた打錠用末を打錠機で製錠し、素錠を得る。製錠の際に、外部滑沢装置を用いて滑沢剤を噴霧しながら打錠してもよい。必要に応じて、素錠にフィルムコーティング液を噴霧し、フィルムコーティングを行う。
【実施例
【0048】
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
【0049】
<参考例1>(アピキサバン粒度調整品の調整)
アピキサバン未粉砕品を卓上粉砕機(ホソカワミクロン製;ピコライン[使用モジュール:ピコジェット(流動層型対流式ジェットミル、40AFG)])を用いて粉砕し、アピキサバン粉砕品を得た。アピキサバン未粉砕品を目開き106μmの篩を用いて篩分けを実施し、得られた106μm On品をアピキサバン(106μm On品)とし、アピキサバン自社粉砕品とアピキサバン(106μm On品)を85:15の割合で混合し、アピキサバン粒度調整品を得た。
【実施例1】
【0050】
アピキサバン粒度調整品1g、乳糖水和物(フロイント産業製;ダイラクトーズR)28.6g、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ製;セオラスUF-702)6g、クロスカルメロースナトリウム(Dupont製;Ac-Di-Sol)2g、ポビドン(Ashland製;K-30)1.8g、ラウリル硫酸ナトリウム(日光ケミカルズ製;SLS-P)0.4gを混合し、一次混合品とした。一次混合品45.8gと篩850μm(目開き)で篩過したステアリン酸マグネシウム0.2gとを混合し、打錠用混合品とした。打錠用混合品を小型ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VEL5)を用いて打錠し、錠剤質量200mg、長径10mm、短径5mmの素錠を得た。得られた素錠について錠剤コーティング機(パウレック製:DRC-300)を用いて、ヒプロメロース(信越化学工業製;TC-5R)、マクロゴール6000(三洋化成工業製;マクロゴール6000)、酸化チタン(東邦チタニウム製;NA-61)、タルク(松村産業製;クラウンタルク局方PP)から成るフィルムコート液を均一に噴霧した後に乾燥し、カルナウバロウ(フロイント産業製;ポリシングワックス105)で艶出しすることで、表1に記載の錠剤質量208mgのフィルムコーティング錠を得た。
【0051】
<比較例1>
アピキサバン粒度調整品に代えてアピキサバン未粉砕品を使用し、その他は実施例1と同じ製造方法で表1に記載の錠剤質量208mgのフィルムコーティング錠を得た。
【0052】
【表1】
【0053】
<試験例1 アピキサバン粒子径の測定>
アピキサバン未粉砕品、アピキサバン粉砕品及びアピキサバン粒度調整品をレーザー回折式粒度分布測定装置(スペクトリス製;Mastersizer3000)で乾式測定(分散圧:2bar)にて評価した。その結果を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】
<試験例2 溶出試験>
実施例1、比較例1及び先発製剤について、第十八改正日本薬局方の溶出試験法に準じて、溶出試験を行った。錠剤の溶解は溶出試験器(富山産業製)においてパドル法にて50rpm、pH1.2緩衝液(溶出試験第1液)900mL中で行った。試験開始から120分後まで経時的にサンプルを20mL抜き取り、孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、ろ液について液体クロマトグラフィーにより溶出率を算出した。アピキサバンの紫外吸光度は280nmにて測定した。試験結果を表3及び図1に示す。
【0056】
【表3】
【0057】
比較例1(アピキサバン未粉砕品を含む錠剤)は溶解速度が遅く溶出率が全体的に低かった。一方、実施例1(アピキサバン未粉砕品とアピキサバン自社粉砕品とを混合して粒子径を調整し、アピキサバンの粒子径D90が89μmより大きく、D50が20μmより小さいアピキサバンを含む錠剤)では、先発製剤と同程度の溶解速度と溶出率であった。
図1