(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-03-12
(45)【発行日】2026-03-23
(54)【発明の名称】回路基板、半導体装置及び電子モジュール
(51)【国際特許分類】
H10W 70/62 20260101AFI20260313BHJP
H10W 70/68 20260101ALI20260313BHJP
H10W 70/00 20260101ALI20260313BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20260313BHJP
【FI】
H10W70/62
H10W70/68 200
H10W70/00 K
H05K1/02 J
(21)【出願番号】P 2024537262
(86)(22)【出願日】2023-07-28
(86)【国際出願番号】 JP2023027770
(87)【国際公開番号】W WO2024024945
(87)【国際公開日】2024-02-01
【審査請求日】2025-01-10
(31)【優先権主張番号】P 2022121583
(32)【優先日】2022-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】戸田 芳宏
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 健
【審査官】北原 昂
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0003788(US,A1)
【文献】特開2018-032704(JP,A)
【文献】特開2009-111658(JP,A)
【文献】特開2020-088139(JP,A)
【文献】特開2012-114345(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10W 70/62
H10W 70/68
H10W 70/00
H05K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と前記第1面の反対側に位置する第2面とを有する絶縁基体と、
前記第1面に位置しかつ
半導体集積回路である電子部品が搭載される第1領域と、
前記第1面における前記第1領域よりも外側に位置しかつ前記第1領域と間隔を開けて位置する第2領域と、
前記第1面における前記第1領域と前記第2領域との間に位置する第3領域と、
前記第2領域に位置しかつ前記電子部品に電気的に接続される第1電極と、
前記第2面に位置しかつ外部の部品に電気的に接続される第2電極と、
前記第1面から前記第2面にわたって位置しかつ前記第1電極と前記第2電極とを電気的に接続する複数の層間ビア導体と、
を備え、
平面視において前記第2電極が前記第2領域よりも内側に位置
し、
前記第1電極は、前記電子部品の端子と配線接続されるパッド部と、平面視における前記パッド部と異なる箇所に位置し層間ビア導体に接続されるコンタクト部とを有し、
前記パッド部は前記コンタクト部よりも前記第1面の縁の近くに位置する、
回路基板。
【請求項2】
平面視において前記第2電極が前記第3領域に位置する、
請求項1記載の回路基板。
【請求項3】
前記複数の層間ビア導体のうち、平面視で前記第2領域と重なる層間ビア導体の数が、前記第2面に近づくに従って減少し、
前記複数の層間ビア導体のうち、平面視で前記第1領域又は前記第3領域と重なる層間ビア導体の数が、前記第2面に近づくに従って増加する、
請求項1記載の回路基板。
【請求項4】
前記複数の層間ビア導体のうち、平面視で前記第2領域と重なる層間ビア導体の数が、前記第2面に近づくに従って減少し、
前記複数の層間ビア導体のうち、平面視で前記第3領域と重なる層間ビア導体の数が、前記第2面に近づくに従って増加する、
請求項2記載の回路基板。
【請求項5】
平面視において前記第1領域に重な
り、前記第1領域において均一に分布した複数のビア導体を有し、
前記複数のビア導体の各々は、接地導体に接続される構成、または前記第1電極から絶縁される構成の、少なくとも一方である、
請求項1記載の回路基板。
【請求項6】
前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方は、薄膜導体である、
請求項1記載の回路基板。
【請求項7】
請求項1記載の回路基板と、
前記第1領域に搭載された半導体集積回路と、
を備える半導体装置。
【請求項8】
前記回路基板を装着可能なコネクタ部品を更に備える、
請求項7記載の半導体装置。
【請求項9】
請求項7記載の半導体装置と、
前記半導体装置が搭載されたモジュール用基板と、
を備える電子モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回路基板、半導体装置及び電子モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2001-15930号公報には、第1の基板面に位置する電極と、第2の基板面に位置する電極と、第1の基板面の電極と第2の基板面と電極とを電気的に接続する内部導体とを有する回路基板が示されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示に係る回路基板は、
第1面と前記第1面の反対側に位置する第2面とを有する絶縁基体と、
前記第1面に位置しかつ半導体集積回路である電子部品が搭載される第1領域と、
前記第1面における前記第1領域よりも外側に位置しかつ前記第1領域と間隔を開けて位置する第2領域と、
前記第1面における前記第1領域と前記第2領域との間に位置する第3領域と、
前記第2領域に位置しかつ前記電子部品に電気的に接続される第1電極と、
前記第2面に位置しかつ外部の部品に電気的に接続される第2電極と、
前記第1面から前記第2面にわたって位置しかつ前記第1電極と前記第2電極とを電気的に接続する複数の層間ビア導体と、
を備え、
平面視において前記第2電極が前記第2領域よりも内側に位置し、
前記第1電極は、前記電子部品の端子と配線接続されるパッド部と、平面視における前記パッド部と異なる箇所に位置し層間ビア導体に接続されるコンタクト部と、を有し、
前記パッド部は前記コンタクト部よりも前記第1面の縁の近くに位置する。
【0004】
本開示に係る半導体装置は、
上記の回路基板と、
前記第1領域に搭載された半導体集積回路と、
を備える。
【0005】
本開示に係る電子モジュールは、
上記の半導体装置と、
前記半導体装置が搭載されたモジュール用基板と、
を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】本開示の実施形態1の回路基板及び半導体装置を示す平面図である。
【
図1B】本開示の実施形態1の回路基板及び半導体装置を示す側面図である。
【
図1C】本開示の実施形態1の回路基板及び半導体装置を示す裏面図である。
【
図2A】実施形態1の回路基板を示す平面図である。
【
図2B】実施形態1の回路基板を示す裏面図である。
【
図2C】実施形態1の回路基板を示す平面透視図である。
【
図3A】回路基板の電極部分の詳細を示すもので第1電極の拡大図である。
【
図3B】回路基板の電極部分の詳細を示すもので第2電極の拡大図である。
【
図6A】
図4Bの一部分C3を側方から透視した断面図である。
【
図7A】本開示の実施形態2の回路基板を示す平面図である。
【
図7B】本開示の実施形態2の回路基板を示す裏面図である。
【
図7C】本開示の実施形態2の回路基板を示す平面透視図である。
【
図8A】本開示の実施形態3の回路基板を示す平面図である。
【
図8B】本開示の実施形態3の回路基板を示す裏面図である。
【
図8C】本開示の実施形態3の回路基板を示す平面透視図である。
【
図9A】本開示の実施形態4の回路基板を示す平面図である。
【
図9B】本開示の実施形態4の回路基板を示す裏面図である。
【
図9C】本開示の実施形態4の回路基板を示す平面透視図である。
【
図10A】実施形態4の回路基板の第1面の平面図である。
【
図10B】実施形態4の回路基板の第1断面図である。
【
図10C】実施形態4の回路基板の第2断面図である。
【
図11A】実施形態4の回路基板の第3断面図である。
【
図11B】実施形態4の回路基板の第4断面図である。
【
図11C】実施形態4の回路基板の第2面の平面図である。
【
図12】本開示の実施形態に係る半導体装置及び電子モジュールを示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の各実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0008】
(実施形態1)
図1A~
図1Cはそれぞれ、本開示の実施形態1の回路基板及び半導体装置を示す平面図、側面図及び裏面図である。
【0009】
本開示の実施形態に係る半導体装置60は、回路基板10と、回路基板10に搭載された電子部品63とを備える。
【0010】
電子部品63は、半導体集積回路であってもよい。電子部品63は、平面視において対角線の長さが1インチ以上、4インチ以上、或いは、8インチ以上の大型の半導体集積回路であってもよい。
【0011】
本開示の実施形態1に係る回路基板10は、第1面11と当該第1面11の反対側に位置する第2面12とを有する絶縁基体14を備える。絶縁基体14は、電子部品63を搭載する第1領域31を第1面11に有する。
図1Aにおいて、第1領域31の外枠A31を一点鎖線で示す。第1領域31は、平面視において電子部品63と重なる領域を意味してもよい。平面視とは、第1面11に垂直な方向から透視することを意味する。絶縁基体14は、板状であってもよい。
【0012】
絶縁基体14は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体(例えばアルミナセラミックス)、窒化アルミニウム質焼結体、窒化珪素質焼結体、ムライト質焼結体またはガラスセラミックス焼結体等のセラミックスを用いることができる。絶縁基体14は、例えば酸化アルミニウム質焼結体である場合であれば、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化珪素(SiO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)等の原料粉末に適当な有機バインダーおよび溶剤等を添加混合して泥漿物を作製する。この泥漿物を、従来周知のドクターブレード法またはカレンダーロール法等を採用してシート状に成形することによってセラミックグリーンシートを作製する。次に、このセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともに、セラミックグリーンシートを複数枚積層して生成形体を形成し、この生成形体を高温(例えば約1600℃)で焼成することによって絶縁基体14が製作される。
【0013】
回路基板10は、さらに、第1面11に位置する第1電極21を有する。回路基板10は、複数の第1電極21を有し、複数の第1電極21が第1領域31の縁に沿って第1領域31の全周にわたって並んでいてもよい。第1電極21は、例えばボンディングワイヤーなどの導線を介して電子部品63の端子と電気的に接続されていてもよい。電子部品63の端子は、電子部品63の上面に位置してもよい。
【0014】
回路基板10は、さらに、第2面12に位置する第2電極22を有する。回路基板10は、複数の第2電極22を有し、平面視において、複数の第2電極22が第1領域31の縁に沿って第1領域31の全周にわたって並んでいてもよい。第2電極22は、外部の部品(例えばコネクタ部品)に接続される電極であってもよい。第2電極22には、外部の部品に接続されるピン端子65が接合されていてもよい。
【0015】
第1電極21及び第2電極22は、薄膜導体であってもよい。薄膜導体であることで、第1電極21及び第2電極22の微細化が図れ、第1電極21及び第2電極22の密度を高くすることができる。したがって、多数の第1電極21及び多数の第2電極22を要する場合でも、第1電極21及び第2電極22が位置する領域の面積を小さくできる。よって、回路基板10の面積の削減を図ることができる。なお、第1電極21及び第2電極22の一方のみが、薄膜導体であってもよい。
【0016】
薄膜導体である第1電極21及び第2電極22は、次のような方法で製造されてもよい。まず、絶縁基体14の第1面11及び第2面12に樹脂膜を形成する。樹脂膜は、例えばポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂、シロキサン変性ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂、BCB(ベンゾシクロブテン)樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリキノリン樹脂およびフッ素樹脂等の絶縁樹脂から適宜選択された材料からなるものである。上記樹脂からなる20μm~50μm程度のシートの下面に、シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂、シロキサン変性ポリイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂またはエポキシ樹脂等の樹脂接着剤を乾燥厚みで5μm~20μm程度にドクターブレード法等の塗布法にて塗布して乾燥させることで接着剤層を形成し、これを絶縁基体14の第1面11及び第2面12に重ねて加熱プレスすることで絶縁基体14の第1面11上及び第2面12上に樹脂膜を形成できる。
【0017】
次にRIE(リアクティブ イオン エッチング)法やレーザー法もしくはこれらを組み合わせる等で、樹脂膜の第1電極21及び第2電極22に対応する部分に樹脂貫通孔を形成後、上面からおよび下面からスパッタリング法等の方法で密着層を絶縁基体14の露出面に形成する。密着層はチタン、クロムおよびモリブデン等の活性金属又は当該活性金属の少なくとも1種を例えば0.1~1μmの厚みで形成する。
【0018】
その後、絶縁基体14の表裏に主導体層を形成するためのめっきレジストを形成し、めっき法で銅、金、銀およびニッケル等の金属材料又は当該金属材料の少なくとも1種からなる主導体層を密着層上の必要部分に1~15μm被着させる。めっきレジストを剥離した後に必要に応じ再度保護層を形成するためのめっきレジストを形成し、めっき法でニッケルや金等の保護層を1~5μm形成する。保護層は、上記のようにニッケルおよび金等からなり、主導体層の酸化等を抑制する機能を有する。その後レジストを剥離してから、露出している密着層をエッチングで除去する。以上の方法で第1電極21及び第2電極22を形成することができる。
【0019】
あるいは、薄膜導体である第1電極21及び第2電極22は、例えば次のような方法で製造してもよい。まず、後述の内部導体24が形成された絶縁基体14の第1面11及び第2面12の全体に、例えばスパッタ法等の薄膜形成法を用いて、0.1~3μm程度のチタンやクロム等の接合金属層を形成する。次に、この接合金属層の全面に2~10μm程度の銅等の主導体層を形成して、導電性薄膜層を形成する。必要に応じて接合金属層と主導体層との間にバリア層等を形成してもよい。そして、フォトリソグラフィーにより導電性薄膜層をパターン加工することで第1電極21及び第2電極22を形成することができる。
【0020】
薄膜導体とは、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の薄膜形成法によって形成される50μm以下の厚みを有する導体を意味してもよい。第1電極21及び第2電極22は、例えば銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、クロム(Cr)またはチタン(Ti)等の金属材料の一種類または複数種類の金属からなるものとすることができる。例えば、クロム、チタンを下地金属層として銅を主導体層とする導体であってもよい。
【0021】
回路基板10は、さらに、絶縁基体14の内部に位置する内部導体24を有してもよい(
図6Aを参照)。内部導体24には、第1電極21と第2電極22とを電気的に接続する導体であってもよい。内部導体24は、第1電極21のいずれか、第2電極22のいずれか、又は、これら両方を接地電位に接続する導体であってもよい。絶縁基体14は複数の絶縁層を含んだ多層構造を有し、内部導体24は絶縁基体14の任意な絶縁層の一方の面からもう一方の面にわたって延びる層間ビア導体24aと、隣接する一対の絶縁層間に位置する膜状導体24bとを含んでもよい。そして、層間ビア導体24aと膜状導体24bとが繋がって内部導体24が構成されてもよい。
【0022】
内部導体24は、例えばタングステン(W)、モリブデン(Mo)、マンガン(Mn)、銀(Ag)または銅(Cu)等を主成分とする金属粉末メタライズであってもよい。例えば、絶縁基体14が酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、W、MoまたはMn等の高融点金属粉末に適当な有機バインダーおよび溶媒等を添加混合して得たメタライズペーストを、絶縁基体14用のセラミックグリーンシートに予めスクリーン印刷法によって所定のパターンに印刷塗布して、絶縁基体14用のセラミックグリーンシートと同時に焼成することによって、絶縁基体14の所定位置に被着形成される。膜状導体24bは、例えば、絶縁基体14用のセラミックグリーンシートに膜状導体24b用のメタライズペーストをスクリーン印刷法等の印刷手段によって印刷塗布し、絶縁基体14用のセラミックグリーンシートとともに焼成することによって形成される。また、層間ビア導体24aは、例えば、絶縁基体14用のセラミックグリーンシートに金型またはパンチングによる打ち抜き加工またはレーザー加工等の加工方法によって貫通孔を形成し、この貫通孔に層間ビア導体24a用のメタライズペーストを上記印刷手段によって充填しておき、絶縁基体14用のセラミックグリーンシートとともに焼成することによって形成される。メタライズペーストは、上述の金属粉末に適当な溶剤およびバインダーを加えて混練することによって、適度な粘度に調整して作製される。なお、絶縁基体14との接合強度を高めるために、ガラス粉末、セラミック粉末を含んでいても構わない。
【0023】
<第1電極21と第2電極22の詳細>
図2A~
図2Cはそれぞれ、実施形態1の回路基板を示す平面図、裏面図及び平面透視図である。
図3A及び
図3Bは、回路基板の電極部分の詳細を示すもので、
図3Aは第1電極の拡大図、
図3Bは第2電極の拡大図である。
【0024】
絶縁基体14の第1面11は、前述した第1領域31に加え、第1領域31よりも外側に位置しかつ第1領域31と間隔を開けて位置する第2領域32と、第1領域31と第2領域32との間に位置する第3領域33とを有してもよい。
図2A及び
図2Cにおいて、第1領域31の外枠A31と第2領域32の内枠A32とを一点鎖線で示す。第3領域33は、上記の外枠A31と内枠A32との間の領域を意味する。
【0025】
第1電極21は、第2領域32に位置してもよい。第2領域32と第1領域31との間に間隔があることで、電子部品63と第1電極21との間に間隔が設けられ、電子部品63(
図1Aを参照)の端子と第1電極21との配線接続が容易になる。
【0026】
一方、第2電極22は、平面視において、第2領域32よりも内側に位置してもよい(
図2Cを参照)。すなわち、第2電極22は、平面視において、第1領域31又は第3領域33に位置してもよい。第2電極22が第2領域32よりも内側に位置することで、第2電極22が拡がらず、回路基板10の面積(平面視したときの面積)の削減を図ることができる。
【0027】
さらに、平面視において、第1電極21と第2電極22とが内方と外方とに分かれた領域に位置するので、第1電極21と第2電極22とを接続する内部導体24(
図6Aを参照)が、平面視において第2領域32とその内側の領域とに分散する。したがって、内部導体24が、第2領域32、第1領域31又は第3領域33に集中する構成と比較して、回路基板10の第1面11及び第2面12の平坦性を向上できる。
【0028】
平坦性が向上する理由は、次の通りである。仮に、セラミックの一部の領域にメタライズによる複数の層間ビア導体24a(
図6Aを参照)を有する基板を作製した場合、セラミックと導体との熱収縮率に違いに起因して、焼成時の高温から常温に戻る際、層間ビア導体24aを有さない領域と複数の層間ビア導体24aが集中した領域とで収縮量の差が生じる。そして、上記の収縮量の差によって、基板の平坦性が劣化する。したがって、複数の層間ビア導体24aを分散させることで、基板の平坦性が向上する。
【0029】
なお、複数の第1電極21と複数の第2電極22とは、全てが上記のように配置されてもよい。当該構成により、第1面11及び第2面12の平坦性をより向上できる。また、複数の第1電極21の大半及び複数の第2電極22の大半が上記のように配置されてもよく、当該構成により、第1面11及び第2面12の平坦性が向上するという効果が奏される。大半とは、80%以上、90%以上、95%以上とすることができ、値が大きくなるほど上記の効果がより奏される。
【0030】
図1A~
図1C、
図2A~
図2Cに示した第1電極21及び第2電極22は、単純化して示しており、
図2Aの部分C1は、
図3Aに示すように複数の第1電極21を含んでいてもよい。個々の第1電極21は、ワイヤーボンディング等の配線接続が行われるパッド部21aと、層間ビア導体24aと接続されたコンタクト部21bと、パッド部21aとコンタクト部21bとを接続するリード部21cとを有してもよい。なお、リード部21cが省略され、パッド部21aの一部にコンタクト部21bが含まれていてもよい。パッド部21aはコンタクト部21bよりも第1面11の縁の近くに位置し、コンタクト部21bはパッド部21aよりも第1面11の中央の近くに位置してもよい。
【0031】
図2Bの部分C2は、
図3Bに示すように複数の第2電極22を有してもよい。複数の第2電極22は、複数行複数列に並んでいてもよい。個々の第2電極22は、
図2Bに示すように、パッド形状であり、パッド形状の一部の部分が層間ビア導体24a(
図6Aを参照)に接続された構成であってもよい。あるいは、図示を省略するが、個々の第2電極22は、パッド部と、層間ビア導体24aに接続されたコンタクト部と、パッド部とコンタクト部とを接続するリード部と、を有する構成であってもよい。
【0032】
【0033】
図6A及び
図6Bに示すように、内部導体24は、第1電極21に接続された層間ビア導体24a-1と、第2電極22に接続された層間ビア導体24a-2と、当該2つの層間ビア導体24a-1、24a-2の間に介在する膜状導体24bとを有してもよい。
図6Aに示すように、上記のように構成された内部導体24は、側方から見て、1ステップの階段形状を有する。
【0034】
図示を省略するが、複数の内部導体24には、側方から見て、複数ステップの階段形状を有する内部導体24が含まれてもよい。すなわち、当該内部導体24は、異なる高さ範囲に位置する3つ以上の層間ビア導体24aと、高さ方向において隣接する各対の層間ビア導体24aの間にそれぞれ介在する複数の膜状導体24bとを有してもよい。当該内部導体24は、側方から見て複数ステップの階段形状となる。
【0035】
さらに、
図6A及び
図6Bに示すように、複数の内部導体24には、第2電極22に接続される一方、第1電極21には接続されない内部導体24(
図6Aでは層間ビア導体24a-3)を有してもよい。当該内部導体24は、回路基板10に含まれる図示しない接地導体(例えばベタ導体等)に接続されていてもよい。また、図示を省略するが、複数の内部導体24には、第1電極21に接続される一方、第2電極22には接続されない内部導体24が含まれてもよい。当該内部導体24は、前述の接地導体に接続されていてもよい。
【0036】
上記のように階段形状を有する内部導体24は、水平方向における位置が、高さによって異なる。したがって、
図4Aの各断面線の高さにおいて層間ビア導体24aの個数を計数すると、各領域において層間ビア導体24aの個数は高さによって異なることとなる。
【0037】
図4B、
図4C、
図5A~
図5Cにおいて破線で示した複数のブロック41、42は、内部導体24の層間ビア導体24aの数を模式的に表わす。すなわち、
図4B、
図4C、
図5A~
図5Cは、複数のブロック41を枠状に結んだ領域に、複数のブロック41の面積に略比例した数の層間ビア導体24aが位置することを表わしている。同様に、
図4B、
図4C、
図5A~
図5Cは、複数のブロック42を枠状に結んだ領域に、複数のブロック42の面積に略比例した数の層間ビア導体24aが位置することを示している。
【0038】
実施形態1の回路基板10は、
図4B、
図4C、
図5A~
図5Cに示すように、平面視で、第2領域32と重なる層間ビア導体24aの数が、第2面12に近づくに従って減少してもよい。さらに、平面視で、第1領域31又は第3領域33と重なる層間ビア導体24aの数が、第2面12に近づくに従って増加してもよい。当該構成においては、層間ビア導体24aの分布が高さ方向において段階的に変化する。よって、層間ビア導体24aをより分散させることができ、層間ビア導体24aが集中することに起因して基板面の平坦性が劣化してしまうことをより低減できる。したがって、回路基板10の第1面11及び第2面12の平坦性をより向上できる。
【0039】
以上のように、実施形態1の回路基板10によれば、回路基板10の第1面11に電子部品63を搭載し、電子部品63と第1電極21とを配線接続(例えばワイヤーボンディング等)することで、電子部品63の信号線を回路基板10の第2面12側に配置できる。さらに、実施形態1の回路基板10によれば、前述したように、回路基板10の面積(具体的には平面視したときの面積)を削減でき、かつ、第1面11及び第2面12の平坦性を向上できる。平坦性の向上により、第1面11における電子部品63の接続の信頼性を向上でき、さらに、第2電極22を介した外部部品(例えばコネクタ部品)との接続の信頼性を向上できる。
【0040】
(実施形態2)
図7A~
図7Cはそれぞれ、本開示の実施形態2の回路基板を示す平面図、裏面図及び平面透視図である。実施形態2の回路基板10Aは、平面視において第1領域31の中央部と重なる範囲に第2電極22Aが位置する点が異なる他は、実施形態1と同様であってもよい。
【0041】
図7B及び
図7Cでは、第2電極22を模式的に表わしており、当該図において第2電極22Aと示された部位に、多数の微細な第2電極22Aが位置していてもよい。第2電極22Aは、内部導体24を介して第1電極21と電気的に接続されていてもよいし、複数の第2電極22Aの中には、第1電極21と電気的に接続されていない電極が含まれていてもよい。
【0042】
実施形態2の回路基板10Aにおいても、実施形態1の回路基板10と同様の効果が奏される。さらに、実施形態2の回路基板10Aによれば、外部の部品(例えばコネクタ部品など)と接続される複数の第2電極22、22Aが広い領域に位置するので、複数の第2電極22、22Aの個々の寸法を大きくすることができる。よって、外部の部品との接続の信頼性を向上できる。
【0043】
さらに、実施形態2の回路基板10Aにおいては、平面視において第1領域31の中央部と重なる範囲にも内部導体24の層間ビア導体24aが位置する。したがって、第1領域31の周辺部と、第2領域32とに加えて、第1領域31の中央部においても、層間ビア導体24aの分布の差を小さくすることができる。したがって、絶縁基体14と内部導体24との熱膨張率の差に起因する応力の均一化を図ることができ、回路基板10Aの第1面11及び第2面12の平坦性をより向上できる。よって、電子部品63の実装の信頼性の向上、並びに、第2電極22、22Aを介した外部部品(例えばコネクタ部品)との接続の信頼性を向上できる。
【0044】
(実施形態3)
図8A~
図8Cはそれぞれ、本開示の実施形態3の回路基板を示す平面図、裏面図及び平面透視図である。実施形態3の回路基板10Bは、平面視における第2電極22の位置が異なる他は、実施形態1、2の回路基板10、10Aと同様であってもよい。
【0045】
実施形態3の複数の第2電極22は、平面視において第3領域33に位置してもよい。当該構成においても、実施形態1の回路基板10と同様の効果が奏される。さらに、実装された電子部品63と重ならない第2領域32に、第2電極22が位置するので、第2電極22に加わる応力が電子部品63の実装部に影響を及ぼすことを低減できる。したがって、電子部品63の実装の信頼性をより向上できる。
【0046】
【0047】
実施形態4の回路基板10Cは、複数のビア導体25を有する点が異なる他は実施形態1、3の回路基板10、10Bと同様であってもよい。
【0048】
実施形態4の回路基板10Cは、
図9A~
図9Cに示すように、平面視において第1領域31に重なる複数のビア導体25を有してもよい。当該構成によれば、第1領域31と第2領域32と第3領域33とに、層間ビア導体24a又はビア導体25が分布した構成が得られる。したがって、絶縁基体14と内部導体24及びビア導体25との熱膨張率の差に起因する応力を、第1領域31~第3領域33において均一化できる。したがって、回路基板10Cの第1面11及び第2面12の平坦性をより向上できる。よって、電子部品63の実装の信頼性の向上、並びに、第2電極22を介した外部部品(例えばコネクタ部品)との接続の信頼性を向上できる。
【0049】
ビア導体25は、接地導体(すなわち接地電位)に接続された構成、または第1電極21から絶縁された構成の、少なくとも一方であってもよい。すなわち、ビア導体25は、接地導体に接続されかつ第1電極21から絶縁された構成であってもよい。ビア導体25は、信号を伝送しないダミーパターンであってもよい。
【0050】
ビア導体25は、第1面11又は第2面12の少なくとも一方に露出していてもよい。当該構成により、絶縁基体14の焼成時における脱バインダーを促進できる。
【0051】
ビア導体25は、第2面12に露出しない構成としてもよい。例えば、ビア導体25は、第1面11から第2面12の直前にかけて延在してもよい。ビア導体25が第2面12に露出しないことで、ビア導体25に外部の部品(例えばコネクタ部品)の一部が接触してしまうなど、想定しない電気的な接続が生じる恐れを低減できる。図示は省略するが、ビア導体25は、第1面11に露出しない構成としてもよいし、第2面12に露出する構成としてもよい。
【0052】
ビア導体25は、第1領域31において均一に分布するとよい。均一に分布とは、厳密に均一な分布に限られず、複数のビア導体25が含まれる大きさの任意な複数の領域を抽出してビア導体25の分布密度を比較したときに、分布密度の差が±10%以内である場合を含むものとする。ビア導体25が均一に分布する構成により、回路基板10Cの第1面11及び第2面12の平坦性をより向上できる。
【0053】
(半導体装置及び電子モジュール)
図12は、本開示の実施形態に係る半導体装置及び電子モジュールを示す縦断面図である。本開示の実施形態に係る半導体装置60Aは、回路基板10と、回路基板10に搭載された電子部品63と、回路基板10を装着可能なコネクタ部品51とを備える。コネクタ部品51は、ソケットと呼んでもよい。回路基板10はコネクタ部品51に対して脱着可能な構成であってもよい。半導体装置60Aは、電子部品63を封止する蓋体67を更に備えてもよい。回路基板10は、実施形態2から実施形態4の回路基板10A~10Cに代替されてもよい。
【0054】
図12の例では、複数の第2電極22それぞれにピン端子65が接合され、当該ピン端子65がコネクタ部品51の凹部に挿入され、かつ、コネクタ部品51の接続端子に接触することで、回路基板10とコネクタ部品51とが電気的に接続される構造が適用されている。なお、コネクタ部品51と回路基板10との接続態様は、上記の例に限られず、種々の接続態様が適用されてもよい。例えば、コネクタ部品51が複数のピン端子を有し、当該ピン端子が回路基板10の第2電極22に接触することで、コネクタ部品51と回路基板10とが電気的に接続される構造が適用されてもよい。
【0055】
本開示の実施形態に係る電子モジュール100は、モジュール用基板110と、モジュール用基板110に搭載された半導体装置60Aとを備える。モジュール用基板110には、半導体装置60Aに加えて、他の電子部品及び電気部品等が搭載されてもよい。
図12の例では、コネクタ部品51がモジュール用基板110に実装され、コネクタ部品51に回路基板10が装着されている。コネクタ部品51は多数の端子を有し、当該多数の端子とモジュール用基板110の配線導体とが半田等の導電性接合材を介して接合されてもよい。
【0056】
なお、半導体装置60Aは、コネクタ部品51を有さず、モジュール用基板110に直接に回路基板10が実装されてもよい。
【0057】
本実施形態の半導体装置60Aによれば、面積が削減された回路基板10によって、実装領域の縮小化を図ることができる。さらに、回路基板10の第1面11及び第2面12の平坦性の向上により、電子部品63の接続の信頼性、並びに、回路基板10の接続の信頼性を向上できる。
【0058】
本実施形態の電子モジュール100によれば、半導体装置60Aの実装領域の面積が削減されることから、モジュール全体のコンパクト化を図ることができる。さらに、電子部品63及び回路基板10の接続の信頼性が向上されることから、電子モジュール100の信頼性が向上される。
【0059】
以上、本開示の各実施形態について説明した。しかし、本開示の回路基板、半導体装置並びに電子モジュールは、上記実施形態に限られるものでない。実施形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0060】
以下、本開示の一実施形態を示す。一実施形態において、
(1)回路基板は、
第1面と前記第1面の反対側に位置する第2面とを有する絶縁基体と、
前記第1面に位置しかつ電子部品が搭載される第1領域と、
前記第1面における前記第1領域よりも外側に位置しかつ前記第1領域と間隔を開けて位置する第2領域と、
前記第1面における前記第1領域と前記第2領域との間に位置する第3領域と、
前記第2領域に位置しかつ前記電子部品に電気的に接続される第1電極と、
前記第2面に位置しかつ外部の部品に電気的に接続される第2電極と、
を備え、
平面視において前記第2電極が前記第2領域よりも内側に位置する。
【0061】
(2)上記(1)の回路基板は、
平面視において前記第2電極が前記第3領域に位置する。
【0062】
(3)上記(1)又は(2)の回路基板は、
前記第1面から前記第2面にわたって位置しかつ前記第1電極と前記第2電極とを電気的に接続する複数の層間ビア導体を更に備え、
前記複数の層間ビア導体のうち、平面視で前記第2領域と重なる層間ビア導体の数が、前記第2面に近づくに従って減少し、
前記複数の層間ビア導体のうち、平面視で前記第1領域又は前記第3領域と重なる層間ビア導体の数が、前記第2面に近づくに従って増加する。
【0063】
(4)上記(2)の回路基板は、
前記第1面から前記第2面にわたって位置しかつ前記第1電極と前記第2電極とを電気的に接続する複数の層間ビア導体を更に備え、
前記複数の層間ビア導体のうち、平面視で前記第2領域と重なる層間ビア導体の数が、前記第2面に近づくに従って減少し、
前記複数の層間ビア導体のうち、平面視で前記第3領域と重なる層間ビア導体の数が、前記第2面に近づくに従って増加する。
【0064】
(5)上記(1)から(4)の回路基板は、
平面視において前記第1領域に重なる複数のビア導体を有し、
前記複数のビア導体の各々は、接地導体に接続される構成、または前記第1電極から絶縁される構成の、少なくとも一方である。
【0065】
(6)上記(1)から(5)の回路基板は、
前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方は、薄膜導体である。
【0066】
一実施形態において、
(7)半導体装置は、
(1)から(6)のいずれか一つの回路基板と、
前記第1領域に搭載された半導体集積回路と、
を備える。
【0067】
(8)上記(7)の半導体装置は、
前記回路基板を装着可能なコネクタ部品を更に備える。
【0068】
一実施形態において、
(9)電子モジュールは、
(7)又は(8)の半導体装置と、
前記半導体装置が搭載されたモジュール用基板と、
を備える。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本開示は、回路基板、半導体装置及び電子モジュールに利用できる。
【符号の説明】
【0070】
10、10A~10C 回路基板
11 第1面
12 第2面
14 絶縁基体
21 第1電極
22、22A 第2電極
24 内部導体
24a 層間ビア導体
24b 膜状導体
25 ビア導体
31 第1領域
32 第2領域
33 第3領域
51 コネクタ部品
60、60A 半導体装置
63 電子部品
65 ピン端子
100 電子モジュール
110 モジュール用基板