(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-03-17
(45)【発行日】2026-03-26
(54)【発明の名称】ヒートポンプシステム
(51)【国際特許分類】
H02J 3/16 20260101AFI20260318BHJP
H02J 3/01 20260101ALI20260318BHJP
H02J 13/12 20260101ALI20260318BHJP
F25B 49/02 20060101ALI20260318BHJP
H02J 13/182 20260101ALI20260318BHJP
【FI】
H02J3/16
H02J3/01
H02J13/12
F25B49/02 D
H02J13/182
(21)【出願番号】P 2022124905
(22)【出願日】2022-08-04
(62)【分割の表示】P 2021150435の分割
【原出願日】2021-09-15
【審査請求日】2024-09-10
(31)【優先権主張番号】P 2020164993
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100206405
【氏名又は名称】岸 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】河野 雅樹
(72)【発明者】
【氏名】川嶋 玲二
(72)【発明者】
【氏名】前田 敏行
(72)【発明者】
【氏名】太田 圭祐
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-191374(JP,A)
【文献】特開2020-043747(JP,A)
【文献】特開2015-211480(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/00-4/25
H02J 13/00-13/38
F25B 49/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度および/または湿度を調整するヒートポンプシステムであって、
電線から受電した電力を変換して前記調整に用いられる負荷に供給する変換部と、
前記変換部の受電経路に対して当該変換部と電気的に並列して接続され、当該受電経路における皮相電力を制御する制御部と、
前記制御部による動作の限界に関する制御部情報を取得する取得手段と、
前記制御部情報に基づき、前記制御部の動作を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記制御部情報としての稼
働時間
を基に前記制御部が動作できる限界までの残り時間を算出し、算出結果を基に前記電線における皮相電力の調整のための前記制御部の動作を
段階的に制限する
ことを特徴とする
ヒートポンプシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヒートポンプシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、各パワーコンディショナ毎の推定残寿命に基づいて有効電力制御及び無効電力制御の優先順位を決定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、電力を変換する変換部の寿命に基づき変換部の動作を制御することが開示されているが、変換部の受電経路に対して変換部と電気的に並列して接続され且つ変換部の受電経路における皮相電力を制御する制御部の動作の限界に基づき制御部の動作を制御することは開示されていない。
本開示は、変換部の受電経路に対して変換部と電気的に並列して接続され且つ変換部の受電経路における皮相電力を制御する制御部の動作の限界に基づき制御部の動作を制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のヒートポンプシステムは、温度および/または湿度を調整するヒートポンプシステムであって、電線から受電した電力を変換して前記調整に用いられる負荷に供給する変換部と、前記変換部の受電経路に対して当該変換部と電気的に並列して接続され、当該受電経路における皮相電力を制御する制御部と、前記制御部による動作の限界に関する制御部情報を取得する取得手段と、前記制御部情報に基づき、前記制御部の動作を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記制御部情報としての稼働時間を基に前記制御部が動作できる限界までの残り時間を算出し、算出結果を基に前記電線における皮相電力の調整のための前記制御部の動作を段階的に制限することを特徴とするヒートポンプシステムである。この場合、指標が予め定められた条件を満たす場合であっても制御部の動作が制限されない場合に比べて、制御部に不具合が生じることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本実施形態に係る電力制御システムの一例を示した図である。
【
図2】制御サーバおよび指示サーバのハードウエアの構成を示した図である。
【
図6】動作決定処理の流れを示したフローチャートである。
【
図7】調整中処理の流れを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を参照して実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る電力制御システム1の一例を示した図である。
電力制御システム1は、皮相電力を制御するシステムである。
電力制御システム1には、電力系統10と、複数の電力消費施設20と、制御サーバ30と、指示サーバ40とが設けられている。
【0008】
電力系統10は、電力の需要家に電力を供給するための設備が設けられているシステムである。電力系統10には、発電所11、送電線12、供給側変電所13、供給側配電線14、自動電圧調整器(SVR:Step Voltage Regulator)15、受給側変電所16、受給側配電線17、柱上変圧器18、および需要家側配電線19が設けられている。
【0009】
発電所11は、発電をする設備である。発電所11としては、例えば、火力発電所、水力発電所、原子力発電所、太陽光発電所、風力発電所、地熱発電所等が挙げられる。
送電線12は、発電所11に生成された電力を構成する電流が流れる線路である。送電線12は、発電所11から供給側変電所13にわたって設けられている。
【0010】
供給側変電所13は、電圧を変換する設備である。供給側変電所13は、受給側変電所16よりも、電力の供給側に設けられている。本実施形態では、電力における最も供給側に位置する設備は、発電所11である。また、電力における最も受給側に位置する設備は、電力消費施設20である。
供給側変電所13は、送電線12を通じて供給された電圧を変換する。供給側変電所13としては、例えば、50万Vの電圧を15.4万Vに変換する変電所、15.4万Vの電圧を6.6万Vに変換する変電所、6.6万Vの電圧を2.2万Vに変換する変電所等が挙げられる。
【0011】
供給側配電線14は、供給側変電所13に変換された電圧が印加されて生じる電流が流れる線路である。供給側配電線14は、供給側変電所13から受給側変電所16にわたって設けられている。また、供給側配電線14は、受給側配電線17よりも電力の供給側に設けられている。
SVR15は、供給側配電線14に供給される電圧を調整する。より具体的には、SVR15は、供給側配電線14に供給される電圧を検出する。そして、SVR15は、検出した電圧が予め定められた範囲でない場合に、この電圧が予め定められた範囲に収まるように、電圧を調整する。
受給側変電所16は、供給側配電線14を通じて供給された電圧を変換する設備である。受給側変電所16としては、例えば、供給された電圧を6600Vに変換する変電所等が挙げられる。
【0012】
受給側配電線17は、受給側変電所16に変換された電圧が印加されて生じる電流が流れる線路である。受給側配電線17は、受給側変電所16から柱上変圧器18にわたって設けられている。なお、本実施形態では、供給側配電線14および受給側配電線17を特に区別することなく説明する場合、単に「電線」と称することがある。
配電用変圧器の一例としての柱上変圧器18は、受給側配電線17を通じて供給された電圧を変換する設備である。柱上変圧器18としては、例えば、6600Vの電圧を200Vに変換する変圧器や、6600Vの電圧を100Vに変換する変圧器等が挙げられる。
【0013】
需要家側配電線19は、柱上変圧器18に変換された電圧が印加されて生じる電流が流れる線路である。電力系統10には、複数の需要家側配電線19が設けられている。より具体的には、需要家側配電線19は、電力消費施設20ごとに設けられている。各需要家側配電線19は、柱上変圧器18から電力消費施設20にわたって設けられている。
以上の通り、電力系統10は、電力消費施設20の外側に設けられている系統であって、生成された電力を電力の需要家に配るための系統である。そのため、電力系統10は、配電系統としても捉えられる。
【0014】
また、電力系統10には、複数の電線用センサ10Sが設けられている。電線用センサ10Sは、供給側配電線14に接続されている。より具体的には、電線用センサ10Sは、供給側配電線14のうちのSVR15よりも電力の供給側の部分に接続されている。また、電線用センサ10Sは、それぞれ、受給側配電線17の各々に接続されている。言い換えると、電線用センサ10Sは、供給側配電線14および受給側配電線17ごとに設けられている。
【0015】
電線用センサ10Sは、接続されている電線における皮相電力に関するパラメータを検出する。皮相電力に関するパラメータとは、皮相電力に影響を及ぼすパラメータである。皮相電力に関するパラメータとしては、例えば、皮相電力、無効電力、無効電圧、高調波電圧、電流、力率、予め定められた期間における皮相電力量や無効電力量等が挙げられる。皮相電力に関するパラメータとしての電流には、高調波電流が含まれる。また、高調波電圧や高調波電流としては、特定の次数の高調波電圧や高調波電流であってもよい。特定の次数としては、例えば、第5次の高調波が挙げられる。また、皮相電力に関するパラメータとしては、例えば、電流の総合高調波歪み率(THD:Total Harmonic Distortion)や電圧のTHD等が挙げられる。ここで、電流のTHDは、下記式(1)から算出される。また、電圧のTHDは、下記式(2)から算出される。
【0016】
上記式(1)において、I1は基本波電流である。また、Inはn次高調波電流である。
上記式(2)において、V1は基本波電圧である。また、Vnはn次高調波電圧である。
電線用センサ10Sは、例えば、予め定められた時間ごとに、皮相電力に関する上記のパラメータを検出する。予め定められた時間としては、何れの時間でもよいが、例えば、60秒である。そして、電線用センサ10Sは、皮相電力に関するパラメータを検出すると、検出したパラメータが示された情報を、検出の対象である電線を識別する電線識別情報とともに、指示サーバ40へ送信する。
【0017】
なお、図示の例では、電力系統10に一つの供給側変電所13が示されているが、供給側変電所13の数は図示の一つには限定されない。電力系統10には、変換する電圧が同じまたは異なる二つ以上の供給側変電所13が設けられても良い。
また、図示の例では、電力系統10に一つの受給側変電所16が示されているが、受給側変電所16の数は図示の一つには限定されない。電力系統10には、変換する電圧が同じまたは異なる二つ以上の受給側変電所16が設けられても良い。
また、供給側配電線14や受給側配電線17の数は、図示の例に限定されない。電力系統10には、図示した数よりも多くの供給側配電線14や受給側配電線17が設けられてもよい。この場合において、供給側配電線14ごとに電線用センサ10Sが設けられても良いし、受給側配電線17ごとに電線用センサ10Sが設けられても良い。
【0018】
電力消費施設20は、需要家側配電線19を通じて発電所11から供給された電力を受給して消費する施設である。各電力消費施設20には、ヒートポンプシステム(HPS:Heat Pump System)21と、負荷機器22とが設けられている。
【0019】
HPS21は、電力系統10から受給した電力を用いて、温度や湿度を調整する。HPS21による調整の対象としては、電力消費施設20内の空間の温度や湿度が挙げられる。また、HPS21による調整の対象としては、電力消費施設20に設けられている液体の温度が挙げられる。本実施形態では、各HPS21に、調整部211と、電力変換装置212と、アクティブフィルタ(AF:Active Filter)213とが設けられている。
【0020】
負荷の一例としての調整部211は、温度や湿度を調整する。調整部211には、受給した電力を用いて動作するモータ(不図示)が設けられている。また、調整部211には、熱交換器(不図示)が設けられており、この熱交換器を通じて、電力消費施設20内の空気や液体が熱交換される。そのため、調整部211は、熱交換する熱交換部としても捉えられる。
なお、図示の例では、電力消費施設20内に調整部211が設けられているが、これに限定されない。調整部211は、電力消費施設20の外に設けられてもよい。
【0021】
変換部の一例としての電力変換装置212は、インバータ(不図示)およびコンバータ(不図示)を有する。電力変換装置212は、受電した電力を、インバータおよびコンバータを用いて、特定の電圧および特定の周波数からなる電力に変換する。特定の電圧および特定の周波数とは、調整部211に設けられているモータの動作に必要な電圧および周波数である。電力変換装置212は、変換した電力を、調整部211に供給する。
【0022】
制御部の一例としてのAF213は、HPS21における力率の改善や高調波の低減を図る。詳細は後述するが、AF213は、HPS21において電力変換装置212が受ける電力が通る経路に電流を供給することで、この経路における力率の改善や高調波の低減を図る。HPS21において電力変換装置212が受ける電力が通る経路を、以下では、受電経路と称することがある。
【0023】
また、本実施形態では、AF213は、電力系統10に電流を供給する。AF213は、電力系統10における電線に電流を供給することで、この電線における皮相電力に関する上記のパラメータを調整する。言い換えると、本実施形態のAF213は、配電系統の電線における皮相電力を調整する。皮相電力を調整するとは、有効電力および無効電力の一方または両方を調整することである。言い換えると、皮相電力を調整するとは、有効電力および無効電力の少なくとも一方を調整することである。
制御部であるAF213は、受電した電力を変換して調整に用いられる負荷に供給する変換部の受電経路に対して変換部と電気的に並列して接続され且つこの受電経路における皮相電力を制御する。
【0024】
電線における皮相電力に関するパラメータのHPS21による調整の手法の一例を説明する。電線に高調波電流が生じている場合において、HPS21のAF213が、この高調波電流を打ち消す位相の電流を電線に供給することにより、電線における高調波電流を低減する。
電線における皮相電力に関するパラメータのHPS21による調整の手法の他の一例を説明する。電線に無効電力が生じている場合において、HPS21のAF213が電線に電流を供給することにより、電線における無効電力を低減する。また、電線における無効電力の減少に伴い、電線における力率が向上する。
このように、本実施形態では、HPS21を用いて電力系統10の電線における皮相電力に関するパラメータを調整する。ここで、皮相電力に関するパラメータが変化することに伴い、皮相電力も変化する。そのため、皮相電力に関する上記の各パラメータの調整は、広義には、皮相電力の調整として捉えられる。以下では、調整の対象としての皮相電力に関する各パラメータを、「皮相電力」と総称することがある。
【0025】
HPS21としては、温度や湿度を調整するシステム等が挙げられる。より具体的には、HPS21としては、例えば、空気調和装置、内部の温度を調和するショーケース、冷蔵機、冷凍機、給湯器等、HVAC(Heating Ventilation and Air Conditioning)システムに用いられる機器が挙げられる。
HPS21は、制御サーバ30から電線における皮相電力の調整を指示されると、受けた指示に応じて、電線における皮相電力を調整する。
【0026】
負荷機器22は、需要家側配電線19を通じて発電所11から供給された電力を受給して消費する。
また、本実施形態では、各電力消費施設20に、調整部センサ211Sと、変換装置センサ212Sと、AFセンサ213Sとが設けられている。
【0027】
調整部センサ211Sは、調整部211の環境に関する情報を検出する。より具体的には、調整部センサ211Sは、調整部211が設けられている空間における塩化物イオンの濃度を検出する。調整部211が電力消費施設20の外に設けられている場合、調整部211は、電力消費施設20の外における塩化物イオンの濃度を検出する。
変換装置センサ212Sは、電力変換装置212に関する情報を検出する。より具体的には、変換装置センサ212Sは、電力変換装置212の動作に関する情報や、電力変換装置212の環境に関する情報を検出する。なお、変換装置センサ212Sに検出される情報については、後に詳述する。
【0028】
AFセンサ213Sは、AF213に関する情報を検出する。より具体的には、AFセンサ213Sは、AF213の動作に関する情報や、AF213の環境に関する情報を検出する。なお、AF213の動作に関する情報や、AF213の環境に関する情報については、後に詳述する。
また、AFセンサ213Sは、AF213の電流値を検出する。より具体的には、AFセンサ213Sは、電力変換装置212の受電経路における皮相電力を調整するためにAF213が供給している電流値、単位時間あたりの電流値、若しくは所定時間における電流値を検出する。なお、電流値、単位時間あたりの電流値、および所定時間における電流値を特に区別することなく説明する場合、単に「電流値」と総称することがある。また、電力変換装置212の受電経路における皮相電力を調整するためにAF213が供給している電流値を、以下では、使用量と称することがある。
【0029】
調整部センサ211S、変換装置センサ212S、およびAFセンサ213Sは、予め定められた時間ごとに、上述した対象の情報を検出する。予め定められた時間としては、何れの時間でも良いが、例えば、3時間である。調整部センサ211S、変換装置センサ212S、およびAFセンサ213Sは、対象の情報を検出すると、検出値が示された検出値情報を、検出の対象であるHPS21を識別するHPS識別情報とともに、制御サーバ30へ送信する。
なお、検出される情報の種類ごとに変換装置センサ212SやAFセンサ213Sが設けられてもよい。
【0030】
また、図示の例では、需要家側配電線19ごとに一つの電力消費施設20が設けられているが、これに限定されない。需要家側配電線19ごとに、複数の電力消費施設20が設けられても良い。また、電力消費施設20に設けられるHPS21の数や負荷機器22の数は、図示の例に限定されない。電力消費施設20には、図示した数よりも多くのHPS21や負荷機器22が設けられても良い。また、HPS21や負荷機器22が設けられていない電力消費施設20があっても良い。
【0031】
制御サーバ30は、AF213の動作を制御するサーバ装置である。より具体的には、制御サーバ30は、電力系統10の電線における皮相電力を調整するためのAF213の動作を制御する。制御サーバ30は、電線における皮相電力の調整の指示を指示サーバ40から受けると、この調整のためにHPS21のAF213に供給させる電流値を決定する。なお、電力系統10の電線における皮相電力を調整するためにAF213に供給させる電流値を、以下では、調整量と称することがある。
【0032】
また、本実施形態では、制御サーバ30は、AF213の動作の限界に関する指標を算出する。AF213の動作の限界に関する指標としては、AF213の寿命が挙げられる。AF213の寿命とは、AF213が経時的に変化しても所定の動作が継続できる限界である。また、所定の動作としては、電力系統10の電線における皮相電力を調整するためのAF213の動作が挙げられる。一例を挙げると、所定の動作は、有効電力および無効電力の少なくとも一方を調整するための電流の供給である。制御サーバ30は、AF213の動作の限界が近くなるほどAF213に不具合が生じやすくなることに基づき、AF213に不具合が生じることを抑制するように、AF213による動作の内容を決定する。言い換えると、制御サーバ30は、AF213の動作の限界に関して算出した指標に基づき、AF213に不具合が生じることを抑制するように、AF213による動作の内容を決定する。そして、制御に用いるHPS21に対して、決定した内容による動作を指示する。
【0033】
指示サーバ40は、電力系統10の電線における皮相電力の調整を指示するサーバ装置である。指示サーバ40は、電線用センサ10Sに検出された情報を電線用センサ10Sから取得すると、取得した情報から、皮相電力を調整する必要がある電線を特定する。そして、指示サーバ40は、電線における皮相電力の調整の指示を、制御サーバ30へ送信する。皮相電力の調整の指示とは、有効電力および無効電力の一方または両方の調整を指示することである。言い換えると皮相電力の調整の指示とは、有効電力および無効電力の少なくとも一方の調整を指示することである。
【0034】
指示サーバ40や制御サーバ30は、例えば、コンピュータにより実現される。指示サーバ40や制御サーバ30は、単一のコンピュータにより構成しても良いし、複数のコンピュータによる分散処理により実現しても良い。また、指示サーバ40や制御サーバ30は、クラウドコンピューティングにより提供される仮想的なハードウエア上にて実現しても良い。なお、以下では、指示サーバ40および制御サーバ30を特に区別することなく説明する場合、単に「サーバ」と称することがある。
【0035】
本実施形態では、制御サーバ30と、各電力消費施設20に設けられている各機器および指示サーバ40とは、ネットワーク(不図示)を介して接続されている。また、指示サーバ40と、各電線用センサ10Sとは、ネットワーク(不図示)を介して接続されている。これらのネットワークは、データの送受信が可能であれば良い。また、データの送受信に用いられる通信回線は、有線であっても無線であっても良いし、電力線通信(PLC:Power Line Communication)であっても良い。また、複数のネットワークや通信回線を介して通信先に接続される構成であっても良い。
【0036】
また、制御サーバ30の数は、図示の例に限定されない。電力制御システム1には、二つ以上の制御サーバ30が設けられても良い。また、制御サーバ30は、例えば、電力消費施設20ごとに設けられても良い。
【0037】
図2は、制御サーバ30および指示サーバ40のハードウエアの構成を示した図である。
サーバには、CPU31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33が設けられている。また、サーバには、ハードディスク装置などにより構成され、情報を記憶する記憶装置35が設けられている。さらに、サーバには、外部との通信を行う通信装置34(通信I/F)が設けられている。
この他、サーバには、キーボード、マウス等の情報の入力に用いられる入力用装置、液晶ディスプレイ等の表示装置が設けられている。
【0038】
ROM32、記憶装置35は、CPU31により実行されるプログラムを記憶する。CPU31は、ROM32や記憶装置35に記憶されているプログラムを読み出し、RAM33を作業エリアにしてプログラムを実行する。
CPU31により、ROM32や記憶装置35に格納されたプログラムが実行されることで、後述する各機能部が実現される。
【0039】
ここで、CPU31によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、サーバへ提供できる。また、CPU31によって実行されるプログラムは、インターネットなどの通信手段を用いて、サーバへ提供しても良い。
【0040】
図3は、HPS21の機能構成を示した図である。
HPS21には、上述の通り、調整部211と、電力変換装置212と、AF213とが設けられている。また、HPS21には、電力変換装置212の受電経路214が設けられている。
本実施形態では、AF213は、電力変換装置212の受電経路214に対して、電力変換装置212と電気的に並列して接続されている。AF213は、電力変換装置212の受電経路214に電流を供給することで、この受電経路214における皮相電力を調整する。
【0041】
また、電力変換装置212には、充電や放電をするコンデンサ2121と、コンデンサ2121の充電と放電とを切り替える動作をするスイッチ部2122とが設けられている。図示の例では、コンデンサ2121およびスイッチ部2122が一つずつ設けられているが、コンデンサ2121およびスイッチ部2122は、電力変換装置212のインバータ(不図示)とコンバータ(不図示)とにそれぞれ設けられている。
また、AF213には、充電や放電をするコンデンサ2131と、コンデンサ2131の充電と放電とを切り替える動作をするスイッチ部2132とが設けられている。
【0042】
図4は、制御サーバ30の機能構成を示した図である。
制御サーバ30には、取得部301と、記憶部302と、指標算出部303と、抽出部304と、調整量算出部305と、送信部306とが設けられている。
取得手段の一例としての取得部301は、制御サーバ30に送信された情報や制御サーバ30に入力された情報を取得する。取得部301に取得された情報は、記憶部302に記憶される。
記憶部302は、情報を記憶する。記憶部302に記憶される情報については、後に詳述する。
【0043】
指標算出部303は、HPS21の動作の限界に関する指標を算出する。より具体的には、指標算出部303は、温度や湿度の調整のためのHPS21の動作の限界に関する指標、および、AF213の動作の限界に関する指標を算出する。指標算出部303は、調整部センサ211S、変換装置センサ212S、およびAFセンサ213Sに検出された情報を用いて、指標を算出する。
【0044】
抽出部304は、電線における皮相電力の調整に用いるHPS21の候補を抽出する。抽出部304は、電力制御システム1に設けられているHPS21のうちの、調整の対象である電線を通じて電力を受給するHPS21を、この電線の調整に用いるHPS21の候補として抽出する。
【0045】
調整量算出部305は、AF213についての調整量を算出する。より具体的には、調整量算出部305は、AF213について指標算出部303に算出された指標に基づき、このAF213についての調整量を算出する。
AF213の動作の限界が近い場合にAF213を動作させると、AF213に不具合が生じることがある。また、AF213に供給させる電流値を大きくする等、AF213に生じる負荷を大きくするほど、AF213に不具合が生じやすくなる。AF213に不具合が生じると、AF213が受電経路214における皮相電力を調整できなくなり、この場合、HPS21による温度や湿度の調整に影響が及ぶおそれがある。そこで、本実施形態では、調整量算出部305は、AF213の動作の限界に関する指標に基づき、AF213に不具合が生じることを抑制するように、調整量を算出する。
出力手段の一例としての送信部306は、指示サーバ40やHPS21へ情報を送信する。
【0046】
図5は、HPS管理テーブルを示した図である。HPS管理テーブルは、HPS21を管理するためのテーブルである。HPS管理テーブルは、記憶部302に記憶されている。
HPS管理テーブルでは、「HPS」に、HPS識別情報が示されている。「HPS」の「21」とともに付された「A」乃至「J」は、それぞれ、複数のHPS21のうちの何れであるかを識別するための情報である。
【0047】
また、HPS管理テーブルでは、「経由電線」に、電線識別情報が示されている。「経由電線」に示された電線識別情報は、「HPS」への電力の供給において経由された電線の電線識別情報である。「経由電線」の「17」とともに付された「A」および「B」は、それぞれ、複数の受給側配電線17のうちの何れであるかを識別するための情報である。
HPS管理テーブルにおける「経由電線」は、電力制御システム1のユーザによって予め設定される。
【0048】
また、HPS管理テーブルでは、「稼働時間」に、HPS21の稼働時間が示されている。「稼働時間」の「電力変換装置」に示されている「Op1」乃至「Op10」は、それぞれ、関連付けられている「HPS」の電力変換装置212の稼働時間を示す情報である。電力変換装置212の稼働時間は、電力変換装置212の動作に関する情報として変換装置センサ212Sに検出された情報である。また、「稼働時間」の「AF」に示されている「Oa1」乃至「Oa10」は、それぞれ、関連付けられている「HPS」のAF213の稼働時間を示す情報である。AF213の稼働時間は、AF213の動作に関する情報としてAFセンサ213Sに検出された情報である。
取得部301は、電力変換装置212の稼働時間を示す情報を変換装置センサ212Sから取得すると、取得した情報を、対象の「HPS」に関連付けられた「電力変換装置」の「稼働時間」に書き込む。また、取得部301は、AF213の稼働時間を示す情報をAFセンサ213Sから取得すると、取得した情報を、対象の「HPS」に関連付けられた「AF」の「稼働時間」に書き込む。
【0049】
また、HPS管理テーブルでは、「動作回数」に、HPS21の動作回数が示されている。「動作回数」の「電力変換装置」に示されている「Np1」乃至「Np10」は、それぞれ、関連付けられている「HPS」の電力変換装置212のスイッチ部2122が動作した回数を示す情報である。この動作の回数は、スイッチ部2122によるコンデンサ2121の充電と放電との切り替えの動作の回数である。また、スイッチ部2122が動作した回数は、電力変換装置212の動作に関する情報として変換装置センサ212Sに検出された情報である。また、「動作回数」の「AF」に示されている「Na1」乃至「Na10」は、それぞれ、関連付けられている「HPS」のAF213のスイッチ部2132が動作した回数を示す情報である。この動作の回数は、スイッチ部2132によるコンデンサ2131の充電と放電との切り替えの動作の回数である。また、スイッチ部2132が動作した回数は、AF213の動作に関する情報としてAFセンサ213Sに検出された情報である。
取得部301は、電力変換装置212のスイッチ部2122が動作した回数を示す情報を変換装置センサ212Sから取得すると、取得した情報を、対象の「HPS」に関連付けられた「電力変換装置」の「動作回数」に書き込む。また、取得部301は、AF213のスイッチ部2132が動作した回数を示す情報をAFセンサ213Sから取得すると、取得した情報を、対象の「HPS」に関連付けられた「AF」の「動作回数」に書き込む。
【0050】
また、HPS管理テーブルでは、「電力量」に、HPS21に積算された電力量が示されている。「電力量」の「電力変換装置」に示されている「Ep1」乃至「Ep10」は、それぞれ、関連付けられている「HPS」の電力変換装置212のコンデンサ2121に積算された電力量を示す情報である。コンデンサ2121に積算された電力量は、電力変換装置212の動作に関する情報として変換装置センサ212Sに検出された情報である。また、「電力量」の「AF」に示されている「Ea1」乃至「Ea10」は、それぞれ、関連付けられている「HPS」のAF213のコンデンサ2131に積算された電力量を示す情報である。コンデンサ2131に積算された電力量は、AF213の動作に関する情報としてAFセンサ213Sに検出された情報である。
取得部301は、電力変換装置212のコンデンサ2121に積算された電力量を示す情報を変換装置センサ212Sから取得すると、取得した情報を、対象の「HPS」に関連付けられた「電力変換装置」の「電力量」に書き込む。また、取得部301は、AF213のコンデンサ2131に積算された電力量を示す情報をAFセンサ213Sから取得すると、取得した情報を、対象の「HPS」に関連付けられた「AF」の「電力量」に書き込む。
【0051】
また、HPS管理テーブルでは、「周囲温度」に、HPS21の周囲の温度が示されている。「周囲温度」の「電力変換装置」に示されている「Tp1」乃至「Tp10」は、それぞれ、関連付けられている「HPS」の電力変換装置212におけるコンデンサ2121の周囲の温度を示す情報である。コンデンサ2121の周囲の温度は、電力変換装置212の環境に関する情報として変換装置センサ212Sに検出された情報である。また、「周囲温度」の「AF」に示されている「Ta1」乃至「Ta10」は、それぞれ、関連付けられている「HPS」のAF213におけるコンデンサ2131の周囲の温度を示す情報である。コンデンサ2131の周囲の温度は、AF213の動作に関する情報としてAFセンサ213Sに検出された情報である。
取得部301は、電力変換装置212におけるコンデンサ2121の周囲の温度を示す情報を変換装置センサ212Sから取得すると、取得した情報を、対象の「HPS」に関連付けられた「電力変換装置」の「周囲温度」に書き込む。また、取得部301は、AF213におけるコンデンサ2131の周囲の温度を示す情報をAFセンサ213Sから取得すると、取得した情報を、対象の「HPS」に関連付けられた「AF」の「周囲温度」に書き込む。
【0052】
また、HPS管理テーブルでは、「塩化物イオン濃度」に、HPS21の調整部211が設けられている空間における塩化物イオンの濃度が示されている。「塩化物イオン濃度」に示されている「C1」乃至「C10」は、それぞれ、関連付けられている「HPS」の調整部211が設けられている空間における塩化物イオンの濃度を示す情報である。調整部211が設けられている空間における塩化物イオンの濃度は、調整部211の環境に関する情報として調整部センサ211Sに検出された情報である。
取得部301は、調整部211が設けられている空間における塩化物イオンの濃度を示す情報を調整部センサ211Sから取得すると、取得した情報を、対象の「HPS」に関連付けられた「塩化物イオン濃度」に書き込む。
【0053】
また、HPS管理テーブルでは、「残り時間」に、HPS21が動作できる限界までの残り時間が示されている。「残り時間」の「HPS」には、温度や湿度の調整のためにHPS21が動作できる限界までの残り時間が示されている。「HPS」の「残り時間」に示されている情報は、HPS21の動作の限界に関する指標としての指標算出部303の算出結果である。また、「残り時間」の「AF」には、AF213が動作できる限界までの残り時間が示されている。「AF」の「残り時間」に示されている情報は、AF213の動作の限界に関する指標としての指標算出部303の算出結果である。
【0054】
また、HPS管理テーブルでは、「調整可能量」に、電線における皮相電力を調整するためにHPS21のAF213が供給できる電流値が示されている。電線における皮相電力を調整するためにAF213が供給できる電流値を、以下では、調整可能量と称することがある。本実施形態では、制御サーバ30は、AFセンサ213Sから使用量を示す情報を取得するたびに、対象のAF213についての調整可能量を算出する。
【0055】
調整可能量の制御サーバ30による算出の手法について、一例を説明する。制御サーバ30は、対象のAF213の電流値の容量から、このAF213についての最新の使用量を減算した値を、AF213についての調整可能量として算出する。AF213の電流値の容量とは、AF213が発生させることができる最大の電流値である。AF213の電流値の容量としては、HPS21の仕様書に記載されている情報が用いられてもよい。
制御サーバ30は、算出した調整可能量を、対象の「HPS」に関連付けられた「調整可能量」に書き込む。
【0056】
HPS管理テーブルの内容について、一例を説明する。「21A」から特定される「HPS」には、「経由電線」として「17A」が関連付けられ、「電力変換装置」の「稼働時間」として「Op1」が関連付けられ、「AF」の「稼働時間」として「Oa1」が関連付けられている。また、「電力変換装置」の「動作回数」として「Np1」が関連付けられ、「AF」の「動作回数」として「Na1」が関連付けられ、「電力変換装置」の「電力量」として「Ep1」が関連付けられ、「AF」の「電力量」として「Ea1」が関連付けられている。また、「電力変換装置」の「周囲温度」として「Tp1」が関連付けられ、「AF」の「周囲温度」として「Ta1」が関連付けられ、「塩化物イオン濃度」として「C1」が関連付けられている。また、「HPS」の「残り時間」として「20000」が関連付けられ、「AF」の「残り時間」として「10000」が関連付けられ、「調整可能量」として「60」が関連付けられている。
【0057】
(指標算出部303の処理)
次に、指標算出部303の処理について説明する。
指標算出部303は、調整部センサ211Sに検出された情報や、変換装置センサ212Sに検出された情報を用いて、温度や湿度の調整のためにHPS21が動作できる限界までの残り時間を算出する。なお、温度や湿度の調整のためにHPS21が動作できる限界までの残り時間を、以下では、HPS残り時間と称することがある。
【0058】
指標算出部303は、電力変換装置212のコンデンサ2121の稼働時間に応じてHPS21が動作できる限界が定められることに基づき、HPS残り時間を算出してもよい。より具体的には、コンデンサ2121の稼働時間が長いほど、HPS残り時間を短く算出してもよい。また、指標算出部303は、電力変換装置212のスイッチ部2122が動作した回数に応じてHPS21が動作できる限界が定められることに基づき、HPS残り時間を算出してもよい。より具体的には、スイッチ部2122が動作した回数が多いほど、HPS残り時間を短く算出してもよい。また、指標算出部303は、電力変換装置212のコンデンサ2121に積算された電力量に応じてHPS21が動作できる限界が定められることに基づき、HPS残り時間を算出してもよい。より具体的には、コンデンサ2121に積算された電力量が大きいほど、HPS残り時間を短く算出してもよい。また、指標算出部303は、電力変換装置212のコンデンサ2121の周囲の温度に応じてHPS21が動作できる限界が定められることに基づき、HPS残り時間を算出してもよい。より具体的には、コンデンサ2121の周囲の温度が高いほど、HPS残り時間を短く算出してもよい。また、指標算出部303は、調整部211が設けられている空間における塩化物イオンの濃度に応じてHPS21が動作できる限界が定められることに基づき、HPS残り時間を算出してもよい。より具体的には、指標算出部303は、調整部211が設けられている空間における塩化物イオンの濃度から、調整部211に設けられている熱交換器(不図示)の酸化度を算出してもよい。そして、算出した酸化度が高いほど、調整部211が動作できる限界までの残り時間を短く算出してもよい。言い換えると、指標算出部303は、調整部211が設けられている空間における塩化物イオンの濃度が高いほど、HPS残り時間を短く算出してもよい。
【0059】
また、指標算出部303は、調整部211が設けられている空間における塩化物イオンの濃度から、調整部211が動作できる限界までの残り時間を算出してもよい。また、指標算出部303は、電力変換装置212の稼働時間、電力変換装置212のコンデンサ2121の周囲の温度、およびコンデンサ2121に積算された電力量から、コンデンサ2121が動作できる限界までの残り時間を算出してもよい。また、指標算出部303は、電力変換装置212のスイッチ部2122が動作した回数から、スイッチ部2122が動作できる限界までの残り時間を算出してもよい。そして、調整部211が動作できる限界までの残り時間、コンデンサ2121が動作できる限界までの残り時間、およびスイッチ部2122が動作できる限界までの残り時間のうちの、最も短い時間を、HPS残り時間に決定してもよい。さらに、指標算出部303は、後述するAF213についての残り時間を踏まえて、HPS残り時間を算出してもよい。
【0060】
また、指標算出部303は、AFセンサ213Sに検出された情報を用いて、AF213が動作できる限界までの残り時間を算出する。なお、AF213が動作できる限界までの残り時間を、以下では、AF残り時間と称することがある。
指標算出部303は、AF213のコンデンサ2131の稼働時間に応じてAF213が動作できる限界が定められることに基づき、AF残り時間を算出してもよい。より具体的には、コンデンサ2131の稼働時間が長いほど、AF残り時間を短く算出してもよい。また、指標算出部303は、AF213のスイッチ部2132が動作した回数に応じてAF213が動作できる限界が定められることに基づき、AF残り時間を算出してもよい。より具体的には、スイッチ部2132が動作した回数が多いほど、AF残り時間を短く算出してもよい。また、指標算出部303は、AF213のコンデンサ2131に積算された電力量に応じてAF213が動作できる限界が定められることに基づき、AF残り時間を算出してもよい。より具体的には、コンデンサ2131に積算された電力量が大きいほど、AF残り時間を短く算出してもよい。また、指標算出部303は、AF213のコンデンサ2131の周囲の温度に応じてAF213が動作できる限界が定められることに基づき、AF残り時間を算出してもよい。より具体的には、コンデンサ2131の周囲の温度が高いほど、AF残り時間を短く算出してもよい。
【0061】
また、指標算出部303は、調整部211が設けられている空間における塩化物イオンの濃度から、AF残り時間を算出してもよい。ここで、調整部211が設けられている空間における塩化物イオンの濃度が高いほど、調整部211が塩害を受けやすい。また、調整部211が塩害を受けると、調整部211を制御するために電力変換装置212に生じる負荷が大きくなることがある。そして、これに伴い、受電経路214における皮相電力を調整するためにAF213に生じる負荷が大きくなり、これにより、AF213が動作できる限界までの残り時間が短くなることがある。この観点から、指標算出部303は、調整部211が設けられている空間における塩化物イオンの濃度が高いほど、AF残り時間を短く算出してもよい。
【0062】
このように、AFセンサ213Sに検出された情報は、AF213による動作の限界に影響する情報である。以下では、AF213のコンデンサ2131の稼働時間、AF213のスイッチ部2132が動作した回数、AF213のコンデンサ2131に積算された電力量、AF213のコンデンサ2131の周囲の温度を、AF情報と総称することがある。AF情報は、AF213による動作の限界に関する制御部情報として捉えられる。また、調整部211が設けられている空間における塩化物イオンの濃度も、広義には、制御部情報として捉えられる。また、AF213による動作の限界に関して指標算出部303に算出される指標も、AF213による動作の限界に関する制御部情報として捉えられる。そのため、指標算出部303も、制御部情報を取得する取得手段として捉えられる。
【0063】
指標算出部303は、予め定められた時間ごとに、HPS残り時間およびAF残り時間を算出する。予め定められた時間は、何れの時間であってもよいが、例えば3時間である。指標算出部303は、HPS残り時間を算出すると、算出結果を、HPS管理テーブルにおいて対象の「HPS」に関連付けられている「HPS」の「残り時間」に書き込む。また、指標算出部303は、AF残り時間を算出すると、算出結果を、HPS管理テーブルにおいて対象の「HPS」に関連付けられている「AF」の「残り時間」に書き込む。
【0064】
(調整量算出部305の処理)
次に、調整量算出部305の処理について説明する。
調整量算出部305は、指標算出部303の算出結果に基づいて、調整量を算出する。より具体的には、調整量算出部305は、指標算出部303に算出されたAF残り時間に基づき、AF213についての調整量を算出する。
【0065】
調整量算出部305は、AF残り時間が短いほど、AF213についての調整量を少なく算出してもよい。また、調整量算出部305は、AF残り時間に基づいて、電線における皮相電力に関する何れのパラメータを調整するかを決定してもよい。また、調整量算出部305は、AF残り時間に基づいて、電線における皮相電力をAF213に調整させるか否かを決定してもよい。また、調整量算出部305は、AF残り時間に基づいて、HPS21の受電経路214における皮相電力をAF213に調整させるか否かを決定してもよい。また、調整量算出部305は、AF残り時間とHPS残り時間との関係から、AF213の動作の内容を決定してもよい。
【0066】
図6は、動作決定処理の流れを示したフローチャートである。動作決定処理は、調整量算出部305がAF213の動作の内容を決定する処理である。本実施形態では、電力系統10の特定の電線における皮相電力の調整の依頼が指示サーバ40から制御サーバ30に送信されると、動作決定処理が開始される。なお、指示サーバ40から制御サーバ30に送信される依頼には、調整の対象である電線を識別する電線識別情報が含まれる。また、調整の対象である電線を、以下では、調整対象電線と称することがある。
また、以下の例では、「17A」の受給側配電線17が調整対象電線であるものとする。また、調整対象電線における皮相電力の調整の依頼に、力率の改善の依頼と、高調波の低減の依頼が含まれているものとする。また、調整対象電線における力率の改善のために必要な電流値が、「100」であるものとする。調整対象電線における力率の改善のために必要な電流値を、以下では、調整必要量と称することがある。
【0067】
抽出部304は、調整対象電線における皮相電力の調整に用いるHPS21の候補を抽出する。より具体的には、抽出部304は、調整対象電線に関連付けられたHPS21を抽出する(ステップ(以下、「S」と称する)101)。抽出部304は、HPS管理テーブル(
図5参照)を参照する。そして、調整対象電線の電線識別情報が「経由電線」に関連付けられている「HPS」から特定されるHPS21を抽出する。
この例では、「21A」乃至「21E」の五つのHPS21が、調整対象電線である「17A」に関連付けられている。そのため、抽出部304は、「21A」乃至「21E」の五つのHPS21を抽出する。
【0068】
抽出部304は、抽出したHPS21の中から、さらにHPS21を抽出する。より具体的には、調整可能量が最も多いHPS21を抽出する(S102)。抽出部304は、HPS管理テーブルにおいて最も多い「調整可能量」が関連付けられている「HPS」を抽出する。
この例では、ステップ101にて抽出された五つのHPS21のうち、「21A」のHPS21に最も多い「調整可能量」である「60」が示されている。そのため、抽出部304は、「21A」のHPS21を抽出する。なお、ステップ102にて抽出されたHPS21を、以下では、抽出HPS21と称することがある。また、抽出HPS21に設けられているAF213を、以下では、抽出AF213と称することがある。
【0069】
調整量算出部305は、抽出HPS21のAF残り時間が、HPS調整閾値以上であるか否かを判定する(S103)。HPS調整閾値は、抽出HPS21の受電経路214における皮相電力を抽出AF213に調整させるか否かの判定に用いられる閾値である。本実施形態では、抽出HPS21の受電経路214における皮相電力を抽出AF213に調整させる場合であっても、HPS残り時間に対してAF残り時間が過度に短くならないようにする観点から、HPS調整閾値が定められている。また、本実施形態では、HPS調整閾値は、HPS残り時間の三分の一の値であるものとする。調整量算出部305は、HPS管理テーブルにおいて抽出HPS21に関連付けられている「AF」の「残り時間」と「HPS」の「残り時間」との関係から、AF残り時間がHPS調整閾値以上であるか否かを判定する。
この例では、「21A」のHPS21における「AF」の「残り時間」である「10000」は、「HPS」の「残り時間」である「20000」の二分の一である。そのため、調整量算出部305は、抽出HPS21のAF残り時間が、HPS調整閾値以上であると判定する(S103にてYES)。
【0070】
AF残り時間がHPS調整閾値以上である場合、調整量算出部305は、抽出HPS21のAF残り時間が、電線調整閾値以上であるか否かを判定する(S104)。電線調整閾値は、調整対象電線における皮相電力を抽出AF213に調整させるか否かの判定に用いられる閾値である。本実施形態では、調整対象電線における皮相電力を抽出AF213に調整させる場合に抽出AF213に不具合が生じることを抑制する観点から、電線調整閾値が定められている。また、本実施形態では、電線調整閾値を、「5000」とする。調整量算出部305は、HPS管理テーブルにおいて抽出HPS21に関連付けられている「AF」の「残り時間」から、AF残り時間が電線調整閾値以上であるか否かを判定する。
この例では、「21A」のHPS21における「AF」の「残り時間」である「10000」は、「5000」よりも大きい。そのため、調整量算出部305は、抽出HPS21のAF残り時間が、電線調整閾値以上であると判定する(S104にてYES)。
【0071】
AF残り時間が電線調整閾値以上である場合、調整量算出部305は、抽出HPS21のAF残り時間が力率調整閾値以上であるか否かを判定する(S105)。力率調整閾値は、調整対象電線における力率を抽出AF213に調整させるか否かの判定に用いられる閾値である。本実施形態では、調整対象電線における力率を抽出AF213に調整させる場合に抽出AF213に不具合が生じることを抑制する観点から、力率調整閾値が定められている。また、本実施形態では、力率調整閾値を、電線調整閾値よりも大きい「7000」とする。調整量算出部305は、HPS管理テーブルにおいて抽出HPS21に関連付けられている「AF」の「残り時間」から、AF残り時間が力率調整閾値以上であるか否かを判定する。
この例では、「21A」のHPS21における「AF」の「残り時間」である「10000」は、「7000」よりも大きい。そのため、調整量算出部305は、抽出HPS21のAF残り時間が、力率調整閾値以上であると判定する(S105にてYES)。
【0072】
AF残り時間が力率調整閾値以上である場合、調整量算出部305は、抽出HPS21のAF残り時間が制限閾値以上であるか否かを判定する(S106)。制限閾値は、調整対象電線における力率を抽出AF213に調整させる場合に調整量を制限するか否かの判定に用いられる閾値である。本実施形態では、調整量を制限しない場合に抽出AF213に不具合が生じることを抑制する観点から、制限閾値が定められている。また、本実施形態では、制限閾値を、力率調整閾値よりも大きい「9000」とする。調整量算出部305は、HPS管理テーブルにおいて抽出HPS21に関連付けられている「AF」の「残り時間」から、AF残り時間が制限閾値以上であるか否かを判定する。
この例では、「21A」のHPS21における「AF」の「残り時間」である「10000」は、「9000」よりも大きい。そのため、調整量算出部305は、抽出HPS21のAF残り時間が、制限閾値以上であると判定する(S106にてYES)。
【0073】
AF残り時間が制限閾値以上である場合、調整量算出部305は、抽出AF213についての調整可能量を、抽出AF213についての調整量に決定する(S107)。
この例では、「21A」の抽出AF213についての調整量を、「調整可能量」である「60」に決定する。
【0074】
また、AF残り時間が制限閾値未満である場合(S106にてNO)、調整量算出部305は、抽出AF213の調整可能量よりも少ない値を、抽出AF213についての調整量に決定する(S108)。本実施形態では、調整量算出部305は、抽出AF213の調整可能量の半数を、調整量に決定する。
【0075】
また、AF残り時間が力率調整閾値未満である場合(S105にてNO)、調整量算出部305は、調整対象電線における力率を抽出AF213に調整させず、調整対象電線における高調波を抽出AF213に調整させる(S109)。
【0076】
また、AF残り時間が電線調整閾値未満である場合(S104にてNO)、調整量算出部305は、調整対象電線における皮相電力を抽出AF213に調整させない。なお、この場合であっても、抽出HPS21の電力変換装置212が動作する場合には、調整量算出部305は、受電経路214における皮相電力を抽出AF213に調整させる。言い換えると、調整量算出部305は、調整対象電線における皮相電力を抽出AF213に調整させない一方で、HPS21における皮相電力を抽出AF213に調整させる(S110)。
【0077】
また、AF残り時間がHPS調整閾値未満である場合(S103にてNO)、調整量算出部305は、調整対象電線における皮相電力を抽出AF213に調整させない。また、調整量算出部305は、抽出HPS21の電力変換装置212が動作する場合であっても、受電経路214における皮相電力を抽出AF213に調整させない。言い換えると、調整量算出部305は、調整対象電線における皮相電力、および抽出HPS21における皮相電力を、何れも調整させない(S111)。
【0078】
ステップ107乃至ステップ111のうちの何れかの処理が終了すると、調整量算出部305は、指示サーバ40からの依頼に全て対応しているか否かを判定する(S112)。本実施形態では、調整対象電線における力率の調整が依頼に含まれている場合、調整量算出部305は、決定した調整量の合計値が調整必要量以上であるか否かにより、調整対象電線における力率の調整の依頼に対応しているか否かを判定する。また、調整対象電線における高調波の調整が依頼に含まれている場合、調整量算出部305は、調整対象電線における高調波の調整に用いるHPS21を決定したか否かにより、調整対象電線における高調波の調整の依頼に対応しているか否かを判定する。
この例では、調整量算出部305に決定された調整量の合計値である「60」は、調整必要量である「100」に満たない。また、調整量算出部305は、調整対象電線における高調波の調整に用いるHPS21を決定していない。そのため、調整量算出部305は、指示サーバ40からの依頼に対応していないと判定する(S112にてNO)。
【0079】
指示サーバ40からの依頼に対応していない場合、ステップ102以降の処理が繰り返し行われる。ここで、抽出部304は、ステップ102にて既に抽出済であるHPS21を除いた残りのHPS21を対象として、再度抽出をする。
この例では、抽出部304は、ステップ101にて抽出されたHPS21のうちの、「21A」のHPS21の次に多い「調整可能量」である「50」が示されている「21B」のHPS21を抽出する。
また、「21B」のHPS21における「AF」の「残り時間」である「8000」は、「HPS」の「残り時間」である「18000」の三分の一よりも大きいため、調整量算出部305は、AF残り時間がHPS調整閾値以上であると判定する(S103にてYES)。
また、「21B」のHPS21における「AF」の「残り時間」は、「5000」よりも大きいため、調整量算出部305は、AF残り時間が電線調整閾値以上であると判定する(S104にてYES)。
【0080】
また、「21B」のHPS21における「AF」の「残り時間」は、「7000」よりも大きいため、調整量算出部305は、AF残り時間が力率調整閾値以上であると判定する(S105にてYES)。
一方、「21B」のHPS21における「AF」の「残り時間」は、「9000」未満であるため、調整量算出部305は、AF残り時間が制限閾値未満であると判定する(S106にてNO)。
この場合、調整量算出部305は、「21B」のHPS21の「調整可能量」の半数である「25」を、「21B」のHPS21についての調整量に決定する(S108)。
これにより、調整量算出部305に決定された調整量の合計値は「60+25=85」になる。この合計値は、調整必要量である「100」に満たない。また、調整量算出部305は、調整対象電線における高調波の調整に用いるHPS21を決定していない。そのため、調整量算出部305は、指示サーバ40からの依頼に対応していないと判定し(S112にてNO)、ステップ102以降の処理が繰り返し行われる。
【0081】
抽出部304は、ステップ101にて抽出されたHPS21のうちの、「21B」のHPS21の次に多い「調整可能量」である「45」が示されている「21C」のHPS21を抽出する(S102)。
また、「21C」のHPS21における「AF」の「残り時間」である「6000」は、「HPS」の「残り時間」である「16000」の三分の一よりも大きいため、調整量算出部305は、AF残り時間がHPS調整閾値以上であると判定する(S103にてYES)。
また、「21C」のHPS21における「AF」の「残り時間」は、「5000」よりも大きいため、調整量算出部305は、AF残り時間が電線調整閾値以上であると判定する(S104にてYES)。
【0082】
一方、「21C」のHPS21における「AF」の「残り時間」は、「7000」未満であるため、調整量算出部305は、AF残り時間が力率調整閾値未満であると判定する(S105にてNO)。
この場合、調整量算出部305は、「21C」のHPS21に、調整対象電線における力率を調整させず、調整対象電線における高調波を調整させることを決定する(S109)。
これにより、調整対象電線における高調波の調整に用いるHPS21が決定される。一方、調整量算出部305に決定された調整量の合計値は「85」であり、調整必要量である「100」に満たない。そのため、調整量算出部305は、指示サーバ40からの依頼に対応していないと判定し(S112にてNO)、ステップ102以降の処理が繰り返し行われる。
【0083】
抽出部304は、ステップ101にて抽出されたHPS21のうちの、「21C」のHPS21の次に多い「調整可能量」である「40」が示されている「21E」のHPS21を抽出する(S102)。
一方、「21E」のHPS21における「AF」の「残り時間」である「500」は、「HPS」の「残り時間」である「8000」の三分の一未満であるため、調整量算出部305は、AF残り時間がHPS調整閾値未満であると判定する(S103にてNO)。
この場合、調整量算出部305は、「21E」のHPS21に、調整対象電線における皮相電力を調整させない。また、調整量算出部305は、「21E」のHPS21における電力変換装置212が動作する場合であっても、受電経路214における皮相電力をAF213に調整させない(S111)。
これにより、調整量算出部305に決定されている調整量の合計値は、依然として「85」であり、調整必要量である「100」に満たない。そのため、調整量算出部305は、指示サーバ40からの依頼に対応していないと判定し(S112にてNO)、ステップ102以降の処理が繰り返し行われる。
【0084】
抽出部304は、ステップ101にて抽出されたHPS21のうちの、「21E」のHPS21の次に多い「調整可能量」である「30」が示されている「21D」のHPS21を抽出する(S102)。
また、「21D」のHPS21における「AF」の「残り時間」である「7000」は、「HPS」の「残り時間」である「17000」の三分の一よりも大きいため、調整量算出部305は、AF残り時間がHPS調整閾値以上であると判定する(S103にてYES)。
また、「21D」のHPS21における「AF」の「残り時間」は、「5000」よりも大きいため、調整量算出部305は、AF残り時間が電線調整閾値以上であると判定する(S104にてYES)。
【0085】
また、「21D」のHPS21における「AF」の「残り時間」は、「7000」であるため、調整量算出部305は、AF残り時間が力率調整閾値以上であると判定する(S105にてYES)。
一方、「21D」のHPS21における「AF」の「残り時間」は、「9000」未満であるため、調整量算出部305は、AF残り時間が制限閾値未満であると判定する(S106にてNO)。
この場合、調整量算出部305は、「21D」のHPS21の「調整可能量」の半数である「15」を、調整量に決定する(S108)。
これにより、調整量算出部305に決定された調整量の合計値は「100」になり、調整必要量である「100」に到達する。また、上述の通り、調整対象電線における高調波の調整に用いるHPS21が決定されている。そのため、調整量算出部305は、指示サーバ40からの依頼に全て対応していると判定する(S112にてYES)。
【0086】
送信部306は、動作決定処理にて決定した動作の内容が示された情報を、動作の指示として、指示の対象であるHPS21に指示する。HPS21は、指示を受けると、受けた指示の内容により動作する。また、調整をさせない旨の指示を受けたHPS21は、指示に応じ、調整をしなくなる。
【0087】
このように、動作決定処理において、調整量算出部305は、AF213の寿命に応じて、AF213による動作の内容を決定することで、AF213に不具合が生じることを抑制している。
なお、電線における皮相電力の調整の依頼が無い場合であっても、調整量算出部305は、所定時間ごとに、各HPS21について、AF残り時間がHPS調整閾値以上であるか否かを判定してもよい。そして、判定結果に基づいて、HPS21の受電経路214における皮相電力をAF213に調整させるか否かを決定してもよい。
【0088】
以上の通り、本実施形態では、取得部301は、AF情報を取得する。また、指標算出部303は、AF情報に基づいて、AF213による動作の限界に関する指標を算出する。そして、調整量算出部305は、指標算出部303の算出結果に基づいて、AF213の動作を制御する。言い換えると、調整量算出部305は、AF情報に基づいて、AF213の動作を制御する。そのため、調整量算出部305は、AF213の動作を制御する制御手段としても捉えられる。
この場合、AF213の動作の限界に基づき、AF213の動作を制御することができる。
【0089】
特に、本実施形態では、AF213は、電線における皮相電力の調整が可能である。そして、調整量算出部305は、AF情報に基づき、調整対象電線における皮相電力の調整のためのAF213の動作を制御する。
この場合、AF213による動作の限界に応じて、調整対象電線における皮相電力の調整の内容が定められる。そのため、AF213による動作の限界とは無関係にAF213の動作が制御される場合に比べて、AF213による動作の限界に関して適した調整の内容により、調整対象電線における皮相電力を調整することができる。
【0090】
また、本実施形態では、AF情報は、AF213による動作の限界に作用するAF213の動作に関する情報や、AF213の環境に関する情報である。
この場合、AF213に関しない情報に基づいてAF213の動作が制御される場合に比べて、AF213に関して適した内容によりAF213を動作させることができる。
【0091】
また、本実施形態では、調整量算出部305は、HPS残り時間と、AF残り時間との関係に基づき、AF213の動作を制御する。
この場合、HPS残り時間とは無関係にAF213の動作が制御される場合に比べて、HPS残り時間とAF残り時間とが適した関係になるようにAF213を動作させることができる。
【0092】
また、本実施形態では、調整量算出部305は、AF残り時間が制限閾値未満である場合、調整対象電線における皮相電力の調整のためのAF213の動作を制限する。
この場合、AF残り時間が制限閾値未満であってもAF213の動作が制限されない場合に比べて、AF213に不具合が生じることを抑制できる。そのため、温度や湿度の調整のためのHPS21の動作に影響が及ぶことを抑制できる。
【0093】
また、本実施形態では、調整量算出部305は、AF残り時間がHPS調整閾値以上であり且つ電線調整閾値未満である場合、調整対象電線における皮相電力の調整のためのAF213の動作を制限する一方で、受電経路214における皮相電力の調整のためのAF213の動作を制限しない。そして、調整量算出部305は、AF残り時間がHPS調整閾値未満であり且つ電線調整閾値未満である場合、調整対象電線における皮相電力の調整のためのAF213の動作、および、受電経路214における皮相電力の調整のためのAF213の動作を何れも制限する。
【0094】
AF213に不具合が生じていない場合において、AF213が受電経路214における皮相電力を調整しない場合、HPS21の動作に影響が及ぶ可能性があるものの、HPS21は温度や湿度を調整することができる。一方、AF213に不具合が生じると、この不具合に伴い、HPS21による温度や湿度の調整に及ぶ影響が大きくなるおそれがある。
そこで、本実施形態では、AF213の不具合を抑制するための動作の制限を、AF213の動作の限界に応じて段階的に制御することで、HPS21の動作に及ぶ影響が大きくなることを抑制している。
【0095】
また、本実施形態では、取得部301は、調整部211が設けられている空間における塩化物イオンの濃度の情報を取得する。また、指標算出部303は、塩化物イオンの濃度に基づいて、AF残り時間を算出する。そして、調整量算出部305は、AF残り時間に基づいて、AF213の動作を制御する。言い換えると、調整量算出部305は、調整部211が設けられている空間における塩化物イオンの濃度の情報に基づいて、AF213の動作を制御する。
この場合、AF213の動作の限界に対する調整部211の環境の影響を踏まえて、AF213の動作を制御することができる。
【0096】
また、本実施形態では、調整対象電線における皮相電力の調整には、調整対象電線における力率の調整と、調整対象電線における高調波の調整とが含まれる。そして、調整量算出部305は、AF情報に基づき、調整対象電線においてAF213に調整させる対象を決定する。
この場合、AF213による動作の限界に応じて、調整対象電線においてAF213に調整させる対象が決定される。そのため、AF213による動作の限界とは無関係にAF213に調整させる対象が決定される場合に比べて、調整対象電線においてAF213に調整させる対象を適切に決定することができる。
【0097】
特に、本実施形態では、調整量算出部305は、AF残り時間が力率調整閾値以上である場合、調整対象電線における力率をAF213に調整させ、AF残り時間が力率調整閾値未満であり且つ電線調整閾値以上である場合、調整対象電線における高調波をAF213に調整させる。
調整対象電線における調整の対象が力率である場合、調整の対象が高調波である場合よりも、AF213に生じる負荷が大きくなりやすい。そこで、本実施形態では、AF213の動作の限界に応じて、調整対象電線における皮相電力の調整によってAF213に生じる負荷の大きさを調整している。
【0098】
なお、動作決定処理のステップ109において、調整対象電線における高調波の調整が指示サーバ40からの依頼に含まれていない場合、調整量算出部305は、抽出HPS21に高調波を調整させない。
また、本実施形態では、調整量算出部305が調整対象電線における高調波を一のHPS21に調整させているが、これに限定されない。調整量算出部305は、調整対象電線における高調波を複数のHPS21に調整させてもよい。この場合に、調整量算出部305は、各HPS21についてのAF残り時間に基づいて、調整対象電線における高調波の調整によりAF213に生じる負荷をAF213ごとに決定してもよい。
【0099】
図7は、調整中処理の流れを示したフローチャートである。調整中処理は、調整対象電線における力率を調整中であるHPS21の動作を制御する処理である。調整対象電線における力率を調整中であるHPS21が複数存在する場合、各HPS21について調整中処理が行われる。また、調整中処理は、HPS21が調整対象電線における力率を調整中である場合において、予め定められた時間ごとに開始される。予め定められた時間は、何れの時間であってもよいが、例えば3時間である。なお、調整中処理において制御の対象になるHPS21を、以下では、対象HPS21と称することがある。
【0100】
指標算出部303は、対象HPS21についてのAF残り時間を算出する(S201)。指標算出部303は、算出したAF残り時間を、HPS管理テーブル(
図5参照)において対象の「HPS」に関連付けられている「AF」の「残り時間」に上書きする。
調整量算出部305は、対象HPS21についてのAF残り時間が制限閾値以上であるか否かを判定する(S202)。AF残り時間が制限閾値以上である場合(S202にてYES)。調整中処理が終了する。この場合、対象HPS21の動作が制限されることなく、調整対象電線における力率の対象HPS21による調整が継続される。
【0101】
また、AF残り時間が制限閾値未満である場合(S202にてNO)、調整量算出部305は、AF残り時間が力率調整閾値以上であるか否かを判定する(S203)。
AF残り時間が力率調整閾値以上である場合(S203にてYES)、送信部306は、対象HPS21についての制限情報を、対象HPS21を識別するHPS識別情報とともに、指示サーバ40へ送信する(S204)。制限情報としては、対象HPS21についての調整量が制限されることを示す情報が挙げられる。
また、調整量算出部305は、対象HPS21のAF213についての調整量を制限する(S205)。本実施形態では、調整量算出部305は、対象HPS21のAF213についての現在の調整量の半数を、新たな調整量として決定する。送信部306は、新たな調整量を、動作の指示として、対象HPS21に送信する。
【0102】
一方、AF残り時間が力率調整閾値未満である場合(S203にてNO)、送信部306は、対象HPS21についての停止情報を、対象HPS21を識別するHPS識別情報とともに、指示サーバ40へ送信する(S206)。停止情報としては、調整対象電線における力率の対象HPS21による調整が停止されることを示す情報が挙げられる。
また、調整量算出部305は、調整対象電線における力率のAF213による調整を停止することを決定する(S207)。送信部306は、調整の停止の指示を、対象HPS21に送信する。この後、対象HPS21を管理する管理者は、必要に応じて、対象HPS21のメンテナンスを行うことができる。
また、指示サーバ40を管理する管理者は、制限情報や停止情報を受け、必要に応じて、制御サーバ30に対して、調整対象電線における力率のHPS21による調整を追加で依頼することができる。
【0103】
このように、本実施形態では、調整対象電線における皮相電力のAF213による調整中であっても、AF残り時間に基づいて、AF213の動作を制限する。
この場合、AF213が長時間動作することに起因してAF213に不具合が生じることを抑制できる。
【0104】
また、本実施形態では、送信部306は、AF213が調整対象電線における皮相電力を調整している場合においてAF残り時間が制限閾値未満である場合、制限情報や停止情報を出力する。
この場合、AF残り時間が制限閾値未満であるか否かに関わらずHPS21に関する情報が出力される場合に比べて、AF213の動作の限界の観点からの通知に適していないHPS21に関する情報が出力されることを抑制できる。
【0105】
なお、本開示では、HPS21が受給側配電線17における皮相電力を調整することを説明したが、皮相電力を調整する対象の電線は、送電線12や供給側配電線14であってもよい。
【0106】
また、本開示では、調整量算出部305は、調整対象電線における皮相電力をAF213に調整させる場合に、力率および高調波の何れかを調整させているが、これに限定されない。調整量算出部305は、AF残り時間に基づいて、調整対象電線における力率および高調波を何れも一のAF213に調整させてもよい。
【0107】
また、本開示では、調整量算出部305は、AF213の動作を制限するために、AF213についての調整量を制限している。ここで、AF213の動作の制限は、調整量の制限に限定されない。
調整量算出部305は、調整対象電線における皮相電力のAF213による調整の時間を短くすることで、AF213の動作を制限してもよい。
【0108】
また、本開示では、使用量、調整量、調整可能量、調整必要量等のパラメータが電流である例を説明したが、これに限定されない。各パラメータは、皮相電力に関するパラメータとして上述した何れかのパラメータであれば良い。
【0109】
また、本開示では、HPS残り時間の算出に用いられる情報が、電力変換装置212に設けられている一のコンデンサ2121に積算された電力量や、電力変換装置212に設けられている一のスイッチ部2122が動作した回数であるが、これに限定されない。
指標算出部303は、電力変換装置212のインバータ(不図示)に設けられているコンデンサに積算された電力量、および、電力変換装置212のコンバータ(不図示)に設けられているコンデンサに積算された電力量に基づき、HPS残り時間を算出してもよい。また、指標算出部303は、電力変換装置212のインバータ(不図示)に設けられているスイッチ部が動作した回数、および、電力変換装置212のコンバータ(不図示)に設けられているスイッチ部が動作した回数に基づき、HPS残り時間を算出してもよい。
【0110】
また、AF213の動作の限界に関する指標は、AF残り時間に限定されない。指標算出部303は、AF213の動作の限界に関する指標として、AF213のスイッチ部2132が動作できる残りの回数を算出してもよい。また、指標算出部303は、AF213の動作の限界に関する指標として、AF213に不具合が発生する危険性の大きさを算出してもよい。また、指標算出部303は、AF213の動作の限界に関する指標として、AF213の劣化の程度を算出してもよい。
また、AF213の動作の限界に関する指標は、指標算出部303に算出される指標に限定されない。AF213の動作の限界に関する指標は、AF213の稼働時間、AF213のスイッチ部2132が動作した回数、AF213のコンデンサ2131に積算された電力量、AF213のコンデンサ2131の周囲の温度等であってもよい。言い換えると、AF213の動作の限界に関する指標は、AFセンサ213Sに検出された情報であってもよい。
【0111】
また、温度や湿度の調整のためのHPS21の動作の限界に関する指標は、HPS残り時間に限定されない。指標算出部303は、HPS21の動作の限界に関する指標として、電力変換装置212のスイッチ部2122が動作できる残りの回数を算出してもよい。また、指標算出部303は、HPS21の動作の限界に関する指標として、HPS21に不具合が発生する危険性の大きさを算出してもよい。また、指標算出部303は、HPS21の動作の限界に関する指標として、HPS21の劣化の程度を算出してもよい。
また、温度や湿度の調整のためのHPS21の動作の限界に関する指標は、指標算出部303に算出される指標に限定されない。HPS21の動作の限界に関する指標は、電力変換装置212の稼働時間、電力変換装置212のスイッチ部2122が動作した回数、電力変換装置212のコンデンサ2121に積算された電力量等であってもよい。また、HPS21の動作の限界に関する指標は、電力変換装置212のコンデンサ2121の周囲の温度、調整部211が設けられている空間における塩化物イオンの濃度等であってもよい。言い換えると、HPS21の動作の限界に関する指標は、調整部センサ211Sに検出された情報であってもよいし、変換装置センサ212Sに検出された情報であってもよい。
【0112】
また、AFセンサ213Sに検出される情報は、上記の例に限定されない。
AFセンサ213Sは、AF213のコンデンサ2131に積算された電流値を検出してもよい。また、AFセンサ213Sは、AF213のコンデンサ2131に印加される電圧の変動を検出してもよい。また、AFセンサ213Sは、AF213の稼働率を検出してもよい。そして、指標算出部303は、コンデンサ2131に積算された電流値、コンデンサ2131に印加される電圧の変動、およびAF213の稼働率に基づいて、AF213の動作の限界に関する指標を算出してもよい。
【0113】
また、変換装置センサ212Sに検出される情報は、上記の例に限定されない。
変換装置センサ212Sは、電力変換装置212のコンデンサ2121に積算された電流値を検出してもよい。また、変換装置センサ212Sは、コンデンサ2121に印加される電圧の変動を検出してもよい。また、変換装置センサ212Sは、電力変換装置212の稼働率を検出してもよい。そして、指標算出部303は、コンデンサ2121に積算された電流値、コンデンサ2121に印加される電圧の変動、および電力変換装置212の稼働率に基づいて、温度や湿度の調整のためのHPS21の動作の限界に関する指標を算出してもよい。
【0114】
また、AF213の動作の限界に関する指標の指標算出部303による算出の手法は、上記の例に限定されない。
指標算出部303は、AF213による動作の限界について定められた値から、AFセンサ213Sに検出された値を減算した値を、AF213の動作の限界に関する指標として算出してもよい。AF213による動作の限界について定められた値としては、AF213の稼働時間の限界値、AF213のコンデンサ2131に積算される電力量の限界値、AF213のスイッチ部2132が動作する回数の限界値等が挙げられる。また、AF213による動作の限界について定められた値としては、HPS21の仕様書に記載されている値が用いられてもよい。
【0115】
また、指標算出部303は、機械学習の成果に基づいて、AF213の動作の限界に関する指標を算出してもよい。より具体的には、指標算出部303は、寿命を迎えたAF213についての情報を教師データとして、AFセンサ213Sに検出された情報と、AF213の動作の限界との関係を学習する。教師データとしては、寿命を迎えたAF213について、AF213が動作していたときにAFセンサ213Sに検出された情報、およびAF213による動作の限界に関する情報が挙げられる。AF213による動作の限界に関する情報としては、AF213が寿命を迎えるまでの稼働時間、コンデンサ2131に積算された電力量、スイッチ部2132が動作した回数等が挙げられる。指標算出部303は、学習結果に基づいて、AFセンサ213Sに検出された情報を入力として、AFセンサ213Sによる動作の限界に関する指標を出力する学習モデルを生成する。そして、生成した学習モデルに基づき、AFセンサ213Sに検出された情報から、AF213による動作の限界に関する指標を算出してもよい。
【0116】
また、温度や湿度の調整のためのHPS21の動作の限界に関する指標の指標算出部303による算出の手法は、上記の例に限定されない。
指標算出部303は、HPS21の動作の限界について定められた値から、変換装置センサ212Sに検出された値を減算した値を、温度や湿度の調整のためのHPS21の動作の限界に関する指標として算出してもよい。HPS21の動作の限界について定められた値としては、電力変換装置212の稼働時間の限界値、電力変換装置212のコンデンサ2121に積算される電力量の限界値、電力変換装置212のスイッチ部2122が動作する回数の限界値等が挙げられる。また、HPS21による動作の限界について定められた値としては、HPS21の仕様書に記載されている値が用いられてもよい。
【0117】
また、指標算出部303は、機械学習の成果に基づいて、温度や湿度の調整のためのHPS21の動作の限界に関する指標を算出してもよい。より具体的には、指標算出部303は、寿命を迎えたHPS21についての情報を教師データとして、調整部センサ211Sや変換装置センサ212Sに検出された情報と、温度や湿度の調整のためのHPS21の動作の限界との関係を学習する。教師データとしては、寿命を迎えたHPS21について、HPS21が動作していたときに調整部センサ211Sや変換装置センサ212Sに検出された情報、および温度や湿度の調整のためのHPS21の動作の限界に関する情報が挙げられる。温度や湿度の調整のためのHPS21の動作の限界に関する情報としては、HPS21が寿命を迎えるまでの電力変換装置212の稼働時間、コンデンサ2121に積算された電力量、スイッチ部2122が動作した回数等が挙げられる。指標算出部303は、学習結果に基づいて、調整部センサ211Sや変換装置センサ212Sに検出された情報を入力として、温度や湿度の調整のためのHPS21の動作の限界に関する指標を出力する学習モデルを生成する。そして、生成した学習モデルに基づき、調整部センサ211Sや変換装置センサ212Sに検出された情報から、温度や湿度の調整のためのHPS21の動作の限界に関する指標を算出してもよい。
【0118】
また、本開示では、制御サーバ30が、AF213による動作の限界に基づいてAF213の動作を制御することを説明した。ここで、制御サーバ30は、AF213による動作の限界と、ユーザがAF213を使用する予定の期間との関係から、AF213の動作を制御してもよい。
制御サーバ30が、AF213による動作の限界と、ユーザがAF213を使用する予定の期間との関係から、AF213の動作を制御する手法の一例を説明する。ユーザが、AF213を使用する予定の期間を制御サーバ30に入力することで、制御サーバ30は、ユーザがAF213を使用する予定の期間を示す情報を取得する。また、制御サーバ30は、取得した情報から、AF213による動作を制限することなく、ユーザが予定する期間AF213を使用した場合に、AF213が動作する時間を算出する。そして、制御サーバ30は、算出した時間よりも、AF残り時間の方が短い場合には、AF213による動作を制限することで、ユーザが予定する期間AF213が耐用されるようにAF213の動作を制御してもよい。
【0119】
また、本開示では、制御サーバ30が、AF213の動作を制御する構成としたが、これに限定されない。
例えば、HPS21が、制御サーバ30の機能を有してもよい。言い換えると、HPS21に、各種の機能を実現するためのCPU31(
図2参照)、ROM32、RAM33、通信装置34、記憶装置35が設けられてもよい。そして、このHPS21が、制御サーバ30の取得部301、記憶部302、指標算出部303、抽出部304、調整量算出部305、送信部306等の機能を備えてもよい。
【0120】
ここで、上記にて説明した実施形態の各々は、以下のように捉えることができる。
本実施形態の調整量算出部305は、制御部情報に基づき、AF213の動作を制御する。
この場合、電力変換装置212の受電経路214に対して電力変換装置212と電気的に並列して接続され且つ電力変換装置212の受電経路214における皮相電力を制御するAF213の動作の限界に基づきAF213の動作を制御することができる。
【0121】
また、AF213による動作の限界は、経時的変化により所定の動作ができなくなる時点である。
この場合、AF213が経時的変化により所定の動作ができなくなる時点を踏まえて、AF213の動作を制御することができる。
【0122】
また、調整量算出部305は、制御部情報に基づき、調整対象電線における皮相電力の調整のためのAF213の動作を制御する。
この場合、AF213による動作の限界に応じて、調整対象電線における皮相電力の調整の内容が定められる。そのため、AF213による動作の限界とは無関係にAF213の動作が制御される場合に比べて、AF213による動作の限界に関して適した調整の内容により、調整対象電線における皮相電力を調整することができる。
【0123】
また、制御部情報は、AF213による動作の限界に作用するAF213の動作および/またはAF213の環境に関する情報である。
この場合、AF213に関しない情報に基づいてAF213の動作が制御される場合に比べて、AF213に関して適した内容によりAF213を動作させることができる。
【0124】
また、調整量算出部305は、HPS残り時間と、AF残り時間との関係に基づき、AF213の動作を制御する。
この場合、HPS残り時間とは無関係にAF213の動作が制御される場合に比べて、HPS残り時間とAF残り時間とが適した関係になるようにAF213を動作させることができる。
【0125】
また、調整量算出部305は、AF213による動作の限界に関する指標が予め定められた条件を満たす場合、調整対象電線における皮相電力の調整のためのAF213の動作を制限する。AF213による動作の限界に関する指標が予め定められた条件を満たす場合としては、AF残り時間が制限閾値未満であることが挙げられる。
この場合、AF残り時間が制限閾値未満であってもAF213の動作が制限されない場合に比べて、AF213に不具合が生じることを抑制できるため、温度や湿度の調整のためのHPS21の動作に影響が及ぶことを抑制できる。
【0126】
また、条件には、それぞれ異なる第1条件と第2条件とがある。そして、調整量算出部305は、指標が第1条件を満たし且つ第2条件を満たさない場合、調整対象電線における皮相電力の調整のためのAF213の動作を制限する一方で、受電経路214における皮相電力の調整のためのAF213の動作を制限せず、指標が第1条件および第2条件の何れも満たす場合、調整対象電線における皮相電力の調整のためのAF213の動作、および、受電経路214における皮相電力の調整のためのAF213の動作を何れも制限する。第1条件としては、AF残り時間が電線調整閾値未満であることが挙げられる。また、第2条件としては、AF残り時間がHPS調整閾値未満であることが挙げられる。
この場合、AF213の不具合を抑制するための動作の制限を、AF213の動作の限界に応じて段階的に制御することで、HPS21の動作に及ぶ影響が大きくなることを抑制することができる。
【0127】
また、調整量算出部305は、制御部情報および環境情報に基づき、AF213の動作を制御する。環境情報としては、調整部211の環境に関する情報が挙げられる。
この場合、AF213の動作の限界に対する調整部211の環境の影響を踏まえて、AF213の動作を制御することができる。
【0128】
また、調整対象電線における皮相電力の調整には、調整対象電線における力率の調整と、調整対象電線における高調波の調整とが含まれる。そして、調整量算出部305は、制御部情報に基づき、調整対象電線においてAF213に調整させる対象を決定する。
この場合、AF213による動作の限界に応じて、調整対象電線においてAF213に調整させる対象が決定される。そのため、AF213による動作の限界とは無関係にAF213に調整させる対象が決定される場合に比べて、調整対象電線においてAF213に調整させる対象を適切に決定することができる。
【0129】
また、AF残り時間に対して、所定の第1条件と、第1条件よりもAF213による動作の限界が近いことに関する第2条件とが定められている。そして、調整量算出部305は、AF残り時間が第1条件を満たす場合、調整対象電線における力率をAF213に調整させ、AF残り時間が第2条件を満たす場合、調整対象電線における高調波をAF213に調整させる。第1条件としては、AF残り時間が力率調整閾値以上であることが挙げられる。また、第2条件としては、AF残り時間が力率調整閾値未満であり且つ電線調整閾値以上であることが挙げられる。
この場合、AF213の動作の限界に応じて、調整対象電線における皮相電力の調整によってAF213に生じる負荷の大きさを調整することができる。
【0130】
また、送信部306は、AF213が調整対象電線における皮相電力を調整している場合において、AF残り時間が予め定められた条件を満たす場合、制限情報を出力する。予め定められた条件としては、AF残り時間が制限閾値未満になることが挙げられる。
この場合、AF残り時間が制限閾値未満であるか否かに関わらず制限情報が出力される場合に比べて、AF213の動作の限界の観点からの通知に適していないHPS21に関する情報が出力されることを抑制できる。
【0131】
また、他の観点から捉えると、本実施形態のHPS21は、受電した電力を変換して調整に用いられる負荷に供給する電力変換装置212と、電力変換装置212の受電経路214に対して電力変換装置212と電気的に並列して接続され、受電経路214における皮相電力を制御するAF213と、AF213による動作の限界に関する制御部情報を取得する取得手段と、制御部情報に基づき、AF213の動作を制御する制御手段と、を備えるHPS21である。
電力変換装置212の受電経路214に対して電力変換装置212と電気的に並列して接続され且つ電力変換装置212の受電経路214における皮相電力を制御するAF213の動作の限界に基づきAF213の動作を制御することができる。
【0132】
また、上記で説明した各構成は、上記の実施形態に限られるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で変更できる。言い換えると、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解される。
上記にて説明した構成に限らず、上記にて説明した各構成の一部を省略したり、上記にて説明した各構成に対して他の機能を付加したりしても良い。
【符号の説明】
【0133】
1…電力制御システム、10…電力計統、10S…電線用センサ、11…発電所、14…供給側配電線、16…受給側変電所、17…受給側配電線、20…電力消費施設、21…HPS、30…制御サーバ、40…指示サーバ、211…調整部、212…電力変換装置、213…AF