(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-03-17
(45)【発行日】2026-03-26
(54)【発明の名称】撮像素子及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
H04N 25/704 20230101AFI20260318BHJP
H04N 25/778 20230101ALI20260318BHJP
H10F 39/18 20250101ALI20260318BHJP
G03B 13/36 20210101ALI20260318BHJP
G02B 7/34 20210101ALI20260318BHJP
【FI】
H04N25/704
H04N25/778
H10F39/18 A
H10F39/18 E
G03B13/36
G02B7/34
(21)【出願番号】P 2022005822
(22)【出願日】2022-01-18
【審査請求日】2025-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】若嶋 駿一
(72)【発明者】
【氏名】岡本 康平
(72)【発明者】
【氏名】福田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】高尾 友美
【審査官】▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-141122(JP,A)
【文献】特開2020-085920(JP,A)
【文献】特開2017-126680(JP,A)
【文献】特開2014-107835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05N 25/704
H10F 39/18
G02B 7/28
G03B 13/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
行列状に配置された複数の画素を含み、行単位で前記画素の信号を読み出す撮像素子であって、前記複数の画素が、
複数のマイクロレンズと、
前記複数のマイクロレンズそれぞれに対して、
光が入射する面から第1の深さに形成された一対の第1の半導体領域と、
前記第1の深さよりも深い第2の深さに形成された一対の第2の半導体領域と、
前記一対の第1の半導体領域と前記一対の第2の半導体領域とをそれぞれ接続する複数の接続領域と、を有し、
前記複数の画素のうち、第1の配置を有する画素の、前記一対の第1の半導体領域および前記一対の第2の半導体領域の並び方向が行の方向である第1の方向であって、
前記複数の画素のうち、第2の配置を有する画素の、前記一対の第1の半導体領域の並び方向が前記第1の方向と直交する第2の方向、前記一対の第2の半導体領域の並び方向が
前記第1の方向であって、
前記第2の配置を有する画素の前記一対の第1の半導体領域の間のクロストーク率が、前記第1の配置を有する画素の前記一対の第1の半導体領域の間のクロストーク率よりも低いことを特徴とする撮像素子。
【請求項2】
前記第2の配置における前記一対の第1の半導体領域を分離する領域のポテンシャル障壁が、前記第1の配置における前記一対の第1の半導体領域を分離する領域のポテンシャル障壁よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の撮像素子。
【請求項3】
前記第2の配置の前記一対の第1の半導体領域において生成された電子または正孔が、前記一対の第1の半導体領域を分離する領域から離れる方向に移動するように、前記第2の方向に電位勾配をつけたことを特徴とする請求項1または2に記載の撮像素子。
【請求項4】
前記第2の配置の前記一対の第1の半導体領域において生成された電子または正孔が、前記一対の第2の半導体領域に近づく方向に移動するよう電位勾配をつけると共に、前記第1の配置の前記一対の第1の半導体領域における電位勾配よりも急峻であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像素子。
【請求項5】
前記複数の画素を互いに分離する領域のポテンシャル障壁が、前記第2の配置における前記一対の第1の半導体領域を分離する領域のポテンシャル障壁よりも高いことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像素子。
【請求項6】
前記複数の画素のうち、第3の配置を有する画素の、前記一対の第1の半導体領域および前記一対の第2の半導体領域の並び方向が
前記第
2の方向であって、
前記複数の画素のうち、第4の配置を有する画素の、前記一対の第1の半導体領域の並び方向が
前記第
1の方向、前記一対の第2の半導体領域の並び方向が
前記第
2の方向である
ことを特徴とする
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮像素子。
【請求項7】
前記第1の半導体領域は、入射した光を光電変換して電荷を生成し、前記第2の半導体領域は、前記接続領域を介して、前記第1の半導体領域により生成された電荷を蓄積することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮像素子。
【請求項8】
前記行列状に配置された複数の画素を行単位で前記第2の方向に順次、選択する選択手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像素子。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮像素子と、
前記撮像素子から出力された信号を処理する処理手段と
を有することを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の光電変換部を有する画素部が2次元配列された撮像素子及び当該撮像素子を搭載した撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置で行われる焦点検出方法の1つとして、撮像素子に形成された焦点検出用画素を用いて一対の瞳分割信号を取得し、位相差方式の焦点検出を行う、いわゆる撮像面位相差方式が知られている。
【0003】
このような撮像面位相差方式の例として、1つの画素に対して、1つのマイクロレンズと複数に分割された光電変換部が形成された2次元撮像素子を用いた撮像装置が、特許文献1に開示されている。複数の光電変換部は、1つのマイクロレンズを介して撮像レンズの射出瞳の異なる領域を透過した光を受光するように構成され、瞳分割を行う。個々の光電変換部の信号である位相差信号から像ずれ量を算出することで、位相差方式の焦点検出を行うことができる。また、画素毎に個々の光電変換部の信号を足し合わせた撮像信号から画像を取得することができる。
【0004】
このようなイメージセンサにおいて、複数の光電変換部が画素内で横方向に並び、瞳分割方向が横方向である構成では、例えば、被写体が横方向のストライプ模様等の場合、視差が表れにくく、焦点検出精度が低下することがある。
【0005】
この問題に対し、特許文献2には、各マイクロレンズに対する画素の配置方向を2種類にし、瞳分割方向を2種類とすることで、焦点検出精度を向上させる技術が開示されている。特許文献2では、縦方向に隣接する画素間を分離する構造と、横方向に隣接する画素間を分離する構造とで、電荷を隣接画素に漏出させる強度を異ならせることが開示されている。この構造により、1つの画素が蓄積できる電荷量を超えて受光した過飽和電荷を予め決められた方向に配置された異なる画素へ漏出させて蓄積することで、1つの画素が飽和した場合にも、横方向、もしくは縦方向の位相差方式の焦点検出が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開昭58-24105号公報
【文献】特開2014-107835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2の撮像素子では、画素が飽和していない場合に、隣接の画素に電荷が漏れ出す現象(以下、「電荷クロストーク」と呼ぶ。)については開示されていない。
【0008】
また、各マイクロレンズに対応する複数画素の分離方向として、横方向と縦方向が混在した場合、行単位で順に信号を読み出す撮像素子においては、行方向に直交する縦方向に分離された画素から読み出された信号間の同時性が失われる。そのため、行方向である横方向に分離された画素から読み出された信号を用いた場合よりも、位相差検出方式の焦点検出性能が低くなる可能性がある。
【0009】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、各マイクロレンズに対する分割方向が異なる複数の画素から出力された信号を用いて、各分割方向について位相差検出方式の焦点検出を行う場合に、分割方向間の位相差検出性能を近づけることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、行列状に配置された複数の画素を含み、行単位で前記画素の信号を読み出す本発明の撮像素子は、前記複数の画素が、複数のマイクロレンズと、前記複数のマイクロレンズそれぞれに対して、光が入射する面から第1の深さに形成された一対の第1の半導体領域と、前記第1の深さよりも深い第2の深さに形成された一対の第2の半導体領域と、前記一対の第1の半導体領域と前記一対の第2の半導体領域とをそれぞれ接続する複数の接続領域と、を有し、前記複数の画素のうち、第1の配置を有する画素の、前記一対の第1の半導体領域および前記一対の第2の半導体領域の並び方向が行の方向である第1の方向であって、前記複数の画素のうち、第2の配置を有する画素の、前記一対の第1の半導体領域の並び方向が前記第1の方向と直交する第2の方向、前記一対の第2の半導体領域の並び方向が前記第1の方向であって、前記第2の配置を有する画素の前記一対の第1の半導体領域の間のクロストーク率が、前記第1の配置を有する画素の前記一対の第1の半導体領域の間のクロストーク率よりも低いことを特徴とする撮像素子。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、各マイクロレンズに対する分割方向が異なる複数の画素から出力された信号を用いて、各分割方向について位相差検出方式の焦点検出を行う場合に、分割方向間の位相差検出性能を近づけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施形態に係る撮像装置の概略構成を示すブロック図。
【
図2】第1の実施形態に係る撮像素子の全体構成の一例を概略的に示す図。
【
図4】第1の実施形態に係る第1の配置を有する画素の構成を示す概略図。
【
図5】第1の実施形態に係る第2の配置を有する画素の構成を示す概略図。
【
図6】第1の実施形態に係る第1の配置を有する画素と部分瞳領域との関係を示す図。
【
図7】第1の実施形態に係る第1の配置を有する画素に対応する部分瞳領域の瞳強度分布の一例を示す概念図。
【
図8】第1の実施形態に係る撮像素子のセンサー入射瞳を概略的に説明する図。
【
図9】第1の実施形態に係る視差画像間の像ずれ量とデフォーカス量の概略関係を示す図。
【
図10】第1の実施形態に係る第2の配置を有する画素と部分瞳領域との関係を示す図。
【
図11】第1の実施形態に係る第2の配置を有する画素に対応する部分瞳領域の瞳強度分布の一例を示す概念図。
【
図12】第2の実施形態に係る第3の配置を有する画素の構成を示す概略図。
【
図13】第2の実施形態に係る第4の配置を有する画素の構成を示す概略図。
【
図14】第2の実施形態に係る第3の配置を有する画素と部分瞳領域との関係を示す図。
【
図15】第2の実施形態に係る第3の配置を有する画素に対応する部分瞳領域の瞳強度分布の一例を示す概念図。
【
図16】第2の実施形態に係る第4の配置を有する画素と部分瞳領域との関係を示す図。
【
図17】第2の実施形態に係る第4の配置を有する画素に対応する部分瞳領域の瞳強度分布の一例を示す概念図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0014】
<第1の実施形態>
[全体構成]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の概略構成を示すブロック図である。本実施形態の撮像装置は、撮像素子1と、全体制御・演算部2と、指示部3と、タイミング発生部4と、撮影レンズユニット5と、レンズ駆動部6と、信号処理部7と、表示部8と、記録部9と、を備えている。
【0015】
撮影レンズユニット5は、被写体の光学像を撮像素子1に結像させる。図では1枚のレンズで表されているが、撮影レンズユニット5は、フォーカスレンズ、ズームレンズ等を含む複数のレンズと、絞りを含み、撮像装置の本体から着脱可能であってもよいし、本体に一体的に構成されていてもよい。
【0016】
撮像素子1は、撮影レンズユニット5を介して入射する光を電気信号に変換して出力する。撮像素子1の各画素からは、位相差方式の焦点検出に用いることのできる瞳分割された瞳分割信号(以下、「位相差信号」と呼ぶ。)と、画素ごとの信号である画像信号とを取得可能に信号が読み出される。
【0017】
信号処理部7は、撮像素子1から出力される信号に対して、補正処理等の所定の信号処理を行い、焦点検出に用いる位相差信号及び記録に用いる画像信号を出力する。
【0018】
全体制御・演算部2は、撮像装置全体の統括的な駆動及び制御を行う。また、信号処理部7により処理された位相差信号を用いて焦点検出のための演算を行ったり、画像信号に対して、露出制御のための演算処理や、記録・再生用画像を生成するための現像、圧縮等の所定の信号処理を行ったりする。
【0019】
レンズ駆動部6は、撮影レンズユニット5を駆動するものであり、全体制御・演算部2からの制御信号に従って、撮影レンズユニット5に対してフォーカス制御や、ズーム制御、絞り制御等を行う。
【0020】
指示部3は、ユーザー等の操作により外部から入力される、撮影の実行指示、撮像装置の駆動モード設定、その他各種設定や選択等の入力を受け付け、全体制御・演算部2へ送信する。
【0021】
タイミング発生部4は、全体制御・演算部2からの制御信号に従って、撮像素子1及び信号処理部7を駆動するためのタイミング信号を生成する。
表示部8は、プレビュー画像や再生画像、撮像装置の駆動モード設定等の情報を表示する。
【0022】
記録部9には不図示の記録媒体が備えられ、記録用画像信号が記録される。記録媒体としては、例えばフラッシュメモリ等の半導体メモリ等が挙げられる。記録媒体は記録部9から着脱可能であってもよいし、内蔵されたものであってもよい。
【0023】
[撮像素子]
図2は、
図1に示す撮像素子1の全体構成の一例を概略的に示す図である。撮像素子1は、画素アレイ部201、垂直選択回路202、列回路203、水平選択回路204を含む。
【0024】
画素アレイ部201には、複数の画素205が行列状に配置されている。垂直選択回路202の出力が画素駆動配線群207を介して画素205に入力されることにより、垂直選択回路202により選択された行の画素205の画素信号が、行単位で出力信号線206を介して列回路203に読み出される。出力信号線206は、各画素列毎もしくは複数の画素列毎に1つ、または各画素列毎に複数設けることが可能である。列回路203には複数の出力信号線206を介して並列に読み出された信号が入力され、信号の増幅やノイズ除去、A/D変換等の処理を行い、処理した信号を保持する。水平選択回路204が、列回路203に保持された信号を、順次、ランダム、または同時に選択することで、選択された信号が、不図示の水平出力線と出力部を介して撮像素子1の外に出力される。
【0025】
このように垂直選択回路202により選択した行の画素信号を撮像素子1の外に出力する動作を、垂直選択回路202で選択する行を変更しながら順次行うことで、撮像素子1から、2次元の撮像信号または位相差信号を読み出すことができる。
【0026】
[画素回路・信号読み出し]
図3は、本実施形態の画素205の等価回路図である。
各画素205は、光電変換部である2つのフォトダイオード301(PDA)及び302(PDB)を有する。入射した光量に応じてPDA301により光電変換され、蓄積された信号電荷は、転送スイッチ(TXA)303を介して、電荷蓄積部を構成するフローティングディフュージョン部(FD)305に転送される。また、PDB302により光電変換され、蓄積された信号電荷は、転送スイッチ(TXB)304を介してFD305に転送される。リセットスイッチ(RES)306は、オンとなることで、FD305を定電圧源VDDの電圧にリセットする。また、RES306とTXA303及びTXB304を同時にオンとすることで、PDA301及びPDB302をリセットすることができる。
【0027】
画素を選択する選択スイッチ(SEL)307がONとなることで、増幅トランジスタ(SF)308は、FD305に蓄積された信号電荷を電圧に変換し、変換された信号電圧は画素205から出力信号線206に出力される。また、TXA303、TXB304、RES306、SEL307のゲートは、それぞれ画素駆動配線群207と接続され、垂直選択回路202により制御される。
【0028】
なお、以下の説明において本実施形態では、光電変換部で蓄積する信号電荷を電子とし、光電変換部をN型半導体で形成し、P型半導体で分離するものとしているが、信号電荷を正孔とし、光電変換部をP型半導体で形成し、N型半導体で分離しても良い。
【0029】
続いて、上述した構成を有する画素において、PDA301及びPDB302をリセット後、所定の電荷蓄積時間が経過した後にPDA301及びPDB302から信号電荷を読み出す動作について説明する。まず、垂直選択回路202により選択された行のSEL307がオンとなり、SF308のソースと出力信号線206が接続されると、出力信号線206はFD305の電圧に対応する電圧が読み出される状態となる。続いて、RES306がオン/オフされ、FD305の電位がリセットされる。その後、FD305の電圧変動を受けた出力信号線206が静定するまで待機し、静定した出力信号線206の電圧を信号電圧Nとして列回路203で取り込み、信号処理を行って保持する。
【0030】
その後、TXA303がオン/オフされ、PDA301に蓄積されている信号電荷がFD305に転送される。FD305の電圧は、PDA301に蓄積していた信号電荷量に対応した分だけ低下する。その後、FD305の電圧変動を受けた出力信号線206が静定するまで待機し、静定した出力信号線206の電圧を信号電圧Aとして列回路203で取り込み、信号処理を行って保持する。
【0031】
その後、TXB304がオン/オフされ、PDB302に蓄積されている信号電荷がFD305に転送される。FD305の電圧は、PDB302に蓄積していた信号電荷量に対応した分だけ低下する。その後、FD305の電圧変動を受けた出力信号線206が静定するまで待機し、静定した出力信号線206の電圧を信号電圧(A+B)として列回路203で取り込み、信号処理を行って保持する。
【0032】
このようにして取り込んだ信号電圧Nと信号電圧Aとの差分から、PDA301に蓄積されていた信号電荷量に応じた信号Aを得ることができる。また、信号電圧Aと信号電圧(A+B)との差分から、PDB302に蓄積していた信号電荷量に応じた信号Bを得ることができる。この差分計算は、列回路203で行っても良いし、撮像素子1から出力した後に行っても良い。信号Aと信号Bをそれぞれ用いることで位相差信号を得ることができ、信号Aと信号Bを足し合わせることで撮像信号を得ることができる。または、差分計算を撮像素子1から出力した後に行う場合、信号電圧Nと信号電圧(A+B)との差分を取ることで、撮像信号を得るようにしてもよい。
【0033】
[光電変換領域の構成]
・横方向の位相差検出画素構造
図4は、本実施形態に係る画素205を構成する半導体領域の第1の配置を示す模式図であり、
図4(a)は、斜視模式図、
図4(b)は平面視における位置関係を示す平面模式図である。なお、「平面視」とは半導体基板のトランジスタのゲートが配されている側の面と概平行な面(xy平面)に対して、z方向または-z方向から視ることを指す。また、「横」方向はx方向を指し、「縦」方向はy方向を指し、「深さ」方向はz方向をさす。
【0034】
図4(a)に示すように、第1の配置を有する画素205は、マイクロレンズ(ML)401、蓄積領域411、412、感度領域413、414、接続領域415、416、TXA303、TXB304、FD305を含む。また、感度領域413、414は、光が入射する面から第1の深さに形成され、
蓄積領域411、412は、第1の深さよりも深い第2の深さに形成されている。また、説明を分かり易くするために、主に、入射する光に応じて電荷が発生する領域を「感度領域」、また、主に、発生した電荷を蓄積する領域を「蓄積領域」と呼称しているが、電荷の発生領域と蓄積領域に明確な区分は無い。蓄積領域411及び412においても、到達した光に応じて電荷が発生し、また、感度領域413及び414においても、発生した電荷の一部が滞留する。なお、ML401と感度領域413、414との間には、カラーフィルタ(不図示)が配置されているものとする。
【0035】
第1の配置では、PDA301は、蓄積領域411、感度領域413、接続領域415を含み、PDB302は、蓄積領域412、感度領域414、接続領域416を含む。また、第1の配置では、蓄積領域411、412と感度領域413、414は、いずれもy方向、すなわち同じ方向に延在している。すなわち、第1の配置における感度領域の分割方向と、蓄積領域の分割方向は、共にx方向である。感度領域の分割方向がx方向であるため、垂直選択回路202により選択された同じ行から同じタイミングで得られた位相差信号を用いて、位相差AFを行うことができる。
【0036】
ML401を介して入射した光の大部分は感度領域413、414で光電変換される。感度領域413で発生した電荷は、接続領域415を介して蓄積領域411に移動し、蓄積される。また、感度領域414で発生した電荷は、接続領域416を介して蓄積領域412に移動し、蓄積される。ここで、感度領域413、414から蓄積領域411、412へ電荷が移動するように、感度領域413、414内において、深さ方向に電子が受けるポテンシャルが減少するように、電位勾配が形成されている。また、感度領域413と感度領域414の間の領域は、ポテンシャル障壁が形成されるよう、p型不純物濃度が感度領域内より高く形成されている。なお、以下の説明において、感度領域間の領域、蓄積領域間の領域を、分割領域と呼ぶ。
【0037】
・電荷クロストーク率分布
感度領域413内で発生した電荷の大部分は、上記のように接続領域415を介して蓄積領域411に蓄積されるが、感度領域413から感度領域414に移動し、接続領域416を介して蓄積領域412に移動し、蓄積されることがある。このようなPDA301からPDB302へ、もしくはPDB302からPDA301へ電荷が移動する現象のことを、「電荷クロストーク」と呼ぶ。電荷クロストークの起きる割合(以下、「電荷クロストーク率」と記す。)は、平面視において、感度領域間の分割領域に近い程、高くなる。すなわち、平面視において、感度領域413の中心部で発生した電荷の電荷クロストーク率は、感度領域413の感度領域414に近い位置で発生した電荷の電荷クロストーク率より小さくなる。また、蓄積領域までの移動経路が短い程、電荷クロストーク率は小さくなる。すなわち、感度領域内において、同一のx座標、y座標では、蓄積領域に近い位置の方が、ML401に近い位置における電荷クロストーク率より小さくなる。以下の説明において、感度領域内におけるクロストーク率の分布のことを「電荷クロストーク率分布」と呼ぶ。
【0038】
この電荷クロストーク率分布は、感度領域413と感度領域414の間のポテンシャル障壁が高いほど小さく、また、感度領域内の深さ方向の電位勾配が急峻であるほど小さくなる。本実施形態では、感度領域と蓄積領域を深さ方向で分けて形成しているため、過飽和電荷の輸送特性を決定する要因の1つである蓄積領域間の構造を変更しなくても、感度領域と感度領域同士の間の構造を変更して電荷クロストーク率分布を調整することができる。
【0039】
また、電荷クロストークは、隣接画素間に対しても起こりうる。隣接画素間で発生する電荷クロストークは、撮像信号における解像度低下等の要因である。そのため、隣接画素間への電荷クロストーク率は、PDA301からPDB302へもしくはPDB302からPDA301への電荷クロストーク率より低くすることが望ましい。具体的には、例えば、隣接画素間を絶縁体で分離したり、ポテンシャル障壁の高さを高くすることで、電荷クロストーク率を低く抑えたりすることができる。
【0040】
・縦方向の位相差検出画素構造
図5は、本実施形態に係る画素205を構成する半導体領域の第2の配置を示す模式図であり、
図5(a)は、斜視模式図、
図5(b)は平面視における位置関係を示す平面模式図である。なお、「平面視」及びx、y、zの定義は、
図4と同様であるため、説明を省略する。
【0041】
図5(a)に示すように、第2の配置を有する画素205は、ML401、第2の深さに形成された蓄積領域411、412、第1の深さに形成された感度領域513、514、接続領域415、416、TXA303、TXB304、FD305を含む。第2の配置では、PDA301は、蓄積領域411、感度領域513、接続領域415を含み、PDB302は、蓄積領域412、感度領域514、接続領域416を含む。また、第2の配置では、蓄積領域411、412は
y方向に延在し、感度領域513、514は
x方向に延在しており、平面視において直交する方向、すなわち異なる方向に延在している。また、第2の配置における感度領域の分割方向はy方向、蓄積領域の分割方向はx方向である。なお、ML401と感度領域513、514との間には、カラーフィルタ(不図示)が配置されているものとする。
【0042】
第2の配置における感度領域513、514内の深さ方向の電位勾配は、第1の配置における感度領域413、414の深さ方向の電位勾配より急峻になるように形成されている。また、感度領域513と感度領域514の間のポテンシャル障壁は、感度領域413と感度領域414の間のポテンシャル障壁よりも、高い障壁となるように、感度領域513、514の間の領域のp型不純物濃度が感度領域413、414の間の領域より高く形成されている。このように形成することで、感度領域513と514の電荷クロストーク率分布は、感度領域413と414の電荷クロストーク率分布より小さくなる。
【0043】
・横方向の位相差検出方法
続いて、全体制御・演算部2において、位相差信号からデフォーカス量を算出する演算について説明する。
【0044】
まず、
図6から
図9を参照して、本実施形態におけるx方向の位相差検出方式の焦点検出について説明する。本実施形態におけるx方向の位相差検出方式の焦点検出では、第1の配置を有する画素205の位相差信号からx方向の像ずれ量を算出し、変換係数を用いてデフォーカス量に変換する。
【0045】
図6は、第1の配置を有する画素205の
図4に示されるA-A’断面図、及び、撮像素子1の撮像面600からz軸負方向に距離Dsだけ離れた位置の瞳面を示している。なお、x、y、zは、撮像面600における座標軸を示し、xp、yp、zpは、瞳面における座標軸を示している。
【0046】
ML401を介して、瞳面と撮像素子1の受光面は略共役関係となっている。そのため、部分瞳領域601を通過した光束は感度領域413または蓄積領域411で受光される。また、部分瞳領域602を通過した光束は感度領域414または蓄積領域412で受光される。このように、瞳面をx方向に分割している場合の瞳分割方向はx方向である。そのため、瞳強度分布の分割方向位置依存性は、
図7に例示したような形状となる。
【0047】
図7において、感度領域413と蓄積領域411に対応する第1瞳強度分布が701であり、感度領域414と蓄積領域412に対応する第2瞳強度分布が702である。感度領域413と蓄積領域411で受光した信号電荷は蓄積領域411に蓄積されるため、画素から読み出される信号は第1瞳強度分布701に示すように合わさった信号となるが、それぞれの領域毎に見ると、感度領域413に対応する瞳強度分布が703、蓄積領域411に対応する瞳強度分布が705である。同様に、感度領域414に対応する瞳強度分布が704、蓄積領域412に対応する瞳強度分布が706である。
【0048】
次に、
図8を参照して、撮像素子1のセンサー入射瞳について説明する。本実施形態の撮像素子1では、2次元の平面上の像高座標に応じて、各画素205のML401は、撮像素子1の中心方向へ連続的にシフトされて配置されている。つまり、各ML401は、像高が高くになるにつれ、中心側へ偏心するように配置されている。なお、撮像素子1の中心と撮像光学系の光軸は、撮像光学系または撮像素子1を駆動することで手振れ等によるブレの影響を低減する機構によって変化するが、略一致する。これにより、撮像素子1から距離Dsだけ離れた位置の瞳面において、撮像素子1の各像高座標に配置された各画素205の第1瞳強度分布701及び第2瞳強度分布702が、概ね、一致するように構成される。つまり、撮像素子1から距離Dsだけ離れた位置の瞳面において、撮像素子1の全ての画素の第1瞳強度分布701と第2瞳強度分布702が、概ね、一致するように構成されている。
【0049】
以下、第1瞳強度分布701及び第2瞳強度分布702を、撮像素子1の「センサー入射瞳」と呼び、距離Dsを、撮像素子1の「センサー瞳距離」と呼ぶ。なお、全ての画素を単一の入射瞳距離を有する構成とする必要はなく、例えば像高8割までの画素の入射瞳距離を略一致させる構成としてもよいし、あえて行ごとまたは検出領域ごとに異なる入射瞳距離を有するように画素を構成してもよい。
【0050】
図9に、視差画像間の像ずれ量とデフォーカス量の概略関係図を示す。撮像面600に本実施形態の撮像素子1(不図示)が配置され、
図6と同様に、結像光学系の射出瞳が、部分瞳領域601と部分瞳領域602に2分割される。
【0051】
デフォーカス量dは、被写体の結像位置から撮像面までの距離を大きさ|d|とし、被写体の結像位置が撮像面より被写体側にある前ピン状態を負(d<0)、被写体の結像位置が撮像面より被写体の反対側にある後ピン状態を正(d>0)として定義する。被写体の結像位置が撮像面にある合焦状態はd=0である。
図9では、物体面901にある被写体が合焦状態(d=0)となり、物体面902にある被写体が前ピン状態(d<0)となる例を示している。前ピン状態(d<0)と後ピン状態(d>0)を合わせて、デフォーカス状態(|d|>0)とする。
【0052】
前ピン状態(d<0)では、物体面902にある被写体からの光束のうち、部分瞳領域601(602)を通過した光束は、一度、収束した後、光束の重心位置G1(G2)を中心として幅Γ1(Γ2)に広がり、撮像面600でボケた像となる。ボケた像は、感度領域413と蓄積領域411、及び、感度領域414と蓄積領域412により受光され、視差画像が生成される。よって、生成される視差画像には、重心位置G1(G2)に、物体面902にある被写体の像が幅Γ1(Γ2)にボケた被写体像となる。
【0053】
被写体像のボケ幅Γ1(Γ2)は、デフォーカス量dの大きさ|d|が増加するのに伴い、概ね、比例して増加していく。同様に、視差画像間の被写体像の像ずれ量p(=G2-G1)の大きさ|p|も、デフォーカス量dの大きさ|d|が増加するのに伴い、概ね、比例して増加していく。後ピン状態(d>0)でも、視差画像間の被写体像の像ずれ方向が前ピン状態と反対となるが、同様である。合焦状態(d=0)では、視差画像間の被写体像の重心位置が一致し(p=0)、像ずれは生じない。
【0054】
したがって、感度領域413と蓄積領域411、及び、感度領域414と蓄積領域412の信号を用いて得られる2つの位相差信号において、視差画像のデフォーカス量の大きさが増加するのに伴い、2つの位相差信号間のx方向の像ずれ量の大きさが増加する。この関係性から、視差画像間のx方向像ずれ量を相関演算することにより算出した像ずれ量をデフォーカス量に変換することで、位相差検出方式の焦点検出を行う。像ずれ量からデフォーカス量に変換する際に乗算する係数を変換係数と呼ぶ。この変換係数が大きいと、変換係数が小さい場合と比較して、小さい像ずれ量から大きいデフォーカス量を算出するため、位相差信号のノイズの影響を受けやすく、位相差検出性能が低下する可能性がある。
【0055】
・縦方向の位相差検出方法
続いて、
図10及び
図11を参照して、瞳分割方向がy方向の位相差検出方式の焦点検出について説明する。瞳分割がx方向の位相差検出方式の焦点検出と同様の部分の説明は省略し、異なる部分について説明する。y方向の位相差検出方式の焦点検出では、瞳分割方向がy方向である第2の配置を有する画素205の位相差信号からy方向の像ずれ量を算出し、変換係数Kyを用いて、像ずれ量をデフォーカス量に変換する。
【0056】
図10は、第2の配置を有する画素205の
図5(b)に示されるB-B’断面図、及び、撮像素子1の撮像面600からz軸負方向に距離Dsだけ離れた位置の瞳面を示している。
【0057】
ML401を介して、瞳面と撮像素子1の受光面は略共役関係となっている。そのため、感度領域513で受光する光は部分瞳領域1001を通過した光束であり、感度領域514で受光する光は部分瞳領域1002を通過した光束である。また、蓄積領域411で受光する光は部分瞳領域1003を通過した光束であり、蓄積領域412で受光する光は部分瞳領域1004を通過した光束である。感度領域513、514で受光される割合と、蓄積領域411、412で受光される割合は、受光した光の波長によって概ね決まるが、大部分の光は、感度領域513、514で受光される。そのため、基本的に、瞳分割方向はy方向となり、瞳強度分布の分割方向位置依存性は、
図11に実線で示したような形状となる。
【0058】
感度領域513と感度領域514の電荷クロストーク率分布は、感度領域413と感度領域414の電荷クロストーク率分布より小さいため、対応する瞳強度分布は1103、1104のように、瞳強度分布703、704と比較して、信号強度が一致する部分(信号クロス点)の傾きが急峻となっている。また、蓄積領域411、412は、y方向に分割されていないため、対応する瞳強度分布は1105、1106のような形状となる。感度領域513と蓄積領域411で受光した信号電荷は蓄積領域411に蓄積されるため、画素から読み出される信号は第1瞳強度分布1101に示すように、瞳強度分布1103と1105が合わさった信号となる。同様に、感度領域514と蓄積領域412で受光した信号電荷は、第2瞳強度分布1102のような形状となる。このように感度領域513と感度領域514の間の電荷クロストーク率分布を、感度領域413と感度領域414の間の電荷クロストーク率分布より小さくしておくことで、瞳分割方向に分割されていない蓄積領域をもつ画素から読み出される位相差信号の信号クロス点付近の傾きを概ね等しくすることができる。
【0059】
相差信号からデフォーカス量の算出方法は、像ずれ量算出の方向がx方向からy方向に変わるが、算出手順はx方向のデフォーカス量算出と同様である。このとき、第1瞳強度分布1101と第2瞳強度分布1102の信号クロス点付近の傾きが概ね等しいため、概ね等しい変換係数で、像ずれ量からデフォーカス量を算出することができる。すなわち、概ね等しい位相差検出性能を得ることができる。
【0060】
上記の通り第1の実施形態によれば、感度領域と蓄積領域の分割方向が異なる画素の感度領域間の分離領域のポテンシャル障壁を、感度領域と蓄積領域の分割方向が同じ画素の感度領域間の分離領域のポテンシャル障壁よりも高くする。これにより、感度領域と蓄積領域の分割方向が異なっていても、感度領域と蓄積領域の分割方向が同じ場合と概ね等しい位相差検出性能を得ることができる。
【0061】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態における撮像装置の構成は、
図1乃至
図3を参照して説明したものと同様であるため、説明を省略する。
図2を参照して説明したように、画素205からは、垂直選択回路202の選択により、行単位で異なるタイミングで信号が読み出される。そのため、第1の配置を有する画素205から得られる位相差信号は、同じタイミングで読み出されるのに対し、第2の配置を有する画素205から得られる位相差信号は、行ごとに異なるタイミングで読み出されるため、同時性が落ちてしまう。そこで、第2の実施形態では、電荷クロストークを利用して、x方向に分離された位相差信号と、y方向に分離された位相差信号との品質を近づける。以下、第2の実施形態における画素の構成及び位相差検出方法について説明する。
【0062】
[光電変換領域の構成]
・縦方向の位相差検出画素構造
図12は、第2の実施形態に係る画素205を構成する半導体領域の第3の配置を示す模式図であり、
図12(a)は、斜視模式図、
図12(b)は平面視における位置関係を示す平面模式図である。なお、「平面視」及びx、y、zの定義は、
図4と同様であるため、説明を省略する。
【0063】
図12(a)に示すように、第3の配置を有する画素205は、ML401、第2の深さに形成された蓄積領域1211、1212、第1の深さに形成された感度領域1213、1214、接続領域1215、1216、TXA303、TXB304、FD305を含む。第3の配置では、PDA301は、蓄積領域1211、感度領域1213、接続領域1215を含み、PDB302は、蓄積領域1212、感度領域1214、接続領域1216を含む。また、TXA303、TXB304、FD305が、PDA301、PDB302の横に配置されている。従って、第3の配置では、蓄積領域1211、1212と感度領域1213、1214は、いずれもx方向、すなわち同じ方向に延在している。また、第3の配置における感度領域の分割方向、蓄積領域の分割方向は、y方向である。この場合、感度領域の分割方向がy方向であるため、垂直選択回路202の選択により異なる行から異なるタイミングで得られた位相差信号を用いて、位相差AFを行うことになる。なお、ML401と感度領域1213、1214との間に、カラーフィルタ(不図示)が配置されているものとする。
【0064】
・横方向の位相差検出画素構造
図13は、本実施形態に係る画素205を構成する半導体領域の第4の配置を示す模式図であり、
図13(a)は、斜視模式図、
図13(b)は平面視における位置関係を示す平面模式図である。なお、「平面視」及びx、y、zの定義は、
図4と同様であるため、説明を省略する。
【0065】
図13(a)に示すように、第4の配置を有する画素205は、ML401、蓄積領域1211、1212、感度領域1313、1314、接続領域1215、1216、TXA303、TXB304、FD305を含む。第4の配置では、PDA301は、蓄積領域1211、感度領域1313、接続領域1215を含み、PDB302は、蓄積領域1212、感度領域1314、接続領域1216を含む。また、第4の配置では、蓄積領域1211、1212はx方向に延在し、感度領域1313、1314はy方向に延在しており、平面視において直交する方向、すなわち異なる方向に延在している。また、第4の配置における感度領域の分割方向はx方向、蓄積領域の分割方向はy方向である。この場合、感度領域の分割方向がx方向であるため、垂直選択回路202により選択した同じ行から同じタイミングで得られた信号を用いて、位相差AFを行うことができる。そのため、第3の配置を有する画素205に比べて、同時性が高い。なお、ML401と感度領域
1313、
1314との間に、カラーフィルタ(不図示)が配置されているものとする。
【0066】
第2の実施形態では、感度領域1213と感度領域1214の間のポテンシャル障壁と感度領域1313と感度領域1314の間のポテンシャル障壁は概ね等しい構造である。また、感度領域1213、1214、1313、1314内における深さ方向の電位勾配も概ね等しい構造である。そのため、感度領域1213と感度領域1214の間の電荷クロストーク率分布と、感度領域1313と感度領域1314の間の電荷クロストーク率分布は概ね等しい。
【0067】
・縦方向の瞳強度分布
図14、
図15を参照して、瞳分割方向がy方向の位相差検出方式の瞳強度分布について説明する。
【0068】
図14は、第3の配置を有する画素205の
図12に示されるC-C’断面図、及び、撮像素子1の撮像面600からz軸負方向に距離Dsだけ離れた位置の瞳面を示している。なお、x、y、zは、撮像面600における座標軸を示し、xp、yp、zpは、瞳面における座標軸を示している。
【0069】
ML401を介して、瞳面と撮像素子1の受光面は略共役関係となっている。そのため、感度領域1213と蓄積領域1211で受光する光は、部分瞳領域1401を通過した光束であり、感度領域1214と蓄積領域1212で受光する光は、部分瞳領域1402を通過した光束である。そのため、瞳分割方向はy方向となり、瞳強度分布の分割方向位置依存性は、
図15に示したような形状となる。
【0070】
図15において、感度領域1213と蓄積領域1211に対応する第1瞳強度分布が1501であり、感度領域1214と蓄積領域1212に対応する第2瞳強度分布が1502である。感度領域1213と蓄積領域1211で受光した信号電荷は蓄積領域1211に蓄積されるため、画素から読みだされる信号は第1瞳強度分布1501に示されるように合わさった信号となるが、それぞれの領域毎に見ると、感度領域1213に対応する瞳強度分布が1503、蓄積領域1211に対応する瞳強度分布が1505である。同様に、感度領域
1214に対応する瞳強度分布が1504、蓄積領域1212に対応する瞳強度分布が1506である。
【0071】
・横方向の瞳強度分布
続いて、
図16及び
図17を参照して、瞳分割方向がx方向の位相差検出方式の瞳強度分布について説明する。
【0072】
図16は、第4の配置を有する画素205の
図13(b)に示されるD-D’断面図、及び、撮像素子1の撮像面600からz軸負方向に距離Dsだけ離れた位置の瞳面を示している。
【0073】
ML401を介して、瞳面と撮像素子1の受光面は略共役関係となっている。そのため、感度領域1313で受光する光は部分瞳領域1601を通過した光束であり、感度領域1314で受光する光は部分瞳領域1602を通過した光束である。また、蓄積領域1211で受光する光は部分瞳領域1603を通過した光束であり、蓄積領域1212で受光する光は部分瞳領域1604を通過した光束である。感度領域1313、1314で受光される割合と、蓄積領域1211、1212で受光される割合は、実施形態1と同様、大部分の光は、感度領域1313、1314で受光される。そのため、基本的に、瞳分割方向はx方向となり、瞳強度分布の分割方向位置依存性は、
図17に実線で示したような形状となる。
【0074】
感度領域1313と感度領域1314の電荷クロストーク率分布は、感度領域1213と感度領域1214の電荷クロストーク率分布と同等のため、対応する瞳強度分布は1703、1704のように、瞳強度分布1503、1504と同等の形状となる。また、蓄積領域1211、1212は、x方向に分割されていないため、対応する第1及び第2瞳強度分布は1705、1706のような形状となる。感度領域1313と蓄積領域1211で受光した信号電荷は蓄積領域1211に蓄積されるため、画素から読み出される信号は第1瞳強度分布1701に示されるようにに、瞳強度分布1703と1705が合わさった信号となる。同様に、感度領域1314と蓄積領域1212で受光した信号電荷は、第2瞳強度分布1702のような形状となる。このように、感度領域1313、1314の間の電荷クロストーク率分布を、感度領域1213、1214の間の電荷クロストーク率分布と同等にしておくことで、瞳分割方向に分割されていない蓄積領域をもつ縦方向の位相差信号における信号クロス点付近の傾きを、横方向の位相差信号における信号クロス点付近の傾きより急峻にすることができる。
【0075】
上述したように、横方向の位相差信号は、垂直選択回路202により同時に駆動される画素信号群から得られる一方、縦方向の位相差信号は、異なる時刻に読み出した画素信号群から得るため、位相差信号の同時性が落ちてしまう。そのため、第3の画素、第4の画素のように、縦方向の信号クロス点の傾きを急峻にしておくことで、縦方向の変換係数を横方向の変換係数より小さくすることができる。これにより、縦方向の位相差検出のノイズ耐性が高くなり、上記の位相差信号の同時性の崩れの影響を受けにくくすることができる。従って、感度領域と蓄積領域の分割方向が異なる画素と、感度領域と蓄積領域の分割方向が同じ場合とで、概ね等しい位相差検出性能を得ることができる。
【0076】
上記の通り第2の実施形態によれば、蓄積領域の分割方向を行の選択方向とすることで、感度領域の電位勾配や感度領域間のポテンシャル障壁を異ならせることなく、x方向とy方向とで概ね等しい位相差検出性能を得ることが可能となる。
【0077】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0078】
1:撮像素子、202:垂直選択回路、205:画素、301:フォトダイオード(PDA)、302:フォトダイオード(PDB)、303:転送スイッチ(TXA)、304:転送スイッチ(TXB)、305:フローティングディフュージョン部(FD)、401:マイクロレンズ(ML)、411,412,1211,1212:蓄積領域、413,414,513,514,1213,1214,1313,1314:感度領域、415,416,1215,1216:接続領域、601,602,1001,1002,1401,1402,1601,1602:部分瞳領域、701,1101,1501,1701:第1瞳強度分布、702,1102,1502,1702:第2瞳強度分布