(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-03-18
(45)【発行日】2026-03-27
(54)【発明の名称】焼成鉛筆芯
(51)【国際特許分類】
C09D 13/00 20060101AFI20260319BHJP
【FI】
C09D13/00
(21)【出願番号】P 2022158224
(22)【出願日】2022-09-30
【審査請求日】2025-05-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000005511
【氏名又は名称】ぺんてる株式会社
(72)【発明者】
【氏名】田中 克哉
【審査官】松原 宜史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/065724(WO,A1)
【文献】特開2004-175900(JP,A)
【文献】特開2011-068796(JP,A)
【文献】特開平09-316384(JP,A)
【文献】特開2006-265299(JP,A)
【文献】特開昭57-141469(JP,A)
【文献】米国特許第04209332(US,A)
【文献】特開昭55-127476(JP,A)
【文献】特開昭55-127473(JP,A)
【文献】特開昭56-089988(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体質材と、有機結合材と、有機変性シリコーンと、珪素酸化物ナノ粒子と、を含む混合物を焼成して得られる焼成鉛筆芯。
【請求項2】
前記有機変性シリコーンがポリグリセリン変性シリコーンであることを特徴とする請求項1に記載の焼成鉛筆芯。
【請求項3】
前記珪素酸化物ナノ粒子が疎水性シリカナノ粒子であることを特徴とする請求項1および2に記載の焼成鉛筆芯。
【請求項4】
少なくとも、体質材と、有機結合材と、有機変性シリコーンと、珪素酸化物ナノ粒子と、を混合して混合物を得るステップと、
前記混合物を成形して成形体を得るステップと、
前記成形体を焼成して焼成鉛筆芯を得るステップと、
を備える焼成鉛筆芯の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、体質材と、有機結合材とを少なくとも含有する焼成鉛筆芯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、焼成鉛筆芯としては、黒鉛や窒化ホウ素などの体質材、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン、ポリビニルアルコール、アクリルアミド樹脂、塩素化パラフィン樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、尿素樹脂、ブチルゴムなどの有機結合材、ベントナイト、カオリンクレーなどの粘土質結合材、フタル酸エステルなどの可塑剤、メチルエチルケトン、水などの溶剤、ステアリン酸塩などの安定剤、ステアリン酸などの滑剤、カーボンブラックなどの充填剤などの材料を混合、分散、混練して、細線状に押出成形したものを焼成温度まで熱処理を施して得られた熱処理後の芯体に、シリコーンオイル、流動パラフィン、スピンドル油、スクワラン、α―オレフィンオリゴマーなどの油状物やワックス類を含浸させた焼成鉛筆芯が知られている。
【0003】
一般に、焼成鉛筆芯の曲げ強さと筆記線の濃度には逆相関関係があり、曲げ強さを向上させようとすると焼成鉛筆芯が摩耗し難くなり、その結果として筆記線の濃度が低下してしまう。逆に、筆記線の濃度を向上させようと摩耗し易い焼成鉛筆芯とすると、曲げ強さが低下してしまう関係がある。そこで、この逆相関関係を改善するための様々な発明が開示されている。焼成鉛筆芯の特性を向上する材料の一例として、下記の特許文献に示されるように体質材と有機結合材に珪素化合物を加えて焼成温度で熱処理することで、筆記線の濃度を維持した上での曲げ強さの向上や外観不良の抑制といった効果を示す焼成鉛筆芯やその製造方法が開示されている。また焼成鉛筆芯の性能として滑らかな書き味を得るために、熱処理後の芯体の気孔内に潤滑成分を含浸する技術が開示されている。
【0004】
特許文献1には、焼成鉛筆芯の配合材料として珪素の酸化物及び/または珪素の有機化合物を用いて特定の温度と雰囲気下で焼成処理することで、曲げ強さが高い焼成鉛筆芯の製造方法が開示されている。
また、特許文献2には、焼成鉛筆芯の配合材料として疎水性無定形シリカを用いることで、外観不良を生じることなく、曲げ強さと筆記線の濃度のバランスに優れた焼成鉛筆芯の製造方法が開示されている。
特許文献3には、焼成鉛筆芯の配合材料としてシルセスキオキサンを用いることで、焼成鉛筆芯に外観不良を生じることなく、特許文献2よりも曲げ強さが高く濃い筆跡を示す焼成鉛筆芯の製造方法が開示されている。
特許文献4には、焼成鉛筆芯の配合材料としてではなく熱処理後の芯体に含浸する油状物中に分散させたカーボンナノ粒子や珪素の酸化物セラミックナノ粒子が、筆記時にベアリングの効果を果たすことで、滑らかな書き味を示す焼成鉛筆芯の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開昭63-35672号公報
【文献】特開2004-175900号公報
【文献】特開2011-68796号公報
【文献】国際公開WO2010/123070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、焼成鉛筆芯は曲げ強さを向上すると引っ掛かりのある書き味になってしまうものである。これは、樹脂炭化物により体質材と体質材とを接着することが曲げ強さを向上させる要因の一つであり、この樹脂炭化物は、有機結合材を焼成温度で熱処理することにより形成されるが、熱処理時に膨張と収縮の過程を経るため、有機物の分解・揮発による膨張や縮合が不規則に起こり、芯体全体が複雑に体積収縮する。その結果、樹脂炭化物の表面は凹凸形状となり、凹凸形状の樹脂炭化物と体質材の接着が緻密で凝集している部分と、空隙の大きい不均一な部分が発生してしまう。そのため、この樹脂炭化物の凹凸や凝集部が筆記時に引っ掛かりを生じ、滑らかな書き味を損なう要因となっていた。珪素化合物を添加することにより、曲げ強さと筆記線の濃度を両立させる発明は開示されてきたが、従来知られていた珪素化合物の効果は、珪素化合物自体を、曲げ強さの補強剤としての効果を得るためのものであり、樹脂炭化物に作用するものではないため、曲げ強さと筆記線の濃度が向上すると書き味が低下してしまう課題は解決されていなかった。
【0007】
特許文献1に示されている珪素酸化物は、有機結合材との親和性が無く、樹脂炭化物とは独立して体質材と体質材とを結び付ける役割を果たしているものであるが、焼成温度で熱処理すると芯体の強度は向上するものの、分散が均一になり難く、体質材との接着部分が粗密であるため曲げ強さ向上も不十分であり、また、引っ掛かりのある書き味であった。
特許文献2、特許文献3は有機結合材に対して分散均一性を向上することができる表面処理や分子構造を持つ珪素化合物を使用することにより、筆記線の濃度を維持し、曲げ強さを向上させることが開示されているが、曲げ強さが向上するにつれ筆記感は悪化し、引っ掛かりのない滑らかな書き味を得ることはできなかった。
特許文献4に示された、ナノ粒子を分散させた油状物を含浸させる方法では、熱処理後の芯体に存在する含浸に有効な気孔がナノ粒子によって気孔の開口部が塞がり、含浸に有効な気孔の数が減少してしまう。そのため、含浸した油状物が焼成鉛筆芯に保持される量が減少し、潤滑剤としての効果を充分に発揮できず、滑らかな書き味を損なっていた。
【0008】
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、曲げ強さの向上と筆記線の濃度の維持を両立可能であるとともに、滑らかな書き味を有する焼成鉛筆芯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の少なくとも一実施形態にかかる焼成鉛筆芯は、体質材と、有機結合材と、有機変性シリコーンと、珪素酸化物ナノ粒子と、を含む混合物を焼成して得られる。いくつかの実施形態では、前記有機変性シリコーンがポリグリセリン変性シリコーンである。いくつかの実施形態では、前記珪素酸化物ナノ粒子が、疎水性シリカナノ粒子である。
【0010】
本発明の少なくとも一実施形態に係る焼成鉛筆芯の製造方法は、
少なくとも、体質材と、有機結合材と、有機変性シリコーンと、珪素酸化物ナノ粒子と、を混合して混合物を得るステップと、
前記混合物を成形して成形体を得るステップと、
前記成形体を焼成して焼成鉛筆芯を得るステップと、
を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、曲げ強さの向上と筆記線の濃度の維持を両立可能であるとともに、滑らかな書き味を有する焼成鉛筆芯が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0013】
幾つかの実施形態に係る焼成鉛筆芯は、体質材と、有機結合材と、有機変性シリコーンと、珪素酸化物ナノ粒子と、を含む混合物を焼成して得られる。幾つかの実施形態では、焼成鉛筆芯は、体質材と、有機結合材と、有機変性シリコーンと、珪素酸化物ナノ粒子と、を含む混合物を混錬し、押出成形して得られた成形体を焼成温度まで熱処理して得られる。
【0014】
幾つかの実施形態に係る焼成鉛筆芯の製造方法は、少なくとも、体質材と、有機結合材と、有機変性シリコーンと、珪素酸化物ナノ粒子と、を混合して混合物を得るステップと、前記混合物を成形して成形体を得るステップと、前記成形体を焼成して焼成鉛筆芯を得るステップと、
を備える。
【0015】
有機変性シリコーンは、ジメチルポリシロキサンのメチル基の一部が、有機官能基で置換された化合物であり、その有機官能基は有機結合材への親和性を示す。また、珪素酸化物ナノ粒子は有機変性シリコーンのシロキサン結合部への親和性を示す。したがって、混合又は混練時に有機結合材と珪素酸化物ナノ粒子との界面において、有機変性シリコーンが有機結合材へ吸着し、シロキサン結合部は珪素酸化物ナノ粒子へ吸着した吸着層を形成する。その後、熱処理(焼成)により、有機変性シリコーン吸着層のシロキサン結合部は樹脂炭化物の被膜として珪素の酸化物や炭化物などの化合物になると考えられる。被膜が形成された樹脂炭化物は、被膜が形成されていない場合と比較して高強度となるため曲げ強さが向上する。また、珪素の酸化物や炭化物などの化合物は熱膨張率が低いため、有機結合材の膨張や収縮による表面の凹凸形状の生成を抑制することができ、平滑な表面となりやすい。珪素酸化物ナノ粒子は、有機結合材が熱処理(焼成)時に生成する分解物を穏やかに放出させる連通孔を形成し、熱分解を緩やかに進行させることができるため、さらに有機結合材表面の凹凸形状の生成を抑制することができる。このため、滑らかな書き味が得られるとともに、体質材への樹脂炭化物の接着面積が、被膜が形成されていない場合と比較して小さくなるため、筆記時の摩耗を妨げない。消しゴムを用いた筆記線の消去時には、平滑な表面となった樹脂炭化物を含む摩耗粉と消しゴムとの接触面積が、凹凸形状である樹脂炭化物を含む摩耗粉と消しゴムとの接触面積よりも大きいため、濃くはっきりとした筆跡であっても消しゴム消去性も良好である。したがって、曲げ強さの向上と筆記線の濃度の維持を両立し、かつ、筆記時の摩擦が低下するため、引っ掛かりが低減された、滑らかな書き味の焼成鉛筆芯を得ることができる。
【0016】
有機変性シリコーンの分類としては、ポリグリセリン変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アミノ・ポリエーテル変性シリコーン、ジオール変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、高級脂肪酸アミド変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、長鎖アルキル変性シリコーン、フェニル変性シリコーンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0017】
ポリグリセリン変性シリコーンとしては、信越化学工業(株)製のKF-6100やKF-6104、KF-6105、KF-6106、KF-6115が挙げられる。
【0018】
ポリエーテル変性シリコーンとしては、信越化学工業(株)製のKF-6017、KF-6028、KF-6038、KF-6048、KF-6123、ダウ・東レ(株)製のFZ-2203、FZ-2222が挙げられる。
【0019】
アミノ変性シリコーンとしては、信越化学工業(株)製のKF-8004やKF-8005S、KF-8015、KF-867Sが挙げられる。
【0020】
アミノ・ポリエーテル変性シリコーンとしては、信越化学工業(株)製のX―22―3939Aやダウ・東レ(株)製のDOWSIL SILSTYLE 104やDOWSIL SILSTYLE 201が挙げられる。
【0021】
ジオール変性シリコーンとしては、信越化学工業(株)製のX-22-176DXやX-22-176F、X-22-176GX-Aが挙げられる。
【0022】
カルビノール変性シリコーンとしては、信越化学工業(株)製のX-22-4039やX-22-4015、KF-6000、KF-6001、KF-6002、KF-6003、X-22-170BX、X-22-170DXが挙げられる。
【0023】
カルボキシル変性シリコーンとしては、信越化学工業(株)製のX―22-3701EやX-22-162C、X-22―3710が挙げられる。
【0024】
高級脂肪酸エステル変性シリコーンとしては、信越化学工業(株)製のX-22-715が挙げられる。
【0025】
高級脂肪酸アミド変性シリコーンとしては、信越化学工業(株)製のKF-3935が挙げられる。
【0026】
アクリル変性シリコーンとしては、信越化学工業(株)製のX-22-2445が挙げられる。
【0027】
長鎖アルキル変性シリコーンとしては、信越化学工業(株)製のKF-412やKF-413、KF-414、KF-415、KF-4003、KF-4701、KF-4917、KF-7235B、X-22-7322が挙げられる。
【0028】
フェニル変性シリコーンとしては、信越化学工業(株)製のKF-50-100CSやKF-50-300CS、KF-50-1,000CS、KF-50-3,000CS、KF-53、KF-54、X-21―3265が挙げられる。
【0029】
有機変性シリコーンの含有量は、有機結合材の含有量に対して0.5重量%以上、3.0重量%以下が好ましい。有機結合材を被覆するのに充分な含有量となり、かつ、筆記時に焼成鉛筆芯が摩耗しやすい適切な被膜の厚さとなり、樹脂炭化物表面の凹凸形状の生成を抑制できるため滑らかな書き味を示す焼成鉛筆芯が得られる。さらに、0.8重量%以上、2.0重量%以下であると特に好ましい。
【0030】
この中でも有機官能基としてポリグリセリン基を有するポリグリセリン変性シリコーン、または有機官能基としてポリエーテル基を有するポリエーテル変性シリコーンは、有機結合材への親和性が高く、吸着性に優れるため熱処理(焼成)時に有機結合剤を平滑にする効果が高く好ましい。さらに、ポリグリセリン変性シリコーンは、上記効果に加えてポリグリセリン基の一部であるヒドロキシ基の高い水素結合性と分子構造の嵩高さにより、珪素酸化物ナノ粒子を均一に分散させることができるため特に好ましい。
【0031】
珪素酸化物ナノ粒子とは、珪素酸化物から構成され、電子顕微鏡を用いて観察したときの平均粒子径が1nm以上1μm未満の粒子である。例えば、シリカ(二酸化珪素)から構成される珪素酸化物ナノ粒子(以下、シリカナノ粒子と表す)や、シルセスキオキサンから構成される珪素酸化物ナノ粒子が挙げられる。
【0032】
シリカは合成シリカと天然シリカに分類され、合成シリカはその製法から大きく乾式シリカと湿式シリカに分類される。さらに湿式シリカは沈降シリカ、シリカゲル、コロイダルシリカなどへ細分化される。さらに、シリカナノ粒子は、粒子表面が未処理の親水性(親水性シリカナノ粒子)と、疎水化処理された疎水性(疎水性シリカナノ粒子)のものに分類される。
【0033】
乾式法により合成された親水性シリカナノ粒子としては、日本アエロジル(株)製のアエロジルОX50(平均粒子径40nm)やアエロジル50(平均粒子径30nm)、アエロジル90G(平均粒子径20nm)、アエロジル130(平均粒子径16nm)、アエロジル150(平均粒子径14nm)、アエロジル200(平均粒子径12nm)、アエロジル300(平均粒子径7nm)、アエロジル380(平均粒子径7nm)、(株)トクヤマ製のレオロシールQS-09(平均粒子径22nm)やレオロシールQS-10(平均粒子径15nm)、レオロシールQS-102(平均粒子径12nm)、レオロシールQS-20(平均粒子径12nm)、レオロシールQS-30(平均粒子径7nm)、レオロシールQS-40(平均粒子径7nm)が挙げられる。
【0034】
乾式法により合成された疎水性シリカナノ粒子としては、日本アエロジル(株)製のアエロジルR972(平均粒子径16nm)やアエロジルR972V(平均粒子径16nm)、アエロジルR972CF(平均粒子径16nm)、アエロジルR974(平均粒子径12nm)、アエロジルR202(平均粒子径14nm)、アエロジルR805(平均粒子径12nm)、アエロジルR812(平均粒子径7nm)、アエロジルR812S(平均粒子径7nm)、(株)トクヤマ製のレオロシールMT-10(平均粒子径15nm)やレオロシールDM-10(平均粒子径15nm)、レオロシールDM-20S(平均粒子径12nm)、レオロシールDM-30(平均粒子径7nm)、レオロシールDM-30S(平均粒子径7nm)、レオロシールKS-20SC(平均粒子径12nm)、レオロシールHG-09(平均粒子径22nm)、レオロシールHM-20L(平均粒子径12nm)、レオロシールHM-30S(平均粒子径7nm)、レオロシールZD-30ST(平均粒子径7nm)、レオロシールPM-09(平均粒子径22nm)、レオロシールPM-20(平均粒子径12nm)、レオロシールX-20(平均粒子径12nm)、レオロシールX-30(平均粒子径7nm)が挙げられる。
【0035】
湿式法により合成された疎水性シリカナノ粒子としては、信越化学工業(株)製のQSG-10(平均粒子径15nm)やQSG-30(平均粒子径30nm)、QSG-80(平均粒子径80nm)、QSG-90(平均粒子径90nm)、QSG-100(平均粒子径110nm)、QSG-170(平均粒子径170nm)が挙げられる。
【0036】
シリカナノ粒子の中でも、乾式法により合成されたシリカは、非多孔質性であるため、有機結合材が熱処理(焼成)時に生成する分解物を芯体外へ放出するのに適しており、熱処理(焼成)時に、より樹脂炭化物表面の凹凸形状の生成を抑制できるため滑らかな書き味が得られ好適である。また、表面が疎水化処理された疎水性シリカナノ粒子を用いるのが好ましい。疎水性シリカナノ粒子はシリカナノ粒子間の相互作用が弱く、混合物中での均一分散が容易となり、熱処理(焼成)時に、より樹脂炭化物表面の凹凸形状の生成を抑制できるため滑らかな書き味が得られ特に好適である。
【0037】
シルセスキオキサンから構成される珪素酸化物ナノ粒子としては、小西化学工業(株)製のSP―1120水分散タイプ(平均粒子径20nm、構成単位の有機官能基はメチル基)やSP―6120水分散タイプ(平均粒子径20nm、構成単位の有機官能基はビニル基)、SP―1120有機溶剤分散タイプ(平均粒子径20nm、構成単位の有機官能基はメチル基)、SP―6120有機溶剤分散タイプ(平均粒子径20nm、構成単位の有機官能基はビニル基)が挙げられる。
【0038】
珪素酸化物ナノ粒子の含有量は、有機結合材の含有量に対して1.0重量%以上、7.0重量%以下が好ましい。1.0重量%以上、7.0重量%以下であると分解物を放出する連通孔が有機結合材に対して充分に形成され、かつ黒鉛との接着を妨げない。さらに、2.0重量%以上、6.0重量%以下であると特に好ましい。珪素酸化物ナノ粒子の平均粒子径は、3nm以上、40nm以下であると、熱処理(焼成)時に有機結合材が生成する分解物を穏やかに放出でき、樹脂炭化物表面の凹凸形状の生成を抑制できるため滑らかな書き味を示す焼成鉛筆芯が得られる。さらに、5nm以上、25nm以下であると特に好ましい。
【0039】
有機結合材に対する有機変性シリコーンの含有量が0.5重量%以上、3.0重量%以下かつ有機結合材に対する珪素酸化物ナノ粒子の含有量が1.0重量%以上、7.0重量%以下であると、有機変性シリコーンの含有量と珪素酸化物ナノ粒子の含有量が互いに適した比率となり、珪素酸化物ナノ粒子に均一に吸着するのに充分な有機変性シリコーンの含有量となるため、樹脂炭化物の凹凸形状を抑制した、滑らかな書き味を示す焼成鉛筆芯が得られる。さらに、有機結合材に対する有機変性シリコーンの含有量が0.8重量%以上、2.0重量%以下かつ有機結合材に対する珪素酸化物ナノ粒子の含有量が2.0重量%以上、6.0重量%以下であると特に好ましい。
【0040】
体質材としては、黒鉛や窒化ホウ素、雲母、タルクなどが挙げられる。黒鉛としては、天然黒鉛と人造黒鉛のどちらの黒鉛も用いることができるが、結晶が発達して、へき開性の良好な天然黒鉛を用いることが好ましい。さらに好ましくは天然黒鉛のうち鱗片状黒鉛を用いることである。鱗片状黒鉛は結晶が発達し、その発達した結晶が積層して高いアスペクト比と平滑な表面を持っている。そのため、鱗片状黒鉛は押出成形にて細線状に芯を成形する際に押出方向に配向して芯の曲げ強さを向上させることができるし、また、その優れたへき開性により、滑らかな書き味と高い筆記線の濃度とを得ることができる。鱗片状黒鉛の市販品としては、(株)中越黒鉛工業所製のBFシリーズ、CPBシリーズ、SCシリーズ、富士黒鉛工業(株)製のFTシリーズ、MFシリーズなどが挙げられる。窒化ホウ素としては、六方晶系の窒化ホウ素(h-BN)が挙げられる。ホウ素原子と窒素原子が交互に正六角形の頂点を担って出来上がる結晶が発達しており、その結晶が何層にも積み重なって六方晶系の窒化ホウ素(h-BN)の1粒子を構成しているため、六方晶系の窒化ホウ素(h-BN)の粒子は黒鉛同様に板状形状をしている。また、その層間は弱いファンデルワールス力で結び付けられていることから、六方晶系の窒化ホウ素(h-BN)は潤滑性に富む。このような性質から、六方晶系の窒化ホウ素(h-BN)は黒鉛同様に焼成鉛筆芯の材料として好適であり、六方晶系の窒化ホウ素(h-BN)を用いて得られる焼成鉛筆芯は高い曲げ強さと筆記線の濃度を備えるものとなる。市販品としては、デンカ(株)製のデンカボロンナイトライドSGP、デンカボロンナイトライドGP、デンカボロンナイトライドHGP、デンカボロンナイトライドSP-2や、水島合金鉄(株)製のSHP-3、SHP-5、SHP-7、HP-1、HP-2、HP-4W、HP-6、HP-60、HP-P1、FS-1などが挙げられる。
【0041】
有機結合材としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化パラフィン、フラン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル、スチレン-ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ブチルゴムなど合成樹脂や、リグニン、セルロース、トラガントガム、アラビアガムなどの天然樹脂などが挙げられる。これらの有機結合材は、1種または2種以上を組み合わせても良い。特に、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂は加工性に富み、安価でかつ供給も安定しているため好ましい。ポリ塩化ビニルとしては、大洋塩ビ(株)製のTHシリーズ、TUシリーズ、TEシリーズ、TGシリーズ、(株)カネカ製のカネビニールSシリーズ、カネビニールKSシリーズ、カネビニールKシリーズ、カネビニールMシリーズ、カネビニールHMシリーズ、東ソー(株)製のリューロンペースト、新第一塩ビ(株)製のZESTシリーズが挙げられる。
【0042】
幾つかの実施形態では、焼成鉛筆芯は、体質材、有機結合材、有機変性シリコーン、及び珪素酸化物ナノ粒子に加え、粘土質結合材等の他の材料及び/又は各種添加剤を含む混合物を焼成して得られるものであってもよい。
【0043】
粘土質結合材としては、ベントナイトやカオリンクレーなどが挙げられる。可塑剤としては、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジブチル(DBP)、ジオクチルアジペート、ジアリルイソフタレート、トリクレジルホスフェート、アジピン酸ジオクチルなどが挙げられる。溶剤としては、メチルエチルケトン、アセトンなどのケトン類や、エタノールなどのアルコール類、水などが挙げられる。安定剤としては、ステアリン酸塩、有機スズ類、バリウム-亜鉛類、カルシウム-亜鉛類などが挙げられる。滑剤としては、ステアリン酸、ベヘニン酸など脂肪酸類や、脂肪酸アマイド類などが挙げられる。充填剤としては、鉄、アルミニウム、チタン、亜鉛などの金属やその合金、また、これら金属や合金の酸化物や窒化物、カーボンブラック、フラーレンなどが挙げられる。これら充填剤は、球形、無定形の粒状、針状、繊維状、板状などの形状のものが適宜使用できる。また、1種または2種以上を組み合わせても良い。この中でも板状の粒子は、押出成形の際に、黒鉛と同様に押出方向に配向して芯体中に配置されるため好ましい。例えば、板状シリカや板状アルミナなどが挙げられる。板状シリカとしては、バーミキュライトを膨積処理した後、酸処理し、水洗、乾燥、粉砕、分級することにより得られる非晶質へき開性板状シリカが挙げられる。バーミキュライトはバーミキュライト群粘土鉱物あるいは雲母群粘土鉱物に分類される加水雲母を主成分とする鉱物であり、蛭石とも呼ばれている。バーミキュライトの化学的組成は産地等によっても相違するが、代表的な組成は以下の通りである。
SiO2 35~45重量%
Al2O3 10~20重量%
MgO3 7~30重量%
Fe2O3 5~22重量%
CaO 0~3重量%
Na2O 0~1重量%
K2O 0~10重量%
Fe以外の重金属含有量(Pb、Cr、Cd等) 0.2重量%以下
灼熱原料(1050℃) 3~25重量%
バーミキュライトを硫酸、塩酸、硝酸などで処理することで、MgO3やFe2O3などの有色成分が除去され、バーミキュライトの層構造を維持した板状シリカ(非晶質へき開性板状シリカ)となる。この板状シリカ(非晶質へき開性板状シリカ)の層間は水酸基による水素結合により結ばれているため、板状シリカに軽いせん断力をかけるだけで容易にへき開させることができる。また、1100℃まで熱処理しても板状シリカ(非晶質へき開性板状シリカ)の層構造は変化しないため、焼成鉛筆芯にも好適に使用できる。市販品としては、水澤化学工業(株)製のシルリーフが挙げられる。板状アルミナとしては、α-Al2O3、γ-Al2O3、θ-Al2O3などが挙げられる。板状アルミナの粒子表面は平滑であるため、粒子間の潤滑性が良く、筆記線の濃度と書き味とを損ないにくい。市販品としては、キンセイマテック(株)製のセラフFYA00610、FYA02025、FYA10030や、河合石灰工業(株)製のセラシュールBMMシリーズが挙げられる。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態に係る焼成鉛筆芯は、体質材と、有機結合材と、有機変性シリコーンと、珪素酸化物ナノ粒子と、を含む混合物を焼成して得られる。ここで、「焼成鉛筆芯」は「焼成」という熱処理を経て得られるものであるところ、一般に、合成樹脂や天然樹脂などの有機物(有機結合材)を含む組成物を焼成温度にまで熱処理すると、樹脂分子が、黒鉛などの体質材と複雑に絡み合った状態で有機物の分解や縮合が不規則に起こり、芯体全体として複雑に体積収縮するので、熱処理後の芯体の骨格構造は微細な部分できわめて複雑なものとなり、熱処理後の個々の組成物の結合の程度や大きさなども様々であり、上記効果との関連が優位となる体系化された測定、解析を行うことは、現実的ではない回数の実験等を行うことを要するものであって、当該物をその構造または特性により直接特定することが不可能またはおよそ非実際的である事情が存在すると考えられる。
【0045】
熱処理後の芯体の気孔に含浸させる油としては、従来公知のものが使用できる。例えば、流動パラフィンやα―オレフィンオリゴマー、スクワラン、スピンドル油、シリコーンオイル、脂肪酸エステル、ヒマシ油などの油状物や、パラフィンワックスやマイクロクリスタリンワックス、カルナバワックスなどのワックス類が挙げられるが、これらに限定されない。
【実施例】
【0046】
以下、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。なお、平均粒子径は、日本電子(株)製の走査型電子顕微鏡JSM-IT800を用いて観察した任意の粒子100個の各直径から算出される算術平均値を平均粒子径とした。
【0047】
<実施例1>
KF-6106(ポリグリセリン変性シリコーン) 0.45重量部
アエロジルR972(乾式法により合成された疎水性シリカナノ粒子、平均粒子径16nm) 1.2重量部
鱗片状黒鉛(体質材:体積平均径15μm) 45重量部
ポリ塩化ビニル(有機結合材) 30重量部
フタル酸ジオクチル(可塑剤) 20重量部
メチルエチルケトン(溶剤) 15重量部
ステアリン酸塩(安定剤) 1.5重量部
ステアリン酸(滑剤) 0.5重量部
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
上記の配合材料をヘンシェルミキサーによる分散混合処理、3本ロールミルによる混練処理をした後、単軸押出機にて細線状に押出成形し、空気中で室温から350℃まで約10時間かけて昇温し、350℃で約1時間保持する加熱処理を実施し、さらに、密閉容器内で1100℃を最高とする焼成処理を施し、呼び直径0.5の熱処理後の芯体を得た。この熱処理後の芯体を温度100℃に加熱した流動パラフィン中に10時間浸漬後、表面上の余分な成分を除去することで焼成鉛筆芯を得た。
【0048】
<実施例2>
実施例1において、KF-6106の配合量を0.45重量部から0.21重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が0.7重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0049】
<実施例3>
実施例1において、KF-6106の配合量を0.45重量部から0.27重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が0.9重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0050】
<実施例4>
実施例1において、KF-6106の配合量を0.45重量部から0.54重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が1.8重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0051】
<実施例5>
実施例1において、KF-6106の配合量を0.45重量部から0.75重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が2.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0052】
<実施例6>
実施例1において、アエロジルR972の配合量を1.2重量部から0.45重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が1.5重量%である。
【0053】
<実施例7>
実施例1において、アエロジルR972の配合量を1.2重量部から0.66重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が2.2重量%である。
【0054】
<実施例8>
実施例1において、アエロジルR972の配合量を1.2重量部から1.65重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が5.5重量%である。
【0055】
<実施例9>
実施例1において、アエロジルR972の配合量を1.2重量部から1.95重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が6.5重量%である。
【0056】
<実施例10>
実施例1において、KF-6106の配合量を0.45重量部から0.21重量部に、アエロジルR972の配合量を1.2重量部から0.45重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が0.7重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が1.5重量%である。
【0057】
<実施例11>
実施例1において、KF-6106の配合量を0.45重量部から0.12重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が0.4重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0058】
<実施例12>
実施例1において、KF-6106の配合量を0.45重量部から0.96重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が3.2重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0059】
<実施例13>
実施例1において、アエロジルR972の配合量を1.2重量部から0.24重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が0.8重量%である。
【0060】
<実施例14>
実施例1において、アエロジルR972の配合量を1.2重量部から2.16重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が7.2重量%である。
【0061】
<実施例15>
実施例1において、KF-6106の配合量を0.45重量部から0.12重量部に、アエロジルR972の配合量を1.2重量部から0.45重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が0.4重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が1.5重量%である。
【0062】
<実施例16>
実施例1において、KF-6106の配合量を0.45重量部から0.21重量部に、アエロジルR972の配合量を1.2重量部から0.24重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が0.7重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が0.8重量%である。
【0063】
<実施例17>
実施例1において、KF-6106の配合量を0.45重量部から0.12重量部に、アエロジルR972の配合量を1.2重量部から0.24重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が0.4重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が0.8重量%である。
【0064】
<実施例18>
実施例1において、KF-6106をKF-6115(ポリグリセリン変性シリコーン)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0065】
<実施例19>
実施例1において、KF-6106をKF-6104(ポリグリセリン変性シリコーン)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0066】
<実施例20>
実施例1において、アエロジルR972をアエロジルR202(乾式法により合成された疎水性シリカナノ粒子、平均粒子径14nm)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0067】
<実施例21>
実施例1において、アエロジルR972をアエロジルR812(乾式法により合成された疎水性シリカナノ粒子、平均粒子径7nm)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0068】
<実施例22>
実施例1において、アエロジルR972をQSG-10(湿式法により合成された疎水性シリカナノ粒子、平均粒子径15nm)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0069】
<実施例23>
実施例1において、アエロジルR972をQSG-30(湿式法により合成された疎水性シリカナノ粒子、平均粒子径30nm)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0070】
<実施例24>
実施例1において、アエロジルR972をアエロジル300(乾式法により合成された親水性シリカナノ粒子、平均粒子径7nm)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する親水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0071】
<実施例25>
実施例1において、アエロジルR972をアエロジル130(乾式法により合成された親水性シリカナノ粒子、平均粒子径16nm)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する親水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0072】
<実施例26>
実施例1において、アエロジルR972をアエロジル90G(乾式法により合成された親水性シリカナノ粒子、平均粒子径20nm)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する親水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0073】
<実施例27>
実施例1において、アエロジルR972をアエロジル50(乾式法により合成された親水性シリカナノ粒子、平均粒子径30nm)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する親水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0074】
<実施例28>
実施例1において、アエロジルR972をアエロジルОX50(乾式法により合成された親水性シリカナノ粒子、平均粒子径40nm)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する親水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0075】
<実施例29>
実施例1において、KF-6106をKF-6017(ポリエーテル変性シリコーン)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリエーテル変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0076】
<実施例30>
実施例1において、KF-6106をKF-6028(ポリエーテル変性シリコーン)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリエーテル変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0077】
<実施例31>
実施例1において、KF-6106をFZ-2203(ポリエーテル変性シリコーン)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリエーテル変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0078】
<実施例32>
実施例1において、KF-6106をX-22―3939A(アミノ・ポリエーテル変性シリコーン)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するアミノ・ポリエーテル変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0079】
<実施例33>
実施例1において、KF-6106をKF-8004(アミノ変性シリコーン)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するアミノ変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0080】
<実施例34>
実施例1において、KF-6106をX-22-176F(ジオール変性シリコーン)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するジオール変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0081】
<実施例35>
実施例1において、KF-6106をX-22-4015(カルビノール変性シリコーン)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するカルビノール変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0082】
<実施例36>
実施例1において、KF-6106をX-22-3701E(カルボキシル変性シリコーン)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するカルボキシル変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0083】
<実施例37>
実施例1において、KF-6106をX-22-715(高級脂肪酸エステル変性シリコーン)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対する高級脂肪酸エステル変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0084】
<実施例38>
実施例1において、KF-6106をX-3935(高級脂肪酸アミド変性シリコーン)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対する高級脂肪酸アミド変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0085】
<実施例39>
実施例1において、KF-6106をX-22-2445(アクリル変性シリコーン)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するアクリル変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0086】
<実施例40>
実施例1において、KF-6106をX-22-415(長鎖アルキル変性シリコーン)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対する長鎖アルキル変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0087】
<実施例41>
実施例1において、KF-6106をKF-50-1,000CS(フェニル変性シリコーン)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するフェニル変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0088】
<実施例42>
実施例1において、アエロジルR972をSP-1120有機溶剤分散タイプ(シルセスキオキサンから構成される珪素酸化物ナノ粒子、平均粒子径20nm)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。なお、SP-1120有機溶剤分散タイプは常温で静置し、有機溶剤を乾燥させた後に配合材料として使用した。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対するシルセスキオキサンから構成される珪素酸化物ナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0089】
<比較例1>
実施例1において、KF-6106をKF-96-1,000CS(ジメチルポリシロキサン)に、アエロジルR972を添加なしに変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するジメチルポリシロキサンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する珪素酸化物ナノ粒子の含有量が0重量%である。
【0090】
<比較例2>
実施例1において、KF-6106を添加なしに変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対する有機変性シリコーンの含有量が0重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0091】
<比較例3>
実施例1において、KF-6106を添加なし、アエロジルR972をSP-1120有機溶剤分散タイプ(シルセスキオキサンから構成される珪素酸化物ナノ粒子、平均粒子径20nm)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。なお、SP-1120有機溶剤分散タイプは常温で静置し、有機溶剤を乾燥させた後に配合材料として使用した。
有機結合材に対する有機変性シリコーンの含有量が0重量%であり、有機結合材に対するシルセスキオキサンから構成される珪素酸化物ナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0092】
<比較例4>
実施例1において、KF-6106をKF-96-1,000CS(ジメチルポリシロキサン)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するジメチルポリシロキサンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0093】
<比較例5>
実施例1において、KF-6106をKF-96-1,000CS(ジメチルポリシロキサン)に、アエロジルR972をアエロジルR202(乾式法により合成された疎水性シリカナノ粒子、平均粒子径14nm)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するジメチルポリシロキサンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0094】
<比較例6>
実施例1において、KF-6106をKF-96-1,000CS(ジメチルポリシロキサン)に、アエロジルR972をSP-1120有機溶剤分散タイプ(シルセスキオキサンから構成される珪素酸化物ナノ粒子、平均粒子径20nm)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。なお、SP-1120有機溶剤分散タイプは常温で静置し、有機溶剤を乾燥させた後に配合材料として使用した。
有機結合材に対するジメチルポリシロキサンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対するシルセスキオキサンから構成される珪素酸化物ナノ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0095】
<比較例7>
実施例1において、アエロジルR972をTMS-05DCA(湿式法により合成された疎水性シリカナノ粒子、平均粒子径5μm、テイカ(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対する疎水性シリカ粒子の含有量が4.0重量%である。
【0096】
<比較例8>
実施例1において、アエロジルR972をTospearl120A(構成単位の有機官能基がメチル基であるシルセスキオキサンから構成される珪素酸化物粒子、平均粒子径2μm、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして焼成鉛筆芯を得た。
有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が1.5重量%であり、有機結合材に対するシルセスキオキサンから構成される珪素酸化物粒子の含有量が4.0重量%である。
【0097】
<比較例9>
実施例1において、KF-6106(ポリグリセリン変性シリコーン)とアエロジルR972(疎水性シリカナノ粒子)を添加しない配合で混練、押出成形した後、焼成温度まで熱処理して得られた熱処理後の芯体に、ダイヤモンドナノ粒子(平均粒子径10nm、ダイヤマテリアル(株)製)を分散したジメチルシリコーンオイルKF96-30CS(25℃における動粘度:30mm2/s、屈折率1.401、信越化学工業(株)製)(温度100℃)中に、10時間浸漬後、表面上の余分な成分を除去することで焼成鉛筆芯を得た。
【0098】
以上、実施例1~42及び比較例1~9で得た焼成鉛筆芯について、下記方法により、曲げ強さ、筆記線の濃度、筆記抵抗値の測定を実施した。
【0099】
(曲げ強さの試験方法)
曲げ強さの測定は、JIS S 6005に準じて実施した。
【0100】
(筆記線の濃度の試験方法)
筆記線の濃度の測定は、JIS S 6005に準じて実施した。
【0101】
(筆記抵抗値の試験方法)
筆記抵抗値の測定は、新東科学(株)製の摩擦摩耗試験機トライボギアType:40を用いて実施した。測定環境は温度23℃±2℃、湿度65%±5%とした。シャープペンシルには、ぺんてる(株)製のP205を使用し、専用の筆記具用ホルダーを用いて摩擦摩耗試験機に固定した。測定ステージ上に、ステンレス板の下敷きと、JIS S 6039に示された試験用紙を固定し、シャープペンシルで直線上を筆記したときの摩擦力を測定した。試験用紙はあらかじめ、温度23℃湿度65%の恒温恒湿槽に24時間以上静置したものを使用した。装置条件は、筆記角度:75度、垂直荷重:200g、移動速度:1cm/秒、サンプリング速度:1KHz、測定時間:10秒とした。測定時間10秒のうち、1.5秒から9.5秒の摩擦力の平均値を動摩擦力とし、動摩擦力を垂直荷重で除することで筆記抵抗値(動摩擦係数)を算出した。なお、筆記抵抗値の算出は、装置付属の専用ソフトウェアTribosoft6で自動算出される。
【0102】
結果を表1と表2に示す。表1と表2から明らかなように、実施例1~42の焼成鉛筆芯は、比較例1~9の焼成鉛筆芯に比べ、筆記線の濃度は同等かつ曲げ強さが向上し、より滑らかな書き味を得られるものである。
【0103】
【0104】
【0105】
実施例1~42では有機変性シリコーンと珪素酸化物ナノ粒子を配合しているため筆記抵抗値が低く、滑らかで引っ掛かりの低減された書き味を得られながら、高い筆記線の濃度と曲げ強さの向上が見られる。その中でも、実施例1~32はポリグリセリン変性シリコーンまたはポリエーテル変性シリコーンを配合しているため、特に滑らかな書き味を示す焼成鉛筆芯が得られる。
【0106】
実施例1~10は、有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が0.5重量%以上、3.0重量%以下かつ有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子の含有量が1.0重量%以上、7.0重量%以下であるため滑らかな書き味を示す焼成鉛筆芯が得られる。その中でも実施例1、3、4、7、8は、有機結合材に対するポリグリセリン変性シリコーンの含有量が0.8重量%以上、2.0重量%以下かつ有機結合材に対する疎水性シリカナノ粒子ナノ粒子の含有量が2.0重量%以上、6.0重量%以下であるため特に滑らかな書き味を示す焼成鉛筆芯が得られる。
【0107】
比較例1では、メチル基が有機官能基で置換されていないジメチルポリシロキサンを添加し、また珪素酸化物ナノ粒子を添加していないため、曲げ強さは向上するが、筆記抵抗値が高く、引っ掛かりが多い書き味となってしまう。
【0108】
比較例2では、有機変性シリコーンを添加せず、疎水性シリカナノ粒子を添加しており、曲げ強さは向上するが、筆記抵抗値が高く、引っ掛かりが多い書き味となってしまう。
【0109】
比較例3では、有機変性シリコーンを添加せず、シルセスキオキサンから構成される珪素酸化物ナノ粒子を添加しており、曲げ強さは向上するが、筆記抵抗値が高く、引っ掛かりが多い書き味となってしまう。
【0110】
比較例4~6では、メチル基が有機官能基で置換されていないジメチルポリシロキサンを添加しており、曲げ強さは向上するが、筆記抵抗値が高く、引っ掛かりが多い書き味となってしまう。
【0111】
比較例7~8では、ナノ粒子でない珪素酸化物粒子を添加しており、曲げ強さは向上するが、筆記抵抗値が高く、引っ掛かりが多い書き味となってしまう。
【0112】
比較例9では、焼成鉛筆芯に存在する含浸に有効な気孔がナノダイヤモンドによって気孔の開口部が塞がり、含浸に有効な気孔の数が減少してしまう。そのため、油状物が持つ潤滑性を充分には発揮できないため、滑らかな書き味を得るには至っていない。
【0113】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0114】
本明細書において、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。