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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-03-25
(45)【発行日】2026-04-02
(54)【発明の名称】寸法安定性ガラス
(51)【国際特許分類】
   C03C 3/091 20060101AFI20260326BHJP
   C03B 17/06 20060101ALI20260326BHJP
   C03C 3/095 20060101ALI20260326BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20260326BHJP
【FI】
C03C3/091
C03B17/06
C03C3/095
G02F1/1333 500
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021516922
(86)(22)【出願日】2019-09-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 US2019051010
(87)【国際公開番号】W WO2020068457
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-09-09
【審判番号】
【審判請求日】2024-09-09
(31)【優先権主張番号】62/736,070
(32)【優先日】2018-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100224775
【弁理士】
【氏名又は名称】南 毅
(72)【発明者】
【氏名】エリソン,アダム ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】キクゼンスキ,ティモシー ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】キング,エレン アン
(72)【発明者】
【氏名】タンディア,アダマ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーギーズ,コチュパラムビル ディーナンマ
【合議体】
【審判長】宮澤 尚之
【審判官】塩谷 領大
【審判官】増山 淳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-286689(JP,A)
【文献】特表2016-512486(JP,A)
【文献】特開2017-7945(JP,A)
【文献】特開平09-263421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 1/00~14/00,
INTERGLAD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化物基準のモルパーセントで表して、67.3~70.5のSiO、12.2~1 3のAl、2.5~4.9のB、2.5~6.3のMgO、2.7~6.2 5のCaO、1~5.8のSrO、および0.04~1のBaOを含み、
SiOとAlとの合計がモルパーセントで表して81.4超であり、ガラスが、774℃以上の徐冷点を有し、
LiO、NaO、およびKOの総濃度が0.1モル%未満である、アルカリを実質的に含まないガラス。
【請求項2】
0.98≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≦1.38である、請求項1記載のガラス。
【請求項3】
18≦MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)≦0.45である、請求項1記載のガラス。
【請求項4】
化学清澄剤としてSnO、As、またはSb、F、ClまたはBrのいずれか1つまたは組合せを0.01から0.4モル%でさらに含む、請求項1記載のガラス。
【請求項5】
化学清澄剤としてFe、CeO、またはMnOのいずれか1つまたは組合せを0.005から0.2モル%でさらに含む、請求項1記載のガラス。
【請求項6】
前記ガラスが、100,000ポアズ超の液相粘度を有する、請求項1記載のガラス。
【請求項7】
前記ガラスが、80GPa超のヤング率を有する、請求項1記載のガラス。
【請求項8】
前記ガラスが、2.55g/cc未満の密度を有する、請求項1記載のガラス。
【請求項9】
前記ガラスが、1665℃未満のT200Pを有する、請求項1記載のガラス。
【請求項10】
前記ガラスが、1280℃未満のT35kPを有する、請求項1記載のガラス。
【請求項11】
前記ガラスが、890℃未満のT200P-T(ann)を有する、請求項1記載のガラス。
【請求項12】
前記ガラスが、890℃未満のT200P-T(ann)、80GPa超のヤング率、2.55g/cc未満の密度、および100,000ポアズ超の液相粘度を有する、請求項1記載のガラス。
【請求項13】
請求項1記載のガラスを製造する方法において、原材料が、利用される各原材料に関して0と200質量ppmの間の硫黄を含む、方法。
【請求項14】
請求項1記載のガラスから作られた物体を、ダウンドローシート製造法により製造する方法。
【請求項15】
請求項1記載のガラスから作られた物体を、フュージョン法またはその変種により製造する方法。
【請求項16】
請求項1記載のガラスから作られた液晶ディスプレイ用基板。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、その内容が依拠され、ここに全て引用される、2018年9月25日に出願された米国仮特許出願第62/736070号の米国法典第35編第119条の下での優先権の恩恵を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本開示の実施の形態は、顧客に対面する属性の特定の閾値を満たすガラスを、いずれの以前に開示されたガラス組成物に対しても、よりよい費用および品質で製造できる粘度曲線および高い液相粘度の意外な組合せを利用する。
【背景技術】
【0003】
液晶ディスプレイ、例えば、アクティブマトリクス型液晶ディスプレイ(AMLCD)装置の製造は非常に複雑であり、基板ガラスの性質は重要である。何よりもまず、AMLCD装置の製造に使用されるガラス基板は、厳しく制御された物理的寸法を有する必要がある。ダウンドローシート延伸法、および特に、両方ともDockertyの特許文献1および2に記載されたフュージョン法は、ラップ仕上げおよび研磨などの費用のかかる成形後の仕上げ操作を必要とせずに、基板として使用できるガラスシートを製造することができる。残念ながら、このフュージョン法は、ガラス特性にかなり厳しい制限を課し、その制限のために、比較的高い液相粘度が要求される。
【0004】
液晶ディスプレイ分野において、多結晶シリコンに基づく薄膜トランジスタ(TFT)が、電子をより効果的に輸送する能力のために好ましい。多結晶系シリコントランジスタ(p-Si)は、アモルファスシリコン系トランジスタ(a-Si)に基づくものよりも高い移動性を有するとして特徴付けられる。これにより、より小型でより高速のトランジスタを製造することができ、これにより最終的に、より輝度が高く、より高速のディスプレイが製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第3338696号明細書
【文献】米国特許第3682609号明細書
【発明の概要】
【0006】
本開示の1つ以上の実施の形態は、酸化物基準のモルパーセントで表して、66~70.5のSiO、11.2~13.3のAl、2.5~6のB、2.5~6.3のMgO、2.7~8.3のCaO、1~5.8のSrO、および0~3のBaOを含む、アルカリを実質的に含まないガラスを提供し、ここで、SiO、Al、B、MgO、CaO、SrOおよびBaOは、酸化物成分のモルパーセントを表す。さらなる実施の形態は、0.98≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≦1.38のRO/Al比または0.18≦MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)≦0.45のMgO/RO比を含む。いくつかの実施の形態は、化学清澄剤としてSnO、As、またはSb、F、ClまたはBrのいずれか1つまたは組合せも0.01から0.4モル%で含有することがある。いくつかの実施の形態は、化学清澄剤としてFe、CeO、またはMnOのいずれか1つまたは組合せも0.005から0.2モル%で含有することがある。いくつかの実施の形態は、750℃超、765℃超、または770℃超の徐冷点を有することがある。いくつかの実施の形態は、100,000ポアズ超、150,000ポアズ超、または180,000ポアズ超の液相粘度を有することがある。いくつかの実施の形態は、80GPa超、81GPa超、または81.5GPa超のヤング率を有することがある。いくつかの実施の形態は、2.55g/cc未満、2.54g/cc未満、または2.53g/cc未満の密度を有することがある。いくつかの実施の形態は、1665℃未満、1650℃未満、または1640℃未満のT200Pを有することがある。いくつかの実施の形態は、1280℃未満、1270℃未満、または1266℃未満のT35kPを有することがある。いくつかの実施の形態は、890℃未満、880℃未満、870℃未満、または865℃未満のT200P-T(ann)を有することがある。いくつかの実施の形態は、890℃未満のT200P-T(ann)、T(ann)≧750℃、80GPa超のヤング率、2.55g/cc未満の密度、および100,000ポアズ超の液相粘度を有することがある。いくつかの実施の形態は、880℃未満のT200P-T(ann)、T(ann)≧765℃、81GPa超のヤング率、2.54g/cc未満の密度、および150,000ポアズ超の液相粘度を有することがある。いくつかの実施の形態は、865℃未満のT200P-T(ann)、T(ann)≧770℃、81.5GPa超のヤング率、2.54g/cc未満の密度、および180,000ポアズ超の液相粘度を有することがある。いくつかの実施の形態において、AsおよびSbは、約0.005モル%未満を占める。いくつかの実施の形態において、LiO、NaO、KO、またはその組合せは、ガラスの約0.1モル%未満を占める。いくつかの実施の形態において、原材料は、利用される各原材料に関して0と200質量ppmの間の硫黄を含む。これらのガラスから作られる例示の物体は、ダウンドローシート製造法またはフュージョン法またはその変種により製造することができる。
【0007】
いくつかの実施の形態は、酸化物基準のモルパーセントで表して、68~79.5のSiO、12.2~13のAl、3.5~4.8のB、3.7~5.3のMgO、4.7~7.3のCaO、1.5~4.4のSrO、および0~2のBaOを含む、アルカリを実質的に含まないガラスを提供し、ここで、SiO、Al、B、MgO、CaO、SrOおよびBaOは、酸化物成分のモルパーセントを表す。さらなる実施の形態は、1.07≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≦1.2のRO/Al比または0.24≦MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)≦0.36のMgO/RO比を含む。いくつかの実施の形態は、化学清澄剤としてSnO、As、またはSb、F、ClまたはBrのいずれか1つまたは組合せも0.01から0.4モル%で含有することがある。いくつかの実施の形態は、化学清澄剤としてFe、CeO、またはMnOのいずれか1つまたは組合せも0.005から0.2モル%で含有することがある。いくつかの実施の形態は、890℃未満のT200P-T(ann)、T(ann)≧750℃、80GPa超のヤング率、2.55g/cc未満の密度、および100,000ポアズ超の液相粘度を有することがある。いくつかの実施の形態は、880℃未満のT200P-T(ann)、T(ann)≧765℃、81GPa超のヤング率、2.54g/cc未満の密度、および150,000ポアズ超の液相粘度を有することがある。いくつかの実施の形態は、865℃未満のT200P-T(ann)、T(ann)≧770℃、81.5GPa超のヤング率、2.54g/cc未満の密度、および180,000ポアズ超の液相粘度を有することがある。いくつかの実施の形態において、AsおよびSbは、約0.005モル%未満を占める。いくつかの実施の形態において、LiO、NaO、KO、またはその組合せは、ガラスの約0.1モル%未満を占める。いくつかの実施の形態において、原材料は、利用される各原材料に関して0と200質量ppmの間の硫黄を含む。これらのガラスから作られる例示の物体は、ダウンドローシート製造法またはフュージョン法またはその変種により製造することができる。
【0008】
いくつかの実施の形態は、酸化物基準のモルパーセントで表して、68.3~69.5のSiO、12.4~13のAl、3.7~4.5のB、4~4.9のMgO、5.2~6.8のCaO、2.5~4.2のSrO、および0~1のBaOを含む、アルカリを実質的に含まないガラスを提供し、ここで、SiO、Al、B、MgO、CaO、SrOおよびBaOは、酸化物成分のモルパーセントを表す。さらなる実施の形態は、1.09≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≦1.16のRO/Al比または0.25≦MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)≦0.35のMgO/RO比を含む。いくつかの実施の形態は、化学清澄剤としてSnO、As、またはSb、F、ClまたはBrのいずれか1つまたは組合せも0.01から0.4モル%で含有することがある。いくつかの実施の形態は、化学清澄剤としてFe、CeO、またはMnOのいずれか1つまたは組合せも0.005から0.2モル%で含有することがある。いくつかの実施の形態は、890℃未満のT200P-T(ann)、T(ann)≧750℃、80GPa超のヤング率、2.55g/cc未満の密度、および100,000ポアズ超の液相粘度を有することがある。いくつかの実施の形態は、880℃未満のT200P-T(ann)、T(ann)≧765℃、81GPa超のヤング率、2.54g/cc未満の密度、および150,000ポアズ超の液相粘度を有することがある。いくつかの実施の形態は、865℃未満のT200P-T(ann)、T(ann)≧770℃、81.5GPa超のヤング率、2.54g/cc未満の密度、および180,000ポアズ超の液相粘度を有することがある。いくつかの実施の形態において、AsおよびSbは、約0.005モル%未満を占める。いくつかの実施の形態において、LiO、NaO、KO、またはその組合せは、ガラスの約0.1モル%未満を占める。いくつかの実施の形態において、原材料は、利用される各原材料に関して0と200質量ppmの間の硫黄を含む。これらのガラスから作られる例示の物体は、ダウンドローシート製造法またはフュージョン法またはその変種により製造することができる。
【0009】
いくつかの実施の形態は、関係式:70GPa≦549.899-4.811SiO-4.023Al-5.651-4.004MgO-4.453CaO-4.753SrO-5.041BaO≦90GPaにより定義される範囲のヤング率を有するガラスを提供し、ここで、SiO、Al、B、MgO、CaO、SrOおよびBaOは、酸化物成分のモルパーセントを表す。さらなる実施の形態は、1.07≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≦1.2のRO/Al比を含む。いくつかの実施の形態は、化学清澄剤としてSnO、As、またはSb、F、ClまたはBrのいずれか1つまたは組合せも0.01から0.4モル%で含有することがある。いくつかの実施の形態は、化学清澄剤としてFe、CeO、またはMnOのいずれか1つまたは組合せも0.005から0.2モル%で含有することがある。いくつかの実施の形態において、AsおよびSbは、約0.005モル%未満を占める。いくつかの実施の形態において、LiO、NaO、KO、またはその組合せは、ガラスの約0.1モル%未満を占める。いくつかの実施の形態において、原材料は、利用される各原材料に関して0と200質量ppmの間の硫黄を含む。これらのガラスから作られる例示の物体は、ダウンドローシート製造法またはフュージョン法またはその変種により製造することができる。
【0010】
いくつかの実施の形態は、関係式:720℃≦1464.862-6.339SiO-1.286Al-17.284-12.216MgO-11.448CaO-11.367SrO-12.832BaO≦810℃により定義される範囲の徐冷点を有するガラスを提供し、ここで、SiO、Al、B、MgO、CaO、SrOおよびBaOは、酸化物成分のモルパーセントを表す。さらなる実施の形態は、1.07≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≦1.2のRO/Al比を含む。いくつかの実施の形態は、化学清澄剤としてSnO、As、またはSb、F、ClまたはBrのいずれか1つまたは組合せも0.01から0.4モル%で含有することがある。いくつかの実施の形態は、化学清澄剤としてFe、CeO、またはMnOのいずれか1つまたは組合せも0.005から0.2モル%で含有することがある。いくつかの実施の形態において、AsおよびSbは、約0.005モル%未満を占める。いくつかの実施の形態において、LiO、NaO、KO、またはその組合せは、ガラスの約0.1モル%未満を占める。いくつかの実施の形態において、原材料は、利用される各原材料に関して0と200質量ppmの間の硫黄を含む。これらのガラスから作られる例示の物体は、ダウンドローシート製造法またはフュージョン法またはその変種により製造することができる。
【0011】
本開示の追加の実施の形態は、ダウンドローシート製造法により製造されるガラスから作られた物体に関する。さらなる実施の形態は、フュージョン法またはその変種により製造されるガラスに関する。
【0012】
添付図面は、本明細書に含まれ、その一部を構成し、下記に記載されるいくつかの実施の形態を図示する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】フュージョンドロー法において精密シートを製造するために使用される成形マンドレルの概略図
図2】位置6に沿ってとられた図1の成形マンドレルの断面図
図3】本開示のいくつかの実施の形態に関する凸包のグラフ
図4】本開示の他の実施の形態に関する凸包のグラフ
図5】本開示の追加の実施の形態に関する凸包のグラフ
図6】本開示のさらなる実施の形態に関する凸包のグラフ
図7図3の凸包の内部にある無作為に選択されたいくつかの実施の形態に関する式(1)のグラフ表示
図8図3の凸包の内部にある無作為に選択されたいくつかの実施の形態に関する式(2)のグラフ表示
【発明を実施するための形態】
【0014】
p-Si系トランジスタに関する問題の1つは、その製造に、a-Siトランジスタの製造に用いられる工程温度よりも高い工程温度が必要とされることである。これらの温度は、a-Siトランジスタの製造に使用される350℃のピーク温度と比べて、450℃から600℃に及ぶ。これらの温度では、ほとんどのAMLCD用ガラス基板は、圧密として知られる過程を経る。熱安定性または寸法変化とも称される、圧密は、ガラスの仮想温度の変化によるガラス基板における不可逆的寸法変化(収縮)である。「仮想温度」は、ガラスの構造状態を表すために使用される概念である。高温から急激に冷却されるガラスは、「凍結した(frozen in)」より高温の構造のために、より高い仮想温度を有すると言われている。より遅く冷却された、または徐冷点の近くである時間に亘り保持されることによって徐冷されたガラスは、より低い仮想温度を有すると言われている。
【0015】
圧密の大きさは、ガラスを製造する過程、およびガラスの粘弾性特性の両方に依存する。ガラスからシート製品を製造するためのフロート法において、ガラスシートは、溶融物から比較的ゆっくりと冷却され、それゆえ、比較的低温の構造に「凍結する」。それに対して、フュージョン法では、ガラスシートは溶融物から非常に急速に冷却され、比較的高温の構造に凍結する。その結果、圧密の推進力は、仮想温度と、圧密中にガラスが経る工程温度との間の差であるので、フロート法により製造されるガラスは、フュージョン法により製造されるガラスと比べて、少ない圧縮を経るであろう。それゆえ、ダウンドロー法により製造されるガラス基板における圧密のレベルを最小にすることが望ましいであろう。
【0016】
ガラスにおける圧密を最小にする手法が2つある。第1の手法は、ガラスを熱的に前処理して、p-Si TFT製造中にガラスが経るものと類似の仮想温度を生じることである。この手法には、いくつかの難点がある。第一に、p-Si TFT製造中に利用される多数の加熱工程により、この前処理で完全には補えないガラス中のわずかに異なる仮想温度が生じる。第二に、ガラスの熱安定性は、そのp-Si TFT製造の詳細に密接に関係するようになり、このことは、異なるエンドユーザにとって異なる前処理を意味し得るであろう。最後に、前処理により、加工の費用と複雑さが増してしまう。
【0017】
別の手法は、ガラスの粘度を増加させることによって、工程温度での歪み速度を遅くすることである。これは、ガラスの粘度を上昇させることによって達成することができる。徐冷点は、ガラスの固定粘度に対応する温度を表し、それゆえ、徐冷点の上昇は、固定温度での粘度の上昇と同じである。しかしながら、この手法の難題は、対費用効果的な徐冷点の高いガラスの製造である。費用に影響を与える主因は、欠陥と資産の耐用年数である。フュージョンドロー装置に結合される従来の溶融装置において、4つのタイプの欠陥に一般的に遭遇する:(1)ガス状含有物(気泡または膨れ)、(2)耐火物またはバッチを適切に溶融できないことによる固体含有物、(3)主に白金からなる金属欠陥、および(4)低い液相粘度またはアイソパイプの両端での過剰な失透から生じる失透生成物。ガラス組成物は、溶融速度、およびそれゆえ、ガラスがガス状または固体欠陥を形成する傾向に不均衡な影響を有し、ガラスの酸化状態は、白金欠陥を含む傾向に影響を与える。成形用マンドレル、すなわちアイソパイプ上のガラスの失透は、高い液相粘度を有する組成物を選択することによって、最良に管理されている。
【0018】
資産の耐用年数は、主に、溶融および成形システムの様々な耐火物および貴金属部材の摩耗または変形の速度により決まる。耐火材料、白金システム設計、およびアイソパイプ耐火物における最近の進歩は、フュージョンドロー装置に連結される従来の溶融装置の有用稼働寿命を大幅に延ばす可能性を提示している。その結果、従来のフュージョンドロー溶融および成形プラットフォームの寿命限定部材は、ガラスを加熱するために使用される電極である。酸化スズ電極は、時間の経過と共にゆっくりと腐食し、腐食速度は、温度とガラス組成物の両方の強力な関数である。資産の耐用年数を最大にするために、上述した欠陥を限定する属性を維持しながら、電極の腐食速度を減少させる組成物を特定することが望ましい。
【0019】
高い徐冷点、およびそれゆえ良好な寸法安定性(すなわち、低い圧密)を有する無アルカリガラス、およびその製造方法がここに記載されている。それに加え、例示の組成物は、非常に高い液相粘度を有し、それゆえ、成形マンドレル上での失透の可能性が低下するか、またはなくなる。それらの組成物の具体的な詳細の結果として、例示のガラスは、ガス状含有物のレベルが非常に低く、貴金属、耐火物、および酸化スズ電極材料に対する腐食が最小である良好な品質に溶融する。
【0020】
ここに記載された実施の形態は、既存のLotus(商標)ガラス一族に対して製造可能性および費用を改善しつつ、優れたトータルピッチ精度(TPV)も維持する。このことは、ディスプレイ用途に関して従来望ましい範囲内に密度およびCTEを維持しつつ、高い液相粘度との粘度曲線の独特な組合せにより達成される。適度な徐冷点を有する従来のガラスは、これらの属性の内のいくつかを示してきたかもしれないが、全て同時ではなく、このことが独特で意外な組成範囲となる。
【0021】
アモルファスシリコン、酸化物および低温ポリシリコンTFT過程におけるTFTバックプレーン基板として使用するための、高い徐冷点、およびそれゆえ、良好な寸法安定性(すなわち、低い圧密)を有する、アルカリを実質的に含まないガラスが、ここに開示されている。ここに記載された例示のガラスには、a-Siおよび酸化物-TFT技術による高性能ディスプレイのための適切な使途も見出されている。徐冷点の高いガラスは、ガラスの製造後の熱加工中の圧密/収縮または応力緩和のために、パネルの歪みを防ぐことができる。開示されたガラスは、その粘度曲線のために、比較的低い溶融温度と清澄温度の追加の特徴を有する。そのような粘度曲線を有するガラスについて、例示のガラスは、異常に高い液相粘度、およびそれゆえ、成形装置における冷たい場所での失透に対して著しく低下したリスクも有する。低いアルカリ濃度が一般に望ましいが、実際には、アルカリを完全に含まないガラスを経済的に製造することが難しいかまたは不可能であろうことを理解すべきである。問題のアルカリは、原材料中の汚染物質、耐火物中の微量成分などとして生じ、完全になくすことは非常に難しいことがある。したがって、例示のガラスは、アルカリ元素LiO、NaO、およびKOの総濃度が約0.1モルパーセント(モル%)未満である場合、アルカリを実質的に含まないと考える。
【0022】
1つの実施の形態において、実質的に無アルカリのガラスは、約750℃超、765℃超、または770℃超の徐冷点を有する。例示のガラスのバックプレーン基板または担体としての使用を可能にするために、そのような高い徐冷点は、低い緩和率(圧密、応力緩和のいずれか、または両方により)、およびそれゆえ少量の寸法変化を与える。別の実施の形態において、35,000ポアズの粘度では、例示のガラスは、約1280℃未満、1270℃未満、または1266℃未満の対応する温度(T35kP)を有する。ガラスの液相温度(Tliq)は、それより高いと結晶相がガラスと平衡状態で共存できない最高温度である。別の実施の形態において、ガラスの液相温度に対応する粘度は、約100,000ポアズ超、約150,000ポアズ超、または約180,000ポアズ超である。別の実施の形態において、200ポアズの粘度で、例示のガラスは、約1665℃未満、1650℃未満、または1640℃未満の対応する温度(T200P)を有する。別の実施の形態において、例示のガラスは、890℃未満、880℃未満、870℃未満、または865℃未満のT200Pと徐冷点(T(ann))との間の温度差を有する。
【0023】
1つ以上の実施の形態において、実質的に無アルカリのガラスは、酸化物基準のモルパーセントで表して、66~70.5のSiO、11.2~13.3のAl、2.5~6のB、2.5~6.3のMgO、2.7~8.3のCaO、1~5.8のSrO、および0~3のBaOを含み、0.98≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≦1.38、および0.18≦MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)≦0.45、ここで、Al、MgO、CaO、SrOおよびBaOは、それぞれの酸化物成分のモルパーセントを表す。
【0024】
さらなる実施の形態において、実質的に無アルカリのガラスは、酸化物基準のモルパーセントで表して、68~69.5のSiO、12.2~13のAl、3.5~4.8のB、3.7~5.3のMgO、4.7~7.3のCaO、1.5~4.4のSrO、および0~2のBaOを含み、1.07≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≦1.2、および0.24≦MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)≦0.36、ここで、Al、MgO、CaO、SrOおよびBaOは、それぞれの酸化物成分のモルパーセントを表す。
【0025】
さらなる実施の形態において、実質的に無アルカリのガラスは、酸化物基準のモルパーセントで表して、68.3~69.5のSiO、12.4~13のAl、3.7~4.5のB、4~4.9のMgO、5.2~6.8のCaO、2.5~4.2のSrO、および0~1のBaOを含み、1.09≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≦1.16、および0.25≦MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)≦0.35、ここで、Al、MgO、CaO、SrOおよびBaOは、それぞれの酸化物成分のモルパーセントを表す。
【0026】
1つの実施の形態において、例示のガラスは化学清澄剤を含む。そのような清澄剤としては、以下に限られないが、SnO、As、Sb、F、ClおよびBrが挙げられ、その化学清澄剤の濃度は、0.5モル%以下のレベルに維持される。化学清澄剤として、CeO、Fe、およびMnOなどの遷移金属の他の酸化物も挙げられるであろう。これらの酸化物は、ガラス中の最終的な原子価状態における可視吸収により、ガラスに色を与えることがあり、それゆえ、その濃度は、0.2モル%以下のレベルに維持され得る。
【0027】
1つの実施の形態において、例示のガラスは、フュージョン法によってシートに製造される。このフュージョンドロー法により、高解像度のTFTバックプレーンおよびカラーフィルタに対する表面媒介歪みを減少させる、無垢な火仕上げされたガラス表面がもたらされる。図1は、成形マンドレル、またはアイソパイプの位置でのフュージョンドロー法の概略図であり、アイソパイプは、その勾配樋の設計により、アイソパイプの長さに沿った(左から右に)全ての地点で同じ(それゆえ、「アイソ(iso)」)流れを生じるので、そのように呼ばれる。図2は、図1の位置6に近いアイソパイプの概略断面図である。ガラスが入口1から導入され、堰の壁9により形成された樋の底部4に沿って、圧縮端2に流れる。ガラスは、アイソパイプの両側で堰の壁9から溢れ(図2参照)、ガラスの2つの流れが基部10で接合または融合する。アイソパイプの両端にあるエッジディレクタ3は、ガラスを冷やし、ビードと呼ばれるより厚い片をエッジに作る働きをする。そのビードは、牽引ロールによって下に引っ張られ、よって、高粘度でのシート形成が可能になる。シートがアイソパイプから引き出される速度を調節することによって、フュージョンドロー法を使用して、一定の溶融速度で非常に幅広い厚さを生じることが可能になる。
【0028】
ダウンドローシート延伸法、および特に、ここに引用される特許文献1および2(両方ともDockerty)に記載されたフュージョン法を、ここに使用することができる。フロート法などの他の成形法と比べて、フュージョン法は、いくつかの理由のために好ましい。第一に、フュージョン法により製造されたガラス基板は、研磨を必要としない。現行のガラス基板の研磨は、原子間力顕微鏡法で測定して、約0.5nm超の平均表面粗さ(Ra)を有するガラス基板を製造することができる。フュージョン法により製造されるガラス基板は、0.5nm未満の、原子間力顕微鏡法で測定される平均表面粗さを有する。その基板は、150psi(約1.03MPa)以下の、光学的遅れにより測定される平均内部応力も有する。
【0029】
1つの実施の形態において、例示のガラスは、フュージョン法を使用してシート形態に製造される。例示のガラスは、フュージョン法に適合しているが、それらは、要求がそれほど厳しくない製造法によって、シートまたは他の商品に製造されることもある。そのような製造法に、スロットドロー法、フロート法、圧延法、および当業者に公知の他のシート成形法がある。このように、ここに記載された実施の形態は、以下に限られないが、フロート成形法などの他の成形法にも等しく適用できるので、ここに付随の特許請求の範囲はフュージョン法に限定されるべきではない。
【0030】
ガラスのシートを形成するこれらの代わりの方法に対して、先に述べられたようなフュージョン法は、無垢な表面を有する、非常に薄く、非常に平らな、非常に均一なシートを作ることができる。スロットドロー法は、無垢な表面を得ることができるが、時間の経過によるオリフィス形状の変化、オリフィスとガラスの界面での揮発性破片の蓄積、および真に平らなガラスを供給するためのオリフィスを作るという難題のために、スロットドロー法により製造されたガラスの寸法の均一性および表面品質は、一般に、フュージョンドロー法により製造されたガラスより劣っている。フロート法は、非常に大型の均一なシートを供給することができるが、その表面は、片面でのフロート浴との接触により、そして反対の面でのフロート浴からの凝縮生成物への暴露により実質的に損なわれる。これは、フロートガラスは、高性能ディスプレイ用途に使用するためには、研磨されなければならないことを意味する。
【0031】
フロート法とは異なり、フュージョン法は、高温からのガラスの急冷をもたらし、これにより、高い仮想温度Tfが生じる。この仮想温度は、ガラスの構造状態と、関心のある温度で完全に緩和したとしたときの状態との間の相違を表すと考えることができる。ここで、Tp<Tg≦Tfとなるように、ガラス転移温度Tgを有するガラスを工程温度Tpに再加熱する工程の結果を検討する。Tp<Tfであるので、ガラスの構造状態は、Tpで平衡から外れており、ガラスは、自発的に、Tpで平衡な構造状態へと緩和する。この緩和速度は、Tpでのガラスの有効粘度と逆比例し、よって、高い粘度により遅い緩和速度となり、低い粘度により速い緩和速度となる。有効粘度は、ガラスの仮想温度と逆に変動し、よって、低い仮想温度は高い粘度をもたらし、高い仮想温度は比較的低い粘度をもたらす。したがって、Tpでの緩和速度は、ガラスの仮想温度と直接的に関連する。高い仮想温度を導入する過程は、ガラスがTpで再加熱されたときに、比較的高い緩和速度をもたらす。
【0032】
Tpでの緩和速度を減少させる手段の1つは、その温度でのガラスの粘度を増加させることである。ガラスの徐冷点は、ガラスが1013.2ポアズの粘度を有する温度を表す。温度が徐冷点より低く低下するにつれて、過冷された溶融物の粘度が上昇する。Tg未満の固定温度では、徐冷点が高いほうのガラスは、徐冷点が低いほうのガラスよりも高い粘度を有する。したがって、Tpでの基板ガラスの粘度を上昇させるために、その徐冷点を上昇させることを選択するかもしれない。残念ながら、一般に、徐冷点を上昇させるのに必要な組成変化は、全ての他の温度での粘度も上昇させることは事実である。具体的には、フュージョン法により製造されたガラスの仮想温度は、約1011~1012ポアズの粘度に相当し、よって、フュージョン法に適合するガラスの徐冷点を上昇させると、一般に、その仮想温度も同様に上昇する。所定のガラスについて、仮想温度が高いほど、Tg未満の温度での粘度が低くなり、それゆえ、仮想温度を上昇させることは、徐冷点を上昇させることによって、そうしなければ得られるであろう粘度の上昇と反対に働く。Tpでの緩和速度における実質的な変化を見るために、徐冷点を比較的大きく変化させることが一般に必要である。例示のガラスの実施の形態は、そのガラスが、約750℃超、765℃超、または770℃超の徐冷点を有することである。操作のどの特定の理論によっても束縛されないが、そのような高い徐冷点により、低温TFT加工、例えば、典型的な低温ポリシリコン高速熱アニールサイクルまたは酸化物TFT加工の適合するサイクル中の熱緩和の許容できるほど低い速度となると考えられる。
【0033】
徐冷点を上昇させると、仮想温度に対するその影響に加え、溶融および成形システム全体の温度、特に、アイソパイプ上の温度も上昇する。例えば、「Eagle XG」および「Lotus」(ニューヨーク州、コーニング所在のCorning Incorporated)は、約50℃異なる徐冷点を有し、それらがアイソパイプに供給される温度も、約50℃異なる。ジルコン耐火物は、高温で長期間に亘り保持されると、熱クリープを示し、これは、アイソパイプ自体の質量に加え、アイソパイプ上のガラスの質量によって促進され得る。例示のガラスの第2の実施の形態は、750℃を超える徐冷点を有するのと同時に、その供給温度が、1280℃未満であることである。そのような供給温度は、アイソパイプを交換せずに長期の製造キャンペーンを続けさせ、高い徐冷点により、そのガラスを、酸化物TFTまたはLTPS過程を理由するものなど、高性能ディスプレイの製造に使用することができる。
【0034】
この基準に加え、フュージョン法は、典型的に、高い液相粘度を有するガラスを伴う。このことは、ガラスとの界面での失透生成物を避け、最終的なガラス中に目に見える失透生成物を最小にするために必要である。特定のシートサイズと厚さのフュージョンに適合する所定のガラスについて、より幅が広いシートまたはより厚いシートを製造するようにその過程を調節すると、一般に、アイソパイプ(フュージョン法のための成形マンドレル)の両端の温度が低くなる。それゆえ、液相粘度の高い例示のガラスは、フュージョン法による製造の融通性をより大きくすることができる。
【0035】
フュージョン法で形成されるために、例示のガラス組成物が、130,000ポアズ以上、150,000ポアズ以上、または200,000ポアズ以上の液相粘度を有することが望ましい。意外な結果は、例示のガラスの範囲の全体に亘り、ガラスの液相粘度が、例示の範囲の外側の組成物と比べて異常に高いように、十分に低い液相温度、および十分に高い粘度を得ることができることである。
【0036】
ここに記載されたガラス組成物において、SiOは基礎ガラス形成材として働く。特定の実施の形態において、SiOの濃度は、ガラスに、フラットパネルディスプレイ用ガラス(例えば、AMLCDガラス)に適した密度と化学的耐久性、およびダウンドロー法(例えば、フュージョン法)によりガラスを形成できるようにする、液相温度(または液相粘度)を与えるために、66モルパーセント以上であり得る。上限に関して、一般に、SiOの濃度は、従来の大量溶融技術、例えば、耐火性溶融装置内でのジュール溶融を使用してバッチ材料を溶融できるように、約70.5モルパーセント以下であり得る。SiOの濃度が増加するにつれて、200ポアズ温度(溶融温度)が一般に上昇する。様々な用途において、SiOの濃度は、そのガラス組成物が1665℃以下の溶融温度を有するように調節される。1つの実施の形態において、SiOの濃度は、66モルパーセントと70.5モルパーセントの間である。
【0037】
Alは、ここに記載されたガラスを製造するために使用される別のガラス形成材である。11.2モルパーセント以上のAlの濃度が、ガラスに低い液相温度および高い粘度を与え、高い液相粘度をもたらす。少なくとも12モルパーセントのAlを使用すると、ガラスの徐冷点およびヤング率を改善もする。比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Alが0.98以上であるためには、Alの濃度を約13.3モルパーセント未満に維持することが望ましい。1つの実施の形態において、Alの濃度は、約11.2モルパーセントと13.3モルパーセントのの間であり、他の実施の形態において、この範囲は、(MgO+CaO+SrO+BaO)/Alの比を0.98以上に維持しつつ、保持される。
【0038】
は、ガラス形成材でありかつ、溶融を促進し、溶融温度を低下させる融剤でもある。液相温度に対する影響は、粘度に対する影響と少なくとも同じだけ大きく、よって、ガラスの液相粘度を上昇させるために、Bを増加させることを使用できる。これらのガラスの液相粘度を最大にするために、ここに記載されたガラス組成物は、2.5モルパーセント以上のBの濃度を有する。SiOに関して先に述べたように、ガラスの耐久性は、LCD用途にとって非常に重要である。耐久性は、上昇した濃度のアルカリ土類酸化物によりある程度制御することができ、上昇したB含有量によって著しく低下させることができる。徐冷点は、ヤング率のように、Bが増加すると共に低下し、よって、アモルファスシリコン基板における典型的な濃度に対して、B含有量を低く維持することが望ましい。それゆえ、1つの実施の形態において、ここに記載されたガラスは、2.5モルパーセントと6モルパーセントの間のB濃度を有する。
【0039】
AlおよびBの濃度は、ガラスの溶融特性および成形特性を維持しつつ、徐冷点を上昇させ、モジュラスを増加させ、耐久性を改善し、密度を低下させ、熱膨張係数(CTE)を減少させるために、対として選択することができる。
【0040】
例えば、Bの増加およびAlの対応する減少は、より低い密度とCTEを維持するのに役立ち得るのに対し、Alの増加により、(MgO+CaO+SrO+BaO)/Alの比が約1.0未満に減少しないという条件で、Alの増加およびBの対応する減少は、徐冷点、モジュラス、および耐久性を上昇させるのに役立ち得る。約1.0未満の(MgO+CaO+SrO+BaO)/Alの比について、シリカの原材料の後期溶融のために、ガラスからガス状含有物を除去することが難しいか、または不可能であろう。さらに、(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≦1.05である場合、アルミノケイ酸塩結晶であるムライトが液相として現れ得る。ムライトが液相として一旦存在したら、液相線の組成感度が著しく増加し、ムライトの失透生成物が、非常に急速に成長し、かつ一旦生じたら、除去するのが非常に難しい。それゆえ、1つの実施の形態において、ここに記載されたガラスは、(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≧1.05を有する。また、AMLCD用途に使用する追加の例示のガラスは、28~42×10-7/℃、30~40×10-7/℃、または32~38×10-7/℃の範囲内の熱膨張係数(CTE)(22~300℃)を有する。
【0041】
ここに記載されたガラスは、ガラス形成材(SiO、Al、およびB)に加え、アルカリ土類酸化物も含む。1つの実施の形態において、少なくとも3つのアルカリ土類酸化物、例えば、MgO、CaO、およびBaO、並びに必要に応じて、SrOが、前記ガラス組成物の一部である。別の実施の形態において、BaOの代わりにSrOが使用される。別の実施の形態において、MgO、CaO、SrO、およびBaOの4つ全てが存在する。そのアルカリ土類酸化物は、ガラスに、溶融、清澄、成形、および最終用途にとって重要な様々な性質を与える。したがって、これらに関するガラス性能を改善するために、1つの実施の形態において、(MgO+CaO+SrO+BaO)/Alの比は、1.05以上である。この比が増加するにつれて、粘度は、液相温度よりも強力に減少する傾向にあり、それゆえ、液相粘度の適切に高い値を得ることが次第に難しくなる。それゆえ、別の実施の形態において、比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Alは、1.38以下である。
【0042】
特定の実施の形態について、アルカリ土類酸化物は、事実上、単一の組成成分であるものとして扱われることがある。これは、粘弾性特性、液相温度および液相の関係に対する影響が、ガラス形成酸化物であるSiO、AlおよびBに対するものより、定性的に互いにより似ているためである。しかしながら、アルカリ土類酸化物のCaO、SrOおよびBaOは、長石鉱物、特に、灰長石(CaAlSi)およびセルシアン(BaAlSi)および同じストロンチウムを有する固溶体を形成することができるが、MgOは、これらの結晶に著しい程度には関与しない。したがって、長石結晶がすでに液相である場合、MgOの上乗せ添加は、結晶に対して液体を安定化し、それゆえ、液相温度を低下させる働きをするであろう。それと同時に、粘度曲線は、一般に、より急勾配となり、低温粘度にほとんどまたは全く影響せずに、溶融温度を低下させる。上記の意味で、少量のMgOの添加は、高い徐冷点、およびそれゆえ低い圧密を維持しつつ、液相温度を低下させ、液相粘度を増加させることによって、成形に有利に働き、溶融温度を低下させることによって、溶融に有利に働く。このように、様々な実施の形態において、前記ガラス組成物は、約2.5モルパーセントから約6.3モルパーセントの範囲内の量でMgOを含む。
【0043】
徐冷点が高いガラスにおける液相線の傾向を調査した意外な結果は、適切に高い液相粘度を有するガラスに関して、他のアルカリ土類酸化物に対するMgOの比、MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)が、比較的狭い範囲内に入ることである。先に述べたように、MgOを添加すると、長石鉱物が不安定になり、それゆえ、液体が安定化し、液相温度が低下し得る。しかしながら、MgOが一旦特定のレベルに達すると、ムライトAlSi13が安定化され、それゆえ、液相温度が上昇し、液相粘度が低下するであろう。さらに、より高濃度のMgOは、液体の粘度を低下させる傾向にあり、それゆえ、MgOの添加によって液相粘度が不変のままである場合でさえ、やがて、液相粘度が低下することとなる。それゆえ、別の実施の形態において、0.18≦MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)≦0.45。MgOは、他の所望の性質を得るのと一致して、液相粘度の値を最大にするために、この範囲内で、ガラス形成材および他のアルカリ土類酸化物に対して変えられてもよい。
【0044】
前記ガラス組成物中に存在する酸化カルシウムは、低い液相温度(高い液相粘度)、高い徐冷点とヤング率、およびフラットパネル用途、特にAMLCD用途に最も望ましい範囲のCTEを生じることができる。その存在は、化学的耐久性に有利に寄与もし、他のアルカリ土類酸化物と比べて、それは、バッチ材料として比較的安価である。しかしながら、高濃度では、CaOにより、密度およびCTEが増す。さらに、十分に低いSiO濃度で、CaOは、灰長石を安定化し、それゆえ、液相粘度を低下させることがある。したがって、1つの実施の形態において、CaOの濃度は、4モルパーセント以上であり得る。別の実施の形態において、そのガラス組成物中のCaOの濃度は、約2.7モルパーセントと8.3モルパーセントの間にある。
【0045】
SrOおよびBaOは両方とも、低い液相温度(高い液相粘度)に寄与し得、それゆえ、ここに記載されたガラスは、典型的に、少なくともこれらの酸化物の両方を含有する。しかしながら、これらの酸化物の選択および濃度は、CTEと密度の増加、およびモジュラスと徐冷点の低下を避けるために選択される。SrOおよびBaOの相対的比率は、そのガラスをダウンドロー法で成形できるように、物理的性質と液相粘度の適切な組合せを得るようにバランスをとることができ、それらの総濃度は1モル%と9モル%の間にある。いくつかの実施の形態において、そのガラスは、約1モルパーセントから約5.8モルパーセントの範囲内でSrOを含む。1つ以上の実施の形態において、そのガラスは、約0モルパーセントから約3モルパーセントの範囲内でBaOを含む。
【0046】
本開示のガラスの中心成分の効果/役割をまとめると、SiOが基礎ガラス形成材である。AlおよびBも、ガラス形成材であり、対として選択することができ、例えば、Bの増加およびAlの対応する減少は、より低い密度とCTEを得るために使用されるのに対し、Alの増加により、RO=(MgO+CaO+SrO+BaO)である、RO/Alの比が約1未満に減少しないという条件で、Alの増加およびBの対応する減少は、徐冷点、ヤング率、および耐久性を上昇させるのに使用される。この比が低くなり過ぎると、溶融性が損なわれるかもしれない、すなわち、溶融温度が高くなり過ぎるかもしれない。溶融温度を低くするために、Bを使用することができるが、高レベルのBは徐冷点を損なう。
【0047】
溶融性および徐冷点の検討事項に加え、AMLCD用途について、ガラスのCTEは、シリコンのCTEに適合すべきである。そのようなCTE値を達成するために、例示のガラスは、ガラスのRO含有量を制御している。所定のAl含有量について、RO含有量を制御することは、RO/Al比を制御することに対応する。実際には、RO/Al比が約1.38未満である場合、適切なCTEを有するガラスを製造することができる。
【0048】
これらの検討事項に加えて、それらのガラスは、ダウンドロー法、例えば、フュージョン法により成形可能であり得る。これは、ガラスの液相粘度が比較的高い必要があることを意味する。個々のアルカリ土類は、そうでなければ形成されるであろう結晶相を不安定にさせ得るので、この点に関して、重要な役割を果たす。BaOおよびSrOは、液相粘度を制御する上で特に効果的であり、少なくともこの目的のために、例示にガラスに含まれる。下記に提示された例に示されるように、アルカリ土類の様々な組合せにより、液相粘度が高いガラスが製造され、そのアルカリ土類の合計は、低い溶融温度、高い徐冷点、および適切なCTEを達成するのに必要なRO/Al比の制約を満たす。
【0049】
上記成分に加え、ここに記載されたガラス組成物は、ガラスの様々な物理的属性、溶融属性、清澄属性、および成形属性を調節するために、様々な他の酸化物を含み得る。そのような他の酸化物の例としては、以下に限られないが、TiO、MnO、Fe、ZnO、Nb、MoO、ZrO、Ta、WO、Y、La、およびCeOが挙げられる。1つの実施の形態において、これらの酸化物の各々の量は、2.0モルパーセント以下であり得、それらの総濃度は、4.0モルパーセント以下であり得る。ここに記載されたガラス組成物は、バッチ材料に関連する、および/またはガラスを製造するために使用される溶融、清澄、および/または成形装置によってガラス中に導入される、様々な汚染物質、特に、FeおよびZrOも含み得る。そのガラスは、酸化スズ電極を使用したジュール溶融の結果として、および/またはスズ含有材料、例えば、SnO、SnO、SnCO、SnCなどのバッチ配合により、SnOも含有し得る。
【0050】
前記ガラス組成物は、概して無アルカリである;しかしながら、そのガラスは、いくらかのアルカリ汚染物質を含有し得る。AMLCD用途の場合、ガラスから薄膜トランジスタ(TFT)のシリコン中へのアルカリイオンの拡散によるTFT性能への悪影響を避けるために、アルカリレベルを0.1モルパーセント未満に維持することが望ましい。ここに用いられているように、「無アルカリガラス」は、0.1モルパーセント以下の総アルカリ濃度を有するガラスであり、ここで、総アルカリ濃度は、NaO、KO、およびLiOの濃度の合計である。1つの実施の形態において、その総アルカリ濃度は、0.1モルパーセント以下である。
【0051】
先に述べたように、1以上の(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al比は、清澄、すなわち、溶融されたバッチ材料からのガス状含有物の除去を改善する。この改善によって、より環境に優しい清澄パッケージを使用することができる。例えば、酸化物基準で、ここに記載されたガラス組成物は、以下の組成特徴の内の1つ以上または全てを有し得る:(i)多くとも0.05モルパーセントのAs濃度、(ii)多くとも0.05モルパーセントのSb濃度、(iii)多くとも0.25モルパーセントのSnO濃度。
【0052】
Asは、AMLCD用ガラスの効果的な高温清澄剤であり、ここに記載されたいくつかの実施の形態において、Asは、その優れた清澄特性のために、清澄に使用される。しかしながら、Asは、有害であり、ガラス製造過程中に特別な取扱いを要する。したがって、特定の実施の形態において、清澄は、相当量のAsを使用せずに行われる、すなわち、完成したガラスは、多くとも0.05モルパーセントのAsしか含まない。1つの実施の形態において、ガラスの清澄には、Asは意図的に使用されない。そのような場合、完成したガラスは、典型的に、バッチ材料および/またはそのバッチ材料を溶融するのに使用される設備中に存在する汚染物質の結果として、多くとも0.005モルパーセントのAsしか有さない。
【0053】
Asほど毒性ではないが、Sbも、有害であり、特別な取扱いを要する。その上、Sbは、清澄剤としてAsまたはSnOを使用するガラスと比べて、密度を上昇させ、CTEを上昇させ、徐冷点を低下させる。したがって、特定の実施の形態において、清澄は、相当量のSbを使用せずに行われる、すなわち、完成したガラスは、多くとも0.05モルパーセントのSbしか有さない。別の実施の形態において、ガラスの清澄には、Sbは意図的に使用されない。そのような場合、完成したガラスは、典型的に、バッチ材料および/またはそのバッチ材料を溶融するのに使用される設備中に存在する汚染物質の結果として、多くとも0.005モルパーセントのSbしか有さない。
【0054】
AsおよびSbによる清澄と比べて、スズによる清澄(すなわち、SnOによる清澄)は、一般にそれほど効果的ではないが、SnOは、公知の有害な特性を持たないどこにでもある材料である。また、長年に亘り、SnOは、AMLCD用ガラスのバッチ材料のジュール溶融における酸化スズ電極の使用により、そのようなガラスの一成分である。AMLCD用ガラスにおけるSnOの存在は、液晶ディスプレイの製造におけるこれらのガラスの使用にどのような公知の悪影響ももたらしていない。しかしながら、高濃度のSnOは、AMLCD用ガラスに結晶欠陥を形成させ得るので、好ましくない。ひとつの実施の形態において、完成したガラス中のSnOの濃度は、0.25モルパーセント以下である。
【0055】
スズによる清澄は、単独で使用しても、所望であれば、他の清澄技術との組合せで使用しても差し支えない。例えば、スズによる清澄は、ハロゲン化物による清澄、例えば、臭素による清澄と組み合わせることができる。他の可能性のある組合せとしては、以下に限られないが、スズによる清澄に加え、硫酸塩、硫化物、酸化セリウム、機械的泡立て、および/または真空による清澄が挙げられる。これらの他の清澄技術は単独で使用しても差し支えないと考えられる。特定の実施の形態において、(MgO+CaO+SrO+BaO)/Alの比および個々のアルカリ土類の濃度を先に述べられた範囲内に維持することにより、清澄過程をより容易にかつより効果的に行うことができる。
【0056】
ここに記載されたガラスは、当該技術分野で公知の様々な技術を使用して製造することができる。1つの実施の形態において、これらのガラスは、例えば、フュージョンダウンドロー法などのダウンドロー法を使用して製造される。1つの実施の形態において、無アルカリのガラスシートであって、そのシートを構成するガラスが、SiO、Al、B、MgO、CaOおよびBaOを含み、酸化物基準で、(i)1以上の(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al比;(ii)2.5モルパーセント以上のMgO含有量;(iii)2.7モルパーセント以上のCaO含有量;および(iv)1モルパーセント以上の(SrO+BaO)含有量を有するように、バッチ材料を選択し、溶融し、清澄する工程を有してなるダウンドロー法により、無アルカリのガラスシートを製造する方法であって、(a)清澄工程は、相当量のヒ素を使用せずに(必要に応じて、相当量のアンチモンを使用せずに)行われ、(b)溶融され、清澄されたバッチ材料からダウンドロー法により製造された50枚の連続したガラスシートの個体群は、0.10ガス状含有物/立方センチメートル未満のレベルの平均ガス状含有物を有し、その個体群における各シートが、少なくとも500立方センチメートルの体積を有する、方法が記載されている。
【0057】
米国特許第5785726号(Dorfeld等)、同第6128924号(Bange等)、同第5824127号(Bange等)、および同時係属特許出願第11/116669号の各明細書に、無ヒ素ガラスを製造するプロセスが開示されている。米国特許第7696113号(Ellison)明細書には、ガス状含有物を最小にするために鉄およびスズを使用して、ヒ素とアンチモンを含まないガラスを製造するプロセスが開示されている。米国特許第5785726号、同第6128924号、同第5824127号、同時係属特許出願第11/116669号、および米国特許第7696113号の各々の全てがここに引用される。
【0058】
1つの実施の形態において、溶融され清澄されたバッチ材料からダウンドロー法により製造される50枚の連続したガラスシートの個体群は、0.05ガス状含有物/立方センチメートル未満の平均ガス状含有物を有し、その個体群における各シートが、少なくとも500立方センチメートルの体積を有する。
【0059】
いくつかの実施の形態において、例示のガラスは、顧客に対面する属性の特定の閾値を満たす粘度曲線および高い液相粘度を有し、下記の表1の組成範囲を有し、ここで、Al、MgO、CaO、SrOおよびBaOは、それぞれの酸化物成分のモルパーセントを表す。
【0060】
【表1】
【0061】
いくつかの実施の形態において、例示のガラスは、顧客に対面する属性の特定の閾値を満たす粘度曲線および高い液相粘度を有し、下記の表2の組成範囲を有し、ここで、Al、MgO、CaO、SrOおよびBaOは、それぞれの酸化物成分のモルパーセントを表す。
【0062】
【表2】
【0063】
いくつかの実施の形態において、例示のガラスは、顧客に対面する属性の特定の閾値を満たす粘度曲線および高い液相粘度を有し、下記の表3の組成範囲を有し、ここで、Al、MgO、CaO、SrOおよびBaOは、それぞれの酸化物成分のモルパーセントを表す。
【0064】
【表3】
【0065】
いくつかの実施の形態において、例示のガラスは、顧客に対面する属性の特定の閾値を満たす粘度曲線および高い液相粘度を有し、下記の表4の組成範囲を有し、ここで、Al、MgO、CaO、SrOおよびBaOは、それぞれの酸化物成分のモルパーセントを表す。
【0066】
【表4】
【0067】
いくつかの実施の形態において、いくつかの例示のガラスの実施の形態は、凸包により記載することができ、この凸包は、所定の寸法の空間内に一連の点を含有する最小の凸境界線に対応する。表1、2、3および4に含まれる組成のいずれかにより作られる空間を考えた場合、SiOを1つの群と考え、AlおよびBをAl2O3_B2O3という名称の群と考え、残りの成分を、MgO、CaO、SrO、BaO、SnO、およびそれぞれの範囲で列挙された他の酸化物を含有する、ROという名称の群と考え、これらの組成物についてそれぞれの凸包を定義することができる。例えば、三成分空間は、モルパーセントで表1の組成物により設定された境界を有し、図3に示される空間により定義することができる。下記の表5は、表1に定義された組成範囲に関する凸包の境界を定義する組成物(モルパーセント)を提供する。
【0068】
【表5】
【0069】
さらなる実施の形態において、例示のガラスは、SiO、Al2O3_B2O3という名称の群、およびMgO、CaO、SrO、BaO、SnO、およびそれぞれの範囲で列挙された他の酸化物を含有する、ROという名称の群と考えられた残りの成分について、先の表2により作られた空間により定義された凸包により記載することができる。次に、三成分空間は、モルパーセントで表2の組成物により境界が設定され、図4に示される空間により定義することができる。下記の表6は、表2に定義された範囲に関する凸包の境界を定義する組成物(モルパーセント)を提供する。
【0070】
【表6】
【0071】
追加の実施の形態において、例示のガラスは、SiO、Al2O3_B2O3という名称の群、およびMgO、CaO、SrO、BaO、SnO、およびそれぞれの範囲で列挙された他の酸化物を含有する、ROという名称の群と考えられた残りの成分について、先の表3により作られた空間により定義された凸包により記載することができる。次に、三成分空間は、モルパーセントで表3の組成物により境界が設定され、図5に示される空間により定義することができる。下記の表7は、表3に定義された範囲に関する凸包の境界を定義する組成物(モルパーセント)を提供する。
【0072】
【表7】
【0073】
いくつかの実施の形態において、例示のガラスは、SiO、Al2O3_B2O3という名称の群、およびMgO、CaO、SrO、BaO、SnO、およびそれぞれの範囲で列挙された他の酸化物を含有する、ROという名称の群と考えられた残りの成分について、先の表4により作られた空間により定義された凸包により記載することができる。次に、三成分空間は、モルパーセントで表4の組成物により境界が設定され、図6に示される空間により定義することができる。下記の表8は、表4に定義された範囲に関する凸包の境界を定義する組成物(モルパーセント)を提供する。
【0074】
【表8】
【0075】
次に、そのような例示の組成物の実施の形態について、属性に関して、式を作成することができる。例えば、下記の式1は、以下に限られないが、ヤング率などの、顧客に対面する属性の特定の閾値を満たす粘度曲線および高い液相粘度を有する、モルパーセントで表された例示のガラスの適切な範囲を提供する:
70GPa≦549.899-4.811SiO-4.023Al-5.651-4.004MgO-4.453CaO-4.753SrO-5.041BaO≦90GPa (1)
【0076】
図7は、表5に示された組成の境界により囲まれた図3の凸包内で無作為に選択された20000の組成に関する式(1)のグラフ表示である。
【0077】
さらなる非限定例により、下記の式2は、以下に限られないが、徐冷点などの、顧客に対面する属性の特定の閾値を満たす粘度曲線および高い液相粘度を有する、モルパーセントで表された例示のガラスの適切な範囲を提供する:
720℃≦1464.862-6.339SiO-1.286Al-17.284-12.216MgO-11.448CaO-11.367SrO-12.832BaO≦810℃ (2)
【0078】
図8は、表5に示された組成の境界により囲まれた図3の凸包内で無作為に選択された20000の組成に関する式(2)のグラフ表示である。
【0079】
もちろん、そのような例は、当業者が、さらなる顧客に対面する属性の関数として例示のガラスの追加の組成成分を定義するであろうから、ここに付随の特許請求の範囲を限定すべきではない。
【0080】
いくつかの実施の形態は、酸化物基準のモルパーセントで表して、66~70.5のSiO、11.2~13.3のAl、2.5~6のB、2.5~6.3のMgO、2.7~8.3のCaO、1~5.8のSrO、および0~3のBaOを含む、アルカリを実質的に含まないガラスを提供し、ここで、SiO、Al、B、MgO、CaO、SrOおよびBaOは、酸化物成分のモルパーセントを表す。さらなる実施の形態は、0.98≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≦1.38のRO/Al比または0.18≦MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)≦0.45のMgO/RO比を含む。いくつかの実施の形態は、化学清澄剤としてSnO、As、またはSb、F、ClまたはBrのいずれか1つまたは組合せも0.01から0.4モル%で含有することがある。いくつかの実施の形態は、化学清澄剤としてFe、CeO、またはMnOのいずれか1つまたは組合せも0.005から0.2モル%で含有することがある。いくつかの実施の形態は、750℃超、765℃超、または770℃超の徐冷点を有することがある。いくつかの実施の形態は、100,000ポアズ超、150,000ポアズ超、または180,000ポアズ超の液相粘度を有することがある。いくつかの実施の形態は、80GPa超、81GPa超、または81.5GPa超のヤング率を有することがある。いくつかの実施の形態は、2.55g/cc未満、2.54g/cc未満、または2.53g/cc未満の密度を有することがある。いくつかの実施の形態は、1665℃未満、1650℃未満、または1640℃未満のT200Pを有することがある。いくつかの実施の形態は、1280℃未満、1270℃未満、または1266℃未満のT35kPを有することがある。いくつかの実施の形態は、890℃未満、880℃未満、870℃未満、または865℃未満のT200P-T(ann)を有することがある。いくつかの実施の形態は、890℃未満のT200P-T(ann)、T(ann)≧750℃、80GPa超のヤング率、2.55g/cc未満の密度、および100,000ポアズ超の液相粘度を有することがある。いくつかの実施の形態は、880℃未満のT200P-T(ann)、T(ann)≧765℃、81GPa超のヤング率、2.54g/cc未満の密度、および150,000ポアズ超の液相粘度を有することがある。いくつかの実施の形態は、865℃未満のT200P-T(ann)、T(ann)≧770℃、81.5GPa超のヤング率、2.54g/cc未満の密度、および180,000ポアズ超の液相粘度を有することがある。いくつかの実施の形態において、AsおよびSbは、約0.005モル%未満を占める。いくつかの実施の形態において、LiO、NaO、KO、またはその組合せは、ガラスの約0.1モル%未満を占める。いくつかの実施の形態において、原材料は、利用される各原材料に関して0と200質量ppmの間の硫黄を含む。これらのガラスから作られる例示の物体は、ダウンドローシート製造法またはフュージョン法またはその変種により製造することができる。
【0081】
いくつかの実施の形態は、酸化物基準のモルパーセントで表して、68~79.5のSiO、12.2~13のAl、3.5~4.8のB、3.7~5.3のMgO、4.7~7.3のCaO、1.5~4.4のSrO、および0~2のBaOを含む、アルカリを実質的に含まないガラスを提供し、ここで、SiO、Al、B、MgO、CaO、SrOおよびBaOは、酸化物成分のモルパーセントを表す。さらなる実施の形態は、1.07≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≦1.2のRO/Al比または0.24≦MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)≦0.36のMgO/RO比を含む。いくつかの実施の形態は、化学清澄剤としてSnO、As、またはSb、F、ClまたはBrのいずれか1つまたは組合せも0.01から0.4モル%で含有することがある。いくつかの実施の形態は、化学清澄剤としてFe、CeO、またはMnOのいずれか1つまたは組合せも0.005から0.2モル%で含有することがある。いくつかの実施の形態は、890℃未満のT200P-T(ann)、T(ann)≧750℃、80GPa超のヤング率、2.55g/cc未満の密度、および100,000ポアズ超の液相粘度を有することがある。いくつかの実施の形態は、880℃未満のT200P-T(ann)、T(ann)≧765℃、81GPa超のヤング率、2.54g/cc未満の密度、および150,000ポアズ超の液相粘度を有することがある。いくつかの実施の形態は、865℃未満のT200P-T(ann)、T(ann)≧770℃、81.5GPa超のヤング率、2.54g/cc未満の密度、および180,000ポアズ超の液相粘度を有することがある。いくつかの実施の形態において、AsおよびSbは、約0.005モル%未満を占める。いくつかの実施の形態において、LiO、NaO、KO、またはその組合せは、ガラスの約0.1モル%未満を占める。いくつかの実施の形態において、原材料は、利用される各原材料に関して0と200質量ppmの間の硫黄を含む。これらのガラスから作られる例示の物体は、ダウンドローシート製造法またはフュージョン法またはその変種により製造することができる。
【0082】
いくつかの実施の形態は、酸化物基準のモルパーセントで表して、68.3~69.5のSiO、12.4~13のAl、3.7~4.5のB、4~4.9のMgO、5.2~6.8のCaO、2.5~4.2のSrO、および0~1のBaOを含む、アルカリを実質的に含まないガラスを提供し、ここで、SiO、Al、B、MgO、CaO、SrOおよびBaOは、酸化物成分のモルパーセントを表す。さらなる実施の形態は、1.09≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≦1.16のRO/Al比または0.25≦MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)≦0.35のMgO/RO比を含む。いくつかの実施の形態は、化学清澄剤としてSnO、As、またはSb、F、ClまたはBrのいずれか1つまたは組合せも0.01から0.4モル%で含有することがある。いくつかの実施の形態は、化学清澄剤としてFe、CeO、またはMnOのいずれか1つまたは組合せも0.005から0.2モル%で含有することがある。いくつかの実施の形態は、890℃未満のT200P-T(ann)、T(ann)≧750℃、80GPa超のヤング率、2.55g/cc未満の密度、および100,000ポアズ超の液相粘度を有することがある。いくつかの実施の形態は、880℃未満のT200P-T(ann)、T(ann)≧765℃、81GPa超のヤング率、2.54g/cc未満の密度、および150,000ポアズ超の液相粘度を有することがある。いくつかの実施の形態は、865℃未満のT200P-T(ann)、T(ann)≧770℃、81.5GPa超のヤング率、2.54g/cc未満の密度、および180,000ポアズ超の液相粘度を有することがある。いくつかの実施の形態において、AsおよびSbは、約0.005モル%未満を占める。いくつかの実施の形態において、LiO、NaO、KO、またはその組合せは、ガラスの約0.1モル%未満を占める。いくつかの実施の形態において、原材料は、利用される各原材料に関して0と200質量ppmの間の硫黄を含む。これらのガラスから作られる例示の物体は、ダウンドローシート製造法またはフュージョン法またはその変種により製造することができる。
【0083】
いくつかの実施の形態は、関係式:70GPa≦549.899-4.811SiO-4.023Al-5.651-4.004MgO-4.453CaO-4.753SrO-5.041BaO≦90GPaにより定義される範囲のヤング率を有するガラスを提供し、ここで、SiO、Al、B、MgO、CaO、SrOおよびBaOは、酸化物成分のモルパーセントを表す。さらなる実施の形態は、1.07≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≦1.2のRO/Al比を含む。いくつかの実施の形態は、化学清澄剤としてSnO、As、またはSb、F、ClまたはBrのいずれか1つまたは組合せも0.01から0.4モル%で含有することがある。いくつかの実施の形態は、化学清澄剤としてFe、CeO、またはMnOのいずれか1つまたは組合せも0.005から0.2モル%で含有することがある。いくつかの実施の形態において、AsおよびSbは、約0.005モル%未満を占める。いくつかの実施の形態において、LiO、NaO、KO、またはその組合せは、ガラスの約0.1モル%未満を占める。いくつかの実施の形態において、原材料は、利用される各原材料に関して0と200質量ppmの間の硫黄を含む。これらのガラスから作られる例示の物体は、ダウンドローシート製造法またはフュージョン法またはその変種により製造することができる。
【0084】
いくつかの実施の形態は、関係式:720℃≦1464.862-6.339SiO-1.286Al-17.284-12.216MgO-11.448CaO-11.367SrO-12.832BaO≦810℃により定義される範囲の徐冷点を有するガラスを提供し、ここで、SiO、Al、B、MgO、CaO、SrOおよびBaOは、酸化物成分のモルパーセントを表す。さらなる実施の形態は、1.07≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≦1.2のRO/Al比を含む。いくつかの実施の形態は、化学清澄剤としてSnO、As、またはSb、F、ClまたはBrのいずれか1つまたは組合せも0.01から0.4モル%で含有することがある。いくつかの実施の形態は、化学清澄剤としてFe、CeO、またはMnOのいずれか1つまたは組合せも0.005から0.2モル%で含有することがある。いくつかの実施の形態において、AsおよびSbは、約0.005モル%未満を占める。いくつかの実施の形態において、LiO、NaO、KO、またはその組合せは、ガラスの約0.1モル%未満を占める。いくつかの実施の形態において、原材料は、利用される各原材料に関して0と200質量ppmの間の硫黄を含む。これらのガラスから作られる例示の物体は、ダウンドローシート製造法またはフュージョン法またはその変種により製造することができる。
【0085】
様々な開示の実施の形態は、その特定の実施の形態に関して記載された特定の特性、要素または工程を含むであろうことが認識されよう。ある特定の特性、要素または工程は、1つの特定の実施の形態に関して記載されているが、様々な図示されていない組合せまたは順序で代わりの実施の形態と置き換えられても、または組み合わされてもよいことも認識されよう。
【0086】
ここに用いられているように、名詞は、「少なくとも1つの」対象を指し、それと反対であると明白に示されていない限り、「たった1つの」対象に限定されるべきではないことも理解されよう。
【0087】
範囲は、「約」1つの特定の値から、および/または「約」別の特定の値まで、とここに表すことができる。そのように範囲が表現された場合、例は、その1つの特定の値から、および/または他方の特定の値までを含む。同様に、値が、「約」という先行詞を使用して、近似として表現されている場合、その特定の値は別の態様を形成することが理解されよう。それらの範囲の各々の端点は、他方の端点に関してと、他方の端点とは独立しての両方で有意であることがさらに理解されよう。
【0088】
ここに用いられている「実質的」、「実質的に」という用語、およびその変形は、記載された特性が、ある値または記載と等しいか、またはほぼ等しいことを留意することが意図されている。
【0089】
特に明記のない限り、ここに述べられたどの方法も、その工程が特定の順序で行われることを必要とすると考えられることは、決して意図されていない。したがって、方法の請求項が、その工程がしたがうべき順序を実際に列挙していない場合、もしくはその工程を特定の順序に限定すべきことが、特許請求の範囲または説明に他の具体的に述べられていない場合、どの特定の順序も暗示されていることは、決して意図されていない。
【0090】
特定の実施の形態の様々な特性、要素または工程が、「含む」という移行句を使用して開示されることがあるが、移行句「からなる」または「から実質的になる」を使用して記載することができるものを含む、代わりの実施の形態が暗示されることを理解すべきである。それゆえ、例えば、A+B+Cを含む装置に対して暗示される代わりの実施の形態は、装置がA+B+Cからなる実施の形態、および装置がA+B+Cから実質的になる実施の形態を含む。
【0091】
本開示の精神および範囲から逸脱せずに、本開示に様々な改変および変更を行えることが、当業者に明白であろう。本開示の精神および実体を含む開示の実施の形態の改変、組合せ、下位の組合せおよび変更が当業者に想起されるであろうから、本開示は、付随の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内に全てを含むと解釈されるべきである。
【実施例
【0092】
以下の実施例は、開示された主題による方法および結果を示すために、下記に述べられている。これらの実施例は、ここに開示された手段の全ての実施の形態を含むことは意図されておらず、代表的な方法および結果を示すことが意図されている。これらの実施例は、当業者に明白な本開示の同等物および変種を排除することは意図されていない。
【0093】
数(例えば、量、温度など)に関する精度を保証する努力が行われてきたが、ある程度の誤差および偏差を考慮すべきである。特に明記のない限り、温度は、℃で表されるか、または周囲温度であり、圧力は大気圧であるか、またはそれに近い。その組成物自体は、酸化物基準のモルパーセントで与えられ、100%に正規化されている。記載された過程から得られる生成物の純度および収率を最適にするために使用できる反応条件、例えば、成分濃度、温度、圧力および他の反応範囲と条件のバリエーションと組合せが数多くある。そのような工程条件を最適にするために、妥当かつ日常的な実験しか必要ない。
【0094】
この中の表に挙げられたガラスの性質は、ガラスの技術分野で標準の技術にしたがって決定した。それゆえ、温度範囲25~300℃に亘る線熱膨張係数(CTE)は×10-7/℃で表され、徐冷点は℃で表されている。これらは、ファイバ伸長技術(それぞれ、ASTM基準E228-85およびC336)により決定した。グラム/cmで表された密度は、アルキメデス法(ASTM C693)により測定した。℃で表された溶融温度(ガラス溶融物が200ポアズの粘度を示す温度として定義される)は、円筒形回転粘度計により測定した高温粘度データに対するフルチャーの式のフィッティングを用いて計算した(ASTM C965-81)。
【0095】
℃で表されたガラスの液相温度は、等温液相線法を使用して測定した。この方法は、小さい白金坩堝内に粉砕ガラス粒子を入れる工程、温度変化が厳しく制御された炉内にその坩堝を入れる工程、および24時間に亘り関心のある温度で坩堝を加熱する工程を有してなる。加熱後、坩堝を空冷し、顕微鏡検査を使用して、存在する結晶相およびガラスの内部の結晶化度の百分率を決定する。より詳しくは、ガラス試料を一片でPt坩堝から取り出し、偏光顕微鏡法を使用して検査して、Ptと空気の界面に対して、および試料の内部に形成された結晶の位置と性質を特定する。試料は、ガラスの実際の液相温度を囲むことを意図した多数の温度でこの過程に施される。一旦、様々な温度で結晶相と結晶化度のパーセントが特定されたら、これらの温度を使用して、関心のある組成物のゼロ結晶温度、または液相温度を特定することができる。試験は、時折、より遅い成長段階を観察するために、より長い時間(例えば、72時間)で行われる。表9の様々なガラスに関する結晶相は、以下の省略形により記載されている:anor--灰長石、アルミノケイ酸カルシウム鉱物;cris--クリストバライト(SiO);cels--混合アルカリ土類セルシアン;Sr/Alsil--アルミノケイ酸ストロンチウム相;SrSi--ケイ酸ストロンチウム相。ポアズで表される液相粘度は、液相温度およびフルチャーの式の係数から決定した。
【0096】
GPaで表されたヤング率の値は、ASTM E1875-00e1に述べられた一般型の共鳴超音波スペクトロスコピー技術を使用して決定した。
【0097】
例示のガラスが表9に与えられている。表9から分かるように、例示のガラスは、そのガラスを、AMLCD用基板用途、より詳しくは、低温ポリシリコンおよび酸化物薄膜トランジスタ用途などのディスプレイ用途に適したものとする密度、CTE、徐冷点およびヤング率の値を有し得る。この中の表に示されていないが、そのガラスは、市販のAMLCD用基板から得たものと類似の酸性および塩基性媒体中の耐久性を有し、それゆえ、AMLCD用途に適している。例示のガラスは、ダウンドロー技術を使用して形成することができ、特に、上述した基準により、フュージョン法に適合している。
【0098】
この中の表の例示のガラスは、90質量%が標準的な米国100メッシュの篩を通過するように粉砕されたシリカ源として市販の砂を使用して調製した。アルミナがアルミナ源であり、ペリクレースがMgO源であり、石灰石がCaO源であり、炭酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウムまたはその混合物がSrO源であり、炭酸バリウムがBaO源であり、酸化スズ(IV)がSnO源であった。原材料を完全に混合し、炭化ケイ素グローバーで加熱された炉内に吊された白金容器に装填し、1600℃と1650℃の間の温度で数時間に亘り溶融し撹拌して、均質性を確実にし、白金容器の底にあるオリフィスを通して送達した。得られたガラスのパテを徐冷点またはその近くで徐冷し、次に、様々な実験方法に施して、物理的、粘性および液相線属性を決定した。
【0099】
この中の表のガラスは、当業者に周知の標準方法を使用して調製できる。そのような方法に、連続溶融過程で行われるような、連続溶融過程があり、その連続溶融過程に使用される溶融装置は、ガス、電力、またはその組合せによって加熱される。
【0100】
例示のガラスを製造するのに適した原材料としては、SiO源としての市販の砂;Al源としての、アルミナ、水酸化アルミニウム、アルミナの水和形態、および様々なアルミノケイ酸塩、硝酸塩とハロゲン化物;B源としての、ホウ酸、無水ホウ酸および酸化ホウ素;MgO源としての、ペリクレース、ドロマイト(CaO源でもある)、マグネシア、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、およびケイ酸マグネシウム、アルミノケイ酸塩、硝酸塩とハロゲン化物の様々な形態;CaO源としての、石灰石、アラゴナイト、ドロマイト(MgO源でもある)、ウォラストナイト、およびケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸塩、硝酸塩とハロゲン化物の様々な形態;並びにストロンチウムおよびバリウムの酸化物、炭酸塩、硝酸塩とハロゲン化物が挙げられる。化学清澄剤が望ましい場合、SnOとして、別の主要なガラス成分との混合酸化物(例えば、CaSnO)として、または酸化条件下で、SnO、シュウ酸スズ、ハロゲン化スズ、または当業者に公知のスズの他の化合物として、スズを添加することができる。
【0101】
この中の表のガラスは、清澄剤としてSnOを含有するが、TFT基板用途のために十分な品質のガラスを得るために、他の化学清澄剤も使用して差し支えない。例えば、例示のガラスは、清澄を促進するための慎重な添加物として、As、Sb、CeO、Fe、およびハロゲン化物のいずれか1つまたは組合せを使用して差し支えなく、これらの内のいずれを、実施例に示されたSnO化学清澄剤と共に使用しても差し支えない。これらの内、AsおよびSbは、一般に、有害材料として認識され、ガラス製造の過程またはTFTパネルの加工において生じるであろうものなどの廃棄流の規制の対象である。したがって、AsおよびSbの濃度を、個別に、または組合せで、0.005モルパーセント以下に制限することが望ましい。
【0102】
例示のガラスに慎重に含まれる元素に加え、周期表におけるほぼ全ての安定元素が、原材料中の低レベルの汚染、製造過程における耐火物および貴金属の高温腐食、または最終的なガラスの属性を微調整するための低レベルでの慎重な導入のいずれかにより、あるレベルでガラス中に存在する。例えば、ジルコニウムは、ジルコニウムの豊富な耐火物との相互作用により、汚染物質とて導入されることがある。さらなる例としては、白金およびロジウムは、貴金属との相互作用により、導入されることがある。さらなる例として、鉄は、原材料中の混入物として導入されるか、またはガス状含有物の制御を向上させるために慎重に加えられることがある。さらなる例として、マンガンは、色を制御するために、またはガス状含有物の制御を向上させるために、導入されることがある。さらなる例として、アルカリは、LiO、NaOおよびKOの総濃度で約0.1モルパーセントまでのレベルで、混入成分として存在することがある。
【0103】
水素は、ヒドロキシル陰イオンOHの形態で必然的に存在し、その存在は、標準的な赤外線分光技術によって確認することができる。溶解したヒドロキシルイオンは、例示のガラスの徐冷点に著しくかつ非線形的に影響し、それゆえ、所望の徐冷点を得るために、補償するのに主要酸化物成分の濃度を調節する必要があるであろう。ヒドロキシルイオン濃度は、原材料の選択または溶融システムの選択により、ある程度制御できる。例えば、ホウ酸はヒドロキシルの主要源であり、ホウ酸を酸化ホウ素と交換することは、最終的なガラス中のヒドロキシル濃度を制御するための有用な手段であり得る。同じ根拠が、ヒドロキシルイオン、水和物、もしくは物理吸着または化学吸着された水分子を含む化合物を含む他の潜在的な原材料に当てはまる。溶融過程にバーナが使用される場合、ひいては、ヒドロキシルイオンは、天然ガスおよび関連する炭化水素の燃焼からの燃焼生成物によっても導入され得、それゆえ、補償するために、溶融に使用されるエネルギーをバーナから電極にシフトすることが望ましいであろう。あるいは、溶解したヒドロキシルイオンの有害な影響を補うために、主要酸化物成分を調節する反復プロセスを代わりに利用してもよい。
【0104】
硫黄は、天然ガス中にしばしば存在し、同様に、多くの炭酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物、および酸化物の原材料中の混入成分である。硫黄は、SOの形態で、ガス状含有物の厄介な供給源であり得る。SOの豊富な欠陥を形成する傾向は、原材料中の硫黄レベルを制御することにより、ガラスマトリクス中に低レベルの比較的還元された多価陽イオンを含ませることにより、有意な程度に管理することができる。理論で束縛する意図はないが、SOの豊富なガス状含有物は、ガラス中に溶解した硫酸基(SO )の還元により主に生じるようである。例示のガラスの上昇したバリウム濃度は、溶融の初期段階でガラス中の脱硫効果を増加させるようであるが、上述したように、バリウムは、低い液相温度、それゆえ、高い液相粘度を得るのに必要とされる。原材料中の硫黄レベルを低レベルに慎重に制御することは、ガラス中の溶解硫黄(おそらく硫酸塩として)を減少させる有用な手段である。詳しくは、硫黄は、バッチ材料中200質量ppm未満、またはバッチ材料中100質量ppm未満であり得る。
【0105】
例示のガラスのSOブリスターを形成する傾向を制御するために、還元された多価元素を使用しても差し支えない。理論で束縛する意図はないが、これらの元素は、硫酸塩還元のための起電力を抑制する潜在的な電子供与体として挙動する。硫酸基の還元は、
SO →SO+O+2e
などの半反応に関して記載でき、式中、eは電子を示す。この半反応の「平衡定数」は
eq=[SO][O][e/[SO
であり、式中、角括弧は化学的活性を示す。理想的には、その反応により、SO、O、およびeから硫酸基を作らせたい。硝酸塩、過酸化物、または他の酸素の豊富な原材料を添加することは、役立つてあろうが、溶融の初期段階における硫酸基の還元に不利に働くかもしれず、これは、初めの段階で、それらを添加する利益を無効にするであろう。SOは、ほとんどのガラス中に非常に低い溶解度を有し、よって、ガラス溶融過程に加えることが実際的ではない。電子は、還元された多価元素により「加えられる」であろう。例えば、第一鉄(Fe2+)の適切な電子供与半反応は
2Fe2+→2Fe3++2e
と表される。電子のこの「活性」は、硫酸基還元反応を左に強制し、ガラス中でSO を安定化させることができる。適切な還元された多価元素としては、以下に限られないが、Fe2+、Mn2+、Sn2+、Sb3+、As3+、V3+、Ti3+、および当業者に馴染みのある他のものが挙げられる。各場合において、ガラスの色に対する有害な影響を避けるために、もしくはAsとSbの場合には、エンドユーザの過程における廃棄物管理の複雑さを最小にするのにそのような成分を高い十分なレベルで加えることを避けるために、そのような成分の濃度を最小にすることが重要であろう。
【0106】
例示のガラスの主要酸化物成分、および上述した微量または混入成分に加え、原材料の選択により導入される汚染物質、またはガラス中のガス状含有物をなくすために使用される意図的な成分のいずれかとして、ハロゲン化物が様々なレベルで存在することがある。清澄剤として、約0.4モルパーセント以下のレベルでハロゲン化物が含まれることがあるが、排ガス取扱設備の腐食を避けるために、できればより少量を使用することが一般に望ましい。いくつかの実施の形態において、個々のハロゲン化物元素の濃度は、個々のハロゲン化物の各々について、約200質量ppm未満、または全てのハロゲン化物元素の合計について、約800質量ppm未満である。
【0107】
これらの主要酸化物成分、微量および混入成分、多価元素およびハロゲン化物清澄剤に加え、所望の物理的、光学的または粘弾性特性を達成するために、低濃度の他の無色酸化物成分を含ませることが有用であろう。そのような酸化物の例としては、以下に限られないが、TiO、ZrO、HfO、Nb、Ta、MoO、WO、ZnO、In、Ga、Bi、GeO、PbO、SeO、TeO、Y、La、Gd、および当業者に公知の他の化合物が挙げられる。例示のガラスの主要酸化物成分の相対的比率を調節する反復プロセスによって、そのような無色酸化物は、徐冷点または液相粘度に許容できない影響を与えずに、約2モルパーセントまでのレベルまで加えることができる。
【0108】
表9は、本開示のいくつかの実施の形態による例示のガラスを示している。
【0109】
【表9-1】
【0110】
【表9-2】
【0111】
【表9-3】
【0112】
【表9-4】
【0113】
【表9-5】
【0114】
【表9-6】
【0115】
【表9-7】
【0116】
【表9-8】
【0117】
【表9-9】
【0118】
【表9-10】
【0119】
【表9-11】
【0120】
【表9-12】
【0121】
【表9-13】
【0122】
【表9-14】
【0123】
【表9-15】
【0124】
【表9-16】
【0125】
【表9-17】
【0126】
【表9-18】
【0127】
【表9-19】
【0128】
【表9-20】
【0129】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0130】
実施形態1
酸化物基準のモルパーセントで表して、66~70.5のSiO、11.2~13.3のAl、2.5~6のB、2.5~6.3のMgO、2.7~8.3のCaO、1~5.8のSrO、および0~3のBaOを含む、アルカリを実質的に含まないガラス。
【0131】
実施形態2
0.98≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≦1.38である、実施形態1に記載のガラス。
【0132】
実施形態3
0.18≦MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)≦0.45である、実施形態1に記載のガラス。
【0133】
実施形態4
化学清澄剤としてSnO、As、またはSb、F、ClまたはBrのいずれか1つまたは組合せを0.01から0.4モル%で含有する、実施形態1に記載のガラス。
【0134】
実施形態5
化学清澄剤としてFe、CeO、またはMnOのいずれか1つまたは組合せを0.005から0.2モル%で含有する、実施形態1に記載のガラス。
【0135】
実施形態6
前記ガラスが、750℃超の徐冷点を有する、実施形態1に記載のガラス。
【0136】
実施形態7
前記ガラスが、765℃超の徐冷点を有する、実施形態1に記載のガラス。
【0137】
実施形態8
前記ガラスが、770℃超の徐冷点を有する、実施形態1に記載のガラス。
【0138】
実施形態9
前記ガラスが、100,000ポアズ超の液相粘度を有する、実施形態1に記載のガラス。
【0139】
実施形態10
前記ガラスが、150,000ポアズ超の液相粘度を有する、実施形態1に記載のガラス。
【0140】
実施形態11
前記ガラスが、180,000ポアズ超の液相粘度を有する、実施形態1に記載のガラス。
【0141】
実施形態12
前記ガラスが、80GPa超のヤング率を有する、実施形態1に記載のガラス。
【0142】
実施形態13
前記ガラスが、81GPa超のヤング率を有する、実施形態1に記載のガラス。
【0143】
実施形態14
前記ガラスが、81.5GPa超のヤング率を有する、実施形態1に記載のガラス。
【0144】
実施形態15
前記ガラスが、2.55g/cc未満の密度を有する、実施形態1に記載のガラス。
【0145】
実施形態16
前記ガラスが、2.54g/cc未満の密度を有する、実施形態1に記載のガラス。
【0146】
実施形態17
前記ガラスが、2.53g/cc未満の密度を有する、実施形態1に記載のガラス。
【0147】
実施形態18
前記ガラスが、1665℃未満のT200Pを有する、実施形態1に記載のガラス。
【0148】
実施形態19
前記ガラスが、1650℃未満のT200Pを有する、実施形態1に記載のガラス。
【0149】
実施形態20
前記ガラスが、1640℃未満のT200Pを有する、実施形態1に記載のガラス。
【0150】
実施形態21
前記ガラスが、1280℃未満のT35kPを有する、実施形態1に記載のガラス。
【0151】
実施形態22
前記ガラスが、1270℃未満のT35kPを有する、実施形態1に記載のガラス。
【0152】
実施形態23
前記ガラスが、1266℃未満のT35kPを有する、実施形態1に記載のガラス。
【0153】
実施形態24
前記ガラスが、890℃未満のT200P-T(ann)を有する、実施形態1に記載のガラス。
【0154】
実施形態25
前記ガラスが、880℃未満のT200P-T(ann)を有する、実施形態1に記載のガラス。
【0155】
実施形態26
前記ガラスが、870℃未満のT200P-T(ann)を有する、実施形態1に記載のガラス。
【0156】
実施形態27
前記ガラスが、865℃未満のT200P-T(ann)を有する、実施形態1に記載のガラス。
【0157】
実施形態28
前記ガラスが、890℃未満のT200P-T(ann)、T(ann)≧750℃、80GPa超のヤング率、2.55g/cc未満の密度、および100,000ポアズ超の液相粘度を有する、実施形態1に記載のガラス。
【0158】
実施形態29
前記ガラスが、880℃未満のT200P-T(ann)、T(ann)≧765℃、81GPa超のヤング率、2.54g/cc未満の密度、および150,000ポアズ超の液相粘度を有する、実施形態1に記載のガラス。
【0159】
実施形態30
前記ガラスが、865℃未満のT200P-T(ann)、T(ann)≧770℃、81.5GPa超のヤング率、2.54g/cc未満の密度、および180,000ポアズ超の液相粘度を有する、実施形態1に記載のガラス。
【0160】
実施形態31
AsおよびSbが、約0.005モル%未満を占める、実施形態1に記載のガラス。
【0161】
実施形態32
LiO、NaO、KO、またはその組合せが、前記ガラスの約0.1モル%未満を占める、実施形態1に記載のガラス。
【0162】
実施形態33
実施形態1に記載のガラスを製造する方法において、原材料が、利用される各原材料に関して0と200質量ppmの間の硫黄を含む、方法。
【0163】
実施形態34
実施形態1に記載のガラスから作られた物体であって、ダウンドローシート製造法により製造された物体。
【0164】
実施形態35
実施形態1に記載のガラスから作られた物体であって、フュージョン法またはその変種により製造された物体。
【0165】
実施形態36
実施形態1に記載のガラスから作られた液晶ディスプレイ用基板。
【0166】
実施形態37
酸化物基準のモルパーセントで表して、68~79.5のSiO、12.2~13のAl、3.5~4.8のB、3.7~5.3のMgO、4.7~7.3のCaO、1.5~4.4のSrO、および0~2のBaOを含む、アルカリを実質的に含まないガラス。
【0167】
実施形態38
1.07≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≦1.2である、実施形態37に記載のガラス。
【0168】
実施形態39
0.24≦MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)≦0.36である、実施形態37に記載のガラス。
【0169】
実施形態40
化学清澄剤としてSnO、As、またはSb、F、ClまたはBrのいずれか1つまたは組合せを0.01から0.4モル%で含有する、実施形態37に記載のガラス。
【0170】
実施形態41
化学清澄剤としてFe、CeO、またはMnOのいずれか1つまたは組合せを0.005から0.2モル%で含有する、実施形態37に記載のガラス。
【0171】
実施形態42
前記ガラスが、890℃未満のT200P-T(ann)、T(ann)≧750℃、80GPa超のヤング率、2.55g/cc未満の密度、および100,000ポアズ超の液相粘度を有する、実施形態37に記載のガラス。
【0172】
実施形態43
前記ガラスが、880℃未満のT200P-T(ann)、T(ann)≧765℃、81GPa超のヤング率、2.54g/cc未満の密度、および150,000ポアズ超の液相粘度を有する、実施形態37に記載のガラス。
【0173】
実施形態44
前記ガラスが、865℃未満のT200P-T(ann)、T(ann)≧770℃、81.5GPa超のヤング率、2.54g/cc未満の密度、および180,000ポアズ超の液相粘度を有する、実施形態37に記載のガラス。
【0174】
実施形態45
AsおよびSbが、約0.005モル%未満を占める、実施形態37に記載のガラス。
【0175】
実施形態46
LiO、NaO、KO、またはその組合せが、前記ガラスの約0.1モル%未満を占める、実施形態37に記載のガラス。
【0176】
実施形態47
実施形態37に記載のガラスを製造する方法において、原材料が、利用される各原材料に関して0と200質量ppmの間の硫黄を含む、方法。
【0177】
実施形態48
実施形態37に記載のガラスから作られた物体であって、ダウンドローシート製造法により製造された物体。
【0178】
実施形態49
実施形態37に記載のガラスから作られた物体であって、フュージョン法またはその変種により製造された物体。
【0179】
実施形態50
実施形態37に記載のガラスから作られた液晶ディスプレイ用基板。
【0180】
実施形態51
酸化物基準のモルパーセントで表して、68.3~69.5のSiO、12.4~13のAl、3.7~4.5のB、4~4.9のMgO、5.2~6.8のCaO、2.5~4.2のSrO、および0~1のBaOを含む、アルカリを実質的に含まないガラスであって、SiO、Al、B、MgO、CaO、SrOおよびBaOは、酸化物成分のモルパーセントを表す、ガラス。
【0181】
実施形態52
1.09≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≦1.16である、実施形態51に記載のガラス。
【0182】
実施形態53
0.25≦MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)≦0.35である、実施形態51に記載のガラス。
【0183】
実施形態54
化学清澄剤としてSnO、As、またはSb、F、ClまたはBrのいずれか1つまたは組合せを0.01から0.4モル%で含有する、実施形態51に記載のガラス。
【0184】
実施形態55
化学清澄剤としてFe、CeO、またはMnOのいずれか1つまたは組合せを0.005から0.2モル%で含有する、実施形態51に記載のガラス。
【0185】
実施形態56
前記ガラスが、890℃未満のT200P-T(ann)、T(ann)≧750℃、80GPa超のヤング率、2.55g/cc未満の密度、および100,000ポアズ超の液相粘度を有する、実施形態51に記載のガラス。
【0186】
実施形態57
前記ガラスが、880℃未満のT200P-T(ann)、T(ann)≧765℃、81GPa超のヤング率、2.54g/cc未満の密度、および150,000ポアズ超の液相粘度を有する、実施形態51に記載のガラス。
【0187】
実施形態58
前記ガラスが、865℃未満のT200P-T(ann)、T(ann)≧770℃、81.5GPa超のヤング率、2.54g/cc未満の密度、および180,000ポアズ超の液相粘度を有する、実施形態51に記載のガラス。
【0188】
実施形態59
AsおよびSbが、約0.005モル%未満を占める、実施形態51に記載のガラス。
【0189】
実施形態60
LiO、NaO、KO、またはその組合せが、前記ガラスの約0.1モル%未満を占める、実施形態51に記載のガラス。
【0190】
実施形態61
実施形態51に記載のガラスを製造する方法において、原材料が、利用される各原材料に関して0と200質量ppmの間の硫黄を含む、方法。
【0191】
実施形態62
実施形態51に記載のガラスから作られた物体であって、ダウンドローシート製造法により製造された物体。
【0192】
実施形態63
実施形態51に記載のガラスから作られた物体であって、フュージョン法またはその変種により製造された物体。
【0193】
実施形態64
実施形態51に記載のガラスから作られた液晶ディスプレイ用基板。
【0194】
実施形態65
関係式:
70GPa≦549.899-4.811SiO-4.023Al-5.651-4.004MgO-4.453CaO-4.753SrO-5.041BaO≦90GPa
により定義される範囲のヤング率を有するガラスであって、SiO、Al、B、MgO、CaO、SrOおよびBaOは、該ガラスの酸化物成分のモルパーセントを表す、ガラス。
【0195】
実施形態66
1.07≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≦1.2である、実施形態65に記載のガラス。
【0196】
実施形態67
化学清澄剤としてSnO、As、またはSb、F、ClまたはBrのいずれか1つまたは組合せを0.01から0.4モル%で含有する、実施形態65に記載のガラス。
【0197】
実施形態68
化学清澄剤としてFe、CeO、またはMnOのいずれか1つまたは組合せを0.005から0.2モル%で含有する、実施形態65に記載のガラス。
【0198】
実施形態69
AsおよびSbが、約0.005モル%未満を占める、実施形態65に記載のガラス。
【0199】
実施形態70
LiO、NaO、KO、またはその組合せが、前記ガラスの約0.1モル%未満を占める、実施形態65に記載のガラス。
【0200】
実施形態71
実施形態65に記載のガラスを製造する方法において、原材料が、利用される各原材料に関して0と200質量ppmの間の硫黄を含む、方法。
【0201】
実施形態72
実施形態65に記載のガラスから作られた物体であって、ダウンドローシート製造法により製造された物体。
【0202】
実施形態73
実施形態65に記載のガラスから作られた物体であって、フュージョン法またはその変種により製造された物体。
【0203】
実施形態74
実施形態65に記載のガラスから作られた液晶ディスプレイ用基板。
【0204】
実施形態75
関係式:
720℃≦1464.862-6.339SiO-1.286Al-17.284-12.216MgO-11.448CaO-11.367SrO-12.832BaO≦810℃
により定義される範囲の徐冷点を有するガラスであって、SiO、Al、B、MgO、CaO、SrOおよびBaOは、前記ガラスの酸化物成分のモルパーセントを表す、ガラス。
【0205】
実施形態76
1.07≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≦1.2である、実施形態75に記載のガラス。
【0206】
実施形態77
化学清澄剤としてSnO、As、またはSb、F、ClまたはBrのいずれか1つまたは組合せを0.01から0.4モル%で含有する、実施形態75に記載のガラス。
【0207】
実施形態78
化学清澄剤としてFe、CeO、またはMnOのいずれか1つまたは組合せを0.005から0.2モル%で含有する、実施形態75に記載のガラス。
【0208】
実施形態79
AsおよびSbが、約0.005モル%未満を占める、実施形態75に記載のガラス。
【0209】
実施形態80
LiO、NaO、KO、またはその組合せが、前記ガラスの約0.1モル%未満を占める、実施形態75に記載のガラス。
【0210】
実施形態81
実施形態75に記載のガラスを製造する方法において、原材料が、利用される各原材料に関して0と200質量ppmの間の硫黄を含む、方法。
【0211】
実施形態82
実施形態75に記載のガラスから作られた物体であって、ダウンドローシート製造法により製造された物体。
【0212】
実施形態83
実施形態75に記載のガラスから作られた物体であって、フュージョン法またはその変種により製造された物体。
【0213】
実施形態84
実施形態75に記載のガラスから作られた液晶ディスプレイ用基板。
【符号の説明】
【0214】
1 入口
2 圧縮端
3 エッジディレクタ
4 底部
9 堰の壁
10 基部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8