(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-03-30
(45)【発行日】2026-04-07
(54)【発明の名称】金型、加工方法、及びレーザ複合加工機
(51)【国際特許分類】
B21D 22/02 20060101AFI20260331BHJP
B23K 26/382 20140101ALI20260331BHJP
【FI】
B21D22/02 A
B23K26/382
(21)【出願番号】P 2022046838
(22)【出願日】2022-03-23
【審査請求日】2024-12-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107836
【氏名又は名称】西 和哉
(74)【代理人】
【識別番号】100105946
【氏名又は名称】磯野 富彦
(72)【発明者】
【氏名】松村 浩平
【審査官】程塚 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-181471(JP,A)
【文献】特公昭39-026126(JP,B1)
【文献】特開2005-066647(JP,A)
【文献】特開2016-165791(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 22/02
B23K 26/382
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ加工によって板状のワークにタップ加工用の円形状の下穴が形成される前に、前記ワークを挟み込むことで前記下穴となる部分の縁部に面取りを形成する金型であって、
前記縁部の少なくとも一部に対して、前記面取りを形成するための、径方向の内側に向けて傾斜する傾斜面を有する刃先を備え
、
前記刃先は、前記傾斜面の内側から径方向の内側に向けて平らであり、かつ前記傾斜面の内側においてリング状の平面部を更に備える、金型。
【請求項2】
前記刃先は、前記縁部の一周にわたって前記面取りを形成させるようにリング状に突出して設けられている、
請求項1に記載の金型。
【請求項3】
前記刃先は、前記縁部の一部に前記面取りを形成させるように突出して設けられている、
請求項1に記載の金型。
【請求項4】
前記平面部の内側に、円形状の凹部を更に備える、
請求項1に記載の金型。
【請求項5】
板状のワークにタップ加工用の円形状の下穴を形成する加工方法であって、
前記下穴が形成される前に、前記ワークを挟み込むことで前記下穴となる部分の縁部の少なくとも一部に対して、径方向の内側に向けて傾斜する傾斜面を有する刃先を備える金型により面取りを形成することと、
前記面取りを形成した後に、前記面取りの内側をレーザ加工によって前記ワークを切断することで前記下穴を形成することと、
を含む、加工方法。
【請求項6】
前記縁部の一部に前記面取りを形成させる金型を用いて、前記金型で前記縁部の一部に前記面取りを形成した後、当該金型を回転させて、又は別の前記金型を用いて、前記縁部のうち前記面取りを形成していない部分に対して前記面取りを形成することを含む、
請求項5に記載の加工方法。
【請求項7】
板状のワークを成形加工する成形加工部と、前記ワークに対してレーザ加工するレーザ加工部とを備えるレーザ複合加工機であって、
前記成形加工部は、請求項1から
請求項4のいずれか一項に記載の金型を備え、
前記成形加工部により、前記ワークにタップ加工用の円形状の下穴となる部分の縁部の少なくとも一部に面取りを形成した後に、前記レーザ加工部により、前記ワークにおいて前記面取りの内側に前記下穴を形成する、
レーザ複合加工機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型、加工方法、及びレーザ複合加工機に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ加工により板状のワークにタップ加工用の下穴を形成し、この下穴をタップ加工用の工具でタップ加工することが知られている。このとき、レーザ加工で生じたバリ等を除去するために、タップ加工前に面取り用の金型で下穴の縁部に対して面取り加工を行っている。
【0003】
また、レーザ加工でワークを所望の形状に切断するのに先立って、切断部分に対して先に面取り加工を行うことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
レーザ加工で下穴を形成し、その下穴に対してタップ加工を行った後に金型による面取り加工を行うと、ドロス、酸化被膜等がワークから剥離して、面取り用の金型に付着する場合がある。そのため、頻繁に金型の清掃を行う必要があり、メンテナンス工数が増加するといった課題がある。また、特許文献1では、レーザ加工に先立って非円形状の切断部分に面取り加工を行うだけであり、レーザ加工後の切断部分に対してさらにタップ加工等の他の加工を行うことについては何ら考慮されていない。従って、レーザ加工による下穴の形成後にタップ加工を行う場合において、レーザ加工に先立って適切な円形状の面取り加工することが求められている。
【0006】
本発明の態様に係る金型は、レーザ加工によって板状のワークにタップ加工用の円形状の下穴が形成される前に、ワークを挟み込むことで下穴となる部分の縁部に面取りを形成する金型であって、縁部の少なくとも一部に対して、面取りを形成するための、径方向の内側に向けて傾斜する傾斜面を有する刃先を備え、刃先は、傾斜面の内側から径方向の内側に向けて平らであり、かつ傾斜面の内側においてリング状の平面部を更に備える。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様に係る金型は、レーザ加工によって板状のワークにタップ加工用の円形状の下穴が形成される前に、ワークを挟み込むことで下穴となる部分の縁部に面取りを形成する金型であって、縁部の少なくとも一部に対して、面取りを形成するための、径方向の内側に向けて傾斜する傾斜面を有する刃先を備える。
【0008】
本発明の態様に係る加工方法は、板状のワークにタップ加工用の円形状の下穴を形成する加工方法であって、下穴が形成される前に、ワークを挟み込むことで下穴となる部分の縁部の少なくとも一部に対して、径方向の内側に向けて傾斜する傾斜面を有する刃先を備える金型により面取りを形成することと、面取りを形成した後に、面取りの内側をレーザ加工によってワークを切断することで下穴を形成することと、を含む。
【0009】
本発明の態様に係るレーザ複合加工機は、板状のワークを成形加工する成形加工部と、ワークに対してレーザ加工するレーザ加工部とを備えるレーザ複合加工機であって、成形加工部は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の金型を備え、成形加工部により、ワークにタップ加工用の円形状の下穴となる部分の縁部の少なくとも一部に面取りを形成した後に、レーザ加工部により、ワークにおいて面取りの内側に下穴を形成する。
【発明の効果】
【0010】
上記態様に係る金型及び加工方法によれば、レーザ加工による下穴の形成の前に、その下穴となる部分の縁部に面取りを形成する面取り加工を行うことで、ワークから剥離したドロスや酸化被膜が面取り用の金型に付着することがなく、金型のメンテナンス工数を削減することができる。また、レーザ加工による下穴の形成に続いてタップ加工を行った場合においても適切な面取りを施すことができる。
【0011】
また、上記態様に係る金型において、刃先は、縁部の一周にわたって面取りを形成させるようにリング状に突出して設けられていてもよい。この態様によれば、金型を用いた1回のプレスで縁部の一周にわたって面取りを形成することができ、レーザ加工による下穴の形成の前に、面取りを効率よく形成することができる。また、上記態様に係る金型において、刃先は、縁部の一部に面取りを形成させるように突出して設けられていてもよい。この態様によれば、1回のプレスにおいてワークにかかる圧力を軽減することができる。
【0012】
また、上記態様に係る金型において、刃先は、傾斜面の内側から径方向の内側に向けて平らであり、かつ傾斜面の内側においてリング状の平面部を更に備えてもよい。この態様によれば、ワークに傾斜面に続く平面部が設けられるので、この平面部をレーザ加工して下穴を形成することができ、レーザヘッドとワークとの距離を安定して一定に保ちながらレーザ加工することができる。その結果、下穴を形成するレーザ加工の精度を向上させることができる。また、上記態様に係る金型において、平面部の内側に、円形状の凹部を更に備えてもよい。この態様によれば、プレス時において平面部より内側ではワークを加工しないので、金型によりワークを加工する面積を削減することができ、プレス時に金型に付与する力を軽減することができる。
【0013】
また、上記態様に係る加工方法において、縁部の一部に面取りを形成させる金型を用いて、金型で縁部の一部に面取りを形成した後、金型を回転させて、又は別の金型を用いて、縁部のうち面取りを形成していない部分に対して面取りを形成することを含んでもよい。この態様によれば、プレス時においてワークにかかる圧力を軽減しつつ、下穴の縁部全周にわたって面取り加工を行うことができる。
【0014】
また、上記態様に係るレーザ複合加工機によれば、成形加工部によりワークの所望個所に面取り加工を行った後に、レーザ加工部により面取りの内側に下穴を形成し、その後、成形加工部によりタップ加工を行うことで、ワークの所望個所に対する面取り加工、下穴形成加工、タップ加工を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態に係るレーザ複合加工機の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る金型の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る加工方法の一例を説明するフローチャートである。
【
図4】レーザ複合加工機において上型を位置合わせした状態を示す図である。
【
図5】レーザ複合加工機において下型を位置合わせした状態を示す図である。
【
図6】成形加工部の上型と下型とでワークをプレスする状態を示す図である。
【
図7】上型と下型とでワークをプレスする状態を拡大して示す図である。
【
図8】金型によってワークに形成される面取りの形状を示す図である。
【
図9】レーザ複合加工機のレーザ加工部によってレーザ加工している状態を示す図である。
【
図10】レーザ加工部によって形成された下穴を示す図である。
【
図11】成形加工部においてタップ加工している状態を示す図である。
【
図12】タップ加工によって形成されたネジ穴を示す図である。
【
図13】本実施形態に係る金型の他の例を示す図である。
【
図15】本実施形態に係る加工方法の他の例を説明するフローチャートである。
【
図16】
図13に示す金型を用いてワークに面取り加工を行った一例を示し、(A)は縁部の一部に面取り加工を行った図であり、(B)は縁部の全周にわたって面取り加工を行った図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定されない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一又は類似の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省く場合がある。また、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されるなど、実際の製品とは、形状、寸法が異なる場合がある。
図1において、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する場合がある。XYZ座標系においては、水平面に平行な平面をXY平面とする。このXY平面における一方向をX方向と表記し、X方向に直交する方向をY方向と表記する。また、XY平面に垂直な方向はZ方向と表記する。X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の指す方向が+方向であり、矢印の指す方向とは反対の方向が-方向であるとして説明する。
【0017】
図1は、レーザ複合加工機1の外観斜視図の一例を示す図である。レーザ複合加工機1は、板状のワークWに対して、タップ用の下穴をレーザ加工によって形成し、その下穴に対してタップ加工を行うことが可能である。タップ加工は、下穴に対して、ネジ溝を形成する加工である。
図1に示すように、レーザ複合加工機1は、レーザ加工部10と、搬送装置20と、成形加工部30と、制御部40とを備える。制御部40は、レーザ加工部10、搬送装置20、及び成形加工部30の動作を制御する。
【0018】
レーザ加工部10は、レーザ加工領域R1においてワークWに対するレーザ加工を行う。レーザ加工部10は、フレーム11Aと、フレーム11Bと、フレーム11Cと、テーブル12と、レーザヘッド13と、ヘッド駆動部14とを備える。レーザ加工領域R1は、フレーム11Aとフレーム11Bとに囲まれた領域である。フレーム11A及びフレーム11Bは、Z方向に起立し、X方向に延びる板状のメインフレームである。フレーム11A及びフレーム11Bは、フレーム11Cにより互いに連結され、ヘッド駆動部14を支持する。フレーム11Cは、レーザ加工領域R1の下方に設けられ、テーブル12を支持する。フレーム11Aは、搬送装置20により搬送されるワークWが通過可能な不図示の開口部を備える。
【0019】
テーブル12は、レーザ加工領域R1においてワークWを支持する。テーブル12は、矩形状のベースプレート12A、及び複数の支持プレート12Bを備える。複数の支持プレート12Bは、ベースプレート12Aの上面に立った状態でX方向に並んで設けられる。支持プレート12Bの上端部には、複数の突起部12Cが形成される。テーブル12は、突起部12Cの上端でワークWの下面を支持する。突起部12Cは、例えば鋸歯状であり、ベースプレート12Aからの高さが同一となるように形成される。
【0020】
レーザヘッド13は、制御部40による制御に従って、テーブル12上のワークWにレーザ光L(
図9参照)を照射してレーザ加工を行う。例えば、レーザヘッド13は、テーブル12上のワークWに後述する下穴の輪郭に沿ってレーザ光Lを照射して穴あけ加工を行う。レーザヘッド13は、ヘッド駆動部14に設けられ、ヘッド駆動部14により、X方向、Y方向及びZ方向に移動可能である。ヘッド駆動部14は、ガントリ14Aと、スライダ14Bと、昇降部14Cとを備える。ガントリ14Aは、フレーム11A及びフレーム11Bの上部に、Y方向に沿って設けられる。ヘッド駆動部14は、ガントリ14AをX方向に移動させるボールネジ機構等の駆動機構を備える。ガントリ14Aは、この駆動機構によりX方向に移動可能である。ガントリ14Aの上面には、スライダ14Bを案内するガイド14AGがY方向に沿って設けられる。
【0021】
スライダ14Bは、ガントリ14Aの上面から-X側の面にわたって設けられる。ヘッド駆動部14は、スライダ14BをY方向に移動させるボールネジ機構等の駆動機構を備える。スライダ14Bは、この駆動機構によりY方向に移動可能である。スライダ14Bの-X側の面には、昇降部14Cを案内するガイド14BGがZ方向に沿って設けられる。昇降部14Cは、スライダ14Bの-X側の面に設けられる。ヘッド駆動部14は、昇降部14CをZ方向に移動させるボールネジ機構等の駆動機構を備える。昇降部14Cは、この駆動機構によりZ方向に移動可能である。レーザヘッド13は、昇降部14Cの下部に保持される。レーザヘッド13は、ガントリ14AのX方向への移動、スライダ14BのY方向への移動、及び昇降部14CのZ方向への移動することにより、レーザ加工領域R1においてX方向、Y方向、Z方向、及びこれらを合成した方向に移動可能である。
【0022】
搬送装置20は、レーザ加工部10と成形加工部30との間で、ワークWを搬送する。搬送装置20は、キャリッジ21と、プレート22と、複数のワークホルダ23とを備える。キャリッジ21は、不図示の駆動部により、Y方向に移動可能に設けられる。プレート22は、キャリッジ21の+Y側の側面に設けられる。複数のワークホルダ23は、プレート22の+Y側の面から突出した状態で、X方向に間隔を置いて設けられる。ワークホルダ23は、ワークWの端部を挟み込んで把持可能である。
【0023】
成形加工部30は、成形加工領域R2において、ワークWに対する面取り加工及びタップ加工を行う。成形加工部30は、ワークWに対して打ち抜き加工、成形加工も行うことが可能である。成形加工部30は、フレーム31と、面取り加工部32と、タップ加工部33とを備える。フレーム31は、縦フレーム31A及び横フレーム31Bを備える。縦フレーム31Aは、Z方向に起立し、X方向に延びる板状の部材である。縦フレーム31Aは、成形加工部30の各部を支持する。縦フレーム31Aには、搬送装置20により搬送されるワークWが通過可能な開口部31Cが設けられる。横フレーム31Bは、縦フレーム31Aの-Y側に設けられ、X方向に延びる板状の部材である。横フレーム31Bは、例えば、面取り加工部32及びタップ加工部33を吊り下げた状態で支持する。
【0024】
面取り加工部32は、複数の上型(金型)51A及び下型(金型)51Bと、ストライカ60と、金型支持体61、62とを備える。上型51A及び下型51Bは、レーザ加工によって板状のワークWにタップ加工用の円形状の下穴Sが形成される前に、ワークWを挟み込むことで下穴Sとなる部分の縁部Eに面取りを形成する。
図2は、本実施形態に係る上型51A(下型51B)の一例を示す図である。
図2における上方の図は、
図2の下方の図に示すA-A線の断面図である。
【0025】
上型51A及び下型51Bは、ワークWを上下方向から挟み込むことで、ワークWの上面と下面の両面において、下穴Sとなる部分の縁部Eに面取りを形成する。例えば、上型51A及び下型51Bは、それぞれ刃先52A、52Bを有している。上型51Aは、刃先52AをワークWの上面に押し当てることで、ワークWの上面に面取りを形成する。下型51Bは、刃先52BをワークWの下面に押し当てることで、ワークWの下面に面取りを形成する。なお、上型51Aと下型51Bとは、同様の構成である。上型51Aが有する構成要素には符号の末尾に「A」を付し、下型51Bが有する構成要素には符号の末尾に「B」を付して、複数の同じ種類の構成要素を互いに区別する。
【0026】
上型51A及び下型51Bは、刃先52A、52Bと、凹部55A、55Bと、を備える。刃先52A、52Bは、縁部Eの一周にわたって面取りを形成させるようにリング状に突出している。刃先52A、52Bは、それぞれ傾斜面53A、53Bと、平面部54A、54Bと、を備える。傾斜面53A、53Bは、それぞれレーザ加工にて形成される下穴Sの縁部Eの位置の少なくとも一部に対して、面取りを形成する。傾斜面53A、53Bは、それぞれリング状に形成されており、径方向の内側に向けて傾斜している。つまり、傾斜面53A、53Bは、刃先52A、52Bのそれぞれが径方向の内側に向けて徐々に突出するように傾斜している。傾斜面53A、53Bの角度は、面取り加工に必要な任意の角度に形成され、例えば、ワークWの表面方向に対して45度に設定されている。
【0027】
平面部54A、54Bは、それぞれ傾斜面53A、53Bの内側から径方向の内側に向けて平らに形成されている。また、平面部54A、54Bは、傾斜面53A、53Bの内側において円形状である。平面部54A、54Bは、傾斜面53A、53Bの内側から連続して形成されている。このように、刃先52A、52Bは、リング状に突出しており、径方向の内側に向けて傾斜している傾斜面53A、53Bと、傾斜面53A、53Bの内側から径方向の内側に向けて平らな平面部54A、54Bと、を備える。凹部55は、円形状であって、刃先52A、52Bの内側に形成されている。凹部55は、平面部54A、54Bの内側に、刃先52A、52BによってワークWを成形する際にワークWに当接可能である。また、凹部55は、刃先52A、52BをワークWに食い込ませた際に、刃先52A、52Bの食い込み量に相当する余剰分を許容する空間を形成する。
【0028】
図1に示すように、ストライカ60は、下降することにより上型51Aを駆動する。ストライカ60は、円筒状に形成され、昇降可能である。面取り加工は、ストライカ60が下降して上型51Aを下降させることにより行われる。金型支持体61は、金型支持体62に対してワークWを挟む位置に設けられ、X方向に沿って複数の上型51Aを支持する。複数の上型51Aは、互いに刃先52A、52Bの径が異なる。金型支持体61は、縦フレーム31Aの壁面に設けられたガイド31Dに支持され、ガイド31Dに沿ってX方向に移動可能である。金型支持体61は、ストライカ60によって上型51Aが下降した際に、上型51Aの刃先52A、52Bが下方に突出するように、上型51Aを支持する。
【0029】
金型支持体62は、金型支持体61に対してワークWを挟む位置に設けられ、X方向に沿って設けられた複数の下型51Bを支持する。金型支持体62は、縦フレーム31Aの壁面に設けられたガイド31Dに支持され、ガイド31Dに沿ってX方向に移動可能である。金型支持体62は、上型51AによってワークWの上面に面取り加工が行われる際に、その面取り加工が形成される上面の処理位置に対応する下面の処理位置に対して、面取り加工を行うように、下型51Bを支持する。
【0030】
タップ加工部33は、ワークWに対するタップ加工を行う。タップ加工部33は、横フレーム31Bの下面にX方向に沿って設けられた不図示のガイドに吊り下げられており、このガイドに沿ってX方向に移動可能である。タップ加工部33は、ワークWに対するタップ加工を行うためのタップ工具33Aを備える。タップ工具33Aは、例えば、レーザによる穴あけ加工によりワークWに形成された下穴Sの切断面に、ネジ溝を形成する。ワークWの下穴Sに対してタップ加工を行う場合、タップ加工部33は、ワークWの下穴Sの切断面に、タップ工具33Aを接触させて回転させつつ下降させる。
【0031】
図3は、本実施形態に係る加工方法を説明するフローチャートである。制御部40は、タップ加工用の下穴Sとなる部分の縁部Eを、上型51A及び下型51Bにより面取りが行われる位置(以下、「プレス位置」という。)Pに配置されるように、搬送装置20にワークWを搬送させる(ステップS101)。ステップS101では、搬送装置20がワークWのプレス位置PについてY方向における位置決めを行う。
【0032】
次に、制御部40は、上型51Aがプレス位置Pに位置決めされるように、金型支持体61を移動させる(ステップS102)。制御部40は、不図示の駆動部を駆動して金型支持体61をX方向に移動させ、面取り加工に使用する上型51Aをプレス位置Pの上方に位置させるように位置決めする。このとき、制御部40は、タップ加工部33が金型支持体61と干渉しないように、タップ加工部33を移動させておく。また、ステップS102に先立って、制御部40は、複数の上型51Aのうち、タップ加工用の下穴Sの径に応じて、面取り加工に用いる上型51Aを選択している。すなわち、ステップS102では、
図4に示すように、制御部40は、金型支持体61をX方向に移動させ、選択した上型51Aをプレス位置Pに位置決めする。
【0033】
次に、制御部40は、下型51Bがプレス位置Pに位置決めされるように、金型支持体62を移動させる(ステップS103)。制御部40は、不図示の駆動部を駆動して金型支持体61をX方向に移動させ、複数の下型51Bのうち、面取り加工に使用する下型51Bをプレス位置Pの下方に位置させるように位置決めする。なお、上型51Aと下型51Bとは一対(一組)として対応付けられており、上型51Aが選択されることで、対となる下型51Bが選択される。すなわち、ステップS103では、
図5に示すように、制御部40は、金型支持体62を移動させ、選択した下型51Bをプレス位置Pに位置決めする。
【0034】
なお、ステップS102とステップS103とは、上記した順で実行されることに限定されず、ステップS102とステップS103とが同時に行われてもよいし、ステップS103の後にステップS102が行われてもよい。
【0035】
次に、制御部40は、上型51Aと下型51Bとを用いてワークWに面取りを形成する(ステップS104)。ステップS104において、制御部40は、上型51Aの直上にストライカ60を移動させた後、
図6に示すように、ストライカ60を下降させる。その結果、
図7に示すように、上型51Aが下降しかつ下型51Bが上下方向に固定されていることで、刃先52Aと刃先52BとでワークWを両面から挟み、刃先52A、52BがワークWに食い込むことによりワークWの上面及び下面に面取りが形成される。すなわち、ワークWにおいて下穴Sが形成される部分の上面と下面の各縁部Eに面取りが形成される。
【0036】
図8は、上型51A及び下型51BによってワークWに形成される面取りの形状を示す図である。
図8に示すように、面取りとして、ワークWの上面と下面のそれぞれにおいて、リング状の凹み70A、70Bが形成される。凹み70A、70Bは、径方向内側に向けて傾斜する傾斜面71A、71Bと、その傾斜面71A、71Bから径方向内側に向けて形成される平面72A、72Bと、を有する。傾斜面71Aは、刃先52Aの傾斜面53AがワークWに押し付けられることで形成される。傾斜面71Bは、刃先52Bの傾斜面53BがワークWに押し付けられることで形成される。平面72Aは、刃先52Aの平面部54AがワークWに押し付けられることで形成される。平面72Bは、刃先52Bの平面部54BがワークWに押し付けられることで形成される。
【0037】
ここで、刃先52Aの内側には、円形状の凹部55Aが形成されているため、ワークWの凹み70Aの内側の領域80Aは潰されない。同様に、刃先52Bの内側には、円形状の凹部55Bが形成されているため、ワークWの凹み70Bの内側の領域80Bは潰されない。そのため、上型51A及び下型51Bにより成形されるワークWの面積を削減することができ、上型51A及び下型51BからワークWに対して加えられる圧力を軽減することができる。また、ワークWに対して、タップ加工用の下穴Sが複数形成される場合には、制御部40は、上記したステップS101からステップS104が繰り返して実行される。
【0038】
次に、制御部40は、搬送装置20によりレーザ加工部10にワークWを搬送させる(ステップS105)。制御部40は、搬送装置20によりワークWを+Y方向に搬送し、ワークWを成形加工部30からレーザ加工部10に搬送させる。次に、レーザ加工部10は、面取りが形成された位置にレーザ加工により下穴Sを形成する(ステップS106)。
図9は、レーザ加工部10によってワークWに下穴Sが形成される状態を示す図である。
図9に示すように、レーザ加工部10は、凹み70Aのうち平面72Aにレーザ光Lが照射されるようにレーザヘッド13を配置させ、この平面72Aに沿ってレーザヘッド13を移動させて下穴Sを形成する。
【0039】
このとき、レーザヘッド13に備える距離センサ13Aによってレーザヘッド13と平面72Aとの距離が調整される。距離センサ13Aは、センサ光S1を出射し、平面72Aによる反射光S2を受光することで、レーザヘッド13と平面72Aと距離を計測する。このように、センサ光S1が傾斜面71Aではなく平面72Aに向けて出射されるので、レーザヘッド13と平面72Aとの距離のばらつきが少なくなり、レーザ光LをワークWに対して適切に照射することができる。
【0040】
制御部40は、距離センサ13Aを用いてレーザヘッド13の先端とワークWとの距離を一定になるように制御している。センサ光S1が傾斜面71Aに向けて出射されると反射光S2のばらつきが生じる場合があり、その結果、レーザヘッド13の先端(ノズル先端)とワークWとの距離が安定しない場合が生じる。上記のように、センサ光S1が平面72Aに向けて出射されることで、反射光S2のばらつきが解消され、レーザヘッド13の先端とワークWとの距離を一定に維持できるので、レーザ光Lによる加工の精度を向上させることができる。なお、距離センサ13Aは、センサ光S1を出射する光学式のセンサに代えて、静電容量の変化によりレーザヘッド13と平面72Aと距離を計測するセンサが用いられてもよい。静電容量を検出するセンサであっても、レーザヘッド13のノズル先端が傾斜面71Aに対向していると、静電容量のばらつきが生じ、レーザヘッド13の先端とワークWとの距離が安定しない場合が生じる。レーザヘッド13のノズル先端が平面72Aに対向することで、静電容量のばらつきを抑え、レーザヘッド13の先端とワークWとの距離を一定に維持させることが可能となる。
【0041】
図10は、レーザ加工部10によって形成された下穴Sを示す図である。
図10に示すように、レーザ加工部10は、凹み70Aのうち平面72Aがなくなり、傾斜面71Aが残る状態で下穴Sが形成されている。また、ワークWの下面側においては、凹み70Bのうち平面72Bがなくなり、傾斜面71Bが残る状態で下穴Sが形成されている。ただし、
図10に示す形態は一例であり、傾斜面71A、71Bの一部(内側の一部)が除去される形態であってもよいし、傾斜面71A、71Bに続く平面72A、72Bの一部が残る形態であってもよい。
【0042】
次に、制御部40は、搬送装置20により成形加工部30にワークWを搬送させる(ステップS107)。搬送装置20は、ワークWに下穴Sが形成されると、そのワークWを成形加工部30に搬送する。制御部40は、下穴Sに対してタップ加工が可能となるようにY方向においてワークWを位置決めする。次に、制御部40は、タップ加工部33を移動させ、タップ工具33Aを下穴Sに対して位置決めする(ステップS108)。制御部40は、ステップS108に先立って、タップ加工部33と干渉しないように、金型支持体61、62を移動させる。ステップS108では、制御部40は、タップ工具33Aが下穴Sの直上となり、タップ工具33Aの回転軸線と下穴Sの中心とが一致するように、タップ加工部33を移動させる。
【0043】
次に、制御部40は、下穴Sに対してタップ加工を行わせる(ステップS109)。制御部40は、
図11に示すように、タップ加工部33に備える不図示の駆動部によりタップ工具33Aを回転させながら降下させる。その結果、
図12に示すように、下穴Sの周面には、ネジ溝Waが形成されたネジ穴SAとなる。ネジ穴SAの形成後においても、ネジ穴SAの上面側及び下面側の縁部に傾斜面71A、71Bが残っており、ネジ穴SAにおいて縁部に面取りされた状態が維持されている。
【0044】
このように、本実施形態によれば、レーザ加工による下穴Sの形成の前に、下穴Sとなる部分の縁部Eに面取りを形成する面取り加工を行うことで、ワークWから剥離したドロスや酸化被膜が上型51A及び下型51Bに付着することがなく、上型51A及び下型51Bのメンテナンス工数を削減することができる。また、レーザ加工による下穴Sの形成に続いてタップ加工を行った場合においてもネジ穴SAに適切な面取りを施すことができる。また、刃先52A、52Bは、レーザ加工によって形成される下穴Sの縁部Eの一周にわたって面取りを形成させるようにリング状に突出して設けられている。この構成により、1回のプレス加工で縁部Eの一周にわたって面取りを形成することができ、効率よく下穴Sの面取りを形成することができる。
【0045】
なお、レーザ加工による下穴Sの形成後に金型を用いて面取りを実施する形態では、下穴Sの穴径の変化を防ぐために面取り用の金型に、下穴Sに入り込む突起を設けている場合がある。そのため、ワークWの板厚が薄いと金型同士(上型の突起と下型の突起)が干渉するため、面取り可能なワークWの板厚が制限されてしまう。すなわち、下穴Sの形成後に金型を用いた面取りは、ワークWが薄板である場合に行うことができない場合がある。一方、本実施形態では、レーザ加工による下穴Sの形成前に上型51A及び下型51Bにより面取りを行うので、上型51A及び下型51Bは、下穴Sに入り込むような上記突起を有していない。従って、本実施形態では、ワークWが薄板の場合であっても金型同士(上型51A及び下型51B)が干渉することがなく、板厚の薄いワークWについても適用可能となるなど、ワークWの板厚の範囲を広げることが可能となる。
【0046】
また、上記の実施形態では、上型51A及び下型51Bの刃先52A、52Bがリング状であるが、この形態に限定されない。刃先52A、52Bが、縁部Eの一部に面取りを形成させるように突出する形態であってもよい。
図13は、実施形態に係る金型の他の例を示す図である。なお、
図13における上方の図は、
図13の下方の図に示すB-B線の断面図である。
図14は、
図13に示すC-C線の断面図である。
【0047】
上型(金型)151A及び下型(金型)151Bは、上記した上型51A及び下型51Bと同様に、ワークWを上下方向から挟み込むことで、ワークWの上面と下面の両面において、下穴Sとなる部分の縁部Eに面取りを形成する。上型151Aは、刃先152Aを有し、刃先152AをワークWの上面に押し当てることで、ワークWの上面に面取りの一部を形成する。下型151Bは、刃先152Bを有し、刃先152BをワークWの上面に押し当てることで、ワークWの下面に面取りの一部を形成する。なお、上型151Aと下型151Bは、同様の構成である。上型151Aが有する構成要素には符号の末尾に「A」を付し、下型151Bが有する構成要素には符号の末尾に「B」を付して、複数の同じ種類の構成要素を互いに区別する。
【0048】
刃先152A、152Bは、縁部Eの一周における一部に面取りを形成させるように、円弧状に突出している。刃先152A、152Bは、中心を挟んで対向する二カ所に設けられ、2カ所を合わせた円弧の長さが、縁部Eの一周における2分の1以上となるように設けられている。刃先152A、152Bは、それぞれ傾斜面153A、153Bと、平面部154A、154Bとを備える。傾斜面153A、153Bは、円弧状の内側に向けて傾斜している。傾斜面153A、153Bの傾斜角度は任意であり、例えば45度に設定されている。平面部154A、154Bは、傾斜面153A、153Bの内側から連続して形成されている。
【0049】
また、上型151A及び下型151Bは、凹部155A、155Bを備える。凹部155A、155Bは、それぞれ円形状であって、平面部154A、154Bの内側に形成されている。凹部155A、155Bは、刃先152A、152BによってワークWを成形する際にワークWに当接可能である。このように、上型151A及び下型151Bは、上記した上型51A及び下型51Bから、リング状の刃先52A、52Bに対して、中心を挟んだ2カ所を切り欠いて段部156A、156Bを形成した形態に相当する。
【0050】
続いて、上型151A及び下型151Bを用いた加工方法について説明する。
図15は、上型151A及び下型151Bを用いた面取り加工方法のフローチャートである。
図15において、
図3に示すフローチャートと同一のステップについては同一の符号を付してその説明を省略又は簡略化する。まず、
図15に示すように、ワークWを成形加工部30に搬送した後(ステップS101)、プレス位置Pに上型151A、下型151Bを位置決めする(ステップS102、S103)。
【0051】
次に、制御部40は、成形加工部30のストライカ60を下降させて、ワークWを上型151Aと下型151Bとで挟み込むことで、下穴Sとなる部分の上面と下面の各縁部Eの一部に面取りを形成する(ステップS201)。
図16(A)は、上型151Aにより、下穴Sの縁部Eに相当する部分の一部に形成された面取りの一例を示す図である。
図16(A)に示すように、面取りとして、下穴Sの縁部Eに相当する部分の一部に凹み170Aが形成される。
図16(A)では、ステップS201により面取りが形成された部分をドット表記している。凹み170Aは、径方向内側に向けて傾斜する傾斜面171Aと、その傾斜面171Aから径方向内側に向けて形成される平面172Aとを有する。傾斜面171Aは、刃先152Aの傾斜面153Aにより形成される。平面172Aは、刃先152Aの平面部154Aにより形成される。
【0052】
なお、
図16(A)ではワークWの上面について示しているが、ワークWの下面についても同様に、面取りとして、下穴Sの縁部Eに相当する部分の一部に傾斜面171Aと平面172Aとを有する凹み170Aが形成される。傾斜面171Aは、刃先152Bの傾斜面153Bにより形成される。平面172Aは、刃先152Bの平面部154Bにより形成される。ここで、刃先152A、152Bの内側には、刃先52A、52Bと同様に、円形状の凹部155が形成されているため、ワークWの凹み170Aの内側の領域180は潰されない。そのため、刃先152A、152Bにより成形する面積を削減することができ、ワークWに対して加えられる圧力を軽減することができる。
【0053】
次に、制御部40は、上型151A及び下型151Bを所定の角度だけ回転させる(ステップS202)。ステップS202では、ステップS201において縁部Eのうち面取りが形成されていない部分に刃先152A、152Bが配置されるように上型151A及び下型151Bが回転される。本実施形態では、上型151A及び下型151Bが中心軸D(
図13参照)を中心として時計回り又は反時計回りに例えば90度回転される。なお、ステップS202では、上型151A及び下型151Bを回転させることに限定されない。例えば、成形加工部30の金型支持体61、62に、回転位置を異ならせた別の上型151A及び下型151Bを支持させておき、ステップS201の後、使用した上型151A及び下型151Bに代えて、回転位置を異ならせた別の上型151A及び下型151Bをプレス位置Pに配置させてもよい。
【0054】
次に、制御部40は、ストライカ60を下降させ、ワークWを上型151Aと下型151Bとで挟み込むことで、縁部Eのうち面取りを形成していない部分に対して面取りを形成する(ステップS203)。
図16(B)は、ステップS203の処理によって下穴Sの縁部Eに相当する部分全体に形成された面取りの一例を示す図である。
図16(B)に示すように、ステップS203が行われることで、ワークWの上面と下面のそれぞれにおいて、リング状の凹み170が形成される。
図16(B)では、ステップS203により名トリガ形成された部分をドット表記している。
【0055】
なお、
図15のフローチャートに示すステップS201からステップS203では、上型151A及び下型151Bの回転、又は交換を1回行ってリング状の凹み170を形成する例を挙げているが、この形態に限定されない。例えば、上型151A及び下型151Bの回転、又は交換を2回以上行って、ワークWの上面及び下面にリング状の凹み170を形成する形態であってもよい。
【0056】
次に、ワークWをレーザ加工部10に搬送し(ステップS105)、ワークWに下穴Sを形成する(ステップS106)。次に、ワークWを成形加工部30に搬送し(ステップS107)、タップ工具33Aを位置決めして(ステップS108)、下穴Sにタップ加工することでネジ穴SAを形成する(ステップS109)点は、上記した実施形態と同様である。
【0057】
このように、上型151A及び下型151Bを用いる場合も、上記した実施形態と同様に、レーザ加工による下穴Sの形成の前に、下穴Sとなる部分の縁部Eに面取りを形成する面取り加工を行うことで、ワークWから剥離したドロスや酸化被膜が上型151A及び下型151Bに付着することがなく、上型151A及び下型151Bのメンテナンス工数を削減することができる。また、レーザ加工による下穴Sの形成に続いてタップ加工を行った場合においてもネジ穴SAに適切な面取りを施すことができる。また、縁部Eの一部に面取りした後に、縁部Eの残りを面取りするといった複数回に分けて縁部Eの全体に面取りを行うので、1回のプレス加工によってワークWにかかる圧力を軽減することができる。
【0058】
以上、実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。また、上記実施形態で説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上記実施形態で説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、実施形態において示した各手順の実行順序は、前の手順の結果を後の手順で用いない限り、任意の順序で実現可能である。また、上記実施形態における動作に関して、便宜上「まず」、「次に」、「続いて」等を用いて説明したとしても、この順序で実施することが必須ではない。
【0059】
また、上記した実施形態では、刃先52A、52B(152A、152B)は、傾斜面53A、53B(153A、153B)と、平面部54A、54B(154A、154B)とを有しているが、この形態に限定されない。例えば、刃先52A、52B(152A、152B)は、傾斜面53A、53B(153A、153B)を有し、平面部54A、54B(154A、154B)を有していない形態であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
縁部・・・E
S・・・下穴
W・・・ワーク
1・・・レーザ複合加工機
10・・・レーザ加工部
20・・・搬送装置
30・・・成形加工部
40・・・制御部
51A、151A・・・上型(金型)
51B、151B・・・下型(金型)
52A、52B、152A、152B・・・刃先
53A、53B、153A、153B・・・傾斜面
54A、54B、154A、154B・・・平面部
55A、55B、155A、155B・・・凹部
70A、70B、170A、170・・・凹み
71A、71B、171A、171・・・傾斜面
72A、72B、172A、172・・・平面