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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-04-03
(45)【発行日】2026-04-13
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/539 20060101AFI20260406BHJP
   A61F 13/515 20060101ALI20260406BHJP
   A61F 13/537 20060101ALI20260406BHJP
【FI】
A61F13/539
A61F13/515
A61F13/537 210
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024224823
(22)【出願日】2024-12-20
【審査請求日】2026-02-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003247
【氏名又は名称】弁理士法人小澤知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹田 未来
(72)【発明者】
【氏名】木下 英之
【審査官】嘉村 泰光
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-83539(JP,A)
【文献】特開2001-9960(JP,A)
【文献】特開平6-311998(JP,A)
【文献】特開2000-70832(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15-13/84
B05D 1/00- 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直交する第1方向と第2方向を含む平面方向に沿い、着用者の肌に当接するトップシートと、
前記トップシートの非肌側の面に当接するセカンドシートと、
前記セカンドシートよりも非肌側に配置された吸収コアと、
前記吸収コアよりも非肌側に配置されたバックシートと、を有する吸収性物品であって、
前記トップシートと前記セカンドシートは、接着剤が配置された第1接着部と、前記第1接着部と異なる形状で接着剤が配置された第2接着部と、によって接着されており、
前記第1接着部は、少なくとも前記第1方向に延び、前記第2方向において間隔を空けて複数配置されており、
前記第2接着部は、前記第2方向に揺動しつつ前記第1方向に延び、前記第2方向において間隔を空けて複数配置されており、
前記第2接着部は、前記第2方向に間隔を空けて配置された複数の前記第1接着部を跨がっている、吸収性物品。
【請求項2】
前記第1接着部は、前記第1方向に沿って延びる線状である、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記トップシート内に配置された前記第1接着部の厚みは、前記トップシート内に配置された前記第2接着部の厚みよりも厚い、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記第1接着部が延びる方向に直交する直交方向の前記第1接着部の幅、及び前記第2接着部が延びる方向に直交する直交方向の前記第2接着部の幅の少なくとも一方は、前記トップシートの平均繊維径よりも太い、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記第2方向において隣り合う前記第2接着部は、前記第2方向において離間しており、
前記第2接着部の前記第2方向の長さは、前記隣り合う前記第2接着部同士の距離よりも長い、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記吸収コアよりも前記平面方向の外側の領域では、前記トップシートと前記バックシートは、前記第1接着部と、前記第2接着部と、第3接着部と、によって接着されている、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記吸収コアの非肌側に配置され、前後方向に伸縮する股下伸縮性部材を有し、
前記第1接着部及び前記第2接着部は、前記股下伸縮性部材に重なる領域に設けられている、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記第1接着部及び前記第2接着部は、前記股下伸縮性部材と重なる領域と、前記股下伸縮性部材よりも前後方向の外側に延びる領域と、に設けられている、請求項7に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、トップシートとセカンドシート(中間シート)を有し、トップシートとセカンドシートが接着剤によって接着された吸収性物品を開示している。特許文献1のトップシートとセカンドシートを接着する接着剤は、平面視にて所定パターンに配置されている。所定パターンは、オメガパターン、ウェイブパターン又はスパイラルパターンである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6524325号公報
【発明の概要】
【0004】
トップシートとセカンドシートの接着剤のパターンは、オメガパターン、ウェイブパターン又はスパイラルパターン等の曲線形状であり、接着剤が配置されていない領域が前後方向においても幅方向においても間隔を空けて配置され、当該領域において体液の引き込み性を確保できる。その一方で、接着剤が配置されていない領域では、トップシートがセカンドシートに対して動き易く、トップシートの繊維の毛羽立ちが発生するおそれがあった。
【0005】
また、他の接着剤のパターンとして、前後方向等の一定方向に延びる線状のパターンがある。一定方向に延びる線状のパターンにあっては、一定方向と直交する直交方向の力を受けた際に、接着剤同士の間隔が狭まるように直交方向に変形し、接着剤のない部分においてトップシートが浮き上がることがある。トップシートとセカンドシートの間に隙間が生じ、吸収スピードの低下が生じ、トップシートのべたつきや体液の漏れにつながることがあった。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、トップシートの繊維の毛羽立ち、体液の漏れ及びトップシートのべたつきを抑制できる吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様に係る吸収性物品は、互いに直交する第1方向と第2方向を含む平面方向に沿い、着用者の肌に当接するトップシートと、前記トップシートの非肌側の面に当接するセカンドシートと、前記セカンドシートよりも非肌側に配置された吸収コアと、前記吸収コアよりも非肌側に配置されたバックシートと、を有する。前記トップシートと前記セカンドシートは、接着剤が配置された第1接着部と、前記第1接着部と異なる形状で接着剤が配置された第2接着部と、によって接着されている。前記第1接着部は、少なくとも前記第1方向に延び、前記第2方向において間隔を空けて複数配置されている。前記第2接着部は、前記第2方向に揺動しつつ前記第1方向に延び、前記第2方向において間隔を空けて複数配置されている。前記第2接着部は、前記第2方向に間隔を空けて配置された複数の前記第1接着部を跨がっている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る吸収性物品の肌側から見た平面図である。
図2図2は、図1に示すA-A線に沿った断面図である。
図3図3は、第1接着部を示した図である。
図4図4は、第2接着部を示した図である。
図5図5は、第1接着部及び第2接着部の両方を示した図である。
図6図6は、図5に示すB部分の模式拡大図である。
図7図7は、第3接着部を示した図である。
図8図8は、変形例を説明するための図である。
図9図9は、第2実施形態に係る吸収性物品の正面図である。
図10図10は、第2実施形態に係る吸収性物品の前後方向の中心を通り、かつ幅方向に沿う断面の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
態様1に係る発明は、吸収性物品である。吸収性物品は、互いに直交する第1方向と第2方向を含む平面方向に沿い、着用者の肌に当接するトップシートと、前記トップシートの非肌側の面に当接するセカンドシートと、前記セカンドシートよりも非肌側に配置された吸収コアと、前記吸収コアよりも非肌側に配置されたバックシートと、を有する。前記トップシートと前記セカンドシートは、接着剤が配置された第1接着部と、前記第1接着部と異なる形状で接着剤が配置された第2接着部と、によって接着されている。前記第1接着部は、少なくとも前記第1方向に延び、前記第2方向において間隔を空けて複数配置されている。前記第2接着部は、前記第2方向に揺動しつつ前記第1方向に延び、前記第2方向において間隔を空けて複数配置されている。第2接着部は、前記第2方向に間隔を空けて配置された複数の前記第1接着部を跨がっている。
【0010】
第2接着部は、接着剤が配置されていない領域が第1方向においても第2方向においても間隔を空けて配置されているが、接着剤が配置されていない領域の一部に第1接着部が配置されるため、トップシートがセカンドシートに対して移動し難くなり、トップシートの繊維の毛羽立ちを抑制できる。第1接着部は、第1方向に延び、かつ第2方向に間隔を空けて配置されている。複数の第1接着部を第2接着部が跨がっているため、吸収性物品が第2方向に力を受けて第1接着部間の隙間が狭まるように変形しても、第1接着部を跨ぐように第2方向に延在した第2接着部によってトップシートの浮き上がりを防止できる。その結果、トップシートとセカンドシートとの隙間を低減し、吸収スピードの低下及びトップシートのべたつきを抑制できる。すなわち、第1接着部と第2接着部の両方を設けることで、トップシートの繊維の毛羽立ち、吸収スピードの低下及びトップシートのべたつきを抑制できる。
【0011】
好ましい態様によれば、態様2に係る発明は、態様1に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記第1接着部は、前記第1方向に沿って延びる線状である。第1接着部が第1方向に沿って延びる線状であるため、第2接着部と第1接着部が交差する交差点を第1方向に間隔を空けて設けることができ、第1方向の全体に亘ってトップシートのセカンドシートに対する移動、及びトップシートの浮き上がりを抑えることができる。
【0012】
好ましい態様によれば、態様3に係る発明は、態様1又は態様2に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記トップシート内に配置された前記第1接着部の厚みは、前記トップシート内に配置された前記第2接着部の厚みよりも厚い。トップシート内に第1接着部及び第2接着部が配置されているため、トップシートの厚み方向の範囲において接着剤によって繊維を拘束でき、トップシート内で繊維が切れた場合であっても当該繊維の毛羽立ちを抑制できる。また、第1接着部の厚みが厚く、第2接着部の厚みが薄いため、厚みが厚い第1接着部によって繊維の毛羽立ちを抑制しつつ、厚みが薄い第2接着部と重なる領域においてトップシート内における体液の流れを担保できる。
【0013】
好ましい態様によれば、態様4に係る発明は、態様1から態様3のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記第1接着部が延びる方向に直交する直交方向の前記第1接着部の幅、及び前記第2接着部が延びる方向に直交する直交方向の前記第2接着部の幅の少なくとも一方は、前記トップシートの平均繊維径よりも太い。本態様によれば、第1接着部及び第2接着部の少なくとも一方によって繊維を拘束でき、トップシートの繊維の毛羽立ちをより抑制し易い。
【0014】
好ましい態様によれば、態様5に係る発明は、態様1から態様4のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記第2方向において隣り合う前記第2接着部は、第2方向において離間している。前記第2接着部の第2方向の長さは、前記隣り合う前記第2接着部同士の距離よりも長い。本態様によれば、第2接着部間の隙間を低減し、トップシートの浮き上がりをより抑制できる。
【0015】
好ましい態様によれば、態様6に係る発明は、態様1から態様5のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記吸収コアよりも前記平面方向の外側の領域では、前記トップシートと前記バックシートは、前記第1接着部と、前記第2接着部と、第3接着部と、によって接着されている。本態様によれば、トップシートの幅方向の端部及びトップシートの前後方向の端部は、第1接着部、第2接着部、及び第3接着部よって強固に接着される。よって、吸収性物品の幅方向の外側又は前後方向の外側から力が掛かった際にも、トップシートの浮き上がりを抑制でき、トップシートの毛羽立ちをより抑制できる。
【0016】
好ましい態様によれば、態様7に係る発明は、態様1から態様6に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記吸収コアの非肌側に配置され、前記前後方向に伸縮する股下伸縮性部材を有する。前記第1接着部及び前記第2接着部は、前記股下伸縮性部材に重なる領域に設けられている。第1接着部と第2接着部が設けられた領域は、トップシートとセカンドシートが接着されてなく変形し易い領域と、第1接着部と第2接着部が交差する点と重なりトップシートとセカンドシートが強固に接着された領域と、第1接着部のみが配置された領域と、第2接着部のみが配置された領域と、が設けられる。変形し易い領域で股下伸縮性部材による伸縮をトップシート側(肌側)に伝えつつ、変形し難い領域でトップシートの毛羽立ちを抑制できる。
【0017】
好ましい態様によれば、態様8に係る発明は、態様7に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記第1接着部及び前記第2接着部は、前記股下伸縮性部材と重なる領域と、前記股下伸縮性部材よりも前後方向の外側に延びる領域と、に設けられている。本態様によれば、股下伸縮性部材と重なる領域のみならず、前記股下伸縮性部材よりも前記前後方向の外側に延びる領域にも、第1接着部及び前記第2接着部が設けられているため、股下伸縮性部材の伸縮によってその前後方向の外側の領域が浮き上がった際にも、当該領域におけるトップシートの毛羽立ちを抑制できる。
【0018】
(2)第1実施形態に係る吸収性物品
以下、図面を参照して、第1実施形態に係る吸収性物品1について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。吸収性物品は、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド、糞便パッドのような吸収性物品であってよい。吸収性物品は、下着等の着用物品の内側に取り付けられて使用される物品であってよい。実施形態の吸収性物品1は、着用物品の内側に取り付けられて使用される生理用ナプキンである。
【0019】
図1は、吸収性物品1の肌側T1から見た平面図である。図2は、図1に示すA-A線に沿った断面図である。吸収性物品1は、互いに直交する第1方向D1と第2方向D2を含む平面方向と、平面方向に直交する厚さ方向Tと、を有する。第1方向D1は、前後方向L及び幅方向Wの一方であり、第2方向D2は、前後方向L及び幅方向Wの他方である。なお、本実施の形態の第1方向D1は、前後方向Lであり、第2方向D2は、幅方向Wである。しかし、変形例において、第1方向D1が幅方向Wであり、第2方向D2が前後方向Lであってもよい。
【0020】
吸収性物品1の前後方向Lにおいて、着用者の下腹部に当接する側を「前側」といい、着用者の臀部に当接する側を「後側」という。吸収性物品1の厚さ方向Tにおいて、着用者の肌に当接する側を「肌側」といい、その反対側を「非肌側」という。吸収性物品1は、股下域S3、前側域S1及び後側域S2を有する。股下域S3は、着用者の排泄口、例えば膣口に対向して配置される領域である。吸収性物品1が着用物品に装着されたときに、股下域S3は、着用物品の股下に配置され、着用者の両脚の間に配置される領域である。前側域S1は、股下域S3よりも前側に位置する。前側域S1の前端縁は、吸収性物品1の前端縁を規定する。後側域S2は、股下域S3よりも後方に位置する。後側域S2の後端縁は、吸収性物品1の後端縁を規定する。
【0021】
吸収性物品1は、吸収体30、トップシート10及びバックシート20を少なくとも有し、縦長の形状である。トップシート10は、繊維を有し、不織布、織布等、液体を透過する構造を有する任意のシート状の材料から構成される。トップシート10は、平面方向に沿い、着用者の肌に当接する。吸収性物品は、トップシート10の外側部を覆うサイドシート15を有してよい。サイドシート15は、トップシート10の幅方向の側部の肌側T1の面を覆っており、ウイング7に配置されている。バックシート20は、吸収コアの非肌側の面を覆う液不透過性のシートである。バックシート20は、通気性の樹脂フィルム、スパンボンド、又はスパンレース等の不織布に通気性の樹脂フィルムが接合されたシートなどを用いることができる。
【0022】
吸収体30は、吸収材料が積層された吸収コア31と、吸収コア31の少なくとも肌側T1の面を覆うコアラップシート32と、を有してよい。吸収コア31を構成する吸収材料は、例えば、親水性繊維、パルプ及び高吸水性高分子(SAP)から形成できる。コアラップシート32は、例えば不織布やティッシュシートから構成することができる。コアラップシート32は、吸収コア31の肌側T1の面と非肌側T2の面を覆ってもよい。変形例として、吸収コア31は、コアラップシート32によって覆われていなくてもよい。
【0023】
吸収性物品1は、トップシート10の非肌側T2の面に当接するセカンドシート25を有する。セカンドシート25は、トップシート10と吸収コア31の間に配置されてよい。セカンドシート25は、体液の非肌側への引き込みを向上させるためのシートであり、コアラップシート32によって構成されていてもよいし、コアラップシート32と別体のシートによって構成されていてもよい。本実施の形態のセカンドシート25は、吸収コア31よりも肌側に配置されたコアラップシート32によって構成されている。
【0024】
吸収性物品1は、ウイング7を有してよい。ウイング7は、股下域S3に設けられてよい。ウイング7は、吸収コア31よりも幅方向Wの外側に延出している。ウイング7の前端縁は、ウイング7の付け根によって規定されており、幅方向Wの内側に窪んだ2つの部分のうち、前側に位置する部分に相当する。ウイング7の前端縁は、股下域S3と前側域S1との境界を規定してもよい。ウイング7の後端縁は、ウイング7の付け根によって規定されており、幅方向Wの内側に窪んだ2つの部分のうち、後側に位置する部分に相当する。ウイング7の後端縁は、股下域S3と後側域S2との境界を規定してもよい。また、ウイング7を有しない吸収性物品1にあっては、吸収性物品1の前後方向Lの長さが最も長い位置において、吸収性物品1を前後方向Lに3等分した領域のそれぞれが、前側域S1、股下域S3及び後側域S2を構成してもよい。
【0025】
なお、本発明における外側部とは、幅方向Wにおける外縁を含む幅方向Wに一定の範囲を占める部分であり、外側縁とは、幅方向Wにおける外縁である。本発明における内側部とは、幅方向Wにおける内縁を含む幅方向Wに一定の範囲を占める部分であり、内側縁とは、幅方向Wにおける内縁である。また、本発明における前端部及び後端部は、前後方向Lにおける縁を含む前後方向Lに一定の範囲を占める部分であり、前端縁及び後端縁は、前後方向Lにおける縁である。外端部は、前端部及び後端部を含んでおり、外端縁は、前端縁及び後端縁を含んでいる。また、内側辺は、内側縁を含み、かつ前後方向Lに沿って延びる辺である。外側辺は、外側縁を含み、かつ前後方向Lに沿って延びる辺である。なお、本明細書において、「前後方向Lに沿って」という用語は、前後方向Lに対して45°未満の角度を持った方向を意味し、「幅方向Wに沿って」という用語は、幅方向Wに対して45°未満の角度を持った方向を意味する。
【0026】
吸収性物品1は、吸収性物品1を着用物品に止着するための粘着部を有してよい。粘着部は、バックシート20の非肌側T2の面に設けられ、吸収性物品1を着用物品に止着するための止着手段が設けられた領域である。粘着部は、吸収コア31と重なる領域を着用物品に止着するための本体粘着部61と、ウイング7を着用物品に止着するためのウイング粘着部62と、の少なくとも一方を有してもよい。
【0027】
本実施の形態の吸収性物品1は、トップシート10の繊維の毛羽立ち、体液の漏れ及びトップシート10のべたつきを抑制するように構成されている。次いで、トップシート10の繊維の毛羽立ち、体液の漏れ及びトップシート10のべたつきを抑制するための構成について詳細に説明する。トップシート10とセカンドシート25は、接着剤が配置された第1接着部71と、第1接着部71と異なる形状で接着部材が配置された第2接着部72と、によって接着されている。接着剤は、ホットメルト型接着剤等の周知の接着剤を用いることができる。
【0028】
図3は、第1接着部71を示した図であり、トップシート10の非肌側T2から見た状態を示している。第1接着部71は、少なくとも第1方向D1に延び、第2方向D2において間隔を空けて複数配置されている。実施形態の第1接着部71は、トップシート10の前後方向Lの全域、及びトップシート10の幅方向Wの全域に配置され、トップシート10よりも幅方向Wの外側の領域に配置されていない。
【0029】
図4は、第2接着部72を示した図であり、トップシート10及びサイドシート15の非肌側T2から見た状態を示している。第2接着部72は、第2方向D2に揺動しつつ第1方向D1に延び、第2方向D2において間隔を空けて複数配置されている。第2接着部72は、第2方向D2に一定の長さの振幅を有する。実施形態の第1接着部71は、トップシート10の前後方向Lの全域に配置されている。実施形態の第2接着部72は、トップシート10の幅方向Wの全域と、トップシート10よりも幅方向Wの外側に延びるサイドシート15と、に配置されている。
【0030】
接着部(第1接着部71及び第2接着部72)が第2方向D2に間隔を空けて配置された形態は、第2方向にD2延びる任意の直線上において、第2方向D2に隣り合う接着部が離間していればよく、第2方向に隣り合う接着部の両方が第1方向に延びる任意の同じ直線上に配置されていてもよい。より詳細には、例えば、第2方向において隣り合う一方の第1接着部71の左端が、他方の第1接着部の右端よりも左側に位置してもよい。接着部の第2方向の間隔は、第2方向にD2延びる任意の直線上における距離であり、図6において、第2接着部72の第2方向D2の間隔G72を示す。
【0031】
図5は、第1接着部71と第2接着部72の両方を示した図であり、トップシート10及びサイドシート15の非肌側T2の面に付された第1接着部71および第2接着部72を示している。図6は、図5に示すB部分の拡大図である。第2接着部72は、第2方向D2において間隔を空けて配置された複数の第1接着部71を跨がっている。第2接着部72は、接着剤が配置されていない領域が第1方向D1においても第2方向においても間隔を空けて配置されているが、接着剤が配置されていない領域の一部に第1接着部71が配置されるため、トップシート10がセカンドシート25に対して移動し難くなり、トップシート10の繊維の毛羽立ちを抑制できる。第1接着部71は、第1方向D1に延び、かつ第2方向D2に間隔を空けて配置されている。複数の第1接着部71を第2接着部72が跨がっているため、吸収性物品1が第2方向D2に力を受けて第1接着部71間の隙間が狭まるように変形しても、第1接着部71を跨ぐように第2方向D2に延在した第2接着部72によってトップシート10の浮き上がりを防止できる。その結果、トップシート10とセカンドシート25の隙間を低減し、吸収スピードの低下及びトップシート10のべたつきを抑制できる。第1接着部71と第2接着部72の両方を設けることで、トップシート10の繊維の毛羽立ち、吸収スピードの低下及びトップシート10のべたつきを抑制できる。
【0032】
特に、第2方向D2が幅方向Wである形態にあっては、吸収性物品1は、幅方向Wの内側に向かう力を受け易く、第1接着部71間の隙間が狭くなった際のトップシート10の浮き上がりを効果的に抑制できる。トップシート10の浮き上がりを抑制することで、トップシート10とセカンドシートの隙間を低減し、トップシートからセカンドシートへの体液の移行が速やかに行われる。また、トップシート10がセルロース系繊維(コットン等)を有する形態にあっては、吸水性が高いセルロース系繊維の存在によってトップシートがべたつき易いが、第1接着部71及び第2接着部72が疎水性として機能すること及びトップシートの浮き上がりを抑制することで、吸収スピードの低下及びトップシートのべたつきを効果的に抑制できる。
【0033】
第2接着部72は、第2方向D2に間隔を空けて配置された2つの第1接着部71を跨がって配置されていればよく、第2方向D2に間隔を空けて配置された3つ以上の第1接着部71を跨がっていてもよい。図8は、変形例に係る吸収性物品を示している。図8(A)は、第2方向D2に間隔を空けて配置された3つ以上の第1接着部71を跨がって第2接着部72が配置された形態を示している。当該変形例のように第2接着部72が跨がる第1接着部71の数が多い程、トップシート10の浮き上がりを抑制し易く、吸収スピードの低下及びトップシートのべたつきをより抑制できる。
【0034】
第1接着部71は、第1方向D1に沿って延びる線状であってよい。第1接着部71が第1方向D1に沿って延びる線状であるため、第2接着部72と第1接着部71が交差する交差点を第1方向D1に間隔を空けて設けることができ、第1方向D1の全体に亘ってトップシート10のセカンドシート25に対する移動、及びトップシート10の浮き上がりを抑えることができる。本実施の形態の第1接着部71は、第1方向D1に沿って直線状に延びており、各第1接着部71の第2方向D2の長さ712は、第2方向D2における第1接着部71の間隔G71と同じである。
【0035】
直線状に延びる接着部(例えば、第1接着部71)は、コーター塗工等の接触塗工によって設けられてよく、曲線状の接着部(例えば、第2接着部72)は、非接触塗工によって設けられてよい。接触塗工と非接触塗工の両方によって接着剤を付す形態にあっては、接触塗工後に、非接触塗工を行うことが好ましい。後の塗工を行う装置に、先の塗工工程による接着剤が付着することを抑制できる。
【0036】
第1接着部71又は第2接着部72の第2方向D2に揺動しつつ第1方向D1に延びる形状は、振幅が第2方向に延びる波形状が第1方向に連なる形状であってもよいし、Ω形状が第1方向に連なる形状であってもよいし、スパイラル形状が第1方向に連なる形状であってもよい。
【0037】
第1接着部71の第2方向D2の長さ712は、第2接着部72の第2方向D2の長さ722よりも短くてよい。第2方向D2に揺動する第2接着部72の長さが長く、線状に延びる第1接着部71の長さが短いため、接着剤が付されている領域の面積を抑制し、体液の引き込み性を向上できる。第1接着部71の第2方向D2の長さは、第1方向D1に延びる1つの第1接着部71の第2方向の両端縁間の距離である。なお、第1接着部が第1方向D1に沿って延びる線状の形態にあっては、第1接着部71の直交方向の幅W71と、第1接着部71の第2方向D2の長さ712と、は一致する。第2接着部72の第2方向D2の長さ722は、第1方向D1に延びる1つの第2接着部72の第2方向D2の両端縁間の距離である。本実施形態の第1接着部71の第2方向D2の長さ712は、1mmであり、第2接着部72の第2方向D2の長さ722は、5mmである。第2接着部72の第2方向D2の長さ722は、第1接着部71の第2方向D2の長さ712の2倍以上であってよく、好適には、3倍以上であってよい。
【0038】
第1接着部71の直交方向の幅W71は、第2接着部72の直交方向の幅W72よりも太くてよい。接着剤の直交方向の幅は、接着剤が延びる方向に直交する幅であり、塗工された接着剤の線の幅である。第1接着部71の幅W71が太いため、第1接着部71と第2接着部72が交差する交差点の面積を確保し易く、トップシート10の動きを抑制し、繊維の毛羽立ちを抑制するとともに、トップシート10の浮き上がりを抑制し、体液の漏れ及びトップシート10のべたつきを抑制できる。本実施の形態の第1接着部71の幅W71は、1mmである。また、第1接着部71の面積比率は、第2接着部72の面積比率よりも高くてよい。接着剤の面積比率は、単位面積当たりに配置された接着剤の面積によって算出できる。
【0039】
第1接着部71の直交方向の幅W71及び第2接着部72の直交方向の幅W72の少なくとも一方は、トップシート10の平均繊維径よりも太くてよい。第1接着部71及び第2接着部72の少なくとも一方によって繊維を拘束でき、トップシート10の繊維の毛羽立ちをより抑制し易い。平均繊維径は、走査型電子顕微鏡によって計測でき、N=30以上の繊維で計測した繊維径の平均値を平均繊維径とすることができる。なお、断面で計測する場合にはカットの際に繊維形状が変化している可能性があるので注意する。また、平面方向で測定する場合には溶着している場合もあるので、溶着部など形状が変化している部分は避けて測定を行う。
【0040】
トップシート10内に配置された第1接着部71の厚みは、トップシート10内に配置された第2接着部72の厚みよりも厚くてよい。トップシート10内に第1接着部71及び第2接着部72を配置することで、トップシート10の厚み方向の範囲において接着剤によって繊維を拘束でき、トップシート10内で繊維が切れた場合であっても当該繊維の毛羽立ちを抑制できる。また、第1接着部71の厚みが厚く、第2接着部72の厚みが薄いため、厚みが厚い第1接着部71によって繊維の毛羽立ちを抑制しつつ、厚みが薄い第2接着部72と重なる領域においてトップシート10内における体液の流れを担保できる。なお、トップシート内に配置された接着部の厚みは、トップシートの断面を電子顕微鏡で見ることで比較できる。
【0041】
図8(B)に示すように、変形例において、第2方向D2において隣り合う第2接着部72は、第2方向において離間してよい。第2接着部72の第2方向D2の長さ722は、隣り合う第2接着部同士の距離D72よりも長くてよい。隣り合う第2接着部同士の距離D72は、一方の第2接着部72の第2方向の外端縁と、他方の第2接着部72の第2方向の外端縁と、の第2方向の距離である。本態様によれば、第2接着部間の隙間を低減し、トップシート10の浮き上がりをより抑制できる。また、第2接着部72は、第2方向D2に揺動しつつ第1方向D1に延びるため、線状と異なって第2方向D2に接着剤が配置されていない領域が設けられる。そのため、第2接着部72の第2方向D2の長さを長くしても、接着剤が配置されていない領域を確保できる。
【0042】
トップシート10とバックシート20は、第3接着部73によって接着されていてよい。図7は、第3接着部73を示した図であり、バックシート20の肌側T1から見た状態を示している。第3接着部73は、少なくとも第1方向D1に延び、第2方向D2において間隔を空けて複数配置されている。第3接着部73は、バックシート20の前後方向Lに全域に配置されている。バックシート20と、トップシート10及びサイドシート15の間には、吸収コア31が配置されている。第3接着部73は、吸収コア31と重なる領域では、バックシート20と吸収コア31の非肌側に位置するコアラップシート32を接着する。吸収コア31よりも平面方向の外側の領域(吸収コア31よりも前後方向の外側に領域、及び吸収コアよりも幅方向の外側の領域)では、トップシート10とバックシート20は、第1接着部71と、第2接着部72と、第3接着部73と、によって接着されている。本態様によれば、トップシート10の幅方向Wの端部及びトップシート10の前後方向Lの端部は、第1接着部71、第2接着部72、及び第3接着部73によって強固に接着される。よって、吸収性物品の幅方向の外側又は前後方向の外側から力が掛かった際にも、トップシートの浮き上がりを抑制でき、トップシートの毛羽立ちをより抑制できる。
【0043】
次いで、図9及び図10を参照して、第2実施形態に係る吸収性物品1Xについて説明する。図9は、第2実施形態に係る吸収性物品1Xの正面図であり、図10は、吸収性物品1Xの前後方向の中心を通り、かつ幅方向Wに沿う断面の断面図である。なお、第2実施形態の説明において、上述の第1実施形態と同様の構成については、同符号を用いて説明を省略する。第1実施形態に係る吸収性物品1は、着用物品に取り付けられて使用される吸収性物品であるが、第2実施形態に係る吸収性物品1Xは、胴回り部材を有するパンツ型の吸収性物品である。より詳細には、第2実施形態に係る吸収性物品1Xは、ショーツ型の生理用ナプキンである。
【0044】
吸収性物品1は、トップシート10、吸収コア31、及びバックシート20を有する吸収性本体2と、着用者の腰回りを覆う胴回り部材5と、を有する。胴回り部材5は、着用者の腹側を覆う前胴回り部材と、着用者の背側を覆う後胴回り部材と、を有する。前胴回り部材の外側部と後胴回り部材の外側部がサイド接合部60によって接合されて、パンツ型に成形されている。パンツ型に成形された状態で、着用者の胴回りが挿入される胴回り開口部101と、着用者の脚周りが挿入される一対の脚周り開口部102と、が設けられている。
【0045】
吸収性物品1は、トップシート10とコアラップシート32の間に、コアラップシート32と別体のセカンドシート25が配置されている。トップシート10とセカンドシート25の間には、第1接着部71と第2接着部72が配置されている。
【0046】
吸収性物品1Xは、吸収コア31よりも非肌側T2に位置し、前後方向に伸縮する股下伸縮性部材27を有する。股下伸縮性部材27は、糸ゴムによって構成されてもよいし、伸縮シートによって構成されていてもよい。本実施の形態の股下伸縮性部材27は、前後方向Lに伸長した状態で配置された糸ゴムによって構成され、幅方向Wに間隔を空けて複数配置されている。股下伸縮性部材27は、吸収コア31よりも非肌側T2に配置されていればよく、本実施の形態では、バックシート20よりも非肌側T2に配置されている。
【0047】
第1接着部71及び第2接着部72は、股下伸縮性部材27に重なる領域に設けられている。第1接着部71と第2接着部72が設けられた領域は、トップシート10とセカンドシート25が接着されてなく変形し易い領域と、第2接着部72と第1接着部71が交差する交差点と重なりトップシート10とセカンドシート25が強固に接着された領域と、第1接着部71のみが配置された領域と、第2接着部72のみが配置された領域と、が設けられる。変形し易い領域で股下伸縮性部材27による伸縮をトップシート10側(肌側)に伝えつつ、変形し難い領域でトップシート10の毛羽立ちを抑制できる。
【0048】
第1接着部71及び第2接着部72は、股下伸縮性部材27と重なる領域と、股下伸縮性部材27よりも前後方向Lの外側に延びる領域と、に設けられてよい。股下伸縮性部材27と重なる領域のみならず、股下伸縮性部材27よりも前後方向の外側に延びる領域にも、第1接着部71及び第2接着部72が設けられているため、股下伸縮性部材27の伸縮によってその前後方向Lの外側の領域が浮き上がった際にも、当該領域におけるトップシート10の毛羽立ちを抑制できる。
【0049】
第2実施形態の第1接着部71と第2接着部72は、トップシート10の前後方向Lの全域に配置され、股下伸縮性部材27は、トップシートの前後方向の中央に配置され、トップシートの前後方向の端部に配置されていない。股下伸縮性部材27は、吸収コア31と重なる領域のみに配置され、吸収コア31と重ならない領域に配置されていない。
【0050】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0051】
1、1X :吸収性物品
10 :トップシート
20 :バックシート
25 :セカンドシート
27 :股下伸縮性部材
31 :吸収コア
71 :第1接着部
72 :第2接着部
73 :第3接着部
D1 :第1方向
D2 :第2方向
L :前後方向
T :厚さ方向
T1 :肌側
T2 :非肌側
W :幅方向
【要約】
【課題】トップシートの繊維の毛羽立ち、体液の漏れ及びトップシートのべたつきを抑制できる吸収性物品を提供する。
【解決手段】吸収性物品(1)互いに直交する第1方向(D1)と第2方向(D2)を含む平面方向に沿うトップシート(10)と、トップシートの非肌側の面に当接するセカンドシート(25)と、セカンドシートよりも非肌側に位置する吸収コア(31)と、バックシート(20)と、を有する。トップシートとセカンドシートは、第1接着部(71)と、第1接着部と異なる形状の第2接着部(72)と、によって接着されている。第1接着部は、少なくとも第1方向に延び、第2方向において間隔を空けて複数配置されている。第2接着部は、第2方向に揺動しつつ第1方向に延び、第2方向において間隔を空けて複数配置されている。第2接着部は、第2方向に間隔を空けて配置された複数の第1接着部を跨がっている。
【選択図】図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10