(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-04-07
(45)【発行日】2026-04-15
(54)【発明の名称】入力デバイス及び入力システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0338 20130101AFI20260408BHJP
【FI】
G06F3/0338 412
(21)【出願番号】P 2023500795
(86)(22)【出願日】2022-02-10
(86)【国際出願番号】 JP2022005308
(87)【国際公開番号】W WO2022176767
(87)【国際公開日】2022-08-25
【審査請求日】2025-02-04
(31)【優先権主張番号】P 2021023248
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000139403
【氏名又は名称】株式会社ワコム
(74)【代理人】
【識別番号】100091546
【氏名又は名称】佐藤 正美
(74)【代理人】
【識別番号】100206379
【氏名又は名称】丸山 正
(72)【発明者】
【氏名】加藤 壮
(72)【発明者】
【氏名】小尾 克人
【審査官】相川 俊
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-120425(JP,A)
【文献】国際公開第2020/095710(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/181118(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/208476(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0192538(US,A1)
【文献】特開2016-091427(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0168593(US,A1)
【文献】特開2003-131804(JP,A)
【文献】特開平06-119105(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0338
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作軸と、前記操作軸を、当該操作軸の軸心方向を任意の方向に傾かせる操作を可能とする状態で収納するケースとを有し、
前記操作軸内には、位置検出センサと電磁誘導結合による信号のインタラクションを行うための共振回路を構成するためのコイルが、前記コイルを貫通する磁束の方向が前記操作軸の軸心方向となるように収納され、
前記操作軸は、前記ケース内において、前記操作軸の軸心方向の一端側と他端側との間の所定の位置を回転中心として任意の方向に傾けられるように構成されることで、前記信号のインタラクションにより前記位置検出センサを通じて検出される前記操作軸の軸心方向の一端側の位置変位に基づいて、前記操作軸が傾けられた方向及び前記傾き角の大きさが検出されるようにさ
れ、
前記操作軸内には、前記コイルが、前記位置検出センサを通じて前記操作軸の軸心方向の一端側の位置が検出可能となるように収納されており、
前記ケースは、中空空間を介して互いに対向する上部及び底部を備え、前記上部には開口が設けられ、
前記操作軸は、前記ケース内に、軸心方向の前記一端側が前記ケースの前記底部側において移動可能に軸受けされ、軸心方向の前記他端側が前記開口を通じて前記ケース外に突出させられると共に、前記傾かせる操作力が軸心方向の前記他端側に加えられたときに、前記ケースの前記中空空間内において、前記所定の位置を回転中心として回転して傾き、軸芯方向の前記一端側の位置が前記ケースの底部において変化するように支持され、
コイルばねが、前記操作軸を当該コイルばねの内部に収納するように配設されると共に、前記コイルばねの一端側が前記ケースの前記底部に固定されて取り付けられており、
前記コイルばねにより、前記操作軸が、前記ケース内に支持されると共に、傾かせる操作力が加えられる前の状態に弾性的に復帰させられる
ことを特徴とする入力デバイス。
【請求項2】
前記操作軸の軸心方向の前記他端側の前記ケース内部分には、前記操作軸が傾かせられたときに、前記ケースの上部と擦れ合うことがないように軸心方向に交差する方向に張り出す傘状の操作軸カバー部が、当該操作軸カバー部と前記操作軸とが軸心方向を中心軸として互いに自由に回転可能な状態で結合されていると共に、
前記コイルばねの他端は、前記操作軸カバー部に固定されている
ことを特徴とする請求項
1に記載の入力デバイス。
【請求項3】
操作軸と、前記操作軸を、当該操作軸の軸心方向を任意の方向に傾かせる操作を可能とする状態で収納するケースとを有し、
前記操作軸内には、位置検出センサと電磁誘導結合による信号のインタラクションを行うための共振回路を構成するためのコイルが、前記コイルを貫通する磁束の方向が前記操作軸の軸心方向となるように収納され、
前記操作軸は、前記ケース内において、前記操作軸の軸心方向の一端側と他端側との間の所定の位置を回転中心として任意の方向に傾けられるように構成されることで、前記信号のインタラクションにより前記位置検出センサを通じて検出される前記操作軸の軸心方向の一端側の位置変位に基づいて、前記操作軸が傾けられた方向及び前記傾き角の大きさが検出されるようにさ
れ、
前記操作軸内には、前記コイルが、前記位置検出センサを通じて前記操作軸の軸心方向の一端側の位置が検出可能となるように収納されており、
前記ケースは、中空空間を介して互いに対向する上部及び底部を備え、前記上部には開口が設けられ、
前記操作軸は、前記ケース内に、軸心方向の前記一端側が前記ケースの前記底部側において移動可能に軸受けされ、軸心方向の前記他端側が前記開口を通じて前記ケース外に突出させられると共に、前記傾かせる操作力が軸心方向の前記他端側に加えられたときに、前記ケースの前記中空空間内において、前記所定の位置を回転中心として回転して傾き、軸芯方向の前記一端側の位置が前記ケースの底部において変化するように支持され、
前記操作軸の軸心方向の前記他端側の前記ケース内部分には、前記操作軸が傾かせられたときに、前記ケースの上部と擦れ合うことがないように軸心方向に交差する方向に張り出す傘状の操作軸カバー部が形成されている
ことを特徴とする入力デバイス。
【請求項4】
前記操作軸を傾かせる操作力が解除されたときに、前記操作軸を前記傾かせる操作力が加えられる前の状態に弾性的に復帰させるようにする弾性復帰部材を備える
ことを特徴とする請求項1
又は請求項3に記載の入力デバイス。
【請求項5】
前記コイルは、磁性体コアに巻回されていると共に、前記磁性体コアの軸心方向の一端側は、前記操作軸の軸心方向の前記一端側の端部の近傍に位置するように構成されている
ことを特徴とする請求項1
又は請求項3に記載の入力デバイス。
【請求項6】
前記操作軸の軸心方向の前記他端側には、使用者が前記操作軸を傾かせる操作をするための把持操作部が設けられて、
前記把持操作部には、回路基板が設けられ、
前記回路基板には、前記コイルと電気的に接続されて前記共振回路を構成する第1のコンデンサが配設されている
ことを特徴とする請求項1
又は請求項3に記載の入力デバイス。
【請求項7】
前記把持操作部には、使用者が操作可能な1又は複数個のスイッチが設けられ、
前記回路基板には、前記1又は複数個のスイッチのオン、オフにより、前記共振回路に対しての接続が制御される1又は複数個の第2のコンデンサが設けられている
ことを特徴とする請求項6に記載の入力デバイス。
【請求項8】
前記操作軸の軸心方向の前記一端側の端部は、所定の第1の曲率を有する凸曲面とされ、
前記ケースの底部には、前記第1の曲率と同じ又は前記第1の曲率よりも大きい第2の曲率を有する凹曲面とされている軸受け部が設けられている、
ことを特徴とする請求項
1又は請求項3に記載の入力デバイス。
【請求項9】
前記凸曲面と前記凹曲面は、ともに球面とされている
ことを特徴とする請求項8に記載の入力デバイス。
【請求項10】
前記ケースの前記底部には、前記位置検出センサが設けられていると共に、前記位置検出センサの、前記共振回路との電磁誘導結合による信号のインタラクションに基づく検出出力から前記操作軸の軸心方向の前記一端側の前記位置検出センサ上の位置の変化に基づいて前記操作軸が傾けられた方向を検出する検出回路が設けられている
ことを特徴とする請求項
1又は請求項3に記載の入力デバイス。
【請求項11】
前記検出回路は、前記位置検出センサの、前記共振回路との電磁誘導結合による信号のインタラクションに基づく検出出力から前記操作軸の軸心方向の前記一端側の前記位置検出センサ上の位置の変化に基づいて前記操作軸が傾けられた方向及び前記操作軸の傾き角の大きさを検出する
ことを特徴とする請求項
10に記載の入力デバイス。
【請求項12】
入力デバイスと、前記入力デバイスが載置される入力面を備える操作情報出力装置とからなる入力システムであって、
前記操作情報出力装置は、電磁誘導方式の位置検出センサを具備し、前記位置検出センサの位置検出領域上を前記入力面とし、
前記入力デバイスは、
操作軸と、前記操作軸を、当該操作軸の軸心方向を任意の方向に傾かせる操作を可能とする状態で収納するケースとを有し、
前記操作軸内には、前記位置検出センサと電磁誘導結合による信号のインタラクションを行う共振回路を構成するためのコイルが、前記コイルを貫通する磁束の方向が前記操作軸の軸心方向となるように収納されて
いると共に、前記操作軸は、前記ケース内において、前記操作軸の軸心方向の一端側と他端側との間の所定の位置を回転中心として任意の方向に傾けられるように構成されており、
前記ケースは、中空空間を介して互いに対向する上部及び底部を備え、前記上部には開口が設けられ、
前記操作軸は、前記ケース内に、軸心方向の前記一端側が前記ケースの前記底部側において移動可能に軸受けされ、軸心方向の前記他端側が前記開口を通じて前記ケース外に突出させられると共に、前記傾かせる操作力が軸心方向の前記他端側に加えられたときに、前記ケースの前記中空空間内において、前記所定の位置を回転中心として回転して傾き、軸芯方向の前記一端側の位置が前記ケースの底部において変化するように支持され、
コイルばねが、前記操作軸を当該コイルばねの内部に収納するように配設されると共に、前記コイルばねの一端側が前記ケースの前記底部に固定されて取り付けられており、
前記コイルばねにより、前記操作軸が、前記ケース内に支持されると共に、傾かせる操作力が加えられる前の状態に弾性的に復帰させられるように構成されており、
前記操作情報出力装置は、
前記位置検出センサの、前記共振回路との電磁誘導結合による信号のインタラクションに基づく検出出力から前記操作軸の軸心方向の前記一端側の前記位置検出センサ上の位置を検出し、検出した位置の変化に基づいて前記操作軸が傾けられた方向を検出する検出回路を備える
ことを特徴とする入力システム。
【請求項13】
入力デバイスと、前記入力デバイスが載置される入力面を備える操作情報出力装置とからなる入力システムであって、
前記操作情報出力装置は、電磁誘導方式の位置検出センサを具備し、前記位置検出センサの位置検出領域上を前記入力面とし、
前記入力デバイスは、
操作軸と、前記操作軸を、当該操作軸の軸心方向を任意の方向に傾かせる操作を可能とする状態で収納するケースとを有し、
前記操作軸内には、前記位置検出センサと電磁誘導結合による信号のインタラクションを行う共振回路を構成するためのコイルが、前記コイルを貫通する磁束の方向が前記操作軸の軸心方向となるように収納されて
いると共に、前記操作軸は、前記ケース内において、前記操作軸の軸心方向の一端側と他端側との間の所定の位置を回転中心として任意の方向に傾けられるように構成されており、
前記ケースは、中空空間を介して互いに対向する上部及び底部を備え、前記上部には開口が設けられ、
前記操作軸は、前記ケース内に、軸心方向の前記一端側が前記ケースの前記底部側において移動可能に軸受けされ、軸心方向の前記他端側が前記開口を通じて前記ケース外に突出させられると共に、前記傾かせる操作力が軸心方向の前記他端側に加えられたときに、前記ケースの前記中空空間内において、前記所定の位置を回転中心として回転して傾き、軸芯方向の前記一端側の位置が前記ケースの底部において変化するように支持され、
前記操作軸の軸心方向の前記他端側の前記ケース内部分には、前記操作軸が傾かせられたときに、前記ケースの上部と擦れ合うことがないように軸心方向に交差する方向に張り出す傘状の操作軸カバー部が形成されて構成されており、
前記操作情報出力装置は、
前記位置検出センサの、前記共振回路との電磁誘導結合による信号のインタラクションに基づく検出出力から前記操作軸の軸心方向の前記一端側の前記位置検出センサ上の位置を検出し、検出した位置の変化に基づいて前記操作軸が傾けられた方向を検出する検出回路を備える
ことを特徴とする入力システム。
【請求項14】
前記入力デバイスは、前記操作軸を傾かせる操作力が解除されたときに、前記操作軸を前記傾かせる操作力が加えられる前の状態に弾性的に復帰させるようにする弾性復帰部材を備える
ことを特徴とする請求項
12又は請求項13に記載の入力システム。
【請求項15】
前記操作情報出力装置の前記検出回路は、前記位置検出センサの、前記共振回路との電磁誘導結合による信号のインタラクションに基づく検出出力から前記操作軸の軸心方向の前記一端側の前記位置検出センサ上の位置を検出し、検出した位置の変化に基づいて前記操作軸が傾けられた方向及び前記操作軸の傾き角の大きさを検出する
ことを特徴とする請求項
12又は請求項13に記載の入力システム。
【請求項16】
前記操作情報出力装置の前記入力面は、前記入力デバイスの底部よりも大きい領域範囲を有し、前記入力デバイスは、前記入力面の任意の位置に載置可能とされる
ことを特徴とする請求項
12又は請求項13に記載の入力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばゲーム用のジョイスティックコントローラとして使用して好適な、方向指示を行うための入力デバイス及び当該入力デバイスを用いた入力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ジョイスティックコントローラとして、特許文献1(特開平10-254567号公報)や特許文献2(特開2008-3704号公報)などが知られている。これらの特許文献に示されている従来のジョイスティックコントローラは、ケース内に、傾かせる操作(傾倒操作)が可能な状態で操作軸が収納されると共に、傾かせる操作に応じて操作軸を回動可能に支持する回動支持機構と、ケース内に、当該回動支持機構と結合して、操作軸のX軸操作方向の動き及びY軸操作方向の動きを検出し、その検出信号(検出電圧など)を出力する第1及び第2の検出手段が設けられて構成されている。
【0003】
そして、特許文献1では、第1及び第2の検出手段は、回転型ポテンショメータで構成され、それぞれの電気抵抗値が操作軸の傾倒操作に応じて可変されるようにされており、また、特許文献2では、第1及び第2の検出手段は、磁石と磁気センサとにより構成され、磁石と磁気センサとの相対的な位置関係が操作軸の傾倒操作に応じて変化することに基づいて、磁気センサから操作軸の傾倒操作に応じた電気出力が得られるようにされている。
【0004】
また、従来のジョイスティックコントローラは、制御基板上に設けられている電気回路的な接点となるコネクタに接続されて実装される構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平10-254567号公報
【文献】特開2008-3704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来のジョイスティックコントローラは、ケース内に操作軸を回転可能に支持する回転支持機構と、この回転支持機構と結合して第1及び第2の検出手段が設けられる構成であり、機構的な構成が複雑なものとなってしまう問題がある。
【0007】
そして、特許文献1のように回転型ポテンショメータを用いる構造の場合においては、可変抵抗部分と接触単体が常に擦り合いながら動作を行うため、摩耗や異物の混入などにより接触不良などの電気回路的な破損が起こり、操作軸の傾き角を正しく検出することができなくなる恐れがある。
【0008】
また、特許文献2のように、磁石と磁気センサとを用いた磁気的な結合に基づいて操作軸の傾倒操作に応じた出力を得る場合においても、磁石と磁気センサの一方は、操作軸を回転可能に支持する回転支持機構に結合して回転する機構部に取り付けるように構成する必要があり、その回転する機構部において機械的な破損が発生し、操作軸の傾き角を正しく検出することができなくなる恐れがある。
【0009】
また、従来のジョイスティックコントローラは、上述したように、制御基板上に実装されて構成されるものであるため、設置位置の変更ができないという欠点もある。
【0010】
この発明は、以上の問題点を解決することができるようにした入力デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、
操作軸と、前記操作軸を、当該操作軸の軸心方向を任意の方向に傾かせる操作を可能とする状態で収納するケースとを有し、
前記操作軸内には、位置検出センサと電磁誘導結合による信号のインタラクションを行うための共振回路を構成するためのコイルが、前記コイルを貫通する磁束の方向が前記操作軸の軸心方向となるように収納され、
前記操作軸は、前記ケース内において、前記操作軸の軸心方向の一端側と他端側との間の所定の位置を回転中心として任意の方向に傾けられるように構成されることで、前記信号のインタラクションにより前記位置検出センサを通じて検出される前記操作軸の軸心方向の一端側の位置変位に基づいて、前記操作軸が傾けられた方向及び前記傾き角の大きさが検出されるようにされ、
前記操作軸内には、前記コイルが、前記位置検出センサを通じて前記操作軸の軸心方向の一端側の位置が検出可能となるように収納されており、
前記ケースは、中空空間を介して互いに対向する上部及び底部を備え、前記上部には開口が設けられ、
前記操作軸は、前記ケース内に、軸心方向の前記一端側が前記ケースの前記底部側において移動可能に軸受けされ、軸心方向の前記他端側が前記開口を通じて前記ケース外に突出させられると共に、前記傾かせる操作力が軸心方向の前記他端側に加えられたときに、前記ケースの前記中空空間内において、前記所定の位置を回転中心として回転して傾き、軸芯方向の前記一端側の位置が前記ケースの底部において変化するように支持され、
コイルばねが、前記操作軸を当該コイルばねの内部に収納するように配設されると共に、前記コイルばねの一端側が前記ケースの前記底部に固定されて取り付けられており、
前記コイルばねにより、前記操作軸が、前記ケース内に支持されると共に、傾かせる操作力が加えられる前の状態に弾性的に復帰させられる
ことを特徴とする入力デバイスを提供する。
【0012】
上述の構成の入力デバイスは、当該入力デバイスと別体の位置検出センサ上に載置されて使用することが可能に構成されている。
【0013】
そして、入力デバイスにおいては、軸心方向を任意の方向に傾かせる操作を可能とする状態でケースに収納されている操作軸内に、位置検出センサと電磁誘導結合による信号のインタラクションを行うための共振回路を構成するためのコイルが、当該コイルを貫通する磁束の方向が操作軸の軸心方向となるように収納されている。
【0014】
そして、操作軸は、ケース内において、軸心方向の一端側と他端側との間の所定の位置を回転中心として回転して任意の方向に傾けられるように構成されている。したがって、操作軸が傾けられると、信号のインタラクションにより位置検出センサを通じて検出される操作軸の軸心方向の一端側の位置が変位するので、その位置変位に基づいて、操作軸が傾けられた方向及び傾き角の大きさが検出される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】この発明による入力デバイス及び入力システムの第1の実施形態の構成例の概要を説明するための図である。
【
図2】この発明による入力デバイスの第1の実施形態の構成例を説明するための図である。
【
図3】この発明による入力デバイスの第1の実施形態において、操作軸を傾けた状態を説明するための図である。
【
図4】この発明による入力システムの第1の実施形態における操作軸の傾き方向及び傾きの大きさを算出する方法を説明するための図である。
【
図5】この発明による入力システムの第1の実施形態の電気的構成例を説明するための図である。
【
図6】この発明による入力システムの第1の実施形態における操作情報出力装置の情報処理回路の動作の流れの例を示すフローチャートの一部を示す図である。
【
図7】この発明による入力システムの第1の実施形態における操作情報出力装置の情報処理回路の動作の流れの例を示すフローチャートの一部を示す図である。
【
図8】この発明による入力デバイスの第2の実施形態の構成例を説明するための図である。
【
図9】この発明による入力デバイスの他の実施形態の構成例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1の実施形態]
先ず、この発明による入力デバイス及び当該入力デバイスを用いた入力システムの第1の実施形態を、図を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、この発明による入力システムの第1の実施形態の概要を説明するための図である。この第1の実施形態の入力システムは、この発明による第1の入力デバイスの実施形態としての入力デバイス1と、この入力デバイス1に対する使用者の操作に応じた操作情報を出力する操作情報出力装置2とで構成される。
【0018】
操作情報出力装置2は、この例では、薄い板状の筐体21内に、電磁誘導方式の位置検出センサ22を備え、筐体21の表面には、位置検出センサ22の位置検出領域に対応する入力面22aが形成されている。この入力面22aは平面とされ、この実施形態の入力システムにおいては、入力デバイス1は、この入力面22a上の、任意の位置に載置されて用いられる。
【0019】
入力デバイス1は、この例では、外観が円柱状で内部が中空のケース11に、操作軸12が、その軸心方向が円柱状ケース11の中心線方向となる状態で、かつ、当該操作軸12の軸心方向を任意の方向に傾かせる操作が可能となる状態で収納されている。操作軸12は、ケース11の上部に設けられている開口11aを通じて外部に突出し、その突出した部分に、使用者が操作軸12を傾かせる操作をするための把持操作部13が取り付けられている。
【0020】
後述するように、入力デバイス1の操作軸12内には、位置検出センサ22と電磁誘導結合による信号のインタクラクションを行うための共振回路を構成するためのコイルが設けられており、操作軸12の軸心方向の、ケース11内である一端側の位置が位置検出センサ22を通じて検出可能に構成されている。
【0021】
そして、この実施形態では、操作軸12の軸心方向の一端側の位置が、使用者による操作軸12を傾ける操作に応じて変化するように、入力デバイス1を構成する。また、操作情報出力装置2を、入力デバイス1の操作軸12の軸心方向の一端側の位置変化を検出し、その検出した位置変化に基づいて、入力デバイス1の操作軸12の傾きの方向及び大きさを検出することができるように構成する。そして、操作情報出力装置2は、検出した入力デバイス1の操作軸12の傾きの方向及び大きさを含む操作情報を生成し、この例では、無線によりゲーム機本体やパーソナルコンピュータに送信するように構成される。なお、操作情報出力装置2からの操作情報は、ケーブルを介して有線でゲーム機本体やパーソナルコンピュータに送信するように構成しても勿論よい。
【0022】
以下、入力デバイス1及び操作情報出力装置2の構成例について説明する。
【0023】
<入力デバイス1の構成例>
図2は、入力デバイス1の構成例を説明するための図であり、
図2(A)は、入力デバイス1の上面図である。また、
図2(B)は、入力デバイス1の縦断面図であり、
図2(A)におけるA-A線断面図である。
【0024】
図2(B)に示すように、入力デバイス1のケース11は、非磁性材料例えば樹脂で構成され、下部ケース11Bと上部ケース11Uとが嵌合されて、この例では外観が円柱状で内部に中空空間を備える形状とされている。
【0025】
下部ケース11Bは、円形の板状体で構成され、ケース11の底部を形成する。この下部ケース11Bのケース11の開口11aと対向する面には、操作軸12の操作軸本体121の軸心方向の一端121a側を軸受けする軸受け部11Baが設けられている。この下部ケース11Bのケース11の開口11aと対向する面側とは反対側の外部に露出する面11Bbは、ケース11の底面とされる。この例では、このケース11の底面を構成する面11Bb(以下、底面11Bbという)は平面とされており、入力デバイス1が操作情報出力装置2の平面の入力面22a上に載置されたときに、入力面22a上でガタつかないようにされている。
【0026】
そして、この実施形態では、入力デバイス1を操作情報出力装置2の入力面22a上に載置したときに、入力デバイス1は、その下部ケース11Bの底面11Bbと、操作情報出力装置2の入力面22aとの間で生じる摩擦力により、入力面22aに平行な方向に容易には動かないように、入力デバイス1の下部ケース11Bの材料が選定され、及び/又は、底面11Bbの面処理が施されると共に、操作情報出力装置2の入力面22aの材料が選定され、及び/又は、面処理が施されている。
【0027】
上部ケース11Uは、下部ケース11Bの周縁部に嵌合すると共に、当該下部ケース11Bの周縁部に対して垂直な方向となるように構成されている円筒状壁板11Uaと、下部ケース11Bで構成される底部に対して中空空間を介して対向する開口11aを有する上部11Ubとが一体に形成されたものとされている。開口11aは、上部ケース11Uの上部11Ubの中央部に形成されており、当該開口11aの径は、操作軸12の径よりも大きく、操作軸12が操作の最大角度分だけ傾いたときにも、操作軸12と接触しないような大きさに選定されている。
【0028】
操作軸12は、
図2(B)に示すように、この実施形態では、操作軸本体121と、操作軸カバー122とで構成されている。これら操作軸本体121及び操作軸カバー122は、非磁性体材料、この例では樹脂で構成されている。
【0029】
操作軸本体121は、軸心方向の長さが、ケース11の下部ケース11Bの軸受け部11Baの表面からケース11の上部ケース11Uの上部11Ubの外表面までの長さよりも長い、円柱の棒状形状とされている。この操作軸本体121の軸心方向の一端121a側が操作軸12の軸心方向の一端側であり、操作軸本体121の軸心方向の他端121b側が操作軸12の軸心方向の他端側である。
【0030】
図2(B)に示すように、操作軸12をケース11内に収納した状態では、操作軸本体121の軸心方向の一端121a側の先端部が、下部ケース11Bの軸受け部11Baと衝合して軸受けされる状態とされる。また、操作軸本体121の軸心方向の他端121bは、ケース11の上部ケース11Uの上部11Ubの開口11aから外部に突出する。この外部に突出している操作軸本体121の軸心方向の他端121b側に、円板状の把持操作部13が取り付けられている。
【0031】
操作軸本体121には、
図2(B)に示すように、その軸心方向の他端121bから一端121aの先端部近傍にまで亘る凹穴121hが形成されており、この凹穴121h内に、電磁誘導方式の位置検出センサ22と電磁結合する、共振回路を構成するコイル14が固定収納されている。この場合、コイル14を貫通する磁束の方向が操作軸本体121の軸心方向、つまり操作軸12の軸心方向となるように、コイル14が固定収納されている。
【0032】
この例では、コイル14は、棒状の磁性体コア、例えばフェライトコア15に巻回された状態で、操作軸本体121の凹穴121h内に収納固定されている。この場合に、フェライトコア15の軸心方向の一端15a側が、操作軸本体121の軸心方向の一端121a側の近傍となるように、フェライトコア15が凹穴121h内に収納固定されている。
【0033】
そして、この実施形態では、
図2(B)に示すように、操作軸本体121の一端121a側の先端部は、所定の第1の曲率を有する凸曲面を有するように構成されている。一方、ケース11の底板を構成する下部ケース11Bの軸受け部11Baは、操作軸12の凸曲面の第1の曲率と同じ又は第1の曲率よりも大きい第2の曲率を有する凹曲面を有するように構成されている。この場合に、この実施形態では、操作軸本体121の一端121aの先端部の凸曲面及び下部ケース11Bの軸受け部11Baの凹曲面は、それぞれ球面の一部の曲面により構成されている。
【0034】
この実施形態では、
図2(B)に示すように、操作軸本体121と、操作軸カバー122とは、操作軸本体121の軸心方向の中央部よりも他端121b側の位置であって、操作軸12をケース11内に収納したときに、ほぼ開口11aと同一位置となるような軸心方向位置において結合されている。操作軸カバー122は、操作軸本体121を中心位置として、操作軸本体121の軸心方向に交差する方向であって、ケース11内で底部の方向に向かうような斜め方向に湾曲して放射状に張り出す傘状の形状とされている。
【0035】
この場合に、この操作軸カバー122の傘状に張り出す湾曲面122aの形状は、真球形状ではなく、操作軸本体121の軸心方向が長手方向となる回転楕円体の表面形状とされており、これにより、操作軸12がケース11内で傾けられたときに、操作軸カバー122と、上部ケース11Uの開口11aの円形端縁とが擦れ合わないように構成されている。
【0036】
操作軸本体121と操作軸カバー122とは、一体物として構成するようにしてもよいが、この実施形態では、操作軸本体121と操作軸カバー122とは、別体のものとされている。そして、この例では、操作軸本体121が操作軸カバー122に対して、当該操作軸本体121の軸心中心を回転中心として自由に回転することができるように、操作軸本体121と操作軸カバー122とが結合されている。すなわち、
図2(B)に示すように、操作軸本体121の操作軸カバー122との結合部の周側面には、リング状の凹溝121dが形成されている。一方、操作軸カバー122は、このリング状の凹溝121dに遊嵌されるリング状膨出部122bを備える。この場合に、リング状の凹溝121dの大きさは、リング状膨出部122bよりも若干大きなものとされ、これにより、操作軸本体121に対して操作軸カバー122が遊嵌され、互いに回動可能となるように結合されて構成されている。
【0037】
操作軸12は、把持操作部13に操作軸12を傾かせる操作力が加えられたときには、ケースの中空空間内における操作軸本体121の軸心方向の一端121a側と他端121b側との中間位置を回転中心位置として回転して傾き、軸芯方向の一端121a側の位置がケース11の底部の下部ケース11Bの軸受け部11Baにおいて変化するように支持されている。
【0038】
この実施形態では、操作軸12は、弾性圧縮変位が可能なコイルばね16により、ケース11内に傾き変位可能な状態で支持される構成とされている。すなわち、コイルばね16は、操作軸本体121の径よりも大きい径の巻き径を有し、
図2(B)に示すように、操作軸本体121を当該コイルばね16の内部に収納する状態で、当該コイルばね16の一端16a側をケース11の底部を構成する下部ケース11Bに固定し、また、コイルばね16の他端16b側を操作軸12の軸心方向の他端側に固定するようにする。
【0039】
ただし、この実施形態では、コイルばね16の他端16b側は、操作軸12の操作軸本体121ではなく、
図2(B)に示すように、操作軸カバー122に対して固定されている。したがって、操作軸12は、コイルばね16によりケース11に支持されていても、操作軸本体121は、コイルばね16に対して直接的に結合されてはいない。このため、使用者が把持操作部13を、意図的に、操作軸12の軸心方向を中心として回転させて操作軸12をねじるような操作をしたとしても、操作軸本体121は、操作軸カバー122に対して自由に回転するために、コイルばね16がねじられることはなく、操作軸12のねじり操作によりコイルばね16が破損してしまうことはない。
【0040】
なお、コイルばね16の他端16b側は、操作軸本体121や操作軸カバー122に固定せずに、フリーの状態としておいてもよい。その場合には、コイルばね16の他端16b側は、フリーであるので、操作軸12のねじり操作によりコイルばね16が破損してしまうことを防止する効果が得られる。
【0041】
また、この実施形態では、コイルばね16の一端16a側は、
図2(B)に示すように、下部ケース11Bの軸受け部11Baの凹曲面を、当該コイルばねの巻き径の内部に収納するような状態で、下部ケース11Bに対して固定される。後述するように、操作軸12の操作軸本体121の軸心方向の一端121aの先端は、この軸受け部11Baの凹曲面内で位置を移動するように動作する。
【0042】
把持操作部13は、この例では、樹脂で構成されており、使用者が操作軸12を操作し易いように、操作軸本体121よりも大きな径で、所定の厚さを有する円板状形状とされ、当該円板状形状の中心部において、操作軸12の操作軸本体121と結合されている。そして、この実施形態においては、この把持操作部13内の操作軸本体121の軸心方向の延長方向には、回路基板17が配設されており、この回路基板17において、コイル14に並列にコンデンサが接続されて共振回路が構成されている。この操作軸12の構成は、操作軸本体121の軸心方向の一端121a側の先端部をペン先側として位置検出センサに対して位置指示を行う電子ペンと同様の構成となる。
【0043】
そして、この実施形態では、把持操作部13には、操作軸12の軸心方向に直交する方向の上面に、
図2(A)に示すように、押しボタン18,19が、操作者が把持操作部13を把持しながら操作軸12の軸心方向に押下操作可能となるように露出されて設けられている。押しボタン18と押しボタン19とは、例えば露出している操作部が、異なる色で着色される等されて、使用者が区別することができるように構成されている。
【0044】
把持操作部13内に設けられている回路基板17には、これら押しボタン18,19によりオン、オフされるスイッチ18S,19S(
図2では図示を省略。後述の
図5参照)が設けられている。これら押しボタン18,19によりオン、オフされるスイッチ18S,19Sは、この実施形態では、通常状態ではオフとされており、使用者による押しボタン18,19の押下操作によりオンとされ、使用者が押下操作を解除すると、オフの状態に戻る自己復帰式のスイッチとされている。
【0045】
なお、押しボタン18,19は、自己復帰式ではなく、1回押し込むとその状態でロックされ(スイッチオン)、再度押し込むとロックが解除(スイッチオフ)されるような構成のものであってもよい。
【0046】
そして、後述するように、回路基板17には、押しボタン18,19の押下操作によりオン、オフされるスイッチ18S,19Sにより、共振回路に対しての接続が制御されるコンデンサC1,C2(
図5参照)が設けられており、押しボタン18,19の押下操作により、共振回路の共振周波数が変更されるように構成されている。すなわち、押しボタン18,19の押下操作によりオン、オフされるスイッチ18S,19Sは、電子ペンにおけるサイドスイッチと同様の機能を備えるように構成されている。
【0047】
押しボタン18,19の押下操作によるスイッチ18S,19Sのオン操作は、操作情報出力装置2において、予め、所定の事象(イベント)に対応付けて設定登録することが可能とされている。この実施形態では、スイッチ18S,19Sのオン操作は、操作情報出力装置2において、ゲーム用の所定の操作指示情報として取り扱われるように設定登録されている。
【0048】
実施形態の入力デバイス1は、以上のように構成されることで、操作軸12が、コイルばね16の弾性変位力により、操作軸本体121がケース11の底部に垂直な状態で、かつ、当該操作軸本体121の軸心方向の一端121a側の先端部が、ケース11の底部を構成する下部ケース11Bの軸受け部11Baの中央部に衝合する状態で、ケース11内に支持される。すなわち、操作軸12の一端側の先端位置は、傾ける力が把持操作部13に印加されていないときには、下部ケース11Bの軸受け部11Baの中心部に位置する状態となっている。
【0049】
そして、このように操作軸12がケース
11内に支持されている状態において、把持操作部13に操作軸12を傾ける力が印加されると、操作軸12は、コイルばね16の弾性変形により、操作軸本体121の軸心方向の一端121a側と他端121b側との間の位置を回転中心として回転することで傾き、傾ける力の印加が解除されると、コイルばね16の弾性復帰力により、傾ける力が印加される前の元の状態に復帰するように動作する。このことを
図3を用いて説明する。
【0050】
図3は、入力デバイス1の把持操作部13が矢印ARの方向の力を受けて、操作軸12が傾いた状態を示す図である。すなわち、矢印ARの方向の力を受けると、操作軸12は、当該矢印ARの力の印加方向に傾倒しようとする。このとき、コイルばね16の軸心方向の一端及び他端が、ケース11の底部の下部ケース11B及び操作軸12の操作軸本体121の他端121b側の操作軸カバー122に、固定されているので、コイルばね16は、
図3に示すように、矢印ARの方向の力が印加される側が弾性的に伸び、矢印ARの方向とは反対側が弾性的に縮むように弾性変化をする。このため、操作軸12は、コイルばね16の一端16aと他端16bとの間の位置Oc(この位置Ocは、操作軸本体
121の軸心方向の一端121a及び他端121bの間の位置となっている)を回転中心として回転するようにして傾く。
【0051】
なお、操作軸12の回転中心の位置Ocは、操作軸本体121の軸心方向の一端121aと他端121bの間の所定の定まった固定位置となるように構成する必要はなく、操作軸12の傾き角の大きさに応じて若干変動してもよい。ただし、操作軸12が傾けられたときに、操作軸12とケース11の上部ケース11Uとが擦れ合うことがないように、上部ケース11Uの形状及び操作軸12の形状が選定される。
【0052】
このように操作軸12が傾いたときには、
図3に示すように、下部ケース11Bの軸受け部11Baにおける操作軸本体121の一端121a側の先端位置は、傾いていない状態での軸受け部11Baの中央部から、操作軸本体121の他端
121b側の傾き方向とは逆方向に、傾き角θに応じた距離dだけ移動するように位置変位する。
【0053】
この実施形態では、この操作軸12の操作軸本体121の一端121a側の先端位置の位置変位を、位置検出センサ22を通じて検出することで、操作情報出力装置2は、入力デバイス1の操作軸12の傾き方向及び傾きの大きさの出力情報を得ることができる。
【0054】
例えば、
図4に示すように、入力デバイス1が、操作情報出力装置2の入力面22a上に載置され、入力デバイス1の操作軸12を傾ける力が印加されていないときの操作軸本体121の軸心方向の一端の位置P0が、位置検出センサ22を通じて座標(x0,y0)として検出されると共に、操作軸12が使用者により傾けられたときの操作軸本体121の軸心方向の一端の位置P1が、位置検出センサ22を通じて座標(x1,y1)として検出された場合には、操作軸12の傾き方向及び傾きの大きさは、以下のようにして検出される。
【0055】
例えば、
図4において、操作軸12の傾き方向を、X軸とY軸の平面で考えたとき、操作軸12が丁度、X軸方向の正方向に傾いたときの操作軸12の回転角φを0度、X軸方向の負方向に傾いたときの操作軸12の回転角φを180度としたときには、操作軸12の傾き方向(回転角φ)は、操作軸本体121の軸心方向の一端側とは反対方向であるので、
x1=x0かつ(y1-y0)>0のときには、φ=-90度、
x1=x0かつ(y1-y0)<0のときには、φ=90度、
(x1-x0)>0かつ(y1-y0)=0のときには、φ=180度、
(x1-x0)<0かつ(y1-y0)=0のときには、φ=0度、
(x1-x0)>0かつ(y1-y0)>0のときには、
tan
-1(-180度-φ)=(y1-y0)/(x1-x0)
(x1-x0)>0かつ(y1-y0)<0のときには、
tan
-1(180度-φ)=(y1-y0)/(x1-x0)
(x1-x0)<0かつ(y1-y0)>0のときには、
tan
-1(-φ)=(y1-y0)/(x1-x0)
(x1-x0)<0かつ(y1-y0)<0のときには、
tan
-1φ=(y1-y0)/(x1-x0)
・・・(式1)
により検出される。
【0056】
そして、それぞれの傾き方向における傾きの大きさdは、
d={(x1-x0)2+(y1-y0)2}1/2
・・・(式2)
として検出される。
【0057】
操作軸の傾き角θが30度未満であるならば、tanθと距離dとの関係から、傾き角θが大きくなれば、傾き角θにほぼ比例して距離dが大きくなるので、距離dを算出することは、すなわち傾き角θの大きさを算出することになる。
【0058】
[入力デバイス1及び操作情報出力装置2の電気的構成例]
次に、入力デバイス1と操作情報出力装置2の電気的構成例について説明する。
図5は、入力デバイス1の電気的構成例と、操作情報出力装置2の電気的構成例とを示す図である。
【0059】
<入力デバイス1の電気的構成例>
入力デバイス1の回路基板17には、前述したように、位置検出センサ22と電磁誘導結合するための共振回路RCが形成されている。この共振回路RCは、フェライトコア15に巻回されているコイル14に並列に、共振用コンデンサC0が接続されて構成されると共に、押しボタン18によりオン、オフされるスイッチ18SとコンデンサC1の直列回路と、押しボタン19によりオン、オフされるスイッチ19SとコンデンサC2の直列回路とが、それぞれ、コイル14と並列に接続されて構成されている。
【0060】
押しボタン18が押下操作されてスイッチ18Sがオンとされると、コンデンサC1がコイル14とコンデンサC0とからなる並列共振回路にさらに並列に接続されて、共振回路RCの共振周波数(位相)が変化する。
【0061】
同様に、押しボタン19が押下操作されてスイッチ19Sがオンとされると、コンデンサC2がコイル14とコンデンサC0とからなる並列共振回路にさらに並列に接続されて、共振回路RCの共振周波数(位相)が変化する。
【0062】
この場合に、コンデンサC1とコンデンサC2の静電容量は異なるものとされており、押しボタン18が押されてスイッチ18Sがオンとされたときと、押しボタン19が押されてスイッチ19Sがオンとされたときとで、共振回路RCの共振周波数(位相)が異なる。そこで、操作情報出力装置2では、入力デバイス1の共振回路の共振周波数の違いを検出することで、押しボタン18と押しボタン19のいずれが押下されたかを検出するように構成している。
【0063】
<操作情報出力装置2の電気的構成例>
操作情報出力装置2は、
図5に示すように、位置検出センサ22と、位置検出回路200と、情報処理回路210とを備えて構成されている。位置検出センサ22は、入力面22aの横方向(X軸方向)に所定のピッチで複数個のループコイルが配設されてなるX軸方向ループコイル群22Xと、入力面の縦方向(Y軸方向)に所定のピッチで複数個のループコイルが配設されてなるY軸方向ループコイル群22Yとが、薄型基板に積層されて構成されたものである。
【0064】
位置検出回路200は、発振器201と、電流ドライバ202と、選択回路203と、切り替え接続回路204と、受信アンプ205と、位置検出用回路206と、スイッチ18S状態検出回路207と、スイッチ19S状態検出回路208とを備えて構成されている。位置検出回路200の位置検出用回路206の検出出力、スイッチ18S状態検出回路207の検出出力及びスイッチ19S状態検出回路208の検出出力は、情報処理回路210に供給される。
【0065】
情報処理回路210は、マイクロプロセッサにより構成される制御回路211を備え、この制御回路211により、位置検出回路200の動作を制御する。すなわち、情報処理回路210の制御回路211は、位置検出回路200の選択回路203におけるループコイルの選択、切り替え接続回路204の切り替えを制御すると共に、位置検出用回路206、スイッチ18S状態検出回路207及びスイッチ19S状態検出回路208での処理タイミングを制御する。
【0066】
位置検出センサ22のX軸方向ループコイル群22X及びY軸方向ループコイル群22Yが選択回路203に接続されている。選択回路203は、情報処理回路210の制御回路211の制御により、2つのループコイル群22X,22Yのうちの一のループコイルを順次選択する。
【0067】
発振器201は、入力デバイス1の共振回路RCの共振周波数(コイル14とコンデンサC0からなる共振回路の共振周波数)に等しい周波数f0の交流信号を発生する。発振器201は、発生した交流信号を、電流ドライバ202と、スイッチ18S状態検出回路207及びスイッチ19S状態検出回路208に供給する。電流ドライバ202は、発振器201から供給された交流信号を電流に変換して切り替え接続回路204へ送出する。
【0068】
切り替え接続回路204は、情報処理回路210の制御回路211からの制御により、選択回路203によって選択されたループコイルが接続される接続先(送信側端子T、受信側端子R)を切り替える。この接続先のうち、送信側端子Tには電流ドライバ202が、受信側端子Rには受信アンプ205が、それぞれ接続されている。そして、位置検出センサ22から信号を送信する場合には、切り替え接続回路204は端子T側に切り替えられ、逆に、位置検出センサ22が入力デバイス1からの信号を受信する場合には、切り替え接続回路204は端子R側に切り替えられる。
【0069】
そして、切り替え接続回路204が、端子T側に切り替えられている場合には、選択回路203により選択されたループコイルに、電流ドライバ202からの電流が供給される。これにより、当該ループコイルにおいて磁界が発生し、入力デバイス1の共振回路RCに作用させるための信号(電波)を送信する。
【0070】
切り替え接続回路204が、端子R側に切り替えられている場合には、選択回路203により選択されたループコイルに発生する誘導電圧は、選択回路203及び切り替え接続回路204を介して受信アンプ205に送られる。受信アンプ205は、ループコイルから供給された誘導電圧を増幅し、位置検出用回路206、スイッチ18S状態検出回路207及びスイッチ19S状態検出回路208に送出する。
【0071】
X軸方向ループコイル群22X及びY軸方向ループコイル群22Yの各ループコイルには、入力デバイス1の共振回路RCから送信(帰還)される電波によって誘導電圧が発生する。
【0072】
位置検出用回路206は、入力デバイス1の共振回路RCの共振周波数の成分について、ループコイルに発生した誘導電圧、すなわち受信信号を検波し、その検波出力信号をデジタル信号に変換し、情報処理回路210に出力する。
【0073】
スイッチ18S状態検出回路207は、受信アンプ205からの受信信号を発振器201からの交流信号で同期検波し、両信号の周波数変位(位相差)に基づいて、入力デバイス1のスイッチ18Sがオンとされることで共振回路RCの共振周波数(位相)が変化することを検出し、その検出結果に基づいて、入力デバイス1の押しボタン18が押下操作されてスイッチ18Sがオンとされた、あるいは、オフのままであるかのスイッチ状態を検出し、その検出出力を情報処理回路210に出力する。
【0074】
スイッチ19S状態検出回路208も、同様にして、スイッチ19Sがオンとされることで共振回路RCの共振周波数(位相)が変化することを検出し、その検出結果に基づいて、入力デバイス1の押しボタン19が押下操作されてスイッチ19Sがオンとされた、あるいは、オフのままであるかのスイッチ状態を検出し、その検出出力を情報処理回路210に出力する。
【0075】
情報処理回路210は、上述のように、位置検出回路200の動作を制御するだけでなく、この実施形態では、位置検出回路200の出力に基づいて、入力デバイス1の操作軸12に対する傾き操作に応じた操作軸12の傾き方向及び傾きの大きさを検出する機能を備える。
【0076】
情報処理回路210は、その機能を実現するため、制御回路211に対して、座標検出回路212、傾き方向検出回路213、傾きの大きさ検出回路214、操作情報生成回路215、無線通信部216,のそれぞれがシステムバス217を通じて接続されている。なお、座標検出回路212、傾き方向検出回路213、傾きの大きさ検出回路214、操作情報生成回路215は、制御回路211がプログラムを実行することによるソフトウェア機能手段として構成することもできる。
【0077】
座標検出回路212は、位置検出用回路206で検出された各ループコイルに発生した誘導電圧の電圧値のレベルのそれぞれに基づいて、入力デバイス1の操作軸12の操作軸本体121の軸心方向の一端側の位置の座標値を算出し、算出した座標値を傾き方向検出回路213及び傾きの大きさ検出回路214に送る。
【0078】
傾き方向検出回路213は、取得した座標値から、前述した(式1)に従った演算を行い、入力デバイス1の操作軸12が傾けられた方向を算出し、その算出した傾き方向の情報を、操作情報生成回路215に供給する。
【0079】
また、傾きの大きさ検出回路214は、取得した座標値から、前述した(式2)に従った演算を行い、入力デバイス1の操作軸12が傾けられた大きさを算出し、その算出した傾きの大きさの情報を、操作情報生成回路215に供給する。
【0080】
操作情報生成回路215は、傾き方向検出回路213から受け取った傾き方向の情報と、傾きの大きさ検出回路214から受け取った傾きの大きさの情報と、スイッチ18S状態検出回路207からのスイッチ18Sのオン、オフの状態情報と、スイッチ19S状態検出回路208からのスイッチ19Sのオン、オフの状態情報とを含めた操作情報を生成する。
【0081】
そして、操作情報生成回路215で生成された操作情報は、制御回路211の制御に従って、無線通信部216を通じて、ゲーム機本体や、パーソナルコンピュータに送信される。無線通信部216は、この例では、ブルートゥース(登録商標)規格の近距離無線通信部の構成とされる。なお、無線通信部216は、これに限らず、例えばWi-Fi(登録商標)無線通信部などの構成であってもよい。
【0082】
この場合に、ゲーム機本体やパーソナルコンピュータでは、傾き方向の情報、傾きの大きさの情報、スイッチ18Sのオン、オフの状態情報及びスイッチ19Sのオン、オフの状態情報は、それぞれ、例えばゲームの進行のために、予め定められた動作などに割り当てられ、それぞれの情報に応じたゲーム進行制御がなされる。
【0083】
[情報処理回路210の動作の流れの例]
以上のように構成されている操作情報出力装置2の情報処理回路210における動作の流れの例を、
図6及び
図6の続きである
図7のフローチャートを参照して説明する。なお、以下の説明においては、情報処理回路210の制御回路211が、座標検出回路212、傾き方向検出回路213,傾きの大きさ検出回路214、操作情報生成回路215の機能を、プログラムによるソフトウェア機能処理として実現する場合として説明する。
【0084】
操作情報出力装置2に電源が投入されると、
図6のスタートから処理が開始される。先ず、制御回路211は、入力デバイス1が入力面22a上に載置されたか否かを、入力デバイス1の共振回路RCと位置検出センサ22との電磁結合によるインタクラクションの状態を監視することにより判別する(ステップS101)。このステップS101で、入力デバイス1が入力面22a上に載置されてはいないと判別したときには、制御回路211は、ステップS101による監視を継続する。
【0085】
ステップS101で、入力デバイス1が入力面22a上に載置されたと判別したときには、制御回路211は、入力デバイス1の操作軸12が傾けられていないときの操作軸本体121の軸心方向の一端の位置P0(
図4参照)の座標値を検出し、その検出した座標値を保持する(ステップS102)。なお、操作軸本体121の軸心方向の一端の位置を、以下、操作軸先端位置と称することとする。
【0086】
次に、制御回路211は、入力デバイス1の操作軸先端位置が変位したか否か判別し(ステップS103)、操作軸先端位置が変位したと判別したときには、その位置変位の大きさは、所定値よりも大きいか否か判別する(ステップS104)。ここで、所定値は、例えば入力デバイス1の操作軸12の最大傾き変位に対応するコイルばね16の巻き径の半径よりも大きい値とされる。
【0087】
このステップS104で、位置変位が所定値よりも大きいと判別したときには、制御回路211は、入力デバイス1の入力面22a上での載置位置が変化したと判断して、処理をステップS102に戻し、このステップS102以降の処理を繰り返す。
【0088】
ステップS104で、位置変位は所定値以下であると判別したときには、制御回路211は、入力デバイス1の操作軸12を傾ける操作がなされたと判断して、入力デバイス1の操作軸先端位置の変位後の位置P1(
図4参照)の座標値を検出する(ステップS105)。
【0089】
次に、制御回路211は、保持している入力デバイス1の操作軸先端位置P0と、ステップS105で検出した傾けられた後の入力デバイス1の操作軸先端位置P1とから、入力デバイス1の操作軸12の傾き方向を、前述した(式1)に基づいて算出すると共に、前述した(式2)に基づいて、入力デバイス1の操作軸12の傾きの大きさを算出する(ステップS106)。
【0090】
そして、制御回路211は、算出した操作軸12の傾き方向及び傾きの大きさの情報を、無線通信部216を通じて、ゲーム機本体やパーソナルコンピュータに送信する(ステップS107)。
【0091】
次に、制御回路211は、スイッチ18S状態検出回路207からの状態検出出力を監視して押しボタン18が操作されてスイッチ18Sがオンとされたか否か判別する(
図7のステップS111)。ステップS103で、入力デバイス1の操作軸先端位置が変位してはいないと判別したときにも、制御回路211は、処理をステップS103からステップS111にジャンプさせて、スイッチ18Sがオンとされたか否か判別する。
【0092】
ステップS111で、スイッチ18Sがオンとされたと判別したときには、制御回路211は、スイッチ18Sがオンになったことを示す状態情報を、無線通信部216を通じて、ゲーム機本体やパーソナルコンピュータに送信する(ステップS112)。
【0093】
ステップS111で、スイッチ18Sがオンとされてはいないと判別したとき、また、ステップS112の次には、制御回路211は、スイッチ19S状態検出回路208からの状態検出出力を監視して押しボタン19が操作されてスイッチ19Sがオンとされたか否か判別する(ステップS113)。
【0094】
このステップS113で、スイッチ19Sがオンとされたと判別したときには、制御回路211は、スイッチ19Sがオンになったことを示す状態情報を、無線通信部216を通じて、ゲーム機本体やパーソナルコンピュータに送信する(ステップS114)。
【0095】
ステップS113で、スイッチ19Sがオンとされてはいないと判別したとき、また、ステップS114の次には、制御回路211は、入力デバイス1を用いた操作入力のための処理を終了する操作、例えば操作情報出力装置2の電源スイッチをオフとする操作等がなされた否か判別する(ステップS115)。
【0096】
このステップS115で、処理を終了する操作はなされていないと判別したときには、制御回路211は、処理をステップS103に戻し、このステップS103以降の処理を繰り返す。また、ステップS115で、処理を終了する操作がなされたと判別したときには、制御回路211は、当該処理ルーチンを終了する。
【0097】
なお、入力デバイス1が、操作情報出力装置2の入力面22aから取り去られて、位置検出用回路206で、入力デバイス1の操作軸先端位置を検出することができなった時間が、予め定めた所定時間以上経過したときにも、制御回路211は、処理を終了して、操作情報出力装置2の電源スイッチをオフにするようにしてもよい。
【0098】
以上説明した実施形態の入力システムにおいては、入力デバイス1のケース11内に収納した操作軸12の軸心方向の一端側の傾きに応じた位置の変化を、操作情報出力装置2において、位置検出センサ22を通じて検出し、その検出した位置の変化に基づいて、操作軸12の傾き方向及び傾きの大きさを算出して操作情報として出力するように構成している。
【0099】
このような構成により、入力デバイス1は、従来の入力デバイスのような操作軸の傾きを検出するための複雑な機構は不要となり、簡単な構成となる。このため、上述の実施形態の入力デバイス1によれば、従来の入力デバイスにおける機構部の破損などによる故障の発生を生じ難くすることができる。
【0100】
また、上述の実施形態の入力システムにおいては、操作軸内に共振回路を構成するコイルを収納する入力デバイス1と、入力デバイス1の共振回路のコイルと電磁結合する位置検出センサ22を備える操作情報出力装置とを別体として構成しており、使用者は、入力デバイス1を、操作情報出力装置2の入力面22aの任意の位置に載置して使用することが可能であり、使い勝手が良い。
【0101】
また、操作情報出力装置2の位置検出センサ22は、電磁誘導方式用の一般的なものをそのまま転用して用いることができるというメリットがある。
【0102】
また、操作軸12の傾き方向及び傾きの大きさの検出の分解能を上げる場合には、位置検出センサ22のループコイルの形成ピッチを小さくすることにより、簡単に対応することができるというメリットがある。
【0103】
また、上述の実施形態の入力デバイス1では、操作軸12の他端側に取り付けた把持操作部13の、操作軸12の軸心方向に直交する方向の上面に、押しボタン18,19が設けられているので、操作者が把持操作部13を把持しながら操作軸12の軸心方向に押下操作することができ、操作軸12を傾けたときにも、押しボタン18,19の操作がし易いという効果がある。
【0104】
また、上述の実施形態の操作情報出力装置2では、電磁誘導方式の位置検出センサによる位置検出方式を用いているので、非常に細かい変位が検出可能であり、その検出した変位に基づいて傾き方向と傾きの大きさが算出されるため、従来方式よりも分解能が高いという効果がある。
【0105】
なお、上述の実施形態では、操作情報出力装置2は、入力デバイス1の操作軸12の傾き方向及び傾きの大きさを検出するための専用(入力デバイス1専用)の構成としたが、一般的な電磁誘導方式の電子ペンによる指示位置を検出する装置としても兼用することができる。
【0106】
その場合の操作情報出力装置は、入力デバイス1の操作軸12の傾き方向及び傾きの大きさを検出する第1のモードと、一般的な電磁誘導方式の位置指示器、例えば電子ペンによる指示位置を検出する第2のモードとを備える。そして、操作情報出力装置においては、第1のモードにおいては、上述と同様の動作を行い、第2のモードにおいては、位置検出回路200の位置検出用回路206で検出した電子ペンによる指示位置の座標を情報処理回路210の座標検出回路212で検出して、例えば無線通信部216を通じて、パーソナルコンピュータ等に送信するようにする。
【0107】
この場合に、第1のモードと第2のモードとは、操作情報出力装置にモード切替ボタンを設けて、使用者が切り替えるように構成することができる。また、電子ペン及び入力デバイスのそれぞれに、操作情報出力装置に識別情報を、位置検出センサを通じて送信したり、ブルートゥース(登録商標)規格の近距離無線通信部を通じて送信する機能を備えると共に、操作情報出力装置側にそれらの識別情報を受信する機能を備えるように構成して、操作情報出力装置で、入力デバイスの識別情報を受信したときには第1のモードに、電子ペンの識別情報を受信したときには第2のモードに、自動的に切り替えるように構成してもよい。
【0108】
[第2の実施形態]
上述の第1の実施形態においては、入力デバイスと操作情報出力装置とで入力システムを構成するようにしたが、入力デバイスに、位置検出センサ及び情報処理回路を設けることにより、入力デバイス単独の構成とすることもできる。
【0109】
図8は、そのような構成を備える第2の実施形態の入力デバイス1Aを示すもので、上述した第1の実施形態の入力デバイス1と同様の構成部分には、同一参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0110】
この第2の実施形態の入力デバイス1Aは、上述の第1の実施形態の入力デバイス1の下部ケース11Bの底面11Bbの下に、さらに、位置検出センサ101と、位置検出回路200及び情報処理回路210と同様の構成の位置検出回路及び情報処理回路(図示は省略)を搭載する回路基板102とを収納する底部板100を張り付けるようにして構成される。
【0111】
この第2の実施形態の入力デバイス1Aにおいては、上述した第1の実施形態の入力デバイス1は、そのまま用いることができる。ただし、この第2の実施形態の場合の下部ケース11Bの底面11Bbは、上述の第1の実施形態のような操作情報出力装置2の入力面22aと所定の摩擦を有するような構成とする必要はない。
【0112】
この第2の実施形態においては、底部板100の中央部には、下部ケース11Bの凹曲面の軸受け部11Baの円形領域の径よりも若干大きい1辺の長さの正方形の凹部100aが形成されている。そして、この凹部100a内おいて、下部ケース11Bの底面11Bbの直下に、下部ケース11Bの凹曲面の軸受け部11Baの円形領域の径に等しい、あるいは当該径よりも若干大きい1辺の長さの正方形形状の位置検出センサ101が配設される。そして、凹部100a内において、位置検出センサ101の下方に、回路基板102が配設されて構成される。
【0113】
なお、この実施形態の入力デバイス1Aにおいて、凹部100a、位置検出センサ101、回路基板102は、下部ケース11Bの凹曲面の軸受け部11Baの円形領域の径に等しい、あるいは当該径よりも若干大きい円形の形状とするようにしてもよい。
【0114】
この実施形態の入力デバイス1Aにおいては、使用者が操作軸12を把持操作部13を用いて傾けるように操作すると、位置検出センサ101を通じて回路基板102内の位置検出回路200及び情報処理回路210において、操作軸12の操作軸本体121の一端121a側の先端の位置変位が検出されると共に、その位置変位から操作軸12の傾き方向及び傾きの大きさが算出される。そして、当該入力デバイス1Aから、操作軸12の傾き方向及び傾きの大きさの情報が、無線通信部を通じてゲーム機本体やパーソナルコンピュータに送信される。また、押しボタン18や押しボタン19が押下操作されたときには、スイッチ18Sのオンの状態情報や、スイッチ19Sのオンの状態情報が、無線通信部を通じてゲーム機本体やパーソナルコンピュータに送信される。
【0115】
なお、この第2の実施形態の入力デバイス1Aにおいて、操作軸12の傾き方向及び傾きの大きさの情報、スイッチ18Sのオンの状態情報やスイッチ19Sのオンの状態情報の送出は、無線通信によるのではなく、ケーブルを通じて有線で送出するように構成することもできることは勿論である。
【0116】
なお、この第2の実施形態の入力デバイス1Aの構成においては、入力デバイスと位置検出センサとは、静電容量方式、特にアクティブ静電容量方式で結合して信号のインタラクションを行うように構成することも可能である。
【0117】
[その他の実施形態又は変形例]
上述の実施形態の入力デバイス1及び入力デバイス1Aにおいては、操作軸12は、コイルばね16を用いて支持すると共に、このコイルばね16を、操作軸12の状態を元に戻す弾性復帰部材としても兼用するように構成した。しかし、操作軸12の支持部材と、操作軸12を元に戻す弾性復帰部材とは、別々に設ける構成とすることも勿論できる。
【0118】
図9は、そのように構成した入力デバイス1EXの主要な構成を示すもので、第1の実施形態の入力デバイス1と同様に、操作情報出力装置2と共に入力システムを構成する場合の例である。
【0119】
この例の入力デバイス1EXの操作軸12EX内には、上述の実施形態の入力デバイスと同様に、フェライトコア15EXに巻回されたコイル14EXが収納されている。そして、上述の実施形態の入力デバイスと同様に、操作軸12EXの一端側は凸曲面状に構成され、ケース11EXの下部ケース11EXBの軸受け部11EXBaの凹曲面において衝合するように構成されている。
【0120】
そして、この例の入力デバイス1EXの操作軸12EXの軸心方向の中ほどには、球状膨出部120EXが形成されている。一方、ケース11EXの上部ケース11EXUには、この球状膨出部120EXの部分で、操作軸12EXを支持するための支持部111EXが設けられている。この支持部111EXは、操作軸12EXの球状膨出部120EXの球面に対応する凹面を有する貫通孔111EXaを備えている。これにより、操作軸12EXは、球状膨出部120EXを回転中心として回転することで、傾くことができる。
【0121】
そして、この例の入力デバイス1EXにおいては、操作軸12EXの軸心方向の、球状膨出部120EXよりも一端側あるいは他端側(
図9の例では他端側)と、ケース11EXの上部ケース11EXUとの間にコイルばねなどの弾性部材112EXが配設されて、操作軸12EXの軸心方向が、常に、下部ケース11EXBの底面11EXBbに対して内において直交する状態を維持するように弾性支持されるように構成されている。
【0122】
これにより、操作軸12EXは、把持操作部13EXが用いられて傾けられた後、傾けられる力が解除されたときに、弾性部材112EXにより元の状態に復帰する。
【0123】
なお、この例においても、前述の実施形態の入力デバイスと同様に、把持操作部13EXには、回路基板17EXが設けられると共に、押しボタン18EX及び19EXが設けられて、回路基板17EX内に設けられるコンデンサを含む共振回路が構成されるものである。
【0124】
なお、上述の実施形態の入力デバイス1A,1B及び1EXのケースは、円柱形状としたが、円柱形状に限られるものではなく、断面が多角形の柱状形状であってもよい。
【符号の説明】
【0125】
1,1A,1B,1EX…入力デバイス、2…操作情報出力装置、11,11EX…ケース、12,12EX…操作軸、14…コイル、15…フェライトコア、16…コイルばね、17…回路基板、18,19…押しボタン、121…操作軸本体、122…操作軸カバー、22…位置検出センサ、200…位置検出回路、210…情報処理回路