(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-04-10
(45)【発行日】2026-04-20
(54)【発明の名称】4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミドの結晶性形態、その調製方法、及びその使用
(51)【国際特許分類】
C07D 487/04 20060101AFI20260413BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20260413BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20260413BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20260413BHJP
【FI】
C07D487/04 140
C07D487/04 CSP
A61K31/5377
A61P35/00
A61P43/00 111
(21)【出願番号】P 2023530677
(86)(22)【出願日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 EP2021082093
(87)【国際公開番号】W WO2022106514
(87)【国際公開日】2022-05-27
【審査請求日】2024-10-31
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000207827
【氏名又は名称】大鵬薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョナタ フラスカ
(72)【発明者】
【氏名】ティツィアーノ フマガッリ
(72)【発明者】
【氏名】ステファノ ルカ ジャフレーダ
(72)【発明者】
【氏名】エンリコ モデナ
(72)【発明者】
【氏名】クリスティーナ イアンニ
【審査官】安孫子 由美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/146116(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D,A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロ プロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2, 3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩
の形態1
の結晶であって、
6.59°2θ、7.40°2θ、9.12°2θ、14.57°2θ、16.39°2θ、26.06°2θ、26.57°2θ、及び27.07°2θにおけるピーク(±5%)を含むXRPDパターンによって特徴付けられる、
結晶。
【請求項2】
4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩の形態1の結晶であって、
6.59°2θ、7.40°2θ、9.12°2θ、14.57°2θ、16.39°2θ、26.06°2θ、26.57°2θ、及び27.07°2θにおけるピークから選択される3つ以上のピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる、結晶。
【請求項3】
下記図3Aと同じXRPDパターンによって特徴付けられる、請求項
1又は
2に記載の
結晶
。
【請求項4】
前記XRPDパターンが、X線源としてCuKα線を用いて得られる、請求項1~3のいずれか一項に記載の結晶。
【請求項5】
下記図3CとDSCサーモグラム及び
下記図3Bと同じTGAプロファイルから選択される少なくとも1つの特徴を有する、請求項
1~
4のいずれか一項に記載の
結晶
。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の形態1の結晶を少なくとも50%
含む、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩の結晶。
【請求項7】
請求項1~
6のいずれか一項に記載の少なくとも1つの
結晶と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年11月20日に出願された米国仮出願第63/116,191号の利益を主張するものであり、その全体がいかなる目的でも参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、癌の治療に有用な選択的RET阻害剤である4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド(HM06又はTAS953とも呼ばれる)の結晶性形態に関する。本開示はまた、遊離塩基形態及び塩形態の両方のHM06の結晶性形態、並びにその生成方法に関する。
【背景技術】
【0003】
様々なプロテインキナーゼがin vivoで存在し、幅広い機能調節に関与していることが知られている。RETは、癌原遺伝子の1つとして同定された受容体チロシンキナーゼである。RETは、グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)及びGDNF受容体に結合して複合体を形成し、これによりRETが細胞内リン酸化シグナル伝達を介して生理学的機能を果たすことが可能になる。(Bavetsias et al.,「Aurora Kinase Inhibitors:Current Status and Outlook」,Frontiers in Oncology,2015,vol.5,Art.278。)いくつかの研究では、肺癌、甲状腺癌、乳癌、膵臓癌、及び前立腺癌などの癌において、RETの転座、変異、及び過剰発現により、その活性化が亢進し、それによって細胞増殖、腫瘍形成、又は組織浸潤に寄与することが示されている。(Kohno et al.,「KIF5B-RET fusions in lung adenocarcinoma,」Nature Med.,18(3):pp.375-377,(2012);Santoro et al.,「RET/PTC activation in papillary thyroid carcinoma:European Journal of Endocrinology Prize Lecture,」Eur J Endocrinol.,155:pp.645-653,(2006);Yeganeh et al.,「RET Prato Oncogene Mutation Detection and Medullary Thyroid Carcinoma Prevention,」Asian Pac J Cancer Prev.,16(6):pp.2107-2117,(2015);Gattelli et al.,「Ret inhibition decreases growth and metastatic potential of estrogen receptor positive breast cancer cells,」EMBO Mol Med.,5:pp.1335-1350,(2013);Ito et a.,「Expression of glial cell line-derived neurotrophic factor family members and their receptors in pancreatic cancers,」Surgery,138:pp.788-794,(2005);and Dawson et al.,「Altered Expression of RET Proto-oncogene Product in Prostatic Intraepithelial Neoplasia and Prostate Cancer,」J Natl Cancer Inst.,90:pp.519-523,(1998))。更に、RETは癌の予後不良因子であることが知られており、RETの転座及びその活性化レベルの亢進も癌の予後と逆相関するといういくつかの報告が示されている(Cai et al.,「KIF5B-RET Fusions in Chinese Patients With Non-Small Cell Lung Cancer,」Cancer,119:pp.1486-1494,(2013);Elisei et al.,「Prognostic Significance of Somatic RET Oncogene Mutations in Sporadic Medullary Thyroid Cancer:A 10-Year Follow-Up Study,」J Clin Endocrinol Metab.,93(3):pp.682-687,(2008);Gattelli et al.,「Ret inhibition decreases growth and metastatic potential of estrogen receptor positive breast cancer cells,」EMBO Mol Med.,5:pp.1335-1350,(2013);and Zeng et al.,「The Relationship between Over-expression of Glial Cell-derived Neurotrophic Factor and Its RET Receptor with Progression and Prognosis of Human Pancreatic Cancer,」J.Int.Med.Res.,36:pp.656-664,(2008))。したがって、RET活性を阻害することができる阻害剤は、癌を含むRETシグナル伝達経路の異常亢進に関連する疾患の治療剤として有用であると考えられる。
【0004】
更に、多くの癌は、転移性脳腫瘍につながることがある。症候性転移性脳腫瘍は、癌患者の8~10%で発生することが報告されており、肺癌では、剖検により40~50%の頻度で脳転移が報告されているとの報告もある。(Qingbei Zeng,J Med Chem.22;58(20):8200-15,(2015);Lakshmi Nayak,Curr Oncol Rep;14(1):48-54,(2012);Brunilde Gril,Eur J Cancer.;46(7):1204-10,(2010))。したがって、癌の脳転移を含む、癌を効果的に治療する治療剤を見出すことが望ましい。
【0005】
更により望ましいのは、身体に容易に吸収され、保存安定性もある形態で治療剤を投与することができることである。治療剤の調製に使用される薬学的に活性な物質は、可能な限り純粋である必要があり、様々な環境条件下で長期保存に対する安定性が保証されている必要がある。これらの特性は、医薬組成物中の意図しない分解産物の出現を防止するのに有用であり、この分解産物は潜在的に毒性である、又は単に組成物の効力を低下させることがある。
【0006】
医薬化合物の大規模製造に関する主な懸念は、一貫した処理パラメータ及び医薬品の品質を保証するために、活性物質が安定した結晶性の形を有する必要があることである。不安定な結晶性形態を使用する場合、製造及び/又は保存中に結晶形が変化し、品質管理の問題及び製剤の不規則性が生じることがある。このような変化は、製造プロセスの再現性に影響を与え、したがって、医薬組成物の製剤に課される高品質で厳しい要件を満たさない最終製剤につながることがある。この点に関して、概して、物理的及び化学的安定性を改善することができる医薬組成物の固体状態への任意の変化により、同じ薬物のより安定性の低い形態に対して大きな利点が得られることを念頭に置く必要がある。
【0007】
化合物が溶液又はスラリーから結晶化するとき、異なる空間格子配置で結晶化することがあり、これは「多形性」と呼ばれる特性である。各結晶形態は「多形」である。所与の物質の多形は同じ化学組成を有するが、溶解度、解離、真密度、溶解、融点、結晶形状、圧縮挙動、流動特性、及び/又は固体状態安定性などの1つ以上の物理的特性に関して、互いに異なる場合がある。
【0008】
RET阻害剤4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド(HM06又はTAS0953としても知られている)は、米国特許第10,155,768号に報告されている。HM06/TAS0953の遊離塩基形態の分子式はC
26H
30N
6O
3であり、分子量は474.57であり、遊離塩基の構造式は以下のとおりである。
【化1】
【0009】
しかし、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミドの結晶性形態は、これまで開示されていない。
【発明の概要】
【0010】
したがって、本明細書に開示されるのは、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド遊離塩基、HCl塩形態の実質的に結晶性の形態、当該結晶性形態の作製方法、及び当該形態の使用方法である。
【0011】
本開示は、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミドの実質的に結晶性の形態に関する。本開示の一態様において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミドの結晶性形態は、遊離塩基である。本開示の一態様において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミドの結晶性形態は、HCl塩、例えば、1:1又は1:2HCl塩である。
【0012】
本開示はまた、本明細書に記載される少なくとも1つの実質的に結晶性の形態と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む、医薬組成物に関する。
【0013】
本開示は更に、癌の治療を必要とするヒト患者において、癌を治療する方法であって、有効量の4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミドの実質的に結晶性の形態を患者に投与することを含む、方法に関する。
【0014】
更なる目的及び利点は、以下の説明において部分的に記載され、その説明から部分的に明らかになるか、又は実施によって習得され得る。目的及び利点は、添付の特許請求の範囲において特に指摘される要素及び組み合わせによって実現及び達成される。
【0015】
前述の全般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0016】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、1つ(複数)の実施形態を示し、説明と共に、本明細書に記載の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】CuKα線を用いて得られたHM06結晶性遊離塩基形態1のXRPDパターンを示す。
【0018】
【
図1B】CuKα線を用いて得られたHM06結晶性遊離塩基形態2のXRPDパターンを示す。
【0019】
【
図1C】CuKα線を用いて得られたHM06結晶性遊離塩基形態3のXRPDパターンを示す。
【0020】
【
図1D】CuKα線を用いて得られたHM06結晶性遊離塩基形態4のXRPDパターンを示す。
【0021】
【
図1E】CuKα線を用いて得られたHM06結晶性遊離塩基形態5のXRPDパターンを示す。
【0022】
【
図1F】CuKα線を用いて得られたHM06 HCl結晶性塩形態AのXRPDパターンを示す。
【0023】
【
図1G】CuKα線を用いて得られた5つのHM06結晶性遊離塩基形態及びHM06 HCl結晶性塩形態AのXRPDパターンを重ね合わせたものを示す。
【0024】
【
図2A】CuKα線を用いて得られた結晶性HM06 1:1HCl形態1のXRPDパターンを示す。
【0025】
【
図2B】CuKα線を用いて得られた結晶性HM06 1:1HCl形態1のXRPDパターンを示す。
【0026】
【
図2C】CuKα線を用いて得られた結晶性HM06 1:1HCl形態1のXRPDパターンを示す。
【0027】
【
図2D】HM06 1:1HCl形態1のDSCサーモグラムである。
【0028】
【
図2E】HM06 1:1HCl形態1のTGAプロファイルを提供する。
【0029】
【
図3A】CuKα線を用いて得られた結晶性HM06 1:2HCl形態1のXRPDパターンを示す。
【0030】
【
図3B】HM06 1:2HCl形態1のTGAプロファイルを提供する。
【0031】
【
図3C】HM06 1:2HCl結晶性形態1のDSCサーモグラムである。
【0032】
【
図3D】斜方晶から単斜晶への空間群転移による結晶の双晶化を示す。巨視的な結晶を下から見た図と上から見た図が示されている。双晶単斜晶は、上から見たAと下から見たBで分子が同じように再配列する場合に生じる。単斜晶のパッキング(充填)は、2つの体積において同等であるが、結晶学的対称性による関連性はない。代わりに、単斜格子の固有の結晶学的b軸に垂直な平面内の軸の周りの180°回転である双晶操作が、2つの体積の回折パターンを関連付ける。
【0033】
【
図3E】HM06 1:2HCl形態1の単結晶のORTEP図を提供する。
【0034】
【
図4A】「a軸」に沿ったHM06 1:2HCl形態1の結晶パッキング図を示す。
【0035】
【
図4B】「b軸」に沿ったHM06 1:2HCl形態1の結晶パッキング図を示す。
【0036】
【
図5A】CuKα線を用いて得られた結晶性HM06 1:2HCl形態1-ビスのXRPDパターンを示す。
【0037】
【
図5B】CuKα線を用いて得られたHM06 1:2HCl結晶性形態1-ビスのXRPDパターンを示す。
【0038】
【
図5C】真空下(時間=0)及び空気中2~20分間における、HM06 1:2HCl形態1-ビスの2θ=25.5°~27.5°の範囲におけるXRPDパターンプロファイルを重ね合わせたものである。
【0039】
【
図5D】真空下、及び空気から水分を取り込んだ後の、出発物質としてのHM06 1:2HCl形態1-ビスについてのXRPDパターンプロファイルを重ね合わせたものを示す。
【0040】
【
図6A】エタノールからの50℃スラリー実験後に得られたHM06 1:2HCl形態2試料のXRPDパターン(上のパターン)を重ね合わせたものを示す。形態1及び形態2の標準参照パターン(下の2つのパターン)を比較のために報告する。
【0041】
【
図6B】エタノールからの50℃スラリー実験後に得られたHM06 1:2HCl形態2試料のXRPDパターン(上2つのパターン)を重ね合わせたものを示す。形態2(下のパターン)及び形態3(下から2番目のパターン)の標準参照パターンを比較のために報告する。
【0042】
【
図6C】4日間のエタノールからのスラリー実験後に100mgにスケーリングして収集され、CuKα線を用いて得られたSTD参照として使用されたHM06 1:2HCl形態2のXRPDパターンを示す。
【0043】
【
図6D】HM06 1:2HCl形態2のDSCサーモグラムである。
【0044】
【
図6E】HM06 1:2HCl形態2のTGAプロファイルを提供する。
【0045】
【
図6F】実施例5のマイクロスケールアップR01(上から2番目のパターン)及びR02(上のパターン)の後に収集された試料のXRPDパターンを提供する。下の2つのパターンとして提供される形態2及び形態3についての標準参照XRPDパターンが、比較のために含まれる。
【0046】
【
図6G】20mg/mLの濃度を使用するマイクロスケールアップ手順後に収集された試料のXRPDパターンを提供する(上の線)。下の2つの線として提供される形態2及び形態3についての標準参照XRPDパターンが、比較のために含まれる。
【0047】
【
図7A】CuKα線を用いて得られた、アセトニトリルからの50℃スラリー実験後に得られた結晶性HM06 1:2HCl形態3のXRPDパターン(青色線)、形態1の標準参照パターン(黒色線)、形態2の標準参照パターン(緑色線)、及び形態3の標準参照パターン(ピンク色線)を重ね合わせたものを示す。
【0048】
【
図7B】CuKα線を用いて得られた1-プロパノールからの高速勾配沈殿後に100mgにスケーリングして収集されたHM06 1:2HCl形態3のXRPDパターンを示す。
【0049】
【
図7C】HM06 1:2HCl形態3のDSCサーモグラムである。
【0050】
【
図7D】HM06 1:2HCl形態3のTGAプロファイルを提供する。
【0051】
【
図8A】CuKα線を用いて得られたHM06 1:2HCl形態4-ビスのXRPDパターン(上のパターン)を、参照用のHM06 1:2HCl形態1のXRPDパターン(下のパターン)と共に示す。
【0052】
【
図8B】HM06 1:2HCl形態4-ビスのXRPDパターンを示す。
【0053】
【
図8C】HM06 1:2HCl形態4-ビス(下のパターン)及び密封バイアル中で7日間保存した後に分析した同じ試料(中央のパターン)のXRPDパターンを重ね合わせたものを示す。HM06 1:2HCl形態1のXRPDパターンを比較のために提供する(上のパターン)。
【0054】
【
図8D】CuKα線を用いて得られたHM06 1:2HCl形態4のXRPDパターンを示す。
【0055】
【
図8E】HM06 1:2HCl形態4のXRPDパターン(下のパターン)及び43%相対湿度で一晩保存した後のXRPDパターン(上のパターン)を重ね合わせたものを示す。
【0056】
【
図9A】形態5(下のパターン)と比較したHM06 1:2HCl形態5-ビス(上のパターン)のXRPDパターンを示す。
【0057】
【
図9B】CuKα線を用いて得られたHM06 1:2HCl形態5-ビスのXRPDパターンを示す。
【0058】
【
図9C】HM06 1:2HCl形態5-ビスのXRPDパターン(青色の上のパターン)及び18時間の曝露後に分析した同じ試料のXRPDパターン(下の赤色パターン)を重ね合わせたものを示す。
【0059】
【
図9D】HM06 1:2HCl形態5-ビスのXRPDパターン(青色の上のパターン)及び密封バイアル中で7日後に分析した同じ試料のXRPDパターン(中央のパターン)を重ね合わせたものを示す。HM06 1:2HCl形態1のXRPDパターンを比較のために提供する(下のパターン)。
【0060】
【
図9E】CuKα線を用いて得られたHM06 1:2HCl形態5のXRPDパターンを示す。
【0061】
【
図9F】HM06 1:2HCl形態5のDSCサーモグラムである。
【0062】
【
図9G】HM06 1:2HCl形態5のTGAプロファイルを提供する。
【0063】
【
図10】HM06 1:2HCl形態6のXRPDパターンを示す。
【0064】
【
図11】結晶性HM06 1:2HClの単離形態のXRPDパターンを重ね合わせたものを示す。
【発明を実施するための形態】
【0065】
上記で要約し、以下に詳細に記載するように、本開示は、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド(HM06又はTAS953とも呼ばれる)の結晶性形態に関する。本開示はまた、結晶性の遊離塩基形態及びそのHCl塩形態、例えば二塩化物(又は1:2)HCl塩を作製する方法に関する。
【0066】
【0067】
癌などの治療的処置のために結晶性形態を使用する方法も本明細書に開示される。
【0068】
本開示の詳細は、以下に添えた明細書に記載される。本明細書に記載されるものと類似又は同等の方法及び材料を本開示の実施又は試験において使用することができるが、例示的な方法及び材料を本明細書に記載する。本開示の他の特徴、目的、及び利点は、本明細書及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。本明細書及び添付の特許請求の範囲において、単数形は、文脈上明らかにそうでない場合を除き、複数形も含む。別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に引用される全ての特許及び刊行物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0069】
本開示は、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミドの実質的に結晶性の形態に関する。本開示の少なくとも1つの態様において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミドの実質的に結晶性の形態は、遊離塩基である。
【0070】
本開示のいくつかの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド遊離塩基の実質的に結晶性の形態は、形態1である。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド遊離塩基形態1は、
図1Aと実質的に同じXRPDパターンによって特徴付けられる。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド遊離塩基形態1の実質的に結晶性の形態は、約12.57°2θ、13.36°2θ、16.08°2θ、18.86°2θ、20.66°2θ、21.73°2θ、23.90°2θ、及び24.86°2θにおけるピークから選択される1つ以上のピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる。
【0071】
本開示のいくつかの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド遊離塩基の実質的に結晶性の形態は、形態2である。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド遊離塩基形態2の実質的に結晶性の形態は、
図1Bと実質的に同じXRPDパターンによって特徴付けられる。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド遊離塩基形態2の実質的に結晶性の形態は、約7.94°2θ、10.47°2θ、11.53°2θ、15.75°2θ、21.80°2θ、及び23.65°2θにおけるピークから選択される1つ以上のピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる。
【0072】
本開示のいくつかの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド遊離塩基の実質的に結晶性の形態は、形態3である。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド遊離塩基形態3の実質的に結晶性の形態は、
図1Cと実質的に同じXRPDパターンによって特徴付けられる。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド遊離塩基形態3の実質的に結晶性の形態は、約7.11°2θ、7.83°2θ、14.12°2θ、16.15°2θ、20.61°2θ、21.19°2θ、26.37°2θ、及び28.59°2θにおけるピークから選択される1つ以上のピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる。
【0073】
本開示のいくつかの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド遊離塩基の実質的に結晶性の形態は、形態4である。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド遊離塩基形態4の実質的に結晶性の形態は、
図1Dと実質的に同じXRPDパターンによって特徴付けられる。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド遊離塩基形態4の実質的に結晶性の形態は、約7.77°2θ、9.48°2θ、11.54°2θ、16.34°2θ、20.21°2θ、23.24°2θ、及び24.77°2θにおけるピークから選択される1つ以上のピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる。
【0074】
本開示のいくつかの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド遊離塩基の実質的に結晶性の形態は、形態5である。少なくとも1つの実施形態では、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド遊離塩基形態5の実質的に結晶性の形態は、
図1Eと実質的に同じXRPDパターンによって特徴付けられる。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド遊離塩基形態5の実質的に結晶性の形態は、約9.51°2θ、13.52°2θ、18.71°2θ、21.26°2θ、21.49°2θ、28.60°2θ、及び29.05°2θにおけるピークから選択される1つ以上のピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる。
【0075】
本開示のいくつかの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミドの実質的に結晶性の形態は、遊離塩基形態の混合物である。
【0076】
いくつかの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミドの実質的に結晶性の形態は、HCl塩形態Aである。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミドHCl塩形態Aの実質的に結晶性の形態は、
図1Fと実質的に同じXRPDパターンによって特徴付けられる。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミドHCl塩形態Aの実質的に結晶性の形態は、約5.67°2θ、7.19°2θ、7.32°2θ、10.90°2θ、14.31°2θ、14.59°2θ、20.08°2θ、及び21.24°2θにおけるピークから選択される1つ以上のピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる。
【0077】
本開示のいくつかの実施形態において、実質的に結晶性の形態は、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:1HCl塩である。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:1HCl塩の実質的に結晶性の形態は、形態1である。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:1HCl塩形態1の実質的に結晶性の形態は、
図2A、
図2B、又は
図2Cと実質的に同じXRPDパターンによって特徴付けられる。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:1HCl形態1の実質的に結晶性の形態は、約6.53°2θ、7.37°2θ、9.07°2θ、14.60°2θ、16.35°2θ、21.26°2θ、及び26.12°2θにおけるピークから選択される1つ以上のピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:1HCl形態1の実質的に結晶性の形態は、
図2Dと実質的に同じDSCサーモグラム及び
図2Eと実質的に同じTGAプロファイルから選択される少なくとも1つの特徴を有する。
【0078】
本開示のいくつかの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミドの実質的に結晶性の形態は、HCl形態A及び1:1HCl形態1の混合物である。
【0079】
いくつかの実施形態では、実質的に結晶性の形態は、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩である。
【0080】
いくつかの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩の実質的に結晶性の形態は、形態1である。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩形態1の実質的に結晶性の形態は、
図3Aと実質的に同じXRPDパターンによって特徴付けられる。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl形態1の実質的に結晶性の形態は、約6.59°2θ、7.40°2θ、9.12°2θ、14.57°2θ、16.39°2θ、26.06°2θ、26.57°2θ、及び27.07°2θにおけるピークから選択される1つ以上のピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl形態1の実質的に結晶性の形態は、
図3Cと実質的に同じDSCサーモグラム及び
図3Bと実質的に同じTGAプロファイルから選択される少なくとも1つの特徴を有する。
【0081】
いくつかの実施形態において、実質的に結晶性の形態は、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩であり、形態1-ビスである。少なくとも1つの実施形態では、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩形態1-ビスの実質的に結晶性の形態は、
図5A又は
図5Bと実質的に同じXRPDパターンによって特徴付けられる。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩形態1-ビスの実質的に結晶性の形態は、約6.66°2θ、7.63°2θ、9.31°2θ、10.74°2θ、13.09°2θ、16.45°2θ、21.36°2θ、26.70°2θ、及び29.01°2θにおけるピークから選択される1つ以上のピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる。
【0082】
本開示のいくつかの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩の実質的に結晶性の形態は、形態1及び形態1-ビスの混合物である。
【0083】
本開示のいくつかの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩の実質的に結晶性の形態は、形態2である。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩形態2の実質的に結晶性の形態は、
図6Cと実質的に同じXRPDパターンによって特徴付けられる。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩形態2の実質的に結晶性の形態は、約7.13°2θ、12.21°2θ、14.22°2θ、15.50°2θ、17.18°2θ、21.60°2θ、22.23°2θ、23.26°2θ、26.72°2θ、及び27.69°2θにおけるピークから選択される1つ以上のピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩形態2の実質的に結晶性の形態は、
図6Dと実質的に同じDSCサーモグラム及び
図6Eと実質的に同じTGAプロファイルから選択される少なくとも1つの特徴を有する。
【0084】
本開示のいくつかの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩の実質的に結晶性の形態は、形態1及び形態2の混合物である。
【0085】
本開示のいくつかの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩の実質的に結晶性の形態は、形態3である。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩形態3の実質的に結晶性の形態は、
図7Bと実質的に同じXRPDパターンによって特徴付けられる。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩形態3の実質的に結晶性の形態は、約5.44°2θ、9.94°2θ、14.85°2θ、22.39°2θ、22.84°2θ、及び27.96°2θにおけるピークから選択される1つ以上のピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩形態3の実質的に結晶性の形態は、
図7Cと実質的に同じDSCサーモグラム及び
図7Dと実質的に同じTGAプロファイルから選択される少なくとも1つの特徴を有する。
【0086】
本開示のいくつかの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩の実質的に結晶性の形態は、形態2及び形態3の混合物である。
【0087】
本開示のいくつかの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩の実質的に結晶性の形態は、形態4-ビスである。少なくとも1つの実施形態では、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩形態4-ビスの実質的に結晶性の形態は、
図8Bと実質的に同じXRPDパターンによって特徴付けられる。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩形態4-ビスの実質的に結晶性の形態は、約4.35°2θ、5.98°2θ、6.20°2θ、8.54°2θ、17.39°2θ、21.28°2θ、21.58、及び21.89°2θにおけるピークから選択される1つ以上のピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる。
【0088】
本開示のいくつかの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩の実質的に結晶性の形態は、形態4である。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩形態4の実質的に結晶性の形態は、
図8Dと実質的に同じXRPDパターンによって特徴付けられる。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩形態4の実質的に結晶性の形態は、約4.38°2θ、6.15°2θ、8.60°2θ、9.62°2θ、21.46°2θ、21.90°2θ、及び26.14°2θにおけるピークから選択される1つ以上のピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる。
【0089】
本開示のいくつかの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩の実質的に結晶性の形態は、形態4-ビス及び形態4の混合物である。
【0090】
本開示のいくつかの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩の実質的に結晶性の形態は、形態1及び形態4の混合物である。
【0091】
本開示のいくつかの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩の実質的に結晶性の形態は、形態5-ビスである。少なくとも1つの実施形態では、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩形態5-ビスの実質的に結晶性の形態は、
図9Bと実質的に同じXRPDパターンによって特徴付けられる。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩形態5-ビスの実質的に結晶性の形態は、約6.08°2θ、6.82°2θ、7.11°2θ、7.51°2θ、8.92°2θ、9.35°2θ、11.34°2θ、17.29°2θ、20.02°2θ、21.21°2θ、22.36°2θ、及び23.15°2θにおけるピークから選択される1つ以上のピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる。
【0092】
本開示のいくつかの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩の実質的に結晶性の形態は、形態5である。少なくとも1つの実施形態では、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩形態5の実質的に結晶性の形態は、
図9Eと実質的に同じXRPDパターンによって特徴付けられる。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩形態5-ビスの実質的に結晶性の形態は、約6.74°2θ、7.11°2θ、8.10°2θ、13.10°2θ、17.16°2θ、23.28°2θ、24.22°2θ、25.15°2θ、及び26.24°2θにおけるピークから選択される1つ以上のピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩形態5の実質的に結晶性の形態は、
図9Fと実質的に同じDSCサーモグラム及び
図9Gと実質的に同じTGAプロファイルから選択される少なくとも1つの特徴を有する。
【0093】
本開示のいくつかの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩の実質的に結晶性の形態は、形態5-ビス及び形態5の混合物である。
【0094】
本開示のいくつかの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩の実質的に結晶性の形態は、形態6である。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩形態6の実質的に結晶性の形態は、
図10と実質的に同じXRPDパターンによって特徴付けられる。少なくとも1つの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩形態6の実質的に結晶性の形態は、約5.88°2θ、7.01°2θ、8.81°2θ、11.51°2θ、13.12°2θ、18.36°2θ、21.4°2θ、及び22.92°2θにおけるピークから選択される1つ以上のピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる。
【0095】
本開示のいくつかの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩の実質的に結晶性の形態は、形態1、形態2、及び形態3の混合物である。
【0096】
本開示のいくつかの実施形態において、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩の実質的に結晶性の形態は、形態1、形態1-ビス、形態2、形態3、形態4-ビス、形態4、形態5-ビス、形態5、及び形態6から選択される少なくとも1つの形態の混合物である。
【0097】
本明細書に開示される実質的に結晶性の形態は、少なくとも50%の結晶性の形態、例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の結晶性の形態であり得る。
【0098】
本開示はまた、本明細書に開示される少なくとも1つの実質的に結晶性の形態と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む、医薬組成物に関する。例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl塩の実質的に結晶性の形態を含み得る。
【0099】
本開示はなお更に、癌の治療を必要とするヒト患者において、癌を治療する方法であって、有効量の4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミドの実質的に結晶性の形態を患者に投与することを含む、方法に関する。少なくとも1つの実施形態において、実質的に結晶性の形態は、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド遊離塩基形態1である。少なくとも1つの実施形態において、実質的に結晶性の形態は、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:1HCl形態1である。少なくとも1つの実施形態において、実質的に結晶性の形態は、4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド1:2HCl形態1である。
【0100】
【実施例】
【0101】
実験及び機器の詳細
特に指定がない限り、本明細書に開示される結晶性形態の物理的特徴付けには、以下の機器及びパラメータを用いた。
【0102】
【0103】
熱分析
【0104】
DSC分析は、DSC Mettler Toledo DSC1を使用して行った。
【0105】
試料を、アルミニウムカバーで密封したアルミニウムパン内で秤量した。試料を25℃~320℃まで10K/分で加熱して、分析を行った。
【0106】
TG分析は、Mettler Toledo TGA/DSC1を使用して行った。
【0107】
試料を、アルミニウムの貫通型カバーで密封したアルミニウムパン内で秤量した。試料を25℃~320℃まで10K/分で加熱して、分析を行った。
実施例1.4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド(HM06)遊離塩基の結晶性形態1の調製及び特徴付け
【0108】
実施例1A:(HM06遊離塩基形態1)の調製
【0109】
HM06遊離塩基形態1を、ACN中のPd(PPh3)2Cl2及びCuIによって媒介される薗頭クロスカップリング反応を用いて調製した。より具体的には、4-アミノ-6-ブロモ-N-(4-(メトキシメチル)フェニル)-7-(1-メチルシクロプロピル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド(8.2kg)(米国特許第10,155,768号における実施例55などの公知の方法に従って調製することができる)を室温で反応容器に加え、以下の試薬、CuI(0.108kg)、Pd(PPh3)2Cl2(0.402kg)及びCH3CN(82.5L)を加えた。4-(プロパ-2-イン-1-イル)モルホリン(6.683kg)を塊に加えた。TEA(7.9L)を加えた。この塊を真空及びN2で5回不活性化した(500mbar/1030mbar)。塊をN2下でTj60℃(Ti:56℃)に加熱し、Tj60℃で14時間撹拌して溶液を得て、次いでTi18~22℃まで冷却した。THF(82.2L)を加え、混合物をTi40℃に温めた。温めた混合物を、正確な圧力(少なくとも2バール)を加えることにより、8~10μmメッシュフィルタ(PTFE)を通して濾過した。濾過した混合物をTi20~25℃まで冷却した。次いで、混合物を樹脂(ISOLUTE(登録商標)Si-Thiol;RATE:220L/hを適用することによってTi25~25℃で混合する)に通した。反応容器、フィルタ、及び樹脂ケーキをTHF(13L)で洗浄した。湿った樹脂は廃棄した。Vmaxを適用するまで(必要に応じて撹拌を停止することによって)、溶媒を真空下、Tj:45℃で蒸留した。MeTHF(164.5L)を残渣に加え、室温で撹拌して均一な懸濁液を得た。
【0110】
有機懸濁液に、水(161.6L)中のN-アセチルシステイン(2.6kg)の0.1M溶液を加えた。塊をTj:50℃(Ti:45~48℃)に加熱し、3時間撹拌した。次いで、撹拌を停止し、相を少なくとも20分間分離させた。相分離後、水層をTi45~48℃にてMeTHF(81.9L)で逆抽出した。混合物を30分間撹拌し、次いで撹拌を停止し、層をTi:45~48℃で少なくとも20分間分離させた。次いで、層を分離し、水層を廃棄した。2つの有機層を合わせ、次いでNaCl20%(41L)をTi:45~48℃で加えた。混合物を30分間撹拌し、次いで撹拌を停止し、相を少なくとも20分間分離させた。水層を除去し、廃棄した。水(66.4L)を有機層にTi:45~48℃で加えた。混合物を同じ温度で30分間撹拌し、次いで撹拌を停止し、相を少なくとも20分間分離させた。水層を再び除去し、廃棄した。
【0111】
Vmaxを適用するまで、真空下、Tj:45℃で有機層を蒸留して残渣を得た。残渣を、撹拌せずに、Vmax下、Tj:45℃で一晩ストリッピングした。アセトン(17L)をTi:45℃で残渣に加え、次いでTi:48℃(Ti:52℃)まで加熱した。混合物を少なくとも1時間撹拌して、均質な懸濁液を得た。懸濁液を少なくとも3時間にわたってTi:-10℃(Tj:-15℃)まで冷却した。次いで、真空及び圧力(少なくとも2バール)を適用することにより、Tj:-10℃で20umメッシュフィルタを使用して濾過することによって生成物を単離した。濾過ケーキを、予冷したアセトン(3.6 L;Ti:-10℃)で、圧力(少なくとも2バール)及び真空を適用することにより、脱液が観察されなくなるまで洗浄した。固体をTj:60℃で少なくとも24時間乾燥させて、最終生成物(6.8kg)を得た。生成物をTj:2~8℃で保存した。
【0112】
図1Aは、CuKα線を用いて得られたHM06結晶性遊離塩基形態1のXRPDパターンを示す。
図1Aにおいて同定されたピークには、表2に記載されたものが含まれる。
【0113】
【0114】
実施例1B:HM06遊離塩基結晶性形態2~5及びHCl塩結晶性形態Aの調製及び特徴付け
【0115】
遊離塩基の5つの新しい結晶性相、及びHCl結晶性塩形態が、表3に列挙される溶媒を使用する選択された再結晶実験の後に観察された。
【0116】
【0117】
図1Bは、CuKα線を用いて得られたHM06結晶性遊離塩基形態2のXRPDパターンを示す。
図1Bで同定されたピークには、表4に記載されたものが含まれる。
【0118】
【0119】
【0120】
図1Cは、CuKα線を用いて得られたHM06結晶性遊離塩基形態3のXRPDパターンを示す。
図1Cで同定されたピークには、表5に記載されたものが含まれる。
【0121】
【0122】
図1Dは、CuKα線を用いて得られたHM06結晶性遊離塩基形態4のXRPDパターンを示す。
図1Dで同定されたピークには、表6に記載されたものが含まれる。
【0123】
【0124】
【0125】
図1Eは、CuKα線を用いて得られたHM06結晶性遊離塩基形態5のXRPDパターンを示す。
図1Eにおいて同定されたピークには、表7に記載されたものが含まれる。
【0126】
【0127】
【0128】
図1Fは、CuKα線を用いて得られたHM06 HCl塩形態AのXRPDパターンを示す。
図1Fで同定されたピークには、表8に記載されたものが含まれる。
【0129】
【0130】
図1Gは、CuKα線を用いて得られた5つのHM06結晶性遊離塩基形態及びHM06 HCl塩形態AのXRPDパターンを重ね合わせたものを示す。
実施例2.結晶性4-アミノ-N-[4-(メトキシメチル)フェニル]-7-(1-メチルシクロプロピル)-6-(3-モルホリノプロパ-1-イン-1-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド(HM06)1:1HCl塩形態1の合成及び特徴付け
【0131】
100mlの一口丸底フラスコにおいて、2MのHCl水溶液1.16ml(1.1当量)をHM06遊離塩基1gに加えた。40mLのテトラヒドロフランを投入し、懸濁液を室温(25℃)で2日間撹拌(800RPM)した。
【0132】
サンプリング物を収集し、濾過し、XRPDによって分析した。残った懸濁液を吸引によって回収し、真空下(50mbar)、25℃で1日乾燥させた。乾燥試料をXRPDによって分析した。
【0133】
図2Aは、CuKα線を用いて得られた結晶性HM06 1:1HCl形態1のXRPDパターンを示す。
図2B及び
図2Cもまた、CuKα線を用いて得られた結晶性HM06 1:1HCl形態1のXRPDパターンを示す。結晶性HM06 1:1HClについて
図2A~
図2Cで同定されたピークには、表9に記載されたものが含まれる。
【表10】
【0134】
熱分析
密封パン中で記録されたHM06 1:1HCl形態1のDSCプロファイルは、試料の溶融及び分解に起因する200℃から後の事象を示した。
図2Dは、HM06 1:1HCl形態1のDSCサーモグラムである。溶媒放出に関連するDSCプロファイルにおけるシグナルの欠如及びベースラインにおける変化は、おそらく、溶媒放出による影響と組み合わせて使用された密封パンによるものであった。
【0135】
HM06 1:1HCl形態1のTGAプロファイルは、40℃~170℃の範囲で4.8%の重量減少を示し、EGAによって記録された水分の発生と一致した。分解は200℃から後に起こった。
図2Eは、HM06 1:1HCl形態1のTGAプロファイルを提供する。TGAで記録された熱流では、水分が失われる範囲で起こった広く大きな事象と、融解に起因する200℃から後のシグナルが示され、次いで分解が起こった。
実施例3.HM06 1:2HClの調製
【化3】
【0136】
A.HCl水溶液を用いた1GのHM06 1:2HClの合成
1gのHM06遊離塩基を秤量し、磁気撹拌棒を備えた250mL反応器に移した。次いで、50mLのエタノールを加え、得られた混合物を固体が完全に溶解するまで加熱した(T=80℃)。固体物質が観察されなくなると、溶液を50℃まで冷却した。532μL(3当量)の37%HClを反応器にゆっくり加えた。固体の形成が直ちに観察された。混合物を25分間で25℃まで冷却し、次いで更に1時間撹拌した。この後、形成された固体を真空濾過によって単離し、エタノールで洗浄し、40℃、30mbarで24時間乾燥させた。1.08gの生成物を白色固体としてほぼ定量的収率で回収した。
【0137】
B.HCl水溶液を用いた5GのHM06 1:2HClの合成
5gのHM06遊離塩基を秤量し、磁気撹拌棒を備えた250mL反応器に移した。次いで、70mLのエタノールを加え、得られた混合物を固体が完全に溶解するまで加熱した(T=80℃)。固体物質が観察されなくなると、溶液を50℃で冷却した。少量の固体の沈殿が観察されたので、溶液を完全に溶解するまで再び加熱し、次いで60℃まで冷却した。この温度では、沈殿物の形成は観察されなかった。次いで、2.5mL(3当量)の37%HClを10mLのエタノールに溶解し、得られた溶液を反応器にゆっくり加えた。固体の形成が直ちに観察された。混合物を25℃で35分間冷却し、次いで更に1時間撹拌した。この後、形成された固体を真空濾過によって単離し、エタノールで洗浄し、40℃、30mbarで24時間乾燥させた。5.64gの生成物を白色固体としてほぼ定量的収率で回収した。
【0138】
C.無水HClを用いた2.5GのHM06 1:2HClの合成
2.5gのHM06遊離塩基を秤量し、磁気撹拌棒を備えた250mL反応器に移した。次いで、35mLのエタノールを加え、得られた混合物を固体が完全に溶解するまで加熱した(T=80℃)。固体物質が観察されなくなると、溶液を50℃で冷却した。エタノール中3.3Mの無水HCl4.8mL(3当量)をエタノール5mLと混合し、得られた溶液を反応器にゆっくり加えた。固体の形成が直ちに観察された。混合物を35分で25℃まで冷却し、次いで更に1時間撹拌した。この後、形成された固体を真空濾過によって単離し、追加の10mLのエタノールで洗浄し、次いで収集し、25℃、0.1mbarで24時間乾燥させた。固体を更に100℃、30mbarで更に72時間乾燥させた。TG/EG分析により、無水化合物の回収が確認された。2.69gの生成物を白色固体としてほぼ定量的収率で回収する。
【0139】
D.化学量論測定
塩の化学量論を測定するために、イオンクロマトグラフィーによって塩化物分析を行った。HM06 1:2HClの溶液を、149.2mgの粉末をメスフラスコ(10mL)内にて水(HPLCグレード)で溶解することによって調製した。塩化物測定の直前にバッチで行ったTGA分析(5.9%の含水量に関連する重量減少)に基づいて、投与された無水塩の量は140.4mg(94.1%)であるとみなされた。
【0140】
1:2(HM06:HCl)の化学量論を仮定すると、無水塩の分子量は547.5g/molであり、これは調製した溶液中のHM06の濃度0.0256mmol/mLに相当する。イオンクロマトグラフィーによって測定された塩化物濃度は、1.98の塩化物/HM06モル比に対応する0.05056mmol/mLであることが見出され、HM06:HClの化学量論が1:2であることを確認した。
【0141】
実施例4.HM06 1:2HClの多形形態1及び形態1-ビスの調製及び特徴付け
実施例4A:HM06 1:2HCl形態1の合成
【0142】
HM06遊離塩基(562.0g)を熱エタノール(7885.5mL)に加え、固体が完全に溶解するまで、塊を撹拌しながらTi:75℃で加熱した。次いで、溶液を1μmカートリッジ(PP又はPTFE)上で研磨濾過した。Ti:65~75℃(目標70℃)の温度を維持して撹拌しながら、33%HCl(283.4mL)及びEtOH(283.5mL)の混合物を、少なくとも1時間かけて前濾過した溶液に加えた。次いで、塊を少なくとも30分かけてTi:20~25℃まで冷却し、次いで、Ti:20~25℃で少なくとも1時間撹拌した。次いで、脱液が観察されなくなるまで、圧力(少なくとも2バール)及び真空を適用することにより、混合物を20umメッシュフィルタ上で濾過することによって単離した。脱液が観察されなくなるまで、圧力(少なくとも2バール)及び真空を適用することにより、濾過ケーキをEtOH(1070.8mL×2)で2回洗浄した。湿潤生成物をTj:40℃で少なくとも12時間乾燥させた。生成物HM06 1:2HCl形態1を得た(626g)。生成物をTj:2~8℃で保存した。
【0143】
図3Aは、CuKα線を用いて得られた結晶性HM06 1:2HCl形態1のXRPDパターンを示す。
図3Aにおいて同定されたピークには、表10に記載されているものが含まれる。
【0144】
【0145】
熱分析は、密封容器内にて低温(4~10℃)で2ヶ月間保存した後に行った。
図3Bは、HM06 1:2HCl形態1のTGAプロファイルを提供する。4.5%の重量減少が30~160℃の範囲で観察され、これはEGAで確認したところ、水分の放出に起因していた。約200℃を超えると、分解が起こった。TGAでは、EGAで確認されたように、メタノール放出に起因する更なる重量減少が示された。
図3Cは、HM06 1:2HCl形態1のDSCサーモグラムである。図に示されるように、DSCでは、25℃で始まり、約160℃まで続く水分放出に起因する幅広い吸熱事象が示された。195.13℃での次の吸熱ピーク(開始188.11℃)は、試料の溶融に関連するものであった。
【0146】
HM06 1:2HCl形態1の単結晶
【0147】
HM06 1:2HCl形態1の結晶を、ゆっくりとした蒸発によって得た。結晶は単結晶回析に十分な大きさであったが、全てが非メロヘドリー(non-merohedry)双晶化の影響を受けていた。これは、2つの結晶が一緒に成長して同じ巨視的試料を形成することを意味する。2つの結晶を分離することは不可能であり、収集されたデータは、2つの逆格子の存在を明確に示した(
図3D参照)。構造の解決及び精密化は、この状況に影響された。
【0148】
2つの異なる結晶の2つのデータセットを収集した。いずれの場合も双晶であり、第2の格子は、第1の格子のb*に沿って180°回転することによって得られた。第1の場合では、結晶は2つのほぼ等しい構成要素でできており、非メロヘドリー双晶化がデータに悪影響を及ぼし、構造を精密化して良好なR値を得ることができなかった。第2のデータ回収は、1つの優勢な構成要素及び第2のより弱い構成要素によって特徴付けられた。この場合では、精密化は許容範囲内であった。
【0149】
HM06 1:2HCl形態1は、空間群P2
1\c及びパラメータa=6.8636(8)Å、b=16.7683(12)Å、c=24.5798(13)Å、β=94.163(7)°及びV=2821.4(4)
3において単斜晶として結晶化する。非対称単位は、1つのジプロトン化HM06、2つの塩化物イオン、及び2つの位置にある1.35個の水分子からなる(
図3E参照)。Cl2で標識された塩化物イオンは、Cl2A、Cl2B、Cl2Cの占有率が、それぞれ0.35、0.36、及び0.29の3つの位置で不規則である。Cl
-及び水分子中の酸素が互いに反発し得るため、おそらく、Cl2の位置は格子内の水分子の数に依存する。
【0150】
HM06分子は、πスタック相互作用の存在に起因する短い接触(3.4Åの分子距離)を示すb軸方向に列を形成する。列には一種の断面があり、おそらく水分子の除去による構造の崩壊を防いでいる(参照、エラー!参照元不明。4A及び4B)。
【表12】
【0151】
実施例4B:HM06 1:2HCl形態1-ビス
HM06 1:2HCl形態1の水和物/無水の性質を決定し、結晶格子中に存在する水分の正確な量を特定するために、一連の予備的な脱水/乾燥実験を実施し、これが形態1-ビスの発見につながった。
【0152】
図5Aは、CuKα線を用いて得られた結晶性HM06 1:2HCl形態1-ビスのXRPDパターンを示す。
図5Aにおいて同定されたピークには、表12に記載されたものが含まれる。
【0153】
【0154】
VP-XRPD測定は、Anton Paar TTK450チャンバを備えたPanalytical X’pertで行い、制御された温度及び/又は真空下、in-situで粉末を測定することができた。
【0155】
最初の測定値は、室温及び大気圧で収集した。次いで、試料を真空下(0.07mbar)で15分間放置した。
図5Bは、CuKα線を用いて得られたHM06 1:2HCl結晶性形態1-ビスのXRPDパターンを示す。
図5Bに示されるように、真空が試料の脱水につながるため、形態1-ビスと標識された第2のパターンは、出発物質(形態1)のパターンとは異なる。
【0156】
位置が変わらないピークもあれば、明らかに高いシータ値にシフトしているピークもあり、おそらく、水分子の放出が結晶面の一部に影響を与えているだけであり、構造は、大幅には変化しないという点にも注意が必要である。SC-XRDによる構造決定に基づくと、形態1-ビスは、形態1から大幅に異なることなく、非常に不安定な無水形態であると考えられた。この挙動により、水分子を短時間で容易に取り込むことができる。
【0157】
形態1-ビスによる水分の取り込みは、XRPDにより、2θ=25.5°~27.5°の範囲におけるパターンの差異を追うことで観察した(
図5C参照)。真空下では、2θ=26.7°のピークが最も高く、試料を空気中に2分間曝露した後では、2θ=26.4°のピークが最も高くなる。2θ=26.4°のピークは、20分で2θ=26.2°に移動する。HM06 1:2HCl結晶性形態1-ビスは、粉末が空気に曝露されるとすぐに大気から水分を取り込み、20分で出発物質の回折パターンに到達する(参照、エラー!参照元不明。5D)。この実験は、部屋のRH%が約80%である周囲条件で行われた。
【0158】
実施例5.結晶性HM06 1:2HCl形態2の合成及び特徴付け
HM06 1:2HCl形態2は、エタノールを用いた高温(50℃)スラリー実験から、形態1との混合物で観察された。15mgのHM06 1:2HCl形態1を、1.5mLのエタノールに懸濁させ、50℃で3日間撹拌した。この後、懸濁液を約45~50%RH下で真空濾過し、XRPDによって分析した。その回折パターンは、形態1のXRPDパターン及び形態2の標準パターン(下の2つの線)と比較して、上のパターンとして
図6Aに報告されている。
【0159】
再現及びマイクロスケールアップ手順
【0160】
1.再現手順
結晶化手順を2回再現した。再現R01により、微量の形態3の影響を受けたHM06 1:2HCl形態2がもたらされ、一方、再現R02から純粋な形態2が回収された。両方の実験について、濾過工程及びXRPD分析のためのプレートの調製を7%RH下で行った。XRPD測定は、Kaptonフィルムを用いて行った。得られた結果及び相対XRPDパターンの概要を表13に報告する。
【表14】
1真空濾過による粉末の単離及びKaptonフィルムで覆われた試料プレートの調製は、7%RHで行った。
【0161】
R01及びR02の結果のXRPDパターンを、形態2及び形態3の標準参照パターンと比較して、
図6Bに示す。
【0162】
マイクロスケールアップ手順
【0163】
更なる試験に使用するのに十分な粉末を得て、プロセスの実現可能性を探るために、異なるマイクロスケールアップ手順を試みた。第1の試行は、100mgのHM06 1:2HCl形態1で行った。粉末を10mLのエタノール(10mg/mL)に懸濁し、50℃で4日間撹拌した。この後、懸濁液を5%RH条件下で真空濾過し、Kaptonフィルムで覆われたXRPDプレートの調製を同じ%RH条件下で行った。HM06 1:2HCl形態2を単離し、収集したXRPDパターンを形態2の標準(STD)参照パターンとして使用した。
【0164】
この手順を2回再現し、5%RH条件下で5日後に単離工程を行った。第1の再現(R01)により、微量の形態2によって影響を受けたHM06 1:2HCl形態3がもたらされ、第2の再現(R02)により、形態2に起因する7.2°2シータに1つのシグナルを有する形態3がもたらされた。
【0165】
このデータを考慮に入れて、更なる手順を試みた。100mgのHM06 1:2HCl形態1を5mLのエタノール(20mg/mL)に懸濁し、50℃で10日間放置して撹拌した。この手順から、5.5°2シータに小さなシグナルを有する形態2を形態3から単離した。
【0166】
得られた結果の概要を表14に報告する。
【表15】
120mg/mLの濃度で実験を行った。
【0167】
図6Cは、CuKα線を用いて得られた、エタノールからの4日間のスラリー実験後に100mgにスケーリングして収集され、STD参照として使用されたHM06 1:2HCl形態2のXRPDパターンを示す。
図6Cで同定されたピークには、表15に記載されたものが含まれる。
【0168】
【0169】
熱分析
図6Dは、HM06 1:1HCl形態2のDSCサーモグラムであり、これは、試料融解と一致する219.8℃での吸熱事象(205.5℃で開始)を示した。約200℃を超えると、分解が起こった。
【0170】
図6Eは、重量減少を示さなかったHM06 1:1HCl形態2のTGAプロファイルを提供する。試料は無水とみなすことができる。分解中にメタノール及びHClの放出が検出された。
【0171】
図6F及び
図6Gは、CuKα線を用いて得られた実施例5のマイクロスケールアップからの相対XRPDパターンを示す。
【0172】
実施例6 HM06 1:2HClの形態3の合成及び特徴付け
15mgのHM06 1:2HCl形態1を、1.5mLのアセトニトリルに懸濁し、50℃で3日間撹拌した。この後、懸濁液を約45~50%RH下で真空濾過し、XRPDによって分析した。
図7Aは、CuKα線を用いて得られた、アセトニトリルからのHT(50℃)スラリー実験後に得られた結晶性HM06 1:2HCl形態3のXRPDパターン(上の線)、形態1の標準参照パターン(黒色線)、形態2の標準参照パターン(下の線)、及び形態3の標準参照パターン(ピンク色線)を重ね合わせたものを示す。
【0173】
再現及びマイクロスケールアップ手順
再現手順
結晶化手順を2回再現し、時間を9日まで延長し、回収された粉末を7%RH条件で処理した。Kaptonフィルムを使用してXRPDプレートを調製した。再現R01により、微量の形態2が観察される相がもたらされた。再現R02により、形態3及びいくつかの更なる帰属されていないピークがもたらされた。
【0174】
純粋な形態3が1-プロパノールを使用する高速沈殿実験から収集され、標準参照パターンとして使用されたので、追加の再現が試みられた。3つの高速勾配の試行は全て、以下のように準備された。15mgのHM06 1:2HCl形態1に、1.5mLの1-プロパノールを加えた。懸濁液を溶媒の沸点まで数分間加熱した。透明な溶液が直ちに観察された。氷浴を用いて10℃までクラッシュ冷却した。直ちに沈殿が生じた。粉末を真空濾過によって回収し、Kaptonフィルムを使用してXRPDプレートを調製した。これらの実験は全て、制御された4~5%RH条件下で処理した。
【0175】
得られた結果の概要を表16に報告する。
【表17】
1真空濾過による粉末の単離及びKaptonフィルムで覆われた試料プレートの調製は、7%RHで行った。
25.5°2シータにおけるシグナルの強度は、形態3の標準参照パターンと比較した場合、より低いことが示された。
3真空濾過による粉末の単離及びKaptonフィルムで覆われた試料プレートの調製は、4~5%RHで行った。
【0176】
マイクロスケールアップ手順
【0177】
更なる試験に使用するのに十分な粉末を得て、プロセスの実現可能性を探るために、異なるマイクロスケールアップ手順を試みた。全ての試行は、単離工程及びKaptonフィルムが使用されたXRPD試料プレートの調製の両方について、5~7%値の間で制御された%RH条件下で処理された。
【0178】
第1の試行は、100mgのHM06 1:2HCl形態1で行った。粉末を10mLのアセトニトリル(10mg/mL)に懸濁し、50℃で4日間撹拌した。この後、懸濁液を真空下で濾過し、XRPDによって分析した。形態2及び形態3の混合物を回収した。純粋な形態3に到達しようと試行するために、第1の再現R01を計画し、スラリー時間を12日まで延長した。並行して、20mg/mLの濃度で試験した同じ実験も準備した。再現R01から、形態2が集められた一方で、他の試行では、形態2及び形態3の混合物が得られ、6.3°2シータにおける帰属されていないピークが観察された。
【0179】
純粋な形態3は、15mgで行われた1-プロパノールからの高速勾配沈殿から達成され、再現にもかかわらず形態3に至らなかったため、マイクロスケールアップ手順を遂行した。100mgのHM06 1:2HCl形態1を10mLの1-プロパノールに懸濁した。これを、溶媒の沸点まで加熱した。数分後、得られた透明な溶液を10℃でクラッシュ冷却し、磁気撹拌下で5分間放置した。次いで、粉末を濾過によって単離し、XRPDによって分析した。純粋な形態3が達成され、そのXRPDパターンを標準参照として使用した。おそらく形態2に起因する7.2°2シータでの非常に小さなシグナルが観察された。濾過工程及びKaptonフィルムで覆われたXRPD試料プレートの調製は、4%RHで行った。
【0180】
表17に記載の手順に従って再現R01を行い、乾燥プロセスを適用した。サンプリング物をXRPDによって分析した。形態3が得られたので、ウェットケーキ全体を40℃/50mbarで3時間処理し、次いで再測定した。形態3が達成されたが、形態2に起因する7.2°2シータでの微弱シグナルが検出された。
【0181】
更に2回の再現(R02及びR03)を同じ手順に従って行った。形態3を収集したが、形態2に起因する7.2°2シータでの微弱シグナルが検出された。R03については、追加の乾燥工程は適用されなかった。その代わりに、再現R02を2回の染色工程に供した後、両方ともTGA-EGA分析を行った。R02の結晶化度が低いのは、XRPD分析に使用した量が少なかったことによる。
【0182】
これらの結果に基づいて、1-プロパノールからの高速勾配沈殿は、形態3を得るための好適な手順とみなすことができる。
【0183】
得られた結果の概要を表17に報告する。
【表18】
1実験は、20mg/mLの濃度を使用して達成された。
2真空濾過による粉末の単離及びKaptonフィルムで覆われた試料プレートの調製は、3~7%RHで行った。
【0184】
図7Bは、CuKα線を用いて得られた100mgにスケーリングされた1-プロパノールからの高速勾配沈殿後に収集されたHM06 1:2HCl形態3のXRPDパターンを示す。
図7Bで同定されたHM06 1:2HCl形態3からのピークには、表17に記載されているものが含まれる。
【表19】
【0185】
図7Cは、HM06 1:2HCl形態3のDSCサーモグラムであり、試料融解に起因する214℃での吸熱事象(202℃で開始)を示した。約200℃を超えると、分解が起こった。
【0186】
図7Dは、HM06 1:2HCl形態3のTGAプロファイルを提供し、180℃までに0.7%の非常に穏やかな重量減少を示した。分解中、メタノール及びHClの発生がEGAによって検出された。
【0187】
実施例7 HM06 1:2HClの形態4及び形態4-ビスの合成及び特徴付け
形態04及び形態04-ビス結晶化手順
【0188】
形態4-ビスを、以下の手順に従って、低圧下25℃でメタノールからの蒸発実験後に収集した。
【0189】
メタノール中のHM06 1:2HCl形態1の飽和溶液約50mg/mLを調製し、室温で一晩(18時間)撹拌した。この後、これを濾過し、25℃/700mbarで蒸発させた。Kaptonフィルムで密封した試料プレートの調製は、40~45%RH下で行った。収集したXRPDパターンを形態1と比較して
図8Aに報告する。形態1のいくつかの非常に微弱なシグナルが存在した。
【0190】
再現手順
実験は、上記で報告した手順に従って4回再現した(再現R01~R04)。Kaptonフィルムで密封されたXRPD試料プレートの調製は、40~45%RH下で行った。全ての試行において、形態1が回収された。この手順を更に4回試み、但しこの場合、7~8%RHの値で制御された%RH下、試料を単離した。分析した全ての試料において、形態1のシグナルによって影響を受けた形態4と標識された新しいパターンが観察された。定性的な観点から、再現R05は、最低量の形態1を示した。表18は、再現手順及び結果を示す。
【表20】
1真空濾過による粉末の単離及びKaptonフィルムで覆われた試料プレートの調製は、7~8%RHで行った。
【0191】
図8Bは、HM06 1:2HCl形態4-ビスのXRPDパターンを示す。HM06 1:2HCl形態4-ビスについて
図8Bにおいて同定されたピークには、表19に記載されたものが含まれる。
【表21】
【0192】
安定性評価
形態4-ビスの安定性は、密封バイアル内で7日間保存した後に評価した。
図8Cに示すように、形態1への完全な変換が示された。
【0193】
形態4結晶化手順
前項で記載したように、HM06 1:2HCl形態4は、形態4-ビスを達成するために実施した再現実験から形態1との混合物として単離した。
【0194】
再現手順
前項及び表18に記載されるように、形態4は、実施された4つの再現実験(R05~R08)の全てから回収された。再現R05は、定性的観点から、形態1の量が最も少ないようであった。
【0195】
図8Dは、CuKα線を用いて得られたHM06 1:2HCl形態4のXRPDパターンを示す。HM06 1:2HCl形態4の
図8Dにおいて同定されたピークには、表20に記載されたものが含まれる。
【表22】
【0196】
HM06 1:2HCl形態4曝露粉末を、43%RH下、室温で一晩保存した。
図8Eに示すように、大幅な変更は観察されなかった。
【0197】
実施例8 HM06 1:2HClの形態5及び形態5-ビスの合成及び特徴付け
形態5及び形態5-ビス
形態5-ビス
1.結晶化手順
60℃での50/50水/ジメチルホルムアミドの混合物中のHM06 1:2HCl形態1の蒸発実験により、新たなXRPDパターンが分離され、形態5からのいくつかのシグナルが観察された。類似性のため、これを形態5-ビスと標識された。試料の処理は、40~45%RH条件下で行った。
図9Aは、形態5と比較したHM06 1:2HCl形態5-ビスのXRPDパターンを示す。
【0198】
2.再現手順
蒸発実験を2回再現し、橙色の粉末を収集した。両試料ともXRPDで分析したところ、形態5の回折パターンを示し、おそらく形態5-ビスに関連する微弱シグナルがいくつかあり、更に未帰属のシグナル、特に18°2シータに別個の強度をもつシグナルがあった。これらの結果に基づいて、形態5-ビスは再現性がないとみなされた。
【0199】
図9Bは、HM06 1:2HCl形態5-ビスのXRPDパターンを示す。HM06 1:2HCl形態5-ビスについて
図9Bで同定されたピークには、表21に記載されたものが含まれる。
【表23】
【0200】
3.安定性試験
HM06 1:2HCl形態5-ビス試料の安定性は、空気に曝露して18時間後及び密封バイアル中で1週間後に、両方とも室温で評価した。
【0201】
形態5-ビスは、粉末を室温で18時間曝露した後に測定した。%RHは約45%であった。これのXRPDパターンはいくつかの変更を示し、例えば、6°及び12°の2シータにシグナルがなく、6.4°の2シータにピークが立ち上がった。
【0202】
これらの変化は、この試験中に観察された他の単離多形のうちの1つへの変換と関連付け得ないため、試料は安定でないとみなされた。
図9Cは、形態5-ビスのXRPDパターン(上の青色のパターン)、及び同じ試料を18時間曝露後に分析したもの(下の赤色のパターン)を示す。
【0203】
HM06 1:2HCl形態5-ビスを、密封バイアル内にて室温で7日後に測定した。
図9Dに示されるように、試料は形態1への変換を開始した。
【0204】
形態5結晶化手順/再現手順
60℃でのジメチルスルホキシド中のHM06 1:2HCl形態1の蒸発実験により、更に帰属されていないシグナルを有する形態1が得られた。これらのわずかな新しいシグナルの性質をよりよく理解するために、再結晶手順を2回(R01及びR02)再現した。両方の試料は暗褐色を示し、R02は完全にガラス質であり、R01からの粉末はわずかしか回収することができなかった。R01からの粉末をXRPDで分析したところ、形態5と標識された結晶化度の低い回折パターンが示された。
【0205】
図9Eは、CuKα線を用いて得られたHM06 1:2HCl形態5のXRPDパターンを示す。HM06 1:2HCl形態5について
図9Eで同定されたピークには、表22に記載されたものが含まれる。
【表24】
【0206】
図9Fは、HM06 1:2HCl形態5のDSCサーモグラムであり、TGA-EGAでも観察されたように、溶媒放出に起因する30℃~90℃の幅広い吸熱事象を示した。158.7℃(144.6℃で開始)及び164.8℃(158.3℃で開始)での2つの連続した吸熱事象も観察された。
【0207】
図9Gは、HM06 1:2HCl形態5のTGAプロファイルを提供し、130℃までの水分の重量減少を示した。水分の発生を脱水又は吸着水の放出に明確に帰することはできなかった。200℃を超えると、分解が起こった。EGAでは、他の単離形態について観察されたようなHClの発生は検出されなかった。HCl含有量のより少ない塩の形成は否定し得ない。形態5の塩の化学量論は、確定的には測定されなかった。
【0208】
実施例9 HM06 1:2HClの形態6の合成及び特徴付け
1:1アセトニトリル/水溶液中のHM06 1:2HCl形態1を室温にて低圧下で蒸発させた後、形態6を収集した。これらの条件下で6日間保存した後、形態1への変換が観察された。バッチが橙色を示して以降、その相が不安定であるため、更なる分析は行わなかった。
【0209】
図10は、CuKα線を用いたHM06 1:2HCl形態6のXRPDパターンを示す。HM06 1:2HCl形態6について
図10で同定されたピークには、表23に記載されたものが含まれる。
【0210】
【0211】
図11は、HM06 1:2HClの全ての単離形態におけるXRPDパターンを重ね合わせたものを報告する。
【0212】
実施例10:HM06 1:2HCl形態1についての保存安定性試験
HM06 1:2HCl形態1の試料を加速保存条件及び長期保存に供した。結果は、HM06 1:2HCl形態1が安定で結晶性を保っていることを実証した。
【0213】
1.加速保存条件
同じロットからのHM06 1:2HCl形態1の試料を、定期的な間隔で試験しながら、40℃、相対湿度75%で24ヶ月間保存した。表24は、0、1ヶ月、3ヶ月、及び6ヶ月の時点での試料分析を示す。
【表26】
*0.05%(A%)を超える全ての不純物を報告。
**RRT(相対保持時間)0.92~94
【0214】
2.24ヶ月保存
同じロットからのHM06 1:2HCl形態1の試料を25℃、相対湿度60%で6ヶ月間保存し、定期的間隔で試験した。表25は、0、3カ月、6カ月、9カ月、12カ月、18カ月、及び24カ月の時点での試料分析を示す。
【表27】
*0.05%(A%)を超える全ての不純物を報告;
**RRT0.92~0.94
【0215】
前述の書面による明細書は、当業者が実施形態を実施するのに十分であると考えられる。前述の説明及び実施例は、特定の実施形態を詳述し、本発明者らによって企図される最良の形態を説明する。しかし、前述の内容がどれほど詳細に記述されていても、実施形態は多くの方法で実施することができ、添付の特許請求の範囲及びその任意の均等物に従って解釈されるべきであることが理解されるであろう。
【0216】
本明細書で使用される場合、約という用語は、明示的に示されているか否かにかかわらず、例えば、整数、分数、及びパーセンテージを含む数値を指す。約という用語は、概して、列挙された値と同等である(例えば、同じ機能又は結果を有する)と当業者が考える数値の範囲(例えば、列挙された範囲の±5~10%)を指す。少なくとも及び約などの用語が数値又は範囲のリストに先行する場合、これらの用語は、そのリストに提供される値又は範囲の全てを修飾する。いくつかの例において、約という用語は、有効数字に四捨五入して丸められる数値を含み得る。