(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-05-07
(45)【発行日】2026-05-15
(54)【発明の名称】医用トロリー
(51)【国際特許分類】
B62B 5/06 20060101AFI20260508BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20260508BHJP
【FI】
B62B5/06 Z
A61B5/00 F
(21)【出願番号】P 2022044104
(22)【出願日】2022-03-18
【審査請求日】2025-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000112602
【氏名又は名称】フクダ電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡野 修治
【審査官】高瀬 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-008865(JP,A)
【文献】中国実用新案第212500480(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0361013(US,A1)
【文献】特開2021-165051(JP,A)
【文献】特開2014-018383(JP,A)
【文献】特開2014-018386(JP,A)
【文献】特開2016-019587(JP,A)
【文献】特開2013-172778(JP,A)
【文献】特開2019-177041(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 5/00
B62D 3/00
A61B 5/00
A61G 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面上を移動可能な脚体と、
前記脚体の上部に立設され前記脚体から上方に向かって延在する支柱と、
前記支柱の上部に取り付けられ医療機器を載置する載置部が設けられた設置体と、
を有する医用トロリーであって、
樹脂により前記載置部と一体に形成された把持部を有し、
前記把持部は、ユーザーが把持したときの奥側の形状がV字形状
かつ手前側の形状が直線形状である、
医用トロリー。
【請求項2】
前記医療機器は、生体情報モニターであり、
前記載置部は、生体情報モニターを載置したときに、前記生体情報モニターの正面が前記把持部の方向を向くように前記生体情報モニターを固定する固定部を有し、
前記把持部は、前記載置部の前記生体情報モニターの載置面よりも下方かつ進行方向に対して後方の位置に形成されている、
請求項1に記載の医用トロリー。
【請求項3】
前記把持部の下側には、樹脂によってバスケットが一体に形成されている、
請求項1
又は2に記載の医用トロリー。
【請求項4】
前記把持部の下面には、リブによって曲面が形成されている、
請求項1又は2に記載の医用トロリー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器の運搬或いは設置に用いられる医用トロリーに関する。
【背景技術】
【0002】
心電計や生体情報モニター等の医療機器は、専用の医用トロリーを用いて運搬される。医用トロリーを用いて運搬された医療機器は、医用トロリー上に設置された状態で運用することもできる。このような医用トロリーは、例えば特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、医用トロリーは、頻繁に移動させることが想定されるため、医療従事者が楽に移動できることが要求される。
【0005】
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、医療従事者が楽に移動させることができる、医用トロリーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明医用トロリーの一つの態様は、
床面上を移動可能な脚体と、
前記脚体の上部に立設され前記脚体から上方に向かって延在する支柱と、
前記支柱の上部に取り付けられ医療機器を載置する載置部が設けられた設置体と、
を有する医用トロリーであって、
樹脂により前記載置部と一体に形成された把持部を有し、
前記把持部は、ユーザーが把持したときの奥側の形状がV字形状である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、医療従事者が楽に移動させることができる、医用トロリーを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態による医用トロリーを一部分解して示した斜視図
【
図3】医用トロリーに生体情報モニターを設置した状態を示す斜視図
【
図7】医療従事者が把持部を把持した状態を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
<1>全体構成
図1は本実施の形態による医用トロリー100を一部分解して示した斜視図であり、
図2はその正面図である。
図3は医用トロリー100に生体情報モニター1を設置した状態を示す斜視図である。
【0011】
医用トロリー100は、大きく分けて、脚体10と、支柱20と、設置体30と、を有する。
【0012】
脚体10は、基部11と、基部11から平面方向に延びる複数の枝部12と、を有する。脚体10は4つの枝部12を有する。脚体10は平面視において略X形状となっている。4つの枝部12にはそれぞれキャスター13が取り付けられている。
【0013】
支柱20は、脚体10の上部に立設され、脚体10から上方に向かって延在する。支柱20は、脚体10の基部11に形成された嵌合穴14に下端部が嵌合された状態で、下方からネジ21によってネジ止めされることにより、脚体10の上部に立設される。
【0014】
設置体30は、支柱20の上端部に取り付けられる。設置体30は、載置部40と、把持部50と、フック部60と、支柱受け部30aと、を有する。
【0015】
支柱受け部30aの側面には上下方向に亘って複数のネジ穴31が形成されている。複数のネジ穴31のうちのいずれか一つと支柱20の側面に形成されたネジ孔22とを位置合わせした状態で、ネジ32によってネジ止めすることにより、支柱20の上部の所望の高さ位置に設置体30が固定される。
【0016】
載置部40の上面には生体情報モニター1などの医療機器が載置される(
図3参照)。載置部40には、載置された医療機器を載置部40に固定するためのネジ孔41が形成されている。また、載置部40の側面にはフックを増設するためのフック取付穴42が形成されている。
【0017】
把持部50は、載置部40から後方に突き出るように形成されている。把持部50は、平面視において略コ字状である。医療従事者などのユーザーは、把持部50を把持した状態で、医用トロリー100を移動させることができる。
【0018】
なお、本明細書における前方及び後方の定義は、医用トロリー6の進行方向から見て前方及び後方を意味する。一方、一般的に載置部40に載置された医療機器から見て前方及び後方が定義される場合もある。例えば
図3に示した生体情報モニター1を基準にした場合は把持部50の方向が前方でありフック部60の方向が後方となる。よって、このように前方及び後方を定義する場合は、明細書中の前方を後方と読み替え、明細書中の後方を前方と読み替えればよい。
【0019】
フック部60は、載置部40から前方に突き出るように形成されている。フック部60は、複数のL字状のフック61~64を有する。フック部60は、例えば載置部40に載置された医療機器に接続される各種のケーブルを掛けることができるようになっている。
【0020】
さらに、本実施の形態の医用トロリー100においては、支柱20にバスケット80が取り付けられている。バスケット80は、ネジ81によって支柱20に固定される。バスケット80には、例えば医療従事者が使用する端末やファイルなどが収容される。
【0021】
また、支柱受け部30aには、ケーブルクランプ70が取り付けられている。ケーブルクランプ70は、ネジ32に上方向から差し込むことにより支柱20に取り付けられる。ケーブルクランプ70は、例えば載置部40に載置された医療機器に接続される各種のケーブルを掛けて保持できるようになっている。
【0022】
また、脚体10及び設置体30は樹脂により形成されており、支柱20はアルミなどの金属により形成されている。医用トロリー100は、脚体10及び設置体30を樹脂により形成したことにより、軽量化が図られている。
【0023】
<2>把持部50の構成
ここでは、把持部50の構成について、
図4、
図5、
図6及び
図7を用いて詳しく説明する。
図4は、設置体30を斜め上方から見た斜視図である。
図5は、設置体30を上方から見た平面図である。
図6は、設置体30を斜め下方から見た斜視図である。
図7は、医療従事者が把持部50を把持した状態を示す平面図である。
【0024】
把持部50は、樹脂により載置部40と一体に形成されている。
【0025】
また、把持部50は、載置部40の医療機器の載置面よりも下方かつ進行方向に対して後方の位置に形成されている。これにより、
図3に示したように、載置部40に生体情報モニター1が載置された状態において、把持部50は、生体情報モニター1の画面の正面かつ下方に位置するので、医療従事者は生体情報モニター1の画面を見ながら医用トロリー100を移動させることができる。
【0026】
また、重量の重い生体情報モニター1の下方に把持部50が配置されているので、医療従事者は医用トロリー100の重心の近くを押すことができるので、医用トロリー100を安定して移動させることができる。
【0027】
加えて、本実施の形態の場合、
図5から分かるように、把持部50は、医療従事者が把持したときの奥側の形状がV字形状とされている。これにより、医療従事者が把持部50を把持した状態を示す
図7から分かるように、医療従事者は把持部50を両手をV字状にして握ることになる。換言すれば、医療従事者の左右の手はそれぞれ、人差し指が体に近く小指が体から遠くなるように斜めに傾斜する。
【0028】
ここで、従来の医用トロリーでは片手でトロリーを移動させるものが多い。これに対して、本実施の形態の医用トロリー100はトロリーを安定して移動させるために両手でトロリーを移動させることを想定している。
【0029】
ただし、把持部50の幅は、載置台40の幅に制限されるので、医療従事者の肩幅よりも狭くなる。このため、医療従事者が把持部50を両手で握ると肩や胸の筋肉に力が働き、医療従事者がストレスを感じる。また、力を入れずに把持部50を握ろうとすると、把持部50と薬指及び小指の間に隙間ができてしまい、安定した把持ができなくなる。
【0030】
本実施の形態では、この点を考慮して、医療従事者の親指を除く4本の指が当接する、把持部50の奥側の形状がV字形状とされている。
【0031】
これにより、医療従事者の手は、人差し指が体に近く小指が体から遠くなるように斜めに傾斜し、医療従事者の腕は、
図7から分かるように肩から手にかけてハの字状となる。この結果、把持部50と薬指及び小指の間に隙間が生じず安定した把持が可能となり、かつ、肩や胸の筋肉に力が働きにくくストレスを感じにくくなる。
【0032】
よって、幅の狭い把持部50を両手で握った場合でも、医療従事者はストレスなく安定して把持部50を握ることができる。この結果、医療従事者は、医用トロリー100を安定して楽に移動させることができる。また、把持部50の奥側の形状がV字形状とされているので、片手ではなく両手で把持部50を握るように誘導できるといった効果もある。
【0033】
なお、把持部50の手前側は略直線形状とされている。手前側も奥側と同じV形状としてもよいが、略直線形状とすることにより、例えば医療従事者が把持部50に体を押し当てた場合に医用トロリー100の進行方向が左右にぶれることを抑制できるなどのメリットがある。
【0034】
また、
図5から分かるように、把持部50の下面には、複数のリブ51によって曲面が形成されている。これにより、把持部50を持ち易くなるとともに把持部50の強度が上がる。
【0035】
また、把持部50の下側には、樹脂によってバスケット90が一体に形成されている。これにより、医療従事者は手元に小型端末などのすぐに使用したい機器を収納することができる。
【0036】
<3>まとめ
以上説明したように、本実施の形態の医用トロリー100は、載置部40と一体に形成され、かつ、載置部40の医療機器の載置面よりも下方かつ進行方向に対して後方の位置に形成された把持部50を、有し、把持部50は、ユーザーが把持したときの奥側の形状がV字形状とされている。
【0037】
これにより、医療従事者が安定して楽に移動させることができる医用トロリー100を実現できる。また、運搬中にも容易に医療機器の画面を見ることができる。
【0038】
上述の実施の形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0039】
上述の実施の形態では、把持部50を載置部40の載置面よりも下方に設けた場合について述べたが、これに限らず、載置面よりも上方に設けてもよい。ただし、載置面よりも下方に設けると、上述したように、医療従事者は医用トロリー100の重心の近くを押すことができるので、医用トロリー100を安定して移動させることができるといったメリットがある。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、生体情報モニターや心電計などの医療機器を運搬するために用いられる医用トロリーに広く適用可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 生体情報モニター
10 脚体
11 基部
12 枝部
13 キャスター
14 嵌合穴
20 支柱
30 設置体
32 ネジ
40 載置部
50 把持部
51 リブ
60 フック部
70 ケーブルクランプ
80、90 バスケット