特許7881894IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

免疫グロブリンG(IgG)に対し結合親和性を有するFc結合性タンパク質に関する。より詳しくは、ヒト新生児(neonatal)Fcレセプター(ヒトFcRn)α鎖の細胞外領域またはヒトFcRnβ鎖のβ2ミクログロブリン領域中の特定位置にあるアミノ酸残基を欠失させることにより、天然型ヒトFcRnよりも酸に対する安定性が向上したFc結合性タンパク質、当該タンパク質の製造方法、および当該タンパク質を不溶性担体に固定化して得られる抗体吸着剤

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明の課題は、天然型ヒトFcRnに対して酸に対する安定性が向上したFc結合性タンパク質、当該タンパク質の製造方法、および当該タンパク質を用いた抗体吸着剤を提供することにある。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明者らはの課題を解決すべく鋭意検討を行なった結果、ヒトFcRnにおける酸に対する安定性向上に関与したアミノ酸残基を特定し、当該アミノ酸残基を欠失させた変異体が、酸に対して優れた安定性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。

発明の効果[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明のFc結合性タンパク質は、天然型ヒトFcRnα鎖の細胞外領域および/またはβ鎖中のβ2ミクログロブリン領域中の特定位置に変異を導入したタンパク質である。本発明のFc結合性タンパク質は天然型ヒトFcRnと比較し、酸に対する安定性が向上している。Fc結合性タンパク質を工業的に生産する場合、Fc結合性タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクターで宿主を形質転換して得られる形質転換体を用いて生産すると効率がよいが、前記形質転換体の培養時や当該形質転換体より発現したFc結合性タンパク質の抽出精製時において、当該Fc結合性タンパク質の失活や変性が抑制されていると好ましい。本発明のFc結合性タンパク質は耐酸性が向上しており、失活や変性のおそれが低減されているため、前記工業的生産に適したタンパク質といえる。

また本発明のFc結合性タンパク質は抗体(イムノグロブリン)を分離するための吸着剤のリガンドとしても有用である。

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】 ヒトFcRnのα鎖の概略図である。図中の数字は配列番号1に記載のアミノ酸配列の番号を示している。図中のSはシグナル配列、ECは細胞外領域、TMは細胞膜貫通領域、Cは細胞内領域を示している。
【図2】 ヒトFcRnのβ鎖の概略図である。図中の数字は配列番号2に記載のアミノ酸配列の番号を示している。図中のSはシグナル配列、B2Mはβ2ミクログロブリンを示している。
【図3】 配列番号4に記載のアミノ酸配列からなるFc結合性タンパク質(Control)に対して特定の1箇所に変異導入したFc結合性タンパク質の耐熱性を評価した結果を示す図である。
【図4】 配列番号4に記載のアミノ酸配列からなるFc結合性タンパク質(Control)に対して特定の1箇所のアミノ酸残基を欠失させたFc結合性タンパク質の耐酸性を評価した結果を示す図である。
【図5】 配列番号41に記載のアミノ酸配列からなるFc結合性タンパク質(FcRn-m10ΔW87)に対して特定の1箇所に変異導入したFc結合性タンパク質の耐酸性を評価した結果を示す図である。

代表図 図1本件の代表的な図

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