特許7908179IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

針を保護するための針キャップを備えた針付プレフィルドシリンジ製剤に関し、特に、亜鉛溶出の影響を受けやすい、改変した(engineered)抗体を含有する薬液と針シールドとの好ましくない相互作用を軽減すること

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明者らは、高濃度抗体製剤の針付プレフィルドシリンジの長期保管中に、乾燥状態でなくても針からの薬液押し出しが困難になり、針の目詰まりが起こりうることを見出した。この薬液の押し出しの問題は、シリンジの針先を保護する針シールドから薬液中に亜鉛イオンが溶出し、針先の薬液がゲル化して粘度が上昇することによって引き起こされるものであると考えられた。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明者らは、低亜鉛溶出性の針シールドを使用するのが適切な抗体群を新たに見出した。また、本発明者らは、各種の針シールド材料の亜鉛溶出量を評価することにより、亜鉛の溶出性が低い針シールドを同定した。抗体含有溶液に対して低亜鉛溶出性の針シールド材料を選択することにより、たとえ亜鉛の影響を受けやすい抗体溶液であっても、薬液の粘度の上昇を抑え、針の目詰まりを防止できる。

発明の効果[発明の詳細な説明]から抜粋

本開示の製剤は、針内に含まれる抗体薬液への針シールドから溶出した亜鉛イオンと抗体との相互作用を低減させることで、針付プレフィルドシリンジ製剤の針先端部における薬液の粘度上昇と針の目詰まりを軽減する。

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】 切断したエラストマー(10g)から20mLの抽出液中に抽出された亜鉛イオンの濃度。抽出液は水(中性)、10mMリン酸溶液(酸性)、若しくは10mM水酸化ナトリウム溶液(アルカリ性)を用いた。抽出条件は90℃で3日間のインキュベーションとした。エラストマーを含まずに抽出液のインキュベーションを行ったものをコントロールとした。
【図2】 針付プレフィルドシリンジと、誘導結合プラズマ質量分析測定用のサンプルとコントロールの準備を示すスキーム図。
【図3】 処方No.9(20mMヒスチジン、150mMアルギニン、アスパラギン酸(適量)、0.5mg/mLポロキサマー188、pH6.0)中で、3、7、14日間、5℃で保管した際のエラストマー(ポリイソプレン系エラストマー、表1で記載のエラストマーC)の表面積当たりの亜鉛溶出量(Mzinc(μg/mm2))。傾きからエラストマーの表面積当たりの5℃における亜鉛溶出速度(kext(μg/mm2/日))を0.0139(μg/mm2/日)と算出した。
【図4】 0、2.5、5、10mg/mLの亜鉛濃度における、25℃でのそれぞれのmAb溶液(180mg/mL mAb、20mMヒスチジン、150mMアルギニン、アスパラギン酸(適量)、0.5mg/mLポロキサマー188、pH6.0)の粘度。
【図5】 0、0.63、1.25mg/mLの亜鉛濃度における、25℃でのmAb2溶液(180mg/mL mAb2、20mMヒスチジン、150mMアルギニン、アスパラギン酸(適量)、0.5mg/mLポロキサマー188、pH6.0)の粘度。
【図6】 10mg/mLの亜鉛添加によって引き起こされたmAb2溶液(180mg/mL mAb2、20mMヒスチジン、150mMアルギニン、アスパラギン酸(適量)、0.5mg/mLポロキサマー188、pH6.0)のゲル化の写真。

代表図 図1本件の代表的な図

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