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公報発行日 2026年10月9
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本発明の手段により、輸送時や長期保管時に巻き故障が少なく、かつ品質を保持できるフィルムロールを提供することができる。
また、生産収率が高く、検査負荷も大幅に軽減した当該フィルムロールの製造方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
従来、特許文献1に開示されているように当業者がフィルムロールを作製する際には、工業的生産性やコスト等の観点から、光学フィルムの端部にナーリング加工を施し、エアー層(空気層)を巻き込みながら光学フィルムを巻き取る手段が採用されていた。
ところで、ナーリング加工部の主機能は、エアー層(空気層)の取り込みによる光学フィルムの貼りつき抑制機能と物理的な凹凸によるフィルムロールの巻きずれ抑制機能の二つであると考えられている。
当該ナーリング加工されたフィルムロールの巻き上がり直後(製造直後)においては、前述のエアー層(空気層)が光学フィルム同士の貼りつきを抑制しているが、船便、トラック等での輸送中、又は顧客の倉庫にて保管される際に、経時とともにエアー層(空気層)の空気が抜けていくことにより、の二つの機能に支障をきたしてしまう。
輸送中はもとより、顧客は、倉庫に保存したロールを用いてすぐに生産を開始するケースは少なく、倉庫にて長期保管されるケースもあり貼りつきタイミングが予測できないことが問題となっていた。
図1Aは、従来の端部がナーリング加工されたフィルムロールの巻き上がり直後(製造直後)の概略図である。
図1Bは、図1Aにおけるフィルムロールの端部の一部分Aの拡大図である。
図1Cは、図1Bにおけるナーリング加工の凹凸形状の一部分Bのフィルムの断面拡大図である。
図2は、一定時間経過後のフィルムロールのたわみの状態を表す概略図である。
ここで、本発明者らが、端部がナーリング加工された光学フィルム同士が貼りつくステップを解析してみたところ、図1Aのように端部がナーリング加工されたフィルムロールは、巻取りにより光学フィルムが何層にも重なることでナーリング高さが積層(図1B参照。)された分、図1Cのように端部が突出することで端部のロール径が中央部のロール径に比べて大きくなり、巻外側の面では図2のように、時間経過とともにエアー層(空気層)の空気が徐々に抜ける一方、ナーリングされた端部のフィルム同士は摩擦により巻きずれが生じない。
しかしながら、当該環境下、フィルムロール自身の自重によりフィルムロール自身の自重によりフィルムロールの上側と下側でたわみが発生し貼りつきが起こり始めることがわかった。
次に、図3は、図2のフィルムロールの一定時間経過後のフィルムロールへの巻芯側を表す概略図を示す。
フィルムロールにした際に、フィルム同士が接触する面のうち巻芯側の面(以下巻芯側の面ともいう。)では、時間経過とともにエアー層(空気層)の空気がさらに徐々に抜けることによって、図3のように貼りつき部分(貼りつき故障;図3におけるDの部分。)が数点重なり、力を逃がすために図3のように幅手の微小しわ(皺)に加えて長手周期を有する幅手方向の貼りつき(段々故障;図3におけるCの部分参照。)が生じてしまう。
また、端部にナーリング加工した光学フィルムにおいて、エアー層(空気層)の取り込みによる光学フィルムの貼りつき抑制機能や、物理的な凹凸による巻きずれ抑制機能を優先すると、トラック等での輸送の際に生じる振動に対し、エアー層(空気層)の影響によってフィルムロールに強い衝撃を与えることになり、かえってフィルムロールの巻きずれが起きやすくなったり、季節変動の影響も受けやすくなり、制御が非常に困難となって問題解決に至らなかったと推察される。
一方、本発明では、単層の光学フィルムが巻き取られたフィルムロールにエアー層(空気層)を適度に取り込み、かつ、端部にはナーリング加工を施さず、光学フィルム同士が向かい合う接触面全面にて適度で微小な接触を生じさせる(貼りつきが認識されないレベル)ことにより巻きずれの機能を分散させるという従来の技術とは逆転の発想で課題解決に至った。
すなわち、本発明の光学フィルムは、前記光学フィルム内の任意の点を中心として、直径1000mmの範囲内で測定した膜厚の平均最大高低差(P-V)ave1が、0.15~0.40μmであり、かつ前記フィルムロールの中央部の外径Dcと端部の外径Deとの比の値(Dc/De)が、0.98~1.02であることを特徴とし、この手段によって課題が解決できる。
すなわち、本発明のフィルムロールは、図4に示すように、端部にナーリング加工が施されておらず、フィルムロール全面の膜厚の平均最大高低差、すなわち膜厚差は小さい。
このため、光学フィルム間のエアー層(空気層)が均一になり、フィルムロールの上側がフラットな状態となる。
フィルムロール下側も自重の影響はあるものの、上側の幅手方向のたわみがなくなることで下側のたわみが抑えられる。
また、光学フィルムの巻芯側の面では、フィルムロールの周方向(長手方向)の応力が均一となり、幅手方向では、光学フィルム同士の凸部を中心として光学フィルム同士が接することによる貼りつきによる応力集中が抑制される。
さらに、従来の光学フィルムのように巻取り時に取り込まれるエアー層(空気層)によって製品部での幅手全体の接触を抑制するのではなく、光学フィルムの端部にナーリング加工をせずに、長手方向のバラつきを考慮した上で、光学フィルムの幅手方向に対する斜め方向の膜厚の平均最大高低差(P-V)ave2を特定範囲に制御することによっても、巻きずれの機能を分散して付与することで、輸送時や長期保管時に巻き故障が少なく、かつ品質を保持できるフィルムロールを提供することができたと推察される。
また、生産収率が高く、検査負荷も大幅に軽減した当該フィルムロールの製造方法を提供することができたと推察される。
なお、光学フィルムの幅手方向に対する斜め方向の膜厚の平均最大高低差(P-V)ave2が、0.15未満であると巻取り直後から貼りつきが認識されるレベルとなっており、0.40以上であればバラつきに起因した微小な貼りつきが発生して課題解決には至らなかった。
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