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特表2022-503271駆動補償方法、補償回路、ディスプレイパネル及びそのディスプレイ装置
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  • 特表-駆動補償方法、補償回路、ディスプレイパネル及びそのディスプレイ装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(54)【発明の名称】駆動補償方法、補償回路、ディスプレイパネル及びそのディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3233 20160101AFI20220104BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20220104BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220104BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220104BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20220104BHJP
   G06N 3/02 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 621K
G09G3/20 670Q
G09G3/20 642P
G09G3/20 641P
G09G3/20 650M
G09G3/20 612U
G09G3/20 670K
G09G3/20 624B
G09G3/20 623N
G09G3/20 611F
G09G3/20 642B
G09G3/20 611H
G09F9/30 365
G09F9/30 338
H05B33/14 A
H01L27/32
G06N3/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2019572566
(86)(22)【出願日】2019-04-26
(85)【翻訳文提出日】2019-12-27
(86)【国際出願番号】 CN2019084524
(87)【国際公開番号】W WO2020199286
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】201910247452.2
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517380215
【氏名又は名称】北京集創北方科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Chipone Technology (Beijing) Co.,Ltd
【住所又は居所原語表記】Building 56,No.2 North Jing Yuan Street, Beijing Economic Technological Development Area,Daxing District,Beijing 100176,China
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ジンファン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、シュエヤン
(72)【発明者】
【氏名】ファヌ、レイ
(72)【発明者】
【氏名】シエ、ゾォンジョ
【テーマコード(参考)】
3K107
5C080
5C094
5C380
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC21
3K107CC33
3K107EE03
3K107HH05
5C080AA06
5C080BB05
5C080DD05
5C080DD15
5C080DD23
5C080DD24
5C080DD27
5C080DD29
5C080EE26
5C080EE29
5C080FF11
5C080FF13
5C080GG02
5C080HH09
5C080JJ02
5C080JJ03
5C094AA04
5C094AA60
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094EA03
5C094GA10
5C380AA01
5C380AB06
5C380AB45
5C380BA12
5C380BA13
5C380BA14
5C380BA28
5C380BA38
5C380BA46
5C380BB04
5C380BD04
5C380CA12
5C380CB26
5C380CC02
5C380CC09
5C380CC27
5C380CC33
5C380CC48
5C380CC63
5C380CD073
5C380CF06
5C380CF49
5C380CF66
5C380DA02
5C380DA06
5C380DA32
5C380DA34
5C380DA57
5C380DA58
5C380FA03
5C380FA18
5C380FA20
5C380FA21
5C380FA28
5C380GA07
5C380HA05
5C380HA06
(57)【要約】
駆動補償方法、補償回路、ディスプレイパネル及びそのディスプレイ装置を開示し、駆動補償方法は、テストモードで、補償計算モデルを確立するように、表示状況を表す第1センシングデータを収集して学習することと、表示モードで表示状況を示す第2センシングデータを収集して、前記補償計算モデルに従って計算して対応する補償データを取得し、前記補償データに従って画面表示用のピクセルデータを更新することとを含む。本発明のディスプレイパネルはテストモードで補償計算モデルを確立し、表示モードでピクセルユニットの第2センシングデータをサンプリングにより収集してピクセルデータを補償し、それにより、ディスプレイパネルの表示輝度の一貫性を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テストモードで、補償計算モデルを確立するように、表示状況を表す第1センシングデータを収集して学習することと、
表示モードで表示状況を表す第2センシングデータを収集して、前記補償計算モデルに従って計算して対応する補償データを取得し、前記補償データに従って画面表示用のピクセルデータを更新することとを含むことを特徴とする駆動補償方法。
【請求項2】
特徴係数を抽出するように、ニューラルネットワークコンピューティングプログラムを実行することにより、前記第1センシングデータを学習し、前記特徴係数に従って前記補償計算モデルを確立することを特徴とする請求項1に記載の駆動補償方法。
【請求項3】
前記テストモードで、前記ニューラルネットワークコンピューティングプログラムを実行して、ピクセルデータ、充電時間、第1センシングデータに従って前記特徴係数を抽出し、前記特徴係数はピクセルユニットにおけるコンポーネントの経年劣化状態を表し、前記補償計算モデルは前記第2センシングデータと前記特徴係数との関係を表すことを特徴とする請求項2に記載の駆動補償方法。
【請求項4】
前記表示モードで、前記補償計算モデルに従って前記第2センシングデータに対して加重計算を行い、前記補償データを得ることを特徴とする請求項2に記載の駆動補償方法。
【請求項5】
表示モードで、前記ピクセル配列の表示状況を表すように、ピクセル配列の少なくとも1つのピクセルユニットの第2センシングデータを収集するように制御することを特徴とする請求項1に記載の駆動補償方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の駆動補償方法を行うために用いられることを特徴とする補償回路。
【請求項7】
ピクセル配列であって、配列に配置された複数のピクセルユニットを含み、各前記ピクセルユニットが対応するピクセルデータに従って表示のための発光電流を生成し、各列の前記ピクセルユニットがそれぞれ対応する補助線と電気的に接続されるピクセル配列と、
それぞれ前記複数のピクセルユニットに対応する前記ピクセルデータを提供し、前記ピクセルユニットのテストモードでの第1センシングデータ、表示モードでの第2センシングデータを取得するように、複数本の前記補助線によって前記発光電流を収集する駆動回路と、
前記駆動回路と接続され、前記第1センシングデータに従って補償計算モデルを確立し、前記補償計算モデルに基づいて前記第2センシングデータを計算し、対応する補償データを取得する補償回路と、を含み、
前記駆動回路が前記補償データに基づいて前記ピクセルデータを更新することを特徴とするディスプレイパネル。
【請求項8】
特徴係数を抽出するように、前記補償回路はニューラルネットワークコンピューティングプログラムを実行して、前記第1センシングデータを学習し、前記特徴係数に従って前記補償計算モデルを確立することを特徴とする請求項7に記載のディスプレイパネル。
【請求項9】
前記テストモードで、前記補償回路は前記ピクセルデータ、充電時間、第1センシングデータに従って前記特徴係数を抽出し、前記特徴係数は前記ピクセルユニットにおけるコンポーネントの経年劣化状態を表すことを特徴とする請求項8に記載のディスプレイパネル。
【請求項10】
前記補償回路は前記補償計算モデルに基づいて、前記特徴係数及び前記第2センシングデータに対して加重計算を行い、前記ピクセルユニットの補償データを得ることを特徴とする請求項8に記載のディスプレイパネル。
【請求項11】
前記駆動回路は、
走査線によって各行の前記ピクセルユニットと接続されて、前記ピクセルデータを伝送するように制御するための行駆動ユニットと、
センシング線によって各行の前記ピクセルユニットと接続されて、第1センシングデータ及び第2センシングデータを収集するように制御するためのセンシング駆動ユニットと、
データケーブルによって前記各列のピクセルユニットに前記ピクセルデータを提供する列駆動ユニットと
を含むことを特徴とする請求項10に記載のディスプレイパネル。
【請求項12】
前記ピクセルユニットは、
制御端が前記走査線と接続され、入力端が前記データケーブルと接続される第1スイッチトランジスタと、
制御端が前記第1スイッチトランジスタの出力端と接続され、入力端が第1電圧を受け取るように接続される第2スイッチトランジスタと、
前記発光電流を受け取るように、一端が前記第2スイッチトランジスタの出力端と接続され、他端が第2電圧を受け取るように接続される発光ダイオードと、
制御端が前記センシング線と接続され、入力端が前記第2スイッチトランジスタの出力端と接続され、出力端が補助線と接続される第3スイッチトランジスタと
を含むことを特徴とする請求項11に記載のディスプレイパネル。
【請求項13】
前記駆動回路は、補助線によって前記第2スイッチトランジスタの出力端と接続され、前記テストモード及び表示モードで収集された前記発光電流をそれぞれ前記第1センシングデータ及び前記第2センシングデータに変換して出力するアナログ-デジタルコンバータを、さらに含むことを特徴とする請求項12に記載のディスプレイパネル。
【請求項14】
前記補償回路の入力端が前記アナログ-デジタルコンバータと接続され、前記補償データを提供するように、前記補償回路の出力端が前記列駆動ユニットと接続されることを特徴とする請求項13に記載のディスプレイパネル。
【請求項15】
前記ピクセル配列において、前記センシング駆動ユニットは少なくとも1つの前記ピクセルユニットの第3スイッチトランジスタを導通させるように制御し、それにより前記アナログ-デジタルコンバータが、前記ピクセル配列の表示状態を表すための前記第2センシングデータを収集することを特徴とする請求項11に記載のディスプレイパネル。
【請求項16】
前記アナログ-デジタルコンバータは前記ピクセル配列の1行から1つの前記ピクセルユニットの第2センシングデータを収集することを特徴とする請求項15に記載のディスプレイパネル。
【請求項17】
前記ピクセル配列の1行における前記1つのピクセルユニットは前記ピクセル配列の同じ列又は異なる列にあることを特徴とする請求項16に記載のディスプレイパネル。
【請求項18】
前記アナログ-デジタルコンバータは、前記ピクセル配列の1行から複数の連続した前記ピクセルユニットの第2センシングデータを取得することを特徴とする請求項15に記載のディスプレイパネル。
【請求項19】
前記ピクセル配列の1行における前記複数の連続したピクセルユニットは、前記ピクセル配列の同じ列にあることを特徴とする請求項18に記載のディスプレイパネル。
【請求項20】
前記ピクセル配列の少なくとも2列の前記ピクセルユニットは1本の前記補助線を共有することを特徴とする請求項7に記載のディスプレイパネル。
【請求項21】
前記ディスプレイパネルはAMOLEDディスプレイパネルを含むことを特徴とする請求項7に記載のディスプレイパネル。
【請求項22】
請求項7~21のいずれか一項に記載のディスプレイパネルを備えることを特徴とするディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は出願日が2019年3月29日、出願番号が2019102474522、発明の名称が「駆動補償方法、補償回路、ディスプレイパネル及びそのディスプレイ装置」である中国の発明出願に基づく優先権を主張し、そして、上記中国の発明出願の明細書全体、特許請求の範囲、図面及び要約を参照することにより、本出願に援用する。
【0002】
[技術分野]
本発明は表示技術分野に関し、特に駆動補償方法、補償回路、ディスプレイパネル及びそのディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
OLED(Organic Light Emitting Diode、有機発光ダイオード)ディスプレイパネルは現在最も発展潜在力を持ったディスプレイデバイスの1つであり、自己発光、低駆動電圧、短い応答時間などの特性を有する。OLEDディスプレイパネルはそれぞれ透明電極と金属電極をデバイスのアノードとカソードとして使用し、一定の電圧で、電子と正孔がそれぞれカソードとアノードから電子輸送層と正孔輸送層に注入され、電子と正孔がそれぞれ電子輸送層と正孔輸送層を介して発光層に移動し、発光層内で結合して励起子を形成し、発光分子を励起して可視光を放出する。
【0004】
駆動方式によって、OLEDディスプレイパネルはAMOLED(Active-Matrix Organic Light Emitting Diode、アクティブマトリックス有機発光ダイオード)ディスプレイパネル及びPMOLED(Passive-Matrix Organic Light Emitting Diode、パッシブマトリックス有機発光ダイオード)ディスプレイパネルに分けられる。
【0005】
AMOLEDディスプレイパネルは、独立した薄膜トランジスタを使用して各ピクセルユニットを制御し、各ピクセルユニットは連続的又は独立して発光を駆動できる。しかし、使用中に、駆動時間が経つにつれて、薄膜トランジスタ及び有機発光ダイオードの経年劣化がより深刻になり、駆動電圧が同じであっても、有機発光ダイオードに流れる発光電流の一貫性が低下し、ディスプレイパネルの表示輝度が不均一になることを引き起こす。
【発明の概要】
【0006】
上記の問題点に鑑み、本発明の目的は、ディスプレイパネルの表示輝度の一貫性を向上させるために、ディスプレイパネル内のピクセルユニットのコンポーネントの経年変化状態に応じて、ピクセルデータを補償及び更新するための駆動補償方法、補償回路、ディスプレイパネル、及びそのディスプレイ装置を提供することである。
【0007】
本発明の一態様によれば、テストモードで、補償計算モデルを確立するように、表示状況を表す第1センシングデータを収集して学習することと、表示モードで、表示状況を示す第2センシングデータを収集し、それにより、補償計算モデルに従って計算して対応する補償データを取得し、前記補償データに従って画面表示用のピクセルデータを更新することとを含む駆動補償方法を提供する。
【0008】
必要に応じて、特徴係数を抽出するように、ニューラルネットワーク計算プログラムを実行して前記第1センシングデータを学習し、前記特徴係数に従って前記補償計算モデルを確立する。
【0009】
必要に応じて、前記テストモードで、前記ニューラルネットワークコンピューティングプログラムを実行し、それにより、ピクセルデータ、充電時間、第1センシングデータに従って前記特徴係数を抽出し、前記特徴係数はピクセルユニットにおけるコンポーネントの経年劣化状態を表し、前記補償計算モデルは前記第2センシングデータと前記特徴係数との関係を表す。
【0010】
必要に応じて、前記表示モードで、前記補償計算モデルに基づいて、前記第2センシングデータに対して加重計算を行い、前記補償データを取得する。
【0011】
必要に応じて、表示モードで、ピクセル配列の少なくとも1つのピクセルユニットの第2センシングデータを収集するように制御して、前記ピクセル配列の表示状況を示す。
【0012】
本発明の別の態様によれば、上記で提供された駆動補償方法を実行するための補償回路を提供する。
【0013】
本発明の別の態様によれば、ピクセル配列であって、複数の配列に配置される複数のピクセルユニットを含み、各前記ピクセルユニットが対応するピクセルデータに基づいて、表示のための発光電流を生成して、各列の前記ピクセルユニットがそれぞれ対応する補助線と電気的に接続されるピクセル配列と、それぞれ前記複数のピクセルユニットに対応する前記ピクセルデータを提供し、前記ピクセルユニットのテストモードでの第1センシングデータ、表示モードでの第2センシングデータを取得するように、複数本の前記補助線によって前記発光電流を収集する駆動回路と、前記駆動回路と接続され、前記第1センシングデータに基づいて補償計算モデルを確立し、前記補償計算モデルに基づいて前記第2センシングデータを計算し、対応する補償データを取得する補償回路と、を含むディスプレイパネルを提供し、前記駆動回路が前記補償データに基づいて前記ピクセルデータを更新する。
【0014】
必要に応じて、特徴係数を抽出するように、前記補償回路がニューラルネットワークコンピューティングプログラムを実行して前記第1センシングデータを学習し、前記特徴係数に基づいて前記補償計算モデルを確立する。
【0015】
必要に応じて、前記テストモードで、前記補償回路が前記ピクセルデータ、充電時間、第1センシングデータに基づいて、前記特徴係数を抽出し、前記特徴係数は前記ピクセルユニットにおけるコンポーネントの経年劣化状態を表す。
【0016】
必要に応じて、前記補償回路が前記補償計算モデルに基づいて、前記特徴係数及び前記第2センシングデータに対して加重計算を行い、前記ピクセルユニットの補償データを取得する。
【0017】
必要に応じて、前記駆動回路は、走査線によって各行の前記ピクセルユニットと接続して前記ピクセルデータを伝送するように制御する行駆動ユニットと、センシング線によって各行の前記ピクセルユニットと接続して、第1センシングデータ及び第2センシングデータを収集するように制御するセンシング駆動ユニットと、データケーブルによって前記各列のピクセルユニットに前記ピクセルデータを提供する列駆動ユニットとを含む。
【0018】
必要に応じて、前記ピクセルユニットは、制御端が前記走査線と接続され、入力端が前記データケーブルと接続される第1スイッチトランジスタと、制御端が前記第1スイッチトランジスタの出力端と接続され、入力端が第1電圧を受け取るように接続される第2スイッチトランジスタと、前記発光電流を受け取るように、一端が前記第2スイッチトランジスタの出力端と接続され、他端が第2電圧を受け取るように接続される発光ダイオードと、制御端が前記センシング線と接続され、入力端が前記第2スイッチトランジスタの出力端と接続され、出力端が補助線と接続される第3スイッチトランジスタとを含む。
【0019】
必要に応じて、前記駆動回路は、補助線によって前記第2スイッチトランジスタの出力端と接続され、前記テストモード及び表示モードで収集した前記発光電流を、それぞれ前記第1センシングデータ及び前記第2センシングデータに変換して出力するアナログ-デジタルコンバータをさらに含む。
【0020】
必要に応じて、前記補償データを提供するように、前記補償回路の入力端が前記アナログ-デジタルコンバータと接続され、前記補償回路の出力端が前記列駆動ユニットと接続される。
【0021】
必要に応じて、前記ピクセル配列において、前記センシング駆動ユニットが少なくとも1つの前記ピクセルユニットの第3スイッチトランジスタを導通するように制御し、それにより、前記アナログ-デジタルコンバータが前記第2センシングデータを収集して、前記ピクセル配列の表示状態を示す。
【0022】
必要に応じて、前記アナログ-デジタルコンバータは、前記ピクセル配列の1行から1つの前記ピクセルユニットの第2センシングデータを収集する。
【0023】
必要に応じて、前記ピクセル配列の1行における1つの前記ピクセルユニットは、前記ピクセル配列の同じ列又は異なる列にある。
【0024】
必要に応じて、前記アナログ-デジタルコンバータは、前記ピクセル配列の1行から複数の連続した前記ピクセルユニットの第2センシングデータを収集する。
【0025】
必要に応じて、前記ピクセル配列の1行における前記複数の連続したピクセルユニットは前記ピクセル配列の同じ列にある。
【0026】
必要に応じて、前記ピクセル配列の少なくとも2列の前記ピクセルユニットは、1つの前記補助線を共有する。
【0027】
必要に応じて、前記ディスプレイパネルはAMOLEDディスプレイパネルを含む。
【0028】
本発明の別の態様によれば、上記で提供されたディスプレイパネルを含むディスプレイ装置を提供する。
【0029】
本発明により提供されるディスプレイパネルは、駆動回路によってピクセル配列を駆動して第1センシングデータ及び第2センシングデータを収集し、テストモードで、特徴係数を抽出して補償計算モデルを確立するように、補償回路がニューラルネットワークコンピューティングプログラムを実行して第1センシングデータを学習する。表示モードで、対応する補償データを取得して出力して、画面表示用ピクセルデータを更新するように、補償回路が補償計算モデルに基づいて第2センシングデータをトレーニングする。
【0030】
具体的に、駆動回路が均一な点によるサンプリング、エッジの列によるサンプリング、エッジのブロック化サンプリングなどの方式で第2センシングデータを取得し、補償回路が取得された上記第2センシングデータに従って、確立した補償計算モデルに基づいてピクセルデータをより正確に補償、更新し、それにより、ディスプレイパネルの表示輝度の一貫性を向上させる。該駆動補償処理では、補償計算量を削減し、補償回路の出力ピン数を削減した。低コスト、システムデバイスの低要件に基づいてディスプレイパネルの表示品質を向上させた。
【図面の簡単な説明】
【0031】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明し、それにより本発明の上記並びに他の目的、特徴及び利点はより明らかになる。図面において、
図1図1は本発明の実施例により提供されるディスプレイパネルの概略構造図である。
図2図2は本発明の実施例により提供されるピクセルユニットの回路概略図である。
図3図3は、駆動補償プロセスにおいて、本発明の第1実施例により提供されたディスプレイパネルの原理を示す概略図である。
図4図4は、駆動補償プロセスにおいて、本発明の第2実施例により提供されたディスプレイパネルを示す概略図である。
図5図5は、駆動補償プロセスにおいて、本発明の第3実施例により提供されたディスプレイパネルを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付の図面を参照しながら本発明の様々な実施例をさらに詳しく説明する。各添付の図面において、同じ要素は同じ又は類似した参照番号で表される。明らかにするために、図面における各部分は縮尺通りに描かれていない。
【0033】
以下、本発明の具体的な実施形態を、図面及び実施例を参照しながらさらに詳しく説明する。
【0034】
図1は、本発明の実施例により提供されるディスプレイパネルの概略構造図である。図2は本発明の実施例により提供されるピクセルユニットの回路概略図である。
【0035】
図1に示すように、ディスプレイパネル1000は、例えばAMOLEDディスプレイパネルである。ピクセル配列1100、駆動回路及び補償回路1300を含む。ピクセル配列1100は配列に配置された複数行及び複数列のピクセルユニット1110を含む。
【0036】
ピクセルユニット1110は、表示機能を実現するように、ピクセルデータを受信し、制御により自体の発光電流を感知する。具体的に、図2は該ディスプレイパネル1000におけるピクセルユニット1110の内部構造を示し、第1スイッチトランジスタT1、第2スイッチトランジスタT2、第3スイッチトランジスタT3及び発光ダイオードOLEDを含む。
【0037】
図1図2に示すように、第1スイッチトランジスタT1の制御端が走査線1121と接続され、第1スイッチトランジスタT1の入力端がデータケーブル1122と接続される。第2スイッチトランジスタT2の制御端が第1スイッチトランジスタT1の出力端と接続され、第2スイッチトランジスタT2の入力端が第1電圧を受け取るように接続される。発光ダイオードOLEDの一端が、表示用発光電流Idを受け取るように、第2スイッチトランジスタT2の出力端と接続され、他端が第2電圧を受け取るように接続される。第3スイッチトランジスタT3の制御端がセンシング線1123と接続され、発光電流Idを感知するように、第3スイッチトランジスタT3の入力端が第2スイッチトランジスタT2の出力端と接続され、第3スイッチトランジスタT3の出力端が補助線1124と接続される。
【0038】
駆動回路は複数のピクセルユニット1110にピクセルデータを提供して画面を表示するように駆動し、ピクセルユニット1110のテストモードでの第1センシングデータ、表示モードでの第2センシングデータを収集するように制御する。駆動回路は行駆動ユニット1210、列駆動ユニット1220、センシング駆動ユニット1230及びデータコンバータ1240を含む。
【0039】
行駆動ユニット1210は走査線1121によって第1スイッチトランジスタT1の制御端と接続され、それにより、第1スイッチトランジスタT1を導通するように制御して、ピクセルデータを第2スイッチトランジスタT2に伝送させる。ピクセルユニット1110にピクセルデータを提供するように、列駆動ユニット1220は、データケーブル1122によって第1スイッチトランジスタT1の入力端と接続される。センシング駆動ユニット1230はセンシング線1123によって第3スイッチトランジスタT3の制御端と接続され、それにより、第3スイッチトランジスタT3を導通するように制御して発光ダイオードOLEDから流れる発光電流Idを感知させ、ピクセルユニット1110の表示状況を表す。発光電流Idを取得するように、アナログ-デジタルコンバータ1240の入力端が補助線1124によって第3スイッチトランジスタT3の出力端と接続され、アナログ-デジタルコンバータ1240の出力端が、発光電流Idにより変換して得られたセンシングデータを出力する。
【0040】
具体的に、ディスプレイパネル1000内の列駆動ユニット1220に提供されるピクセルデータはシステム側から提供される。システム側の制御によりディスプレイパネルがテストモードにあるとき、ピクセルユニット1110にテスト用ピクセルデータを提供し、発光ダイオードOLEDがテスト画面を表示し、センシング駆動ユニット1230がピクセルユニット1110を制御してテスト用発光電流を感知させて、アナログ-デジタルコンバータ1240を介して該テスト用発光電流を表す第1センシングデータを出力する。システム側の制御によりディスプレイパネルが表示モードにあるとき、ピクセルユニット1110に表示用ピクセルデータを提供し、発光ダイオードOLEDが通常の画面を表示し、センシング駆動ユニット1230がピクセルユニット1110を制御して表示用発光電流を感知させて、アナログ-デジタルコンバータ1240を介して該表示用発光電流を表す第2センシングデータを出力する。
【0041】
補償回路1300が駆動回路と接続され、テストモードで、特徴係数を抽出して補償計算モデルを確立するように、ニューラルネットワークコンピューティングプログラムを実行して第1センシングデータを学習する。表示モードで、対応する補償データを取得して出力するように、補償計算モデルに基づいて第2センシングデータをトレーニングする。駆動回路は補償データに基づいてピクセルデータを更新して表示動作を実行する。
【0042】
具体的に、テストモードで、テスト画面を表すピクセルデータVdataを伝送するように、第1スイッチトランジスタT1が行駆動ユニット1210によって導通され、第2スイッチトランジスタT2の制御端がピクセルデータVdataを受信したとき、第2スイッチトランジスタT2を導通し、このとき、第2スイッチトランジスタT2の出力端を充電し、充電時間tの後、第1スイッチトランジスタT1をオフにし、第2スイッチトランジスタT2の出力端を充電完了し、発光ダイオードOLEDに発光電流Idを提供し、それにより発光ダイオードOLEDがテスト画面を表すピクセルデータを表示する。このとき、発光電流Idを取得するように、第3スイッチトランジスタT3がセンシング駆動ユニット1230の制御により導通される。該発光電流Idがアナログ-デジタルコンバータ1240によって変換されて第1センシングデータを取得して出力する。補償回路1300は例えばレジスタに記憶されたニューラルネットワークコンピューティングプログラムを介して、第1センシングデータを学習する。該ニューラルネットワークコンピューティングプログラムは、ピクセルデータVdata、充電時間t、第1センシングデータに基づいて、ピクセルユニット1110内部のコンポーネントの経年劣化状態を表す特徴係数kを抽出する。第1センシングデータで表される発光電流は、ピクセルデータVdata、充電時間t及び特徴係数kに関連し、特徴係数kが例えばコンポーネントのしきい値シフト程度を表すことができる。補償回路1300は複数回のテストにより抽出したピクセル配列の各ピクセルユニットにおけるコンポーネントの電気的状態を表す特徴係数kに基づいて、ニューラルネットワークコンピューティングプログラムによって補償計算モデルを確立する。
【0043】
表示モードで、上記の説明によるピクセルユニット1110の動作原理に従って第2センシングデータを収集し、補償回路1300が補償計算モデルに基づいて、第2センシングデータをトレーニングして補償データを取得し、列駆動ユニット1220に出力し、補償した後のピクセルデータによって画面表示を行うように、列駆動ユニット1220は、受信された補償データに基づいてピクセルデータを更新する。補償計算モデルは抽出された特徴係数kに基づいて、第2センシングデータと補償データとの関係を表す。
【0044】
本発明により提供されたディスプレイパネルは外部補償回路を有し、ピクセルデータを補償することにより、ディスプレイパネルの表示輝度の一貫性を向上させる。下記の実施例はディスプレイパネルの補償プロセスを具体的に説明する。表示モードでの表示プロセス及び原理は上記で説明されていたので、以下は再び説明しない。
【0045】
図3は、駆動補償プロセスにおいて、本発明の第1実施例により提供されたディスプレイパネルの原理を示す概略図である。
【0046】
図3に示すように、ディスプレイパネル2000が表示モードにある場合、センシング駆動ユニット2230がセンシング線2123によってピクセル配列2100の例えば各行の1つのピクセルユニットにおけるピクセルユニット2110のみにセンシング駆動信号を提供し、各行の1つのピクセルユニットが互いに異なる列にある。アナログ-デジタルコンバータ2240は補助線2124によって収集、変換して行数と同じ数の第2センシングデータを取得する。表示のためのピクセルデータを更新し、ディスプレイパネルの表示輝度の一貫性を向上させるように、補償回路2300は、確立した補償計算モデルに基づいて、第2センシングデータをトレーニングして補償データを取得する。
【0047】
本実施例では、均一なサンプリングにより、ピクセル配列における、表示状態を表す第2センシングデータを収集し、ピクセルデータを補償して更新し、それにより、表示動作を続けて実行し、これにより、補正プロセスにおける計算量を削減するとともに、補償回路の出力ピン数も削減し、ディスプレイパネルの表示輝度の一貫性も向上させた。
【0048】
図4は、駆動補償プロセスにおいて、本発明の第2実施例により提供されたディスプレイパネルを示す概略図である。
【0049】
図4に示すように、ディスプレイパネル3000が表示モードにある場合、センシング駆動ユニット3230はセンシング線3123によってピクセル配列3100の例えば各行の1つのピクセルユニットにおけるピクセルユニット3110のみにセンシング駆動信号を提供し、各行の1つのピクセルユニットが同じ列にある。アナログ-デジタルコンバータ3240は補助線3124によって収集、変換して行数と同じ数の第2センシングデータを取得する。表示のためのピクセルデータを更新し、ディスプレイパネルの表示輝度の一貫性を向上させるように、補償回路3300は確立した補償計算モデルに基づいて、第2センシングデータをトレーニングして補償データを取得する。
【0050】
本実施例では、サンプリングによりピクセル配列のエッジ部分にあるピクセルユニット列の第2センシングデータを収集し、ピクセルデータを補償及び更新し、それにより、表示動作を続けて実行し、補償プロセスにおける計算量を削減するとともに、補償回路の出力ピン数を削減させ、ディスプレイパネルの表示輝度の一貫性も向上させた。
【0051】
具体的には、表示配列の中央部のピクセルユニットにおける表示内容が最も速く変更され、そのコンポーネントの経年劣化確率が低いため、本実施例はエッジ部にあるピクセルユニット列の第2センシングデータをサンプリングにより収集して、ピクセル配列全体の表示状況を表す。
【0052】
図5は、駆動補償プロセスにおいて、本発明の第3実施例により提供されたディスプレイパネルを示す概略図である。
【0053】
図5に示すように、ディスプレイパネル4000が表示モードにある場合、センシング駆動ユニット4230はセンシング線4123によって、ピクセル配列4100内の例えばエッジ部にある複数行のピクセルユニットにおける連続した複数のピクセルユニット4110のみにセンシング駆動信号を提供し、該各行の連続した複数のピクセルユニットがそれぞれ同じ列にある。アナログ-デジタルコンバータ4240は補助線4124によって収集、変換して第2センシングデータを取得する。表示のためのピクセルデータを更新し、ディスプレイパネルの表示輝度の一貫性を向上させように、補償回路4300は確立した補償計算モデルに基づいて、第2センシングデータをトレーニングして補償データを取得する。
【0054】
本実施例では、サンプリングによりピクセル配列のエッジ部にある複数行のピクセルユニットにおける連続した複数のピクセルユニットの第2センシングデータを収集し、各行のピクセルユニットから収集された複数のピクセルユニットは例えばピクセル配列において同じ列にある。補償回路はピクセルデータを補償及び更新し、それにより、表示動作を続けて実行し、補償プロセスにおける計算量を削減するとともに、補償回路の出力ピン数を削減させ、ディスプレイパネルの表示輝度の一貫性も向上させた。
【0055】
具体的には、表示配列の中央部のピクセルユニットにおける表示内容が最も速く変更され、そのコンポーネントの経年劣化確率が低いため、本実施例はエッジ部にあるピクセルユニット領域の第2センシングデータをサンプリングにより収集して、ピクセル配列全体の表示状況を表す。
【0056】
本発明により提供されるディスプレイパネルは駆動補償段階では、上述の異なる実施形態によってピクセル配列からピクセルユニット発光電流を表す第2センシングデータをサンプリングにより収集し、補償データのタイプに基づいて対応する補償データを取得して、ピクセルデータを補償、更新する。上記の実施形態では、均一な点によるサンプリング、エッジの列によるサンプリング、エッジのブロック化サンプリングなどの方式により、表示配列全体の表示状況に基づいて、ピクセルデータをより正確に補償、更新し、それにより、ディスプレイパネルの表示輝度の一貫性を向上させることができる。該駆動補償処理では、補償計算量を削減し、補償回路の出力ピン数を削減した。低コストとシステムデバイスの低要件に基づいてディスプレイパネルの表示品質を向上させた。
【0057】
本発明により提供される駆動補償方法は上記ディスプレイパネルの補償回路で実行される。該方法は、テストモードで、特徴係数を抽出し、補償計算モデルを確立するように、表示状況を表す第1センシングデータを収集して、ニューラルネットワークコンピューティングプログラムに従って第1センシングデータを学習することと、表示モードで表示状況を示す第2センシングデータを収集し、それにより、補償計算モデルに従って計算して対応する補償データを取得し、前記補償データに従って画面表示用のピクセルデータを補償、更新することとを含む。
【0058】
本発明により提供されるディスプレイ装置は上記ディスプレイパネルを含む。
【0059】
本発明の実施例によると、上述したように、これらの実施例は全ての詳細を詳しく説明していなく、本発明を記載された具体的な実施例に限定するものではない。明らかに、上記の説明に照らして多くの修正及び変形が可能である。本明細書では、本発明の原理及び実際の使用をよりよく説明するために、これらの実施例を選択して説明し、それにより、当業者は、本発明をよりよく利用し、また本発明に基づいて修正して利用することができる。本発明は、特許請求項及びその全ての範囲並びに等価物によってのみ制限されるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】