(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(54)【発明の名称】チップ処理セルフサービスキオスク
(51)【国際特許分類】
A63F 1/06 20060101AFI20220104BHJP
G07D 1/02 20060101ALI20220104BHJP
A63F 1/18 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
A63F1/06 Z
G07D1/02
A63F1/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2020529673
(86)(22)【出願日】2019-09-17
(85)【翻訳文提出日】2020-05-18
(86)【国際出願番号】 SG2019050465
(87)【国際公開番号】W WO2020072000
(87)【国際公開日】2020-04-09
(31)【優先権主張番号】10201808711X
(32)【優先日】2018-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520173358
【氏名又は名称】ゲンティン・インターナショナル・ゲーミング・アンド・リゾート・テクノロジーズ・ピーティーイー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヒー・テク・タン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・フォン・キース・ゴ
(72)【発明者】
【氏名】リ-リン・シャロン・ヨ
【テーマコード(参考)】
3E141
【Fターム(参考)】
3E141GA10
3E141JA10
3E141LA51
(57)【要約】
本発明の第1の態様によれば、チップスロットと、チップセンサと、チップスロットの下流に配置された機械的構成部と、を含むチップ処理セルフサービスキオスクが提供され、機械的構成部は、チップスロットからの受領チップを、受領チップがチップセンサによって計数可能である配向に積み重ねることを可能にするように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップスロットと、
チップセンサと、
前記チップスロットの下流に配置された機械的構成部であって、前記チップスロットからの受領チップを、前記受領チップが前記チップセンサによって計数可能である配向に積み重ねることを可能にするように構成された、機械的構成部と、
を含む、チップ処理セルフサービスキオスク。
【請求項2】
前記機械的構成部は、前記チップスロットからの前記受領チップのためのレセプタクルと、
前記レセプタクルに結合されたアクチュエータであって、前記受領チップが前記チップセンサによって計数可能である配向に前記レセプタクルを傾斜させるように構成された、アクチュエータと、
を含む、請求項1に記載のチップ処理セルフサービスキオスク。
【請求項3】
前記レセプタクルは、デフォルトで、前記受領チップが前記チップセンサによって計数可能である配向に傾斜している、請求項2に記載のチップ処理セルフサービスキオスク。
【請求項4】
前記レセプタクルは、前記チップセンサによって計数される前に振動するように構成されている、請求項2または3に記載のチップ処理セルフサービスキオスク。
【請求項5】
前記機械的構成部は、
前記チップスロットからの前記受領チップを前記レセプタクル内へ案内するように配置された通路
をさらに含む、請求項2から4のいずれか一項に記載のチップ処理セルフサービスキオスク。
【請求項6】
前記チップセンサおよび前記レセプタクルが中に配置されている電磁遮蔽筐体
をさらに含む、請求項2から5のいずれか一項に記載のチップ処理セルフサービスキオスク。
【請求項7】
前記受領チップが前記チップ処理セルフサービスキオスクによって認識されることを判定するチップ認証機構
をさらに含む、請求項2から6のいずれか一項に記載のチップ処理セルフサービスキオスク。
【請求項8】
前記チップ認証機構は、前記受領チップの計数を判定するように構成された計数検出器を含み、前記チップ処理セルフサービスキオスクは、
前記受領チップの計数を提供する信号を前記チップセンサから受信し、
前記計数検出器からの計数が前記チップセンサから受け取った計数と異なれば、警告を送信する
ように構成されている、請求項7に記載のチップ処理セルフサービスキオスク。
【請求項9】
前記チップ認証機構は、前記レセプタクルに結合された重量検出器を含み、前記重量検出器は、前記レセプタクルにおける前記受領チップの測定された重量を判定するように構成され、
前記チップ処理セルフサービスキオスクは、
前記受領チップの前記測定された重量を提供する信号を前記重量検出器から受信し、
前記受領チップの計数を提供する信号を前記チップセンサから受信し、
前記受領チップの前記測定された重量が前記受領チップの計数から導出された重量と異なれば、警告を送信する
ように構成されている、請求項7に記載のチップ処理セルフサービスキオスク。
【請求項10】
前記重量検出器は、前記測定された重量を判定する前にレセプタクル重量を差し引きされる、請求項9に記載のチップ処理セルフサービスキオスク。
【請求項11】
前記受領チップの計数から導出された前記重量は、前記受領チップの重量を提供するチップ処理セルフサービスキオスクに伝達されたデータに基づくものである、請求項9または10に記載のチップ処理セルフサービスキオスク。
【請求項12】
受理された受領チップを保管するための回収ビンと、
拒絶された受領チップを解放するための返却トレイと、
をさらに含み、
前記チップ処理セルフサービスキオスクは、前記受領チップが前記チップセンサによって計数された後、前記アクチュエータに前記レセプタクルを傾斜させて、前記回収ビンまたは前記返却トレイのいずれかの方向に前記受領チップを落とすように構成されている、請求項8から11のいずれか一項に記載のチップ処理セルフサービスキオスク。
【請求項13】
前記受領チップが受理されると判定されたときに前記受領チップを前記回収ビン内へ向ける、または前記受領チップが拒絶されると判定されたときに前記受領チップを前記返却トレイ内へ向けるように構成された分割器
をさらに含む、請求項12に記載のチップ処理セルフサービスキオスク。
【請求項14】
前記受領チップは、前記チップセンサによって提供された計数が正しいというユーザ確認を受領すると、かつ、前記受領チップの前記測定された重量が前記受領チップの計数から導出された前記重量と一致すること、および、前記計数検出器からの計数が前記チップセンサから受け取った計数と一致すること、の一方または両方とのときに、受理されると判定され、
前記受領チップは、前記受領チップの前記測定された重量が前記受領チップの計数から導出された前記重量と異なるという前記警告が送信される、前記計数検出器からの計数が前記チップセンサから受け取った計数と異なるという前記警告が送信される、または前記チップセンサによって提供された計数が正しいというユーザ確認の受領が欠如している、ときに拒絶されると判定される、請求項13に記載のチップ処理セルフサービスキオスク。
【請求項15】
前記レセプタクルに配置され、前記受領チップが前記レセプタクル内の高さ制限に達したかどうかを判定する高さセンサをさらに含む、請求項2から14のいずれか一項に記載のチップ処理セルフサービスキオスク。
【請求項16】
前記高さセンサが前記高さ制限に達したことを示すのに応じて前記チップスロットを閉じるように構成されたシャッタ機構をさらに含む、請求項15に記載のチップ処理セルフサービスキオスク。
【請求項17】
前記シャッタ機構は、チップ処理セルフサービスキオスクの故障に応じて前記チップスロットを閉じる、請求項16に記載のチップ処理セルフサービスキオスク。
【請求項18】
前記チップ処理セルフサービスキオスクはキャッシュレポジトリをさらに含み、前記チップ処理セルフサービスキオスクは、
前記チップセンサによって提供された計数が正しいというユーザ確認を受領し、
計数された前記受領チップから計算された金額を前記キャッシュレポジトリから支払う
ように構成されている、請求項1から17のいずれか一項に記載のチップ処理セルフサービスキオスク。
【請求項19】
前記チップ処理セルフサービスキオスクは、計数された前記受領チップから計算された前記金額の会員口座への入金を有効にするように構成されている、請求項18に記載のチップ処理セルフサービスキオスク。
【請求項20】
前記チップ処理セルフサービスキオスクは、計数された前記受領チップがデータベースに登録されているかどうかを判定するようにさらに構成されている、請求項1から19のいずれか一項に記載のチップ処理セルフサービスキオスク。
【請求項21】
前記チップセンサは一方向性RFIDアンテナである、請求項1から20のいずれか一項に記載のチップ処理セルフサービスキオスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カジノで用いるための用途を有するチップ処理機能を備えたセルフサービスキオスクに関する。
【背景技術】
【0002】
カジノにおいては、いくつかの理由で、現金の代わりに、トークン(代用貨幣)が用いられる。トークンは、その大きさ、形状、およびチップの積重体のパターンが均一であるため、通貨と比較して勘定が容易である。この属性により、支払額を迅速に検証することが可能になり、ディーラーが顧客に誤って支払ってしまう可能性が低くなる。しかしながら、カジノトークンの現金化は労働集約的であり得、顧客サービスカウンタで用いられる人員をより有効に活用することができる。
【0003】
挿入された硬貨を数えてそれらの合計値を集計する販売機などの自動化された硬貨計数機は、異なる大きさを有する異なる金種の硬貨に依存する機械的構成部を用いて行っている。カジノトークンは均一の大きさおよび形状を有するため、このような自動化された硬貨計数機において用いられるアプローチは、カジノトークンを現金化するプロセスの自動化には役立たない。会員資格が記憶されたポイントカードを処理するためにカジノで用いられるセルフサービスマシンも同様である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、概説した既存のシステムの欠点に対処するセルフサービスキオスクを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、チップスロットと、チップセンサと、チップスロットの下流に配置された機械的構成部と、を含むチップ処理セルフサービスキオスクが提供され、機械的構成部は、チップスロットからの受領チップを、受領チップがチップセンサによって計数可能である配向に積み重ねることを可能にするように構成される。
【0006】
添付の図面を参照して、本発明の代表的な実施形態を、単に例として、本明細書に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態によるチップ処理機能を有するセルフサービスキオスクの上部ドアの正面図である。
【
図2】
図1のセルフサービスキオスクの検出段の第1の実施形態の斜視図である。
【
図3】受領チップが読み取られるように傾斜している
図2の検出段のレセプタクルを示す。
【
図4】
図1のセルフサービスキオスクの検出段の第2の実施形態の斜視図である。
【
図5】
図4の検出段のレセプタクルのデフォルトの配向を示す。
【
図6A】
図2および
図4の検出段のレセプタクルにおいて受け取られたチップのスタッキング構成を示す。
【
図6B】
図2および
図4の検出段のレセプタクルにおいて受け取られたチップのスタッキング構成を示す。
【
図6C】
図2および
図4の検出段のレセプタクルにおいて受け取られたチップのスタッキング構成を示す。
【
図6D】受領チップを移動させて平らに落とすように振動している
図2および
図3のレセプタクルを示す。
【
図6E】落下して平行な層をなしているチップを示す。
【
図7】チップスロットからの受領チップを受領チップ用のレセプタクル内へ案内するために用いられる2つの通路の斜視図を示す。
【
図8】
図1のセルフサービスキオスクの検出段の第3の実施形態の側面図である。
【
図9】受領チップが読み取られるように傾斜している
図8の検出段のレセプタクルを示す。
【
図10】受領チップを除去するためにレセプタクルが傾斜しているときの
図2の検出段の他の斜視図である。
【
図12】上部ドアが開いている
図1のセルフサービスキオスクの断面図を示す。
【
図13】重量検出器を示している
図8の検出段のさらなる斜視図を示す。
【
図14】
図1のセルフサービスキオスクに存在するコンピューティング構成の機能的ブロックを示す。
【
図15】カジノにおいて用いるために構成された、
図1のセルフサービスキオスクによって実行されるチップ償還プロセスのフローチャートを示す。
【
図16】カジノにおいて用いるために構成された、
図1のセルフサービスキオスクによって実行されるチップ償還プロセスのフローチャートを示す。
【
図17A】カジノにおいて用いるために構成された、
図1のセルフサービスキオスクによって実行されるチップ償還プロセスのフローチャートを示す。
【
図17B】カジノにおいて用いるために構成された、
図1のセルフサービスキオスクによって実行されるチップ償還プロセスのフローチャートを示す。
【
図18】カジノにおいて用いるために構成された、
図1のセルフサービスキオスクによって実行されるチップ償還プロセスのフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明において、図面を参照して様々な実施形態を説明するが、同様の参照符号は概して、異なる図全体を通して同じ部分を指す。
【0009】
本願は、大まかに言えば、チップを受け取るときを検出することが可能であり、これらチップが認証される、すなわち特定の団体、一般的にはセルフサービスキオスクを運営する同じ団体に属するかどうかを判定することによってこれらチップを認証するセルフサービスキオスクに関する。受領チップを認証すると、これらチップを計数する。チップを預ける前に、受領チップの計数された数に関して確認を求めることができる。チップがカジノトークンであり、金銭的価値を有する実施形態において、セルフサービスキオスクは、受け取ったトークンの金銭的価値の合計を集計する。計算された金銭的価値に相当する現金を支払う前に、計算された金銭的価値に関して確認を求めることもできる。
【0010】
カジノトークンは一般に、同じ大きさおよび形状を有する。しかしながら、トークンの大きさがその金種に依存する、または、特別なカテゴリのカジノトークンのみが異なる大きさを有する一方、すべての他の金種が同じ大きさを有することが可能である。加えて、カジノトークンに用いられる一般的な形状は円形であるが、卵形、楕円形および多角形(三角形、正方形、長方形など)のような他の形状を用いることもできる。
【0011】
セルフサービスキオスクは、a)受領トークンのうちの1以上が認識不可能であるために認証に失敗したこと、b)トークンの計数された数が誤っているというユーザの指摘を受けること、c)トークンの計数された数の計算された金額が誤っているというユーザの指摘を受けること、d)受け取ったトークンの測定された重量と受け取ったトークンの計数された数から導出されたようなそれらの重量との間に不一致があること(以下でさらなる詳細を説明)、に限定されない1以上の状況が発生すれば、受け取ったトークンを返却することができる。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態によるチップ処理機能を有するセルフサービスキオスク100の上部ドア102の正面図である。この開示において、「キオスク」は、チップ処理サービスに関する自動化された機能を備えて構成された機械を指し、サービスは、これらのチップを受け取ること、それらを計数してそれらが本物であることを確認すること、キオスクのユーザの身分を判定すること、計数されたチップのユーザ確認を求めること、該当するとき、計数されたチップについての金額を集計すること、ユーザ確認の受領後にその金額を支払うこと、正しく計数されたチップを保管すること、拒絶されたチップであって、認証に失敗した受領チップまたは受領チップのうちの1以上が認証に失敗した場合はそれらすべてである、拒絶されたチップを返却すること、受領チップの数および支払金額のような詳細を有する使用のレシートを印刷すること、に限定されない。自動化された機能は、特定の時点でユーザ入力(たとえばチップ計数の確認)を促すこと、およびユーザ入力を受け取ったときに反応することのような、実行時にセルフサービスキオスク100によって提供されるすべてのサービスが独立して動作するようにプログラムされた一連のステップを指す。「セルフサービス」という用語は、ユーザがセルフサービスキオスク100と対話することを可能にするための入力インターフェイス(キーパッドのような)を有するキオスクを指す。
【0013】
上部ドア102は、モニタ104、RFID(無線周波数識別)リーダ106、パスポートスキャナ108、キャッシュディスペンサ110、キーパッド112、返却トレイ114、レシートプリンタ116、磁気ストリップリーダ118およびチップスロット120を有する。
【0014】
モニタ104は、セルフサービスキオスク100がメンテナンス中であるかどうか、またはチップを受け取る準備ができているスタンバイ状態にあるかどうかのような、セルフサービスキオスク100の状態の表示を可能にする。モニタ104はまた、セルフサービスキオスク100が処理するように設計されているチップの種類の表示で始まり得る、セルフサービスキオスク100の使用に関する指示を表示するので、ユーザは、他の種類のチップが認識不可能であることに気付くことになる。セルフサービスキオスク100を用いてカジノトークンを処理する実施形態において、これらは、セルフサービスキオスク100を運営しているカジノ組織に属するカジノトークンであり、これによって、他のカジノ組織に属するカジノトークンは、セルフサービスキオスク100によって認識されないであろう。モニタ104はまた、ユーザがチップスロット120内へチップを挿入するように指示される開始から、それらの計数が成功した場合はキャッシュディスペンサ110からチップの金額を回収する、または計数が失敗した場合は返却トレイ114からチップを回収するようにユーザが指示される終了までのような、チップ処理の各段階に関する情報を表示することができる。モニタ104はまた、計数プロセスを完了するためにユーザからの入力を要求するとともに、受領チップを計数している間待機するようユーザに頼むために用いられる。モニタ104がタッチスクリーン機能を有すれば、チップ処理中にユーザ入力を受け取るために用いることができる。
【0015】
RFIDリーダ106、パスポートスキャナ108および磁気ストリップリーダ118のそれぞれにより、セルフサービスキオスク100がそのユーザを識別することが可能になる。RFIDリーダ106は、非接触カードのような、RFIDチップが埋め込まれた媒体に保存されている識別の詳細を読み取るように構成することができる。磁気ストリップリーダ118は、磁気ストリップを備えたカードのような接触媒体に保存された識別の詳細を読み取るためのものである。パスポートスキャナ108は、パスポートのデータページから識別の詳細を読み取ることが可能である光学リーダまたはバイオメトリックセンサであり得る。
【0016】
キャッシュディスペンサ110は、金銭が支払われるセルフサービスキオスク100の出口である。キャッシュディスペンサ110は、チップスロット120に挿入されたチップの認証および計数が成功すると作動し、支払われる合計は、計数された受領チップの金額である。
【0017】
キーパッド112により、ユーザは、セルフサービスキオスク100によって実行されるチップ処理動作中に要求される入力をセルフサービスキオスク100内へ提供することが可能になる。モニタ104がタッチスクリーン機能を有する実施形態において、キーパッド112は、セルフサービスキオスク100に追加の入力機構を提供することができる。あるいは、セルフサービスキオスク100は、チップ処理動作の選択された段階についての入力がモニタ104から得られる一方、残りの段階についての入力がキーパッド112から得られるように構成することができる。キーパッド112は、ボタンを備えたキーボード、またはキーパッドがタッチ感応スクリーンであれば、仮想キーボードの任意の1以上であり得る。
【0018】
返却トレイ114は、セルフサービスキオスク100の出口であり、チップ計数動作から受領チップをユーザに返却することを可能にする。このような返却は、たとえば、ユーザがセルフサービスキオスク100によって計数されたチップの数に同意しないとき、ユーザの選択から起こる。あるいは、受領チップの返却は拒絶シナリオにおいて起こり得、セルフサービスキオスク100は、認証に失敗した受領チップのみを、または受領チップのうちの1以上が認証に失敗した場合はそれらのすべてを返却するように構成される。
【0019】
レシートプリンタ116は、セルフサービスキオスク100の使用のレシートを提供する。1つのアプローチにおいて、セルフサービスキオスク100が最終的に金銭を支払うかどうかにかかわらずチップをチップスロット120に挿入したであろうと、セルフサービスキオスク100の使用を文書化したレシートを印刷することができる。レシートは、挿入したチップの認証が成功したかどうか、計数されたチップの数、および計数されたチップの計算された値のような、チップ処理動作の詳細を提供することができる。他のアプローチにおいて、セルフサービスキオスク100が受領チップの認証に成功し、計数されたチップについての金額を支払うときにのみレシートが印刷され、レシートは、計数されたチップの数および支払われた金額に関する詳細を提供する。
【0020】
チップスロット120は、チップを挿入するセルフサービスキオスク100の入口である。一実施形態において、チップスロットは、1枚の受領チップの厚さである開口幅を有し、毎回複数のチップが挿入されるのを防止する。1回に1枚のチップの挿入に制限すると、セルフサービスキオスク100によって受け取られたチップの数の感知が容易になり、受領チップの数が1回の通過、すなわち1回の計数動作においてセルフサービスキオスク100が処理するように構成されている数量制限を超えないことを保証するのに役立つ。数量制限に達すると、シャッタ機構(図示せず)は、受領チップが1回の通過においてチップセンサ204(
図2参照)によって計数可能な数量制限に達したときにチップスロット120を閉じるように構成されている。このシャッタ機構は、チップスロット120に近接して配置することができる。
【0021】
図2は、
図1のセルフサービスキオスク100の検出段200の斜視図である。検出段200は、セルフサービスキオスク100のハウジングの内側、かつチップスロット120から下流に配置されており、簡略化のため
図2に象徴的に示している。
【0022】
検出段200は、チップスロット120から受け取られたチップ202を、認証という目的のために検出器によって読み取って計数するため、必要に応じて、積重体208および変位を可能にする場所である。検出段200はこのように、検出器として機能するチップセンサ204、および変位を容易にするための機械的構成部206を含む。検出段200はまた、分割器226を備えたシュート224を有し、これらの両方を
図10に関してさらに詳述する。
【0023】
チップセンサ204は、受領チップ202のそれぞれに存在する電子タグ(たとえば埋め込まれたRFID電子チップ)を読み取ることが可能な検出器を指す。一実施形態において、チップセンサ204は電波トランシーバであり得る。他の実施形態において、チップセンサ204はRFID指向性アンテナであり得る。このようなRFID指向性アンテナは、カジノトークンをより正確に検出および計数することができるため、セルフサービスキオスク100がカジノトークンに用いられるとき、特に集束ビーム幅を備えたものが用いられる。
【0024】
チップ202は、チップスロット120を通過した後、自由落下する。保持領域内への制御されない自由落下により、受領チップ202は集積し、それらの電子タグのそれぞれがチップセンサ204によって捕えられない可能性がある。機械的構成部206はしたがって、このような自由落下を回避する働きをし、これにより受領チップ202をチップセンサ204によって読み取り可能となるように配向することによって、すべての受領チップ202における各電子タグが、用いられるチップセンサ204の種類(特にビーム幅集束構成のもの)によって確実に検出される。
【0025】
機械的構成部206は、互いに適切に配置された1以上の構造を指し、チップスロット120からの受領チップ202を、受領チップ202がチップセンサ204によって計数可能である配向に積み重ねることを可能にする。これらの構造のうちの1以上は、作動させられるように構成されている。
図2の実施形態において、これら1以上の構造は、チップ202を受け取った後、この配向に作動させられる。
【0026】
受領チップ202がチップセンサ204によって読み取り可能である配向は、受領チップ202が、チップセンサ204によってすべて読み取られ得る、チップセンサ204に対する角度、位置および配列のうちの1以上に配置されていることを指す。機械的構成部206のうちの1以上の構造によって促進される受領チップ202の積み重ねは、たとえば、受領チップ202を順に重ねて落とすことによって層状に増加させることにより蓄積させることを可能にすることを指す。
【0027】
上述のように、機械的構成部206は、チップ202を受け取った後、これらがチップセンサ204によって計数可能である配向へと受領チップ202を作動させる少なくとも1つの構造を有する。機械的構成部206の作動可能な構造は、チップ入力120からの受領チップ202のためのレセプタクル210、およびレセプタクル210を作動させるように結合されているアクチュエータ(図示せず)を含む。
【0028】
図2に示すように、レセプタクル210は、休止時には直立位置にある。レセプタクル210を休止中は直立位置に配置することは、受領チップ202をレセプタクル210の内側に平らに着地させることを求めるのに有利である。受領チップ202が平らに着地して積重体208を形成する可能性を高めるため、
図2に示す実施形態は、チップ202の周囲と一致する断面を有するような寸法に形成されたレセプタクル210の1以上の開口を有する。これにより、各開口寸法は、2つのチップ202を並べて収容するのに十分な幅にならない。しかしながら、レセプタクル210は依然として、層ごとに1より多いチップ202を有することが可能であり、これは、受領チップ202の各積重体208が別個の開口に保持されるときに起こる。
図2の実施形態において、レセプタクル210は2つの開口を有し、第2の開口は
図3においてより明確に見られる。
【0029】
機械的構成部206は、チップスロット120からの受領チップ202をレセプタクル210内へ案内するように配置された通路212をさらに含む。この通路212は、特にレセプタクル210がチップスロット120から距離を置いて配置されているとき、受領チップ202が最終的にレセプタクル210において積み重なることを確実にする役割を果たす。通路212の入口はチップスロット120に近接して配置されている一方、その出口はレセプタクル210の開口に近接して配置されている。簡略化のため、レセプタクル210に近接する通路212の部分のみを示し、残りは省略する。通路212は、レセプタクル210およびレセプタクル210が結合されているアクチュエータとは対照的に、不動の構造である。
【0030】
直立位置において、チップセンサ204は受領チップ202のすべてを検出することが可能でないという点で、受領チップ202の積重体208は、チップセンサ204に対してずれている。したがって、すべてのチップ202が受け取られた後、アクチュエータは、チップセンサ204が受領チップ202の積重体208を読み取って、それらを計数、認証、またはその両方をすることができる配向にレセプタクル210を傾斜させるように構成されている。アクチュエータによって実行される傾斜を
図3に示す。
【0031】
図3に示すように、レセプタクル210はもはや直立位置になく、受領チップ202の積重体208のすべてが、受領チップ202のそれぞれに存在する電子タグ内にコードされたデータを読み取るためにチップセンサ204によって放射される検出ビーム302に位置を合わせるように傾斜している。傾斜角は、受領チップ202のそれぞれにおける電子タグの配置、およびチップセンサ204に用いられる検出器の種類のような、いくつかの要因に依存するが、0°から90°の範囲内である、すなわち受領チップ202が、計数、認証、またはその両方をされ得る前に落下するのを防止するようにレセプタクル210がチップセンサ204に垂直な角度になる前である。さらに、チップセンサ204およびレセプタクル210は電磁遮蔽筐体に配置されているが、これは、チップセンサ204、レセプタクル210およびシュート224の構成要素を明確に見ることができるように、
図2に示していない。電磁遮蔽筐体は、外部の電磁信号(ユーザがセルフサービスキオスク100を用いながら携帯電話を操作するときに生成されるもののような)がチップセンサ204の動作に干渉するのを防止する。したがって、検出段200は、信頼できる態様でチップの検出を自動化することが可能な機構を提供する。
【0032】
図4は、
図1のセルフサービスキオスク100の検出段400の斜視図である。
【0033】
図2および
図3の検出段200と同様に、
図4の検出段400は、チップ(図示せず)をチップスロット120(
図1も参照)から受け取り、認証という目的のために検出器によって読み取って計数するため、必要に応じて、積み重ねて移動させることが可能な場所である。検出段400はこのように、検出器として機能するチップセンサ404、および変位を容易にするための機械的構成部406を含む。
【0034】
チップセンサ404は、
図2のチップセンサ204と同様に機能するため、さらには詳述しない。
図2の機械的構成部206と同様に、
図4の機械的構成部406は、互いに適切に配置された1以上の構造を指し、チップスロット120からの受領チップを、受領チップ202がチップセンサ204によって計数可能である配向に積み重ねることを可能にする。これらの構造の1以上は、作動させられるように構成されている。
【0035】
図2の実施形態とは対照的に、
図4の実施形態は、休止時、すなわちチップをチップスロット120から受け取る瞬間に、すでにこの配向にある機械的構成部406の1以上の作動可能な構造を有する。
【0036】
機械的構成部406の作動可能な構造は、チップ入力120からの受領チップのためのレセプタクル410、およびレセプタクル410を作動させるように結合されているアクチュエータ412を含む。休止時のレセプタクル410の配向は、
図5により明確に示している。
【0037】
図5に示すように、レセプタクル410は、デフォルトで、受領チップ202がチップセンサ404によって計数可能である配向に傾斜している。「デフォルト」は、計数および/または認証のためにチップを受け取るとき、すなわちレセプタクル410が空であるときの、レセプタクル410の位置を指す。レセプタクル410はチップスロット120に近接して配置されているため、レセプタクル410はこのような傾斜した配向を有することが可能であり、このためチップ202は、チップスロット内へ挿入された後、レセプタクル410の2列のいずれかへ落下する、またはチップスロット120は、ユーザがこれら2列のいずれかにチップ202を直接積み重ねることを可能にするように開口するように設計されている。したがって、
図2の実施形態とは対照的に、
図4の実施形態は、チップスロット120からの受領チップをレセプタクル410内へ案内する通路を必要としない。
【0038】
図2および
図3は、受領チップ202がレセプタクル210において略鉛直方向に積み重なり、すなわちデフォルトで、受領チップ202は、チップセンサ204の配置に平行な積重体に集まることを示している。
図4および
図5は、受領チップ202がレセプタクル410において略水平方向に積み重なり、すなわちデフォルトで、受領チップ202は、チップセンサ404の配置に垂直な積重体に集まることを示している。
図2および
図3における垂直に積み重ねられたチップ202および
図4および
図5における水平に積み重ねられたチップ202における共通点は、それらがそれぞれの周囲が揃うように配置されている、すなわち隣接するチップ202がそれぞれの周囲の全長に概して沿って接触していることである。
図2および
図3の場合、このような整列は、レセプタクル210における各開口の断面と一致する寸法をそれぞれ有するチップ202を用いることによって促進される一方、
図4および
図5の場合、このような整列は、レセプタクル410における各列の幅と一致する寸法をそれぞれ有するチップ202を用いることによって促進される。
【0039】
好ましいが、積み重ねられたチップ202の周囲を揃えることは必須ではない。1つの層におけるチップ202の周囲が隣接する層のチップ202の周囲とずれているときでも、隣接する層におけるチップが接触していると、チップ202は「積み重ねられている」と見なされる。このようなずれは、チップ202の寸法が、レセプタクル210における各開口の断面またはレセプタクル410における各列の断面より小さいとき、またはチップ202が様々な寸法を有しているときに起こる可能性がある。チップセンサ204は依然として、レセプタクル210、410が適切に配向されているとき、受領チップ202を検出することが可能である。このようなスタッキング配置のいくつかを
図6Aから
図6Cに示すが、
図2および
図3の実施形態において、またはチップ202が無作為な態様で積載される場合、
図4および
図5の実施形態において、チップ202がどのようにレセプタクル210内へ落ちるかに応じて、各配置が可能であることが理解されよう。
【0040】
図6Aから
図6Cはそれぞれ、レセプタクル210、410の一部を示す。
図6Aにおいて、チップ602Aおよび602Bは等しい寸法を有する。チップ602Cは、チップ602Aおよび602Bより大きな寸法を有し、チップ602Dは最大の寸法を有する。チップ602A、602B、602Cおよび602Dは、平行な態様で積み重ならない。チップ602Aの金種記載面は、レセプタクル210、410の壁と完全に接触しているが、チップ602Bとチップ602Aとの間の接触は、チップ602Bがチップ602Aの周囲のセグメント602Asにのみ当接していることによるものである。このように、チップ602Bの周囲は、チップ602Aの周囲とずれており、チップ602Bは、チップ602Aが属する第1の層に隣接してその上にある第2の層にある。このような周囲のずれは、チップ602Bとチップ602Cとの間にも存在し、これはチップ602Cがチップ602Bの周辺のセグメント602Bsにのみ当接していることによるものであり、チップ602Cは、チップ602Bが属する第2の層に隣接してその上にある第3の層にある。また、チップ602Dとチップ602Cとの間に、チップ602Dがチップ602Cの周囲のセグメント602Csにのみ当接していることによる、わずかな接触がある。チップ602Dは、周囲セグメント602Dsを介してチップ602Bとも接触しているが、チップ602Dは、チップ602Cが属する第3の層に隣接する第4の層にある。
【0041】
図6Bにおいて、チップ202のそれぞれは、レセプタクル210における各開口の断面またはレセプタクル410における各列の断面より小さい等しい寸法を有する。
図6Aと同様に、チップ202の4つの層がある。チップ202は平行な態様で積み重なるが、各チップ202はレセプタクル210、410の中心に配置されていないので、隣接する層におけるチップ202はそれぞれの周囲が交差するが、整列しない。
【0042】
図6Cは、
図6Bおよび
図6Cの配置の組み合わせである配置を示し、いくつかのチップが平行である一方、他のチップはそうでない。第1の層におけるチップ602A、第2の層におけるチップ602Bおよび第3の層におけるチップ602Cは平行に積み重ねられている。しかしながら、第4の層における一方のチップ602Eは第1の層から第3の層におけるチップと平行であるが、他方のチップ602Dはそうでない。チップ602Dの周囲のセグメント602Dsは、第2の層からのチップ602B上にある一方、チップ602Dは、第3の層におけるチップ602Cの周囲のセグメント602Cs上にもある。
図6Cはまた、チップが十分に小さい寸法を有すれば、第2の層における2つのチップ602Bおよび第4の層における2つのチップ602Dおよび602Eのように、それらの2つが同じ層に属し得ることを示している。
【0043】
チップセンサ204は、
図6Aから
図6Cに示すスタッキング配置のいずれにおいてもすべてのチップを検出および計数することが可能であるが、積み重ねられたチップがチップセンサ204の検出ビームと位置を合わせるように配向された後、チップがチップセンサ204によって読み取られる前に、
図6Bに示すようにチップが平行な層に積み重なることはなお有利である。これにより、チップセンサ204によるより正確な読み取りが保証され、チップセンサ204によって1回の通過において読み取られるべきより多くのチップをレセプタクル210、410が収容することが可能になる。これは、レセプタクル210、410が、受領チップがチップセンサ204によって読み取られる前に振動するように構成されていることによって達成される。
【0044】
図6Dは、
図2および
図3のレセプタクル210が振動607している状態を示しており、レセプタクル210を振動させる原因となる機構は、簡略化のために省略している。一実施形態において、この機構は、
図3に示すように、チップセンサ204が受領チップ202の積重体208を読み取ることができる配向にレセプタクル210を傾斜させるように結合されているアクチュエータであり得る。あるいは、この機構は、レセプタクル210の振動607の原因となる、チップセンサ204に結合された1以上のアクチュエータまたは振動モータにより実現することができる。振動607によりチップ202が移動し、このため、
図6Eに示すように、その重量により、チップは落下して平行な層をなす。図示しないが、
図4および
図5のレセプタクル410は、
図6Dおよび
図6Eに示すものと同様の態様で振動するように構成することもできる。
【0045】
図7は、チップスロット120(
図1を参照)からの受領チップを受領チップ用レセプタクル内へ案内するために用いられる2つの通路712、212の斜視図を示す。通路212は、
図2および
図3で用いられるものから複製されている。通路712、212のそれぞれは、2つのチャネルを有し、セルフサービスキオスク100内へ設置されたとき、それらの入口705はチップスロット120に近接して配置され、それらの出口707はレセプタクルに近接して配置される。2つの通路712、212間の違いを以下に説明する。
【0046】
通路712の各チャネル入口705は、通路212のチャネル入口705の幅709より大きい幅709を有する。通路712のチャネル入口705のこのより大きな幅709により、受領チップ202が通路712のチャネルに略水平な態様で入ることが可能になる一方、受領チップ202は通路212のチャネルに略鉛直な態様で入る。通路712のチャネル入口705のより大きな幅709により、いくつかのチップを一度に受け取ることが可能になる一方、通路212のチャネル入口705が受け取ることができるチップの数は、その幅709によって限定される。通路712は、そのチャネル入口705からそのチャネル出口707まで延びる一定のスロープ711を有する一方、そのチャネル入口705からそのチャネル出口707にわたって、通路212は、実質的に鉛直な第1の部分713および傾斜した第2の部分711を有する。通路712の輪郭は、通路212と比較して、受領チップ202が出口707に近接して配置されたレセプタクルに平らに着地する可能性が高くなることが分かる。通路712、212をアクリルから製造すると、受領チップ202がレセプタクルに平らに着地する可能性が高まることも分かった。加えて、通路712は、チップ202がスロープ711を滑り落ちる態様を制限するギャップを提供するような寸法の内部狭窄を有することができる。いくつかのチップ202が通路712のチャネル入口705内へ同時に導入されると、スロープ711に沿うチップ202の通過は内部狭窄によって減速され、このためチップ202はチャネル出口707から1回に1枚ずつ解放される。この内部狭窄は、受領チップ202がレセプタクルに平らに着地する可能性をさらに高める。
【0047】
図8は、
図7の通路712を組み込んでいる
図1のセルフサービスキオスク100の検出段800の側面図を示す。
【0048】
検出段800は、セルフサービスキオスク100のハウジングの内側、かつチップスロット120から下流に配置されており、簡略化のため
図8に象徴的に示している。
【0049】
検出段800は、チップスロット120からの受領チップ202を、認証という目的のためにチップセンサ204によって読み取って計数するため、必要に応じて、レセプタクル210の内側に積み重ねて変位を可能にする場所である。検出段800は、変位を容易にするための機械的構成部806を含む。検出段800はまた、分割器226を備えたシュート224を有し、これらの両方は、それぞれ
図2のシュート224および分割器226と同様に機能し、
図10に関してさらに詳述される。加えて、検出段800は重量検出器860を有し、これを
図13に関してさらに詳述する。
【0050】
チップセンサ204およびレセプタクル210は、
図2に示すものと同様に機能するため、さらには詳述しない。
図8において用いられる機械的構成部806と
図2の機械的構成部206との間の主な違いは、機械的構成部806は
図7で説明した通路712を用いることである。機械的構成部806の機能性は同じままであり、レセプタクル210内へのチップ202の制御されない自由落下を回避して、受領チップ202は、チップセンサ204によって読み取り可能となるように配向される。この配向を容易にする機械的構成部806の作動可能な部分は、チップ入力120からの受領チップ202のためのレセプタクル210、およびレセプタクル210を作動させるように結合されているアクチュエータ835を含む。
【0051】
図2と同様に、レセプタクル210は、
図8に示すように、休止時には直立位置にある。レセプタクル210を休止中は直立位置に配置することは、受領チップ202をレセプタクル210の内側に平らに着地させることを求めるのに有利である。受領チップ202が平らに着地して積み重なる可能性を高めるため、
図8に示す実施形態は、チップ202の周囲と一致する断面を有するような寸法に形成されたレセプタクル210の1以上の開口を有する。これにより、各開口寸法は、2つのチップ202を並べて収容するのに十分な幅にならない。しかしながら、レセプタクル210は依然として、層ごとに1より多いチップ202を有することが可能であり、これは、受領チップ202の各積重体208が別個の開口に保持されるときに起こる。
【0052】
直立位置において、チップセンサ204は受領チップ202のすべてを検出することが可能でないという点で、レセプタクル210に積み重ねられたチップ202は、チップセンサ204に対してずれている。したがって、すべてのチップ202が受け取られた後、アクチュエータ835は、チップセンサ204がレセプタクル210に積み重ねられたチップ202を読み取って、それらを計数、認証、またはその両方をすることができる配向にレセプタクル210を傾斜させるように構成されている。アクチュエータ835によって実行される傾斜を
図9に示す。
【0053】
図9に示すように、レセプタクル210はもはや直立位置になく、すべてのレセプタクル210に積み重ねられたチップ202が、チップ202のそれぞれに存在する電子タグ内にコードされたデータを読み取るためにチップセンサ204によって放射される検出ビーム302と位置を合わせるように傾斜している。傾斜角は、チップ202のそれぞれにおける電子タグの配置、およびチップセンサ204に用いられる検出器の種類のような、いくつかの要因に依存するが、0°から90°の範囲内である、すなわち、受領チップ202が、計数、認証、またはその両方をされ得る前に落下するのを防止するようにレセプタクル210がチップセンサ204に垂直な角度になる前である。
図2と同様に、チップセンサ204およびレセプタクル210は電磁遮蔽筐体内に配置されているが、これは、チップセンサ204、レセプタクル210およびシュート224の構成要素を明確に見ることができるように、
図8に示していない。電磁遮蔽筐体は、外部の電磁信号(ユーザがセルフサービスキオスク100を用いながら携帯電話を操作するときに生成されるもののような)がチップセンサ204の動作に干渉するのを防止する。したがって、検出段800は、信頼できる態様でチップの検出を自動化することが可能な機構を提供する。
【0054】
図4に戻ると、セルフサービスキオスク100の一実施形態は、拒絶された受領チップ用の返却トレイを省略している。検出段400は、チップスロット120からの受領チップをレセプタクル410に案内する通路を有さず、これによってチップスロット120を閉じるように構成されたシャッタ機構が開き、拒絶されたチップを直接レセプタクル410から除去することが可能になるため、返却トレイは省略することができる。返却トレイとチップスロット120との間に障害物がないので、このような直接の除去が可能である。
【0055】
他の実施形態では、セルフサービスキオスク100は、レセプタクル410からの直接の除去を可能にするのではなく、拒絶されたチップ用の返却トレイが装備されている。この返却トレイは、レセプタクル410の下流に配置され、レセプタクル410が傾斜してその中身を空にした後、レセプタクル410からすべてのチップを回収するが、回収されたチップは、本物であり得るものを含む。同様に、
図2の検出段200を参照すると、受領チップ202は、チップセンサ204によって読み取られた後、保管または返却のためにレセプタクル210から除去される。レセプタクル210が結合されているアクチュエータの回転範囲は、この解放のためのレセプタクル210の傾斜、および次の回の受領チップ202のためにレセプタクル210を準備することを可能にするものである。これらの読み取りチップの除去は、
図10を参照して説明する。簡略化のため、
図10は、その中身を空にするためのレセプタクル210の傾斜を説明するために
図2に示す検出段200を参照するが、この説明は、
図4に示す検出段400および
図8に示す検出段800に等しく適用可能である。
【0056】
図10は、レセプタクル210を傾斜させて受領チップ202を除去するときの
図2の検出段200の斜視図である。シュート224は、チップセンサ204によって計数された後、レセプタクル210から落下した受領チップ202のためのものである。レセプタクル210は、回収ビン1250(
図12参照)の方向1030または返却トレイ114(
図1参照)の方向1032のいずれかに受領チップを落とすように傾斜する。回収ビン1250は、受理された受領チップ202を保管するためのものである一方、返却トレイ114は、拒絶された受領チップ202を解放するためのものである。
【0057】
シュート224は、受領チップ202が受理されると判定されたときに受領チップ202を回収ビン1250内へ向ける、または受領チップ202が拒絶されると判定されたときに受領チップ202を返却トレイ114内へ向けるために用いられる分割器226を有する。この分割器226の動作は、
図8の検出段800を参照する
図11Aおよび
図11Bにおいてさらに詳述する。
【0058】
図11Aおよび
図11Bは、
図8の検出段800の側面図である。分割器226は、2つの位置間で旋回する部材である。受領チップ202が受理されると判定されると、分割器226は旋回して、受領チップ202を返却トレイ114に導く通路704を遮断する(
図11A参照)。受領チップ202が拒絶されると判定されると、分割器226は旋回して、受領チップ202を回収ビン1250に導く通路702を遮断する(
図11B参照)。
【0059】
図12は、セルフサービスキオスク100の断面図を示しており、上部ドア102が開いている。
図12は、受領チップを保管するために用いられる回収ビン1250と、ユーザが拒絶されたチップを回収する返却トレイ114と、を示す。回収ビン1250は、受領チップが落下して保管される穴(図示せず)を有する。この穴は、回収ビン1250がセルフサービスキオスク100から除去されると、カバーによって自動的に閉じられる。除去されると、回収ビン1250に設けられた機械的キャッチが外れ、これによりカバーが穴の上をスライドする。回収ビン1250がセルフサービスキオスク100に戻されると、機械的キャッチが係合し、これによりカバーがスライドして穴が露出する。
【0060】
図13は、検出段800の他の構成要素(
図8参照)、すなわち重量検出器860を説明するための
図8の検出段800の斜視図を示す。
【0061】
重量検出器860は、純粋な誤りであろうと詐欺の試みによるものであろうと、偽チップ(すなわちセルフサービスキオスク100によって認識されないもの)を含む受領チップを受理することに対する安全策を提供する。この安全策は、チップセンサ204の認証機能によって提供されるものに追加されている。このさらなる安全策は、セルフサービスキオスク100が処理するように設計されているチップが、割り当てられた重量許容範囲内にあるときに特に適用可能である。
【0062】
重量検出器860は、レセプタクル210において受け取られたチップの重量を判定することができるように、レセプタクル210に結合されている。この結合は、感知アームをレセプタクル210と接触させることによって達成することができ、これによって感知アームの変位が、レセプタクル210の中身の重量の表示を提供する。したがって、重量検出器860は、必ずしもレセプタクル210とともに傾斜する必要はない。重量検出器860の読取値および認証されたチップの計数された数は、以下のように協同で用いられる。図示しないが、重量検出器860は、
図2の検出段200のレセプタクル210および
図4の検出段400のレセプタクル410に同じ態様で結合することができる。
【0063】
セルフサービスキオスク100は、受領チップの重量を提供する信号を重量検出器860から受信するように構成されている。セルフサービスキオスク100は、受領チップの計数を提供する信号もチップセンサ204から受信する。受領チップの重量は次いで、受領チップの計数から導出された重量に対して測定される。セルフサービスキオスク100は、このような等しい重量のチップを処理するように設計されていることから、1枚のチップの重量の記録を有するので、重量は導出可能である。受領チップのすべてが本物であれば、重量検出器860によって測定された重量は、受領チップの計数から導出された重量と一致することになる。しかしながら、受領チップの中に認識不可能なチップがあれば、チップセンサ204はそれらを検出しないことになるので、計数されたチップの総数は、受領チップの数より少なくなる。計数されたチップの数から導出された重量は、すべての受領チップの測定された重量と異なる(おそらく少ない)ことになる。このようなシナリオにおいて、セルフサービスキオスク100は、受領チップの測定された重量が、受領チップの計数から導出された重量と異なるという警告を送信することになる。このような警告により、セルフサービスキオスク100はすべての受領チップを拒絶し、返却トレイ114を介してそれらを返却することができる。
【0064】
単一のチップの重量のセルフサービスキオスク100に維持される記録は、セルフサービスキオスク100が通信している中央データベースから取得することができる。これにより前方互換性、すなわちセルフサービスキオスク100が新たな範囲のチップを受理すること、またはセルフサービスキオスク100が受理することができるチップの種類を完全に変更することが可能になり、これによってセルフサービスキオスク100がこのような受領チップの計数からそれらの重量を依然として正確に導出することを保証する。この維持された記録に保存された1枚のチップの重量はこのように、中央データベースからセルフサービスキオスク100に伝達されたデータから取得される。このように、受領チップの計数から導出された重量は、受領チップの重量を提供するセルフサービスキオスク100に伝達されたデータに基づくものである。
【0065】
受領チップのそれぞれは、必ずしも同じ重量を有する必要はない。たとえば、カジノトークンの重量はその金種に依存することができ、より高い金種のトークンは、より低い金種のトークンより重いことがあり、たとえば50ドルのカジノトークンの重さは12gである一方、20ドルのチップの重さは10gであり得る。両トークンの電子タグは、それぞれの金種とともにプログラムすることができ、これは、受領チップの計数を取得するときにチップセンサ204によって検出可能である。検出された各金種のチップの重量が次いでセルフサービスキオスク100の記録から検索され、合計されて、導出された総重量が取得される。この導出された重量は次いで、重量検出器860によって読み取られたような、受領チップの測定された重量と比較される。導出された重量と測定された重量との間の不一致により、セルフサービスキオスク100は警告を送信する。たとえば、チップセンサ204が、それぞれ12gの重さである5枚の50ドルのカジノトークン、およびそれぞれ10gの重さである3枚の20ドルのカジノトークンを計数すれば、導出される重量は90gである。測定された重量が90gでなければ、これは、受領チップの中に認識不可能または不正なチップがあることをセルフサービスキオスク100に示すことになるであろう。
【0066】
セルフサービスキオスク100はまた、チップセンサ204によって検出可能であるが、特定のカテゴリのユーザによってのみ現金化可能であるチップの記録を維持することができる。この開示の目的のため、このようなチップを「プレミアムトークン」と呼び、これらを現金化することができるユーザのカテゴリを「プレミアムプレーヤ」と呼ぶ。セルフサービスキオスク100は、ユーザが自身をキオスク100に対してこのようなユーザのカテゴリの一員であると特定する場合にのみ、このようなチップを現金化することになる。このユーザのカテゴリに属さないユーザによってこのようなカジノトークンが挿入されたことがチップセンサ204によって検出されると、セルフサービスキオスク100は、受領チップのすべての処理を拒絶し、ユーザにカウンタへ行くよう要求する警告を表示することができる。
【0067】
レセプタクル210に着地する受領チップからの衝撃により、重量検出器860によって行われるその後の測定に影響を与え得る残留効果が生じる可能性がある。たとえば、重量検出器860は、受領チップがなくなった後に誤って非ゼロの読取値を有する可能性がある。受領チップの次の回の正確な測定を保証するため、重量検出器860は、受領チップの測定された重量の次の回の読み取りの前にレセプタクル重量を差し引きされる(tared)。
【0068】
重量検出器860によって提供される代替または追加の安全策として、セルフサービスキオスク100は、レセプタクル210に入るチップの数を検出する計数検出器1350を備える。計数検出器1350の出力は、レセプタクル210に入るチップの数の物理的計数であり、チップセンサ204によって出力された電子的計数とは別であるが、これは、電子的計数はチップセンサ204によって認識される電子タグが受領チップに埋め込まれているかどうかに依存するためである。計数検出器1350は、その作動がレセプタクル210に入るチップの数を示すデフレクタのような機械的センサ、または信号出力の中断がレセプタクル210に入るチップの数を示す光送信機と受信機とのペアのような電子的センサであり得る。計数検出器1350から取得された、受領チップの物理的計数は次いで、チップセンサ204から取得された電子的計数に対して比較される。セルフサービスキオスク100は、受領チップの物理的計数が受領チップの電子的計数と異なれば、警告を送信することになる。このような警告により、セルフサービスキオスク100はすべての受領チップを拒絶し、返却トレイ114を介してそれらを返却することができる。
【0069】
計数検出器1350および重量検出器860は一緒に、セルフサービスキオスク100にチップ認証または検証機構を提供して、受領チップがセルフサービスキオスク100によって認識されることを保証するため、認識されたチップのみが回収ビン1250(
図12参照)に保管される。セルフサービスキオスク100は、重量検出器860、計数検出器1350または両方を備えることができ、これによってこれらのいずれかまたは両方がチップ認証機能を実行するために用いられる。
図13は、計数検出器1350がレセプタクル210の口に配置されていることを示しているが、計数検出器1350は、チップスロット120と通路712(
図8参照)との間のように、他の場所に配置してもよいことが理解されよう。
【0070】
レセプタクル210には高さセンサが配置され、受領チップの数が、セルフサービスキオスク100が1回の通過において処理するように構成されている割り当てを超えないことを保証する手段として、受領チップがレセプタクル210内の高さ制限に達したかどうかを判定する。この高さセンサは、チップスロット120に近接して配置されたシャッタ機構と通信しており、シャッタ機構は、高さセンサが高さ制限に達したことを示すのに応じてチップスロット120を閉じるように構成されている。高さセンサは、レセプタクル210の開口の近傍に配置することができ、光送信機と受信機とのペアとすることができ、これによって高さセンサは、チップが光送信機と光受信機との間にあると検出されたときに高さ制限に達したと判定する。
【0071】
受領チップは、以下のシナリオ、すなわち、a)チップセンサ204によって提供された計数が正しく、受領チップの重量(重量検出器860によって測定されたような)が受領チップの計数から導出された重量と一致するというユーザ確認を受領したこと、b)チップセンサ204によって提供された計数が正しく、計数検出器1350からの計数がチップセンサ204から受け取った計数と一致するというユーザ確認を受領したこと、または、c)チップセンサ204によって提供された計数が正しいこと、ならびに受領チップの重量(重量検出器860によって測定されたような)が受領チップの計数から導出された重量と一致すること、および計数検出器1350からの計数がチップセンサ204から受け取った計数と一致することのユーザ確認を受領したこと、のうち1以上が生じるときに受理されると判定される。受領チップは、以下のシナリオ、すなわち、受領チップの重量が受領チップの計数から導出された重量と異なるという警告が送信されること、計数検出器1350からの計数がチップセンサ204から受け取った計数と異なるという警告が送信されること、または、チップセンサによって提供された計数が正しいというユーザ確認の受領が欠如していること、のうち1以上が生じるときに拒絶されると判定される。
【0072】
セルフサービスキオスク100がカジノトークンに用いられるとき、セルフサービスキオスク100はキャッシュレポジトリ(収納場所)(図示せず)をさらに含み、チップ計数レポジトリは、チップセンサ204によって提供された計数が正しいというユーザ確認を受領し、計数された受領チップから計算された金額をキャッシュレポジトリから支払うように構成されている。支払われるお金は、キャッシュディスペンサ110(
図1参照)を通して出力することができる。
【0073】
図14は、セルフサービスキオスク100に存在するコンピューティング構成の機能的ブロックを示す。セルフサービスキオスク100は、プロセッサ1402、および実行時にプロセッサ1402にセルフサービスキオスク100の様々な構成要素を制御させてそのチップ処理機能を実行させるコンピュータプログラムコードを有するメモリ1408を有する。これらの機能を実行するとき、プロセッサ1402は、セルフサービスキオスク100のすべての構成要素と、通信インフラストラクチャ1406を介して通信を行う。通信インフラストラクチャ1406は、バス、クロスバーまたはネットワークのようなデータ通信チャネルを指す。さらに、
図14には、チップセンサ204、レセプタクル210、モニタ104および重量検出器860のような、セルフサービスキオスク100の選択された構成要素のみを示しているが、すべての他の構成要素も通信インフラストラクチャ1406に結合されてプロセッサ1402によって制御されることが理解されよう。
【0074】
メモリに格納された実行されたコンピュータプログラムコードによってもたらされる、プロセッサ1402の機能の非限定的な例を以下に説明する。セルフサービスキオスク100がチップの計数および認証を実行するとき、プロセッサ1402はレセプタクル210に信号を送信して、レセプタクル210を、その中に配置された受領チップがチップセンサ204によって計数可能である配向へ傾斜させる。プロセッサ1402はまた、チップセンサ204を作動させて、感知ビームを送信し、受領チップを読み取る。反射したチップからの反射ビームは、受領チップのそれぞれが電子タグを含むかどうか、およびそれらが認識可能であるかどうかに関するデータを含み、チップセンサ204によって受け取られる。受領チップの重量は、受け取られたデータから導出される。受け取られたチップの測定された重量は、重量検出器860から取得される。プロセッサ1402は、導出された重量を測定された重量に対して比較し、それらが異なるときに警告を送信する。
【0075】
一のアプローチによれば、チップセンサ204によって検出された受領チップが特定の団体に属するかどうかの判定を求める受領チップの認証、および受領チップの金銭的価値の計算は、以下のように実行される。特定の団体に属する各チップには、独自の特性を備えた電子タグが埋め込まれている。内部または外部のデータベースが、各電子タグの独自の特性、ならびにその金銭的価値の記録を含む。チップセンサ204が受領チップを読み取るとき、チップセンサ204は、受領チップに埋め込まれた電子タグの特性を取得する。その特性はプロセッサ1402に渡され、これがデータベースに問い合わせて、それがその中に登録されているかどうかを判定する。受け取られた各特性がデータベースにおける対応する登録された特性と一致すれば、受領チップは認証されると判定される。登録された各特性は関連する金銭的価値を有するため、受領チップの金銭的価値は、関連する金銭的価値のそれぞれを合計するプロセッサ1402によって計算することができる。関連する金銭的価値に相当する現金を次いで、キャッシュレポジトリからキャッシュディスペンサ110を介して支払うことができる。あるいは、指定された銀行口座に、計数された受領チップから計算された金額を入金することができる。この入金を実行するため、プロセッサ1402は、指定された銀行口座が属する金融機関と通信インターフェイス1424を介して通信する。他のアプローチは、計数された受領チップから計算された金額を、たとえば、以下でさらに詳述する
図15のステップ1506で、セルフサービスキオスク100に提供される会員口座に入金する。会員口座にリンクされている預金口座における残高は、この入金された金額で更新される。
【0076】
図15から
図18は、カジノにおいて用いるように構成された、
図1のセルフサービスキオスク100によって実行されるチップ償還プロセスのフローチャート(1500、1600、1700および1800)を示す。
【0077】
ステップ1502で、セルフサービスキオスク100のモニタ104は、受理可能なチップの画像を表示することになる。これらの画像は、セルフサービスキオスク100が通信しているバックエンドサーバからアップロードすることができる。
【0078】
ステップ1504で、モニタ104は、ユーザがモニタ104に触れるのに応答して、表示言語(たとえば英語、中国語、日本語、およびインドネシア語)を選択するようにユーザに促す。
【0079】
ステップ1506で、モニタ104は、ユーザがカジノの会員であるかどうかを示すようにユーザに促す。ユーザが会員でないことを示せば、ステップ1508が生じ、これは
図17において説明する。ユーザが会員であることを示せば、ステップ1510が生じる。セルフサービスキオスク100が入力を受け取らなければ、ステップ1502に戻ることになる。
【0080】
ステップ1510で、ユーザは会員カードを挿入/スワイプ/タップするように促され、セルフサービスキオスク100はステップ1512で会員カードを待つ。ステップ1514で会員カードを読み取ることができれば、セルフサービスキオスク100は、会員カードの詳細をバックエンドサーバに伝達して、会員資格状態を検証する。セルフサービスキオスク100がステップ1514で会員カードを読み取ることが不可能であれば、ステップ1516が生じ、ユーザは、キャッシャカウンタの支援を求めるように促される。
【0081】
ステップ1518で、会員資格状態が無効である、未払いの貸し付けがある、または監視リストに載っているなどの理由で、バックエンドサーバがユーザを検証することが不可能であれば、ステップ1520が生じ、ユーザはキャッシャカウンタに行って支援を求めるように促される。バックエンドサーバがいずれのエラーメッセージも返さなければ、ステップ1522が生じ、ユーザは自分の暗証番号を入力するように促される。暗証番号は、検証のためにステップ1524でバックエンドサーバに伝達される。暗証番号が誤っていれば、ユーザは正しいピンを入力するためにさらに数回試行し、これに失敗すると会員カードはロックされる。ステップ1520が生じ、ユーザはキャッシャカウンタの支援を求めるように促される。ピンの検証が成功すると、ステップ1526に進むことになり、これを
図16に関してさらに詳述する。
【0082】
図16のフローチャート1600は、
図15のフローチャートが終了するところから同じステップ1526で開始する。ステップ1602で、セルフサービスキオスク100内へのカジノトークンの挿入を防止するシャッタが開き、ユーザはカジノトークンをチップスロット120内へ挿入するように促される。ユーザは次いでステップ1604で自分のカジノトークンを挿入する。シャッタは、以下のいずれかの状況下、すなわち、不活動の期間の後、最大数のカジノトークンが挿入されたとき、またはユーザがすでに自分のトークンをすべて挿入したことを示したとき、ステップ1606で閉じることになる。
【0083】
ステップ1608で、セルフサービスキオスク100は、挿入されたカジノトークンの検出された現金価値が、各取引で支払うことができる現金の最大額を超えるかどうかを判定することになる。検出された現金価値が支払うことができる最大額を下回れば、ステップ1610が生じ、セルフサービスキオスク100が、挿入されたカジノトークンの検出された現金価値を満たすのに十分なお金をそのレポジトリに有しているかどうかが判定される。セルフサービスキオスク100が十分なお金を有していれば、ステップ1612が生じ、受け取られたカジノトークンの導出された重量とカジノトークンの測定された重量との間の不一致、または計数検出器1350からのチップの計数とチップセンサ204からの受領チップの計数との間の不一致などから、無効なカジノトークンがあるかどうかが検出され、両不一致は
図13を参照して上述している。導出された重量および測定された重量が一致すれば、ステップ1614が生じ、セルフサービスキオスク100は、挿入されたカジノトークンにいくらかのプレミアムトークンが存在するかどうかを検出する。なければ、または、ありかつユーザがプレミアムプレーヤであれば、ステップ1618が生じ、モニタ104は検出されたカジノトークンおよびそれらの合計現金価値の概要を表示する。
【0084】
一方、以下のいずれか、すなわち、ステップ1608で検出された挿入されたカジノトークンの現金価値が、各取引で支払うことができる現金の最大額、T
3を超える、セルフサービスキオスク100が、ステップ1610で、挿入されたカジノトークンの検出された現金価値を満たすのに十分なお金を有さない、ステップ1612での無効なカジノトークンの検出、およびユーザがプレミアムプレーヤでない場合にステップ1616での挿入されたカジノトークンにおけるプレミアムトークンの存在、が生じれば、ステップ1618は生じないことになる。ステップ1620が生じることになり、これを
図18に関してさらに詳述する。
【0085】
ステップ1618において、ユーザは、セルフサービスキオスク100が挿入されたカジノトークンを正しく計数したかどうかを確認するように促される。ユーザが確認すると、ステップ1622が生じ、キャッシュディスペンサ110によって現金が支払われる。ユーザは、ステップ1624で現金、およびステップ1626でレシートプリンタ116からの償還のレシートを回収する。一方、ステップ1618でユーザが計数された合計を確認しなければ、ステップ1620が生じ、これを
図18に関してさらに詳述する。
【0086】
図17Aおよび
図17Bにまたがるフローチャート1700は、
図15のフローチャート1500のステップ1508から始まり、ユーザは、セルフサービスキオスク100に、自分がカジノの会員でないことを示す。ステップ1702で、セルフサービスキオスク100内へのカジノトークンの挿入を防止するシャッタが開き、ユーザはカジノトークンをチップスロット120内へ挿入するように促される。ユーザは次いでステップ1704で自分のカジノトークンを挿入する。シャッタは、以下のいずれかの状況下、すなわち、不活動の期間の後、最大数のカジノトークンが挿入されたとき、またはユーザがすでに自分のトークンをすべて挿入したことを示したとき、ステップ1706で閉じることになる。
【0087】
ステップ1708で、セルフサービスキオスク100は、挿入されたカジノトークンの検出された現金価値が、各取引で支払うことができる現金の最大額を超えるかどうかを判定することになる。検出された現金価値が支払うことができる最大額を下回れば、ステップ1710が生じ、セルフサービスキオスク100が、挿入されたカジノトークンの検出された現金価値を満たすのに十分なお金をそのレポジトリに有するかどうかが判定される。セルフサービスキオスク100が十分なお金を有すれば、ステップ1712が生じ、
図13を参照して上述したように、受け取られたカジノトークンの導出された重量とカジノトークンの測定された重量との間の不一致などから、無効なカジノトークンがあるかどうかが検出される。導出された重量および測定された重量が一致すれば、ステップ1714が生じ、セルフサービスキオスク100は、挿入されたカジノトークンにプレミアムトークンが存在するかどうかを検出する。なければ、または、ありかつユーザがプレミアムプレーヤであれば、ステップ1718が生じ、モニタ104は検出されたカジノトークンおよびそれらの合計現金価値の概要を表示する。
【0088】
一方、以下のいずれか、すなわち、ステップ1708で検出された挿入されたカジノトークンの現金価値が、各取引で支払うことができる現金の最大額を超えること、セルフサービスキオスク100が、ステップ1710で、挿入されたカジノトークンの検出された現金価値を満たすのに十分なお金を有さない、ステップ1712での無効なカジノトークンを検出したこと、および、ユーザがプレミアムプレーヤでない場合にステップ1714での挿入されたカジノトークンにおけるプレミアムトークンが存在すること、のうちいずれか1つが生じれば、ステップ1718は生じないことになる。ステップ1728が生じることになり、これを
図18に関してさらに詳述する。
【0089】
ステップ1718において、ユーザは、セルフサービスキオスク100が挿入されたカジノトークンを正しく計数したかどうかを確認するように促される。ユーザが確認すると、セルフサービスキオスク100は、ステップ1720で、合計金額が、ユーザがセルフサービスキオスク100に身分を証明するように要求される閾値レベルである値T
1(たとえば2000ドル)より多いかどうかを判定する。合計金額がT
1未満であれば、現金はステップ1722でキャッシュディスペンサ110によって支払われる。ユーザはステップ1724で現金を回収する。ステップ1718でユーザが計数された合計を確認しなければ、ステップ1728が生じ、これを
図18に関してさらに詳述する。
【0090】
ステップ1720での総額がT
1より多ければ、ステップ1726が生じ、ユーザは、何らかの形態の身分証明(たとえば身分証明カードまたはパスポート)を用いてセルフサービスキオスク100に身分を証明するように促される。ユーザはステップ1730で自分の身分証明をスキャンし、セルフサービスキオスク100は、ステップ1732で、身分証明のスキャンが成功したかどうかを判定する。ユーザの身分証明のスキャニングが失敗すると、ステップ1728につながる。一方、ステップ1732でユーザの身分証明のスキャニングが成功すると、セルフサービスキオスク100は、ステップ1734で、ユーザの詳細をバックエンドサーバに伝達して、有効性チェックを実行する。身分証明が有効であれば、ステップ1736が生じ、セルフサービスキオスク100は、ユーザの身元が、取引が失敗した個人の記録と一致するかどうかをバックエンドサーバで確認する。バックエンドサーバがステップ1734でユーザの詳細を検証することが不可能であれば、またはユーザの身元が、取引が失敗した個人の記録と一致すれば、ステップ1742が生じ、これを
図18に関してさらに詳述する。
【0091】
ステップ1738は、ユーザの身元が、取引が失敗した個人の記録と一致しないときに生じる。セルフサービスキオスク100は、識別されたユーザによって行われた1ゲーム日における取引の集計額(すなわち、セルフサービスキオスク100が識別されたユーザに以前の使用から支払った現金の合計)およびステップ1718での挿入されたカジノトークンの計数された量の総計を取得する。集計額が、規制によりカジノトークンを自動化されたキオスクを通して現金化することはできないと定められている閾値レベル、T2以上であれば(たとえば、このようなユーザは、このような金額の現金化のために物理的に検証する必要がある、または手作業の記録を作成する必要があるため)、ステップ1742が生じ、取引が拒絶され、ユーザはカウンタの支援を求めるように促される。一方、集計額がT2未満であれば、ステップ1718での挿入されたカジノトークンの計数された合計に等しい現金がステップ1744で生じ、キャッシュディスペンサ110によって現金が支払われる。ユーザは、ステップ1746で現金、およびステップ1748でレシートプリンタ116からの償還のレシートを回収する。
【0092】
図18のフローチャート1800は、
図17のフローチャート1700のステップ1742、
図16のフローチャート1600のステップ1620または
図17のフローチャート1700のステップ1728から始まる。
【0093】
ステップ1802で、セルフサービスキオスク100は、挿入されたカジノトークンを返却トレイ114に送る。ユーザは、ステップ1804で、返却されたカジノトークンを除去するように促される。カジノトークンの検証が失敗すること、すなわち、セルフサービスキオスク100に十分なお金がないこと、閾値を超えていること、会員検証を失敗していること、ユーザがプレミアムプレーヤでないときにプレミアムチップが存在すること、カジノトークンの測定された重量とカジノトークンの導出された重量との間に不一致があること、計数検出器1350からのチップの計数とチップセンサ204からの受領チップの計数との間に不一致があること、というシナリオのうちの1以上において、ユーザは、キャッシャの支援を求めて、返却されたカジノトークンを現金化するように促される。セルフサービスキオスク100は、ステップ1806で、返却トレイ114からのカジノトークンの除去を検出し、フローチャート1800は、ステップ1808で終了する。
【0094】
上記開示はこのように、挿入されたチップを自動的に識別してそれらを認証することができるセルフサービスキオスクを説明している。このキオスクは、挿入されたチップがカジノトークンであって金銭的価値を有するカジノにおいて用途があり、このキオスクは、挿入されたカジノトークンの合計の金銭的価値を集計し、集計された額の確認をユーザから要求して、その集計された額を支払うことができる。セルフサービスキオスクは、電子タグが埋め込まれた同一形状のチップを計数することも可能である。
【0095】
本願において、特に明記しない限り、「comprising(含む)」、「comprise(含む)」、およびこれらの文法上の変形は、記載された要素を含むが、追加の、明示的には記載されていない要素の包含も可能にするように「open(開かれた)」または「inclusive(包括的な)」文言を表すことを意図している。
【0096】
例示的な実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能であり、その要素を同等物で代用することができるということが当業者によって理解されよう。加えて、本発明の必須の範囲から逸脱することなく、修正を行って、本発明の教示を特定の状況および材料に適合させることができる。このように、本発明は、本明細書に開示されている特定の例に限定されず、添付の特許請求の範囲内に含まれるすべての実施形態を包含する。
【符号の説明】
【0097】
100 セルフサービスキオスク、102 上部ドア、104 モニタ、106 RFIDリーダ、108 パスポートスキャナ、110 キャッシュディスペンサ、112 キーパッド、114 返却トレイ、116 レシートプリンタ、118 磁気ストリップリーダ、120 チップスロット、200 検出段、202 チップ、204 チップセンサ、206 機械的構成部、208 積重体、210 レセプタクル、212 通路、224 シュート、226 分割器、302 検出ビーム、400 検出段、404 チップセンサ、406 機械的構成部、410 レセプタクル、412 アクチュエータ、602A チップ、602B チップ、602C チップ、602D チップ、602As セグメント、602Bs セグメント、602Cs セグメント、602Ds セグメント、607 振動、702 通路、704 通路、705 入口、707 出口、709 幅、711 第2の部分、712 通路、713 第1の部分、800 検出段、806 機械的構成部、835 アクチュエータ、860 重量検出器、1030 方向、1032 方向、1250 回収ビン、1350 計数検出器、1402 プロセッサ、1406 通信インフラストラクチャ、1408 メモリ、1424 通信インターフェイス
【国際調査報告】