IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 無錫好力▲べん▼業有限公司の特許一覧

<>
  • 特表-洗濯機用三相排水モーター 図1
  • 特表-洗濯機用三相排水モーター 図2
  • 特表-洗濯機用三相排水モーター 図3
  • 特表-洗濯機用三相排水モーター 図4
  • 特表-洗濯機用三相排水モーター 図5
  • 特表-洗濯機用三相排水モーター 図6
  • 特表-洗濯機用三相排水モーター 図7
  • 特表-洗濯機用三相排水モーター 図8
  • 特表-洗濯機用三相排水モーター 図9
  • 特表-洗濯機用三相排水モーター 図10
  • 特表-洗濯機用三相排水モーター 図11
  • 特表-洗濯機用三相排水モーター 図12
  • 特表-洗濯機用三相排水モーター 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(54)【発明の名称】洗濯機用三相排水モーター
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/10 20060101AFI20220104BHJP
【FI】
H02K5/10 Z
H02K5/10 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020558511
(86)(22)【出願日】2019-10-11
(85)【翻訳文提出日】2020-10-15
(86)【国際出願番号】 CN2019110599
(87)【国際公開番号】W WO2021056612
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】201910917431.7
(32)【優先日】2019-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520402579
【氏名又は名称】無錫好力▲べん▼業有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUXI HAOLI PUMPS INDUSTRIAL CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Renmin Xi Lu, Yangshan Town, Wuxi City, Jiangsu 214000 China
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【弁理士】
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】王夏春
(72)【発明者】
【氏名】王奔
【テーマコード(参考)】
5H605
【Fターム(参考)】
5H605AA02
5H605AA05
5H605BB05
5H605CC01
5H605CC04
5H605EB06
5H605EB31
(57)【要約】
本発明は洗濯機の技術分野に属し、特に洗濯機用三相排水モーターに関し、ステーター、ローター及び上部カバーを備え、ローターが上部カバーでステーターの内部に封止され、ステーターが鉄心、コイルボビン、三相コイル及びプラスチック封止部を含み、鉄心がハブ、内輪及び歯を含み、歯がハブ及び内輪に半径方向に接続され、内輪が9分割円弧状構造であり、コイルボビンが歯に被覆され、三相コイルがコイルボビンに巻き回され、プラスチック封止部がコイルボビン、三相コイル及び鉄心を包んで、シームアローワンス、ローターキャビティ及び回転軸キャビティを形成し、シームアローワンスがローターキャビティの上方に設けられ、回転軸キャビティがローターキャビティの底部に設けられ、プラスチック封止部がハウジング、ローターキャビティの壁面及び回転軸キャビティの壁面を含み、ハウジング、 ローターキャビティの壁面及び回転軸キャビティの壁面が一体に射出成形してなる。本発明により提供される洗濯機用三相排水モーターのローターキャビティ壁面は、モーターのエアギャップを低減し、モーターの効率を向上させるとともに、鉄心の内輪の9分割円弧面の錆による騒音問題を防止した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機用三相排水モーターであって、ステーター、ローター及び上部カバーを備え、前記ローターが前記上部カバーで前記ステーターの内部に封止され、
前記ステーターが鉄心、コイルボビン、三相コイル及びプラスチック封止部を含み、前記鉄心がハブ、内輪及び歯を含み、前記歯が前記ハブ及び前記内輪に半径方向に接続され、前記内輪が9分割円弧状構造であり、前記コイルボビンが前記歯に被覆され、前記三相コイルが前記コイルボビンに巻き回され、前記プラスチック封止部が前記コイルボビン、前記三相コイル及び前記鉄心を包んで、シームアローワンス、ローターキャビティ及び回転軸キャビティを形成し、前記シームアローワンスが前記ローターキャビティの上方に設けられ、前記回転軸キャビティが前記ローターキャビティの底部に設けられ、前記プラスチック封止部がハウジング、前記ローターキャビティの壁面及び前記回転軸キャビティの壁面を含み、前記ハウジング、前記ローターキャビティの壁面及び前記回転軸キャビティの壁面が一体に射出成形されてなり、
前記ローターに3対の極永久磁石が設けられ、かつ前記ローターキャビティ内に取り付けられ、前記ローターの回転軸が前記上部カバーを貫通して配置され、前記上部カバーが前記ステーターに取り外し可能に接続されることを特徴とする洗濯機用三相排水モーター。
【請求項2】
前記ローターキャビティの直径は、前記シームアローワンスの直径よりも小さく、前記プラスチック封止部の材料は、BMC プラスチックであり、前記ローターキャビティの側壁面と前記鉄心の内輪の9分割円弧面との間のプラスチック封止部の壁厚は、0.6 ミリメートル未満であることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機用三相排水モーター。
【請求項3】
前記上部カバーは、カバー本体及びシールリングを含み、前記カバー本体の軸心に軸穴が設けられ、前記カバー本体が前記ステーターに向かって突出して、取付キャビティ及び位置決めリングを形成し、前記取付キャビティ及び前記位置決めリングが前記軸穴と同軸に配置され、かつ前記位置決めリングの直径が前記取付キャビティよりも大きく、前記シールリングが前記ローターキャビティと緊密に嵌合され、前記シールリングが環状基板を含み、前記環状基板が軸方向に突出して取付部を形成し、前記取付部が筒状に成して前記シールリングと同軸に配置され、前記取付部が軸受を介して前記ローターの回転軸に嵌設され、かつ前記取付部の内壁が前記軸受と緊密に嵌合され、前記取付部が前記取付キャビティ内に緊密に嵌設され、かつ前記環状基板に位置決め溝がさらに設けられ、前記位置決めリングが前記位置決め溝と嵌合されていることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機用三相排水モーター。
【請求項4】
前記カバー本体の下部に複数の係止溝が設けられ、前記係止溝が前記カバー本体の外周面において軸の周りに均一に配置され、前記ステーターの上部に複数の係止ブロックが設けられ、前記係止ブロックが前記係止溝と摺動可能に係合されていることを特徴とする請求項3に記載の洗濯機用三相排水モーター。
【請求項5】
前記カバー本体が前記ステーターから離れて突出して凹んだキャビティを形成し、前記凹んだキャビティが前記軸穴と同軸に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の洗濯機用三相排水モーター。
【請求項6】
前記取付キャビティと前記位置決めリングとの間に複数の補強リブが均一に配置され、前記補強リブが前記上部カバーの半径方向に沿って配置され、
前記環状基板にプラットフォームがさらに設けられ、前記プラットフォームと前記取付部との間に溝が形成され、前記溝が前記取付キャビティの縁部と係合され、前記プラットフォームが前記補強リブと嵌合され、
前記環状基板の周りに止め輪がさらに設けられ、前記止め輪と前記プラットフォームとの間に前記位置決め溝が形成され、前記位置決めリングが段階構造であり、前記位置決めリングが前記位置決め溝、前記止め輪と気密的に嵌合され、前記止め輪の外壁が突出して2つのシール外輪を形成し、前記シール外輪が互いに間隔をあけて設けられていることを特徴とする請求項3に記載の洗濯機用三相排水モーター。
【請求項7】
前記軸受の外壁が凹んでシール溝を形成し、前記取付部の内壁にシール溝と気密的に嵌合されたシール内輪が設けられ、前記シール溝の横断面が長方形であり、シール内輪の横断面が半円形であり、前記取付部の端部が突出して環状シールリップを形成し、前記環状シールリップが前記軸穴の壁と緊密に嵌合されていることを特徴とする請求項3に記載の洗濯機用三相排水モーター。
【請求項8】
前記回転軸キャビティにエンドスリーブが緊密に嵌設され、前記エンドスリーブの内部に貯油室が形成され、ローターのリアシャフトが前記貯油室に挿入され、前記ローターのリアシャフトが前記貯油室内に可動的に配置され、前記エンドスリーブの内孔が前記ローターのリアシャフトの外径と接触して配置され、前記ローターのリアシャフトの端面が前記貯油室の底面と間隔をあけて設けられていることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機用三相排水モーター。
【請求項9】
前記エンドスリーブは、支持スリーブ、ゴムスリーブ及びスリーブケースを含み、前記ゴムスリーブが前記支持スリーブに緊密に嵌設され、前記スリーブケースが前記ゴムスリーブに緊密に嵌設され、前記スリーブケースが前記回転軸キャビティ内に設けられ、
前記支持スリーブの上端に環状支持台が設けられ、前記環状支持台の直径が前記回転軸キャビティの直径よりも大きく、かつ前記ローターキャビティの上方に設けられ、それに前記ローターキャビティの底面に密着され、前記ゴムスリーブの底端が半径方向に延在して固定リングを形成し、前記固定リングの内径が支持スリーブの内径よりも小さく、前記スリーブケースのポートに複数の切り欠きが均一に設けられ、前記切り欠きの深さが前記ゴムスリーブの高さよりも小さいことを特徴とする請求項8に記載の洗濯機用三相排水モーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗濯機の技術分野に属し、特に洗濯機用三相排水モーターに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、市販されている洗濯機用三相排水モーターは、ほとんどがプラスチック封止されないステーター構造を採用しており、即ち、ローターを、ローターキャビティ付きのモーターハウジングに取り付け、鉄心の内輪の9分割円弧面を該モーターハウジングの外壁に直接嵌め、このモーターハウジングの外壁の壁厚により、ローターと鉄心の内輪との間のモーターエアギャップが増加する。モーターのエアギャップがモーターの効率を測定するための重要な指標であることはよく知られ、したがって、プラスチック封止されないステータ構造により、モーター効率が低く、露出した鉄心も錆びやすい。市場には三相排水モーターのステーター半封止構造もあり、即ち、コイルボビン、コイル、鉄心のハブ及び歯がエンジニアリングプラスチックで封止され、鉄心の内輪の9分割円弧面が空気中に露出している。その目的は、ローターと鉄心の内輪の9分割円弧面との間のギャップ、即ち、モーターのエアギャップを最小化してモーターの効率を向上させることであるが、鉄心の内輪の9分割円弧面が封止されないことによる錆の問題を無視し、9分割円弧面に生成される錆が、ローターの外輪との摩擦を引き起こしやすく、騒音が生じる。
【発明の概要】
【0003】
上記の従来の技術の欠点に対して、本発明は、洗濯機用三相排水モーターを提供し、従来の技術における、モーターの大きなエアギャップ、低いモーター効率、鉄心の内輪の錆による騒音という技術的問題を解決することを目的とする。
【0004】
本発明により提供される洗濯機用三相排水モーターは、以下のような具体的な技術的手段を有する。
【0005】
洗濯機用三相排水モーターであって、ステーター、ローター及び上部カバーを備え、前記ローターが前記上部カバーで前記ステーターの内部に封止され、
前記ステーターが鉄心、コイルボビン、三相コイル及びプラスチック封止部を含み、前記鉄心がハブ、内輪及び歯を含み、前記歯が前記ハブ及び前記内輪に半径方向に接続され、前記内輪が9分割円弧状構造であり、前記コイルボビンが前記歯に被覆され、前記三相コイルが前記コイルボビンに巻き回され、前記プラスチック封止部が前記コイルボビン、前記三相コイル及び前記鉄心を包んで、シームアローワンス、ローターキャビティ及び回転軸キャビティを形成し、前記シームアローワンスが前記ローターキャビティの上方に設けられ、前記回転軸キャビティが前記ローターキャビティの底部に設けられ、前記プラスチック封止部がハウジング、前記ローターキャビティの壁面及び前記回転軸キャビティの壁面を含み、前記ハウジング、前記ローターキャビティの壁面及び前記回転軸キャビティの壁面が一体に射出成形されてなり、
前記ローターに3対の極永久磁石が設けられ、かつ前記ローターキャビティ内に取り付けられ、前記ローターの回転軸が前記上部カバーを貫通して配置され、前記上部カバーが前記ステーターに取り外し可能に接続される。
【0006】
いくつかの実施形態において、前記ローターキャビティの直径は、前記シームアローワンスの直径よりも小さく、前記プラスチック封止部の材料は、BMCプラスチックであり、前記ローターキャビティの側壁面と前記鉄心の内輪の9分割円弧面との間のプラスチック封止部の壁厚は、0.6ミリメートル未満である。
【0007】
いくつかの実施形態において、前記上部カバーは、カバー本体及びシールリングを含み、前記カバー本体の軸心に軸穴が設けられ、前記カバー本体が前記ステーターに向かって突出して、取付キャビティ及び位置決めリングを形成し、前記取付キャビティ及び前記位置決めリングが前記軸穴と同軸に配置され、かつ前記位置決めリングの直径が前記取付キャビティよりも大きく、前記シールリングが前記ローターキャビティと緊密に嵌合され、前記シールリングが環状基板を含み、前記環状基板が軸方向に突出して取付部を形成し、前記取付部が筒状に成して前記シールリングと同軸に配置され、前記取付部が軸受を介して前記ローターの回転軸に嵌設され、かつ前記取付部の内壁が前記軸受と緊密に嵌合され、前記取付部が前記取付キャビティ内に緊密に嵌設され、かつ前記環状基板に位置決め溝がさらに設けられ、前記位置決めリングが前記位置決め溝と嵌合されている。
【0008】
いくつかの実施形態において、前記カバー本体の下部に複数の係止溝が設けられ、前記係止溝が前記カバー本体の外周面において軸の周りに均一に配置され、前記ステーターの上部に複数の係止ブロックが設けられ、前記係止ブロックが前記係止溝と摺動可能に係合されている。
【0009】
いくつかの実施形態において、前記カバー本体が前記ステーターから離れて突出して凹んだキャビティを形成し、前記凹んだキャビティが前記軸穴と同軸に配置されている。
【0010】
いくつかの実施形態において、前記取付キャビティと前記位置決めリングとの間に複数の補強リブが均一に配置され、前記補強リブが前記上部カバーの半径方向に沿って配置され、
前記環状基板にプラットフォームがさらに設けられ、前記プラットフォームと前記取付部との間に溝が形成され、前記溝が前記取付キャビティの縁部と係合され、前記プラットフォームが前記補強リブと嵌合され、
前記環状基板の周りに止め輪がさらに設けられ、前記止め輪と前記プラットフォームとの間に前記位置決め溝が形成され、前記位置決めリングが段階構造であり、前記位置決めリングが前記位置決め溝、前記止め輪と気密的に嵌合され、前記止め輪の外壁が突出して2つのシール外輪を形成し、前記シール外輪が互いに間隔をあけて設けられている。
【0011】
いくつかの実施形態において、前記軸受の外壁が凹んでシール溝を形成し、前記取付部の内壁にシール溝と気密的に嵌合されたシール内輪が設けられ、前記シール溝の横断面が長方形であり、シール内輪の横断面が半円形であり、前記取付部の端部が突出して環状シールリップを形成し、前記環状シールリップが前記軸穴の壁と緊密に嵌合されている。
【0012】
いくつかの実施形態において、前記回転軸キャビティにエンドスリーブが緊密に嵌設され、前記エンドスリーブの内部に貯油室が形成され、ローターのリアシャフトが前記貯油室に挿入され、前記ローターのリアシャフトが前記貯油室内に可動的に配置され、前記エンドスリーブの内孔が前記ローターのリアシャフトの外径と接触して配置され、前記ローターのリアシャフトの端面が前記貯油室の底面と間隔をあけて設けられている。
【0013】
いくつかの実施形態において、前記エンドスリーブは、支持スリーブ、ゴムスリーブ及びスリーブケースを含み、前記ゴムスリーブが前記支持スリーブに緊密に嵌設され、前記スリーブケースが前記ゴムスリーブに緊密に嵌設され、前記スリーブケースが前記回転軸キャビティ内に設けられ、
前記支持スリーブの上端に環状支持台が設けられ、前記環状支持台の直径が前記回転軸キャビティの直径よりも大きく、かつ前記ローターキャビティの上方に設けられ、それに前記ローターキャビティの底面に密着され、前記ゴムスリーブの底端が半径方向に延在して固定リングを形成し、前記固定リングの内径が支持スリーブの内径よりも小さく、前記スリーブケースのポートに複数の切り欠きが均一に設けられ、前記切り欠きの深さが前記ゴムスリーブの高さよりも小さい。
【0014】
本発明は、以下の有益な効果を有する。本考案により提供される洗濯機用三相排水モーターであって、鉄心の内輪が9分割円弧状構造であり、コイルボビン、三相コイル及び鉄心が全部プラスチック封止部によって被覆され、前記プラスチック封止部は、ローターキャビティの壁面、ローターキャビティの底部丸穴の壁面及びシームアローワンスの壁面を含み、前記ローターキャビティの壁面、回転軸キャビティの壁面及びシームアローワンスの壁面が一体に射出成形してなる。ローターキャビティの壁面は、モーターのエアギャップを低減し、モーターの効率を向上させるとともに、鉄心の内輪の9分割円弧面の錆による騒音問題を防止した。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1は、本発明の洗濯機用三相排水モーターの概略平面図である。
図2は、本発明の鉄心、三相コイル及びコイルボビンの立体構造の模式図である。
図3は、本発明の鉄心の立体構造の模式図である。
図4は、本発明のカバー本体の概略平面図である。
図5は、本発明のカバー本体の立体構造の模式図である。
図6は、本発明のステーターの立体構造の模式図である。
図7は、本発明のシールリングの概略平面図である。
図8は、本発明の軸受の構造模式図である。
図9は、本発明のステーターの概略平面図である。
図10は、本発明のエンドスリーブの立体構造の模式図である。
図11は、本発明の支持スリーブの立体構造の模式図である。
図12は、本発明のゴムスリーブの立体構造の模式図である。
図13は、本発明のスリーブケースの立体構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の目的、技術的解決手段、及び利点をより明確にするために、以下、特定の実施例と併せて、添付の図面1~13を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。
【0017】
本発明により提供される洗濯機用三相排水モーターは、以下の具体的な解決手段を有する。
【0018】
洗濯機用三相排水モーターであって、ステーター1、ローター2及び上部カバー3を備え、ローター2が上部カバー3でステーター1の内部に封止される。ステーター1が鉄心11、コイルボビン12、三相コイル13及びプラスチック封止部14を含み、鉄心11がハブ111、内輪112及び歯113を含み、歯113がハブ111及び内輪112に半径方向に接続され、内輪112が9分割円弧状構造であり、コイルボビン12が歯113に被覆され、三相コイル13がコイルボビン12に巻き回され、プラスチック封止部14がコイルボビン12、三相コイル13及び鉄心11を包んで、シームアローワンス126、ローターキャビティ125及び回転軸キャビティ127を形成し、シームアローワンス126が回転軸キャビティ127の上方に設けられ、回転軸キャビティ127がローターキャビティ125の底部に設けられる。プラスチック封止部14がハウジング141、ローターキャビティ125の壁面及び回転軸キャビティ127の壁面を含み、ハウジング141、ローターキャビティ125の壁面及び回転軸キャビティ127の壁面が一体に射出成形されてなる。このようにして、ローターキャビティ125内に水又は湿った空気が入って、内輪112が錆び、生成した錆が、ローター2の外輪と摩擦して騒音を発生することを防止する。内輪112の円弧状構造間のギャップは、プラスチック封止部14によって充填され、ローターキャビティ125の壁面と一体に射出成形され、これにより、ローターキャビティ125の内壁の安定性及び強度を高めた。ローター2に3対の極永久磁石が設けられ、かつローターキャビティ125内に取り付けられ、ローター2の回転軸が上部カバー3を貫通して配置され、上部カバー3がステーター1に取り外し可能に接続され、これにより、上部カバー3を取り外しやすく、モーター内部のローター2を交換しやすい。
【0019】
さらに、ローターキャビティ125の直径がシームアローワンス126の直径よりも小さく、ローターキャビティ125がローター2を収容し、回転軸キャビティ127がローターのリアシャフト21を収容及び支持し、シームアローワンス126がローター 2のフロントシャフトアセンブリを支持し、プラスチック封止部14の材料がBMCプラスチックであり、ローターキャビティ125の側壁面1251と鉄心11の内輪112の9分割円弧面との間のプラスチック封止部14の壁厚(t)が、0.6ミリメートル未満である。ローターキャビティ125の側壁の壁厚の安定性及び強度を確保し、かつローターキャビティ125の壁面とローター2の外輪との間に摩擦がないことを条件として、tが小さければ小さいほどよく、好ましくは、tが0.3ミリメートルから0.4ミリメートルの範囲で選択される。これにより、ローター2と内輪112の間のギャップ、即ち、モーターのエアギャップを低減し、モーターの効率を向上させるとともに、9分割円弧面の錆が、ローター2の外輪と摩擦して騒音を発生することを防ぐこともできる。
【0020】
さらに、上部カバー3は、カバー本体31及びシールリング32を含み、カバー本体31の軸心に軸穴311が設けられ、カバー本体31がステーター1に向かって突出して、取付キャビティ312及び位置決めリング313を形成し、取付キャビティ312及び位置決めリング313が軸穴311と同軸に配置され、かつ位置決めリング313の直径が取付キャビティ312よりも大きく、位置決めリング313が取付キャビティ312の周りに設けられる。シールリング32がローターキャビティ125と緊密に嵌合され、これにより、ローターキャビティ125のシール性を確保する。シールリング32が環状基板321を含み、環状基板321が軸方向に突出して取付部322を形成し、取付部322が筒状に成してシールリング32と同軸に配置され、取付部322が軸受33を介してローター2の回転軸に嵌設され、かつ取付部322の内壁が軸受33と緊密に嵌合され、取付部322が取付キャビティ312内に緊密に嵌設され、かつ環状基板321に位置決め溝323がさらに設けられ、位置決めリング313が位置決め溝323と嵌合され、位置決め溝323と位置決めリング313との相互嵌合により、シール性をさらに向上させ、水がモーターシャフトに入ることをより効果的に防ぐことができる。
【0021】
さらに、カバー本体31がステーター1から離れて突出して凹んだキャビティ317を形成し、凹んだキャビティ317が軸穴311と同軸に配置されている。このようにして、凹んだキャビティ317は、異物がインペラ及びモーターの出力軸の根元に巻かれることを効果的に防止する。
【0022】
さらに、カバー本体31の下部に複数の係止溝314が設けられ、係止溝314がカバー本体31の外周面において軸の周りに均一に配置され、ステーター1の上部に複数の係止ブロック128が設けられ、係止ブロック128が係止溝314と摺動可能に係合されている。カバー本体31は、係止ブロック128を介して係止溝314と摺動可能に係合され、着脱しやすく、ローター2の交換が容易である。
【0023】
さらに、取付キャビティ312と位置決めリング313との間に複数の補強リブ316が均一に配置され、補強リブ316が上部カバー3の半径方向に沿って配置され、環状基板321に補強リブ324がさらに設けられ、補強リブ324と取付部322との間に溝326が形成され、溝326が取付キャビティ312の縁部と係合され、補強リブ324が補強リブ316と嵌合され、このようにして、補強リブ316を配置することにより、一方では、軸穴311の周りの強度を向上させ、他方では、シールリング32と協働してシール性をさらに向上させる。
【0024】
環状基板321の周りに止め輪327がさらに設けられ、止め輪327と補強リブ324との間に位置決め溝323が形成され、位置決めリング313が段階構造であり、位置決めリング313が位置決め溝323、止め輪327と気密的に嵌合され、止め輪327の外壁が突出して2つのシール外輪328を形成し、シール外輪328が互いに間隔をあけて設けられている。このようにして、位置決めリング313と位置決め溝323との間の緊密な嵌合により、シールリング32とカバー本体31との間のシール性をさらに強化し、シール外輪328により、シールリング32とローターキャビティ125との間のシール性を強化し、カバー本体31とステーター1の外輪との接合部から浸透した水がステーター1のキャビティに入ることを防止し、モーター全体の防水性能を向上させた。
【0025】
さらに、軸受33の外壁が凹んでシール溝331を形成し、取付部322の内壁に、シール溝331と気密的に嵌合されたシール内輪34が設けられ、シール溝331の横断面が長方形であり、シール内輪34の横断面が半円形であり、このようにして、取付部322が軸受33に嵌設され、シール溝331とシール内輪34との係合により、取付部322と軸受33との気密的な嵌合を実現した。取付部322の端部が突出して環状シールリップ329を形成し、環状シールリップ329が軸穴311の壁と緊密に嵌合されている。このようにして、ローター2の回転軸は、軸穴311を貫通し、環状シールリップ329によって軸穴311でのシール性を確保した。
【0026】
さらに、回転軸キャビティ127に、エンドスリーブ4が緊密に嵌設され、エンドスリーブ4は、回転軸キャビティ127内にローター2の回転軸によって回転駆動されることがない。エンドスリーブ4の内部に、潤滑油を貯留するための貯油室44が形成されている。ローターのリアシャフト21が貯油室44に挿入され、ローターのリアシャフト21が貯油室44内に可動的に配置され、エンドスリーブ4の内孔がローターのリアシャフト21の外径と接触して配置され、即ち、貯油室44の内壁側面がローターのリアシャフト21の外壁側面と接触して配置され、エンドスリーブ4の内壁側面と接触して配置され、これにより、回転中のローター2の回転軸の安定性を確保し、回転偏差を引き起こさないようにする。ローターのリアシャフト21の端面と貯油室44の底面とは、間隔をあけて設けられ、ローターのリアシャフト21によるエンドスリーブ4の底部への摩耗の可能性を低減する。エンドスリーブ4は、ローター2の回転軸と回転軸キャビティ127との間に配置され、ローター2による回転軸キャビティ127の側壁への摩耗を防止し、潤滑油の貯留空間を形成し、回転軸キャビティ127から潤滑油が漏れる可能性を効果的に防止し、モーターの油漏れの可能性を大幅に低減した。
【0027】
さらに、エンドスリーブ4は、支持スリーブ41、ゴムスリーブ42及びスリーブケース43を含み、ゴムスリーブ42が支持スリーブ41に緊密に嵌設され、スリーブケース43がゴムスリーブ42に緊密に嵌設され、スリーブケース43が回転軸キャビティ127内に設けられ、ゴムスリーブ42が支持スリーブ41とスリーブケース43との間に設けられ、支持スリーブ41とスリーブケース43との間の摩擦力を増加して、エンドスリーブ4が回転軸により駆動されることを防止するとともに、シール性を向上させ、潤滑油が回転軸キャビティ127に流れ込むことを避けた。
【0028】
支持スリーブ41の上端に環状支持台41が設けられ、環状支持台41の直径が回転軸キャビティ127の直径よりも大きく、かつ回転軸キャビティ127の上方に設けられ、それにローターキャビティ125の底面に密着され、このようにして、環状支持台41がローター2を支持して、ローター2とローターキャビティ125の底面との間の間隔を実現し、ローター2の回転によるローターキャビティ125の底面への摩耗を回避し、潤滑油が回転軸キャビティ127に流れ込むことをさらに防止する。ゴムスリーブ42の底端が半径方向に延在して固定リング42を形成し、固定リング42の内径が支持スリーブ41の内径よりも小さく、固定リング42が支持スリーブ41の底部と接触し、それ自体の摩擦力により、ゴムスリーブ42がずれないように確保する。スリーブケース43のポートに複数の切り欠き43が均一に設けられ、切り欠き43の深さがゴムスリーブ42の高さよりも小さい。このようにして、支持スリーブ41とゴムスリーブ42の着脱が容易である。
【0029】
本発明により提供される洗濯機用三相排水モーターであって、プラスチック封止部14により、ローターキャビティ125内に水又は湿った空気が入って、内輪112が錆び、生成した錆が、ローター2の外輪と摩擦して騒音を発生することを防止する。ステーター1の鉄心11の内輪112の9分割円弧面間のギャップに充填されたプラスチック封止部14が、ローターキャビティ125の壁面と一体に射出成形され、これにより、ローターキャビティ125の内壁の安定性及び強度を高めた。シールリング32は、上部カバー3の軸穴でのシール性を確保し、かつローターキャビティ125のシール性を確保し、モーターシャフトに水が入ることをさらに効果的に防止し、シールリング32は、ローターキャビティ125と嵌合して、カバー本体31とステーター1の外輪との接合部から浸透した水がステーター1のキャビティに入ることを防止し、モーター全体の防水性能を向上させた。また、エンドスリーブ4は、ローター2の回転軸と回転軸キャビティ127との間に配置され、ローター2による回転軸キャビティ127の側壁への摩耗を防止し、潤滑油の貯留空間を形成し、回転軸キャビティ127から潤滑油が漏れる可能性を効果的に防止し、モーターの油漏れの可能性を大幅に低減した。このように、本発明により提供される洗濯機用三相排水モーターは、プラスチック封止部14、シールリング32及びエンドスリーブ4を配置することにより、モーター内部の騒音を防ぎ、モーターの寿命を延ばす。
【0030】
上記は、本発明の好ましくかつ実行可能な実施例にすぎず、本発明を限定するものではなく、本発明も、上記の例に限定されない。当業者は、本発明の本質的な範囲内で行われた変更、修正、追加又は置換も、本発明の保護範囲に属するべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】