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特表2022-503351オイルタンク内部の上面と下面を連結する支持体
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  • 特表-オイルタンク内部の上面と下面を連結する支持体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(54)【発明の名称】オイルタンク内部の上面と下面を連結する支持体
(51)【国際特許分類】
   B60K 15/03 20060101AFI20220104BHJP
   B29C 49/20 20060101ALI20220104BHJP
   B60K 15/073 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
B60K15/03 B
B29C49/20
B60K15/073 100
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020558968
(86)(22)【出願日】2019-04-24
(85)【翻訳文提出日】2020-11-18
(86)【国際出願番号】 IB2019000536
(87)【国際公開番号】W WO2019207362
(87)【国際公開日】2019-10-31
(31)【優先権主張番号】201810372698.8
(32)【優先日】2018-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201820590658.6
(32)【優先日】2018-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514191184
【氏名又は名称】亜普汽車部件股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】YAPP AUTOMOTIVE SYSTEMS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】508th Yangzijiang South Road Yangzhou, Jiangsu 225009, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】劉 亮
(72)【発明者】
【氏名】蘇 衛東
(72)【発明者】
【氏名】竇 文娟
(72)【発明者】
【氏名】姜 林
【テーマコード(参考)】
3D038
4F208
【Fターム(参考)】
3D038CA03
3D038CA04
3D038CA18
3D038CA19
3D038CC20
4F208AD18
4F208AG07
4F208AH16
4F208AH17
4F208LA09
4F208LB01
4F208LB12
(57)【要約】
本発明は、上側と下側の両方に端面が設けられた連結柱を備え、前記端面はプラスチックでコーティングされ、前記連結柱には切欠きが設けられており、前記連結柱の数は少なくとも1つであり、前記端面はプラスチックでコーティングされ、前記連結柱はI字形、H字形、M字形、W字状又はその他の形状に設定されている、オイルタンク内部の上面と下面を連結する支持体に関する。当該技術的解決策によって、その強度を確保するとともに、衝突時に破損し易くなるので、オイルタンク表面の引き裂きの発生を回避し、オイルタンクの漏洩を防止し、オイルタンクの安全性を確保する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側と下側の両方に端面が設けられた連結柱を備え、前記連結柱には切欠きが設けられており、前記連結柱の数は少なくとも1つであることを特徴とする、オイルタンク内部の上面と下面を連結する支持体。
【請求項2】
前記端面はプラスチックでコーティングされ、前記連結柱はI字形、H字形、M字形、W字形又はその他の形状に設定されていることを特徴とする、請求項1に記載のオイルタンク内部の上面と下面を連結する支持体。
【請求項3】
前記切欠きは、V字形、U字形、半円形又はその他の不規則な形状に設定されていることを特徴とする、請求項2に記載のオイルタンク内部の上面と下面を連結する支持体。
【請求項4】
前記切欠きは、連結柱の左側又は右側又は中間に設けられていることを特徴とする、請求項3に記載のオイルタンク内部の上面と下面を連結する支持体。
【請求項5】
前記連結柱は、高強度エンジニアリングプラスチック製連結柱又は射出成形高強度エンジニアリングプラスチック製連結柱又は射出成形高強度補強連結レバーであることを特徴とする、請求項4に記載のオイルタンク内部の上面と下面を連結する支持体。
【請求項6】
前記連結柱に補強筋が設けられていることを特徴とする、請求項5に記載のオイルタンク内部の上面と下面を連結する支持体。
【請求項7】
後の射出成形プロセスで連結柱と端面との良好な連結を実現するように、連結柱と端面との間にホールが設けられていることを特徴とする、請求項6に記載のオイルタンク内部の上面と下面を連結する支持体。
【請求項8】
前記コーティングされた端面に、いくつかのポックマーク構造が配置されており、ポックマーク構造により中空タンク本体と溶接されていることを特徴とする、請求項5又は6又は7に記載のオイルタンク内部の上面と下面を連結する支持体。
【請求項9】
前記コーティングされた端面は平滑面とされ、予熱プレートによりコーティングされた端面は、予熱されて中空タンク本体の内壁と溶接され、或いは、コーティングされた端面に凹溝が設けられてテラス面が形成されることを特徴とする、請求項5又は6又は7に記載のオイルタンク内部の上面と下面を連結する支持体。
【請求項10】
前記連結柱は、2つ設けられ、2つの連結柱は、連結レバーにより連結され、連結レバーの材料は連結柱と同じであり、連結レバーには、端面をコーティングするとき、支持体を固定するための固定孔があることを特徴とする、請求項1に記載のオイルタンク内部の上面と下面を連結する支持体。
【請求項11】
1)二枚のダイ装置が打ち抜かれ、
2)予備成型の型板装置を金型の中間に移動させ、
3)打抜きを完了した後、半型と予備成型の型板が型締めされ、内部に高圧ブロー成型し、ハウジングの予備成型を行い、
4)プリブロー成型を一定の時間行った後、金型が開かれ、
5)中間における予備成型の型板装置が取り出されると同時に、部品内蔵機構が金型の中間における所定の位置に入り込み、
6)部品内蔵機構により内部連結構造の側の連結部材の端面をパリソンにおける所定の位置に連結し、
7)部品内蔵機構を取り出し、
8)金型を再度閉型し、内部連結構造の他方側の連結部材の端面を他方側のパリソンにおける所定の位置に連結し、
9)高圧ブローして中空タンク本体の仕上げ成型を完了し、
10)金型を開けて、製品を取り出すことを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の支持部品を備える中空タンク本体の成型方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持体に関し、具体的には、オイルタンク内部の上面と下面を連結する支持体に関し、オイルタンク構造部材の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック製の燃料タンクは、軽量、防食性及び製品外観の設計自由度が高いなどの利点を有するため、現在の自動車のオイルタンクは、プラスチック製の燃料タンクを使用することが多い。プラスチック製の燃料タンクは、多くの利点があるが、プラスチック製の燃料タンクに用いられる材料は、HDPEであるので、通常のプラスチック製の燃料タンクの燃料の重力による変形に対する抵抗及び湿潤エイジングの作用による変形に対する抵抗といった耐圧変形に対する抵抗が不十分である。また、ある特別なエンジニアリング分野、例えば、プラグインハイブリッドカーの燃料タンクでは、燃料タンクの内部高圧を維持する必要があるときに高圧変形を防止する能力を有する必要がある。従来技術では、ブロー成型プロセスで金型によってプラスチックパリソンの上面と下面の一部の領域を押出して連結するいわゆるKISS-OFF構造を採用しているが、当該構造は、連結強度が低く、オイルタンクの定格容積を大幅に犠牲にするため、経済性が低い。他の一般的な技術は、オイルタンク内にいくつかの支持柱を設けることにより、支持柱を用いてオイルタンクを支持することである。例えば、従来技術であるCN104477027Aで用いられる支持柱は、金属ロッドであり、金属ロッドはプラスチックでコーティングされているが、このような金属部材を含むピラーは、製造コストが高く、帯電防止処理を行う必要があり、ピラーの中間部分は、金属を含み、強度が両端の連結部分よりも高くなることにより、ピラーの両端の連結部分が壊れやすくなる。また、金属は、密度が高いので、中空タンク本体の重量を大幅に増加させてしまう。オイルタンクを支持する前記2の手段は、いずれもオイルタンクの強度を向上させるが、オイルタンクが衝突するとき、従来技術の支持柱は、強度が大きく、破損しにくいことにより、オイルタンク表面に引き裂きを生じ、オイルタンクの漏洩を起こし、危険を引き起こす。したがって、オイルタンクの強度を向上させるとともに、オイルタンクが衝突するときに直ちに破損し、オイルタンクの引き裂きを生じないようにすることが可能である支持体が望まれる。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、従来技術に存在する技術的課題に対して、オイルタンク内部の上面と下面を連結する支持体を提供する。当該技術的解決策は、構造全体の設計が独創的で、コンパクトであり、当該技術的解決策は、その強度を確保するとともに、衝突時に破損し易くなるので、オイルタンク表面の引き裂きの発生を回避し、オイルタンクの漏洩を防止し、オイルタンクの安全性を確保する。
【0004】
前記目的を実現するために、本発明の技術的解決策は、以下のとおりである。上側と下側の両方に端面が設けられた連結柱を備え、前記連結柱には切欠きが設けられており、前記連結柱の数は少なくとも1つであることを特徴とする、オイルタンク内部の上面と下面を連結する支持体である。前記端面の形状は、円形、楕円形、三日月形、四角形又は不規則な形状である。具体的な応用において、両側の連結端面は、同じ大きさに設定されてもよく、異なる大きさに設定されてもよい。実際の応用において、一般的には、先に溶融パリソンと連結する側の連結端面の大きさを適切に大きくして、連結性能を最適化する。連結端面は、溶融したオイルタンクの二枚のパリソンと連結することを目的とするため、連結端面の形状及び大きさを、実際の状況に応じて自主的に選択する必要がある。技術的解決策全体は、構造設計が独創的であり、コストが低く、オイルタンクの耐高圧強度の要求を満たす。
【0005】
本発明の改良として、前記連結柱は、I字形、H字形、M字形、W字形のうちの1つに設定されている。
【0006】
本発明の改良として、前記切欠きは、V字形、U字形、半円形又はその他の不規則な形状に設定されている。
【0007】
本発明の改良として、前記切欠きは、連結柱の左側又は右側又は中間に設けられている。
【0008】
本発明の改良として、前記連結柱は、高強度エンジニアリングプラスチック製連結柱又は射出成形高強度エンジニアリングプラスチック製連結柱又は射出成形高強度補強連結レバーであり、その材質は、HDPR、POM、PA、PPAなどの樹脂又はエンジニアリングプラスチックを含む。
【0009】
本発明の改良として、前記連結柱に補強筋が設けられており、連結装置の耐圧性能をさらに向上させる。
【0010】
本発明の改良として、後の射出成形プロセスで連結柱と端面との良好な連結を実現し、引張力による連結柱と端面との脱離を防止するように、連結柱と端面との間にホールが設けられている。
【0011】
本発明の改良として、前記コーティングされた端面に、いくつかのポックマーク構造が配置されており、ポックマーク構造により中空タンク本体と溶接されている。
【0012】
本発明の改良として、前記コーティングされた端面は平滑面とされ、予熱プレートによりコーティングされた端面は、予熱されて中空タンク本体の内壁と溶接され、或いは、コーティングされた端面に凹溝が設けられてテラス面が形成され、溶接、予熱を行うとき、溶融した材料は、端面から流出し難くなる。
【0013】
本発明の改良として、前記連結柱は、2つ設けられ、2つの支持柱は、相対的に湾曲し、より破断しやすくなり、2つの連結柱は、連結レバーにより連結され、連結レバーの材料は連結柱と同じであり、連結レバーには、端面をコーティングするとき、支持体を固定するための固定孔がある。
【0014】
従来技術に対して、本発明の利点は、以下のとおりである。1)本発明は、構造全体の設計が独創的であり、構造がコンパクトであり、実用性が高い。当該技術的解決策では、連結柱に切欠き設計を設けることで、オイルタンクの強度が損なわれない場合、切欠き効果により衝突時に連結柱がより破断しやすくなり、オイルタンク表面の引き裂きの発生を回避し、オイルタンクの漏洩を防止する。2)当該解決策における連結柱は、高強度エンジニアリングプラスチック製連結柱又は射出成形高強度エンジニアリングプラスチック製連結柱又は射出成形高強度補強連結レバーであり、その材質は、HDPR、POM、PA、PPAなどの樹脂又はエンジニアリングプラスチックを含み、質量がより軽くなり、現代の自動車の軽量化の要求により好適に応じるようになる。3)全体の構造設計が独創的であり、工程及び材料が削減され、コストが低くなり、配置位置がより柔軟になり、オイルタンクのさまざまな位置、特にオイルポンプポートの位置に適用でき、加熱保温効果が高く、消費電力が低く、製造コストが低く、信頼性が高いという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の全体構造模式図である。
図2】ポックマーク端面の構造模式図である。
図3】本発明の立体構造模式図である。
図4図1の側面構造模式図である。
図5】テラス端面の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に対する理解及び認識を深めるために、以下、図面及び具体的な実施形態によって、本発明をさらに説明し紹介する。
【0017】
実施例1:図1を参照されたい。オイルタンク内部の上面と下面を連結する支持体は、上側と下側の両方に端面2が設けられた連結柱1を備え、前記端面2はプラスチックでコーティングされ、前記連結柱1に切欠き5が設けられており、前記連結柱1の数は少なくとも1つである。当該技術的解決策において、連結柱の数を2つとし、全体形状をH字形とし、2つの連結柱は、連結レバー3により連結され、連結レバーには、端面をコーティングするとき、支持体全体を固定するための固定孔4が設けられている。支持体の上下端面の間に2つの連結柱がある場合、連結柱は、中実であり、当該支持柱は、中空の支持柱よりも端面の横断面の直径が小さく、円弧をなしているので、オイルタンク内の部品の付近、特に、変形量の大きいオイルポンプの付近に近接して設けることができ、単一の連結柱からなる支持体がオイルタンク内の部品に近接して設けることができないことによる欠点を補う。連結柱における切欠きにより応力、歪みが集中し、切欠き効果が発生し、オイルタンクが衝突するとき又は衝撃を受けるとき、発生した応力は、切欠きに集中するため、支持柱は、まず切欠きで破断して、支持体がオイルタンクを破壊しないことを確保する。
【0018】
実施例2:図1図3図4を参照されたい。本発明の改良として、前記連結柱1も、さらにI字形、M字形、W字形のうちの1つに設定されている。前記切欠き5は、V字形、U字形、半円形又はその他の不規則な形状に設定されている。当該切欠きは、主に、オイルタンクの強度が損なわれない場合、切欠き効果により衝突時に連結柱1がより破断しやすくなり、オイルタンク表面の引き裂きの発生を回避し、オイルタンクの漏洩を防止するために設けられている。その他の構造及び利点は、実施例1と全く同じである。
【0019】
実施例3:図1図3図4を参照されたい。本発明の改良として、前記切欠き5は、連結柱の左側及び/又は右側及び/又は中間に設けられている。多くの実験を経て、切欠きを連結柱の中間位置に設けると破断効果が最も好ましく、また、異なる連結柱の高さにより、切欠きの大きさも、形状も調整される必要があることが証明された。その他の構造及び利点は、実施例1と全く同じである。
【0020】
実施例4:図1を参照されたい。本発明の改良として、前記連結柱1は、高強度エンジニアリングプラスチック製連結柱又は射出成形高強度エンジニアリングプラスチック製連結柱又は射出成形高強度補強連結レバーであり、その材質は、HDPR、POM、PA、PPAなどの樹脂又はエンジニアリングプラスチックを含む。その他の構造及び利点は、実施例1と全く同じである。
【0021】
実施例5:図1を参照されたい。本発明の改良として、前記連結柱1に補強筋が設けられており、連結装置の耐圧性能をさらに向上させる。その他の構造及び利点は、実施例1と全く同じである。
【0022】
実施例6:図1を参照されたい。本発明の改良として、後の射出成形プロセスで連結柱と端面との良好な連結を実現し、引張力による連結柱と端面との脱離を防止するように、連結柱1と端面2との間にホールが設けられている。その他の構造及び利点は、実施例1と全く同じである。
【0023】
実施例7:図1図2図3図5を参照されたい。本発明の改良として、前記コーティングされた端面に、いくつかのポックマーク構造7が配置されており、ポックマーク構造により中空タンク本体と溶接され、もしくは、前記コーティングされた端面は平滑面とされ、予熱プレートによりコーティングされた端面は、予熱されて中空タンク本体の内壁と溶接され、或いは、コーティングされた端面に凹溝6が設けられてテラス面が形成される。溶接、予熱を行うとき、溶融した材料は、端面から流出し難くなる。その他の構造及び利点は、実施例1と全く同じである。
【0024】
本発明は、さらに実施例2、3、4、5、6、7に記載されている技術的特徴と実施例1とを組み合わせて新たな実施形態を形成することができる。
【0025】
なお、前記実施例は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するためのものではなく、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に準じるべきである。
【符号の説明】
【0026】
1 連結柱
2 端面
3 連結レバー
4 固定孔
5 切欠き
6 凹溝
7 ポックマーク
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】