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特表2022-503370表示基板マザーボード及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(54)【発明の名称】表示基板マザーボード及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/00 20060101AFI20220104BHJP
【FI】
H05K3/00 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020564869
(86)(22)【出願日】2019-08-30
(85)【翻訳文提出日】2020-11-19
(86)【国際出願番号】 CN2019103715
(87)【国際公開番号】W WO2020088082
(87)【国際公開日】2020-05-07
(31)【優先権主張番号】201811279971.9
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100133514
【弁理士】
【氏名又は名称】寺山 啓進
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】杜 麗麗
(72)【発明者】
【氏名】龍 躍
(72)【発明者】
【氏名】周 宏軍
(72)【発明者】
【氏名】宋 二龍
(72)【発明者】
【氏名】曾 超
(57)【要約】
本開示は、表示の技術分野に関し、表示基板マザーボード及びその製造方法を開示する。本開示の実施例に係る技術手段は、表示基板マザーボード上のマークパターンを、小面積のアイランド型のフィルムパターンではなく、フィルムに形成されたビアホールとして設定することにより、マークパターンの脱落の可能性を解消し、製品の信頼性及び歩留まり率をさらに保証する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれの周辺にマーク領域を有する少なくとも2つの表示パネル領域を含むサブストレートを含む表示基板マザーボードの製造方法であって、
前記マーク領域に第1のフィルムを形成することと、
前記第1のフィルムをパターニングすることにより、複数のマークパターンを形成することと、を含み、
前記マークパターンは、前記第1のフィルムに形成されたビアホールである、表示基板マザーボードの製造方法。
【請求項2】
前記サブストレートの表示パネル領域に第2のフィルムを形成することと、
前記第2のフィルムをパターニングすることにより、前記第2のフィルムのパターンを形成することと、をさらに含み、
前記マーク領域に第1のフィルムを形成し、前記サブストレートの表示パネル領域に第2のフィルムを形成することは、
同一の材料を用いて1回の成膜プロセスにより前記第1のフィルム及び第2のフィルムを同時に形成することを含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記第1のフィルム及び第2のフィルムをパターニングするステップは、
マスクプレートを利用して1回のパターニングプロセスを用いて前記表示パネル領域の第2のフィルム及び対応するマーク領域の第1のフィルムを同時にパターニングして、前記第2のフィルムのパターンと前記第1のフィルム上に位置するマークパターンとを形成し、該マスクプレートを利用して全ての表示パネル領域の第2のフィルムと、対応するマーク領域の第1のフィルムとを順にパターニングすることを含み、
形成された前記マークパターンは、前記表示パネル領域の一側に位置する少なくとも1つの第1のマークパターンと、対向する他側に位置する少なくとも1つの第2のマークパターンとを含み、隣接する2つの表示パネル領域の間のマーク領域は、第1のマークパターン及び第2のマークパターンを有して、隣接する2つの表示パネル領域の間のマーク領域に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン及び第2のマークパターンの設定距離に対するズレ量に基づいて、該2つの隣接する表示パネル領域の第2のフィルムに対するパターニングプロセスにおける露光ズレ量を取得する、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記表示基板マザーボードは、有機電界発光の表示基板マザーボードであり、
前記第2のフィルムをパターニングすることにより前記第2のフィルムのパターンを形成することは、
前記第2のフィルムをパターニングして、前記有機電界発光の表示基板マザーボードの平坦層又は画素定義層を形成することを含む、請求項2又は3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記表示基板マザーボードは、液晶表示基板マザーボードであり、
前記第2のフィルムをパターニングすることにより前記第2のフィルムのパターンを形成することは、
前記第2のフィルムをパターニングして、前記液晶表示基板マザーボードの平坦層を形成することを含む、請求項2又は3に記載の製造方法。
【請求項6】
前記第1のフィルム及び第2のフィルムの材料は、フォトレジストである、請求項2~5のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項7】
前記第2のフィルムをパターニングすることにより前記第2のフィルムのパターンを形成することは、
前記サブストレートの少なくとも1つの表示パネル領域における第2のフィルムをパターニングする場合、前記マークパターンによりマスクプレートと表示パネル領域とを位置合わせし、前記マスクプレートを利用して前記第2のフィルムをパターニングすることを含む、請求項2~6のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項8】
それぞれの周辺にマーク領域を有する少なくとも2つの表示パネル領域を含むサブストレートと、
前記マーク領域に位置する第1のフィルムとを含み、前記第1のフィルムは、前記第1のフィルムに形成されたビアホールである複数のマークパターンを含む、表示基板マザーボード。
【請求項9】
前記サブストレート上に設けられ、前記表示パネル領域に位置する第2のフィルムをさらに含む、請求項8に記載の表示基板マザーボード。
【請求項10】
前記第1のフィルムと前記第2のフィルムは、同一のフィルムである、請求項9に記載の表示基板マザーボード。
【請求項11】
前記マークパターンは、前記表示パネル領域の一側に位置する少なくとも1つの第1のマークパターンと、対向する他側に位置する少なくとも1つの第2のマークパターンとを含み、隣接する2つの表示パネル領域の間には、第1のマークパターン及び第2のマークパターンを有して、隣接する2つの表示パネル領域の間のマーク領域に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン及び第2のマークパターンの設定距離に対するズレ量に基づいて、該2つの隣接する表示パネル領域の第1のフィルムに対するパターニングプロセスにおける露光ズレ量を取得することができる、請求項9又は10に記載の表示基板マザーボード。
【請求項12】
前記表示パネル領域の周辺に位置する第1のマークパターンと、位置が対応する第2のマークパターンは、前記サブストレートの側面上の垂直投影線分が少なくとも部分的に重なり、かつ、位置が対応する第1のマークパターンの中心と第2のマークパターンの中心との第1の結び線が実質的に第1の方向に沿って延び、
前記サブストレートは、第1の方向に隣接する2つの表示パネル領域を含み、該2つの表示パネル領域の中心の第2の結び線は、前記第1の結び線と平行であり、該2つの表示パネル領域の中心の間の距離は、表示パネル領域の対向する両側に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターンの中心と第2のマークパターンの中心との間の距離と実質的に同じであり、前記設定距離はゼロである、請求項11に記載の表示基板マザーボード。
【請求項13】
前記表示パネル領域の対向する両側に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン及び第2のマークパターンは、該表示パネル領域の前記第1の結び線に垂直な中心軸に対して実質的に対称に分布する、請求項12に記載の表示基板マザーボード。
【請求項14】
前記第1のマークパターン及び第2のマークパターンは、形状及び孔径寸法が実質的に同じである、請求項13に記載の表示基板マザーボード。
【請求項15】
前記サブストレートは、実質的にマトリクス状に分布する少なくとも4つの表示パネル領域を含む、請求項13に記載の表示基板マザーボード。
【請求項16】
前記表示基板マザーボードは、有機電界発光の表示基板マザーボードであり、
前記第2のフィルムは、前記有機電界発光の表示基板マザーボードの平坦層又は画素定義層である、請求項9~15のいずれか1項に記載の表示基板マザーボード。
【請求項17】
前記表示基板マザーボードは、液晶表示基板マザーボードであり、
前記第2のフィルムは、前記液晶表示基板マザーボードの平坦層である、請求項9~15のいずれか1項に記載の表示基板マザーボード。
【請求項18】
前記マークパターンは、規則的な形状を有するビアホールである、請求項8~17のいずれか1項に記載の表示基板マザーボード。
【請求項19】
前記ビアホールは、矩形孔、十字形孔、三角形孔の少なくとも1つを含む、請求項18に記載の表示基板マザーボード。
【請求項20】
前記マークパターンは、不規則的な形状を有するビアホールである、請求項8~17のいずれか1項に記載の表示基板マザーボード。
【請求項21】
隣接する2つの表示パネル領域の間のマーク領域に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン及び第2のマークパターンの設定距離に対するズレ量に基づいて、該2つの隣接する表示パネル領域の第2のフィルムに対するパターニングプロセスにおける露光ズレ量を取得することを含む、請求項3~7のいずれか1項に記載の表示基板マザーボードの製造過程における露光ズレ量を取得する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2018年10月30日に提出された中国特許出願第201811279971.9号の優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、表示の技術分野に関し、特に、表示基板マザーボード及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
表示基板の製造ラインは、一枚の表示基板マザーボードに複数の表示基板を製造することであり、即ち、一枚の基板は、複数の表示パネル領域を含み、各表示パネル領域には、表示基板の全ての機能フィルムパターンが設けられている。全ての表示基板の製造が完了した後、切断プロセスにより複数の独立した表示基板に切断する。表示基板マザーボードの製造過程において、表示パネル領域の周辺にいくつかのマークパターンを製造する必要があり、位置合わせ、露光ズレ量の取得などに用いられる。従来のマークパターンは、小面積のフィルムパターンであり、小面積のマークパターンが非常に脱落しやすく、基板の表示パネル領域に洗い流されれば、製品の性能に影響を与え、ひいては製品が正常に作動できなくなる。
【発明の概要】
【0004】
第1の態様では、本開示の実施例に係る、それぞれの周辺にマーク領域を有する少なくとも2つの表示パネル領域を含むサブストレートを含む表示基板マザーボードの製造方法は、前記マーク領域に第1のフィルムを形成することと、前記第1のフィルムをパターニングすることにより、複数のマークパターンを形成することと、を含む。前記マークパターンは、前記第1のフィルムに形成されたビアホールである。
【0005】
本開示のいくつかの実施可能な実施例によれば、前記製造方法は、前記サブストレートの表示パネル領域に第2のフィルムを形成することと、前記第2のフィルムをパターニングすることにより、前記第2のフィルムのパターンを形成することと、をさらに含み、前記マーク領域に第1のフィルムを形成し、前記サブストレートの表示パネル領域に第2のフィルムを形成することは、同一の材料を用いて1回の成膜プロセスにより前記第1のフィルム及び第2のフィルムを同時に形成することを含む。
【0006】
本開示のいくつかの実施可能な実施例によれば、前記第1のフィルム及び第2のフィルムをパターニングするステップは、マスクプレートを利用して1回のパターニングプロセスを用いて前記表示パネル領域の第2のフィルム及び対応するマーク領域の第1のフィルムを同時にパターニングして、前記第2のフィルムのパターンと前記第1のフィルム上に位置するマークパターンとを形成し、該マスクプレートを利用して全ての表示パネル領域の第2のフィルムと、対応するマーク領域の第1のフィルムとを順にパターニングすることを含み、形成された前記マークパターンは、前記表示パネル領域の一側に位置する少なくとも1つの第1のマークパターンと、対向する他側に位置する少なくとも1つの第2のマークパターンとを含み、隣接する2つの表示パネル領域の間のマーク領域は、第1のマークパターン及び第2のマークパターンを有して、隣接する2つの表示パネル領域の間のマーク領域に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン及び第2のマークパターンの設定距離に対するズレ量に基づいて、該2つの隣接する表示パネル領域の第2のフィルムに対するパターニングプロセスにおける露光ズレ量を取得する。
【0007】
本開示のいくつかの実施可能な実施例によれば、前記表示基板マザーボードは、有機電界発光の表示基板マザーボードであり、前記第2のフィルムをパターニングすることにより前記第2のフィルムのパターンを形成することは、前記第2のフィルムをパターニングして、前記有機電界発光の表示基板マザーボードの平坦層又は画素定義層を形成することを含む。
【0008】
本開示のいくつかの実施可能な実施例によれば、前記表示基板マザーボードは、液晶表示基板マザーボードであり、前記第2のフィルムをパターニングすることにより前記第2のフィルムのパターンを形成することは、前記第2のフィルムをパターニングして、前記液晶表示基板マザーボードの平坦層を形成することを含む。
【0009】
本開示のいくつかの実施可能な実施例によれば、前記第1のフィルム及び第2のフィルムの材料は、フォトレジストである。
【0010】
本開示のいくつかの実施可能な実施例によれば、前記第2のフィルムをパターニングすることにより前記第2のフィルムのパターンを形成することは、前記サブストレートの少なくとも1つの表示パネル領域における第2のフィルムをパターニングする場合、前記マークパターンによりマスクプレートと表示パネル領域とを位置合わせし、前記マスクプレートを利用して前記第2のフィルムをパターニングすることを含む。
【0011】
第2の態様では、本開示の実施例に係る表示基板マザーボードは、それぞれの周辺にマーク領域を有する少なくとも2つの表示パネル領域を含むサブストレートと、前記マーク領域に位置する第1のフィルムとを含み、前記第1のフィルムは、前記第1のフィルムに形成されたビアホールである複数のマークパターンを含む。
【0012】
本開示のいくつかの実施可能な実施例によれば、前記表示基板マザーボードは、前記サブストレート上に設けられ、前記表示パネル領域に位置する第2のフィルムをさらに含む。
【0013】
本開示のいくつかの実施可能な実施例によれば、前記第1のフィルムと前記第2のフィルムは、同一のフィルムである。
【0014】
本開示のいくつかの実施可能な実施例によれば、前記マークパターンは、前記表示パネル領域の一側に位置する少なくとも1つの第1のマークパターンと、対向する他側に位置する少なくとも1つの第2のマークパターンとを含み、隣接する2つの表示パネル領域の間には、第1のマークパターン及び第2のマークパターンを有して、隣接する2つの表示パネル領域の間のマーク領域に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン及び第2のマークパターンの設定距離に対するズレ量に基づいて、該2つの隣接する表示パネル領域の第1のフィルムに対するパターニングプロセスにおける露光ズレ量を取得することができる。
【0015】
本開示のいくつかの実施可能な実施例によれば、前記表示パネル領域の周辺に位置する第1のマークパターンと、位置が対応する第2のマークパターンは、前記サブストレートの側面上の垂直投影線分が少なくとも部分的に重なり、かつ、位置が対応する第1のマークパターンの中心と第2のマークパターンの中心との第1の結び線が実質的に第1の方向に沿って延び、前記サブストレートは、第1の方向に隣接する2つの表示パネル領域を含み、該2つの表示パネル領域の中心の第2の結び線は、前記第1の結び線と平行であり、該2つの表示パネル領域の中心の間の距離は、表示パネル領域の対向する両側に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターンの中心と第2のマークパターンの中心との間の距離と実質的に同じであり、前記設定距離はゼロである。
【0016】
本開示のいくつかの実施可能な実施例によれば、前記表示パネル領域の対向する両側に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン及び第2のマークパターンは、該表示パネル領域の前記第1の結び線に垂直な中心軸に対して実質的に対称に分布する。
【0017】
本開示のいくつかの実施可能な実施例によれば、前記第1のマークパターン及び第2のマークパターンは、形状及び孔径寸法が実質的に同じである。
【0018】
本開示のいくつかの実施可能な実施例によれば、前記サブストレートは、実質的にマトリクス状に分布する少なくとも4つの表示パネル領域を含む。
【0019】
本開示のいくつかの実施可能な実施例によれば、前記表示基板マザーボードは、有機電界発光の表示基板マザーボードであり、前記第2のフィルムは、前記有機電界発光の表示基板マザーボードの平坦層又は画素定義層である。
【0020】
本開示のいくつかの実施可能な実施例によれば、前記表示基板マザーボードは、液晶表示基板マザーボードであり、前記第2のフィルムは、前記液晶表示基板マザーボードの平坦層である。
【0021】
本開示のいくつかの実施可能な実施例によれば、前記マークパターンは、規則的な形状を有するビアホールである。
【0022】
本開示のいくつかの実施可能な実施例によれば、前記ビアホールは、矩形孔、十字形孔、三角形孔の少なくとも1つを含む。
【0023】
本開示のいくつかの実施可能な実施例によれば、前記マークパターンは、不規則的な形状を有するビアホールである。
【0024】
第3の態様では、本開示の実施例に係る、第1の態様に記載の表示基板マザーボードの製造過程における露光ズレ量を取得する方法は、隣接する2つの表示パネル領域の間のマーク領域に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン及び第2のマークパターンの設定距離に対するズレ量に基づいて、該2つの隣接する表示パネル領域の第2のフィルムに対するパターニングプロセスにおける露光ズレ量を取得することを含む。
【0025】
本開示の実施例又は従来技術における技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明される図面は、本開示のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】従来技術における基板上の隣接する2つの表示パネル領域の露光ズレ量を取得するためのマークパターンの製造過程を示す図である。
図2】従来技術における基板上の隣接する2つの表示パネル領域の露光ズレ量を取得するためのマークパターンの製造過程を示す図である。
図3図2における隣接する2つの表示パネル領域の間に位置するマークパターンの形成原理を示す図である。
図4】従来技術における基板上の隣接する2つの表示パネル領域の露光ズレ量を取得するためのマークパターンの脱落を示す概略図である。
図5】本開示の実施例における基板上の隣接する2つの表示パネル領域の露光ズレ量を取得するためのマークパターンの製造過程を示す図である。
図6】本開示の実施例における隣接する2つの表示パネル領域に露光ズレ量がない場合の基板の概略構成図である。
図7】本開示の実施例における基板上の隣接する2つの表示パネル領域の露光ズレ量を取得するためのマークパターンの製造過程を示す図である。
図8図7における隣接する2つの表示パネル領域の間に位置するマークパターンの形成原理を示す図である。
図9】本開示の実施例における基板の異なる概略構成図である。
図10】本開示の実施例における基板の異なる概略構成図である。
図11】本開示の実施例における基板の異なる概略構成図である。
図12】本開示の実施例における基板の異なる概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
表示基板の製造ラインは、一枚の表示基板マザーボードに複数の表示基板を製造することであり、即ち、一枚の基板は、複数の表示パネル領域を含み、各表示パネル領域には、表示基板の全ての機能フィルムパターンが設けられている。全ての表示基板の製造が完了した後、切断プロセスにより複数の独立した表示基板に切断する。表示基板マザーボードの製造過程において、表示パネル領域の周辺にいくつかのマークパターンを製造する必要があり、位置合わせ、露光ズレ量の取得などに用いられる。従来のマークパターンは、小面積のフィルムパターンであり、その形状は、十字形、環形、正方形などであってよい。小面積のマークパターンが非常に脱落しやすく、基板の表示パネル領域に洗い流されれば、製品の性能に影響を与え、ひいては製品が正常に作動できなくなる。
【0028】
具体的には、小サイズの表示基板マザーボードの製造過程において、一枚の基板に複数の表示基板マザーボードを製造し、製造が完了した後、切断プロセスにより複数の独立した表示基板マザーボードに切断する。マスクプレートのサイズが基板のサイズよりも小さいため、一枚の基板を複数回に分けて露光する必要があり、マスクプレートを1回露光することは1回のshotと呼ばれ、同一の基板において2回のshotの露光ズレ量を判断するのはStitch Markであり、Stitch Markの基板/マスクプレートでの分布及びshotとshotとの間の露光関係は、以下のとおりである。
【0029】
前記マスクプレートの周囲にそれぞれ6組のStitch Markが分布されており、図1及び図2に示すように、マスクプレートの上枠及び左枠のStitch Markは、基板100’の1つの表示パネル領域200’(各表示パネル領域200’が1つの表示基板マザーボードを形成する)の周辺の平坦層/画素定義層10’に、図1の左上方に示すような大環形の第1のマークパターン1’を露光し、マスクプレートの下枠及び右枠のStitch Markは、基板100’の1つの表示パネル領域200’の周辺の平坦層/画素定義層10’に、図1の左下方に示すような小正方形の第2のマークパターン2’を露光し、図3に示すように、2回のshotが重なることにより、隣接する2つの表示パネル領域200’に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン1’及び第2のマークパターン2’が小環形の第3のマークパターン3’になるように組み合わせる。
【0030】
2回のshotのズレ量を取得する具体的な原理は、以下のとおりである。図3に示すように、隣接する2つの表示パネル領域200’の間、平坦層/画素定義層10’上のStitch Markは、前回shotにより、形状が図3に示すような小正方形の第2のマークパターン2’(例えば、15um)を得ることができ、次回shotにより、形状が図3に示すような大環形の第1のマークパターン1’(例えば、内径:7.5um、外径:20um)を得ることができ、小正方形と大環形の位置が対応する場合、最終的に形成される小環形(例えば、内径:7.5um、外径:15um)を利用して、小環形孔の水平孔径d’を測定ことにより、2回shotのズレ量を判断することができる。2回shotのズレ量がゼロである場合、d=15-7.5=7.5umである。
【0031】
しかし、図4に示すように、平坦層/画素定義層は、自体の材質のため、小面積のアイランド型(環形、小正方形)が存在する場合に非常に脱落しやすく、脱落後に洗い流し液によりバックプレート回路又は発光画素領域に洗い流されれば、発光に影響を与え、ひいては製品の歩留まり率に影響を与える。
【0032】
上記技術的課題を解決するために、本願に係る、それぞれの周辺にマーク領域を有する少なくとも2つの表示パネル領域を含むサブストレートを含む表示基板マザーボードの製造方法は、
サブストレートの前記マーク領域に第1のフィルムを形成することと、
前記第1のフィルムをパターニングすることにより、複数のマークパターンを形成することと、を含み、
前記マークパターンは、前記第1のフィルムに形成されたビアホールである。
【0033】
上記製造方法により製造された表示基板マザーボードのマークパターンは、小面積のアイランド型のフィルムパターンではなく、フィルムに形成されたビアホールであることにより、マークパターンの脱落の可能性を解消し、製品の信頼性及び歩留まり率をさらに保証する。
【0034】
それに応じて、本開示に係る前記製造方法により製造された表示基板マザーボードは、前記マーク領域に位置する第1のフィルムを含み、前記第1のフィルムは、前記第1のフィルムに形成されたビアホールであるサブストレート上の複数のマークパターンを含む。
【0035】
以下、図面及び実施例を参照しながら、本開示の具体的な実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例は、本開示を説明するものであるが、本開示の範囲を限定するものではない。
【0036】
表示基板マザーボードのサイズが大きく、露光精度及びコストにより制限され、前記表示基板マザーボード上のフィルムを露光するためのマスクプレートのサイズが小さいため、一枚の表示基板マザーボード上の複数の表示パネル領域は、マスクプレートを用いて複数回の露光プロセスを行ってこそ、同じ機能フィルムパターンの製造を完了することができる。前記表示基板マザーボードが液晶表示基板マザーボードであることを例として、前記同じ機能フィルムパターンは、全ての表示パネル領域の画素電極、フィルムトランジスタのゲート電極、ソース電極又はドレイン電極などである。
【0037】
隣接する2つの表示パネル領域に対する前後2回の露光プロセスのズレ量を取得するために、表示パネル領域の周辺にマークパターンを製造し、該マークパターンにより2回の露光のズレ量を取得する。
【0038】
本実施例では、一枚のマスクプレートで1回に1つの表示パネル領域のフィルムのみを露光することを例として本開示の技術手段を具体的に説明する。本開示の技術手段を例示して説明するためのものに過ぎず、本開示の技術手段は、一枚のマスクプレートが1回に少なくとも2つの隣接する表示パネル領域のフィルムを露光する場合にも適用可能であり、この場合、該少なくとも2つの隣接する表示パネル領域を面積がより大きい表示パネル領域とみなすだけでよく、一枚のマスクプレートが1回に1つの表示パネル領域のフィルムのみを露光する技術手段と同じ又は類似し、説明を省略する。
【0039】
なお、本実施例における前後2回の露光とは、隣接する2つの表示パネル領域に同じ機能フィルムパターンを製造する場合の2回の露光プロセスを指す。
【0040】
以下の内容における表示パネル領域をパターニングすることは、いずれも表示パネル領域内のフィルムをパターニングすることであり、前記パターニングプロセスは、マスクプレートを利用して表示パネル領域内のフィルムをパターニングすることを含む。
【0041】
図5及び図7を参照すると、本実施例における表示基板マザーボードは、それぞれの周辺にマーク領域201を有する少なくとも2つの表示パネル領域200を含むサブストレート100を含む。
【0042】
本実施例における表示基板マザーボードの製造方法は、
マーク領域201に第1のフィルム10を形成し、第1のフィルム10をパターニングして、第1のフィルム10上に形成されたビアホール101である複数のマークパターンを含むパターンを形成することと、
表示パネル領域200に第2のフィルム20を形成し、前記第2のフィルム20をパターニングして前記第2のフィルム20のパターンを形成することとを含む。
【0043】
前記マーク領域201に第1のフィルム10を形成し、表示パネル領域200に第2のフィルム20を形成することは、
同一の材料を用いて1回の成膜プロセスにより第1のフィルム10及び前記第2のフィルム20を同時に形成することを含む。
【0044】
即ち、第1のフィルム10及び前記第2のフィルム20は同一のフィルムであり、製造プロセスを簡略化し、コストを低減する。
【0045】
さらに、第1のフィルム10及び前記第2のフィルム20の材料は、フォトレジストであってよく、露光プロセスのみで第1のフィルム10上にビアホール101(マークパターン)及び第2のフィルム20のパターンを形成し、さらに製造プロセスを簡略化することができる。
【0046】
前記第1のフィルム10及び第2のフィルム20をパターニングするステップは、
マスクプレートを利用して1回のパターニングプロセスを用いて前記表示パネル領域200の第2のフィルム20及び対応するマーク領域201の第1のフィルム10を同時にパターニングして、前記第2のフィルム20のパターンと第1のフィルム10上に位置するマークパターンとを形成し、該マスクプレートを利用して全ての表示パネル領域200の第2のフィルム20と、対応するマーク領域201の第1のフィルム10とを順にパターニングすることを含み、
上記ステップにおいて形成されたマークパターンは、表示パネル領域200の一側に位置する少なくとも1つの第1のマークパターン11と、対向する他側に位置する少なくとも1つの第2のマークパターン12とを含み、隣接する2つの表示パネル領域200の間は、第1のマークパターン11及び第2のマークパターン12を有して、隣接する2つの表示パネル領域200の間に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン11及び第2のマークパターン12の設定距離に対するズレ量に基づいて、該2つの隣接する表示パネル領域200の第2のフィルムに対するパターニングプロセスにおける露光ズレ量を取得することを含む。
【0047】
上記製造方法は、隣接する2つの表示パネル領域の間に位置し、かつ位置が対応するマークパターンを利用して、該2つの隣接する表示パネル領域のパターニングプロセスにおける露光ズレ量を取得し、マークパターンが小面積のアイランド型のフィルムパターンではなく、フィルムにおけるビアホールであるため、マークパターンの脱落の可能性を効果的に解消し、製品の信頼性及び歩留まり率をさらに保証する。
【0048】
本実施例では、上記表示基板マザーボードの製造過程における露光ズレ量を取得する方法は、隣接する2つの表示パネル領域の間のマーク領域に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン及び第2のマークパターンの設定距離に対するズレ量に基づいて、該2つの隣接する表示パネル領域の第2のフィルムに対するパターニングプロセスにおける露光ズレ量を取得することを含む。
【0049】
本開示の各実施例に係る技術手段における、隣接する2つの表示パネル領域200の前後2回の露光プロセスのズレ量を取得する具体的な原理は、以下のとおりである。
【0050】
表示パネル領域200とその周辺のマークパターンとが同一のマスクプレートを用いて製造されているため、隣接する2つの表示パネル領域200のパターニングプロセスにおける露光ズレ量は、該隣接する2つの表示パネル領域200の周辺に位置し、かつ位置が対応するマークパターンを形成するパターニングプロセスにおける露光ズレ量と同じである。したがって、該隣接する2つの表示パネル領域200の周辺に位置し、かつ位置が対応するマークパターンの設定距離に対するズレ量(即ち、露光ズレ量)を利用して、該隣接する2つの表示パネル領域200の第2のフィルム20に対するパターニングプロセスにおける露光ズレ量を取得することができる。
【0051】
また、全ての表示パネル領域200の周辺のマークパターンが同一のマスクプレートを利用して製造され、全ての表示パネル領域200の周辺のマークパターンの分布ルールが同じであるため、隣接する2つの表示パネル領域200の距離を設定することにより、隣接する2つの表示パネル領域200の間の第1のマークパターン11と第2のマークパターン12との設定距離を設定することができる。隣接する2つの表示パネル領域200の露光にズレ量が存在する場合、露光プロセスによって2つの表示パネル領域200の周辺に形成されたマークパターンもずれてしまう。したがって、隣接する2つの表示パネル領域200の間に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン11及び第2のマークパターン12の設定距離に対するズレ量(即ち、露光ズレ量)に基づいて、該2つの隣接する表示パネル領域200の第2のフィルム20に対するパターニングプロセスにおける露光ズレ量を取得することができる。
【0052】
隣接する2つの表示パネル領域の間に位置し、かつ位置が対応するマークパターンの設定距離に対するズレ量を利用することにより、該2つの隣接する表示パネル領域の第2のフィルムに対するパターニングプロセスにおける露光ズレ量を取得し、距離が近いため、隣接する2つの表示パネル領域の露光ズレ量を速やかで、正確に取得することができる。
【0053】
好ましくは、図7に示すように、同一の表示パネル領域200の対向する両側に位置する第1のマークパターン11と第2のマークパターン12の位置を一対一に対応させるように設定する。表示パネル領域200の一側に複数のマークパターンを設定する場合、隣接する2つの表示パネル領域200の間に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン11及び第2のマークパターン12が複数組であり、複数組の位置が対応する第1のマークパターン11及び第2のマークパターン12の設定距離に対するズレ量を測定することにより、取得される隣接する2つの表示パネル領域200のパターニングプロセスにおける露光ズレ量の精度を向上させることができる。
【0054】
図12に示すように、表示パネル領域200の一側に位置する第1のマークパターン11と、対向する他側に位置する2つの第2のマークパターン12の位置を対応させるように設定してよく、このように1組の位置が対応する第1のマークパターン11及び第2のマークパターン12により、2組の設定距離に対するズレ量を取得することができ、取得される隣接する2つの表示パネル領域200のパターニングプロセスにおける露光ズレ量の精度をさらに向上させることができる。
【0055】
当然のことながら、隣接する2つの表示パネル領域の間に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン及び第2のマークパターンとの組み合わせ関係は、上記2種類に限定されるものではない。例えば、1つの第1のマークパターンと3つの第2のマークパターンの位置を対応させるか、又は、隣接する2つの表示パネル領域の間に位置する第1のマークパターンと、位置が対応する複数の第2のマークパターンの中心との設定距離がゼロであることを設定してよく、ここでは一々列挙しないが、いずれも本開示の実施例の保護範囲に属する。
【0056】
前記マークパターンは、規則的な形状のビアホール101、図7及び図9に示すような矩形孔、図10に示すような十字形孔、及び図11に示すような三角形孔であってよい。当然のことながら、前記マークパターンは、他の規則的な形状のビアホール101であってもよく、ここで一々列挙しない。前記マークパターンは、不規則的な形状のビアホール101であってもよい。
【0057】
好ましい一例として、前記マークパターンが規則的な形状のビアホール101として設定して、隣接する2つの表示パネル領域200の間に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン11及び第2のマークパターン12の設定距離に対するズレ量を取得しやすい。
【0058】
さらに、図7及び図8に示すように、表示パネル領域200の周辺の全てのマークパターンの形状及びサイズが同じであることを設定し、マークパターンの輪郭線上の同一の基準点に基づいて、隣接する2つの表示パネル領域200の間に位置し、かつ位置が対応する2つのマークパターンのズレ量を取得することができ、この2つのマークパターンの設定距離に対するズレ量をさらに取得しやすくなる。
【0059】
隣接する2つの表示パネル領域の間に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターンと第2のマークパターンとの設定距離は、必要に応じて任意に設定することができ、ゼロよりも大きい値(露光ズレ量がない場合、隣接する2つの表示パネル領域の間に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン11と第2のマークパターン12とがずれている)であってもよく、ゼロよりも小さい値(露光ズレ量がない場合、隣接する2つの表示パネル領域の間に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン11と第2のマークパターン12とが部分的に重なっている)であってもよく、ゼロに等しい値(露光ズレ量がない場合、図6に示すように、隣接する2つの表示パネル領域200の間に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン11の中心と、第2のマークパターン12の中心とが重なる)であってもよい。
【0060】
本実施例では、前記設定距離がゼロに等しいことを設定し、隣接する2つの表示パネル領域200の間に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン11及び第2のマークパターン12の設定距離に対するズレ量をより取得しやすい。
【0061】
好ましい一例として、図7に示すように、表示パネル領域200の周辺の全てのマークパターンの形状及びサイズが同じで、前記設定距離がゼロに等しいことを設定し、マークパターンの輪郭線上の同一の基準点に基づいて、隣接する2つの表示パネル領域200の間に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン11及び第2のマークパターン12の輪郭線上の同一の基準点の間の距離、即ち、設定距離に対するズレ量を取得することができる。例えば、表示パネル領域200の周辺の全てのマークパターンは、いずれも同じサイズの正方形である場合、隣接する2つの表示パネル領域200の間に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン11及び第2のマークパターン12の同一位置の頂点(例えば、図7の右上の頂点)の間の距離は、設定距離に対するズレ量である。
【0062】
なお、本実施例における方位に関する説明について、例えば、左、右、上、下は、いずれも図面における方向で定義されており、説明の便宜上、他の限定的な意味を有していない。
【0063】
1つの具体的な実施形態では、図5及び図7に示すように、表示パネル領域200の周辺に位置する第1のマークパターン11及び第2のマークパターン12の位置が一対一に対応し、かつ位置が対応する第1のマークパターン11の中心と第2のマークパターン12の中心との第1の結び線が第1の方向、図7に示すX方向に沿って延びることを設定する。
【0064】
サブストレート100は、第1の方向に隣接する2つの表示パネル領域200を含み、該2つの表示パネル領域200の中心の第2の結び線は、前記第1の結び線と平行(即ち、該隣接する2つの表示パネル領域200が第1の方向に沿って配置する)であり、該2つの表示パネル領域200の中心の間の距離は、表示パネル領域200の対向する両側に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン11の中心と第2のマークパターン12の中心との間の距離と同じであり、前記設定距離は、ゼロであり、即ち、図6に示すように、露光ズレ量がない場合、該2つの表示パネル領域200の間に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン11と第2のマークパターン12とが重なっている。
【0065】
図7に示すように、該2つの表示パネル領域200のパターニングプロセスにおける露光ズレ量が存在すれば、表示パネル領域200とその周辺のマーク領域201とが同一のマスクプレートを利用して露光プロセスを行うため、該2つの表示パネル領域200の周辺に位置するマークパターンを形成するパターニングプロセスにおいても露光ズレ量が存在する。つまり、該2つの表示パネル領域200の間に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン11と第2のマークパターン12とが重なっておらず、ずれが生じている。前記第1のマークパターン11及び第2のマークパターン12の第1の方向(図7に示すX方向)における第1のズレ量xと、前記第1の方向と垂直な第2の方向(図7に示すY方向)における第2のズレ量yとにより、該2つの表示パネル領域200のパターニングプロセスにおける露光ズレ量を取得でき、即ち、第1の方向におけるズレ量がxであり、第1の方向と垂直な第2の方向におけるズレ量がyである。
【0066】
該実施形態では、表示パネル領域200の周辺の全てのマークパターンを、形状及びサイズが同じの規則的な形状に設定して、隣接する2つの表示パネル領域200の間に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン11及び第2のマークパターン12の設定距離に対するズレ量を容易に取得する。
【0067】
図7に示すように、マークパターンが正方形の孔であることを例として、マークパターンの右上角の頂点を基準点として設定し、隣接する2つの表示パネル領域200の間に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン11及び第2のマークパターン12の右上角の頂点の設定距離に対するズレ量を取得することにより、該2つの表示パネル領域200のパターニングプロセスにおける露光ズレ量を取得することができ、該露光ズレ量は、第1の方向におけるズレ量x、第1の方向と垂直な第2の方向におけるズレ量yに分解することができる。
【0068】
表示パネル領域の対向する両側に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン及び第2のマークパターンは、該表示パネル領域の前記第1の結び線に垂直な中心軸に対して実質的に対称に分布するものであってよいが、これに限定されない。
【0069】
上記具体的な実施形態は、表示パネル領域の対向する両側の位置を一対一に対応させるように設定することにより、隣接する2つの表示パネル領域の間に位置が一対一に対応する複数組の第1のマークパターン及び第2のマークパターンを形成することができ、位置が対応する第1のマークパターン及び第2のマークパターンの設定距離に対するズレ量を取得しやすく、かつ位置が一対一に対応する複数組の第1のマークパターン及び第2のマークパターンを設定して、精度を向上させることができる。
【0070】
上記具体的な実施形態では、隣接する2つの表示パネル領域が第1方向に沿って配置され、第1の方向と垂直な第2の方向に沿って配置された隣接する2つの表示パネル領域について、対応する技術手段は、上記と同様である。上記サブストレートが第1の方向及び第2の方向に沿って実質的にマトリクス状に分布する少なくとも4つの表示パネル領域を含む場合、対応する技術手段は、上記両者の組み合わせであるため、ここでは説明を省略する。
【0071】
製造プロセスを簡略化するために、本実施例におけるマークパターンを製造するための第1のフィルム10は、表示パネル領域200の第2のフィルム20と同一のフィルムであってよく、同一の材料を利用して1回の成膜プロセスで同時に製造することができる。
【0072】
例えば、本実施例における表示基板マザーボードが有機電界発光の表示基板マザーボードである場合、前記有機電界発光の表示基板マザーボードの表示パネル領域は、有機電界発光ダイオードの各機能フィルム層、画素定義層、平坦層などを含む。
【0073】
本実施例における第2のフィルム20は、有機電界発光の表示基板マザーボードの画素定義層又は平坦層であってよく、マークパターンを製造するための第1のフィルム10は、画素定義層又は平坦層と同一の材料を利用して1回の成膜プロセスで同時に製造することができる。平坦層及び画素定義層の厚さが厚いため、平坦な表面を提供することにより、ビアホール101の開口端が同一の平面内に位置し、露光ズレ量を正確に取得することに役立つ。
【0074】
同様に、本実施例における表示基板マザーボードが液晶表示基板マザーボードである場合、前記液晶表示基板マザーボードの表示パネル領域は、フィルムトランジスタの各機能フィルム層、平坦層、画素電極などを含む。
【0075】
本実施例における第2のフィルム20は、液晶表示基板マザーボードの平坦層であってよく、マークパターンを製造するための第1のフィルム10は、平坦層と同一の材料を利用して1回の成膜プロセスで同時に製造することができる。平坦層の厚さが厚いため、平坦な表面を提供することにより、ビアホール101の開口端が同一の平面内に位置し、露光ズレ量を正確に取得することに役立つ。
【0076】
表示基板マザーボードが有機電界発光の表示基板マザーボードであることを例として、本実施例では、前記表示基板マザーボードのマークパターンの製造方法は、具体的には、
まず、図5に示すように、サブストレート100にポジフォトレジストで製造された平坦層10を堆積し、マスクプレートを利用して、1回のパターニングプロセスにより表示パネル領域200とその周辺に位置するマーク領域の平坦層10とを同時に露光し、現像後に形成し、該表示パネル領域200の対向する両側に位置する、平坦層10上のビアホール101である第1のマークパターン11と第2のマークパターン12をマーク領域の平坦層10に形成することと、
次に、図7に示すように、同一のマスクプレートを利用して、1回のパターニングプロセスにより隣接する別の表示パネル領域200とその周辺に位置するマーク領域の平坦層10とを同時に露光し、現像後に形成し、該表示パネル領域200の対向する両側に位置する第1のマークパターン11と第2のマークパターン12をマーク領域の平坦層10に形成することとを含む。この隣接する2つの表示パネル領域200の露光にはズレ量が存在することにより、この隣接する2つの表示パネル領域200の間に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン11及び第2のマークパターン12は、ゼロとなる設定距離に対してずれてしまう。したがって、図6に示すように、露光ズレ量がない場合、この隣接する2つの表示パネル領域200の間に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン11と第2のマークパターン12とが重なる。図8に示すように、露光ズレ量がある場合、この隣接する2つの表示パネル領域200の間に位置し、かつ位置が対応する第1のマークパターン11及び第2のマークパターン12の第1の方向における第1のズレ量x=20umと、第1の方向と垂直な第2の方向における第2のズレ量y=20umは、この隣接する2つの表示パネル領域200の露光ズレ量である。
【0077】
ここまでマークパターンの製造を完了し、有機電界発光の表示基板マザーボードの他の機能フィルム層パターンの製造方法については、ここでは説明を省略する。
【0078】
上記実施例は、隣接する2つの表示パネル領域の前後2回の露光プロセスにおけるズレ量を取得するためのマークパターンを例として、具体的には本開示の技術手段を説明した。
【0079】
本開示の各実施例に係るマークパターンは、位置合わせマークパターンであってよく、前記位置合わせマークパターンによりマスクプレートと表示パネル領域とを位置合わせして、前記表示パネル領域をパターニングする。具体的には、前記第2のフィルム20をパターニングすることにより前記第2のフィルム20のパターンを形成することは、
前記サブストレートの少なくとも1つの表示パネル領域200における第2のフィルム20をパターニングする場合、前記マークパターン11、12によりマスクプレートと表示パネル領域200とを位置合わせし、前記マスクプレートを利用して前記第2のフィルム20をパターニングすることを含む。
【0080】
当然のことながら、本開示のマークパターンは、他の機能を有するマークパターンであってもよい。
【0081】
以上の記載は、本開示のいくつかの実施形態に過ぎず、なお、当業者であれば、本開示の技術的原理から逸脱しない前提で、いくつかの改良と修飾を行ってよく、これらの改良と修飾も本開示の保護範囲にあるものと見なすべきである。
図1
図2
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図5
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図10
図11
図12
【国際調査報告】