IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジェイ.エス.ティー.コーポレーションの特許一覧

特表2022-503591高電圧コネクタおよびその組み立て方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(54)【発明の名称】高電圧コネクタおよびその組み立て方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6591 20110101AFI20220104BHJP
   H01R 13/655 20060101ALI20220104BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20220104BHJP
   H01R 13/46 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
H01R13/6591
H01R13/655
H01R13/52 301H
H01R13/46 301B
H01R13/46 B
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021510196
(86)(22)【出願日】2019-11-22
(85)【翻訳文提出日】2021-03-19
(86)【国際出願番号】 US2019062861
(87)【国際公開番号】W WO2020117502
(87)【国際公開日】2020-06-11
(31)【優先権主張番号】16/370,069
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/802,829
(32)【優先日】2019-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/775,103
(32)【優先日】2018-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507164434
【氏名又は名称】ジェイ.エス.ティー.コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100120628
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 慎一
(72)【発明者】
【氏名】アザド ヴィカス
【テーマコード(参考)】
5E021
5E087
【Fターム(参考)】
5E021FB07
5E021FC19
5E021LA21
5E087FF02
5E087KK01
5E087KK03
5E087LL04
5E087LL12
5E087QQ03
5E087QQ04
5E087RR12
5E087RR26
(57)【要約】
装置に接続された高電圧コネクタは、電磁干渉(EMI)が低減され、流体環境の内外での異種金属のガルバニック腐食を回避し、効果的な電気接地システムを提供する。コネクタは、外側ハウジング組立体と、外側ハウジングの内側に取り付けられた内側ハウジングと、内側ハウジングの内部に固定されたケーブル補強リテーナ組立体のセットと、ケーブルがそれぞれそれに沿ってスライドし、外側ハウジングの中央開口部を覆う背面カバーと、ケーブルを覆う編組シールドと、シールドを外側ハウジングに接続するクランプと、を含む。高電圧コネクタを組み立てるとき、外側ハウジングが装置に取り付けられ、外側ハウジングの内側に内側ハウジングが固定され、内側ハウジングに関連するケーブルを備えたケーブル補強リテーナ組立体のセットが固定されて内側ハウジングから実質的に垂直方向に延び、背面カバーがケーブルに沿ってスライドし、外側ハウジングの中央開口部に入ってそれを覆い、編組シールドがクランプによって外側ハウジングに取り付けられ、接続される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置に取り付けられた外側ハウジング組立体と、
前記外側ハウジングの内側に取り付けられた内側ハウジングと、
前記内側ハウジングによって前記外側ハウジングの内側に固定されたケーブル補強リテーナ組立体のセットであって、それぞれのケーブル端子およびそれに取り付けられたケーブルを有する、ケーブル補強リテーナ組立体のセットと、
前記ケーブルが、それぞれ中を沿うように通してスライドされる、前記外側ハウジングの中央開口部を全体として覆う背面カバーと、
前記ケーブルを覆い、前記外側ハウジングに取り付けられている編組シールドと、
前記編組シールドの下部に取り付けられ、前記編組シールドの前記下部を前記外側ハウジングに接続するためのクランプと、
を備えることを特徴とする高電圧コネクタ。
【請求項2】
前記外側ハウジング組立体が、前記外側ハウジングの基部が取り付けられるオーバーモールドされたシリコーンシールを含むことを特徴とする、請求項1に記載の高電圧コネクタ。
【請求項3】
前記内側ハウジングが、前記ケーブル補強リテーナ組立体のセットが収容されるスロットを含むことを特徴とする、請求項1に記載の高電圧コネクタ。
【請求項4】
前記内側ハウジングは、前記外側ハウジングの内側に固定されたときに実質的に逆L字形であり、前記実質的にL字型の内側ハウジングは、下向きに延びる部材およびその後方延長部材を備えていることを特徴とする、請求項3に記載の高電圧コネクタ。
【請求項5】
前記ケーブル補強リテーナ組立体のそれぞれが、端部端子に取り付けられ、前記端部端子を取り囲むクランプ又はリテーナを含み、前記端部端子がケーブル端子に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の高電圧コネクタ。
【請求項6】
前記背面カバーが、前記ケーブル補強リテーナ組立体に取り付けられた前記ケーブルをその中に収容するための開口を含むことを特徴とする、請求項1に記載の高電圧コネクタ。
【請求項7】
前記背面カバーが上部および底部を含み、前記上部が当該上部から延びる管状部材を有し、前記底部が当該底部から延びる実質的に半円形の管状部材を有し、前記管状部材の開口および前記実質的に半円形の管状部材が、前記ケーブルをそれぞれその中に収容するために、前記背面カバーの前記開口と連絡していることを特徴とする、請求項6に記載の高電圧コネクタ。
【請求項8】
前記背面カバーが、前記ケーブル端子および前記ケーブルが前記内側および外側ハウジング内に確実にあることを保証するための端子位置保証(TPA)装置であることを特徴とする、請求項7に記載の高電圧コネクタ。
【請求項9】
前記外側ハウジングが、その基部から延びる側部をそれぞれ通過する鋼ボルトおよびアルミニウム圧縮リミッタを備えた装置に取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載の高電圧コネクタ。
【請求項10】
前記外側ハウジングが金属注入プラスチックなどでできていることを特徴とする、請求項9に記載の高電圧コネクタ。
【請求項11】
前記外側ハウジングが、ステンレス鋼繊維を備えたナイロンでできていることを特徴とする、請求項9に記載の高電圧コネクタ。
【請求項12】
前記内側ハウジングがナイロン等でできていることを特徴とする、請求項9に記載の高電圧コネクタ。
【請求項13】
前記装置がアルミニウムでできていることを特徴とする、請求項9に記載の高電圧コネクタ。
【請求項14】
前記編組シールドおよび前記クランプのそれぞれがステンレス鋼などでできていることを特徴とする、請求項13に記載の高電圧コネクタ。
【請求項15】
前記背面カバーの前記実質的に半円形の管状部材の端部が、前記ケーブル補強リテーナ組立体とともに、前記ケーブル補強リテーナ組立体がそれに取り付けられたそれぞれのケーブルとともに前記内側ハウジングの内側に固定されている場合に、前記端部端子に対してそれぞれくさび又は衝突することを特徴とする、請求項7に記載の高電圧コネクタ。
【請求項16】
高電圧コネクタを組み立てる方法であって、
外側ハウジングを装置に取り付けるステップと、
前記外側ハウジングの内側に内側ハウジングを挿入するステップと、
ケーブル補強リテーナ組立体のセットを前記内側ハウジングに挿入するステップであって、前記ケーブル補強リテーナ組立体は、それぞれのケーブルが取り付けられている、ステップと、
前記ケーブルに沿って背面カバーをスライドさせ、前記背面カバーが前記外側ハウジングに入り、前記外側ハウジングの中央開口部の全体を覆う、ステップと、
前記ケーブルを覆うための編組シールドを提供し、前記編組シールドが、前記外側ハウジングに取り付けられるステップと、
前記編組シールドが前記外側ハウジングにクランプで確実に取り付けられ、前記編組シールドと前記外側ハウジングとの接続が前記クランプによって保証されることを確実にするステップと、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項17】
前記内側ハウジングを前記外側ハウジング内に挿入する前記ステップは、前記内側ハウジングを、それぞれ、前記外側ハウジングの反対側の内側のくぼみに入り、第1のカチッという音などを発する前記内側ハウジングの反対側の可撓性ラッチ部材を用いて前記外側ハウジング内に固定するステップを含むことを特徴とする、請求項16に記載の高電圧コネクタを組み立てる方法。
【請求項18】
前記ケーブル補強リテーナ組立体のセットを挿入する前記ステップは、前記ケーブル補強リテーナ組立体を、前記内側ハウジングの傾斜した棚のそれぞれの下に落ち着き、第2のカチッという音などを生成する、前記ケーブル補強リテーナ組立体の少なくとも1つのクランプを用いて前記内側ハウジングの内側に固定するステップを含むことを特徴とする、請求項17に記載の高電圧コネクタを組み立てる方法。
【請求項19】
前記ケーブルに沿って前記背面カバーをスライドさせ、前記外側ハウジングの前記中央開口部に入って覆う前記ステップが、前記背面カバーの対向する側にある傾斜した突出部材がそれぞれ前記外側ハウジングの側部を通過する開口に入り、第3のカチッという音などを発するステップを含むことを特徴とする、請求項18に記載の高電圧コネクタを組み立てる方法。
【請求項20】
前記ケーブルに沿って前記背面カバーをスライドさせ、前記外側ハウジングの前記中央開口部に侵入して覆う前記ステップが、ケーブル補強リテーナ組立体のセットの少なくともそれぞれの1つの端部端子の少なくとも端部の側面部分に対して、前記背面カバーの下部から延びる少なくとも実質的に半円形の管状部材の部分をくさび又は衝突させ、それにより、前記ケーブル端子および前記ケーブルを前記外側ハウジング内に固定された前記内側ハウジング内に固定するステップを含むことを特徴とする、請求項16に記載の高電圧コネクタを組み立てる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
この特許出願は、2018年12月4日に出願された米国仮特許出願第62/775,103号および2019年2月8日に出願された米国仮特許出願第62/802,829号に優先権を主張し、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
装置に接続された高電圧コネクタが提供されることが望ましい。さらに、高電圧コネクタが電磁干渉(EMI)の低減を経て、流体環境の内外での異種金属のガルバニック腐食を回避し、効果的な電気接地システムを提供することが望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、動作中にEMIが低減される装置に接続するためのそのような高電圧コネクタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これは、変速装置の外側ハウジング組立体の上部に金属製編組シールドを備えたコネクタを提供することによって実現される。本発明のコネクタは、外側ハウジングの上に金属製編組シールドを保持し、金属製編組シールドと外側ハウジングとの間の導電性接触を提供する金属製クランプをさらに備えている。外側ハウジングは、好ましくは金属注入プラスチックでできており、コネクタと当該コネクタが接続されている装置との間のガルバニック腐食を防ぐために必要なシーリングおよび絶縁層を提供するために、オーバーモールドされたシリコーンシールを含む。
【0005】
オーバーモールドされたシリコーンシールドを備えた金属注入プラスチック外側ハウジングは、本発明のコネクタを装置に固定するためにボルトが通過する開口を含む。ボルトは、金属製編組シールドと、金属注入プラスチック外側ハウジングと、本発明のコネクタが接続される装置との間で必要な接地を提供する。各ボルトは、好ましくは、外側ハウジングの開口のそれぞれの1つ内の対応する金属製圧縮リミッタに挿入される。ボルトおよび金属製圧縮リミッタによって、コネクタを装置に接続して、コネクタと装置との間に接触を確立することによって、本発明のコネクタに接地システムが提供される。さらに、鋼ボルトは金属製圧縮リミッタ内に含まれており、金属製圧縮リミッタは外側ハウジングの側面開口内に含まれている。金属が注入された外側ハウジングの基部の外周には、オーバーモールドされたシリコーンシールがあり、これは、異種金属で構成される上記の構造配置とともに、耐腐食性の特性を提供する。
【0006】
本発明のコネクタは、外側ハウジング内に設けられた内側ハウジングをさらに含み、内側ハウジングは、その中にしっかりと挿入されたケーブル補強リテーナ組立体をさらに有する。
【0007】
本発明のコネクタは、コネクタの組み立て中にケーブルがスライドしてその中に固定される、端子位置保証(TPA)装置として機能する背面カバーをさらに含む。背面カバーには、ケーブルの接続インターフェースを分離するためのオーバーモールドされたシリコーンシールが含まれている。コネクタの組み立て中、背面カバーにより、内側ハウジングが外側ハウジング内に適切に配置される。
【0008】
一般に、本発明のコネクタの組み立て時に、オーバーモールドされたシリコーンシールを備えた金属注入プラスチック外側ハウジングを有する変速装置の外側ハウジング組立体が、それぞれの金属製圧縮リミッタ内に収容されたボルトで関連する装置に取り付けられ、外側ハウジングの内側と基部に内側ハウジングが取り付けられ、外側ハウジングの内側および内側ハウジングに、関連するケーブルおよびケーブル補強リテーナ組立体を備えた背面カバーが取り付けられ、ケーブルが背面カバーを通って上方にスライドされ、金属製編組シールドが露出したケーブルを覆いながら外側ハウジングに取り付けられ、クランプが編組シールドに沿ってスライドして、外側ハウジングに固定される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一般に参照番号1によって参照される本発明の高電圧コネクタの分解図であり、関連する装置に取り付ける準備ができている垂直方向に配置されたその異なる要素を示している。
図2A】ケーブルが露出している、編組シールドがない、本発明の完全に組み立てられたコネクタの斜視図である。
図2B】本発明の完全に組み立てられたコネクタの斜視図であり、金属製クランプで外側ハウジングに完全に固定された編組シールドを示している。
図3A】外側ハウジングの上面斜視図である。
図3B】外側ハウジングの底面斜視図である。
図4A】対応するオーバーモールドされたシリコーンシールでその底部周辺が囲まれた外側ハウジングの上面斜視図である。
図4B】外側ハウジングおよび対応するオーバーモールドされたシリコーンシールの分解図であり、圧縮リミッタは、外側ハウジングおよびシリコーンシールの一致する開口内に適合する。
図5A】外側ハウジング組立体の基端部分の底面立面図であり、オーバーモールドされたシリコーンシールの基部の細長いスリットを通過する外側ハウジングのパッドを示す。
図5B】外側ハウジング組立体の基端部分の底面立面図であり、オーバーモールドされたシリコーンシールの基部の対応する細長いスリットの別の実施形態又はパターンを通過する外側ハウジングのパッドの別の実施形態又はパターンを示す。
図6】中央開口部を通してその内面を示す外側ハウジングの上面斜視図である。
図7A】前部およびその上部を示す内側ハウジングの上面斜視図である。
図7B】内側ハウジングの底面斜視図である。
図8】背面部およびその上部を示す内側ハウジングのさらに別の上面斜視図である。
図9】ケーブル補強リテーナ組立体の分解斜視図を示しており、ケーブル補強リテーナ組立体は、端部端子に取り付けられ、端部端子を取り囲むクランプ(又はリテーナ)を有する。
図10】完全に組み立てられ、クランプの端部端子の端部がケーブルの端子に結合されているケーブルリテーナ組立体の側面図を示している。
図11A】端部端子の第1の側部およびケーブル補強リテーナ組立体のクランプの第1の側部の立面図である。
図11B】端部端子の第2の側部およびケーブルリテーナ組立体のクランプの第2の側部の立面図である。
図12A】背面カバーの前部および底部の斜視図を示す。
図12B】背面カバーの底部の立面図を示す。
図13A】背面カバーの背面部分および上部の斜視図である。
図13B】背面カバーの上部の立面図である。
図14A】編組シールドの斜視図である。
図14B】金属製クランプの斜視図である。
図15】本発明の完全に組み立てられた垂直高電圧コネクタであり、外側ハウジング内に含まれる内側ハウジングにケーブルを固定するためのくさび(又は衝突)機構を示している。
図16】本発明の完全に組み立てられた垂直高電圧コネクタであり、外側ハウジング内に含まれる内側ハウジングにケーブルを固定するためのくさび(又は衝突)機構を示し、さらに、コネクタがその上にある対応する装置から延び、ケーブル補強リテーナ組立体の端部端子に接続するために取り付けられている端子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に示されるように、高電圧コネクタ1は、付随するオーバーモールドされたシリコーンシール7を備えた外側ハウジング5を含む外側ハウジング組立体3を含む。外側ハウジング5は、好ましくは金属注入ハウジングでできており、コネクタ1を関連装置210(例えば、図15を参照。例えばアルミニウム製の、例えばキャスト自動車用変速装置など)に固定するためのそれぞれのボルト12(鋼などでできている)を収容するためのその基部32の側方延長部分62を含む。
【0011】
外側ハウジング5内に収容され、その基部32に取り付けられているのは、内側ハウジング14である。コネクタ1は、内側ハウジング14およびケーブル18のセットと結合するためのケーブル補強リテーナ組立体16のセット(具体的には、図9図10図11A、および図11Bにおいて参照番号108として参照される)をさらに含む。ケーブル18のセットは、好ましくは高電圧ケーブル(例えば、25mmケーブル)であるが、ケーブルの種類はそれに限定されない。図1に示されているのは3方向高電圧ケーブルのセットであるが、この実施形態もそれに限定されない。ケーブル18は、背面カバー20内にスライド可能に収容される。コネクタ1は、図2Bに示されるように、コネクタ1が完全に組み立てられたときにコネクタ1の外層を形成する金属製(例えば、ステンレス鋼)編組シールド22をさらに含む。図2Bにも示されるように、コネクタ1が完全に組み立てられると、金属製クランプ25が編組シールド22を外側ハウジング5に固定する。
【0012】
図2Aは、編組シールド22がない状態で完全に組み立てられたときのコネクタ1を示し、図2Bは、金属製クランプ25によって外側ハウジング5に固定された編組シールド22で完全に組み立てられたときのコネクタ1を示す。図2Aにさらに示されているのは、外側ハウジング5を備えた外側ハウジング組立体3であり、外側ハウジング5は、外側成形されたシリコーンシール7上およびその内部にしっかりと位置し、ボルト12は、アルミニウムなどでできたそれぞれの金属製圧縮リミッタ28に固定されている。後で説明するように、ケーブル18のセットは、外側ハウジング5の上部30を通って延びる。
【0013】
図2Bにおいて、金属製編組シールド22によって覆われているのは、ケーブル18のセットである。金属製クランプ25は、金属製編組シールド22の下部33が外側ハウジング5の上部30に接続されることを確実にする。
【0014】
図3Aに示されるように、垂直方向に直立しているのは、基部32の側面から外側ハウジング5の中央部分36に向かって延びる水平リブ34を備えた基部32を有する外側ハウジング5である。また、図3Aには、外側ハウジング5に関して、前述のように、シリコーンシール7とともに、それぞれのボルト12、およびそれぞれの金属製圧縮リミッタ28をそこに収容するために延びる側部又はリブ9および側面開口38がある。外側ハウジング5は、好ましくは金属注入プラスチックで作られ、ボルト12は好ましくは鋼などで作られている。
【0015】
外側ハウジング5の中央部分36を通過するのは、内側ハウジング14およびケーブル補強リテーナ組立体16をその中に完全に収容し、ケーブルのセット18を部分的にさらに収容するための中央開口部40である。開口42は、外側ハウジング5の上部を通過する。
【0016】
図3Bに示されているのは、外側ハウジング5の下端部分45である。下端部分45は実質的に平坦であり、そこから延びるパッド48を少なくとも含む。パッド48は、外側ハウジング5の基部32の下端部分45を通過する底部開口部又は開口50を取り囲む。外側ハウジング5が関連する装置210(図15を参照)に取り付けられる場合、パッド48は、EMIの発生を実質的に削除又は実質的に低減するために必要な手段を提供する。底部開口部又は開口50は、好ましくは、外側ハウジング5の中央開口40よりもサイズが小さく、それと連絡している。
【0017】
図4Aは、外側ハウジング5およびオーバーモールドされたシリコーンシール7を含み、オーバーモールドされたシリコーンシール7上およびその中に外側ハウジング5の基部32が位置する外側ハウジング組立体3を示す。オーバーモールドされたシリコーンシール7は、コネクタ1と装置210との間のガルバニック腐食保護のためのシーリングおよび絶縁層を提供する。
【0018】
図4Bには、外側ハウジング5およびそれに対応するオーバーモールドされたシリコーンシール7を示す外側ハウジング組立体3の分解図が示されている。図3Aおよび図3Bに示される外側ハウジング5に関して前述したように、外側ハウジング5は、下端部分45を備えた基部32を含む。図3Bに関しても説明されるように、基端部分45は、パッド48を含み、パッド48は、オーバーモールドされたシリコーンシール7の基部52を通過する細長いスリット51に適合し、通過する(図4Bを参照)。図3Bに関してさらに説明されるように、外側ハウジング5の実質的に平坦な下端部分45は、図4Aおよび図4Bに示されるように、オーバーモールドされたシリコーンシール7の基部52上に位置し、取り付けられる。図4Bに示されるオーバーモールドされたシリコーンシール7では、基部52は側面開口53を含み、シリコーンシール7の上部55は側面部材57を含み、側面部材57のそれぞれはそれを通過する開口60を有する。図4Aに示すように、シリコーンシール7の各上部55は、外側ハウジング5の基部32の側方延長部分62の1つに適合する。したがって、シリコーンシール7の側面部材57のそれぞれの各開口60は、金属製圧縮リミッタ28をそれぞれ収容するための、外側ハウジング5の基部32のそれぞれの開口38に対応する。
【0019】
図5Aは、外側ハウジング5がオーバーモールドされたシリコーンシール7に着座して取り付けられたときに、外側ハウジング5のパッド48がシリコーンシール7の細長いスリット51を通過する、外側ハウジング組立体3の下端部分45を示す。図5Bは、外側ハウジング5がオーバーモールドされたシリコーンシール7に着座して取り付けられたときに、異なる実施形態又はパターンのパッド48がシリコーンシール7の異なる実施形態又はパターンの対応する細長いスリット51を通過する、外側ハウジング組立体3の下端部分45を示す。
【0020】
図6は、中央開口部40を通してその内面を示す、外側ハウジング5の上面斜視図である。図6に示されるように、外側ハウジング5の中央開口部40を通して見ることができるように、中央開口部40の反対側であり、それと連絡しているのは、外側ハウジング5の基部32の下端部分45を通過する底部開口部又は開口50である。図6にさらに示されるように、内側棚95は、外側ハウジング5の内面97から延びる。図6には示されていないが、同様のタイプの内側棚95が、外側ハウジング5の内面の反対側から延びる。また、図6には、外側ハウジング5の上部から延びる外側棚98a、98bが示されている。
【0021】
次に詳細に説明するのは、外側ハウジング5内に収容され、その基部32上に位置する内側ハウジング14である。内側ハウジング14は、好ましくはナイロンなどでできている。内側ハウジング14(好ましくはナイロンなどでできている)は、導電性部品(例えば、金属注入プラスチックなどでできている外側ハウジング5と、内側ハウジング14の内側に固定されたケーブル端子107との間)を分離する。図7Aは、内側ハウジング14の上面斜視図であり、その前部70および上部72を示している。内側ハウジング14の前部70は、可撓性部材75、76、77を有する。内側ハウジング14の上部72は、そこから延在する第1の部分80、第2の部分82、および第3の部分84を有している。内側ハウジング14は、一般に、図7Aに示されるように、下向きに延びる部材83および後方延長部材87を有する逆さま(又は反転)の実質的にL字型の構造である。
【0022】
図7Bは、内側ハウジング14の底面斜視図である。図7Bに示されているのは、内側ハウジング14の下端部85であり、下端部85は、それを通過するスロット88、89、90を有する。内側ハウジング14の後方延長部材87は、その底面92を有するものとして図7Bに同様に示されている。
【0023】
図8は、内側ハウジング14のさらに別の上面斜視図を示しており、背面部101およびその上部72を示している。内側ハウジング14の背面部101は、図7Aに示される内側ハウジング14の前部70の反対側にある。同様に図8に示されているのは、内側ハウジング14の前部70の可撓性部材75、76、77である。可撓性部材75、76、77のそれぞれは、傾斜した棚103を有する。前部70から延びるのは、第1の部分80、第2の部分82、および第3の部分84である(図7Aも参照)。各第2の部分82は、実質的に平坦で水平な第1の部分80に対して傾斜して延びる。内側ハウジング14の上部72は、好ましくは、同様に平坦で水平である。第2の部分82と第3の部分84との間には、実質的に凹状の部分又はくぼみ部分105がある。上部スロット188、189、190も図8に示され、上部スロット188、189、190は、それぞれ、図7Bに示されるように、内側ハウジング14の下部スロット88、89、90と連絡している。
【0024】
図9は、ケーブル補強リテーナ組立体108(図1では参照番号16としても参照される)の分解斜視図を示し、各ケーブル補強リテーナ組立体108は、端部端子107上に取り付けられ、その周囲を囲む、好ましくは可撓性である(ただし、これに限定されない)クランプ(又はリテーナ)105を有する。端部端子107は、ケーブル18に取り付けられたケーブル端子113に取り付けられる、実質的に平坦な端部110を有する。端子107は、第1の側部115および第2の側部117を含む。第1の側部115は、複数の好ましくは可撓性の指状材119を含み、第2の側部117はまた、複数の好ましくは可撓性の指状材121を含む。可撓性の指状材119および可撓性の指状材121は実質的に対称であるが、これに限定されない。第2の側部117には、第1の側部115に向かって延びる少なくとも延長部材120が取り付けられている。端部端子107の第1の側部115および第2の側部117のそれぞれは、少なくともくぼみ又は開口122、123をそれぞれ含む。
【0025】
ケーブル補強リテーナ組立体108のクランプ(又はリテーナ)105は、第1の側部125および第2の側部127を含む。クランプ105の第1の側部125および第2の側部127のそれぞれは、少なくとも内向きの突出部材130、132をそれぞれ含む。突出部材130、132は、端部端子107がその組み立て中にクランプ105内に収容されると、それぞれ、くぼみ又は開口122、123に入る。図9にはさらに、クランプ105の第2の側部127内の少なくとも可撓性部材133が示されている。可撓性部材133は、一対の可撓性部材133として図9に示されているが、それに限定されない。
【0026】
端子107の少なくとも側部134は、クランプ105の側部137に位置する少なくとも内向きの突出部材136を通過することを防止される。クランプ105の対向する側面137のそれぞれが、内向きの突出部材136を含み、端部端子107が対向する側面134を含むことが好ましい。
【0027】
ケーブル補強リテーナ組立体108は、完全に組み立てられ、クランプ105の端部端子107の端部110がケーブル18の端子113に結合されているものとして図10に示されている。ケーブル補強リテーナ組立体108は、図10に示されるように、端部端子107の第2の側部117の少なくとも1つの可撓性部材121の端部と、端部端子107の第1の側部115の少なくとも1つの可撓性部材119の端部とを示す。図9も参照されたい。
【0028】
図11Aは、ケーブル補強リテーナ組立体108の端部端子107の第1の側部115およびクランプ105の第1の側部125の立面図である。クランプ105の第1の側部125は、少なくとも可撓性部材135を含む。図11Aに示されるのは、間に細長いスリット138を有する一対の可撓性部材135であるが、これに限定されない。また、図11Aには、クランプ105の第1の側部125の内向きの突出部材132が示されており、これらは、好ましくは、端部端子107がクランプ105の内側に移動するときに、端部端子107(図9を参照)のくぼみ又は開口123に容易に入るように傾斜している。内向きの突出部材132がくぼみ又は開口123内に収容されると、端部端子107はクランプ105の内側に保持される。すなわち、クランプ105の内向きの突出部材132は、好ましくは、端子107をクランプ105に挿入することを可能にするために傾斜しており、内向きの突出部材130、132がそれぞれ、端部端子107のくぼみ又は開口122、123内に収容されると、端子107がクランプ105から引き出されるのが防止される。図9に関して前述したように、端部端子107の対向する側面134は、クランプ105の内向きの突出部材136によって保持され、リテーナ107がクランプ105内にさらに前方に押し込まれるのを防止する。このように組み立てられると、ケーブルリテーナ組立体108は、図10図11A、および図11Bに示されるように、クランプ105の外側に延びる端子107の可撓性部材119、121の端部を有する。
【0029】
図11Bに示されているのは、ケーブルリテーナ組立体108の立面図であり、端部端子107の第2の側部117およびクランプ105の第2の側部127を示している。ここに示されているのは、クランプ105の内向きの突出部材130および一対の可撓性部材133、ならびにケーブル補強リテーナ組立体108が、図示のように組み立てられているときにクランプ105の外側に延びる端子107の第2の側部117の可撓性部材121の端部である。図11Bにはさらに、一対の可撓性部材133の間の細長いスリット140(ここでは、クランプ105の第2の側部127を部分的に通過するものとして示されている)が示されている。
【0030】
図12Aは、背面カバー20の前部142および底部145の斜視図を示している。ここに示されているのは、前部149を有し、背面カバー20の底部145から延びる少なくとも実質的に半円形の管状部材148である。強度および安定性のために、半円形の管状部材148は、それぞれ背面カバー20に接続され、背面カバー20の側面153に延びるブリッジ(又はリブ)部材150に接合されている。管状部材148の開口部155は、背面カバー20の中央部分160に向かって延びる。中央部分160の内側には、実質的に円形の開口162があり、これらはそれぞれ管状部材148と連絡している。円形の開口162のそれぞれの内側は、円形嵌合シリコーンシール165であり、背面カバー20の中央部分160の外周には、オーバーモールドされたシリコーンシール168がある。背面カバー20は、ケーブル18とのインターフェース用の円形嵌合シリコーンシール165と、外側ハウジング5の内面とのインターフェース用のオーバーモールドされたシリコーンシール168とを有する。ケーブル18がそれぞれ円形嵌合シリコーンシール165内に収容されている場合、背面カバー20は、本発明の高電圧コネクタ1の端子位置保証(TPA)装置として機能する。背面カバー20の上部170を取り囲むのは棚173であり、棚173の間は、図12Aに示されるように、傾斜した突出部材175である。
【0031】
図12Aに示されるように、背面カバー20の上記の要素は、図12Bに示される背面カバー10の底部145の立面図に同様に示されている。ここに示されているのは、管状部材148、および側面153に接続されたブリッジ(リブ)部材150である。また、図12Bには、その円形の開口162と連絡する、管状部材148のそれぞれの開口部155と、円形の開口162の内側のそれぞれの円形嵌合シリコーンシール165と、背面カバー20の中央部分160の外周を取り囲むシリコーンシール168とが示されている。図12Bには、図12Bに示されているように、すべての側面で、背面カバー20の上部170(図12Aを参照)を取り囲む棚173と、背面カバー20の反対側に延びる傾斜した突出部材175とが示されている。
【0032】
図13Aは、背面カバー20の背面部180および上部182の斜視図である。背面部180に示されているのは、傾斜した突出部材175である。背面カバー20の背面部180の反対側は、その前部142である。上部182から延びるのは、背面カバーの中央部分160を通って延びる円形の開口162とそれぞれ連絡するそれぞれの開口部188を備えた上部管状部材185である。底部145から延びる半円形の管状部材148の場合と同様に、上部管状部材185は、ブリッジ(又はリブ)部材190によって同様に囲まれている。中央部分160の外周を取り囲むのは、シリコーンシール168である。
【0033】
図13Bは、上部管状部材185および関連するブリッジ(又はリブ)部材190のそれぞれの開口部188を示す、背面カバー20の上部182の立面図である。また、図13Bには、図13Aに関して前述したそれぞれの円形嵌合シリコーンシール165と、その反対側の上部182に配置された傾斜した突出部材175とが示されている。
【0034】
図14Aは、その全長に沿って延びる内側開口部192を有する編組シールド22の斜視図である。編組シールド22は、金属、好ましくはステンレス鋼などでできている。図14Bは、実質的に環状の形状であり、ステンレス鋼などでできている金属製クランプ25の斜視図である。
【0035】
本発明の高電圧コネクタ1では、接地システムは、金属注入導電性プラスチック外側ハウジング5と、アルミニウム圧縮リミッタ28と、ステンレス鋼ボルト12、および関連するアルミニウム装置210との間の接触を確立することによって、コネクタ1の関連するアルミニウム装置210への接続を備えている。EMIの実質的な低減又は排除は、ケーブル18の経路に沿って延びる編組シールド22と併せて、外側ハウジング5の金属注入パッド48によって提供され、金属注入パッド48は、関連するアルミニウム装置210に接触している。本発明はさらに、非導電性のオーバーモールドされたシリコーンシール7の基部52が金属注入導電性プラスチック外側ハウジング5および関連するアルミニウム装置210を電解液からシールドしてガルバニック腐食を防止することにより、ガルバニック腐食防止を提供する。ガルバニック腐食は、シリコーンシール7の上部55の側面部材57が、金属注入導電性プラスチック外側ハウジング5およびアルミニウム圧縮リミッタ28をシールドし、さらにステンレスボルト12および関連するアルミニウム装置210をガルバニック腐食を防ぐために電解液からシールドすることによってさらに防止される。
【0036】
本発明の高電圧コネクタを組み立てる方法を以下に詳細に説明する。外側ハウジング5の側面開口38の内側にある圧縮リミッタ28にそれぞれボルト12を固定し、その後、外側ハウジング5を、外側成形されたシリコーンシール7とともに、その上に外側ハウジング5、続いてコネクタ1が取り付けられる装置210に取り付ける(図15を参照)。ボルト12は、コネクタ1を装置210にしっかりと固定し、編組シールド22と、外側ハウジング5と、装置210との間の接地を提供する。好ましくは、ステンレス鋼ボルト12およびアルミニウム圧縮リミッタ28は、システムを接地するためにコネクタ1と装置210との間の接触を提供する。
【0037】
外側成形されたシリコーンシール7とともに、外側ハウジング5が装置に取り付けられた状態で、次に、内側ハウジング14が外側ハウジング5の中央開口部40に挿入又はスライドされ、カチッという音などが聞こえるまで、内側ハウジング14を外側ハウジング5の基部32の下端部分45に取り付けることにより、内側ハウジング14が外側ハウジング5の内側に確実に固定される。オーバーモールドされたシリコーンシール7は、コネクタ1と装置210との間のガルバニック腐食保護のためのシーリングおよび絶縁層を提供する。好ましくは、それぞれのケーブル18を備えた複数の事前に組み立てられたケーブル補強リテーナ組立体108は、カチッという音などが聞こえるまで内側ハウジング14に挿入される。この場合、背面カバー20は、背面カバー20が外側ハウジング5の内側に固定されてカチッという音などが再び聞こえるまでケーブル18に沿って中央開口部40を通って外側ハウジング5にスライドする。このとき、部分的に組み立てられたコネクタ1は、図2Aに示す通りである。その後、編組シールド22は、外側ハウジング5に取り付けられ、クランプ25は、編組シールド22上で編組シールド22の底部に向かって滑り落ちてその上に載り、編組シールド22と外側ハウジング5との間の導電性接点を提供する。
【0038】
より具体的には、内側ハウジング14が外側ハウジング5の中央開口部40に挿入されると、内側ハウジング14は、外側ハウジング5の下向きに延びる部材83の基部32の下端部分45に向かって下降し、内側ハウジング14は、外側ハウジング5の底部開口部又は開口50に入る(又は滑り込む)。次に、内側ハウジング14の後方延長部材87の底面92が、外側ハウジング5の下端部分45に取り付けられる。それに応じてほぼ同時に、内側ハウジング14の反対側にある可撓性ラッチ部材200(図8を参照)の上部201が、それぞれ、外側ハウジング5の反対側の内側にあるくぼみ99(図6を参照)に入り、カチッという音などが聞こえる。したがって、カチッという音などは、内側ハウジング14が外側ハウジング5の内側にしっかりと取り付けられていることを示している。内側ハウジング14(好ましくはナイロンなどでできている)は、導電性部品(例えば、金属注入プラスチックなどでできている外側ハウジング5と、内側ハウジング14の内側に固定されたケーブル端子107との間を分離する。
【0039】
その後、好ましくは、複数の事前に組み立てられたケーブル補強リテーナ組立体108(図10を参照)とそれらに付随するそれぞれのケーブル18は、それらの付随するケーブル18を、背面カバー20のそれぞれの円形の開口162のそれぞれの円形嵌合シリコーンシール165の内側に挿入する。
【0040】
次に、好ましくは事前に組み立てられたケーブル補強リテーナ組立体108は、外側ハウジング5の中央開口部40に向かって下げられる。クランプ105の第1の側部125がそれぞれ内側ハウジング14の前部70に面する状態で、ケーブル補強リテーナ組立体108は、外側ハウジング5の中央開口部40を通って、続いてそれぞれ上部スロット188、189、190(図8を参照)を通って下げられるが、内側ハウジング14の下端部85のスロット88、89、90を超えて通過しない(図7Bを参照)。ケーブル補強リテーナ組立体108は、それぞれ、内側ハウジング14の上部スロット188、189、190を通って下向きに移動し、クランプ105は、下向きに移動しながら、各クランプ105の各上端128(図10を参照)がそれぞれ、内側ハウジング14(図8を参照)の傾斜した棚103の1つの下に落ち着くまで、内側ハウジング14の可撓性部材75、76、77(図8を参照)の傾斜した棚103をそれぞれ押す。すると、クランプ105、したがってケーブル補強リテーナ組立体108が内側ハウジング14内にしっかりと固定されていることを示すカチッという音などが聞こえる。
【0041】
その後、背面カバー20は、ケーブル18に沿って、外側ハウジング5に向かって、そしてその中央開口部40を通って、背面カバー20の反対側にある傾斜した突出部材175(図13Aおよび図13Bを参照)がそれぞれ、外側ハウジング5の上部を通過する開口42(図3Aおよび図3Bを参照)に入るまで下方にスライドする。その時点で、背面カバー20が外側ハウジング5にしっかりと固定され、同様に、ケーブル補強リテーナ組立体108が外側ハウジング5の内側に完全に固定されていることを示すカチッという音などが聞こえる。すなわち、背面カバー20は、内側ハウジング14を所定の位置に押し込み、内側ハウジング14が外側ハウジング5内に適切に配置されることを確実にする。
【0042】
図15に示されるように、本発明の垂直高電圧コネクタ1は、ボルト12を使用して、装置210(例えば、自動車用変速装置など)に取り付けられる。内側ハウジング14の下向きに延びる部材83は、外側ハウジング5の基部32の下端部分45の底部開口部又は開口50を通過し、オーバーモールドされたシリコーンシール7を通過したものとして示されている。外側ハウジング5の基部32の下端部分45のパッド48は、オーバーモールドされたシリコーンシール7の細長いスロット51の内側にあるものとして示されている。
【0043】
図15にさらに示されているのは、内側ハウジング14の下端部85の内面に着座した関連クランプ105と、外側ハウジング5の下端部分45に取り付けられている内側ハウジングの後方延長部材87の底面92とを有するケーブル補強リテーナ組立体108である。
【0044】
また、図15には、ケーブル18を内側ハウジング14に固定するためのくさび又は衝突機構Aが示されている。より具体的には、背面カバー20が、ケーブル18に沿って、中央開口部40を通って外側ハウジング5に滑り込まれたとき、背面カバー20の実質的に半円形の管状部材148(図12Aを参照)の前部149のそれぞれは、ケーブル補強リテーナ組立体108の端部端子107の端部110の側面部分111(図11Bを参照)にくさび又は衝突し、それによってケーブル18を内側ハウジング14内に固定する。図16に示されるように、クランプ105の外側に延びる端子107(例えば、図10を参照)の可撓性部材119、121の端部は、関連する装置210の端子220のセットと接続する。
【0045】
その後、露出したケーブル18をシールドするために、編組シールド22は、外側ハウジング組立体3に向かって下げられ、それによって、編組シールド22の下部は、外側ハウジング3の上部から延びる外側棚98a、98b(図6を参照)を通過する。次に、クランプ25は、編組シールド22に沿ってスライドされ、外側棚98a、98bを通過し、外側棚98a、98bのほぼ下で、クランプ25は、編組シールド22を外側ハウジング5に接続し、それらの接続を保証する。
【0046】
完全に組み立てられた場合、本発明の垂直高電圧コネクタ1は、金属注入導電性プラスチック外側ハウジング5、アルミニウム圧縮リミッタ28、ステンレス鋼ボルト12、および関連するアルミニウム装置210の間の接触を確立することによって、コネクタ1の関連するアルミニウム装置210への接続を備えた接地システムを含む。ケーブル18の経路に沿って延びる編組シールド22によるEMIの遮蔽、又は編組シールド22から関連するアルミニウム装置210に接触してEMI接地に使用される金属注入パッド48へのEMIの迂回によって、EMIの実質的な低減又は実質的な排除が提供される。すなわち、EMIは、ステンレス鋼クランプ25によって金属注入プラスチック外側ハウジング5に接続されているステンレス鋼編組シールド22から、例えば、アルミニウム自動車用変速装置210に取り付けられた金属注入プラスチック外側ハウジング5への経路に迂回される。本発明はさらに、非導電性のオーバーモールドされたシリコーンシール7の基部52が金属注入導電性プラスチック外側ハウジング5および関連するアルミニウム装置210を電解液からシールドしてガルバニック腐食を防止することにより、ガルバニック腐食防止を提供する。ガルバニック腐食は、シリコーンシール7の上部55の側面部材57が、金属注入導電性プラスチック外側ハウジング5およびアルミニウム圧縮リミッタ28をシールドし、さらにステンレスボルト12および関連するアルミニウム装置210をガルバニック腐食を防ぐために電解液からシールドすることによってさらに防止される。
【0047】
本発明は、上記の実施形態に限定されない。そして、本発明の範囲又は同等物から逸脱することなく、設計、構造配置などの様々な修正を使用することができる。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16
【国際調査報告】