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特表2022-503711電気自動車用のコンバータの電気絶縁を確認するためのシステム
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  • 特表-電気自動車用のコンバータの電気絶縁を確認するためのシステム 図1
  • 特表-電気自動車用のコンバータの電気絶縁を確認するためのシステム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(54)【発明の名称】電気自動車用のコンバータの電気絶縁を確認するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/52 20200101AFI20220104BHJP
   H02M 3/28 20060101ALI20220104BHJP
   G01R 31/56 20200101ALI20220104BHJP
【FI】
G01R31/52
H02M3/28 C
G01R31/56
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021514351
(86)(22)【出願日】2019-09-11
(85)【翻訳文提出日】2021-04-30
(86)【国際出願番号】 IB2019057635
(87)【国際公開番号】W WO2020053771
(87)【国際公開日】2020-03-19
(31)【優先権主張番号】102018000008576
(32)【優先日】2018-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505005038
【氏名又は名称】メタ システム エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】META SYSTEM S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ラサグニ,チェーザレ
【テーマコード(参考)】
2G014
5H730
【Fターム(参考)】
2G014AA15
2G014AB02
2G014AB24
5H730AS17
5H730BB21
5H730CC04
5H730XX03
5H730XX11
5H730XX23
5H730XX50
(57)【要約】
電気自動車用のコンバータの電気絶縁を確認するためのシステム(S)は、電気自動車用の高電圧コンバータ(CNV)の監視される少なくとも1つのライン(L1~Ln)に接続され、コンバータ(CNV)のアース端子(C)に接続される、少なくとも1つの電圧発生器(G,G1,G2)と、電圧発生器(G,G1,G2)に動作可能に接続される少なくとも1つの電流検出ユニット(U,U1,U2)であって、場合により、電圧発生器(G,G1,G2)に存在するいずれかの電流を検出し、電流を検出した場合、警告信号を発生させるように構成される、少なくとも1つの電流検出ユニット(U,U1,U2)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車用のコンバータの電気絶縁を確認するためのシステム(S)であって、
電気自動車用の高電圧コンバータ(CNV)の監視される少なくとも1つのライン(L1~Ln)に接続され、前記コンバータ(CNV)のアース端子(C)に接続される、少なくとも1つの電圧発生器(G,G1,G2)と、
前記電圧発生器(G,G1,G2)に動作可能に接続される少なくとも1つの電流検出ユニット(U,U1,U2)であって、場合により、前記電圧発生器(G,G1,G2)に存在するいずれかの電流を検出し、前記電流を検出した場合、少なくとも1つの警告信号を発生させるように構成される、少なくとも1つの電流検出ユニット(U,U1,U2)と、
を備えることを特徴とする、システム(S)。
【請求項2】
前記電圧発生器(G,G1,G2)は直流電圧発生器であることを特徴とする、請求項1に記載のシステム(S)。
【請求項3】
前記電圧発生器(G,G1,G2)は絶縁及び制限された直流電圧発生器であることを特徴とする、請求項1または2に記載のシステム(S)。
【請求項4】
前記電圧発生器(G,G1,G2)は方形波交流電圧発生器であることを特徴とする、請求項1に記載のシステム(S)。
【請求項5】
検出ユニット(U,U1,U2)は、電流計(M)、電圧計、抵抗計の少なくとも1つを備えることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のシステム(S)。
【請求項6】
前記電流計(M)は、前記電圧発生器(G,G1,G2)によって吸収される電流を測定するように構成される電流吸収計測器であることを特徴とする、請求項5に記載のシステム(S)。
【請求項7】
検出ユニット(U,U1,U2)は、電流計(M)に動作可能に接続され、前記検出電流の値を少なくとも1つの所定の閾値と比較するように構成される、少なくとも1つの比較及び信号伝達ユニット(A)を備え、前記比較及び信号伝達ユニット(A)は、前記電流値が前記閾値よりも大きい場合、前記警告信号を送信するように構成されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載のシステム(S)。
【請求項8】
前記比較及び信号伝達ユニット(A)は前記閾値を記憶するように構成されるプログラム可能記憶装置を備えることを特徴とする、請求項7に記載のシステム(S)。
【請求項9】
前記システム(S)は、前記電圧発生器(G,G1,G2)に動作可能に接続される少なくとも1つの絶縁変圧器(T1,T2,T)を備えることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載のシステム(S)。
【請求項10】
電気自動車用のコンバータ(CNV)であって、外部電源ライン(L1~Ln)に接続可能な少なくとも1つの入力、少なくとも1つの電圧変換ユニット(DC/DC)、及び電気自動車の負荷に接続可能な少なくとも1つの出力ライン(L1~Ln)を備え、
前記電気自動車用のコンバータ(CNV)は、
監視される少なくとも1つのライン(L1~Ln)に接続され、前記コンバータ(CNV)のアース端子(C)に接続される、少なくとも1つの電圧発生器(G,G1,G2)と、
前記電圧発生器(G,G1,G2)に動作可能に接続される少なくとも1つの電流検出ユニット(U,U1,U2)であって、場合により、前記電圧発生器(G,G1,G2)に存在するいずれかの電流を検出し、前記電流を検出した場合、少なくとも1つの警告信号を発生させるように構成される、少なくとも1つの電流検出ユニット(U,U1,U2)と、
を備えることを特徴とする、システム(S)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車用のコンバータの電気絶縁を確認するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特に自動車分野に関して、一般的に電気自動車の内側に実装される充電器またはDC/DCコンバータ等の電力装置の使用は既知である。
【0003】
これらの装置は、高電圧AC電源ラインに対する入力において接続可能であり、1つ以上のAC/DC及びDC/DCコンバータが設けられ、電気自動車の電池または他のデバイスに対する出力において接続される。
【0004】
一般的に、これらの装置は、適切な変圧器によって、AC入力とDC出力との間に絶縁がもたらされる。
【0005】
具体的には、ACに関するアースの絶縁または車体の絶縁の損失または減少は、法律によって、全ての電力供給ネットワークに存在する標準の微分システムによって検出される。ACに関するアースの絶縁の損失または減少は、概して、車両の高電圧電池に接続される複雑な専用システムによって、車内で監視される。
【0006】
しかしながら、係る装置は、必ずしも、AC入力とDC出力との間で専用の電気絶縁部を有するとは限らない、または、いずれの場合、係る装置は、必ずしも、適切な絶縁を確実にすることが可能であるとは限らない。
【0007】
したがって、絶縁の欠如または減少が発生している場合、すぐに信号伝達し及び介入するために、既知の装置の電気絶縁を監視する必要性を感じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の主な目的は、電気絶縁がないことまたは電気絶縁の部分的減少を効率的に検出及び報告することを可能にする、電気自動車用のコンバータの電気接地の絶縁を確認するためのシステムに関する。
【0009】
本発明の別の目的は、使用するのに単純で、合理的で、容易で、効率的な解決策及び低コストの解決策で先行技術の言及した欠点を克服することを可能にする、電気自動車用のコンバータの電気絶縁を確認するためのシステムを考案することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の目的は、請求項1に記載の電気自動車用のコンバータの電気絶縁を確認するための本発明のシステムによって達成される。
【0011】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面の図に暗示的に示されるが、本実施形態に限定されない、電気自動車用のコンバータの電気絶縁を確認するためのシステムの好ましいが非排他的な2つの実施形態の説明からより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に従ったシステムの第1の可能な実施形態の全体のブロック図である。
図2】本発明に従ったシステムの第2の可能な実施形態の全体のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
特にこれらの図に関連して、参照文字Sは、全体的に、具体的には電気自動車用のコンバータ使用可能な電気絶縁を確認するためのシステムを示す。
【0014】
具体的には、システムSは、一般的に、充電器またはDC/DCコンバータ等の電気自動車の内側に実装されるコンバータデバイスCNVで使用可能である。
【0015】
利点をもたらすように、システムSは、電気自動車用の高電圧コンバータCNVの監視される少なくとも1つのラインL1~Lnに接続される少なくとも1つの電圧発生器G1,G2,Gを備える。
【0016】
加えて、電圧発生器G1,G2,Gは、コンバータCNVのアース端子(接地,PE)に接続される。
【0017】
ラインL1~Ln及びコンバータCNVのアース端子への電圧発生器G,G1,G2の接続は、ラインL1~Lnとアースとの間に、コンバータ自体の電気絶縁の欠如を検出することを可能にする。
【0018】
実際に、コンバータCNVの1つ以上のラインL1~Lnが電気的に絶縁されていない場合、ラインL1~Lnとコンバータ自体のアース端子との間の各々の電圧の印加により、電流の発生をもたらす。次に、この電流は、電気絶縁の欠如を確認し、その欠如を知らせる信号を伝達するために、検出及び測定できる。
【0019】
可能な実施形態に従って、電圧発生器G,G1,G2はDC電圧発生器である。
【0020】
具体的には、この可能な実施形態に従って、電圧発生器G,G1,G2は、絶縁され、制限されるDC電圧発生器から成る。
【0021】
しかしながら、様々な実施形態を無視できない。例えば、さらなる可能な実施形態に従って、電圧発生器G1~Gnは、方形波交流電圧発生器から成り得る。
【0022】
好都合に、電流制限は2つの目的があり、それらの目的は、発生器自体への損傷を回避することと、L1~Lnとアースとの間で大電流の循環を回避することである。
【0023】
具体的には、図1に示される第1の可能な実施形態を参照すると、コンバータCNVは、入力AC INを介して外部電源ラインACに接続される力率補正ユニットPFCが設けられた充電器と、ユニットPFCに接続され、具体的には、電気自動車の電池Bから成る外部負荷に接続される2つの出力ラインL1及びL2が設けられたDC/DC変換ユニットとから成る。
【0024】
この特定の適用を参照すると、システムSは、複数の電圧発生器G1及びG2(具体的には、各々、コンバータCNVのラインL1及びL2に接続される2つの電圧発生器G1及びG2)を備える。
【0025】
加えて、電圧発生器G1及びG2のそれぞれは、コンバータCNV自体の外部金属筐体Cに接続される。
【0026】
代替として、一般的に筐体Cが車両の接地に接続されるため、電圧発生器G1,G2のそれぞれは接地に接続できる。
【0027】
他方では、図2に示される第2の可能な実施形態を参照すると、システムSは単一の電圧発生器Gを備え、電圧発生器Gは、複数の電圧を発生させるように構成され、各々、監視される複数のラインL1~Ln及び接地に接続できる複数の接続部が設けられている。
【0028】
図2に示されるこの可能な実施形態に従って、電圧発生器は、監視される各々のラインL1~Lnに接続される複数の電圧発生器G1~Gnを備える。
【0029】
可能であるさらなる実施形態に従って、電圧発生器は、電源ラインのニュートラル端子と接地との間に接続できる。このように、ニュートラル端子の電流の存在は、他のラインの絶縁の欠如も監視することを可能にする。
【0030】
利点をもたらすように、システムSは、少なくとも1つの電圧発生器G,G1,G2に動作可能に接続される少なくとも1つの電流検出ユニットU,U1,U2を備え、少なくとも1つの電流検出ユニットU,U1,U2は、
-場合により、電圧発生器G,G1,G2に存在するいずれかの電流を検出し、
-係る電流を検出した場合、少なくとも1つの警告信号を発生させるように構成される。
【0031】
具体的には、図1に示される実施形態を参照すると、本システムは、複数の電流検出ユニットU1,U2(具体的には、各々の電圧発生器G1及びG2に動作可能に接続される2つの電流検出ユニットU1,U2)を備える。
【0032】
この構成では、検出ユニットU1及びU2のそれぞれは、各々の電圧発生器G1及びG2によって発生される可能性がある電流を検出することが可能である。
【0033】
したがって、検出ユニットU1及びU2のそれぞれは、各々のラインL1及びL2の電気絶縁の欠如を知らせる信号を伝達することが可能である。
【0034】
他方では、図2に示される代替の実施形態を参照すると、システムSは、単一の電圧発生器Gに動作可能に接続される単一の電流検出ユニットUを備える。
【0035】
この構成では、電流検出ユニットUは、一般的な電流を検出するように構成される。
【0036】
したがって、この特定の構成を参照すると、電流検出ユニットUは、絶縁の損失をもたらす個々の特定の監視されるラインにかかわらず、一般的な絶縁の損失を検出することが可能である。
【0037】
可能な実施形態に従って、検出ユニットU,U1,U2は、電圧発生器G,G1,G2に動作可能に接続される少なくとも1つの電流計Mを備える。
【0038】
好ましくは、電流計Mは、電圧発生器G,G1,G2によって吸収される電流を測定するように構成される電流吸収計測器である。
【0039】
加えて、検出ユニットU,U1,U2は、電流計Uに動作可能に接続される少なくとも1つの比較及び信号伝達ユニットAを備え、信号伝達ユニットAは、
-電流計Mによって検出された電流値を少なくとも1つの所定の閾値と比較し、
-検出電流の値が所定の閾値よりも大きい場合、警告信号を送信するように構成される。
【0040】
好都合に、閾値はプログラム可能である。
【0041】
具体的には、比較及び信号伝達ユニットAは所定の閾値を記憶するように構成されるプログラム可能記憶装置を備える。
【0042】
しかしながら、検出ユニットU,U1,U2が電流値と異なるが技術的に同等である値を測定する、代替の実施形態を無視できない。
【0043】
例えば、検出ユニットU,U1,U2は、監視されるライン間で検出された電圧の測定または抵抗値の測定を行うことができる。
【0044】
したがって、検出ユニットU,U1,U2は、電流計、電圧計、抵抗計の少なくとも1つを備える。
【0045】
好都合に、図1に示されるように、第1の可能な実施形態を参照すると、システムSは、電圧発生器G1及びG2のそれぞれと、検出ユニットU1及びU2のそれぞれとの間に動作可能に設置される、各々の絶縁変圧器T1及びT2を備え得る。
【0046】
加えて、図2に示されるように、第2の実施形態を参照して、システムSは、一般的な電圧発生器Gの電圧発生器G1~Gnのそれぞれに接続される絶縁変圧器Tを備える。
【0047】
具体的には、システムSが相互から絶縁される必要があるラインL1~Lnの間で電圧を実際に印加するため、絶縁変圧器T、T1、及びT2の使用が望まれる。
【0048】
図1の第1の実施形態を参照すると、検出ユニットU1及びU2の電流計Mは、各々の変換器T1及びT2の上流及び下流の両方に配置できる。
【0049】
図2の第2の実施形態を参照すると、一般的な検出ユニットUだけの電流計Mは、必ず、変圧器Tの上流に設置される必要がある。コンバータCNVは、具体的には、自動車分野での使用に適切であり、電気自動車またはハイブリッド車の車内に設置されたパワーエレクトロニクス装置から成る。
【0050】
例えば、コンバータCNVは、OBC(車載充電器)充電器またはDC-DCコンバータから成り得る。
【0051】
具体的には、コンバータCNVは、外部電源ラインに接続可能に入力される少なくとも1つのAC IN、少なくとも1つのDC/DC電圧変換ユニット、及び電気自動車の負荷Bに接続可能な少なくとも1つの出力ラインL1~Lnを備える。
【0052】
利点をもたらすように、コンバータCNVは、上記に説明した電気絶縁を確認するためのシステムSを備える。
【0053】
実際には、説明される本発明は意図された目的を達成していることが発見されている。
【0054】
具体的には、本発明に従って電気絶縁を確認するためのシステムは、電気自動車用のコンバータの電気絶縁の欠如を検出し、効率的に信号伝達することを可能にすることを強調する。
図1
図2
【国際調査報告】