(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(54)【発明の名称】圧縮限定アセンブリを有するカラム
(51)【国際特許分類】
G01N 30/60 20060101AFI20220104BHJP
G01N 30/26 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
G01N30/60 P
G01N30/26 N
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021515607
(86)(22)【出願日】2018-10-01
(85)【翻訳文提出日】2021-03-19
(86)【国際出願番号】 US2018053786
(87)【国際公開番号】W WO2020068135
(87)【国際公開日】2020-04-02
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511203086
【氏名又は名称】アイデックス ヘルス アンド サイエンス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】チャルネッキ, ダニエル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ニーンハイス, ナサニエル
(72)【発明者】
【氏名】ビーマー, エリック
(72)【発明者】
【氏名】ステックマン, デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】メデイロス, デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ペイン, ドナルド ダブリュー.
(57)【要約】
クロマトグラフィカラムは、カラムジャケット管と、カラムライナ管とをさらに含む、カラムアセンブリを有する。カラムアセンブリは、圧縮限定特徴を有し、カラムアセンブリをシールするカラムライナ管のフランジ部分と併せて、UHPLCにおいて使用されるもの等の非常に高い圧力に耐えることが可能である、端部継手とともに構成される。カラムライナ管は、生体適合性であり得、2mm未満の平滑な一貫した内径を有し、特定の実施形態では、1mmの内径を有し得る。微細管アセンブリのための端部継手は、過剰引締または引締不足を防止することによって、耐久性および信頼性を確実にし得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロマトグラフィのためのカラムアセンブリであって、前記カラムアセンブリは、
カラムとして使用するために構成される、カラムジャケット管であって、前記カラムジャケット管は、第1の金属から成り、5mm未満の第1の内径を有し、前記カラムジャケット管はさらに、前記カラムジャケット管の一方の端部にねじ山付き管部分を備え、前記ねじ山付き管部分は、前記一方の端部における前記カラムジャケット管との流体連通を可能にされる保定器本体と螺着して係合するように構成され、前記ねじ山付き管部分はさらに、前記ねじ山付き管部分が、前記保定器本体と係合されるとき、前記保定器本体内に前記カラムジャケット管を拘束する、肩部を備える、カラムジャケット管と、
前記カラムジャケット管の前記第1の内径を円筒状に被覆するように構成され、前記第1の内径未満の第2の内径を有する、カラムライナ管であって、前記第2の内径は、固定相および移動相を受容し、前記カラムジャケット管との接触から少なくとも前記移動相を隔離することを可能にされる、カラム通路を画定し、前記カラムライナ管は、生体適合性材料から形成され、前記カラム管ライナはさらに、前記カラムジャケット管の前記一方の端部を半径方向に被覆する、フランジ部分を一体的に備える、カラムライナ管と、
第1の端部において前記肩部と噛合し、第2の端部において前記保定器本体内の第2の空洞と噛合するように構成される、フリット保定器であって、前記フリット保定器はさらに、前記カラムライナ管の前記フランジ部分によって半径方向に被覆される前記カラムジャケット管の端部を受容するように構成される、前記第1の端部における第1の空洞を備える、フリット保定器と
を備え、
前記ねじ山付き管部分が、前記保定器本体と螺着して係合するとき、前記フランジ部分は、前記第1の空洞に対して前記カラムライナ管を流体的にシールし、前記フリット保定器は、前記保定器本体によって封入される、カラムアセンブリ。
【請求項2】
前記ねじ山付き管部分が、前記保定器本体と螺着して係合するとき、前記肩部は、前記保定器本体によって前記カラムライナ管に印加される圧縮力を限定するために、前記フリット保定器との拘束接触のために構成される、請求項1に記載のカラムアセンブリ。
【請求項3】
前記圧縮力は、前記第1の空洞に対して前記フランジ部分を圧縮することによって、高圧流体シールを提供するように規定される、請求項2に記載のカラムアセンブリ。
【請求項4】
前記高圧流体シールは、最大280,000kPaで前記カラム通路をシールすることを可能にされる、請求項3に記載のカラムアセンブリ。
【請求項5】
前記フリット保定器と拘束接触する前記肩部は、前記高圧シールに加えて、二次シールを形成する、請求項2に記載のカラムアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の空洞内に配置される、第3の空洞をさらに備え、前記第3の空洞は、前記フランジ部分において前記カラム通路と流体連通するフリットを受容および保持するように構成される、請求項1に記載のカラムアセンブリ。
【請求項7】
前記フリットは、増加された入口表面積を有する、ディンプル状フリットである、請求項6に記載のカラムアセンブリ。
【請求項8】
前記ディンプル状フリットは、多孔性金属から成る、請求項7に記載のカラムアセンブリ。
【請求項9】
前記多孔性金属は、発泡金属である、請求項7に記載のカラムアセンブリ。
【請求項10】
前記フリット保定器を封入する、前記保定器本体をさらに備える、請求項1に記載のカラムアセンブリ。
【請求項11】
前記ねじ山付き管部分は、雄型ねじ切りを有し、前記保定器本体は、ともに螺着して係合する雌型ねじ切りを有する、請求項1に記載のカラムアセンブリ。
【請求項12】
前記ねじ山付き管部分は、雌型ねじ切りを有し、前記保定器本体は、ともに螺着して係合する雄型ねじ切りを有する、請求項1に記載のカラムアセンブリ。
【請求項13】
前記フリット保定器は、第2の金属から成り、前記保定器本体は、第3の金属から成る、請求項1に記載のカラムアセンブリ。
【請求項14】
前記第1の金属、前記第2の金属、および前記第3の金属のうちの少なくとも1つは、ステンレス鋼から成る、請求項13に記載のカラムアセンブリ。
【請求項15】
前記ステンレス鋼は、組成の順序において、元素Fe、Cr、Mn、Ni、Si、N、およびCから成る、オーステナイト合金である、請求項14に記載のカラムアセンブリ。
【請求項16】
前記生体適合性材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシエチレン、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、およびポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)のうちの少なくとも1つから成る、請求項1に記載のカラムアセンブリ。
【請求項17】
前記生体適合性材料はさらに、充填材から成る、請求項16に記載のカラムアセンブリ。
【請求項18】
前記充填材はさらに、少なくとも1つのタイプの繊維から成る、請求項17に記載のカラムアセンブリ。
【請求項19】
前記繊維のタイプは、炭素繊維、ナノファイバ、および金属繊維のうちの少なくとも1つから選択される、請求項18に記載のカラムアセンブリ。
【請求項20】
前記フリット保定器はさらに、前記第1および第2の端部に対応する外側区分と、中間区分とを含む、2つの区分を備え、前記第1の区分は、一体型ワークピースから形成され、前記中間区分は、前記第1の空洞の底部と、前記第3の空洞と、前記保定器本体と流体連通するフリット通路とを含み、前記中間区分は、生体適合性ポリマーから形成される、請求項6に記載のカラムアセンブリ。
【請求項21】
前記カラムジャケット管はさらに、ねじ山付き先端部分を備え、前記フリット保定器の前記第1の空洞は、前記ねじ山付き先端部分と噛合するように対応して螺着される、請求項1に記載のカラムアセンブリ。
【請求項22】
前記フリット保定器は、前記保定器本体内で回転しないように拘束される、請求項21に記載のカラムアセンブリ。
【請求項23】
前記保定器本体の外部ポートは、ねじ山付き平坦底部ポート継手を受容するための平坦底部ポートである、請求項1に記載のカラムアセンブリ。
【請求項24】
前記保定器本体の外部ポートは、プラグイン迅速接続継手と適合する、請求項1に記載のカラムアセンブリ。
【請求項25】
前記保定器本体の外部ポートは、前記プラグイン迅速接続継手のための接管である、請求項24に記載のカラムアセンブリ。
【請求項26】
前記第1の内径は、4mm未満である、請求項1に記載のカラムアセンブリ。
【請求項27】
前記第1の内径は、3mm未満である、請求項1に記載のカラムアセンブリ。
【請求項28】
前記第2の内径は、3mm未満である、請求項1に記載のカラムアセンブリ。
【請求項29】
前記第2の内径は、2mm未満である、請求項1に記載のカラムアセンブリ。
【請求項30】
クロマトグラフィカラムアセンブリであって、
第1の金属から成り、第1の内径を有する、カラムジャケット管であって、前記カラムジャケット管はさらに、前記カラムジャケット管の一方の端部にねじ山付き管部分を備え、前記ねじ山付き管部分は、前記一方の端部における前記カラムジャケット管との流体連通を可能にされる保定器本体と螺着して係合するように構成され、前記ねじ山付き管部分はさらに、前記保定器本体内に前記カラムジャケット管を拘束する、肩部を備える、カラムジャケット管と、
前記カラムジャケット管の前記第1の内径を円筒状に被覆するように構成され、前記第1の内径未満の第2の内径を有する、カラムライナ管であって、前記第2の内径は、固定相および移動相を受容し、前記カラムジャケット管との接触から少なくとも前記移動相を隔離することを可能にされる、カラム通路を画定し、前記カラムライナ管は、生体適合性材料から形成され、前記カラム管ライナはさらに、前記カラムジャケット管の前記一方の端部を半径方向に被覆する、フランジ部分を一体的に備える、カラムライナ管と、
第1の端部において前記肩部と噛合し、第2の端部において前記保定器本体内の第2の空洞と噛合するように構成される、フリット保定器であって、前記フリット保定器はさらに、前記フランジ部分において前記カラム通路と流体連通するフリットを受容および保持するように構成される、前記第1の端部における第1の空洞を備える、フリット保定器と
を備え、
前記ねじ山付き管部分が、前記保定器本体と螺着して係合するとき、前記フランジ部分は、前記第1の空洞に対して前記カラムライナ管を流体的にシールし、前記フリット保定器は、前記保定器本体によって封入される、クロマトグラフィカラムアセンブリ。
【請求項31】
前記フリット保定器はさらに、前記カラムライナ管の前記フランジ部分によって半径方向に被覆される前記カラムジャケット管の端部を受容するように構成される、前記第1の端部における第3の空洞を備え、前記第1の空洞は、前記第3の空洞内に形成される、請求項30に記載のクロマトグラフィカラムアセンブリ。
【請求項32】
前記ねじ山付き管部分が、前記保定器本体と螺着して係合するとき、前記肩部は、前記保定器本体によって前記フランジ部分に印加される圧縮力を限定するために、前記フリット保定器との拘束接触のために構成される、請求項31に記載のクロマトグラフィカラムアセンブリ。
【請求項33】
前記圧縮力は、前記第1の空洞に対して前記フランジ部分を圧縮することによって、高圧流体シールを提供するように規定される、請求項32に記載のクロマトグラフィカラムアセンブリ。
【請求項34】
前記高圧流体シールは、最大280,000kPaで前記カラム通路をシールすることを可能にされる、請求項33に記載のクロマトグラフィカラムアセンブリ。
【請求項35】
前記フリット保定器と拘束接触する前記肩部は、前記高圧シールに加えて、二次シールを形成する、請求項32に記載のクロマトグラフィカラムアセンブリ。
【請求項36】
前記フリットは、増加された入口表面積を有する、ディンプル状フリットである、請求項30に記載のクロマトグラフィカラムアセンブリ。
【請求項37】
前記ディンプル状フリットは、多孔性金属から成る、請求項30に記載のクロマトグラフィカラムアセンブリ。
【請求項38】
前記多孔性金属は、発泡金属である、請求項37に記載のクロマトグラフィカラムアセンブリ。
【請求項39】
前記フリット保定器を封入する、前記保定器本体をさらに備える、請求項30に記載のクロマトグラフィカラムアセンブリ。
【請求項40】
前記ねじ山付き管部分は、雄型ねじ切りを有し、前記保定器本体は、ともに螺着して係合する雌型ねじ切りを有する、請求項30に記載のクロマトグラフィカラムアセンブリ。
【請求項41】
前記ねじ山付き管部分は、雌型ねじ切りを有し、前記保定器本体は、ともに螺着して係合する雄型ねじ切りを有する、請求項30に記載のクロマトグラフィカラムアセンブリ。
【請求項42】
前記フリット保定器は、第2の金属から成り、前記保定器本体は、第3の金属から成る、請求項30に記載のクロマトグラフィカラムアセンブリ。
【請求項43】
前記第1の金属、前記第2の金属、および前記第3の金属のうちの少なくとも1つは、ステンレス鋼から成る、請求項42に記載のクロマトグラフィカラムアセンブリ。
【請求項44】
前記ステンレス鋼は、組成の順序において、元素Fe、Cr、Mn、Ni、Si、N、およびCから成る、オーステナイト合金である、請求項43に記載のクロマトグラフィカラムアセンブリ。
【請求項45】
前記生体適合性材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシエチレン、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、およびポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)のうちの少なくとも1つから成る、請求項30に記載のクロマトグラフィカラムアセンブリ。
【請求項46】
前記フリット保定器はさらに、前記第1および第2の端部に対応する外側区分と、中間区分とを含む、2つの区分を備え、前記第1の区分は、一体型ワークピースから形成され、前記中間区分は、前記第3の空洞の底部と、前記第1の空洞と、前記保定器本体と流体連通するフリット通路とを含み、前記中間区分は、生体適合性ポリマーから形成される、請求項31に記載のクロマトグラフィカラムアセンブリ。
【請求項47】
前記カラムジャケット管はさらに、ねじ山付き先端部分を備え、前記フリット保定器の前記第3の空洞は、前記ねじ山付き先端部分と噛合するように対応して螺着される、請求項31に記載のクロマトグラフィカラムアセンブリ。
【請求項48】
前記保定器本体はさらに、前記保定器本体内で回転しないように前記フリット保定器を拘束するための拘束特徴を備える、請求項47に記載のクロマトグラフィカラムアセンブリ。
【請求項49】
前記保定器本体の外部ポートは、ねじ山付き平坦底部ポート継手を受容するための平坦底部ポートである、請求項30に記載のクロマトグラフィカラムアセンブリ。
【請求項50】
前記保定器本体の外部ポートは、プラグイン迅速接続継手と適合する、請求項30に記載のクロマトグラフィカラムアセンブリ。
【請求項51】
前記保定器本体の外部ポートは、前記プラグイン迅速接続継手のための接管である、請求項50に記載のクロマトグラフィカラムアセンブリ。
【請求項52】
前記第1の内径は、4mm未満である、請求項30に記載のクロマトグラフィカラムアセンブリ。
【請求項53】
前記第1の内径は、3mm未満である、請求項30に記載のクロマトグラフィカラムアセンブリ。
【請求項54】
前記第2の内径は、3mm未満である、請求項30に記載のクロマトグラフィカラムアセンブリ。
【請求項55】
前記第2の内径は、2mm未満である、請求項30に記載のクロマトグラフィカラムアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
(分野の開示)
本開示は、概して、液体クロマトグラフィシステムおよび他の分析器具システムにおけるクロマトグラフィカラムのために使用されるもの等の管類および継手アセンブリならびに流体接続システムに関し、より具体的には、圧縮限定アセンブリを有するカラムならびにそれに関する製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の説明)
種々のタイプの管類および継手アセンブリが、液体クロマトグラフィシステムにおける分離カラム(本明細書では、単純に「カラム」とも称される)のために使用され得る。管類および継手アセンブリは、実施されているクロマトグラフィ分離の対応に応じてサイズが変動し得、所望に応じて、特定の用途のための種々の接続アセンブリとともに構成され得る。カラムを用いて実施されるクロマトグラフィ分離は、個々の分子種に関する相対濃度とともに、移動相(すなわち、「分析物」)中の個々の構成分子の同定を提供するために使用され得る。クロマトグラフィ分離はまた、分析物の種々の性質を判定するための他の分析技法と併用され得る。クロマトグラフィ分離はまた、種々の他の使用のための具体的構成化合物を捕捉または単離するために使用され得る。
【0003】
液体クロマトグラフィシステムの1つの性能側面は、サンプルライン(接続管)、コネクタ、継手、弁、およびクロマトグラフィカラムを含む、システムの全体的流体体積であり、最小のカラム外流体体積が、望ましい。本明細書に使用されるように、「カラム外流体体積」は、分離を能動的に実施する固定相を含有しない、サンプル注入点からサンプル検出点までのクロマトグラフィシステムにおける任意の内部流体体積として定義され得る。
【0004】
液体クロマトグラフィにおける別の性能側面は、圧力であり、より高い圧力が、より望ましい、または他の利益の中でもとりわけ、示差移行の強化等の望ましい効果を有する。例えば、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)は、最大約60,000kPa(または約8,700psi)の圧力において動作することが公知である一方、超高速液体クロマトグラフィ(UHPLC)は、最大約120,000kPa(または約17,500psi)の圧力において動作することが公知である。
【0005】
液体クロマトグラフィにおけるまた別の性能側面は、クロマトグラフィシステムを備えるハードウェアと、移動相、固定相、および注入されたサンプルのうちの少なくとも1つを含む、分離において使用される種々の化学種との適合性である。ハードウェア適合性は、それによって種々の化学種とのいかなる反応も分離の間に起こらない、クロマトグラフィシステムにおいて使用される材料と種々の化学種との間の低化学反応性に基づき得る。ハードウェア適合性はまた、ハードウェア材料と種々の化学種との間の任意の他の形態の所望されない相互作用を含み得る。
【0006】
これらの性能側面の結果として、高強度ステンレス鋼が、典型的には、液体クロマトグラフィカラムを形成するための材料として使用され得る。従来的に、高強度ステンレス鋼は、上記に説明される性能側面を達成するために好適である。しかしながら、クロマトグラフィカラムの所望の内径は、5mm未満、ある場合には、3mm未満に到達するため、ステンレス鋼管類を製造する従来の方法は、平滑かつ一貫した内径仕上げを達成することが可能ではない場合があり、液体クロマトグラフィのために所望されるものよりも粗い内径仕上げをもたらし得る。加えて、ある移動相および分析物成分は、ステンレス鋼と適合しない場合がある。したがって、ステンレス鋼と併用されるとき、ある化学種は、場合によっては、望ましくない、カラムハードウェアの劣化または損傷、分析物の劣化または損失、もしくはクロマトグラフィシステムの損傷をもたらし得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(要約)
一側面では、圧縮限定アセンブリを有するカラムのためのクロマトグラフィのためのカラムアセンブリが、開示される。カラムアセンブリは、カラムとして使用するために構成される、カラムジャケット管を含んでもよい。カラムアセンブリでは、カラムジャケット管は、第1の金属から成ってもよく、5mm未満の第1の内径を有してもよい。カラムアセンブリでは、カラムジャケット管はさらに、カラムジャケット管の一方の端部にねじ山付き管部分を含み、ねじ山付き管部分は、一方の端部におけるカラムジャケット管との流体連通を可能にされる保定器本体と螺着して係合するように構成されてもよい。カラムアセンブリでは、ねじ山付き管部分はさらに、ねじ山付き管部分が、保定器本体と係合されるとき、保定器本体内にカラムジャケット管を拘束する、肩部を含んでもよい。カラムアセンブリはまた、カラムジャケット管の第1の内径を円筒状に被覆するように構成され、第1の内径未満の第2の内径を有する、カラムライナ管を含んでもよい。カラムアセンブリでは、第2の内径は、固定相および移動相を受容し、カラムジャケット管との接触から少なくとも移動相を隔離することを可能にされる、カラム通路を画定してもよい。カラムアセンブリでは、カラムライナ管は、生体適合性材料から形成されてもよく、カラム管ライナはさらに、カラムジャケット管の一方の端部を半径方向に被覆する、フランジ部分を一体的に含んでもよい。カラムアセンブリは、加えて、第1の端部において肩部と噛合し、第2の端部において保定器本体内の第2の空洞と噛合するように構成される、フリット保定器を含んでもよい。カラムアセンブリでは、フリット保定器はさらに、カラムライナ管のフランジ部分によって半径方向に被覆されるカラムジャケット管の端部を受容するように構成される、第1の端部における第1の空洞を含んでもよい。カラムアセンブリでは、ねじ山付き管部分が、保定器本体と螺着して係合するとき、フランジ部分は、フリット保定器が、保定器本体によって封入されるように、第1の空洞に対してカラムライナ管を流体的にシールしてもよい。
【0008】
カラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、ねじ山付き管部分が、保定器本体と螺着して係合するとき、肩部は、保定器本体によってカラムライナ管に印加される圧縮力を限定するために、フリット保定器との拘束接触のために構成されてもよい。
【0009】
カラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、圧縮力は、第1の空洞に対してフランジ部分を圧縮することによって、高圧流体シールを提供するように規定されてもよい。
【0010】
カラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、高圧流体シールは、最大280,000kPa(40,000psi)でカラム通路をシールすることを可能にされてもよい。
【0011】
カラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、フリット保定器と拘束接触する肩部は、高圧シールに加えて、二次シールを形成してもよい。
【0012】
開示される実施形態のうちのいずれかでは、カラムアセンブリはさらに、第1の空洞内に配置される、第3の空洞を含み、第3の空洞は、フランジ部分においてカラム通路と流体連通するフリットを受容および保持するように構成されてもよい。
【0013】
カラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、フリットは、増加された入口表面積を有する、ディンプル状フリットであってもよい。カラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、ディンプル状フリットは、多孔性金属を含んでもよい。カラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、多孔性金属は、発泡金属であってもよい。
【0014】
開示される実施形態のうちのいずれかでは、カラムアセンブリはさらに、フリット保定器を封入する、保定器本体を含んでもよい。
【0015】
カラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、ねじ山付き管部分は、雄型ねじ切りを有してもよく、保定器本体は、ともに螺着して係合する雌型ねじ切りを有する。
【0016】
カラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、ねじ山付き管部分は、雌型ねじ切りを有してもよく、保定器本体は、ともに螺着して係合する雄型ねじ切りを有する。
【0017】
カラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、フリット保定器はさらに、第2の金属を含んでもよく、保定器本体はさらに、第3の金属を含んでもよい。カラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、第1の金属、第2の金属、および第3の金属のうちの少なくとも1つは、ステンレス鋼を含んでもよい。カラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、ステンレス鋼は、組成の順序において、元素Fe、Cr、Mn、Ni、Si、N、およびCから成る、オーステナイト合金であってもよい。
【0018】
カラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、生体適合性材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシエチレン、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、およびポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0019】
カラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、生体適合性材料はさらに、充填材を含んでもよい。カラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、充填材はさらに、少なくとも1つのタイプの繊維を含んでもよい。カラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、繊維のタイプは、炭素繊維、ナノファイバ、および金属繊維のうちの少なくとも1つから選択されてもよい。
【0020】
カラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、フリット保定器はさらに、第1および第2の端部に対応する外側区分と、中間区分とを含む、2つの区分を含んでもよく、第1の区分は、一体型ワークピースから形成され、中間区分は、第1の空洞の底部と、第3の空洞と、保定器本体と流体連通するフリット通路とを含み、中間区分は、生体適合性ポリマーから形成される。
【0021】
カラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、カラムジャケット管はさらに、ねじ山付き先端部分を含んでもよく、フリット保定器の第1の空洞は、ねじ山付き先端部分と噛合するように対応して螺着されてもよい。
【0022】
カラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、フリット保定器は、保定器本体内で回転しないように拘束されてもよい。
【0023】
カラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、保定器本体の外部ポートは、ねじ山付き平坦底部ポート継手を受容するための平坦底部ポートであってもよい。
【0024】
カラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、保定器本体の外部ポートは、プラグイン迅速接続継手と適合してもよい。
【0025】
カラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、保定器本体の外部ポートは、プラグイン迅速接続継手のための接管であってもよい。
【0026】
カラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、第1の内径は、4mm未満であってもよい。カラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、第1の内径は、3mm未満であってもよい。カラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、第2の内径は、3mm未満であってもよい。カラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、第2の内径は、2mm未満であってもよい。
【0027】
別の側面では、圧縮限定アセンブリを有するカラムのためのクロマトグラフィカラムアセンブリが、開示される。クロマトグラフィカラムアセンブリは、第1の金属から成り得、第1の内径を有し得る、カラムジャケット管を含んでもよい。クロマトグラフィカラムアセンブリでは、カラムジャケット管はさらに、カラムジャケット管の一方の端部にねじ山付き管部分を含み、ねじ山付き管部分は、一方の端部におけるカラムジャケット管との流体連通を可能にされる保定器本体と螺着して係合するように構成されてもよい。クロマトグラフィカラムアセンブリでは、ねじ山付き管部分はさらに、保定器本体内にカラムジャケット管を拘束する、肩部を含んでもよい。クロマトグラフィカラムアセンブリはまた、カラムジャケット管の第1の内径を円筒状に被覆するように構成され、第1の内径未満の第2の内径を有する、カラムライナ管を含んでもよい。クロマトグラフィカラムアセンブリでは、第2の内径は、固定相および移動相を受容し、カラムジャケット管との接触から少なくとも移動相を隔離することを可能にされる、カラム通路を画定してもよい。クロマトグラフィカラムアセンブリでは、カラムライナ管は、生体適合性材料から形成されてもよく、カラム管ライナはさらに、カラムジャケット管の一方の端部を半径方向に被覆する、フランジ部分を一体的に含んでもよい。クロマトグラフィカラムアセンブリはさらに、第1の端部において肩部と噛合し、第2の端部において保定器本体内の第2の空洞と噛合するように構成される、フリット保定器を含み、フリット保定器はさらに、フランジ部分においてカラム通路と流体連通するフリットを受容および保持するように構成される、第1の端部における第1の空洞を備えてもよい。クロマトグラフィカラムアセンブリでは、ねじ山付き管部分が、保定器本体と螺着して係合するとき、フランジ部分は、第1の空洞に対してカラムライナ管を流体的にシールしてもよい。クロマトグラフィカラムアセンブリでは、フリット保定器は、保定器本体によって封入されてもよい。
【0028】
クロマトグラフィカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、フリット保定器はさらに、カラムライナ管のフランジ部分によって半径方向に被覆されるカラムジャケット管の端部を受容するように構成される、第1の端部における第3の空洞を含んでもよい。クロマトグラフィカラムアセンブリでは、第1の空洞は、第3の空洞内に形成されてもよい。
【0029】
クロマトグラフィカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、ねじ山付き管部分が、保定器本体と螺着して係合するとき、肩部は、保定器本体によってフランジ部分に印加される圧縮力を限定するために、フリット保定器との拘束接触のために構成されてもよい。
【0030】
クロマトグラフィカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、圧縮力は、第1の空洞に対してフランジ部分を圧縮することによって、高圧流体シールを提供するように規定されてもよい。
【0031】
クロマトグラフィカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、高圧流体シールは、最大280,000kPa(40,000psi)でカラム通路をシールすることを可能にされてもよい。
【0032】
クロマトグラフィカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、フリット保定器と拘束接触する肩部は、高圧シールに加えて、二次シールを形成してもよい。
【0033】
クロマトグラフィカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、フリットは、増加された入口表面積を有する、ディンプル状フリットであってもよい。クロマトグラフィカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、ディンプル状フリットは、多孔性金属を含んでもよい。クロマトグラフィカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、多孔性金属は、発泡金属であってもよい。
【0034】
開示される実施形態のうちのいずれかでは、クロマトグラフィカラムアセンブリはさらに、フリット保定器を封入する、保定器本体を含んでもよい。
【0035】
クロマトグラフィカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、ねじ山付き管部分は、雄型ねじ切りを有してもよく、保定器本体は、ともに螺着して係合する雌型ねじ切りを有する。
【0036】
クロマトグラフィカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、ねじ山付き管部分は、雌型ねじ切りを有してもよく、保定器本体は、ともに螺着して係合する雄型ねじ切りを有する。
【0037】
クロマトグラフィカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、フリット保定器は、第2の金属を含んでもよく、保定器本体は、第3の金属を含んでもよい。クロマトグラフィカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、第1の金属、第2の金属、および第3の金属のうちの少なくとも1つは、ステンレス鋼を含んでもよい。クロマトグラフィカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、ステンレス鋼は、組成の順序において、元素Fe、Cr、Mn、Ni、Si、N、およびCから成る、オーステナイト合金であってもよい。
【0038】
クロマトグラフィカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、生体適合性材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシエチレン、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、およびポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0039】
クロマトグラフィカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、フリット保定器はさらに、第1および第2の端部に対応する外側区分と、中間区分とを含む、2つの区分を含んでもよい。クロマトグラフィカラムアセンブリでは、第1の区分は、一体型ワークピースから形成されてもよい。クロマトグラフィカラムアセンブリでは、フリット保定器の中間区分は、第3の空洞の底部と、第1の空洞と、保定器本体と流体連通するフリット通路とを含んでもよい。クロマトグラフィカラムアセンブリでは、フリット保定器の中間区分は、生体適合性ポリマーから形成されてもよい。
【0040】
クロマトグラフィカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、カラムジャケット管はさらに、ねじ山付き先端部分を含んでもよく、フリット保定器の第3の空洞は、ねじ山付き先端部分と噛合するように対応して螺着される。
【0041】
クロマトグラフィカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、保定器本体はさらに、保定器本体内で回転しないようにフリット保定器を拘束するための拘束特徴を含んでもよい。
【0042】
クロマトグラフィカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、保定器本体の外部ポートは、ねじ山付き平坦底部ポート継手を受容するための平坦底部ポートであってもよい。クロマトグラフィカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、保定器本体の外部ポートは、プラグイン迅速接続継手と適合してもよい。クロマトグラフィカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、保定器本体の外部ポートは、プラグイン迅速接続継手のための接管であってもよい。
【0043】
クロマトグラフィカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、第1の内径は、4mm未満であってもよい。クロマトグラフィカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、第1の内径は、3mm未満であってもよい。クロマトグラフィカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、第2の内径は、3mm未満であってもよい。クロマトグラフィカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、第2の内径は、2mm未満であってもよい。
【0044】
さらなる側面では、圧縮限定アセンブリを有するカラムのためのカラムアセンブリを製造するための方法が、開示される。本方法は、コンピュータ数値制御(CNC)機械加工を使用し、移動相中の分子種を分離することを可能にされるクロマトグラフィカラムとして使用するために構成される、カラムジャケット管を形成するステップを含んでもよい。本方法では、カラムジャケット管は、第1の金属を使用して形成されてもよく、約5mm未満の第1の内径を有してもよく、カラムジャケット管はさらに、カラムジャケット管の少なくとも一方の端部にねじ山付き管部分を備え、ねじ山付き管部分は、少なくとも一方の端部におけるカラムジャケット管の流体連通を可能にされる保定器本体と螺着して係合するように構成される。本方法では、ねじ山付き管部分はさらに、保定器本体内にカラムジャケット管を拘束する、肩部を含んでもよい。本方法はまた、生体適合性ポリマーから成るポリマー管をカラムジャケット管の第1の内径を上回る第1の外径に押出するステップと、室温において打ち抜き型を通してポリマー管を冷間引抜きし、第1の外径をカラムジャケット管の第1の内径を下回る第2の外径まで縮小し、カラムライナ管を作成するステップとを含んでもよい。本方法はさらに、カラムライナ管が、カラムジャケット管の両端を越えて延在し得るように、カラムライナ管をカラムジャケット管の中に挿入するステップと、カラムライナ管が、カラムジャケット管の第1の内径を円筒状に被覆するように構成され得、カラムライナ管が、カラムジャケット管の第1の内径を下回る第2の内径を有し得るように、カラムジャケット管内にカラムライナ管を固着させるステップとを含んでもよい。本方法では、第2の内径は、固定相および移動相を受容し、カラムジャケット管との接触から少なくとも移動相を隔離することを可能にされる、カラム通路を画定してもよい。本方法はなおもさらに、カラムライナ管の少なくとも一方の端部を漸広させ、カラムジャケット管の少なくとも一方の端部を半径方向に被覆する、フランジ部分を形成するステップを含んでもよい。本方法は、加えて、フリット保定器が、第1の端部において肩部と噛合し、第2の端部において保定器本体内の第2の空洞と噛合するように構成されるように、カラムジャケット管の端部を受容することを可能にされる、フリット保定器を形成するステップを含み、フリット保定器はさらに、カラムライナ管のフランジ部分によって半径方向に被覆されるカラムジャケット管の端部を受容するように構成される、第1の端部における第1の空洞を備えてもよい。本方法は、加えて、ねじ山付き管部分を保定器本体と螺着して係合させることを可能にされる、保定器本体を形成するステップを含んでもよい。本方法では、フランジ部分は、第1の空洞に対してカラムライナ管を流体的にシールしてもよく、フリット保定器は、保定器本体によって封入されてもよい。
【0045】
ある実施形態では、別個のワークピースとしてフリット保定器および保定器本体を形成する代わりに、本方法は、保定器本体が、第1の端部において肩部と噛合するように構成されるように、ねじ山付き管部分を保定器本体と螺着して係合させることを可能にされ、第1の空洞においてカラムライナ管のフランジ部分によって半径方向に被覆されるカラムジャケット管の端部を受容することを可能にされる、第2の保定器本体を形成するステップを含んでもよい。第2の保定器本体を形成するための方法では、フランジ部分は、第1の空洞に対してカラムライナ管を流体的にシールし、保定器本体はさらに、第2の端部において第2の空洞を備えてもよい。
【0046】
本方法の開示される実施形態のうちのいずれかでは、ねじ山付き管部分を保定器本体と螺着して係合させることを可能にされる保定器本体はさらに、肩部による拘束において、フリット保定器に接触し、保定器本体によってカラムジャケット管に印加される圧縮力を限定するステップを含んでもよい。本方法の開示される実施形態のうちのいずれかでは、圧縮力は、第1の空洞に対してフランジ部分を圧縮することによって、高圧流体シールを提供するように規定されてもよい。本方法の開示される実施形態のうちのいずれかでは、高圧流体シールは、最大280,000kPa(40,000psi)でカラム通路をシールすることを可能にされてもよい。
【0047】
本方法の開示される実施形態のうちのいずれかでは、肩部による拘束において、フリット保定器に接触するステップはさらに、高圧シールに加えて、フリット保定器と拘束接触する肩部の間に二次シールを形成するステップを含んでもよい。
【0048】
本方法の開示される実施形態のうちのいずれかでは、フリット保定器の中にフリットを挿入するステップはさらに、第1の空洞内に配置される第3の空洞の中にフリットを挿入するステップを含み、第3の空洞は、フランジ部分においてカラム通路と流体連通するフリットを受容および保持するように構成されてもよい。
【0049】
本方法の開示される実施形態のうちのいずれかでは、フリットは、増加された入口表面積を有する、ディンプル状フリットであってもよい。本方法の開示される実施形態のうちのいずれかでは、ディンプル状フリットは、多孔性金属を含んでもよい。本方法の開示される実施形態のうちのいずれかでは、多孔性金属は、発泡金属であってもよい。
【0050】
本方法の開示される実施形態のうちのいずれかでは、ねじ山付き管部分は、雄型ねじ切りを有してもよく、保定器本体は、ともに螺着して係合する雌型ねじ切りを有する。
【0051】
本方法の開示される実施形態のうちのいずれかでは、ねじ山付き管部分は、雌型ねじ切りを有してもよく、保定器本体は、ともに螺着して係合する雄型ねじ切りを有する。
【0052】
本方法の開示される実施形態のうちのいずれかでは、フリット保定器は、第2の金属を含んでもよく、保定器本体は、第3の金属を含んでもよい。本方法の開示される実施形態のうちのいずれかでは、第1の金属、第2の金属、および第3の金属は、ステンレス鋼を含んでもよい。本方法の開示される実施形態のうちのいずれかでは、ステンレス鋼は、組成の順序において、元素Fe、Cr、Mn、Ni、Si、N、およびCから成る、オーステナイト合金であってもよい。
【0053】
本方法の開示される実施形態のうちのいずれかでは、生体適合性材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシエチレン、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0054】
本方法の開示される実施形態のうちのいずれかでは、フリット保定器はさらに、第1および第2の端部に対応する外側区分と、中間区分とを含む、2つの区分を含んでもよい。本方法では、第1の区分は、一体型ワークピースから形成されてもよい。本方法では、フリット保定器の中間区分は、第3の空洞の底部と、第1の空洞と、保定器本体と流体連通するフリット通路とを含んでもよい。本方法では、フリット保定器の中間区分は、生体適合性ポリマーから形成されてもよい。
【0055】
本方法の開示される実施形態のうちのいずれかでは、カラムジャケット管はさらに、ねじ山付き先端部分を含んでもよく、フリット保定器の第1の空洞は、ねじ山付き先端部分と噛合するように対応して螺着される。
【0056】
本方法の開示される実施形態のうちのいずれかでは、フリット保定器は、保定器本体内で回転しないように拘束されてもよい。
【0057】
本方法の開示される実施形態のうちのいずれかでは、保定器本体の外部ポートは、ねじ山付き平坦底部ポート継手を受容するための平坦底部ポートであってもよい。本方法の開示される実施形態のうちのいずれかでは、保定器本体の外部ポートは、プラグイン迅速接続継手と適合してもよい。本方法の開示される実施形態のうちのいずれかでは、保定器本体の外部ポートは、プラグイン迅速接続継手のための接管であってもよい。
【0058】
本方法の開示される実施形態のうちのいずれかでは、第1の内径は、4mm未満であってもよい。本方法の開示される実施形態のうちのいずれかでは、第1の内径は、3mm未満であってもよい。本方法の開示される実施形態のうちのいずれかでは、第2の内径は、3mm未満であってもよい。本方法の開示される実施形態のうちのいずれかでは、第2の内径は、2mm未満であってもよい。
【0059】
また別の側面では、圧縮限定アセンブリを有するカラムのための第2のカラムアセンブリが、開示される。第2のカラムアセンブリは、移動相中の分子種を分離することを可能にされるクロマトグラフィカラムとして使用するために構成される、カラムジャケット管を含んでもよい。第2のカラムアセンブリでは、カラムジャケット管は、第1の金属を使用して形成されてもよく、約5mm未満の第1の内径を有してもよい。第2のカラムアセンブリでは、カラムジャケット管はさらに、カラムジャケット管の少なくとも一方の端部にねじ山付き管部分を含み、ねじ山付き管部分は、少なくとも一方の端部におけるカラムジャケット管の流体連通を可能にされる保定器本体と螺着して係合するように構成されてもよい。第2のカラムアセンブリでは、ねじ山付き管部分はさらに、保定器本体内にカラムジャケット管を拘束する、肩部を含んでもよい。第2のカラムアセンブリはさらに、カラムジャケット管の第1の内径を円筒状に被覆するように構成され、第1の内径未満の第2の内径を有する、カラムライナ管を含んでもよい。第2のカラムアセンブリでは、第2の内径は、固定相および移動相を受容し、カラムジャケット管との接触から移動相を隔離することを可能にされる、カラム通路を画定してもよい。第2のカラムアセンブリでは、カラムライナ管は、生体適合性材料から形成されてもよく、カラムジャケット管の少なくとも一方の端部を半径方向に被覆する、フランジ部分をさらに含んでもよい。第2のカラムアセンブリはさらに、カラムライナ管のフランジ部分によって半径方向に被覆されるカラムジャケット管の端部を受容するように構成される、第1の空洞を備える、保定器本体を含み、保定器本体はさらに、第1の空洞内に配置される、第2の空洞を備えてもよい。第2のカラムアセンブリでは、第2の空洞は、フリットを受容するように構成されてもよい。第2のカラムアセンブリでは、ねじ山付き管部分が、保定器本体と螺着して係合するとき、フランジ部分は、第1の空洞に対してカラムライナ管を流体的にシールしてもよい。
【0060】
第2のカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、カラムジャケット管はさらに、ねじ山付き先端部分を含んでもよく、保定器本体の第1の空洞は、ねじ山付き先端部分と噛合するように対応して螺着されてもよい。
【0061】
第2のカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、ねじ山付き管部分は、雄型ねじ切りを有してもよく、保定器本体は、ともに螺着して係合する雌型ねじ切りを有してもよい。
【0062】
第2のカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、ねじ山付き管部分は、雌型ねじ切りを有してもよく、保定器本体は、ともに螺着して係合する雄型ねじ切りを有してもよい。
【0063】
第2のカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、保定器本体の外部ポートは、ねじ山付き平坦底部ポート継手を受容するための平坦底部ポートであってもよい。第2のカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、保定器本体の外部ポートは、プラグイン迅速接続継手と適合してもよい。第2のカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、保定器本体の外部ポートは、プラグイン迅速接続継手のための接管であってもよい。
【0064】
第2のカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、第1の内径は、4mm未満であってもよい。第2のカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、第1の内径は、3mm未満であってもよい。第2のカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、第2の内径は、3mm未満であってもよい。第2のカラムアセンブリの開示される実施形態のうちのいずれかでは、第2の内径は、2mm未満であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【
図1】
図1は、圧縮限定アセンブリを有するカラムを有する、液体クロマトグラフィシステムのブロック図を描写する。
【0066】
【
図2】
図2は、圧縮限定アセンブリを有するカラムの一実施形態の分解斜視図を描写する。
【0067】
【
図3】
図3は、圧縮限定アセンブリを有するカラムの一実施形態の分解断面斜視図を描写する。
【0068】
【
図4】
図4は、圧縮限定アセンブリを有するカラムの3つの異なる実施形態の断面図を描写する。
【0069】
【
図5】
図5は、圧縮限定アセンブリを有するカラムの端部部分の3つの異なる実施形態の断面斜視図を描写する。
【0070】
【
図6】
図6は、生体適合性フリット保持器の断面図および断面斜視図を描写する。
【0071】
【
図7A】
図7A、7B、および7Cは、圧縮限定アセンブリを有するカラムを製造し、組み立てるための方法の一実施形態の選択された要素を示す、フローチャートである。
【
図7B】
図7A、7B、および7Cは、圧縮限定アセンブリを有するカラムを製造し、組み立てるための方法の一実施形態の選択された要素を示す、フローチャートである。
【
図7C】
図7A、7B、および7Cは、圧縮限定アセンブリを有するカラムを製造し、組み立てるための方法の一実施形態の選択された要素を示す、フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0072】
(詳細な説明)
以下の説明では、詳細が、開示される主題の議論を促進するために、実施例を用いて記載される。しかしながら、開示される実施形態は、例示的であり、全ての可能性として考えられる実施形態を網羅するものではないことが、当業者に明白であるはずである。
【0073】
本開示全体を通して、参照番号のハイフン付き形態は、要素の具体的事例を指し、参照番号の非ハイフン付き形態は、一般的に、または集合的に、要素を指す。したがって、実施例(図面に図示せず)として、デバイス「12-1」は、あるデバイスクラスの事例を指し、これは、集合的に、デバイス「12」と称され得、そのうちのいずれか1つは、一般的に、デバイス「12」と称され得る。図および説明では、同様の番号は、同様の要素を表すことを意図している。
【0074】
液体クロマトグラフィ(LC)は、分析物と称される、分析のための所与のサンプル中の構成分子化合物を分離するための技法である。LCシステムでは、液体溶媒(「移動相」とも称される)が、リザーバから導入され、ポンプを使用してLCシステムを通して圧送される。移動相は、圧力下でポンプから退出する。移動相は、次いで、管類を介して、オペレータが分析物をLCシステムの中に注入することを可能にするサンプル注入弁に進行し、分析物は、分析物が溶解する移動相とともに搬送されるであろう。
【0075】
LCシステムでは、分析物および移動相は、分析物の構成分子種への分離が、起こる、クロマトグラフィカラム(または単純に「カラム」)に到着する前に、1つ以上のフィルタ(および随意に、防護カラム)を通過する。典型的なカラムは、「充塞」材料を用いて充塞された鋼管類の断片から成り得る。充塞材料は、カラムの内側に充塞される(または充填される)微粒子材料から成り得る。充塞材料は、化学官能性と化学的に結合され得る、シリカまたはポリマーもしくは他の好適な材料から作製される粒子から成り得る。充塞材料はまた、「固定相」として公知である。クロマトグラフィを使用する分離の基本原理のうちの1つは、移動相が、固定相を連続的に通過することである。分析物が、(移動相によって)カラムを通して搬送されるとき、分析物中の種々の構成分子種または化合物(溶質)は、異なる速度においてカラム内の固定相を通して移行し得る(すなわち、溶質と固定相との間の分子相互作用に応じて、溶質の示差移行が、存在し得る)。言い換えると、分析物中の種々の分子は、異なる速度においてカラムを通して移動し得る。異なる移動速度(すなわち、示差移行)のため、異なる分子種は、カラムを通して移動することに応じて、徐々に分離し得る。示差移行は、移動相の組成、固定相(すなわち、カラムが充塞される材料)の組成、圧送流率、分離が起こる温度、およびまた、カラムの内側の表面仕上げ(または粗度)等の種々の因子によって影響を受け得る。したがって、そのような因子は、分析物の種々の構成分子種の分離に影響を及ぼし得る。
【0076】
分析物が、(分離が起こった後に)カラムを離れると、分析物は、移動相とともに検出器を過ぎて流動し得る。検出器は、具体的分子または化合物の存在を検出し得る。2つの一般的タイプの検出器が、多くの場合、LC用途において使用される。1つのタイプの検出器は、移動相および分析物の全体的物理性質(屈折率等)の変化を測定し得る。別のタイプの検出器は、分析物の性質(紫外線照射の吸収等)を直接測定し得る。本質的に、LCシステム内の典型的な検出器は、分析物の成分の単位体積あたりの質量(1ミリメートルあたりのグラム等)または時間単位あたりの質量(1秒あたりのグラム等)を表す出力信号を測定および提供することができる。そのような出力信号から、「クロマトグラム」が、発生されることができ、クロマトグラムは、次いで、分析物中に存在する化学成分、未知または不要な化合物の存在、もしくはある具体的化合物の量を判定するために使用され得る。
【0077】
上記の構成要素に加えて、LCシステムは、多くの場合、サンプルの汚染またはLCシステムの損傷を防止するために、フィルタ、逆止弁、防護カラム、または同等物を含み得る。例えば、入口溶媒フィルタが、溶媒が、ポンプに到達する前に、溶媒(または移動相)から粒子を濾過して取り除くために使用され得る。防護カラムが、不要なサンプル成分への混和または暴露に感受性があり得る、分析または分取カラムにそうでなければ不可逆的に結合し得る、不要なサンプル成分を吸収することによって一次カラムを「防護」するために、分析または分取カラム(すなわち、一次カラム)の前に設置され得る。
【0078】
実践では、LCシステム内の種々の構成要素は、所与のタスクを実施するために接続され得る。例えば、オペレータは、適切な移動相およびカラムを選択し、次いで、動作の前に選択されたカラムとともに選択された移動相の供給源をLCシステムに接続し得る。HPLC用途のために好適であるために、各接続および構成要素は、HPLCシステムの動作圧力に耐えることが可能であるべきである。構成要素が、弱すぎる場合、構成要素は、動作時に漏出または別様に故障し得、これは、望ましくない。移動相と併用される溶媒は、毒性であり得、使用するための付加的サンプルを取得および調製することは、高価であり得るため、いかなるそのような接続不良も、動作およびHPLCシステムの使用の間に消費される資源に影響を及ぼし得る、重大な懸念事項である。
【0079】
1回の分離が、終了した後、次の分離が、開始される前に、オペレータが、LCシステムから第1のカラム(または他の構成要素)を接続解除し、次いで、第1のカラムの代わりに異なるカラム(または他の構成要素)を接続することが、かなり一般的である。特に、HPLCまたはUHPLC用途における防漏接続の重要性を前提として、オペレータは、接続が十分に耐久性があることを確認するのに時間がかかり得る。典型的な実験室設定では、カラム(またはLCシステムの他の構成要素)の交換が、1日に数回行われ得る。さらに、カラム(またはLCシステムの他の構成要素)を接続解除し、次いで、接続する際に伴う時間は、LCシステムが、使用されず、オペレータが、サンプルを調製する、または他のより生産的な活動を準備する代わりに、システムを配管することに従事するため、非生産的であり得る。したがって、従来のLCシステムにおけるカラムの交換は、時間および資源を浪費し得、LCを実施する際に所望されない非効率性を表し得る。
【0080】
漏出なし接続および構成要素に関する懸念を前提として、従来のHPLCおよびUHPLC接続ならびに構成要素は、ステンレス鋼を使用して構築されており、多くの場合、ステンレス鋼管類および継手を含み得る。しかしながら、より最近では、LCシステムにおけるステンレス鋼構成要素の使用は、生物由来のサンプルまたは生物学的プロセスに概して関連するサンプルを伴う状況において、潜在的不利点を有し得ることが観察されている。例えば、生物学的サンプル中の分析物は、特に、内壁が、過度に粗い、または一貫した平滑度が欠如する場合、吸着、化学結合、または他の物理的プロセスを通して等、ステンレス鋼管類の内壁に付着した状態になり得る。ステンレス鋼管類の内壁に付着して後に残される分析物の量は、分析物の分子またはイオンの一部が、LCシステム内に留まり、検出器を通過しない場合、所与の分析物の検出器の測定値(したがって、クロマトグラム)が、初期サンプル中の分析物濃度を正確に反映し得ないため、LC分析に関する問題を提示し得る。さらに、ステンレス鋼管類からのイオンが、管類から引き離され、移動相中に溶解した状態になり、それに応じて、検出器を過ぎて流動し、したがって、潜在的に誤った結果につながり得る。加えて、イオンは、分析物中の着目生物学的化合物に結合し、カラム内での滞留時間に影響を及ぼし得る分子の変化をもたらし得る。したがって、いわゆる「生体適合性」接続および構成要素が、生物学的サンプルと併用される移動相とともに、そのような「生物学的」サンプルに関して化学的に不活性である材料の使用を通して実現され得る。本明細書に使用されるように、HPLCまたはUHPLCにおいて使用される接続、構成要素、および材料に関する「生体適合性の」および「生体適合性」は、適用されている物理的条件下のそのような生物学的サンプルの存在下で不活性のままである能力、または定量的影響もしくは定性的影響等のクロマトグラフィ分離に対するいかなる、または実質的にいかなる悪影響も及ぼさない能力を指す。故に、分析物が、非生体適合性材料と有害に相互作用せず、イオンが、非生体適合性材料によって放出され、分析物を潜在的に汚染しないように防止されるように、生体適合性接続および生体適合性構成要素が、望ましくあり得る。
【0081】
多くの用途のカラムおよび他の流体接続では、特に、液体クロマトグラフィでは、流体の体積は、小さくあり得る。小さい流体体積が、液体クロマトグラフィが、半分取または分取方法(すなわち、生成前または生成スケール方法)と対照的に、分析方法として使用されているとき、特に示される、または望ましい。そのような分析方法は、マイクロボア、ナノボア、またはキャピラリカラムと称されるカラムを使用し得、「ナノスケールクロマトグラフィ」または「キャピラリクロマトグラフィ」と称され得る。気相および液相の両方に関するキャピラリクロマトグラフィでは、多くの場合、カラム外成分(例えば、流動方向によって定義されるような充塞されたカラム体積に先立って、またはその後に位置する成分)の内部体積を最小限にすることが、所望される。最小限にされる内部体積の1つの理由は、大きい体積を有するカラム外成分が、比較的に大きい体積の液体を含有し、分析物が、本比較的に大きい体積の中に注入される、またはそれを通して流動すると、分析物は、希釈または分散され、それによって、分析方法の分解能および感受性を減少させ得るからであり、これは、望ましくない。
【0082】
マイクロ流体分析プロセスもまた、比較的に小さいサンプルサイズを伴い得る。本明細書に使用されるように、マイクロ流体技法に関与すると見なされるサンプル体積は、約数ピコリットルと同程度に小さい体積から、最大約数ミリリットルの体積に及び得る一方、より従来的なLC技法は、例えば、歴史的に、多くの場合、体積において約1マイクロリットル~約100ミリリットルのサンプルを伴っている。したがって、本明細書に説明されるマイクロ流体技法は、サイズにおいて従来的LC技法のものよりも1桁またはそれを上回って小さい体積を伴ってもよい。マイクロ流体技法はまた、約0.5ml/分またはそれを下回る流体流率を伴うものとして説明されることができる。
【0083】
従来のHPLCシステムは、最大約35,000kPa~41,500kPa(または約5,000psi~6,000psi)の比較的に高い圧力を発生させ得るポンプを含む。多くの状況では、オペレータは、約数十kPa(または数psi)~最大約7,000kPa(または約1,000psi)の「低い」圧力においてLCシステムを動作させることによって、正常な結果を取得することができる。しかしながら、オペレータは、約7,000kPa(または約1,000psi)を上回る比較的に「より高い」圧力においてLCシステムを動作させることが望ましいと見出し得る。
【0084】
別の比較的に新しい液体クロマトグラフィ形態は、システム圧力が、例えば、本明細書に開示されるように、圧縮限定アセンブリを有するカラムを使用することによって、約140,000kPa(または約1,400バールもしくは20,000psi)またはそれを上回って上向きに延在し得る、UHPLCである。さらなるクロマトグラフィ分解能およびより高いサンプル処理能力を達成するために、固定相のために使用される粒子サイズは、極端に小さくあり得る。1ミクロンと同程度に小さい固定相粒子が、使用され得、結果として生じる高いカラム充塞密度は、カラムのヘッドにおける実質的に増加されたシステム圧力につながり得る。
【0085】
HPLCおよびUHPLCの両方は、高圧における流体移送を利用する分析器具類の実施例である。例えば、2012年5月8日に発行され、「Sample Injector System for Liquid Chromatography」と題された、米国特許第8,173,070 B2号では、注入システムが、20,000psi~120,000psiの範囲内の圧力を伴うと考えられる、UHPLC用途と併用するために説明されている。2007年12月25日にGerhardt,et al.に発行され、「Method for Using a Hydraulic Amplifier Pump in Ultrahigh Pressure Liquid Chromatography」と題された、米国特許第7,311,502号では、油圧増幅器の使用が、25,000psiを超える圧力を伴うUHPLCシステムにおいて使用するために説明されている。2006年12月5日に発行され、「Chromatography System with Gradient Storage and Method for Operating the Same」と題された、米国特許第7,144,502 B2号では、UHPLCを実施するためのシステムが、開示され、UHPLCは、5,000psiを上回る(および最大60,000psiの)圧力を伴うものとして説明されている。出願人は、本明細書に完全に記載される場合と同様に参照することによって、米国特許第7,311,502号、第8,173,070号、および第7,144,502号を本明細書に組み込む。
【0086】
上記のように、HPLCまたはUHPLCシステムを含む、液体クロマトグラフィ(ならびに他の分析)システムは、典型的には、いくつかの構成要素を含む。例えば、そのようなシステムは、ポンプと、分析物を注入するための注入弁またはオートサンプラと、カラムを詰まらせ得る分析物溶液中の微粒子物質を除去するためのプレカラムフィルタと、不可逆的に吸着された化学物質を保定するための充塞ベッドと、HPLCカラム自体と、カラムを離れることに応じて分析物溶液を分析する検出器とを含み得る。そのような種々の構成要素は、典型的には、通常、約25ミクロン~500ミクロン(または約0.001インチ~0.020インチ)の内径を有する、金属またはポリマー管類等の小型流体導管または管類によって接続され得る。
【0087】
種々の構成要素および長さの管類は、典型的には、ねじ山付き継手によって相互接続され得る。種々のLCシステム構成要素および長さの管類を接続するための継手が、従来の特許、例えば、米国特許第5,525,303号、第5,730,943号、および第6,095,572号(その開示は、本明細書に完全に記載される場合と同様に参照することによって本明細書に全て組み込まれる)に開示されている。LCシステムが、1995年12月5日にSchickに発行された、米国特許第5,472,598号(本明細書に完全に記載される場合と同様に参照することによって本明細書に組み込まれる)に示され、説明されている。
【0088】
本明細書に使用されるように、用語「LCシステム」は、その広い意味において、いくつかの単純な構成要素から作製されるか、または自動化される、もしくはコンピュータ制御される、または同等物等の構成要素等の多数の洗練された構成要素から作製されるかにかかわらず、液体クロマトグラフィに関連して使用されるシステム内の全ての装置および構成要素を含むことを意図していることに留意されたい。また、LCシステムは、1つのタイプの分析器具(AI)システムであることに留意されたい。例えば、ガスクロマトグラフィは、多くの点において液体クロマトグラフィに類似するが、分析されるべきガスサンプルを伴う。そのような分析器具システムは、高速または高圧液体クロマトグラフィシステム、超高速または超高圧液体クロマトグラフィシステム、質量分析システム、マイクロ流クロマトグラフィシステム、ナノ流クロマトグラフィシステム、ナノスケールクロマトグラフィシステム、キャピラリ電気泳動システム、逆相勾配クロマトグラフィシステム、もしくはそれらの任意の組み合わせを含む。以下の議論は、液体クロマトグラフィに焦点を当てているが、本開示はまた、他のタイプのAIシステムおよび方法に適用され得ることを理解されたい。
【0089】
液体クロマトグラフィにおいて印加されている増加する圧力は、対応する高圧流体構成要素の使用を伴っている。多くの用途に関して、通常のステンレス鋼管類が、高圧に耐えるために使用されることができる。しかしながら、いくつかのタイプの分析(例えば、生物学的分析物、金属/イオン分析)に関して、ステンレス鋼または他の金属は、前述で解説されるように、ステンレス鋼からの金属イオンが、クロマトグラフィに干渉し得るため、流体経路において所望されない。加えて、そのような用途において使用される極めて小さい体積を収容するための(流路に沿った)非常に小さい内径を伴う、いくつかの使用分野(例えば、ナノスケールまたはナノ体積分析)が、存在する。しかしながら、ステンレス鋼または他の金属は、例えば、他の要素の中でもとりわけ、達成可能である内径の表面仕上げの平滑度を含む、そのような金属と関連付けられる製造制約に起因して、ナノスケールまたはナノ体積分析のために好適ではない場合がある。
【0090】
HPLC、UHPLC、および他の高圧分析化学用途では、種々のシステム構成要素および関連付けられる流体接続は、約105,000kPa~140,000kPa(または約15,000~20,000psi)の圧力に耐えるように構成され得る。加えて、カラム等のある構成要素は、固定相がカラムの中に充塞されるプロセスに起因して、HPLCまたはUHPLCシステムと併用される典型的な圧力を超える圧力に耐えるように構成され得る。本明細書に開示されるような圧縮限定アセンブリを有するカラムは、約140,000kPa(または約20,000psi)と同程度に大きい圧力における動作を可能にされ、いくつかの実装では、約280,000kPa(または約40,000psi)と同程度に大きい圧力における動作を可能にされてもよい。
【0091】
カラムでは、第1の継手が、カラム端部においてフェルールまたは他のシール手段との第1のシールを固着させるために使用され得る。第1の継手は、複数の巻を通して、手動で、またはレンチもしくは複数のレンチの使用によって、対応して噛合するねじ切りを有する第2の継手またはカラム管に螺着して接続され得る。種々の実装では、外部または内部ねじ山が、継手と併用されてもよい。順に、カラム管は、フェルールまたは他のシール手段によって第2の継手にシールされ得る。構成要素交換、保守、または再構成のためにこれらの継手を接続もしくは接続解除することは、継手を螺着または螺着解除させるために、レンチもしくは複数のレンチの使用を伴い得る。レンチまたは複数のレンチが、使用され得るが、プライヤまたは他の把持および保持ツール等の他のツールもまた、時として、使用される。高圧用途のためのシールに依拠するカラムアセンブリは、液密シールをもたらすために有意な量のトルクと関連付けられ、付加的ツールの使用を伴わないと、そのようなシールの作成を困難にし、過剰引締に起因するカラムアセンブリまたは他の構成要素の損傷のリスクを増加させ得る。さらに、経験上、多くのユーザは、カラムを組み立てる、または分解するためのあるツールを使用することを好まないことが示唆されている。ユーザは、多くの場合、そのようなカラムシステムを組み立てる、または分解するために、異なる量のトルクを印加し、したがって、潜在的に、過剰引締または引締不足によって引き起こされる問題(例えば、流体が圧力下にあるときの漏出またはシールの損失)をもたらすと考えられる。
【0092】
例えば、「Tube and Pipe End Cartridge Seal」と題され、2013年2月21日に公開された、公開済米国特許出願第2013/0043677号は、管の軸方向端部とのシールをもたらすために継手本体(フェルール継手を含む)に依拠する、高圧において使用するための管およびパイプ端部カートリッジシールを説明している。さらに、ディンプルが、シールをさらにもたらすために、管面の環状端部上に鍛造される。
【0093】
平坦底部または面シール接続アセンブリの一実施例が、「Flat Bottom Fitting Assembly」と題され、2014年4月15日にNienhuisに発行された、米国特許第8,696,038号によって提供されている。Nienhuisは、平坦側付きフェルールを含む、あるタイプの平坦底部アセンブリを教示し、フェルールおよび管を含むアセンブリは、平坦底部ポートに対して押圧されることができる。平坦底部または面シール接続アセンブリの別の実施例が、「Biocompatible Tubing for Liquid Chromatography Systems」と題され、2015年6月16日に発行され、Hahn et al.に代わって出願された、公開済米国特許第9,056,264号によって提供されている。Hahn et al.の公開済特許出願は、内側層と、外側層とを有し、内側層が、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の生体適合性材料であり得、外側層が、異なる材料であり得、管類の端部が、漸広される、または別様に管類の他の部分よりも大きい外径を有するように適合され得る、管類を説明している。
【0094】
LCでは、飛沫同伴が、1回のクロマトグラフィ分離からの分析物が、同一のシステム上の後続クロマトグラフィ分離に飛沫同伴されるときに起こり得る。飛沫同伴は、クロマトグラフィ分離の前および後のシステムのベースライン条件が、一定のままではないため、不安定な結果を生成し得る。LCでは、バンド拡大が、ある物質を同定するピークが、より低い対称性になるときに起こり、異なる分子のピークが、類似する滞留時間を有するときに同定をより困難にし得る。したがって、バンド拡大は、クロマトグラフィ分離を受ける異なる分子の間の干渉の兆候であり得る。
【0095】
欧州特許第EP 2564104号は、高圧において使用するためのシールシステムを説明している。端面シールが、シール半径を最小限にし、したがって、種々の継手(公知のフェルール継手を含む)が高圧システムにおいて使用されることを可能にする。しかしながら、そのような高圧における端面シールは、平滑な表面を要求し得る。費用を削減するために、端面調製ツールが、ディンプルを端面の中に鍛造し、表面を機械的に変形させ、平滑にするために要求され得る。
【0096】
米国第6,056,331号は、3つの構成要素、すなわち、本体と、フェルールと、ねじ山付き継手とから成る装置を説明している。フェルールは、管上に圧縮され、シールが、フェルールの面をデバイス上の噛合面にシールする圧力を提供する、本体の中への継手の螺着によって、管と本体内に保定されるデバイスとの間に形成される。本シールは、使用される材料に応じて、高温において使用され得る。本継手は、キャピラリガスクロマトグラフィにおいて使用される微細加工されたシリコンウエハと併用するために開発された。
【0097】
米国特許第5,472,598号、第5,525,303号、第5,730,943号、第6,056,0331号、第6,095,572号、第6,056,331号、第7,311,502号、第8,696,038号、第8,173,070号、第7,144,502号、第9,056,264号、欧州特許第EP2564104号、ならびに公開済米国特許出願第2012/0061955号および第2013/0043677号は、本明細書に完全に記載される場合と同様に参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0098】
故に、上記のように、管類およびクロマトグラフィカラムのより小さい直径が、上記に言及されるように、特に、高圧および超高圧におけるUHPLCのために望ましい。本明細書では「微細管」と称される、内径において約2mm未満等の管類およびクロマトグラフィカラムの非常に小さい内径は、典型的には、クロマトグラフィカラムとして使用するために好適であるステンレス鋼または他の高強度の比較的に不活性の金属管類において利用可能ではない。微細管は、ステンレス鋼またはカラムのための他の好適な金属において加工され得るが、そのような微細管の内側仕上げは、特に、UHPLCにおいて等の非常に高い圧力のために規定される非常に重い壁厚さに関して、望ましくなく高いレベルの表面粗度を呈し得る。したがって、約2mm未満の内径に関して、ステンレス鋼またはカラムのための他の好適な金属を使用して、微細管において十分に平滑かつ一貫した内面を達成することは、非常に困難または不可能であり得る。微細管の十分に平滑かつ一貫した内面を伴わないと、とりわけ、飛沫同伴またはバンド拡大等のある問題が、そのような微細管が、クロマトグラフィカラム自体のために使用されるときを含め、悪化し得る。
【0099】
対照的に、ポリマー裏打ち金属管類が、2mmに至る、かつそれを下回る内径に関して平滑かつ一貫した内面仕上げを達成することが公知であり、非常に高い圧力に耐えることが公知である。加えて、ポリマー裏打ち金属管類は、あるタイプの分離において観察されている不要な相互作用を除去するために、金属なし設計において使用されてもよく、クロマトグラフィカラムのためのものを含む、生体適合性クロマトグラフィシステムを達成するために好適であり得る。
【0100】
クロマトグラフィカラムは、典型的には、両端においてクロマトグラフィシステムに接続され、それに応じて、個別の端部に入口および出口ポートを伴う継手を有し得る。継手はまた、カラム管の各個別の端部において終端の部分を形成し、カラム管内の固定相を維持することに役立ち得る。したがって、クロマトグラフィカラムを容易かつ適切に組み立てる、分解する、接続する、または接続解除する能力は、端部継手によって提供される機能性、特に、継手を適切な堅固さに引締する容易さによって等、人員によって取り扱うことが容易でありながら、カラムを所望の圧力にシールする端部継手の能力によって判定され得る。印加されるトルクが、継手をシールするために示されるトルクを下回る場合、継手は、非常に高い圧力またはそれを下回って漏出し得る。印加されるトルクが、示されるトルクを上回る場合、ある管または継手構成要素は、早期に摩耗または損傷した状態になり得、予期されるものよりも早く故障し得、これもまた、圧力損失または漏出をもたらし得る。したがって、UHPLCの間に印加される高圧等の非常に高い圧力に耐えることが可能なクロマトグラフィカラムのためのポリマー裏打ち微細管類の使用は、容易な使用を促進するが、依然として、示されるトルクを印加し、実践的な日常使用において過剰引締および引締不足を効果的に防止することを可能にされる、好適な端部継手および接続の可用性によって限定され得る。ポリマー裏打ち微細管類の使用はまた、UHPLCと併用され得る圧力において機能する好適な端部継手の可用性によって限定され得る。
【0101】
さらに詳細に説明されるであろうように、圧縮限定アセンブリを有するカラムならびにそれに関する製造方法が、本明細書に開示される。本明細書に開示される圧縮限定アセンブリを有するカラムは、1mmまたはそれよりも小さい内径を有する実装におけるものを含む、2mmまたはそれよりも小さい内径を有する実装における使用のために好適である、ポリマー裏打ち金属カラム管アセンブリを有してもよい。本明細書に開示される圧縮限定アセンブリを有するカラムは、継手の組立および分解を促進し、カラムの端部を確実かつ一貫してシールし、過剰引締および引締不足を回避する、圧縮限定継手を装備してもよい。本明細書に開示される圧縮限定アセンブリを有するカラムは、圧縮限定継手におけるものを含む、ほぼ金属なしまたは完全に金属なしの内部体積を有してもよい。本明細書に開示される圧縮限定アセンブリを有するカラムは、カラム管アセンブリの個別の端部にシールフランジを形成するポリマーから成る、連続カラムライナ管を有してもよい。本明細書に開示される圧縮限定アセンブリを有するカラムは、最大約280,000kPa(または約40,000psi)もしくはそれを上回る圧力までカラムの端部をシールする、圧縮限定継手を装備してもよい。本明細書に開示される圧縮限定アセンブリを有するカラムは、カラム通路と流体連通するフリットを保持するように構成されるフリット保定器を組み込む、圧縮限定継手を装備してもよい。本明細書に開示される圧縮限定アセンブリを有するカラムは、ねじ山付きコネクタのための平坦底部ポートを提供することによって等、ねじ山付き外部継手を支持する、圧縮限定継手を装備してもよい。本明細書に開示される圧縮限定アセンブリを有するカラムは、迅速接続外部継手のための接管を提供することによって等、プラグ接続される迅速接続外部継手を支持する、圧縮限定継手を装備してもよい。
【0102】
ここで図面を参照すると、
図1は、液体クロマトグラフィ(LC)システム100の選択された要素のブロック図を描写する。
図1は、概略図であり、縮尺または遠近法通りに描かれていない。異なる実施形態では、
図1に描写されるものよりも多いまたは少ない要素が、LCシステム100と併用され得ることを理解されたい。示されるように、LCシステムは、リザーバ101と、LCシステム100の種々の構成要素を相互接続するための導管103と、ポンプ105と、注入弁110と、圧縮限定継手122を伴うカラムアセンブリ120と、検出器117と、信号記録器116と、第2のリザーバ118とを含む。
【0103】
LCシステム100の動作時、リザーバ101は、移動相102によって表される、溶媒を含有するように準備される。管類103は、流体連通してLCシステム100内の種々の要素を接続するように示される。管類103は、LCシステム100の動作圧力において流体連通を維持するために適切な継手を使用することによって等、異なる個々の区画において使用されてもよい。移動相102は、LCシステム100の種々の構成要素をともに接続するために使用される、管類103(
図1に太線によって図式的に示される)を通して流動する。具体的には、
図1に示されるように、管類103は、リザーバ101内の移動相102をポンプ105に運搬し、これは、第1の圧力において移動相102を引き込み、第1の圧力よりも高い第2の圧力において移動相102を出力し得る。示されるように、ポンプ105は、流動するとき、移動相102の中に所望の体積の分析物を注入するためのサンプルループまたは他の手段を含む、種々の内部および外部接続(図示せず)を有し得る、注入弁110に接続される。例えば、注入弁110は、LCシステム100内の一次カラムとしての役割を果たす、カラムアセンブリ120に先立って使用される、防護カラム(図示せず)の第1の端部に管類を介して接続されてもよい。防護カラム(図示せず)から、または注入弁110から、管類103は、LCシステム100内の一次カラムとしての役割を果たす、カラムアセンブリ120につながる。カラムアセンブリ120の第2の端部は、管類103を介して検出器117に接続される。検出器117は、所与の時間に検出器を通過する分析物の量を示す信号を発生させることを可能にされてもよい。故に、検出器117は、LCシステム100と併用される動作条件下で分析物中の構成分子種を分解するために、LCシステム100と併用される所望の流率を支援する個々の測定を行うために十分な検出帯域幅を有してもよい。LCシステム100に示されるように、検出器117を通過した後、移動相102および注入弁110を介して注入された分析物は、種々の異なる分析物を伴うLCシステム100の継続的動作から発生されるもの等の化学廃棄物119のために使用され得る、第2のリザーバ118の中に排出される。上記のように、サンプル注入弁110は、LCシステム100の中に所望の体積の分析物(すなわち、研究されるべき物質)を注入するために使用される。
【0104】
図1では、分析物(図示せず)が、注入弁110を介してLCシステム100内に注入されると、分析物は、移動相102によって、管類103を通して、カラムアセンブリ120の中に搬送される。カラムアセンブリ120は、クロマトグラフィカラムとして構成され、故に、(内径によって画定されるような(
図1において不可視、
図3、4、および5参照))内側通路内に充塞材料を含有してもよい。充塞材料は、構成分子種と充塞材料(すなわち、固定相)との間の異なる相互作用に基づいて、前述で説明されるように、分析物の構成分子種を化学的に、流体的に、または別様に分離するように作用する。カラムアセンブリ120から退出することに応じて、分析物は、おそらく、少なくとも部分的に、クロマトグラフィプロセスによって構成分子種に分離されている。分離された分析物は、カラムアセンブリ120から検出器117に搬送される。検出器117は、時間に対する種々の分子の濃度を示す出力信号を発生させてもよく、分子種を分解するために十分な時間的および分子的感度(すなわち、検出限界、精度、正確度)を有する。したがって、示されるように、分析物のクロマトグラムを示し得る検出器117からの出力信号は、信号を処理および記録し、クロマトグラムを示すデータまたはクロマトグラム自体を出力し得る、信号記録器116によって受信される。
【0105】
第1の実施例では、検出器117は、検出器117が移動相102を通して伝送する、ある波長の光に対する吸収率等の光学信号を発生させてもよく、アナログ電気信号への変換後に光学信号を出力してもよい。第1の実施例では、信号記録器116は、クロマトグラムを記録するために、アナログ電気信号(例えば、電流または電圧)を受信してもよく、アナログ電気信号に比例するトレースを規定された速度において移動する紙(例えば、チャート記録器)の上に記録させてもよい。第1の実施例の他の実施形態では、信号記録器116は、少なくともプロセッサおよびメモリを有し、メモリ内に記憶されるプロセッサによる命令を実行するように構成されるコンピュータシステム等のデジタルデバイスであってもよい。したがって、信号記録器116は、アナログ電気信号をデジタル化してもよく、クロマトグラムを記録するために、クロマトグラムを示す対応するデジタル情報を記録してもよい。
【0106】
第2の実施例では、検出器117は、集積電子機器デバイスであってもよく、種々の半導体デバイスを含んでもよく、クロマトグラムを示すデジタル信号を直接発生させてもよい。第2の実施例では、信号記録器116は、上記に説明されるコンピュータシステムであってもよく、クロマトグラムを示すデジタル信号を受信してもよく、クロマトグラムを記録するためのデジタルデータを記憶してもよい。しかしながら、信号記録器116によって発生および記憶されるクロマトグラムの記録は、次いで、分析物に関連する所望の分析または目的のためにLCシステム100のオペレータによって使用されてもよい。例えば、信号記録器116は、それ自体がクロマトグラムを発生および処理してもよい、またはソフトウェアプログラムが、クロマトグラムの記録を閲覧する、分析する、記憶する、送信する、受信する、または別様に処理するためにオペレータによって使用されることを可能にしてもよい。
【0107】
図1のLCシステム100から、カラムアセンブリ120が、ここで、後続図面に関して下記にさらに詳細に説明されるであろう。LCシステム100は、カラムアセンブリ120の使用の実施例として示されるが、とりわけ、マイクロ流クロマトグラフィ、ナノ流クロマトグラフィ、ナノスケール液体クロマトグラフィ、逆相勾配クロマトグラフィ、生体適合性クロマトグラフィ、イオンクロマトグラフィ、およびガスクロマトグラフィのうちの少なくとも1つを含む、種々の他のクロマトグラフィ用途が、カラムアセンブリ120を使用し得ることに留意されたい。
【0108】
ここで
図2を参照すると、カラムアセンブリ200-1が、外部分解斜視図に示される。特に、カラムアセンブリ200-1は、
図1に前述で示されるカラムアセンブリ120のある実施形態を表し得、
図2に示されるように、カラム管アセンブリ212、ならびにカラムアセンブリ212の端部部分210のそれぞれにおける圧縮限定継手を含んでもよい。カラムアセンブリ200-1は、説明目的のために両方の端部部分210-1および210-2において同じ構成とともに示されることに留意されたいが、一方の端部部分210は、ある実装において他方の端部部分と異なり得ることを理解されたい。故に、カラムアセンブリ200-1は、本明細書に開示されるように、圧縮限定継手を伴う少なくとも一方の端部部分210を有してもよい。
【0109】
図2に示されるように、端部部分210-1は、所与のタイプのカラムアセンブリ200-1の端部部分の代表であってもよく、さらに詳細に説明され、故に、説明を明確にするために単独で図面に標識化される。故に、
図2の図から不明瞭にされる構成要素を含む、端部部分210-2は、特定の実装において端部部分210-1と同じであり得ることを理解されたい。上記のように、カラム管アセンブリ212は、UHPLCに関して前述で説明される圧力範囲等の非常に高い圧力に耐えるために十分な厚さを有する、カラムジャケット管を備える。カラムジャケット管は、微細管であってもよい。加えて、示されるように、カラムアセンブリ200-1内のカラム管アセンブリ212はさらに、カラムライナ管220を備え、そのフランジ部分220-1が、端部部分210-1において可視である(
図3、4、および5もまた参照)。カラムライナ管200は、微細管であり得ることに留意されたい。また、
図2の端部部分210-1において可視であるものは、中心線202を有するカラムアセンブリ200-1のためのカラム通路を表す、内径222である。中心線202を中心とする円筒形幾何学形状が、説明を明確にするために本明細書に示され、説明されることに留意されたいが、内径222の通路に関する異なる幾何学形状および形状も、使用され得ることを理解されたい。特定の実施形態では、内径222は、約10mm未満またはそれに等しい、約5mm未満またはそれに等しい、約3mm未満またはそれに等しい、約2mm未満またはそれに等しい、もしくは約1mm未満またはそれに等しくてもよい。微細管は、概して、約2mm未満の内径を有するものとして本明細書に言及されることに留意されたい。したがって、微細管寸法とともに実装されるとき、カラムアセンブリ200-1は、1mmまたはそれよりも小さいもの等の2mm未満またはそれに等しい内径222を有してもよい。
【0110】
カラムライナ管220は、ポリマー等の生体適合性材料から形成されてもよい。種々の実施形態では、カラムライナ管220を形成するために使用される生体適合性材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシエチレン、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、およびポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)のうちの少なくとも1つから成ってもよい。生体適合性材料はさらに、ある実装では、充填材から成ってもよい。例えば、充填材は、炭素繊維、ナノファイバ、および金属繊維等の少なくとも1つのタイプの繊維を含んでもよい。
【0111】
加えて、カラムアセンブリ200-1の端部部分210-1において可視であるものは、下記にさらに詳細に説明されるであろうように、端部継手の圧縮限定を可能にする肩部226において終端する、ねじ山付き管部分224である。
図2に示される特定の実装では、端部部分210-1はまた、充塞または充填後等に固定相(すなわち、充塞された粒子)が逃散しないように防止し得る、フリット(
図2において不可視、
図3、4、5参照)を保持するように構成される、フリット保定器214を含む。最後に、また、
図2において可視であるものは、ねじ山付き管部分224と噛合する内部ねじ切りを伴う中空金属ナットとして形成される、保定器本体216である。本明細書に説明されるように、端部部分210は、故に、カラム管アセンブリ212と関連付けられる端部継手を表し得る。
【0112】
動作時、カラムアセンブリ200-1は、
図1のLCシステム100等のLCシステムにおいて使用するために準備されてもよい。準備は、カラム管アセンブリ212の内径222内に所望の充塞材料を導入するステップを伴ってもよい。一方の端部にカラム管アセンブリ212をシールするために、フリットを取り込まれたフリット保定器214が、カラム管アセンブリ212の端部部分210-1にわたって導入されてもよく、保定器本体216が、ねじ山付き管部分224上に螺着されてもよい。加えて、外部管(
図2に図示せず、
図1参照)のための平坦底部圧縮継手等の管(管103等)のための対応する圧縮継手が、保定器本体216の対向する端部の中に挿入され、また、螺着してシールされてもよい(
図3もまた参照)。
【0113】
保定器本体216およびねじ山付き管部分224が、螺着して噛合する際、フリット保定器214は、肩部226に対して押動され、フランジ部分220-1がフリット保定器214内の空洞とシールする位置において精密に拘束される。このように、保定器本体216、フリット保定器214、および肩部226を含む、ねじ山付き管部分224の精密な寸法は、(カラムライナ管220の)フランジ部分220-1、フリット保定器214、または端部部分210-1における別の構成要素を損傷させ得る過剰な圧縮を伴わずに、カラム管アセンブリ212を、所望の位置において、かつ所望の圧縮を伴って保定器本体216内に拘束させ、端部部分210-1を所望の圧力(非常に高い圧力等)までシールし得る。フランジ部分220-1におけるシールに加えて、二次シールが、肩部226において実現されてもよい(
図4もまた参照)。
【0114】
ここで
図3を参照すると、カラムアセンブリ200-2が、断面分解斜視図に示される。特に、
図3のカラムアセンブリ200-2は、
図2において可視ではないある内部構成要素を暴露するための断面図を伴うが、
図2に前述で示されるカラムアセンブリ200-2の実質的に類似する実施形態を表し得る。
図2のように、カラムアセンブリ200-2は、説明目的のために両方の端部部分210-1および210-2において同じ構成とともに示されるが、第1の端部部分210-1が、図面に詳細に標識化され、カラムアセンブリ200の1つ以上の端部において使用され得る代表的端部部分210として下記に説明される。
【0115】
図3において可視であるものは、第1の内径310を有するカラムジャケット管213と、第2の内径222を有するカラムライナ管220とを備える、カラム管アセンブリ212である。故に、カラムライナ管220は、カラムジャケット管213内に配置される一方、第2の内径222は、第1の内径310よりも小さい。典型的には、ステンレス鋼等の金属から形成される、カラムジャケット管213の壁の比較的に大きい厚さもまた、ここで、
図3において観察可能であり、カラム管アセンブリ212が、非常に高い圧力のために適していることを示す。前述で記述されるように、第2の内径222は、約5mm未満、約2mm未満であってもよく、特定の実施形態では、約1mm未満であってもよい。また、
図3において可視であるものは、第1の端部部分210-1におけるフランジ部分220-1から第2の端部部分210-2におけるフランジ部分220-1までのカラムライナ管220の範囲である。また、
図3において可視であるものは、カラムジャケット管213内にカラムライナ管220を圧縮および保定するために適用され得るディンプル228とともに、第1の端部部分210-1におけるねじ山付き管部分224および肩部226である。
【0116】
加えて、
図3では、フリット保定器214の内部詳細が、断面図に見られることができる。具体的には、フリット保定器は、カラム管アセンブリ212を受容するための第1の端部における第1の空洞312とともに形成され、フランジ部分220-1が「O」形状を有する面シールを提供するカラム管アセンブリ212の先端と噛合するように成形される。第2の空洞314が、フリット保定器214の第2の対向する端部において形成され、平坦底部を有する円錐形管継手等の対応する管継手(図示せず)を受容するように成形される。第2の空洞314は、異なる実装における種々の異なるタイプの管継手をそれぞれ受容するために、種々の形状を用いて形成され得ることを理解されたい。第1の空洞312の底部において、第3の空洞316が、フリット保定器214内に形成され、フリット320を取り込まれる。加えて、肩部326が、肩部226のための噛合面として画定され、フリット保定器320の第1の端部における第1の空洞312の縁を表す(
図4、5、および6もまた参照)。
【0117】
さらに、
図3では、保定器本体216の断面が、可視であり、2つの異なるねじ山付き部分、すなわち、カラムねじ山付き部分322および継手ねじ山付き部分324を示す。示されるように、カラムねじ山付き部分322は、ねじ山付き管部分224の雄型ねじ山と対応して噛合するための雌型ねじ山を有する。ねじ切り構成は、特定の実装において逆転され得る(
図5、カラムアセンブリ501もまた参照)ことを理解されたい。また、継手ねじ山付き部分324は、雄型ねじ山付き管継手(図示せず)を受容するための雌型ねじ山を有する。カラムねじ山付き部分322および継手ねじ山付き部分324は、サイズ、ピッチ、ラン、方向等に関して相互に独立してねじ切りされ得ることに留意されたい。
【0118】
カラムアセンブリ200-2の動作時、特に、端部部分210-1において、端部継手の動作は、可視であり、フリット保定器214が保定器本体216によって捕捉および封入され、カラム管アセンブリ212に係合し、具体的には、肩部226によって拘束される様子を示す。また、保定器本体216は、引締および弛緩のために、所望に応じて、レンチまたはソケット等のツールを使用する能力を伴うが、容易な手動取扱および動作を促進するために、拡大され、六角ナットとして形成される。
【0119】
ここで
図4を参照すると、本明細書に開示されるカラムアセンブリの付加的変形が、断面図に示される。特に、
図4のカラムアセンブリ200-3は、
図2および3に前述で示されるカラムアセンブリ200の実質的に類似する実施形態を表し得る一方、
図4のカラムアセンブリ400および401は、異なる実施形態である。
図2および3のように、カラムアセンブリ200-3、400、401は、説明目的のために両方の端部部分において同じ構成とともに示されるが、第1の端部部分210-1、410-1、411-1が、それぞれ、図面に詳細に標識化され、所望に応じて、カラムアセンブリ200、400、および401の1つ以上の端部に適用され得る代表的端部部分として下記に説明される。特に、
図4は、カラムの各端部にフリットを伴うシール構成におけるカラムアセンブリの断面図を示す。
【0120】
図4では、カラムアセンブリ200-3が、
図1のLCシステム100等のクロマトグラフィシステムとの流体連通を確立する管継手を伴わないが、組立断面図に示される。具体的には、カラムアセンブリ200-3において可視であるものは、保定器本体216内に封入され、カラム管アセンブリ212の肩部226によって、第1の空洞312において第1の端部において拘束され、カラムねじ山付き部分322と螺着して噛合するねじ山付き管部分224の係合によって、第2の空洞314において第2の端部において拘束される、フリット保定器214である。また、可視であるものは、相互に完全に噛合される、カラム管アセンブリ212のねじ山付き管部分224ならびに保定器本体216のカラムねじ山付き部分322である。第1の空洞312から明白であるように、フランジ部分220-1は、フリットを中心として完全に着座され、カラム管アセンブリ212、フリット保定器214、および保定器本体216の具体的寸法の結果として、フリット保定器214によって提供される軸方向平行移動限界に起因して、所望の圧縮を受ける。フランジ部分220-1における高い圧力または非常に高い圧力のシールに加えて、カラムアセンブリ200-3から、いかなる潜在的漏出または圧力損失もさらに軽減し得る、二次シールもまた、肩部226において形成されることが明白となるであろう。動作時、オペレータは、フリット保定器214が、肩部226に接するとき、確動停止が、起こり、いかなるさらなる引締も、カラム管アセンブリ212に対して可能でなくなるまで、カラムねじ山付き部分322を使用して保定器本体216を引締してもよい。次いで、継手ねじ山付き部分324は、
図1のLCシステム100等のクロマトグラフィシステムに接続するために、管継手(図示せず)を引締するために独立して使用されてもよい。
【0121】
図4では、カラムアセンブリ400が、
図1のLCシステム100等のクロマトグラフィシステムとの流体連通を確立する管継手を伴わないが、組立断面図に示される。具体的には、カラムアセンブリ400において可視であるものは、前述で説明されるように、圧縮限定を伴うカラム管アセンブリ212への保定器本体416の接続に関して、カラムアセンブリ200-3に関して上記に示されるものと同一の内部構成要素である。しかしながら、継手ねじ山付き部分324の代わりに、保定器本体416は、
図1のLCシステム100等のクロマトグラフィシステムに接続するためのプラグイン迅速コネクタ418を有する。接管または雄型コネクタとして示されるプラグイン迅速コネクタ418は、対応するプラグイン迅速コネクタポートまたはソケット、もしくは雌型コネクタ(図示せず)と噛合することを意図していることを理解されたい。また、雌型プラグイン迅速コネクタが、保定器本体416の異なる実施形態において実装され得ることを理解されたい。
【0122】
図4では、カラムアセンブリ401が、
図1のLCシステム100等のクロマトグラフィシステムとの流体連通を確立する管継手を伴わないが、組立断面図に示される。具体的には、カラムアセンブリ401において可視であるものは、カラムアセンブリ200-3に関して上記に示されるものと同一の保定器本体216である。しかしながら、カラムアセンブリ401では、フリット保定器214およびカラム管アセンブリ212の代わりに、カラム管アセンブリ412を伴うフリット保定器414が、端部部分411-1において使用される。フリット保定器414が、カラム管アセンブリ412の先端において形成される雄型ねじ山424と噛合する、その中に形成される付加的雌型ねじ山414を有するという差異を伴うが、フリット保定器414は、フリット保定器214に実質的に類似し、カラム管アセンブリ412は、カラム管アセンブリ212に実質的に類似する。ねじ山422/424は、カラムねじ山付き部分322およびねじ山付き管部分224と共ねじであってもよい、または異なってもよい。カラムアセンブリ401に描写される配列では、フリット保定器414は、微細管414に独立して固着されてもよく、これは、クロマトグラフィシステムにおける使用に先立つ微細管414の準備および保定器本体216を使用する後続接続のために望ましくあり得る。フリット保定器414は、例えば、切り欠き、溝、キー溝、または平板(図示せず)等の半径方向拘束要素を使用することによって、保定器本体216内に着座されるときに回転して拘束され得ることにさらに留意されたい。
【0123】
ここで
図5を参照すると、本明細書に開示されるカラムアセンブリの種々の端部部分が、断面斜視図に示される。特に、
図5のカラムアセンブリ200-4は、
図2、3、および4に前述で示されるカラムアセンブリ200の実質的に類似する実施形態を表し得る一方、
図5のカラムアセンブリ500および501は、異なる実施形態である。
図5では、カラムアセンブリ200-4、500、501は、対応する第1の端部部分210-1、511、および513とともに示される。
図5の描写される端部部分は、所望に応じて、カラムアセンブリ200、400、401、500、および501の1つ以上の端部に適用され得る、代表的端部部分であることを理解されたい。特に、
図5は、フリットを伴うシール構成におけるカラムアセンブリの断面斜視図を示す。
【0124】
図5では、上記のように、カラムアセンブリ200-4は、本明細書に前述で説明されるカラムアセンブリ200に実質的に類似し、カラムライナ管220と、カラムジャケット管213とを備える、カラム管アセンブリ212を含むように示される。しかしながら、カラムアセンブリ200-4では、フランジ部分220-1と、フリット320とを含む、区分502が、右側へのより高い倍率を伴ってより詳細に示される。区分502において可視であるものは、フリット320を受容および保持するためにフリット保定器214内に形成される、第3の空洞316である。したがって、第3の空洞316は、フリット320が移動しないように防止し得、カラムライナ管220の内径322との流体連通が維持されることを確実にし得る。特定の実施形態では、フリット320は、表面積の増加を可能にする、一方の側におけるディンプルの形態における陥凹付き流動分散領域を有する、ディンプル状フリットであってもよい。増加された表面積は、例えば、入口流動流を受けるとき、流動に対して効果的な暴露される表面積を増加させ得、これは、詰まりに対するフリットの許容範囲を増加させ得る。特定の実施形態では、フリット320は、ステンレス鋼から作製されてもよく、多孔性を有してもよい。例えば、フリット320は、ナノ粒子またはマイクロ粒子発泡金属等の発泡金属を使用して作製されてもよい。改良された生体適合性に関して、ある実施形態は、生体適合性材料から作製されたポリマーフリットを使用してもよい(
図6もまた参照)。また、区分502において可視であるものは、フリット保定器214内の第1の空洞312と第2の空洞314との間の流体連通を可能にする、通路510である。特に、フランジ部分220-1による第1の空洞312のシールもまた、区分502により詳細に示される。
【0125】
図5では、カラムアセンブリ500が、
図1のLCシステム100等のクロマトグラフィシステムとの流体連通を確立する管継手を伴わないが、組立断面斜視図に示される。具体的には、カラムアセンブリ500において可視であるものは、カラムジャケット管213と、カラムライナ管220とを備える、カラム管アセンブリ212である。しかしながら、カラムアセンブリ500では、保定器本体216およびフリット保定器214の代わりに、一体型保定器本体516が、示される。一体型保定器本体516は、別個のフリット保定器を伴わないが、カラムアセンブリ200に関して説明される保定器本体216およびフリット保定器214の組み合わせと実質的に同様に動作するように構成される。代わりに、フリット保定器214のある特徴が、統合された保定器本体516内に直接形成されている。特に、管空洞518が、カラム管アセンブリ212の先端を受容するために、統合された保定器本体516内に直接形成される。管空洞518内に、フリット空洞520が、フリット320を保持するために形成される。統合された保定器本体516は、カラムねじ山付き部分322に実質的に類似するカラムねじ山付き部分522を有し、管空洞518の底部に対してフランジ部分220-1をシールするために、ねじ山付き管部分224と螺着して噛合するように動作する一方、統合された保定器本体516内の肩部526は、フリット保定器214内の肩部326と類似する様式で肩部226を拘束する。同様に、統合された保定器本体516内の第2の空洞514は、フリット保定器214内の第2の空洞314に実質的に類似する。加えて、統合された保定器本体516内の継手ねじ山付き部分524は、フリット保定器214内の継手ねじ山付き部分324に実質的に類似する。
【0126】
図5では、カラムアセンブリ501が、
図1のLCシステム100等のクロマトグラフィシステムとの流体連通を確立する管継手を伴わないが、組立断面斜視図に示される。具体的には、カラムアセンブリ501において可視であるものは、カラムジャケット管513と、カラム管ライナ512とを備える、カラム管アセンブリ512である。さらに、カラムアセンブリ501では、カラムライナ管220が、保定器本体536と噛合する。前述で説明されるカラムアセンブリ200のように、カラムアセンブリ501は、実質的に類似する様式で動作するフリット保定器214を含む。しかしながら、カラムアセンブリ501では、示されるように、雄型ねじ山を有するねじ山付き管部分224および雌型ねじ山を有するカラムねじ山付き部分322の代わりに、カラム管アセンブリ512は、雌型ねじ山532を有する一方、保定器本体536は、対応する雄型ねじ山534を有する。さらに、示されるように、カラム管アセンブリ512は、フリット保定器214の肩部326によって拘束される肩部226の代わりに、肩部538を有する。
【0127】
ここで
図6を参照すると、生体適合性フリット保定器600が、600-1として断面図に示され、600-2として断面斜視図に示される。
図6では、生体適合性フリット保定器600は、フリット保定器214に関して前述で説明されるものと実質的に類似する様式で動作し、使用されてもよい。しかしながら、
図6に示されるように、生体適合性フリット保定器600は、生体適合性フリット保定器600を形成するようにともに接合され得る、2つの区分614-1および614-2において形成される、フリット保定器本体614を備える。外側区分614-1は、金属から形成されてもよい一方、中心区分614-2は、上記に説明されるカラムライナ管220を形成するために使用されるポリマー等の生体適合性材料から形成されてもよい。種々の実施形態では、中心区分614-2は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシエチレン、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、およびポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)のうちの少なくとも1つから成る、生体適合性材料を使用して形成されてもよい。
【0128】
生体適合性フリット保定器600では、第1の空洞620が、フリット保定器214内の第1の空洞312に対応してもよく、第2の空洞622が、フリット保定器214内の第2の空洞314に対応してもよく、フリット320を保持するための第3の空洞616が、フリット保定器214内の第3の空洞316に対応してもよい。2つの区分614-1および614-2は、例えば、金属から形成される外側区分614-1の中へのポリマーを使用する中心区分614-2のインサート射出成型によって、特定の実装においてともに共成型されてもよい。種々の実装では、区分614-1および614-2は、接着剤、圧力、温度、超音波溶接を使用して、締結具を使用して、または別の好適な接合プロセスを使用して等、任意の好適な方法を使用してともに接合されてもよい。
【0129】
図6に示されるように、生体適合性フリット保定器600の中心区分614-2は、流体接続の暴露が起こり得る場所、具体的には、移動相が流動し、フリット保定器本体614に暴露され得る、第1の空洞620および第2の空洞622の底部部分に位置する。生体適合性フリット保定器600の中心区分614-2はまた、移動相に暴露されるフリット保定器214内の通路510に対応する、通路610を含む。特定の実施形態では、フリット320自体は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシエチレン、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、およびポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)のうちの少なくとも1つから成る、生体適合性ポリマーを使用して作製されてもよい。
【0130】
ここで
図7A、7B、および7Cを参照すると、本明細書に開示されるような圧縮限定アセンブリを有するカラムを製造するための方法700のある実施形態の選択された要素のフローチャートが、描写される。
図7Aでは、ステップ710-720を含む方法700-1は、カラムアセンブリのカラム管アセンブリを製造する方法を説明する。
図7Bでは、ステップ722および724を含む方法700-2は、カラムアセンブリ200、400、401、および501(
図2、3、4、および5参照)に関して示されるもの等の圧縮限定継手を形成するための方法700-1への付加的動作を説明する。
図7Cでは、ステップ730を含む方法700-3は、カラムアセンブリ500に関して示され、保定器本体516(
図5参照)内に一体的に形成されるフリット保定器の機能性を有する、圧縮限定継手を形成するための方法700-1への付加的動作を説明する。方法700に説明されるある動作は、随意であり得る、または異なる実施形態において再配列され得ることに留意されたい。
【0131】
方法700-1は、ステップ710において、コンピュータ数値制御(CNC)機械加工を使用し、移動相中の分子種を分離することを可能にされ、約5mm未満の第1の内径を有し、少なくとも一方の端部において保定器本体と螺着して係合するための少なくとも一方の端部におけるねじ山付き管部分を含み、ねじ山付き管部分は、保定器本体内にカラムジャケット管を拘束する、肩部を含む、クロマトグラフィカラムとして使用するための金属カラムジャケット管を形成することによって開始されてもよい。ステップ712において、生体適合性ポリマーから成るポリマー管が、カラムジャケット管の第1の内径を上回る第1の外径に押出される。ステップ714において、ポリマー管は、室温において打ち抜き型を通して冷間引抜きされ、第1の外径をカラムジャケット管の第1の内径を下回る第2の外径まで縮小し、カラムライナ管を作成する。ステップ716において、カラムライナ管は、カラムジャケット管の中に挿入され、カラムライナ管は、カラムジャケット管の両端を越えて延在する。カラムライナ管は、ステップ716におけるカラムジャケット管の中への挿入のために、十分に堅性であり得る、または十分に堅性に作製され得ることに留意されたい。ステップ718において、カラムライナ管は、カラムジャケット管内に固着され、カラムライナ管は、カラムジャケット管の第1の内径を円筒状に被覆するように構成され、カラムライナ管は、カラムジャケット管の第1の内径を下回る第2の内径を有し、第2の内径は、固定相および移動相を受容し、カラムジャケット管との接触から移動相を隔離することを可能にされる、カラム通路を画定する。ステップ720において、カラムライナ管の少なくとも一方の端部は、漸広され、カラムジャケット管の少なくとも一方の端部を半径方向に被覆する、フランジ部分を形成する。ステップ720における漸広動作は、1つを上回るステップを使用して実施されてもよい。例えば、第1の部分的漸広が、マンドレルの有無を問わずに実施されてもよく、第2の漸広が、平坦フランジ部分を発生させるために、マンドレルを伴わずに実施されてもよい。ステップ720の後、方法700-1は、ステップ722に進むことによって、
図7Bの方法700-2に進んでもよい、またはステップ730に進むことによって、
図7Bの方法700-3に進んでもよい。
【0132】
図7Bでは、方法700-2は、ステップ722において、フリット保定器が、第1の端部において肩部と噛合し、第2の端部において保定器本体内の第2の空洞と噛合するように構成されるように、カラムジャケット管の端部を受容することを可能にされる、フリット保定器を形成することによって開始されてもよく、フリット保定器はさらに、カラムライナ管のフランジ部分によって半径方向に被覆されるカラムジャケット管の端部を受容するように構成される、第1の端部における第1の空洞を備える。ステップ724において、ねじ山付き管部分を保定器本体と螺着して係合させることを可能にされる、保定器本体が、フランジ部分が、第1の空洞に対してカラムジャケット管を流体的にシールするように形成され、フリット保定器は、保定器本体によって封入される。
【0133】
図7Cでは、方法700-3は、ステップ730において、保定器本体が、第1の端部において肩部と噛合するように構成され、フランジ部分が、第1の空洞に対してカラムジャケット管を流体的にシールし、保定器本体がさらに、第2の端部において第2の空洞を備えるように、ねじ山付き管部分を保定器本体と螺着して係合させることを可能にされ、第1の空洞においてカラムライナ管のフランジ部分によって半径方向に被覆されるカラムジャケット管の端部を受容することを可能にされる、保定器本体を形成することによって開始されてもよい。
【0134】
本開示は、他のクロマトグラフィ用途の中でもとりわけ、UHPLCのために要求される流体圧力に耐え得る、圧縮限定アセンブリを有するカラムを提供することを理解されたい。また、本明細書に示され、開示される微細管および微細管アセンブリは、高圧において小体積の流体を輸送するシステムにおける流体接続のために使用され得ることを理解されたい。例えば、本開示による管類は、直径において約400ミクロン~約6,400ミクロン(約1/64インチ~約1/4インチ)または約400、800、1,600、3,200、6,400ミクロン(1インチの約1/64、1/32、1/16、1/8、または1/4)(それらの値を含む)の範囲内の外径(OD)を有してもよく、約25ミクロン~約2,200ミクロン(約0.001~約0.085インチ)または約25、50、150、250、375、500、625、750、1,500、2,200ミクロン(0.001、0.002、0.006、0.010、0.015、0.020、0.025、0.030、0.060、または0.085インチ)(それらの値を含む)の内径(ID)を有してもよい。さらに、本開示に説明され、示される微細管アセンブリは、本明細書に説明される圧縮限定継手を使用して、約280,000kPa(または40,000psi)を上回る圧力に対応し得る。本明細書に説明されるアセンブリはまた、耐久性があり、故障に先立って複数回の接続使用が可能であり得る。本明細書に開示される種々の構成要素は、ステンレス鋼等の金属から形成されるものとして説明される。例えば、カラム管アセンブリ212は、第1の金属から成ってもよい一方、フリット保定器214は、第2の金属から成ってもよく、保定器本体216は、第3の金属から成ってもよい。第1の金属、第2の金属、および第3の金属のうちの少なくとも1つは、UNS S31600、UNS S31603、Nitronic 60、または組成の順序において、元素Fe、Cr、Mn、Ni、Si、N、およびCから成る、オーステナイト合金から選択されるステンレス鋼であってもよい。
【0135】
本明細書に開示されるように、クロマトグラフィカラムは、カラムジャケット管と、カラムライナ管とをさらに含む、カラムアセンブリを有する。カラムアセンブリは、圧縮限定特徴を有し、カラムアセンブリをシールするカラムライナ管のフランジ部分と併せて、UHPLCにおいて使用されるもの等の非常に高い圧力に耐えることが可能である、端部継手とともに構成される。カラムライナ管は、生体適合性であってもよく、2mm未満の平滑な一貫した内径を有し、特定の実施形態では、1mmの内径を有してもよい。微細管アセンブリのための端部継手は、過剰引締または引締不足を防止することによって、耐久性および信頼性を確実にし得る。
【0136】
本開示は、種々の実施形態において示され、説明されたが、図面および前述の議論から、種々の変更、修正、および変形例が、請求項に記載されるような本発明の精神および範囲から逸脱することなく行われ得ることを理解されたい。例えば、本開示の継手アセンブリ、流体接続、および/または分析器具システムの形状、サイズ、特徴、ならびに材料は、変更されてもよい。したがって、図面および上記の議論に示され、説明される実施形態は、単に、例証的であり、本明細書における請求項に定義されるような本発明の範囲を限定しない。実施形態および具体的形態、材料、ならびに同等物は、単に、例証的であり、本発明または本明細書における請求項の範囲を限定しない。
【国際調査報告】