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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(54)【発明の名称】加速度センサ
(51)【国際特許分類】
   G01P 15/08 20060101AFI20220104BHJP
   B60R 21/0136 20060101ALI20220104BHJP
   G01P 15/00 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
G01P15/08 102Z
B60R21/0136 310
G01P15/00 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021517293
(86)(22)【出願日】2019-09-17
(85)【翻訳文提出日】2021-03-26
(86)【国際出願番号】 US2019051411
(87)【国際公開番号】W WO2020076464
(87)【国際公開日】2020-04-16
(31)【優先権主張番号】62/743,599
(32)【優先日】2018-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503193904
【氏名又は名称】ゼット・エフ・アクティブ・セーフティ・アンド・エレクトロニクス・ユーエス・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】マーレー,ネイル・ジー・ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ラムゼイ,マーク・ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】ムーア,ブリリーシャ・エム
(57)【要約】
車両加速度を計測するための装置が、内部空間を備えるハウジングと、前記ハウジング内に支持された1つまたは複数の接触子と、を含む。接触子のそれぞれは、ハウジングの外側に延在するピン部分、および、ハウジングの内側のASIC受器の上に位置決めされるばね接触子部分を含む。装置はまた、ハウジング内のASIC受器に位置決めされた加速度計ASICを含む。加速度計ASICは、1つまたは複数の接触子のばね接触子部分に係合してばね接触子部分を偏向させる導体パッドを含む。ばね接触子部分の弾性ばね特性は、加速度計ASICに保持力を印加する。装置は、ハウジングに接続されかつ内部空間内に延在する部分を有する保持クリップをさらに含む。保持クリップは、ハウジングに係合して保持クリップをハウジング内で取付状態に固定する部分を含む。保持クリップは、1つまたは複数の接触子に係合してハウジング内での1つまたは複数の接触子の位置を維持する部分と、加速度計ASICに係合してハウジング内での加速度計ASICの位置を維持する部分と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両加速度を計測するための装置であって、
内部空間を含むハウジングと、
前記ハウジング内に支持された1つまたは複数の接触子であって、そのそれぞれが、前記ハウジングの外側に延在するピン部分、および、前記ハウジングの内側のASIC受器の上に位置決めされるばね接触子部分を含む、1つまたは複数の接触子と、
前記ハウジング内の前記ASIC受器に位置決めされた加速度計ASICであって、前記1つまたは複数の接触子の前記ばね接触子部分に係合して前記ばね接触子部分を偏向させる導体パッドを含み、前記ばね接触子部分の弾性ばね特性が、前記加速度計ASICに保持力を印加する、加速度計ASICと、
前記ハウジングに接続され、かつ、前記内部空間内に延在する部分を有する、保持クリップであって、前記ハウジングに係合して前記保持クリップを前記ハウジング内で取付状態に固定する部分を含み、また、前記1つまたは複数の接触子に係合して前記ハウジング内での前記1つまたは複数の接触子の位置を維持する部分、および、前記加速度計ASICに係合して前記ハウジング内での前記加速度計ASICの位置を維持する部分を含む、保持クリップと、
を備える、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、前記ハウジングが、その上で前記1つまたは複数の接触子が支持される接触子支持表面と、前記接触子ピンが貫通する接触子開口部とを備え、前記保持クリップが、前記接触子開口部を通して完全に挿入されかつ前記接触子支持表面に接して位置決めされる、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置において、前記保持クリップが、前記ハウジングに係合しかつ前記保持クリップを前記ハウジング内に保持する保持要素を含む、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置において、前記1つまたは複数の接触子および加速度計ASICが取り付けられた状態の前記ハウジングと前記保持クリップとを封入する封入体をさらに備え、前記封入体が、前記ハウジングの風雨密シールを形成する風雨密材料を含む、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置において、前記封入体を介して接続した接続ブッシングをさらに備える、装置。
【請求項6】
請求項4に記載の装置において、前記封入体が、コネクタ部分を備え、前記コネクタ部分が、前記接触子の前記ピン部分を取り囲み、かつ、前記装置を制御装置に電気的に接続するための車両配線との接続を容易にする、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置において、前記コネクタ部分が、雄型プラグを受け入れるように構成された雌型受器を含み、前記コネクタ部分が、前記取付状態にある前記プラグを固定するための突出部をさらに含む、装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置を備える車両安全システム。
【請求項9】
請求項8に記載の車両安全システムにおいて、安全デバイス、および前記安全デバイスの作動を制御するための制御装置をさらに備え、前記装置が、前記制御装置に電気的に接続され、かつ、車両加速の検知を示す信号を前記制御装置に提供する働きをし、前記制御装置が、前記信号に応答して前記安全デバイスを作動させるように構成される、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、2018年10月10日に出願された米国特許仮出願第62/743,599号の利益を主張するものである。
【0002】
[0002]本発明は、車両クラッシュセンサを対象とし、より詳細には、車両内に取り付けられるための加速度圧力センサを対象とする。
【背景技術】
【0003】
[0003]車両乗員保護システムは、クラッシュまたは衝突のような乗員保護が望まれる事象の発生時に車両乗員を保護する助けとなるように作動可能な(例えば、膨張可能な)、エアバッグなどの1つまたは複数の車両乗員保護デバイスを含み得る。保護システムはまた、保護デバイスの作動を制御するための制御装置、および、車両状態を監視しかつその状態を示す信号を制御装置に提供するための1つまたは複数のセンサを含み得る。制御装置は、センサによって提供される信号に応答して乗員保護が望まれる事象の発生を検出するように構成される。制御装置がそのような事象の発生を検出すると、制御装置は、車両の乗員を保護する助けとなるように車両乗員保護デバイスを作動させることができる。
【0004】
[0004]車両クラッシュセンサは、車両の変形または車両の突然の減速に応答して閉じる、スイッチなどの機械式デバイスを含み得る。機械式デバイスが閉じることにより、これらの検知された状態を示す信号が制御装置に与えられ、制御装置は、これらの状態を使用して、車両クラッシュ状態の発生を確定することができる。制御装置は、この確定に応答して保護デバイスを作動させることができる。
【0005】
[0005]他の車両クラッシュセンサは、車両状態を検知してその検知された状態に相応する出力信号を提供するように構成された、加速度計などの電気式デバイスを含み得る。例えば、加速度計は、様々な方向における車両加速を検知するように構成されてよく、また、割り当てられた方向における検知された加速に相応する信号を制御装置に提供することができる。センサからの信号が閾値に達するかまたは閾値を超えることを制御装置が確定すると、制御装置は、車両クラッシュ状態の発生を確定して、保護デバイスを作動させることができる。
【0006】
[0006]1つの具体的な加速度計デバイスは、遠隔加速度センサ(RAS;remote acceleration sensor)デバイスである。RASデバイスは、車両全体にわたって様々な箇所に制御装置から離れて取り付けられて、それらの箇所で車両加速を検知して、検知された加速を示す信号を制御装置に提供することができる。例えば、RASデバイスは、側面衝突および/または車両の転覆に関連するものなどの横方向の車両加速を検知するために、車両内で横方向に、例えばドアに隣接してまたはドアの近くに取り付けられ得る。
【発明の概要】
【0007】
[0007]加速検知ASICを含む加速検知構成要素の無ハンダ組立体であって、ASICは、ばね懸架式端子接触子を含む電極箱内に取り付けられる。ばね懸架式接触子は、ASICボディの接触面に接触子を当てるばね圧を通じて、ASICと相互作用する。これは、ASICの接触面に対する接触子の圧縮ばね力を維持し、したがって、接触子の末端を介した車両システムへの信号通信のための一定の電気的接触を維持する。これは、プリント回路基板(PCB;printed circuit board)およびハンダ付けなどの従来の電子機器製造工程の利用を排除し、かつ、クラッシュ検知の間、高信頼性の電気的インターフェースを提供する。
【0008】
[0008]1つの態様によれば、車両安全システムが、1つまたは複数の車両乗員保護デバイスと、保護デバイスの作動を制御するための制御装置と、制御装置から離れて取り付けられかつ車両加速を検知するための遠隔加速度センサ(RAS)デバイスと、を含む。RASデバイスは、検知された加速度変化を示す信号を制御装置に提供する。
【0009】
[0009]別の態様によれば、車両加速度を計測するための装置が、内部空間を備えるハウジングと、ハウジング内に支持された1つまたは複数の接触子とを含む。接触子のそれぞれは、ハウジングの外側に延在するピン部分と、ハウジングの内側でASIC容器の上に位置決めされたばね接触子部分と、を含む。加速度計ASICが、ハウジング内のASIC容器に位置決めされる。加速度計ASICは、1つまたは複数の接触子のばね接触子部分に係合してばね接触子部分を偏向させる導体パッドを含む。ばね接触子部分の弾性ばね特性は、加速度計ASICに保持力を印加する。保持クリップが、ハウジングに接続され、かつ、内部空間内に延在する部分を有する。保持クリップは、ハウジングに係合して保持クリップをハウジング内で取付状態に固定する部分を含む。保持クリップは、1つまたは複数の接触子に係合してハウジング内での1つまたは複数の接触子の位置を維持する部分と、加速度計ASICに係合してハウジング内での加速度計ASICの位置を維持する部分と、を含む。
【0010】
[0010]単独でのまたは任意の他の態様との組合わせでの別の態様によれば、ハウジングは、その上で1つまたは複数の接触子が支持される接触子支持表面と、接触子ピンが貫通する接触子開口部と、を含み得る。保持クリップは、接触子開口部を通して完全に挿入されかつ接触子支持表面に接して位置決めされ得る。
【0011】
[0011]単独でのまたは任意の他の態様との組合わせでの別の態様によれば、保持クリップは、ハウジングに係合しかつ保持クリップをハウジング内に保持する保持要素を含み得る。
【0012】
[0012]単独でのまたは任意の他の態様との組合わせでの別の態様によれば、装置はまた、1つまたは複数の接触子および加速度計ASICが取り付けられた状態のハウジングと保持クリップとを封入する封入体を含み得る。封入体は、ハウジングの風雨密シールを形成する風雨密材料を含み得る。
【0013】
[0013]単独でのまたは任意の他の態様との組合わせでの別の態様によれば、装置はまた、封入体を介して接続した接続ブッシングを含み得る。
【0014】
[0014]単独でのまたは任意の他の態様との組合わせでの別の態様によれば、封入体は、コネクタ部分を含むことができ、このコネクタ部分は、接触子のピン部分を取り囲み、かつ、装置を制御装置に電気的に接続するための車両配線との接続を容易にする。
【0015】
[0015]単独でのまたは任意の他の態様との組合わせでの別の態様によれば、コネクタ部分は、雄型プラグを受け入れるように構成された雌型受器を含むことができ、コネクタ部分は、取付状態にあるプラグを固定するための突出部をさらに含む。
【0016】
[0016]単独でのまたは任意の他の態様との組合わせでの別の態様によれば、車両安全システムが、本装置を含み得る。車両安全システムはまた、安全デバイス、および安全デバイスの作動を制御するための制御装置を含み得る。装置は、制御装置に電気的に接続され、かつ、車両加速の検知を示す信号を制御装置に提供する働きをすることができる。制御装置は、信号に応答して安全デバイスを作動させるように構成され得る。
【0017】
[0017]本発明の上記その他の特徴および利点は、添付の図面を参照しながら以下の説明を読めば、本発明に関連する当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】[0018]車両安全システムを示すブロック図である。
図2】[0019]車両安全システムの加速度センサ部分の斜視図である。
図3】車両安全システムの加速度センサ部分の斜視図である。
図4】[0020]加速度センサの断面図である。
図5】[0021]加速度センサの一部分の斜視図である。
図6】[0022]図5の部分の分解組立図である。
図7】[0023]図7Aは、図6の分解組立図からの1つの部品の斜視図である。 [0024]図7Bは、図7Aの部品の断面図である。
図8A】[0025]図5および6の加速度センサの部分のための組立ステップを示す図である。
図8B図5および6の加速度センサの部分のための組立ステップを示す図である。
図8C図5および6の加速度センサの部分のための組立ステップを示す図である。
図8D図5および6の加速度センサの部分のための組立ステップを示す図である。
図8E図5および6の加速度センサの部分のための組立ステップを示す図である。
図9A】[0026]図9Aは、図5および6の加速度センサの部分のための最終組立ステップを示す図である。
図9B図9Bは、図5および6の加速度センサの部分のための最終組立ステップを示す図である。
図9C図9Cは、図5および6の加速度センサの部分のための最終組立ステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[0027]図1を参照すると、車両12が、車両安全システム10を含む。車両安全システム10は、エアバッグなどの保護デバイス22に動作可能に接続される制御装置20を含む。制御装置20はまた、車両および/乗員の様々な状態を検知しかつそれらの検知された状態を表わす信号を制御装置に送信するように構成されたセンサ24に、動作可能に接続される。制御装置20は、本明細書において「車両クラッシュ状態」と呼ばれる車両衝撃または衝突などの乗員保護が望まれる事象の発生を確定するために、検知された状態を解釈するように構成される。制御装置20は、車両クラッシュ状態の確定に応答して保護デバイス22を作動させるようにさらに構成される。
【0020】
[0028]図1に示されるように、センサ24は、制御装置20から離れた車両の箇所に取り付けられる遠隔加速度センサ(「RASデバイス」)50の形態をした装置を含む。RASデバイス50は、例えば、車両12の側面構造内に(例えば、車両ドア、柱(ピラー)、前/後バンパ領域、などに)取り付けられ得る。このRASデバイス50は、車両12のこれらの遠隔領域における車両加速を検出し、かつ、それらの加速を示す信号を制御装置20に提供する。制御装置は、加速信号を分析して、検知された加速が衝突および/または転覆事象などの予め定められた車両事象の特徴であるかどうかを判定する。制御装置20は、この判定に応答して1つまたは複数の保護デバイス22を作動させることができる。
【0021】
[0029]RASデバイス50は、過酷な環境条件にさらされるであろう車両12内の箇所に取り付けられ得る。したがって、RASデバイス50は、最高最低気温、湿気、汚れ、などに対して頑強でなければならない。したがって、RASデバイス50は、密閉された水密の構造を有する。典型的には、遠隔加速度センサは、ハンダ付けまたはコンプライアントピンなどの従来の方法を介してプリント回路基板または他の類似の構造上に取り付けられる加速度計特定用途向け集積回路(ASIC;application specific integrated circuit)を含む。次いで、この組立体は、水密ハウジング内に封入される。有利には、RASデバイス50は、これらの従来の組立技法を回避するように構成されて、単純かつ事実上機械的な構成を提供する。
【0022】
[0030]RASデバイス50は、例えば車両における位置およびその位置において利用可能なアーキテクチャに応じた様々な態様で車両12に取り付けられるように構成され得る。構成はまた、デバイスがさらされるであろう環境に依存し得る。例えば、車両外部の状況にさらされる場合、RASデバイス50は、密封され得る。
【0023】
[0031]図2~4を参照すると、風雨密性能を保証するために、RASデバイス50は、封入体130を含む。封入体130は、例えば、プラスチックなどの風雨密材料で形成されてよく、また、インサート成形を介してRASデバイス50上に組み付けられるかまたは他の方法で貼り付けられ得る。あるいは、ボディ52は、ボディが形成されてからすなわ成形後にRASデバイス50が取り付けられるように構成され得る。
【0024】
[0032]インサート成形は、RASデバイス50を車両安全システム10/制御装置20に電気的に接続する車両配線との風雨密接続を容易にするコネクタ部分132内に接触子80のピン部分82を位置決めするように構成され得る。コネクタ部分132は、例えば、雄型プラグ(図示せず)を受け入れるように構成された雌型受器134を含むことができ、この雌型受器134は、取付状態にあるプラグを固定するための突出部136を含む。
【0025】
[0033]RASデバイス50はまた、RASデバイス50を車両12に接続するのを容易にする、締結具および/またはブッシング(図示せず)などのハードウェアを受け入れるように構成された部分140を含み得る。部分140はまた、封入体130内にインサート成形される。
【0026】
[0034]図5および6は、RASデバイス50を取り囲むボディ52を含まない、RASデバイス50の例示的な構成を示す。RASデバイス50は、ハウジング60、1対の接触子80、加速度計ASIC100、および保持クリップ110を含む。RASデバイス50の構造および組立が、図7A~9Cに示される。図7Aおよび7Bを参照すると、RASデバイス50の成形プラスチックハウジング60は、デバイス構成要素が受け入れられる中空の内部空間64につながる前面開口部62を含む。具体的には、内部空間64は、全体的に矩形のASIC受器66、および、T形状の突出部72によって部分的に画定された接触子支持表面70を含む。突出部72はまた、前面開口部62とは反対側のハウジング60の端部に1対の接触子開口部74を画定するのに役立つ。
【0027】
[0035]図8Aおよび8Bを参照すると、接触子80は、ハウジング60内に受け入れられ、かつ、接触子支持表面70上に支持される。接触子80は、導電性であり、銅、鋼鉄、またはそれらの合金などの金属材料から形成される。接触子80は、ハウジング60の外側に突出するピン部分82と、内部空間64の底面68から離間して内部空間64のASIC受器66内に支持されたばね接触子部分84と、を含む。
【0028】
[0036]図8A~8Cに示された位置に達するために、接触子80は、最初に前面開口部62にピン部分82を通して取り付けられる。ピン部分82が接触子開口部74から突出すると、ピン部分82は、示された取付位置へと引っ張られ得る。T形状の突出部72および開口部74は、接触子80を所定の位置に保持するために、接触子80との静合(精密な嵌め合わせ:close fit)、又はさらには接触子80とのわずかな締まり嵌めをするように構成され得る。さらに、接触子開口部74の高さは、接触子との静合またはわずかな締まり嵌めを有して接触子を所定の位置に保持するために、接触子80の厚さに一致され得る。したがって、ハウジング60内での接触子80の位置は、しっかりと保たれる。
【0029】
[0037]加速度計ASIC100は、その上部表面上に導体パッド102を含む。図8Aおよび8Cを参照すると、接触子80が取り付けられた後、ASIC100は、前面開口部62内への挿入によって取り付けられる。ASIC100は、ASICの形状に一致するように構成されたASIC受器66内に受け入れられる。図8Dを参照すると、矢印Aによっておおまかに示された方向においてASIC100がASIC容器66内に挿入されるときに、ASIC100は、接触子80のばね接触子84に最初に係合する。
【0030】
[0038]ASIC100が挿入方向に進み続けると、ASIC100は、ばね接触子84の端部86に接触する。端部86は、ASIC100の挿入に応答してばね接触子84に作用する垂直力を生み出すように構成される。これらの垂直力は、図8D中の矢印Bによっておおまかに示されるように、ばね接触子84を上方に付勢する。ASIC100は、図8Eの取付位置に達するまで、挿入方向Aに進む。少なくとも部分的に、取付状態において接触子80をハウジング60内にしっかりと保持する態様により、ばね接触子84は、偏向されたままとなり、したがって、図8E中の矢印Cによっておおまかに示されるように、導体パッド102に下向きのばね力を及ぼす。これは、接触子80とASIC100との間の導電性の係合を維持するのに役立つ。
【0031】
[0039]図9A~9Cを参照すると、RASデバイス50はまた、前面開口部62を通してハウジング60内に取り付けられる保持クリップ110を含む。保持クリップ110は、表面70の部分112(図7B参照)に沿って進み、また、接触子80に係合してそれらをその取付位置に保持する部分114を有する。保持クリップ110はまた、ASIC100に係合してその取付位置に保持する部分116を有する。保持クリップ110は、締まり嵌めによって所定の位置に保持されてよく、または、保持クリップ110はまた、クリップをその取付状態に保持する突出部(図9Cに概略的に示される)などの保持特徴または保持要素120を含んでもよい。保持クリップ110は、クリップを取り付けるための持ち手として機能しまた以下で説明される封入を容易にするのに役立ち得る部分122を、さらに含む。
【0032】
[0040]本発明の上記説明から、当業者は、本明細書において開示されるRASデバイス50の精神および範囲に影響を及ぼさない改善、変更、および修正を認識するであろう。当業者の技能範囲内のそのような改善、変更、および修正は、添付の特許請求の範囲によってカバーされることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9A
図9B
図9C
【国際調査報告】