(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(54)【発明の名称】雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法
(51)【国際特許分類】
D01F 1/06 20060101AFI20220104BHJP
D02G 3/02 20060101ALI20220104BHJP
D06M 15/643 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
D01F1/06
D02G3/02
D06M15/643
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021517398
(86)(22)【出願日】2018-10-08
(85)【翻訳文提出日】2021-03-26
(86)【国際出願番号】 CN2018087198
(87)【国際公開番号】W WO2020073146
(87)【国際公開日】2020-04-16
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519444454
【氏名又は名称】フージィェン ファフォン ニュー マテリアル カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】FUJIAN HUAFENG NEW MATERIAL CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Dongfang Road, Dongqiao Industrial Zone,Xiuyu District Putian, Fujian 351100, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】方 華玉
(72)【発明者】
【氏名】達内希瓦尓 ▲か▼梅倫
(72)【発明者】
【氏名】方 志堅
(72)【発明者】
【氏名】頼 逸書
(72)【発明者】
【氏名】陳 裕翔
【テーマコード(参考)】
4L033
4L035
4L036
【Fターム(参考)】
4L033AA01
4L033AB01
4L033AC15
4L033CA59
4L035AA05
4L035BB54
4L035BB59
4L035BB60
4L035BB69
4L035JJ28
4L036MA04
4L036MA05
4L036MA06
4L036MA08
4L036MA39
4L036PA01
4L036PA26
4L036PA28
4L036UA12
(57)【要約】
本発明は、紡績・印染の技術領域に関し、特に、雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法に関する。一つ以上の色の染料を混合させ、極めて少ない分散剤を加え、顔料を完全に均一に混合させないことにより、顔料に製糸原材料を混合し押し出して形成された紡ぎ糸は、ランダムに分布する複数の色の雲模様に染織する効果を有する。そして、複数の色の雲模様に染織する効果を有する、雲模様に染織する紡ぎ糸が製造され得る。製造された布地は、単色の紡ぎ糸により製造された従来の布地に比べると、より立体感になる図案の効果を有している。また、従来の紡績・印染のプロセスには、数多くの水が必要となり、しかも、数多くの廃水を処理することも必要となることから、数多くの資源やコストが消費されてしまい。しかしながら、本発明により製造された雲模様に染織する紡ぎ糸により製造された布地は、これからの紡績・印染が必要とならないので、エネルギーを省いて環境に優しい効果をも有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製糸原材料を製糸箱に入れ、製糸箱を加熱することにより、製糸原材料を溶融状態にする第一ステップと、
一つ以上の色の染料を混合させ、染料の総質量の0.1-0.5%の分散剤を加えて、染料の混合液を取得する第二第二ステップと、
第二ステップにより取得された染料の混合液を製糸箱に流し込み、溶融状態での製糸原材料に混合し、糸引き穴を介して溶融体の細い流れを押し出して形成する第三ステップと、
第三ステップにより取得された溶融体の細い流れを冷却して硬化することにより、一次繊維を形成し、一次繊維をオイルで処理し、雲模様に染織する紡ぎ糸を取得する第四ステップと、を含む、ことを特徴とする、雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法。
【請求項2】
前記製糸原材料は、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリアミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、又は、アラミドのうちの少なくとも1つである、ことを特徴とする、請求項1に記載の雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法。
【請求項3】
前記製糸原材料は、天然の繊維表面にシリコーン樹脂のコーティング層を被覆して乾燥させるステップ、及び、シリコーン樹脂のコーティング層が被覆されている天然繊維を化学繊維に混合することにより、製糸原材料を製造するステップにより調製されたものであることを特徴とする、請求項1に記載の雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法。
【請求項4】
前記第四ステップの後には、天然繊維の表面に被覆されているシリコーン樹脂のコーティング層を除去するように、第四ステップにより取得された雲模様に染織する紡ぎ糸を水で洗浄する第五ステップをさらに含む、ことを特徴とする、請求項3に記載の雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法。
【請求項5】
前記天然繊維は、その糸密度が0.1-10DTexである、ことを特徴とする、請求項3に記載の雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法。
【請求項6】
前記天然繊維は、その糸密度が0.5-5DTexである、ことを特徴とする、請求項3に記載の雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法。
【請求項7】
前記天然繊維は、その長さが10-30mmである、ことを特徴とする、請求項3に記載の雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法。
【請求項8】
前記天然繊維は、その長さが23-30mmである、ことを特徴とする、請求項3に記載の雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法。
【請求項9】
前記第一ステップは、具体的に、製糸原材料を製糸箱に入れ、製糸箱を200-300℃まで加熱することにより、ポリマーを溶融状態にするものである、ことを特徴とする、請求項3に記載の雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法。
【請求項10】
前記第二ステップは、具体的に、2又は3色の染料を混合させ、染料の総質量の0.3%の分散剤を加え、染料の混合液を取得するものである、ことを特徴とする、請求項1に記載の雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紡績・印染の技術分野に関し、特に、雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化学繊維は、人工合成による高分子の化合物を原材料として、製糸原液の調製、製糸、及び、仕上げ処理などのプロセスにより製造され紡績の性能を有する繊維である。化学繊維を染色する現在の技術では、フィラメント染色法、原液着色法、及び、ゲル染色法が主に含まれており、CN1403640Aという特許公開番号の中国特許は、原液着色法に関するものであり、そのうち、原液着色法とは、染料又は顔料を高分子の化合物(製糸原材料)に加えて、現在の湿式紡糸プロセスにより、直接に着色繊維を制造するものである。しかしながら、従来の原液着色プロセスにより製造された着色紡ぎ糸は、一般的に、単色の色彩を均一に有し、複数の色を混ぜた雲模様に染織する効果を達成し難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の解決しようとする技術的課題は、複数の色を混ぜた効果に達し、原液着色法に基づくものであって、雲模様に染織する効果を有することができる紡ぎ糸調製方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の技術的課題を解決するために、本発明に係る技術手段は以下の通りである。
本発明は、製糸原材料を製糸箱に入れ、製糸箱を加熱することにより、製糸原材料を溶融状態にする第一ステップと、一つ以上の色の染料を混合させ、染料の総質量の0.1-0.5%の分散剤を加えて、染料の混合液を取得する第二ステップと、第二ステップにより取得された染料の混合液を製糸箱に流し込み、溶融状態での製糸原材料に混合し、糸引き穴を介して溶融体の細い流れを押し出して形成する第三ステップと、第三ステップにより取得された溶融体の細い流れを冷却して硬化することにより、一次繊維を形成し、一次繊維をオイルで処理し、雲模様に染織する紡ぎ糸を取得する第四ステップと、を含む、雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法を提供する。
【発明の効果】
【0005】
本発明における有益な効果は、以下の通りである。本発明が提供する雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法では、一つ以上の色の染料を混合させ、極めて少ない分散剤を加え、顔料を完全に均一に混合させないことにより、顔料に製糸原材料を混合し押し出して形成された紡ぎ糸は、ランダムに分布する複数の色の雲模様に染織する効果を有する。そして、複数の色の雲模様に染織する効果を有する、雲模様に染織する紡ぎ糸が製造され得る。製造された布地は、単色の紡ぎ糸により製造された従来の布地に比べると、より立体感になる図案の効果を有している。また、従来の紡績・印染のプロセスには、数多くの水が必要となり、しかも、数多くの廃水を処理することも必要となることから、数多くの資源やコストが消費されてしまう。しかしながら、本発明により製造された雲模様に染織する紡ぎ糸により製造された布地は、これからの紡績・印染が必要とならないので、エネルギーを省いて環境に優しい効果をも有している。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明に係る技術的内容、達成する目的、及び、効果を詳しく説明するためには、以下に、実施の形態に基づいて説明していく。
【0007】
本発明における最も肝心な発想は、一つ以上の色の染料を混合させ、極めて少ない分散剤を加えて、顔料を完全に均一に混合させないことにより、顔料に製糸原材料を混合し押し出して形成された紡ぎ糸は、ランダムに分布する複数の色の雲模様に染織する効果を有するということにある。
【0008】
本発明が提供する雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法、製糸原材料を製糸箱に入れ、製糸箱を加熱することにより製糸原材料を溶融状態にする第一ステップと、一つ以上の色の染料を混合させ、染料の総質量の0.1-0.5%の分散剤を加えて、染料の混合液を取得する第二ステップと、第二ステップにより取得された染料の混合液を製糸箱に流し込み、溶融状態での製糸原材料に混合し、糸引き穴を介して溶融体の細い流れを押し出して形成する第三ステップと、第三ステップにより取得された溶融体の細い流れを冷却して硬化することにより、一次繊維を形成し、一次繊維をオイルで処理し、雲模様に染織する紡ぎ糸を取得する第四ステップと、を含む。ただし、上記の「オイルで処理」することに用いられるオイルは、工業用のオイルであってもよい。
【0009】
本発明に係る雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法では、一つ以上の色の染料を混合させ、極めて少ない分散剤を加え、顔料を完全に均一に混合させないことにより、顔料に製糸原材料を混合し押し出して形成された紡ぎ糸は、ランダムに分布する複数の色の雲模様に染織する効果を有する。そして、複数の色の雲模様に染織する効果を有する、雲模様に染織する紡ぎ糸が製造され得る。製造された布地は、単色の紡ぎ糸により製造された従来の布地に比べると、より立体感になる図案の効果を有している。また、従来の紡績・印染のプロセスには、数多くの水が必要となり、しかも、数多くの廃水を処理することも必要となることから、数多くの資源やコストが消費されてしまう。しかしながら、本発明により製造された雲模様に染織する紡ぎ糸により製造された布地は、これからの紡績・印染が必要とならないので、エネルギーを省いて環境に優しい効果をも有している。
【0010】
さらに、上記の雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法では、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリアミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、又は、アラミドのうちの少なくとも1つである。
【0011】
さらに、上記の雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法では、前記製糸原材料は、天然の繊維表面にシリコーン樹脂のコーティング層を被覆して乾燥させるステップ、及び、シリコーン樹脂のコーティング層が被覆されている天然繊維を化学繊維に混合することにより、製糸原材料を製造するステップにより調製されたものである。
【0012】
製糸原材料については、天然繊維と化学繊維との混合物を選択し、天然繊維の表面にシリコーン樹脂のコーティング層を被覆することにより、高温の製糸環境でも天然繊維の構成が破壊されてしまうことがない。上記の方法により製造された雲模様に染織する紡ぎ糸は、化学繊維について乾燥が早く質量が軽いという利点と、天然繊維について優れている触感を有するという利点を兼ねている。
【0013】
さらに、上記の雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法では、前記第四ステップの後に、天然繊維の表面に被覆されているシリコーン樹脂のコーティング層を除去するように、第四ステップにより取得された雲模様に染織する紡ぎ糸を水で洗浄する第五ステップをさらに含む。
【0014】
さらに、上記の雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法では、前記天然繊維は、その糸密度が0.1-10DTexである。
【0015】
さらに、上記の雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法では、前記天然繊維は、その糸密度が0.5-5DTexである。
【0016】
さらに、上記の雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法では、前記天然繊維は、その長さが10-30mmである。
【0017】
さらに、上記の雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法では、前記天然繊維は、その長さが23-30mmである。
【0018】
天然繊維の長さと密度を最適化させることにより、天然繊維と化学繊維とを混合して押し出す際に、天然の繊維が外部に露出し、混紡の製品に、天然繊維による優れた触感を有させることにより、衣類、靴や帽子の場合に、より快適に着用することができる。
【0019】
さらに、上記の雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法では、前記第一ステップは、具体的に、製糸原材料を製糸箱に入れ、製糸箱を200-300℃まで加熱することにより、ポリマーを溶融状態にするものである。さらに、上記の雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法では、前記第二ステップは、具体的に、2又は3色の染料を混合させ、染料の総質量の0.3%の分散剤を加え、染料の混合液を取得するものである。
【0020】
実施例1
雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法は、製糸原材料を製糸箱に入れ、製糸箱を200℃まで加熱することにより、ポリマーを溶融状態にする第一ステップと、一つ以上の色の染料を混合させ、染料の総質量の0.1%の分散剤を加えて、染料の混合液を取得する第二ステップと、第二ステップにより取得された染料の混合液を製糸箱に流し込み、溶融状態での製糸原材料に混合し、糸引き穴を介して溶融体の細い流れを押し出して形成す第三ステップと、第三ステップにより取得された溶融体の細い流れを冷却して硬化することにより、一次繊維を形成し、一次繊維をオイルで処理し、雲模様に染織する紡ぎ糸を取得する第四ステップと、を含む。前記製糸原材料は、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリアミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、又は、アラミドのうちの少なくとも1つである。
【0021】
実施例2
雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法は、製糸原材料を製糸箱に入れ、製糸箱を300℃まで加熱することにより、ポリマーを溶融状態にする第一ステップと、3色の染料を混合させ、染料の総質量の0.5%の分散剤を加えて、染料の混合液を取得する第二ステップと、第二ステップにより取得された染料の混合液を製糸箱に流し込み、溶融状態での製糸原材料に混合し、糸引き穴を介して溶融体の細い流れを押し出して形成する第三ステップと、第三ステップにより取得された溶融体の細い流れを冷却して硬化することにより、一次繊維を形成し、一次繊維をオイルで処理し、雲模様に染織する紡ぎ糸を取得する第四ステップと、を含む。前記製糸原材料は、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリアミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、又は、アラミドのうちの少なくとも1つである。
【0022】
実施例3
雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法は、製糸原材料を製糸箱に入れ、製糸箱を200℃まで加熱することにより、ポリマーを溶融状態にする第一ステップと、2色の染料を混合させ、染料の総質量の0.5%の分散剤を加えて、染料の混合液を取得する第二ステップと、第二ステップにより取得された染料の混合液を製糸箱に流し込み、溶融状態での製糸原材料に混合し、糸引き穴を介して溶融体の細い流れを押し出して形成する第三ステップと、第三ステップにより取得された溶融体の細い流れを冷却して硬化することにより一次繊維を形成し、一次繊維をオイルで処理し、雲模様に染織する紡ぎ糸を取得する第四ステップと、天然の繊維表面に被覆されているシリコーン樹脂のコーティング層を除去するように、第四ステップにより取得された雲模様に染織する紡ぎ糸を水で洗浄する第五ステップと、を含み、前記製糸原材料は、天然の繊維表面にシリコーン樹脂のコーティング層を被覆して乾燥させるステップ、及び、シリコーン樹脂のコーティング層が被覆されている天然繊維と化学繊維とを混合して、製糸原材料を製造するステップにより、調製されたものであり、前記天然繊維の糸密度が0.1DTexであり、前記天然繊維の長さが10mmである。
【0023】
実施例4
雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法は、製糸原材料を製糸箱に入れ、製糸箱を200℃まで加熱することにより、ポリマーを溶融状態にする第一ステップと、2色の染料を混合させ、染料の総質量の0.3%の分散剤を加えて、染料の混合液を取得する第二ステップと、第二ステップにより取得された染料の混合液を製糸箱に流し込み、溶融状態での製糸原材料に混合し、糸引き穴を介して溶融体の細い流れを押し出して形成する第三ステップと、第三ステップにより取得された溶融体の細い流れを冷却して硬化することにより一次繊維を形成し、一次繊維をオイルで処理し雲模様に染織する紡ぎ糸を取得する第四ステップと、天然繊維の表面に被覆されているシリコーン樹脂のコーティング層を除去するように、第四ステップにより取得された雲模様に染織する紡ぎ糸を水で洗浄する第五ステップと、を含み、前記製糸原材料は、天然の繊維表面にシリコーン樹脂のコーティング層を被覆して乾燥させるステップ、及び、シリコーン樹脂のコーティング層が被覆されている天然繊維を化学繊維に混合することにより、製糸原材料を製造するステップにより調製されたものであり、前記天然繊維の糸密度が10DTexであり、前記天然繊維の長さが30mmである。
【0024】
実施例5
雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法は、製糸原材料を製糸箱に入れ、製糸箱を200℃まで加熱することにより、ポリマーを溶融状態にする第一ステップと、2色の染料を混合させ、染料の総質量の0.3%の分散剤を加えて、染料の混合液を取得する第二ステップと、第二ステップにより取得された染料の混合液を製糸箱に流し込み、溶融状態での製糸原材料に混合し、糸引き穴を介して融体の細い流れを押し出して形成する第三ステップと、第三ステップにより取得された溶融体の細い流れを冷却して硬化することにより一次繊維を形成し、一次繊維をオイルで処理し雲模様に染織する紡ぎ糸を取得する第四ステップと、天然繊維の表面に被覆されているシリコーン樹脂のコーティング層を除去するように、第四ステップにより取得された雲模様に染織する紡ぎ糸を水で洗浄する、第五ステップと、を含み、前記製糸原材料は、天然の繊維表面にシリコーン樹脂のコーティング層を被覆して乾燥させるステップ、及び、シリコーン樹脂のコーティング層が被覆されている天然繊維を化学繊維に混合することにより、製糸原材料を製造するステップにより調製されたものであり、前記天然繊維の糸密度が0.5DTexであり、前記天然繊維の長さが23mmである。
【0025】
実施例6
雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法は、製糸原材料を製糸箱に入れ、製糸箱を200℃まで加熱することにより、ポリマーを溶融状態にする第一ステップと、2色の染料を混合させ、染料の総質量の0.3%の分散剤を加えて、染料の混合液を取得する第二ステップと、第二ステップにより取得された染料の混合液を製糸箱に流し込み、溶融状態での製糸原材料に混合し、糸引き穴を介して溶融体の細い流れを押し出して形成する第三ステップと、第三ステップにより取得された溶融体の細い流れを冷却して硬化することにより一次繊維を形成し、一次繊維をオイルで処理し雲模様に染織する紡ぎ糸を取得する第四ステップと、天然繊維の表面に被覆されているシリコーン樹脂のコーティング層を除去するように、第四ステップにより取得された雲模様染織紡ぎ糸を水で洗浄する第五ステップと、を含み、前記製糸原材料は、天然の繊維表面にシリコーン樹脂のコーティング層を被覆して乾燥させるステップ、及び、シリコーン樹脂のコーティング層が被覆されている天然繊維を化学繊維に混合することにより、製糸原材料を製造するステップにより調製されたものであり、前記天然繊維の糸密度が5DTexであり、前記天然繊維の長さが30mmである。
【0026】
以上より、本発明が提供する雲模様に染織する効果を有する紡ぎ糸調製方法では、一つ以上の色の染料を混合させ、極めて少ない分散剤を加え、顔料を完全に均一に混合させないことにより、顔料に製糸原材料を混合し押し出して形成された紡ぎ糸は、ランダムに分布する複数の色の雲模様に染織する効果を有する。そして、複数の色の雲模様に染織する効果を有する雲模様に染織する紡ぎ糸が製造され得る。製造された布地は、単色の紡ぎ糸により製造された従来の布地に比べると、より立体感になる図案の効果を有している。また、従来の紡績・印染のプロセスには、数多くの水が必要となり、しかも、数多くの廃水を処理することも必要となることから、数多くの資源やコストが消費されてしまい。しかしながら、本発明により製造された雲模様に染織する紡ぎ糸により製造された布地は、これからの紡績・印染が必要とならないので、エネルギーを省いて環境に優しい効果をも有している。
【0027】
以上に説明したのは、本発明の実施例に過ぎず、本発明の特許範囲を制限するものではなく、発明の明細書に係る内容に基づいてなされたあらゆる均等置換、或いは、直接や間接に関連の技術分野に適用されているものは、同様に、本発明の特許の保護範囲に含まれている。
【国際調査報告】