(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(54)【発明の名称】子宮頸部用止血部材及び子宮頸部用止血部材キット
(51)【国際特許分類】
A61B 17/135 20060101AFI20220104BHJP
【FI】
A61B17/135
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021517430
(86)(22)【出願日】2019-04-23
(85)【翻訳文提出日】2021-03-26
(86)【国際出願番号】 KR2019004858
(87)【国際公開番号】W WO2020067619
(87)【国際公開日】2020-04-02
(31)【優先権主張番号】10-2018-0115334
(32)【優先日】2018-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0003988
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519418282
【氏名又は名称】エンドヴィジョン カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ホン,デ ギ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ミン ホ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD65
(57)【要約】
本発明は、止血作用をするドレッシング材で形成され、花形状に実現され、中心部に形成された花芯部と、前記花芯部の周辺部に形成され、前記花芯部に比べて相対的に低いドレッシング材の密度を有する花弁部とを含むことを特徴とする、子宮頸部用止血部材を提供し、前記止血部材と、前記止血部材を内部に収容して止血部位に前記止血部材を提供するアプリケータとで構成された子宮頸部用止血部材キットを技術的要旨とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
止血作用をするドレッシング材で形成され、花形状に実現され、複数個の花弁部からなり、
患部への適用時に複数個の前記花弁部が選択的につぼみ形状に窄まったり広がったりするように形成されることを特徴とする、子宮頸部用止血部材。
【請求項2】
前記子宮頸部用止血部材は、患部の形状に応じて前記花弁部の一部の個体のみ広がるか、或いは患部の形状に応じて前記花弁部の全体が広がることを特徴とする、請求項1に記載の子宮頸部用止血部材。
【請求項3】
前記子宮頸部用止血部材は、
中心部に形成された花芯部と、
前記花芯部の周辺部に形成された複数個の花弁部とを含んで形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の子宮頸部用止血部材。
【請求項4】
前記花弁部は、前記花芯部に比べて相対的に低いドレッシング材の密度を有することを特徴とする、請求項3に記載の子宮頸部用止血部材。
【請求項5】
前記花芯部は前記花弁部に比べて相対的に高さが高いことを特徴とする、請求項3に記載の子宮頸部用止血部材。
【請求項6】
前記花芯部の下端部にはスレッド(thread)が形成されたことを特徴とする、請求項3に記載の子宮頸部用止血部材。
【請求項7】
前記スレッドにはX線(X-ray)感応物質がさらに含まれたことを特徴とする、請求項3に記載の子宮頸部用止血部材。
【請求項8】
前記ドレッシング材は、
キトサン、セルロース(綿、絹又は麻)、再生セルロース(レーヨン又は人絹)、アルギン酸塩及びカゼインのうちのいずれか、又はセルロース(綿、絹又は麻)、再生セルロース(レーヨン又は人絹)、アルギン酸塩及びカゼインのうちのいずれかにキトサンを混合して使用することを特徴とする、請求項1に記載の子宮頸部用止血部材。
【請求項9】
前記ドレッシング材は、
止血材が混合されて不織布の形態で提供されるか、或いは
表面に止血材からなるコーティング層を単層又は複数層に形成して不織布の形態で提供されることを特徴とする、請求項8に記載の子宮頸部用止血部材。
【請求項10】
前記止血材は、
カルボキシメチルキトサン(Carboxymethyl chitosan、CMCS)、カルボキシメチルセルロース(Carboxymethylcellulose、CMC)、キトサンサクシネート(Chitosan Succinate)、アルギン酸ナトリウム(Sodium Alginate)、ヒアルロン酸(Hyaluronic Acid)、コラーゲン(Collagen)、ゼラチン(Gelatin)、コンドロイチン硫酸(Chondroitin Sulfate)、ポリガンマグルタミン酸(poly-γ-glutamic acid)、プルラン(pullulan)、カオリン(kaolin)、ゼオライト(Zeolite)、コンドロイチン硫酸(Chondroitin Sulfate)、塩化カルシウム(Calcium Chloride)、塩化カルシウムトロンビン(Calcium Chloride Thrombin)、フィブリノゲン(Fibrinogen)、カテコール(Catechol)、及びポリウレタンフォーム(polyurethane foam)のうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせであることを特徴とする、請求項9に記載の子宮頸部用止血部材。
【請求項11】
前記止血部材は、内部にX線(X-ray)感応物質がさらに含まれたことを特徴とする、請求項1に記載の子宮頸部用止血部材。
【請求項12】
前記花芯部の直径は15~25mmであり、
前記花弁部をなす前記止血部材の直径は30~60mmであることを特徴とする、請求項1に記載の子宮頸部用止血部材。
【請求項13】
前記止血部材は、
長さ方向に長く形成され、一側が前記花弁部の花びらの個数だけ切断されたカッティング部が形成されたローリング部材を一方向に巻いて実現されることを特徴とする、請求項1に記載の子宮頸部用止血部材。
【請求項14】
前記カッティング部は、巻く方向に行くほど高さがさらに高く且つ幅がさらに広くなるように形成され、外郭にある花弁部であるほどその大きさが相対的にさらに大きく、各花弁部間の間隔がさらに広くなるように実現されることを特徴とする、請求項13に記載の子宮頸部用止血部材。
【請求項15】
前記ローリング部材は、複数個重ねて前記止血部材の大きさ(直径)を調節するか、或いは前記複数個のローリング部材を巻く方向に段差を置いて重なり合うようにして前記止血部材の大きさ(直径)及び密度を調節することを特徴とする、請求項13に記載の子宮頸部用止血部材。
【請求項16】
前記花芯部は、
下側部が下側に行くほど水平断面積が狭くなる形状に実現されたことを特徴とする、請求項3に記載の子宮頸部用止血部材。
【請求項17】
止血作用をするドレッシング材で形成され、花形状に実現され、
複数個の花弁部からなり、患部への適用の際に複数個の前記花弁部が選択的につぼみ形状に窄まったり広がったりするように形成され、前記花芯部の下端部にはスレッドが形成された止血部材と、
前記止血部材を内部に収容して止血部位に前記止血部材を提供するアプリケータとから構成された、子宮頸部用止血部材キット。
【請求項18】
前記アプリケータは、
前端部に前記止血部材が収容される空間部が形成されたボディと、
前記ボディの内部に収容され、前記止血部材を前記ボディの外側に押し出して前記止血部材を花形状に拡張させ、前記止血部材を止血部位に提供するハンドルとを含むことを特徴とする、請求項17に記載の子宮頸部用止血部材キット。
【請求項19】
前記ボディは、
前記止血部材が収容されるように形成された空間部と、
前記空間部よりも相対的に狭い断面積を成し、前記空間部に連通して長さ方向に長く形成されたハンドル収容部とを含んでなることを特徴とする、請求項18に記載の子宮頸部用止血部材キット。
【請求項20】
前記空間部の前端部は、
曲面形状に形成され、前記止血部材が前記ボディの外側に提供されるときに前記止血部材の押す力によって弾性開放されるように開閉部が形成されたことを特徴とする、請求項19に記載の子宮頸部用止血部材キット。
【請求項21】
前記ハンドル収容部の内表面には係止部が形成され、前記ハンドルが前記ボディの前方側に無断離脱しないようにすることを特徴とする、請求項19に記載の子宮頸部用止血部材キット。
【請求項22】
前記ハンドルは、
前記ハンドル収容部に収容され、前記ハンドル収容部の内外で前後方向に移動可能に形成された胴体部と、
前記胴体部の前端部に形成され、前記空間部に収容されて前記空間部内で前後方向に移動可能に形成され、前記空間部の後端部にかかるように形成された第1拡張部と、
前記胴体部の後端部に形成され、前記ハンドル収容部の外部で前後方向に移動可能に形成され、前記ハンドル収容部の後端部にかかるように形成された第2拡張部とを含んでなることを特徴とする、請求項19に記載の子宮頸部用止血部材キット。
【請求項23】
前記ボディの外表面には、マーキング部が形成され、前記ボディの体内挿入深さを識別するように形成されたことを特徴とする、請求項18に記載の子宮頸部用止血部材キット。
【請求項24】
前記ボディの一側外表面にはグリップ部が形成されたことを特徴とする、請求項18に記載の子宮頸部用止血部材キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、子宮頸部用止血部材に係り、より詳細には、子宮頸部の組織検査や子宮頸部の手術時に患部に挿入されて止血部位を効果的に止血するためのものに関する。
【背景技術】
【0002】
身体に外傷が発生した場合、傷が深くなければ簡単な措置のみでも血液の凝固メカニズムによって血液凝固が行われる。しかし、傷が深い場合や、手術又は検査のために組織を切り離す場合には、過多出血を防ぐために患部に対する人為的な止血を行わなければならない必要性が大きい。
【0003】
本発明に関連する従来技術として本出願人によって特許出願されて登録された韓国登録特許第10-1700107号の「キトサン基盤の止血ドレッシング材及びその製造方法」が知られている。
【0004】
従来技術によるキトサン基盤の止血ドレッシング材は、100%キトサン物質で構成され、所定の大きさと形状を有し、人体の傷口又は手術部位に適用されて傷口又は手術部位の止血及び回復に関与するキトサンドレッシング材と、前記キトサンドレッシング材の少なくとも一面に結合し、繊維の脱着防止及びキトサンドレッシング材の形状維持のための補助部材とを含むことを特徴とする。
【0005】
このようなキトサンの主要用途としては、凝集剤、重金属吸着剤、染料廃水浄化剤などの廃水処理分野、及び土壌改良剤、殺虫剤、植物抗ウイルス剤、農薬などの農業分野に限定されたが、キトサンの長所とさまざまな特性が解明されながら、食品及び飲料応用分野、保健衛生応用分野、化粧品応用分野、繊維関連応用分野、医薬品応用分野などへとその範囲がさらに拡大されている。
【0006】
このようにキトサンの有用な機能によって汎用的に使用できる止血ドレッシング材を提供しようとする。従来技術は、外部に現れる身体の外皮に対する止血のためのドレッシング材として有用に使用できるが、身体内部の特殊な構造及び形状をなす身体器官に対する手術又は処置の際には、汎用的なドレッシング材では止血に限界がある。
【0007】
本発明では、女性の子宮頸がんに対する手術や診断のための組織検査を行うときに発生する患部に対する効果的な止血が行われるようにしようとする。このためには、従来技術のように汎用的に使用できるガーゼのような形態ではなく、当該患部に対する効果的な止血作用を達成することができる止血部材の必要性が要求される。
【0008】
このような必要性により、本出願人は、子宮組織の検査又は手術時に患部に挿入されて使用される止血部材として、止血作用をするキトサン不織布を、丸い形状をなす止血塊に形成するようにすることを特徴とする、子宮頸部用キトサン基盤の止血部材を出願(韓国特許出願第10-2017-0127526号)したことがある。
【0009】
従来技術は、丸い形状をなす止血部材であって、組織採取後の止血管理のためにはその形状を改善する必要性がある。
【0010】
また、患部への挿入時により迅速かつ円滑な挿入のために構造及び形状の改善に対する必要性が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国特許出願第10-2017-0127526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記の必要性によって考案されたもので、その目的は、止血部位の各適応症に対して効果的に止血が行われるようにする、花形状の子宮頸部用止血部材を提供することにある。
【0013】
また、本発明の他の目的は、止血作用をするドレッシング材で花形状に実現された止血部材をアプリケータの内部に挿入してアプリケータハンドルによって止血部材を止血部位に提供するための子宮頸部用止血部材キットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明は、止血作用をするドレッシング材で形成され、花形状に実現され、複数個の花弁部からなり、患部への適用時に複数個の前記花弁部が選択的につぼみ形状に窄まったり広がったりするように形成されることを特徴とする、子宮頸部用止血部材を技術的要旨とする。
【0015】
また、前記子宮頸部用止血部材は、患部の形状に応じて前記花弁部の一部の個体のみ広がるか、或いは患部の形状に応じて前記花弁部の全体が広がることが好ましい。
【0016】
また、前記子宮頸部用止血部材は、中心部に形成された花芯部と、前記花芯部の周辺部に形成された複数個の花弁部とを含んで形成でき、前記花弁部は前記花芯部に比べて相対的に低いドレッシング材の密度を有するか、或いは、前記花芯部は前記花弁部に比べて相対的に高さが高く形成できる。
【0017】
また、前記花芯部の下端部にはスレッド(thread)が形成されたことが好ましく、前記スレッドにはX線(X-ray)感応物質がさらに含まれることが好ましい。
【0018】
また、前記ドレッシング材は、キトサン、セルロース(綿、絹又は麻)、再生セルロース(レーヨン又は人絹)、アルギン酸塩及びカゼインのうちのいずれか、又はセルロース(綿、絹又は麻)、再生セルロース(レーヨン又は人絹)、アルギン酸塩及びカゼインのうちのいずれかにキトサンを混合して使用することを特徴とする。
【0019】
ここで、前記ドレッシング材は、止血材が混合されて不織布の形態で提供されるか、或いは表面に止血材からなるコーティング層を単層又は複数層に形成して不織布の形態で提供されることが好ましい。
【0020】
また、前記止血材は、カルボキシメチルキトサン(Carboxymethyl chitosan、CMCS)、カルボキシメチルセルロース(Carboxymethylcellulose、CMC)、キトサンサクシネート(Chitosan Succinate)、アルギン酸ナトリウム(Sodium Alginate)、ヒアルロン酸(Hyaluronic Acid)、コラーゲン(Collagen)、ゼラチン(Gelatin)、コンドロイチン硫酸(Chondroitin Sulfate)、ポリガンマグルタミン酸(poly-γ-glutamic acid)、プルラン(pullulan)、カオリン(kaolin)、ゼオライト(Zeolite)、コンドロイチン硫酸(Chondroitin Sulfate)、塩化カルシウム(Calcium Chloride)、塩化カルシウムトロンビン(Calcium Chloride Thrombin)、フィブリノゲン(Fibrinogen)、カテコール(Catechol)、及びポリウレタンフォーム(polyurethane foam)のうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせであることが好ましい。
【0021】
また、前記止血部材は、内部にX線(X-ray)感応物質がさらに含まれたことが好ましい。
【0022】
また、前記花芯部の直径は15~25mmであり、前記花弁部をなす前記止血部材の直径は30~60mmであることが好ましい。
【0023】
また、前記止血部材は、長さ方向に長く形成され、一側が前記花弁部の花びらの個数だけ切断されたカッティング部が形成されたローリング部材を一方向に巻いて実現されることが好ましい。
【0024】
また、前記カッティング部は、巻く方向に行くほど高さがさらに高く且つ幅がさらに広くなるように形成され、外郭にある花弁部であるほどその大きさが相対的にさらに大きく、各花弁部間の間隔がさらに広がるように実現されることが好ましい。
【0025】
また、前記ローリング部材は、複数個重ねて前記止血部材の大きさ(直径)を調節するか、或いは前記複数のローリング部材を巻く方向に段差を置いて重なり合うようにして前記止血部材の大きさ(直径)及び密度を調節することが好ましい。
【0026】
また、前記花芯部は、下側部の形状が下側に行くほど水平断面積が狭くなる形状に実現されることが好ましい。
【0027】
また、本発明は、止血作用をするドレッシング材で形成され、花形状に実現され、複数個の花弁部からなり、患部への適用の際に、複数個の前記花弁部が選択的につぼみ形状に窄まったり広がったりするように形成され、前記花芯部の下端部にはスレッドが形成された止血部材と、前記止血部材を内部に収容して止血部位に前記止血部材を提供するアプリケータとから構成された子宮頸部用止血部材キットを別の技術的要旨とする。
【0028】
ここで、前記アプリケータは、前端部に前記止血部材が収容される空間部が形成されたボディと、前記ボディの内部に収容され、前記止血部材を前記ボディの外側に押し出して前記止血部材を花形状に拡張させ、前記止血部材を止血部位に提供するハンドルとを含むことを特徴とする。
【0029】
また、前記ボディは、前記止血部材が収容されるように形成された空間部と、前記空間部よりも相対的に狭い断面積を成し、前記空間部に連通して長さ方向に長く形成されたハンドル収容部とを含んでなることが好ましい。
【0030】
また、前記空間部の前端部は、曲面形状に形成され、前記止血部材が前記ボディの外側に提供されるとき、前記止血部材の押す力によって弾性開放されるように開閉部が形成されたことが好ましい。
【0031】
また、前記ボディの外表面には、マーキング部が形成され、前記ボディの体内挿入深さを識別するように形成されたことが好ましく、前記ボディの一側外表面には、グリップ部が形成されたことを特徴とする。
【0032】
また、前記ハンドル収容部の内表面には係止部が形成され、前記ハンドルが前記ボディの前方側に無断離脱しないようにすることが好ましい。
【0033】
また、前記ハンドルは、前記ハンドル収容部に収容され、前記ハンドル収容部の内外で前後方向に移動可能に形成された胴体部と、前記胴体部の前端部に形成され、前記空間部に収容されて前記空間部内で前後方向に移動可能に形成され、前記空間部の後端部にかかるように形成された第1拡張部と、前記胴体部の後端部に形成され、前記ハンドル収容部の外部で前後方向に移動可能に形成され、前記ハンドル収容部の後端部にかかるように形成された第2拡張部とを含んでなることが好ましい。
【発明の効果】
【0034】
本発明は、子宮頸部の組織検査や子宮頸部の手術時に患部に挿入されて止血部位を効率よく管理することができる止血部材を提供する。
【0035】
本発明は、従来の止血部材の丸い形状ではなく、患部への挿入時に花形状に提供される止血部材であって、止血作用をするドレッシング材で形成され、複数個の花弁部が患部の形状に応じて自由に広がったり窄まったりするように実現されることにより、患部との接触が緊密で、接触面積が広くなって止血管理が容易であるという利点がある。
【0036】
本発明は、組織採取後の止血管理と円錐切除術後の止血管理に有利な形態で実現され、子宮頸部の適応症に対する止血性能に優れた止血部材を提供し、特に、花形状に形成されて子宮頸部止血部材の使用者に審美感を提供するという効果がある。
【0037】
また、本発明に係る止血部材は、つぼみ形状の窄まった状態で提供され、患部に挿入されて止血時には花形状に拡張されるように形成され、つぼみ形状に提供されて患部への挿入を容易にし、保管を容易にし、患部への挿入後には花形状に拡張されて止血管理に有利であるという効果がある。
【0038】
また、本発明は、止血部材及びアプリケータをなす子宮頸部用止血部材キットを提供し、アプリケータの内部に止血部材が収容された状態でアプリケータを子宮頸部に挿入し、止血部材を押し出して止血部位に止血部材が提供されるようにするもので、アプリケータによって前記止血部材を止血部位に容易かつ正確に提供して、止血部位に止血部材が密着提供されるようにして止血管理に非常に有利であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本発明の一実施形態に係る子宮頸部用止血部材の斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る子宮頸部用止血部材の正面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る子宮頸部用止血部材のローリング部材の模式図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る子宮頸部用止血部材キットにおけるアプリケータの斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る子宮頸部用止血部材キットにおけるアプリケータの後側斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る子宮頸部用止血部材キットにおけるアプリケータの後側正面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る子宮頸部用止血部材キットの斜視図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る子宮頸部用止血部材キットの作動模式図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る子宮頸部用止血部材キットの使用状態図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る子宮頸部用止血部材の各適応症に対する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明は、子宮頸部用止血部材に関するもので、子宮頸部の組織検査や子宮頸部の手術時に患部に挿入されて止血部位を止血するためのものである。
【0041】
特に、既存の丸い形状の止血塊形態の止血部材から脱皮して、止血部位の各適応症に対して効果的に止血が行われるようにする花形状の子宮頸部用止血部材に関するものである。
【0042】
以下、添付図面を参照して本発明について詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る子宮頸部用止血部材の斜視図、
図2は本発明の一実施形態に係る子宮頸部用止血部材の正面図、
図3は本発明の一実施形態に係る子宮頸部用止血部材のローリング部材の模式図、
図4は本発明の一実施形態に係る子宮頸部用止血部材キットにおけるアプリケータの斜視図、
図5は本発明の一実施形態に係る子宮頸部用止血部材キットにおけるアプリケータの後側斜視図、
図6は本発明の一実施形態に係る子宮頸部用止血部材キットにおけるアプリケータの後側正面図、
図7は本発明の一実施形態に係る子宮頸部用止血部材キットの斜視図、
図8は本発明の一実施形態に係る子宮頸部用止血部材キットの作動模式図、
図9は本発明の一実施形態に係る子宮頸部用止血部材キットの使用状態図、
図10は本発明の一実施形態に係る子宮頸部用止血部材の各適応症に対する模式図である。
【0043】
図1に示すように、本発明による止血部材100は、止血作用をするドレッシング材で形成され、花形状に実現され、複数個の花弁部120からなり、患部への適用の際に複数個の前記花弁部120が選択的につぼみ形状に窄まったり広がったりするするように形成されることを特徴とする。
【0044】
本発明は、従来の丸い形状の止血部材ではなく、患部への挿入時に花形状に提供される止血部材110であって、止血作用をするドレッシング材で形成され、複数個の花弁部120が患部の形状に応じて自由に広がったり窄まったりするように実現され、患部との接触が緊密で、接触面積が広くなって止血管理が容易であるという利点がある。
【0045】
特に丸い形状の止血部材は、子宮頸部のような球状の患部のサイド(side)には緊密に接触しないため、子宮頸部への止血管理に不十分な面があった。
【0046】
このような本発明に係る花形状の止血部材は、膣鏡を用いて或いは膣鏡を用いらないで患部へ挿入する場合、自然に前記花弁部120の一部が広がることができ、前記花弁部120の一部は患部の形状に応じて窄まった形態(すなわち、花芯部を成す)で実現され、一部は広がった形態(すなわち、花弁部をなす)で実現される。
【0047】
つまり、本発明に係る止血部材は、患部の形状に応じて前記花弁部120の一部の個体のみ広がるか、或いは患部の形状に応じて前記花弁部120全体が広がり、子宮頸部のような患部の形状に非常に緊密でありながら迅速な止血管理が行われるようにするのである。
【0048】
このように本発明に係る子宮頸部用止血部材100は、止血作用をするドレッシング材で形成され、花形状に実現され、中心部に形成された花芯部110と、前記花芯部110の周辺部に形成された複数個の花弁部120で形成される。
【0049】
ここで、前記花芯部110は、患部への適用時に患部の形状に応じて前記花弁部120が広がっていない領域を意味することができ、その他に前記花芯部110の周辺部、すなわち花弁部120が広がっている領域が、前記花芯部110に対応する花弁部120と区分付けることができる。
【0050】
本発明の一実施形態として、前記花弁部120は、前記花芯部110に比べて相対的に低いドレッシング材の密度を有することを特徴とする。
【0051】
本発明は、従来の丸い形状の止血部材ではなく、患部への挿入時に花形状に提供される止血部材100であって、止血作用をするドレッシング材で形成されるが、相対的にドレッシング材の密度が高い、すなわち、ドレッシング材が稠密に形成された中心部の花芯部110と、前記花芯部110に比べて前記ドレッシング材の密度が相対的に低く形成された花弁部120とで構成されたものである。
【0052】
ここで、前記花芯部110の直径は15~25mmであり、前記花弁部120をなす前記止血部材100の直径は30~60mmであることが好ましく、すなわち、全体止血部材100において、ドレッシング材の密度が相対的に高い部位の直径が15~25mm、好ましくは20mm、ドレッシング材の密度が相対的に低い部位の直径が30~60mm、好ましくは40mm程度である。これは、子宮頸部への挿入時に子宮頸部を十分にカバーすることができるほどの大きさであり、ドレッシング材の密度が相対的に高い花芯部110によって止血作用がさらに多く行われる。
【0053】
また、前記花芯部110は、一定の高さに形成するか、或いは前記花弁部120に比べて相対的に高さを高く実現して、止血作用をするドレッシング材の密度が前記花芯部110でさらに高くなるように形成して、止血作用がさらに多く行われるようにすることができる。
【0054】
特に
図2に示すように、前記花芯部110は、子宮頸部を円錐状に切除して、肉眼で観察される異形又はがん組織を除去する円錐切除術による止血部位にさらに密着するように接触して大量の血液の迅速な止血を可能にする。つまり、前記花芯部110は、子宮頸がん手術(円錐切除)後の止血管理に適する。
【0055】
ここで、前記花芯部110と花弁部120は、上述したように患部への適用時に、自然に患部の形状に対応して中心部に花弁部120が窄まった部分が花芯部110になることができ、前記花芯部110の周りに花弁部120が広がっている部分が、前記花芯部110に対応する花弁部120になることができる。患部の形状に応じて花弁部120が全て広がりながら、前記花芯部110が形態的に区別付かないこともあり、この場合、表面積が極大化され、特定の患部に対しては止血管理に有利に適用することもできる。
【0056】
また、前記花芯部110と花弁部120は、上述したように、前記花芯部110と花弁部120の形状及び高さ、ドレッシング材の密度などを異ならせて区分することができ、前記花芯部110の高さが前記花弁部120に比べてさらに高く、ドレッシング材の密度はさらに高くなるように形成して、子宮頸部などの患部へ適用する場合、円錐切除術及び組織採取時のそれぞれの止血管理にさらに有利となるように適用したのである。
【0057】
このように、本発明は、花形状の止血部材を提供し、前記花弁部120の実現によって本発明に係る止血部材が広い表面積を確保することができるため、子宮頸がん検査のための組織採取(Biopsy)及び円錐切除術(Conization)後に発生する、屈曲した非定型的な患部に隙間なく密着することが可能であって、子宮頸部に関連する患部の止血管理に非常に適する。
【0058】
つまり、従来の球状の子宮頸部止血部材は、検体後、子宮頸部の縁(side)側の止血が容易でないが、これに対し、本発明による止血部材は、その形態的特徴(広い表面積)により子宮頸部の中央(円錐切除術)及び子宮頸部の縁(検体時)の両方とも止血管理に容易であるという特徴がある。
【0059】
ここで、前記花弁部120の密度(花びらの数)が足りない場合、空いている部分があり、子宮頸部の縁の止血が容易でないことがある。前記花芯部110の密度が足りなければ、円錐切除術によって抉られた部分にドレッシング材がぴったりと密着しないため止血が容易でないことがあるので、前記花弁部120及び花芯部110の密度は止血管理が容易となるように調節して形成する。
【0060】
また、本発明に係る止血部材100は、花弁部が広がっている状態で提供される場合には、膣鏡を用いて患部に挿入することができ、つぼみ形状の窄まった状態で提供される場合には、患部に挿入されて止血の際には花形状に拡張されるように形成される。つぼみ形状に提供される場合には、患部への挿入を容易にし、保管を容易にし、患部への挿入後には花形状に拡張されて止血管理に有利となるように形成されたものである。
【0061】
また、前記止血部材100は、内部にX線(X-ray)感応物質がさらに含まれ得る。これは、身体内部に挿入された止血部材100の位置把握に活用できるようにしたものである。
【0062】
このように、本発明は、止血作用をするドレッシング材で形成された花形状の止血部材100であって、組織採取後の止血管理と円錐切除後の止血管理に有利な形態で実現され、子宮頸部の適応症に対する止血性能に優れた止血部材100を提供する。特に、花形状に形成されて子宮頸部止血部材100の使用者に審美感を提供する。
【0063】
また、前記花芯部110の下端部にはスレッド(thread)130が形成され、前記スレッド130にはX線(X-ray)感応物質がさらに含まれることにより、身体内部に挿入された止血部材100の位置把握に活用でき、十分な止血が行われた後に止血部材100を除去するとき、スレッド130の端を引っ張って簡便に止血部材100を除去することができる。
【0064】
一方、本発明に係る止血部材100をなす止血作用をするドレッシング材は、繊維基盤の不織布のみからなることができ、必要に応じて機能性成分が含まれた不織布で製織して提供するか、或いは不織布に様々な機能性成分の物質からなるコーティング層を形成して提供することもできる。
【0065】
前記ドレッシング材は、キトサン、セルロース(綿、絹又は麻)、再生セルロース(レーヨン又は人絹)、アルギン酸塩及びカゼインのうちのいずれか、又はセルロース(綿、絹又は麻)、再生セルロース(レーヨン又は人絹)、アルギン酸塩及びカゼインのうちのいずれかにキトサンを混合して不織布形態で提供し、花形状に実現する。
【0066】
すなわち、前記ドレッシング材は、繊維基盤の不織布のみからなってもよく、キトサンの有用な機能を活用するためにキトサン基盤の不織布のみからなってもよい。この場合、キトサンのみを適用するとき、ゲル化が進んで素材が脆くなって強度及び形状の維持が難しくなるおそれがあり、キトサンにセルロース(綿、絹又は麻)、再生セルロース(レーヨン又は人絹)、アルギン酸塩及びカゼインを混合して製作することができる。
【0067】
特にキトサンにレーヨンを混合してドレッシング材を製作した場合、レーヨンが酸処理をしても溶けず、吸収速度を速くする役割を果たして好適な一実施形態として提供できる。
【0068】
また、前記ドレッシング材は、止血材が混合されて不織布の形態で提供されるか、或いは表面に止血材からなるコーティング層が単層又は複数層に形成された不織布の形態で提供される。
【0069】
前記止血材は、血を吸収する能力がより優れるうえ、患部をコーティングする作用があり、生体適合性に優れ、毒性がなく、生分解性に優れたカルボキシメチルキトサン(Carboxymethyl chitosan、CMCS)、カルボキシメチルセルロース(Carboxymethylcellulose、CMC)、キトサンサクシネート(Chitosan Succinate)、アルギン酸ナトリウム(Sodium Alginate)、ヒアルロン酸(Hyaluronic Acid)、コラーゲン(Collagen)、ゼラチン(Gelatin)、コンドロイチン硫酸(Chondroitin Sulfate)、ポリガンマグルタミン酸(poly-γ-glutamic acid)、プルラン(pullulan)、カオリン(kaolin)、ゼオライト(Zeolite)、コンドロイチン硫酸(Chondroitin Sulfate)、塩化カルシウム(Calcium Chloride)、塩化カルシウムトロンビン(Calcium Chloride Thrombin)、フィブリノゲン(Fibrinogen)、カテコール(Catechol)、及びポリウレタンフォーム(polyurethane foam)のうちのいずれか1種又は2種以上の組み合わせを使用することができる。
【0070】
一方、
図3に示すように、前記止血部材100は、長さ方向に長く形成され、一側が前記花弁部120の花びらの個数だけ切断されたカッティング部141が形成されたローリング部材140を一方向に巻いて実現することができる。
【0071】
すなわち、前記ローリング部材140は、止血部材100の直径を考慮して長さを決定し、花弁部120の個数だけカッティング部141を形成するが、前記カッティング部141は、巻く方向に次第に高さがさらに高く、幅がより広くなるように形成され、外郭にある花弁部120であるほどその花びらの大きさが相対的にさらに大きく、各花弁部120間の間隔がさらに広くなるように実現する。
【0072】
図3(a)に示すように、前記ローリング部材140は、止血部材100の直径を考慮して長さ方向に長く形成され、前記花芯部110の高さに対応する部分を除いて上側部には前記花弁部120の花びらの個数及び花びらの形状、大きさ(幅)及び長さに対応するカッティング部141が形成される。この時、巻く方向に行くほどさらに長く且つさらに広いカッティング部141を実現して、前記花芯部110から外郭に行くほど前記花弁部120の花びらがさらに大きくなり、間隔がさらに広くなるようにして、組織採取後の止血管理にさらに有利な形状を有するようにする。
【0073】
また、
図3(b)に示すように、前記止血部材100の大きさ(直径)をさらに大きくするために、必要に応じて、前記ローリング部材140を複数個重ねて前記止血部材100の厚さを調節することができ、この際、前記複数のローリング部材140を巻く方向に段差を置いて重なり合うようにして前記止血部材100の大きさ及びドレッシング材の密度を調節することができる。
【0074】
また、前記花芯部110は、下側部が下側に行くほど水平断面積が狭くなる形状に実現されるようにすることができる。これは、前記ローリング部材140を複数個重ねるとき、前記ローリング部材140の下側端を段差を置いて重ねる方式で実現するか、或いは下側端の高さを異ならせて形成することができる。
【0075】
これは、前記花芯部110の下側部が下側に行くほど狭くなる形態的特性により、子宮頸部の止血管理後の除去時に、膣の内部圧迫による摩擦を最小限に抑えることができるため、止血部材の除去を容易にしたものである。
【0076】
本発明の別の実施形態として、子宮頸部用止血部材キットを提供するもので、止血作用をするドレッシング材で形成され、花形状に実現され、複数個の花弁部120からなり、患部への適用時に複数個の前記花弁部120が選択的につぼみ形状に窄まったり広がったりするように形成され、前記花芯部120の下端部には、スレッド130が形成された止血部材100と、前記止血部材100を内部に収容して止血部位に前記止血部材を提供するアプリケータ200とで構成されたことを特徴とする。
【0077】
本発明の他の実施形態による止血部材100は、上述したところによって説明されるか、
図1~
図3に示した花形状の止血部材100と同じであり、前記アプリケータ200は、このような止血部材100を内部に収容して止血部位に前記止血部材100を提供する役割を果たす。
【0078】
前記アプリケータ200は、子宮頸部の適応症に有利となるように長さ方向に長く形成され、子宮頸部への挿入時に刺激が最小限に抑えられるように全体的に曲面形状、すなわち円筒形状に形成され、前端部も半球状に形成されて患部へのスムーズな挿入を可能にする。
【0079】
すなわち、前記アプリケータ200の内部に止血部材100が収容された状態でアプリケータ200を子宮頸部に挿入し、止血部材100を押し出して止血部位に止血部材100が提供されるようにするもので、前記アプリケータ200は、前記止血部材100を止血部位に容易かつ正確に提供されるように補助する役割を果たすのである。
【0080】
前記アプリケータ200は、ポリオレフィン系の素材(LDPE、LLDPE、HDPE)で構成される。これは、前記止血部材100がアプリケータ200の外側に円滑に提供されるための物性を満足するものであって、前記アプリケータ200が体内への挿入時に周辺組織に損傷を与えることを防止し、生物学的に安定性が確保された素材である。
【0081】
図4乃至
図8に示すように、前記アプリケータ200は、前端部に前記止血部材100が収容される空間部211が形成されたボディ210と、前記ボディ210の内部に収容され、前記止血部材100を前記ボディ210の外側に押し出して前記止血部材100を花形状に拡張させ、前記止血部材100を止血部位に提供するハンドル220とを含む。
【0082】
すなわち、前記ボディ210の空間部211に本発明に係る止血部材100を収容し、この時は、前記止血部材100は、つぼみ形状に窄まっている。その後、前記ボディ210の内部に収容されたハンドル220を用いて前記止血部材100をボディ210の外側に押し出すと、前記止血部材100は、ボディ210の外側に出ながら徐々に花弁部120が全て広がりながら花形状に拡張され、花形状の止血部材100を提供する。
【0083】
また、前記ボディ210は、前記止血部材100が収容されるように形成された空間部211と、前記空間部211よりも相対的に狭い断面積を成し、前記空間部211に連通して長さ方向に長く形成されたハンドル収容部212とを含んでなる。
【0084】
ここで、前記空間部211の前端部は、曲面形状に形成され、前記止血部材100が前記ボディ210の外側に提供されるとき、前記止血部材100の押す力によって弾性開放されるように開閉部211aが形成されたことを特徴とする。
【0085】
前記開閉部211aは、身体内へのアプリケータ200の挿入時には窄まって形成され、前記ボディ210の空間部211の前端部は曲面形状をなして身体内への挿入を容易にし、身体内の周辺組織に刺激を与えないように形成される。患部への挿入後には、前記止血部材100が外側に抜け出ながら押す力によって前記開閉部211aが割れながら開放され、前記花弁部120が拡張されて花形状の止血部材100が実現される。
【0086】
また、前記ボディ210の外表面にはマーキング部213が形成され、前記ボディ210の体内への挿入深さを識別することができるようにし、前記ボディ210の一側外表面にはエンボス形状のグリップ部214が形成され、体内に対する挿入又は除去の際に便利にする。
【0087】
また、
図5及び
図6に示すように、前記ハンドル収容部212の内表面には係止部212aが形成され、前記ハンドル220が前記ボディ210の前方側に無断離脱しないようにする。すなわち、前記ハンドル220を用いて止血部材100をボディ210の外側に押し出すとき、前記ハンドル220が動く方向に前記ハンドル収容部212の内部を通過してボディ210の前方側に離脱することを防止するためである。
【0088】
ここで、前記ハンドル220は、前記ハンドル収容部212に収容され、前記ハンドル収容部212の内外で前後方向に移動可能に形成された胴体部221と、前記胴体部221の前端部に形成され、前記空間部211に収容されて前記空間部211内で前後方向に移動可能に形成され、前記空間部211の後端部にかかるように形成された第1拡張部222と、前記胴体部221の後端部に形成され、前記ハンドル収容部212の外部で前後方向に移動可能に形成され、前記ハンドル収容部212の後端部にかかるように形成された第2拡張部223とを含んでなる。
【0089】
つまり、基本的に、前記ハンドル220は、前記ボディ210の空間部211及びハンドル収容部212の内部で前後方向に移動可能に形成されるが、前記第1拡張部222によって前記空間部211の後端部にかかって前記ハンドル220はボディ210の後方に離脱しなくなり、前記第2拡張部223によって前記ハンドル220はボディ210の前方に離脱しなくなることにより、前記ハンドル220は前後方向にボディ210の内部で自由に動くことはできるが、ボディ210の外部に離脱しないように形成されたものである。
【0090】
この時、前記係止部212aは、前記ハンドル220が前記ボディ210の前方側に無断離脱しないように補助する役割を果たす。
【0091】
図7はアプリケータ200の内部に収容された止血部材100が後方のハンドル220によって前方に押されながら前記開閉部211aを開放させ、開放された開閉部211aを介してボディ210の外側に止血部材100が提供された状態を示すものである。
【0092】
図8(a)は、前記ボディ210の空間部211に本発明に係る止血部材100が収容され、前記止血部材100の後方には前記ハンドル220がボディ210に収容され、前記ハンドル220の第1拡張部222と前記止血部材100の後側部とが接している状態を示すものである。この時、前記開閉部211aは、窄まっている状態を維持しており、前記ボディ210の前端部、すなわち前記空間部211の前端部は曲面をなした状態を維持している。
【0093】
図8(b)、(c)は、前記ハンドル220を前方に押すと、前記空間部211に収容されている止血部材100がボディ210の外側に出てくるが、前記止血部材100が押す力によって前記空間部211の開閉部211aは弾性開放されながら、前記止血部材100が前記ボディ210の外側に提供されるようにする。
【0094】
図8(d)は、前記ハンドル220を前方にさらに押すと、前記空間部211に収容されていた止血部材100がボディ210の外側に完全に出てくるが、この時、前記花弁部120が完全に広がりながら、前記止血部材100は花形状に拡張されて止血部位に提供される。
【0095】
その後、前記ハンドル220及びボディ210を後方に引いて身体内から除去し、前記止血部材100のみ止血部位に提供されて残っている。
【0096】
図9は本発明の一実施形態に係る子宮頸部用止血部材キットの使用状態図を示すもので、止血部材100が収容されたアプリケータ200を患部に挿入し(
図9(a))、前記ハンドル220を用いて前記止血部材100を押し出して、前記止血部材100が前記ボディ210の外側に抜け出るようにした後(
図9(b)、(c))、前記止血部材100が止血部位に提供されることが完了すると、前記ハンドル220とボディ210を引いて身体の外部に抜き出し(
図9(d))、止血部位には止血部材100のみが残るようにする(
図9(e))。この時、前記止血部材100のスレッド130は、止血が完了すると、患者又は医師によって引っ張られ、前記止血部材100を便利に除去するのに使用される。
【0097】
図10は本発明の一実施形態に係る子宮頸部用止血部材100の各適応症に対する模式図を示すものである。
【0098】
上述したように、前記止血部材100の花芯部110は、ドレッシング材の密度が高く、直径が20mm程度であって、子宮頸部手術である円錐切除術の止血管理に有利であり、前記止血部材100の花弁部120は、面積が広く、子宮頸部をカバーすることができる程度の大きさであって、子宮組織採取後の止血管理に有利に適用することができる。
【国際調査報告】