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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(54)【発明の名称】自動車の運転者支援システム
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/62 20060101AFI20220104BHJP
【FI】
B60S1/62 120A
B60S1/62 110A
B60S1/62 110B
B60S1/62 120B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021517481
(86)(22)【出願日】2019-09-25
(85)【翻訳文提出日】2021-05-26
(86)【国際出願番号】 EP2019075942
(87)【国際公開番号】W WO2020064881
(87)【国際公開日】2020-04-02
(31)【優先権主張番号】1858955
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】マルセル、トレブー
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AA04
3D225AA11
3D225AC01
3D225AC02
3D225AD22
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの検出モジュール(101)と洗浄デバイス(120)とを含む自動車の運転者支援システム(100)に関し、検出モジュール(101)は、少なくとも1つの運転者支援センサ(110、130)と、検出モジュール(101)を塞いで少なくとも1つの運転者支援センサ(110、130)を保護する、少なくとも保護窓(140)とを含み、洗浄デバイス(120)は、保護窓(140)を洗浄するように構成されており、保護窓(140)と接触して直線の主方向(D)に動くことができる、少なくとも1つのワイパー(121)を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも検出モジュール(101)と洗浄デバイス(120)とを含む、自動車の運転者支援システム(100)であって、
前記検出モジュール(101)は、少なくとも1つの運転者支援センサ(110、130)と、前記検出モジュール(101)を覆って前記少なくとも1つの運転者支援センサ(110、130)を保護する、少なくとも保護窓(140)とを含み、
前記洗浄デバイス(120)は、前記保護窓(140)を洗浄するように構成されており、
前記洗浄デバイス(120)は、前記保護窓(140)と接触して直線的な主変位方向(D)に動くことができる、少なくとも1つのワイパー(121)を含む、自動車の運転者支援システム(100)。
【請求項2】
前記ワイパー(121)が、ウォッシャー液リザーバに接続されるように構成された少なくとも1つのウォッシャー液分配ダクト(123)を含む、請求項1に記載の運転者支援システム(100)。
【請求項3】
前記保護窓(140)が、前記少なくとも1つの運転者支援センサ(110、130)に対面する内面(143)を少なくとも含み、この内面(143)が、反射防止コーティングを含む、請求項1又は2に記載の運転者支援システム(100)。
【請求項4】
前記保護窓(140)が、前記少なくとも1つの運転者支援センサ(110、130)の湾曲と同一の、またはほぼ同一の湾曲を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の運転者支援システム(100)。
【請求項5】
前記検出モジュール(101)が、少なくとも第1の運転者支援センサ(110)と少なくとも第2の運転者支援センサ(130)とを含み、前記保護窓(140)が、前記第1の運転者支援センサ(110)及び前記第2の運転者支援センサ(130)の両方を保護する、請求項1~4のいずれか一項に記載の運転者支援システム(100)。
【請求項6】
前記保護窓(140)が、前記第1の運転者支援センサ(110)を保護する少なくとも第1の部分(141)と、前記第2の運転者支援センサ(130)を保護する少なくとも第2の部分(142)とを含み、前記洗浄デバイス(120)が、前記保護窓(140)の前記第1の部分(141)と、前記保護窓(140)の前記第2の部分(142)とを洗浄するように構成されている、請求項5に記載の運転者支援システム(100)。
【請求項7】
前記洗浄デバイス(120)が、前記保護窓(140)の前記第1の部分(141)と、この保護窓(140)の前記第2の部分(142)とを交互に洗浄するように構成されている、請求項6に記載の運転者支援システム(100)。
【請求項8】
前記第1の運転者支援センサ(110)が、波動放出を使用した検出部材である、請求項5~7のいずれか一項に記載の運転者支援システム(100)。
【請求項9】
前記保護窓(140)が、少なくとも前記検出部材(110)によって放出された波長に対して透過可能である、請求項8に記載の運転者支援システム(100)。
【請求項10】
前記第2の運転者支援センサ(130)がカメラである、請求項5~9のいずれか一項に記載の運転者支援システム(100)。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の少なくとも1つの運転者支援システム(100)を含む、自動車。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一項に記載の運転者支援システム(100)を洗浄するための方法であって、
前記少なくとも1つの運転者支援センサ(110、130)が、前記保護窓(140)上の妨害要素の存在を検出する工程と、
前記少なくとも1つの運転者支援センサ(110、130)が、対応する第1の情報項目(210)を制御ユニット(200)に発する工程と、
前記制御ユニット(200)が、前記洗浄デバイス(120)に前記保護窓(140)を洗浄させることを可能にする命令(211)を発する工程と、
を少なくとも含む、方法。
【請求項13】
請求項6を組み合わせた、請求項5~10のいずれか一項に記載の運転者支援システム(100)を洗浄するための方法であって、
制御ユニット(200)が、前記第1の運転者支援センサ(110)によって発せられる第1の情報項目(210)、または前記第2の運転者支援センサ(130)によって発せられる第2の情報項目(220)を受信する少なくとも1つの工程であって、前記第1の情報項目(210)または前記第2の情報項目(220)が、前記保護窓(140)の前記第1の部分(141)上における又は前記保護窓(140)の前記第2の部分(142)上における妨害要素の存在にそれぞれ関係するものである工程と、
前記制御ユニット(200)が、前記第1の運転者支援センサ(110)によって発せられた前記第1の情報項目(210)を受信した場合に、前記洗浄デバイス(120)に前記保護窓(140)の前記第1の部分(141)を洗浄させることを可能にする第1の命令(211)を発する、または前記第2の運転者支援センサ(130)によって発せられた前記第2の情報項目(220)を受信した場合に、前記洗浄デバイス(120)に前記保護窓(140)の前記第2の部分(142)を洗浄させることを可能にする第2の命令(221)を発する工程と、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の運転者支援システムに関し、より詳細には、このような運転者支援システムの検出モジュールと関連する洗浄デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
車両、特に自動車は、特に運転者支援システムである自動化されたシステムを含むことが増えてきている。このような運転者支援システムには、特に車両の周囲、およびこの車両の外部パラメータを検出するための1または複数のモジュール(単数または複数)と、このように収集された情報を解釈し、この情報の結果として実行する必要のある決定を下すように構成された少なくとも1つの制御ユニットとが含まれている。
【0003】
従って、これらの検出モジュールが車両の耐用期間の全体にわたって適切に動作していることをチェックすることは、特に重要であることが理解されるであろう。特に、これらの検出モジュールは通常、車両の外部に配置され、例えばこの車両の車体に搭載されており、例えばこれらの検出モジュールが汚れると、情報を取得することが不可能とまではいわずとも困難なものとなる可能性がある。従って、残骸、汚れ、有機物質、および他の妨害要素を効果的に取り除くことのできる洗浄システムを提供する必要がある。1つの解決策は、多量の液体を問題の検出モジュールの光学面に噴霧し、それから乾燥させることであるが、このような解決策は、ウォッシャー液または水の観点からコストが高くなる可能性があり、車両の周辺に多数の検出モジュールが使用されている自動運転車両の場合ではなおさらである。
【0004】
加えて、それらは車両の外部に配置されるため、これらの検出モジュールは、衝突の際に損傷を受ける可能性がある。速度が遅い場合であっても、このような衝突は、これらの検出モジュールに不可逆的な損傷をもたらす恐れがある。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、このような文脈の範囲内にあるものであり、少なくとも先ほど言及した問題点に対処しようとするものである。
【0006】
従って、本発明の1つの主題とは、少なくとも検出モジュールおよび洗浄デバイスを含む自動車用の運転者支援システムであって、前記検出モジュールは、少なくとも1つの運転者支援センサと、前記検出モジュールを覆って少なくとも1つの運転者支援センサを保護する、少なくとも保護窓とを含み、前記洗浄デバイスは、前記保護窓を洗浄するように構成されており、前記洗浄デバイスは、前記保護窓と接触して直線的な主変位方向に動くことができる、少なくとも1つのワイパーを含む。
【0007】
従って、保護窓は、特に、不可逆的な損傷を受ける恐れのある、起こり得る外部の脅威から、少なくとも1つの運転者支援センサを保護するように構成されている。従って、この保護窓は、この少なくとも1つの運転者支援センサに面して、すなわち、運転者支援センサと本発明による運転者支援システムを対象とする車両が走行する道路状況との間に配置される。
【0008】
「直線的な主変位方向」とは、保護窓が平面である場合に、特にワイパーが直線に沿って前後に動くこと、あるいは他の場合に、保護窓の主延在面に対して横方向かつ直角な、または直角に近い平面内を、この保護窓の湾曲に沿った方向に動くことを意味する。
【0009】
機械的な洗浄デバイス、すなわち洗浄される表面(この場合は保護窓)に接触して配置されるワイパーを含む洗浄デバイスを使用することは、ウォッシャー液の消費を最適化できることを意味する。実際、特に、この保護窓の洗浄が達成されるのは、ワイパーを保護窓に擦り付けることによるものであって、ウォッシャー液の噴霧は、この窓を完全に洗浄するのに、例えばワイパーを保護窓に擦り付けることがそれ自体で十分でない場合に、これを補完するだけのものであることが理解されよう。
【0010】
加えて、ワイパーが保護窓に接触している、すなわち少なくとも1つの運転者支援センサの光学面とは異なる表面に接触している事実は、ワイパーブレードを擦り付けても、運転者支援センサのこの光学面を引っ掻かないことを意味する。有利なことに、この保護窓が引っ掻かれたか、または衝撃により損傷を受けるか、または保護窓が完全に破損する場合、この窓は、少なくとも1つの運転者支援センサ自体よりも交換が容易かつ安価であることが理解されよう。
【0011】
本発明の1つの特徴によれば、前記ワイパーは、ウォッシャー液リザーバに接続されるように構成された少なくとも1つのウォッシャー液分配ダクトを含む。このウォッシャー液のための少なくとも1つの噴霧ノズルは、ウォッシャー液分配ダクトに設けられていてもよい。有利なことに、このようなワイパーを使用することにより、必要とされるウォッシャー液の量を同時に最適化しながら、ウォッシャー液の噴霧をより良好に狙いを定めることが可能となり、すなわちワイパーに可能な限り近傍にあるこのウォッシャー液を噴霧することが可能となり、この洗浄効果を向上させることができる。換言すれば、このような分配ダクトを組み込み、噴霧ノズルを備えたワイパーを使用することにより、洗浄するごとに必要とされるウォッシャー液の量を更に少なくすることが可能となり、結果としてこのウォッシャー液が入っているリザーバのサイズを小さくすることが可能となり、そのため、このような運転者支援システムが組み込まれた車両の全体的な重量を減少させることが可能となる。
【0012】
あるいは、運転者支援システムは、ワイパーとは異なる、すなわちこのワイパーから離れたゼロでない距離に配置されたウォッシャー液噴霧ノズルを含んでもよい。例えば、この噴霧ノズルは格納可能であってよく、すなわちウォッシャー液を噴霧することができる少なくとも第1の位置と、格納されることによりウォッシャー液を噴霧することができない第2の位置とを採用することができる。
【0013】
本発明の1つの特徴によれば、前記保護窓は、前記少なくとも1つの運転者支援センサに対面する内面を少なくとも含み、この内面は反射防止コーティングを含む。
【0014】
本発明の1つの特徴によれば、前記保護窓は、前記少なくとも1つの運転者支援センサの湾曲と同一の、またはほぼ同一の湾曲を有してもよい。
【0015】
本発明による運転者支援システムの一実施形態によれば、前記検出モジュールは、少なくとも第1の運転者支援センサと少なくとも第2の運転者支援センサとを含み、前記保護窓は、第1の運転者支援センサ及び第2の運転者支援センサの両方を保護する。
【0016】
第1の運転者支援センサ及び第2の運転者支援センサの両方を保護することが可能な保護窓とするためには、この第1の運転者支援センサとこの第2の運転者支援センサとが、互いに近傍に位置していることが理解されよう。例えば、第1の運転者支援センサと第2の運転者支援センサとは、横方向に順に配置されている。
【0017】
有利なことに、第1の運転者支援センサと第2の運転者支援センサとは、共同して道路状況における1または複数の事象を検出することに寄与し得る。例えば、この第1のセンサによって実行される手段と、この第2のセンサによって実行される手段とは、それぞれ互いに補完し合っている。以下で更に十分に詳細に述べるように、第1の運転者支援センサは、例えば波動を放出/受信した後に画像再構成を実行するように構成される長距離センサであってよく、第2の運転者支援センサは、例えば画像を直接取得するデバイス、例えば広角カメラであってよい。従って、第1の運転者支援センサによって収集された情報と、第2の運転者支援センサによって収集された情報との組み合わせは、関係する道路状況に関する完全な情報を取得するような方法で組み合わされる。
【0018】
有利なことに、2つの相補的な運転者支援センサを使用することにより、これらの運転者支援センサの一方または他方による故障の可能性を軽減することも可能となるが、それでもやはり、これらの運転者支援センサのうちの一方による故障が生じた場合には、関係する道路状況に関する情報が劣化する可能性があることが理解されよう。
【0019】
この実施形態によれば、前記保護窓は、前記第1の運転者支援センサを保護する少なくとも第1の部分と、前記第2の運転者支援センサを保護する少なくとも第2の部分とを含んでもよく、前記洗浄デバイスは、前記保護窓の前記第1の部分と、前記保護窓の前記第2の部分とを洗浄するように構成される。換言すれば、ワイパーは、保護窓の表面全体を払拭するように構成されていることが理解されよう。本発明によれば、保護窓は一体化されており、すなわち、この保護窓の第1の部分と、この保護窓の第2の部分とが単一のアセンブリを形成し、これらの部分の一方または他方に損傷を生じさせずには分解することができない。例えば、この保護窓の第1の部分と第2の部分とは、第1の運転者支援センサと第2の運転者支援センサとが整列する横方向に対して平行な方向に順に配置されていてもよい。
【0020】
本発明によれば、ワイパーの直線的な主変位方向もまた、運転者支援センサが整列する横方向に対して平行であり、従って、保護窓の第1の部分と第2の部分とが整列する方向に対しても平行である。
【0021】
有利なことに、前記洗浄デバイスは、前記保護窓の前記第1の部分と、この保護窓の前記第2の部分とを交互に洗浄するように構成されていてもよい。上記で言及したとおり、第1の運転者支援センサと第2の運転者支援センサとは、共に同一の道路状況の画像の取得に寄与しており、このことは、検出を行うことを可能にするためにはそれらのうちの単に一方が機能していれば十分であることを意味する。従って、本発明により、関連した道路状況分析機能を少なくとも部分的に維持しながら、一方または他方を洗浄することができる。
【0022】
例えば、第1の運転者支援センサは、波動放出を使用した検出部材であってよい。「波動放出を使用した検出部材」とは、少なくとも1つの波動を放出し、この波動が戻るのにかかる時間を測定することによって、任意の物体から離れた距離を測定するように構成された部材であると理解される。換言すれば、波動の放出と、この波動が問題の物体によって反射されたものの検出との間の時間を測定することによって距離が算出される。従って、検出部材は、測定された時間および波動の伝播の理論上の速度に基づいて、波動が反射された物体から離れた距離を測定するように構成される。本明細書において、「検出部材」、および「波動放出を使用した検出部材」という用語は、区別することなく使用される。
【0023】
この検出部材の上流に配置される保護窓は、検出部材によって放出された波動が取る経路内に配置され、保護窓は、少なくとも検出部材によって放出された波長に対して透過可能である。有利なことに、このような保護窓は、検出部材の光学面よりも洗浄が容易であることが理解されよう。
【0024】
保護窓は、一方では検出部材によって放出されたこれらの波動を反射しないように処理され、他方では、これらの波動が両方向に、すなわち、検出部材から車両の外部に、および車両の外部から検出部材に通過することができるように処理される。これにより、上記で言及したとおり、これらの波動が反射される時間を計算できる。例えば、これらの波動とは、光波、または無線電波、あるいは音波であってよい。
【0025】
上記で言及したとおり、保護窓は、第1の運転者支援センサの湾曲と同一の、またはほぼ同一の湾曲を有してもよい。例えば、検出部材によって放出される波動が光波である場合、この検出部材は、光線を成形するように構成された少なくとも1つの湾曲レンズを含んでもよい。従って、保護窓は、このレンズの湾曲と同一の、またはほぼ同一の湾曲を有してもよい。この湾曲に完璧に一致する保護窓を使用すると、特に、検出部材によって放出された光線が反射することを回避できる。有利なことに、このような保護窓の使用によって、本発明による運転者支援システムの全体的なかさばりを減少させることも可能となり、これにより、例えば対象とされる車両に取り付けることがより容易となる。本発明のこの特徴により、保護窓を洗浄することが意図される洗浄デバイス、より詳細にはこの洗浄デバイスのワイパーは、保護窓の湾曲に適合するように構成されることを理解しなければならない。
【0026】
本発明の別の特徴によれば、前記第2の運転者支援センサはカメラであってよい。
【0027】
本発明はまた、本発明による少なくとも1つの運転者支援システムを含む自動車に関する。
【0028】
本発明はまた、本発明による運転者支援システムを洗浄するための方法に関し、前記少なくとも運転者支援センサが、前記保護窓上の妨害要素の存在を検出する工程と、前記少なくとも1つの運転者支援センサが、対応する第1の情報項目を制御ユニットに発する工程と、前記制御ユニットが前記洗浄デバイスに前記保護窓を洗浄させることを可能にする第1の命令を発する工程とを少なくとも含む。ここでは、「前記保護窓を洗浄する」とは、この洗浄を可能にする一連の工程、すなわちウォッシャー液を保護窓に噴霧すること、および/またはこの保護窓を払拭するためにワイパーが動くように設定することを意味する。更に、「妨害要素」とは、保護窓にたまり、分析下における道路状況の正確な画像を取得するのを妨害する可能性のある、あらゆる種類の堆積物を意味する。例えば、この妨害要素とは、汚れまたは一片の有機物質であってもよい。
【0029】
画像取得を阻害する汚れまたは任意の他の種類の堆積物である妨害要素を検出する工程は、例えば運転者支援センサ自体、あるいはこの運転者支援センサによって取得された画像を処理するように構成された制御ユニットによって実行することができる。
【0030】
最終的に、本発明は、
制御ユニットが前記第1の運転者支援センサによって発せられる第1の情報項目または前記第2の運転者支援センサによって発せられる第2の情報項目を受信する、少なくとも1つの工程であって、この第1の情報項目またはこの第2の情報項目は、前記保護窓の第1の部分上における又は前記保護窓の第2の部分上における妨害要素の存在にそれぞれ関係するものである工程と、
前記制御ユニットが、前記第1の運転者支援センサによって発せられた前記第1の情報項目を受信した場合に、前記洗浄デバイスに前記保護窓の前記第1の部分を洗浄させることを可能にする第1の命令、または前記第2の運転者支援センサによって発せられた前記第2の情報項目を受信した場合に、前記洗浄デバイスに前記保護窓の前記第2の部分を洗浄させることを可能にする第2の命令を発する工程と、を含む方法に関する。
【0031】
有利なことに、この方法を使用することで、2つの運転者支援センサのうちの少なくとも一方が動作できるように、保護窓の部分が交互に洗浄されることが理解されよう。
【0032】
以下に与えられた発明の詳細な説明を読むことで、下記の図において実施形態が図示される本発明の一実施形態に関連する記述により、他の特徴、詳細および利点がよりはっきりと明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、少なくとも1つが本発明に基づく、いくつかの運転者支援システムを組み込んだ、上方から見た本発明による自動車を概略的に示す。
図2図2は、少なくとも1つの検出モジュールと洗浄デバイスとを含む、本発明による運転者支援システムの上方から見た横断面図を概略的に図示する。
図3図3は、検出モジュールと、この検出モジュールに特化した洗浄デバイスとを含む、本発明による運転者支援システムを透視図にて図示する。
図4図4は、本発明による運転者支援システムに設置された、洗浄デバイスの横断面図である。
図5図5は、本発明による運転者支援システムを洗浄するための方法を、ブロック図の形態で図示する。
【発明を実施するための形態】
【0034】
明細書の残りの部分において、「縦方向」、「横方向」、および「垂直」という用語は、運転者支援システム100が車両に組み込まれている場合の本発明による運転者支援システム100の方向に関する。従って、「縦方向」という用語は図に示される三面体L、V、Tの縦軸Lに対して平行な方向に対応し、「横方向」という用語はこの三面体の横軸Tに対して平行な方向に対応し、この横軸は縦軸Lに対して直角であり、および「垂直」という用語は三面体の垂直軸Vに対して平行な方向に対応し、この垂直軸Vは縦軸Lおよび横軸Tに対して直角である。横断面とは、縦方向面および横方向面、すなわち図示された三面体L、V、Tの縦軸Lと横軸Tとを含む面から取られた部分を意味する。
【0035】
図1は、本発明による少なくとも1つの運転者支援システム100を含む自動車300の上方からの図である。より詳細には、ここで図示される例によれば、自動車300は複数の運転者支援システム100を含み、その少なくとも1つが本発明に従って作製される。図示されるように、これらの運転者支援システムは自動車300のルーフ301の縁に沿って配置されるが、他の位置を想定することが可能である。この特定の例では、図示された自動車300は、車両300の前方に配置された運転者支援システム100と、車両の後方に配置された運転者支援システム100と、車両300の側方に配置された2つの運転者支援システム100とを含む。従って、自動車300の環境全体、すなわちこの自動車300の周囲360°にわたる環境に関するデータを取得することができる。車両300の「前方」および「後方」という用語は、ここでは、この車両300の主移動方向Sに関することが理解される。
【0036】
ここで、これらの運転者支援システム100、およびより詳細には本発明に従って作製される運転者支援システム100の1つをより詳細に説明するが、図1に示される運転者支援システム100のすべて、あるいはそれらの単にいくつかを、本発明の文脈を逸脱することなく本発明に従って作製することができることが理解される。
【0037】
図2は、本発明による運転者支援システム100を貫通する横断面を示したものである。この運転者支援システム100には、特に検出モジュール101と洗浄デバイス120とが含まれている。図で示すとおり、検出モジュール101は少なくとも1つの運転者支援センサ110、130を収容し、少なくとも1つの運転者支援センサ110、130を保護する保護窓140によって部分的に塞がれている(部分的に覆われている)。「運転者支援センサ」とは、本発明による運転者支援システム100を対象とする車両に対する外部の環境に関するデータを取得し、このように取得したデータを、この受信された情報の結果として、車両の操作を引き起こすか、または車両の操作を支援するための1もしくは複数の命令を発するようにその一部が構成される制御ユニットに伝送するように構成される部材を意味する。
【0038】
より詳細には、ここで図示される例によれば、第1の運転者支援センサが波動放出、例えば電磁波放射を利用した検出部材110であり、それはすなわち、この検出部材110が、波動を放出する瞬間tと、この波動が反射される瞬間t1との間の時間を測定することによって任意の物体から離れた距離を評価するように構成されていることを意味する。従って、この検出部材110は、少なくとも1つの波動を放出するように構成された少なくとも1つの放出部材と、反射された波動を受信するように構成された少なくとも1つの受信部材とを含む。図中では、検出部材110は概略的に示されており、放出部材と受信部材のどちらも表示されていないことを意味する。
【0039】
本発明を実施することが可能な方法に関する種々の例によれば、これらの波動は無線電波であってよく、その場合の検出部材はRADAR(電波探知測距)部材として公知であり、あるいは光波、例えばレーザービームであってよく、その場合の検出部材はLIDAR(光検出および測距)部材と称される。図2に図示される実施例によれば、第1の運転者支援センサはLIDARセンサであり、このLIDARセンサは光波を放出することを意味しているため、第1の運転者支援センサは、これらの光波を整形するように構成される少なくとも1つの湾曲レンズ111を含んでいる。
【0040】
これらは単に本発明を実施することが可能な方法の例に過ぎず、第1の運転者支援センサは本発明の文脈を逸脱することのない異なる部材により形成することができることを理解すべきである。
【0041】
例えば、本発明による運転者支援システム100は、自動運転、または部分的な自動運転車両に組み込まれることが意図されていてもよい。この検出部材110は、すべての状況において最適に動作することが可能でなくてはならないことが理解されよう。本発明による運転者支援システム100による画像の取得を最適化するために、検出モジュール101はまた、検出部材110と実質的に同一の道路状況を分析するように構成された第2の運転者支援センサ130を収容していてもよい。図示された例によれば、この第2の運転者支援センサ130は検出部材110の近傍に配置され、より詳細には、第1の運転者支援センサ110および第2の運転者支援センサ130は横方向Dtに整列している。ここで図示される例によれば、この第2の運転者支援センサはカメラ130である。
【0042】
換言すれば、第1の運転者支援センサ110および第2の運転者支援センサ130は、1つの同一の道路状況に関するデータを取得するように特化しており、この場合は車両の前に置かれ、第1の運転者支援センサ110は画像再構成が可能であり、第2の運転者支援センサ130はその一部で画像を直接取得することが可能であることが理解されよう。このことは単なる一例に過ぎず、本発明による運転者支援システム100は、車両のどこにでも配置することができることが理解されよう。
【0043】
有利なことに、保護窓140は、検出モジュールに対面して、より詳細には、この場合は自動車の移動方向Sに対して検出モジュール101の上流に配置され、この結果、特に潜在的な外部の脅威から、例えば巻き上げられた砕石または車道に存在する可能性のある他の物体に対してこの検出モジュールを保護するように構成される。
【0044】
図で示すとおり、検出モジュール101はまた、保護窓140に嵌合する受信領域102を含み、それはすなわち、この検出モジュール101の少なくとも一部をこの保護窓140が塞ぐことを意味する。従って、この保護窓140は、検出部材110によって放出される波動が取る経路内に配置される。そのため、この検出部材110の正確な動作を確保するためには、この保護窓140を処理しなくてはならないことが必要不可欠であることが理解されよう。従って、本発明によれば、保護窓140は、一方では、検出部材110によって放出される波動の波長が通過することができる材料から作られるか、またはこの目的のために処理され、他方では、検出部材110によって放出される波動がこの保護窓140全体を通って通過するように、この保護窓140に反射防止処理が施される。より詳細には、反射防止処理が保護窓140の内面143、すなわちこの保護窓140の検出部材110に対面する面に施されることが理解されよう。ここで図示される例によれば、この保護窓140は平面内に延在しているが、この保護窓に湾曲をもたらすことも可能であり、有利には、検出部材110のレンズ111の湾曲と同一の、またはほぼ同一の湾曲を必要に応じて有することができる。
【0045】
更に、保護窓140は、検出部材110を保護することを目的とした第1の部分141と、カメラ130を保護することを目的とした第2の部分142とに意図的に分割されてもよい。「意図的に分割される」とは、保護窓が一体化されており、すなわち、この保護窓140の第1の部分141と第2の部分142とが単一のアセンブリを形成し、これらの部分141、142の一方または他方に損傷を生じさせずには分解できないという事実を意味する。保護窓140の第1の部分141および第2の部分142が、検出部材110とカメラ130とが整列する横方向の直線Dtに対して平行な軸に沿って整列していることが有利であることも、留意されるであろう。
【0046】
上記で言及したとおり、本発明による運転者支援システム100は、保護窓140の洗浄に特化した少なくとも1つの洗浄デバイス120を含む。上記に記載した文脈において、洗浄デバイス120は、保護窓140の部分141、142の一方または他方を交互に洗浄するように構成されている。このような構成により、有利なことに、検出部材110およびカメラ130が、両方とも同時に視界を妨げられないようにする、すなわち、車両の前に存在する道路状況を検出する機能が恒久的に、少なくとも劣化した形態で維持されるようにすることが可能となることが理解されよう。従って、本発明によれば、この洗浄デバイス120により、検出モジュール101の運転者支援センサ110、130によって実行されるデータ取得機能を永続的に確保することが可能となることが理解されよう。
【0047】
この洗浄デバイス120には、保護窓140に対して移動可能に取り付けられ、この保護窓140に接触して配置されるワイパー121が、特に含まれている。図2で概略的に示されるように、このワイパー121は直線的な主方向Dに動くことができる。ここに図示されている、保護窓140が平面のプロファイルを有する例では、この方向Dは純粋な直線をたどり、保護窓140の主延在面の範囲に収まっている。換言すれば、この直線的な主方向Dは、運転者支援センサ110、130が整列した横方向Dtに対して平行であり、すなわち、保護窓140の2つの部分141、142が整列した軸に対しても平行である。
【0048】
ここで、本発明による運転者支援システム100の斜視図である図3を参照して、より詳細に洗浄デバイス120を説明する。
【0049】
洗浄デバイス120は、ワイパー121に加え、保護窓140に対して動くことが可能であり、ワイパー121を動かすように構成された駆動アーム122を含む。図3に図示されるように、この駆動アーム122は、本発明による運転者支援システム100の検出モジュール101の下に少なくとも部分的に延在するガイド部分132と、このガイド部分132をワイパー121に接続する少なくとも1つの接続器133とを含む。ここで図示される例によれば、ガイド部分132は、検出モジュール101の下にある、図3に概略的に示されたレール134内を摺動するように構成されたキャリッジを含み、このキャリッジは、そのどちらもここでは示されていないが、アクチュエータで駆動されるベルトによってレール内を動くように設定されている。従って、このガイド部分132は、駆動アーム122の動きをワイパー121に伝達するのに寄与する接続器133を介して、ワイパー121を直線的な主方向Dに駆動することが可能な、駆動アーム122の移動可能な部分を形成する。
【0050】
ワイパー121は、この直線的な主方向Dにおいて、2つの対向する向きに動けることが理解されるべきである。従って、本発明の1つの特定の実施形態によれば、このワイパー121に対応するワイパー121の停留位置は、保護窓140の第1の部分141と、この保護窓140の第2の部分142との間の(事実上又は仮想上の)接合部(連結部)に位置している。従って、ワイパー121は、洗浄を必要としない保護窓140の部分の後方に位置する運転者支援センサ110、130によって実行される画像取得を妨害することなく、洗浄を必要とする部分に応じてこれらの部分の一方または他方を選択的に洗浄することができる。
【0051】
加えて、図3に図示される例によれば、洗浄デバイス120はまた、ウォッシャー液注入口135を含んでいる。従って、ここで図示される例によれば、このウォッシャー液は、例えばワイパー121の内側またはその表面に作られていてもよいウォッシャー液分配ダクトに直接注入される。
【0052】
このことは単なる一例に過ぎず、洗浄デバイス120の駆動アーム122がワイパー121を直線的な主方向Dに動かすことができるのであれば、本発明の文脈から逸脱することのない何らかの他の形態を採用してもよいと理解されるべきである。
【0053】
ワイパー121は、保護窓140の全高h、すなわち三面体の垂直軸Vに対して平行に測定されたこの保護窓140の寸法、すなわちこの保護窓140を垂直方向に区切る2つの端部143、144の間にあるワイパー121の主変位方向Dに対して直角に測定されたこの保護窓140の寸法にわたって延在することにも留意されたい。換言すれば、ワイパーが保護窓の一端から他端へと縦方向に動くときに、この保護窓140の表面の完全な洗浄を確保するために、ワイパー121がその垂直寸法にわたって保護窓140の全体と接触している。より具体的には、以下で更に十分に詳細に述べるように、ワイパー121はワイパーブレードゴムを含んでおり、このワイパーブレードゴムが保護窓に対してしっかりと効果的に押し付けられて保護窓を払拭する。本発明によれば、例えば1または複数の弾性復帰デバイス、あるいはこのワイパーブレードゴムに固有の弾性復帰効果によって、このワイパーブレードゴムに圧力が加えられる。
【0054】
有利なことに、保護窓140が湾曲している場合、この保護窓140の最適な払拭を確保するために、この湾曲にワイパーを適合させるように規定してもよい。
【0055】
図4は、この洗浄デバイス120のワイパー121の一実施形態を図示する。このワイパー121は、主に垂直方向、すなわち保護窓140の主延在面に対して平行な方向に、かつワイパー121の直線的な主変位方向Dに対して直角な方向に延在している。図で示すとおり、このワイパー121は少なくとも1つのウォッシャー液分配ダクト123、有利にはウォッシャー液噴霧孔を備えた2つのウォッシャー液分配ダクト123を含んでいる。流体の噴霧を最適化するために、ウォッシャー液分配ダクト123に関連する1または複数のウォッシャー液噴霧ノズル124を設けることができる。例えば、これらの分配ダクト123は、ワイパー121の全長、すなわち垂直方向にわたって延在してもよい。有利なことに、ワイパー121は、1または複数の分配ダクト123の全長にわたって分布している複数の噴霧ノズル124を含む。より具体的には、ウォッシャー液分配ダクト123は、ワイパー121のアクセサリー125内に形成されている。図で示されるとおり、このアクセサリー125は、支持体126に装着されている。支持体126は、ワイパー121の補強ビーム128を受け入れるように構成されたハウジング127と、洗浄される保護窓140に、特にビーム128によってしっかりと押し付けられるように意図されたワイパーブレードゴム150を受けとめるように構成された、少なくとも1つの空間129と、を含む。所望により、アクセサリー125はまた、同様に保護窓にワイパーブレードゴムをしっかりと押し付けることに寄与するエアデフレクタ151を含んでもよい。
【0056】
ここでは図示されていないが、1または複数のウォッシャー液分配ダクト123はまた、ウォッシャー液リザーバに流体的に接触している。
【0057】
前述の記載から、擦り付けることによって洗浄デバイス120が保護窓140の機械的な払拭を実行することで、この払拭に必要とされるウォッシャー液の量が減少し、これによりウォッシャー液貯蔵リザーバのサイズを小さくすることが可能となり、従って本発明による検出システム100の全体的な重量を減少させることが可能となることが理解されよう。1または複数のウォッシャー液分配ダクト123および噴霧ノズル124がワイパー121に直接形成されている事実は、機械的な払拭を併用することで、使用されるウォッシャー液の量を減少させることにも寄与する。しかしながら、本発明の文脈を逸脱することなく、ワイパーから離れたゼロでない距離に噴霧ノズルを配置するように規定することもできる。
【0058】
図5では、本発明による運転者支援システムを洗浄するための方法の一例を図示している。図示されるように、検出部材110またはカメラ130が、その視界内または放出した波動の経路内に存在する妨害要素の存在をそれぞれ検出した場合、検出部材110またはカメラ130は、対応する第1の情報項目210または第2の情報項目220を制御ユニット200にそれぞれ発する。次いで、この制御ユニット200は、第1の情報項目210または第2の情報項目220を受信しているかに応じて、保護窓140の第1の部分141の洗浄を可能にする第1の命令211、またはこの保護窓140の第2の部分142の洗浄を可能にする第2の命令221を発するように構成される。
【0059】
「妨害要素」とは、ここでは、運転者支援センサ110、130の一方または他方による情報の取得を阻止あるいは妨害する要素のことであると理解される。従って、この妨害要素とは、例えば汚れ、有機物質、または保護窓140に堆積する可能性のある任意の他の残骸であってよい。
【0060】
第1の命令211は、2つのサブ命令に分割してもよい。つまり、第1のサブ命令は、ワイパーをこのワイパーの主移動方向に動くように設定することが可能な、ワイパーのガイドレールに関連するアクチュエータに発行され、第2のサブ命令は、ウォッシャー液の噴霧を開始または停止するために噴霧ノズルに発せられる。例えば、噴霧されるウォッシャー液の量は、妨害要素が検出されたことに従って、すなわち保護窓の汚れのレベルに従って決定されてもよく、この汚れのレベルは、洗浄される保護窓の部分によって保護されている運転者支援センサによる画像取得の間に情報が損なわれることと直接的に関連付けられる。従って、ワイパーブレードゴムをこの保護窓に擦り付けることによって、それ自体で妨害要素を除去するのに十分である場合は、最小限あるいはゼロのウォッシャー液の量の噴霧が想定され得るし、画像取得が妨害要素によって完全に妨害された場合は、最大限のウォッシャー液の量の噴霧が想定され得る。
【0061】
第2の命令の詳細は、ワイパーが動く向きを、第1のサブ命令の結果とみなすことを除いて、同様である。
【0062】
制御ユニット200が第1の情報項目210および第2の情報項目220を同時に受信する場合、優先度の順位は、保護窓140の2つの部分141、142のうちの一方のみが一度に洗浄されるように、事前に定義される。例えば、保護窓140の第1の部分141を、この保護窓140の第2の部分142の前に洗浄する。すなわちこの例では、優先的に第1の運転者支援センサ110を全体的かつ最適な動作に復帰させ、次いでその後に第2の運転者支援センサ130を全体的かつ最適な動作に復帰させるような選択が取られる。
【0063】
従って、本発明は、起こり得る外部の脅威に対して運転者支援センサを保護すること、及び、自動運転車両または部分的な自動運転車両が動作不能となることなく、これらの運転者支援センサのうち少なくとも1つの恒久的な動作を確保することの両方が可能となる、簡便、安価かつ効果的な手段を提案するものである。
【0064】
本発明は、本明細書において記載され、図示される手段および構成に限定されるものではないが、しかしながら、任意の同等の手段または構成、およびこのような手段の任意の技術的に機能的な組み合わせにも及ぶものである。特に、第1の運転者支援センサ、第2の運転者支援センサ、洗浄デバイスの形状および配置は、それらが本出願に記載される機能を提供するのであれば、本発明を損なうことなく変更することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】