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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(54)【発明の名称】フルオロエラストマー組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 71/00 20060101AFI20220104BHJP
   C08K 5/18 20060101ALI20220104BHJP
   C08G 65/333 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
C08L71/00
C08K5/18
C08G65/333
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021517622
(86)(22)【出願日】2019-09-27
(85)【翻訳文提出日】2021-05-26
(86)【国際出願番号】 EP2019076144
(87)【国際公開番号】W WO2020069988
(87)【国際公開日】2020-04-09
(31)【優先権主張番号】201821037162
(32)【優先日】2018-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】18208772.6
(32)【優先日】2018-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513092877
【氏名又は名称】ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ イタリー エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】アフジャ, リチュ
(72)【発明者】
【氏名】ゴシュ, デバキ
(72)【発明者】
【氏名】シャルマ, カミニ
(72)【発明者】
【氏名】ブラガンテ, レタンツィオ
(72)【発明者】
【氏名】ミッレファンティ, ステファノ
【テーマコード(参考)】
4J002
4J005
【Fターム(参考)】
4J002CH001
4J002CH051
4J002EN076
4J002EN096
4J002EN106
4J002GN00
4J005AA00
4J005BA00
4J005BB01
4J005BD05
(57)【要約】
本発明は、少なくともニトリル含有(パー)フルオロポリエーテル化合物と、式(I)
(式中、Aは、-SO-、-O-、-C(O)-又は1~10個の炭素原子の二価の炭化水素基であり、Eは、独立して、酸素又は硫黄であり、及び-NH2基は、-EH基に対してオルトにある)
の少なくとも1つのビス-アミノ(チオ)フェノール化合物とを含むフルオロエラストマー組成物、(パー)フルオロポリエーテルに基づく熱硬化性樹脂を製造する方法及びそれから得られる、(パー)フルオロポリエーテルに基づく熱硬化性樹脂に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(パー)フルオロエラストマー組成物[組成物(C)]であって、
a)複数のニトリル基を含む少なくとも1つの(パー)フルオロポリエーテル化合物[化合物(CN-PFPE)]、
b)式:(I)
(式中、
- Aは、-SO-、-O-、-C(O)-、1~10個の炭素原子の二価の炭化水素基の中から選択され、前記炭化水素基は、好ましくは、部分的に又は完全にフッ素化されており、
- Eのそれぞれは、各存在において等しいか又は異なり、酸素又は硫黄、好ましくは酸素であり、
- -NH基及び-EH基は、交換可能に、基Aに対してオルト、メタ又はパラ位にあり、及び
- -NH基は、-EH基に対してオルトにある)
の少なくとも1つのビス-アミノ(チオ)フェノール化合物[化合物(AP)]
を含む(パー)フルオロエラストマー組成物[組成物(C)]。
【請求項2】
Aは、ヘキサフルオロプロピリデンであり、及び化合物(AP)は、好ましくは、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記化合物(CN-PFPE)は、(パー)フルオロポリエーテル主鎖[鎖(R)]及び任意選択的に1つ以上の(パー)フルオロポリエーテル側鎖[鎖(Rfs)]を含み、及び
前記複数のうちの1つ以上のニトリル基は、前記鎖(R)及び鎖(Rfs)の少なくとも1つからのペンダント基であり、且つ/又は前記鎖(R)及び鎖(Rfs)の1つ以上の末端位置若しくは前記末端位置に隣接する位置に配置される、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記化合物(CN-PFPE)は、式(II):
-O-R -T’ (II)
(式中、
は、式[R -O]n1[R -O]n2を有する(パー)フルオロポリオキシアルキレン主鎖であり、
各R は、各存在において互いに等しいか又は異なり、(パー)フルオロアルキレン基であり、
のそれぞれは、各存在において互いに等しいか又は異なり、少なくとも1つのニトリル基を含む(パー)フルオロアルキレン基であり、
n1及びn2は、ゼロと異なる整数であり、
及びT’は、互いに等しいか又は異なり、式Y-CF-の基であり、ここで、Yは、F、Cl及びC~Cパーフルオロアルキル基からなる群から選択され、前記パーフルオロアルキル基は、好ましくは、-CFである)
を有する、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
繰り返し単位-R -O-は、
(a2)単位-CFCF(G)O-、
(b2)単位-CF(G)O-、
(c2)単位-CF(CFx1CF(G)(CFx2O-(ここで、X及びXは、ゼロ又は1~2の整数であり、但し、X+Xは、少なくとも1であることを条件とし、
は、少なくとも1つのニトリル基を含むC~Cパーフルオロ(オキシ)アルキレン基である)
からなる群から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
化合物(CN-PFPE)は、式(III):
-O-R -T’ (III)
(式中、
は、(パー)フルオロポリエーテル主鎖[鎖(R )]であり、及び
及びT’は、互いに等しいか又は異なり、任意選択的にエーテル性酸素原子を含み、且つ末端位置又は前記末端位置に隣接する位置に少なくとも1つのニトリル基を含む(ヒドロ)(フルオロ)カーボン基である)
を有する、請求項3に記載の組成物。
【請求項7】
及びT’は、式-CFZ*-CN(式中、Z*は、F又はCFである)の基である、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記鎖(R )は、
(i)-CFXO-(式中、Xは、F又はCFである)、
(ii)-CFXCFXO-(式中、Xは、各存在において等しいか又は異なり、F又はCFであり、但し、Xの少なくとも1つは、-Fであることを条件とする)、
(iii)-CFCFCWO-(式中、Wのそれぞれは、互いに等しいか又は異なり、F、Cl、Hである)、
(iv)-CFCFCFCFO-、
(v)-(CF-CFZ-O-(式中、jは、0~3の整数であり、及びZは、一般式-O-R(f-a)-Tの基であり、ここで、R(f-a)は、0~10の数の繰り返し単位を含むフルオロポリオキシアルケン鎖であり、前記繰り返し単位は、Xのそれぞれが独立してF又はCFである-CFXO-、-CFCFXO-、-CFCFCFO-、-CFCFCFCFO-の中から選択され、及びTは、C~Cパーフルオロアルキル基である)
からなる群から独立して選択される繰り返し単位を含み、好ましくはそれからなり、及び
前記鎖(R )は、好ましくは、以下の式:
-[(CFXO)g1(CFXCFXO)g2(CFCFCFO)g3(CFCFCFCFO)g4]-
(式中、
- Xは、-F及び-CFから独立して選択され、
- X、Xは、互いに且つ各存在において等しいか又は異なり、独立して、-F、-CFであり、但し、Xの少なくとも1つは、-Fであることを条件とし、
- g1、g2、g3及びg4は、互い等しいか又は異なり、独立して、g1+g2+g3+g4が2~300、好ましくは2~100の範囲であるような0以上の整数であり、g1、g2、g3及びg4の少なくとも2つは、ゼロと異なるべきである)
に従う、請求項6又は7に記載の組成物。
【請求項9】
組成物(C)中の化合物(AP)の量は、0.2~50重量%、好ましくは1~40重量%の範囲である、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
組成物(C)中の化合物(CN-PFPE)の量は、50~99.8重量%、好ましくは60~99重量%の範囲である、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
(パー)フルオロポリエーテルに基づく熱硬化性樹脂の製造の方法であって、
a)複数のニトリル基を含む少なくとも1つの(パー)フルオロポリエーテル化合物[化合物(CN-PFPE)]を、式:(I)
(式中、
- Aは、-SO-、-O-、-C(O)-、1~10個の炭素原子の二価の炭化水素基の中から選択され、前記炭化水素基は、好ましくは、部分的に又は完全にフッ素化されており、
- Eのそれぞれは、各存在において等しいか又は異なり、酸素又は硫黄、好ましくは酸素であり、
- -NH基及び-EH基は、交換可能に、基Aに対してオルト、メタ又はパラ位にあり、及び
- -NH基は、-EH基に対してオルトにある)
の少なくとも1つのビス-アミノ(チオ)フェノール化合物[化合物(AP)]と混合し、したがって(パー)フルオロエラストマー組成物[組成物(C)]を得ること、
b)(パー)フルオロポリエーテルに基づく熱硬化性樹脂を得るために、少なくとも30℃の温度まで前記組成物(C)を加熱すること
を含む方法。
【請求項12】
式(III):
-O-R -T’(III)
(式中、
は、(パー)フルオロポリエーテル主鎖であり、且つT及びT’は、基-CF-CNである)
の化合物(CN-PFPE)を、化合物(AP)としての2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンと混合することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記工程b)は、前記組成物(C)を30~300℃の範囲、好ましくは50~300℃の範囲の温度まで加熱することを含む、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記工程b)は、前記組成物(C)を0.1~200時間の範囲、好ましくは24~175時間の範囲の時間にわたって加熱することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
請求項11~14のいずれか一項に記載の方法で得られる、(パー)フルオロポリエーテルに基づく熱硬化性樹脂。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年10月1日出願のインド仮特許出願第201821037162号及び2018年11月28日出願の欧州特許出願公開第18208772.6号に対する優先権を主張するものであり、これらの出願のそれぞれの全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、フルオロエラストマー組成物、前記フルオロエラストマー組成物から出発して、(パー)フルオロポリエーテルに基づく熱硬化性樹脂を製造する方法及び前記方法で得られ、且つ改善された伸びと熱安定性とを有する、(パー)フルオロポリエーテルに基づく熱硬化性樹脂に関する。
【背景技術】
【0003】
フルオロエラストマー、より具体的にはパーフルオロエラストマーは、燃料に対する耐性が望まれる自動車及び航空機産業など、高温及び化学的浸食に対する優れた耐性が必要とされる様々な用途で長い間使用されてきた。
【0004】
フルオロエラストマーは、フルオロエラストマーポリマー鎖を硬化させることにより、すなわち鎖を架橋することにより調製することができる。架橋を可能にするために、少ない割合のニトリル基含有モノマーをフッ素エラストマーポリマー鎖に組み込むことが長い間知られており、様々な硬化剤の存在下でのその反応性は、おそらくトリアジン型又は同様の構造の架橋点を付与し、これは、高い耐熱性を有する。前記硬化剤としては、例えば、芳香族テトラアミン、ジ(アミノ(チオ)フェノール)並びにテトラアルキル及びテトラアリール化合物を含む有機スズ化合物が挙げられる。
【0005】
この分野では、米国特許第4525539号明細書は、ニトリル含有パーフルオロエラストマーポリマーと、そのポリマーのための加硫剤とを含むパーフルオロエラストマー組成物を開示しており、ここで、パーフルオロエラストマーポリマーは、テトラフルオロエチレン(TFE)、パーフルオロメチルパーフルオロビニルエーテル(PMVE)及び硬化部位ニトリル含有モノマーのコポリマーであり、加硫剤は、ビス(アミノフェノール)の中から選択することができる。
【0006】
同様に、米国特許5677389号明細書は、ニトリル含有パーフルオロエラストマーコポリマーと、ビス(アミノフェノール)の中から選択される硬化剤とを含む硬化性組成物を開示している。前記組成物は、アンモニウム塩も含む。
【0007】
米国特許出願公開第2012/009438号明細書は、i)ニトリル基含有フルオロエラストマー、及びii)(-CO-)、(-CO-)若しくは(-CFO-)又はこれらの組み合わせから選択される繰り返し単位を含み、且つフルオロエラストマーと反応してトリアジン単位を与えるニトリル基を更に含有する(パー)フルオロポリエーテルを含む硬化性フルオロエラストマー組成物を開示している。組成物は、通常、アミン、アミジン、イミデート、アミドキシム、アミドラゾン基を含む硬化剤を更に含む。米国特許第5,545,693号明細書は、同様の組成物を開示している。
【0008】
米国特許第9,290,619号明細書は、脂肪族、芳香族、複素環式又は脂環式の一級若しくは二級アミン、ジアミン又はポリアミンから選択される硬化剤を用いてニトリル含有パーフルオロポリエーテルを硬化させ、その結果、トリアジン含有フルオロポリエーテルポリマーを得ることを開示している。しかしながら、前記ポリマーは、良好なエラストマー特性を示さず、例えば低い破断点伸びを有する。
【0009】
米国特許第3,810,874号明細書は、エステル又はハロゲン化アシルを含むパーフルオロポリエーテルを、オルトアミノフェノールを用いて硬化させ、その結果、ベンゾオキサゾール含有パーフルオロポリエーテルポリマーを得ることを開示しているが、これは、エラストマー特性を有することを示されていない。
【0010】
したがって、硬化後により高い柔軟性、より良好な機械的特性並びに高温及び化学的浸食に対する改善された耐性を提供することができる硬化性(パー)フルオロエラストマー組成物を提供することが必要とされていると感じられる。
【発明の概要】
【0011】
本発明の目的は、硬化後に熱及び化学的浸食に対する耐性を有し、大きい破断点伸び、良好な機械的特性及び広範囲の利用可能性を有する(パー)フルオロエラストマー組成物を提供することである。
【0012】
第1の態様では、本発明は、(パー)フルオロエラストマー組成物[組成物(C)]であって、
a)複数のニトリル基を含む少なくとも1つの(パー)フルオロポリエーテル化合物[化合物(CN-PFPE)]、及び
b)式(I):
(式中、
Aは、-SO-、-O-、-C(O)-、1~10個の炭素原子の二価の炭化水素基の中から選択され、前記炭化水素基は、好ましくは、部分的に又は完全にフッ素化されており、
Eのそれぞれは、各存在において等しいか又は異なり、酸素又は硫黄、好ましくは酸素であり、及び
-NH基及び-EH基は、交換可能に、基Aに対してオルト、メタ又はパラ位にあり、及び
-NH基は、-EH基に対してオルトにある)
の少なくとも1つのビス-アミノ(チオ)フェノール化合物[化合物(AP)]
を含む(パー)フルオロエラストマー組成物[組成物(C)]に関する。
【0013】
第2の態様では、本発明は、(パー)フルオロポリエーテルに基づく熱硬化性樹脂の製造の方法であって、
a)複数のニトリル基を含む少なくとも1つの(パー)フルオロポリエーテル化合物[化合物(CN-PFPE)]を、式(I):
(式中、
Aは、-SO-、-O-、-C(O)-、1~10個の炭素原子の二価の炭化水素基の中から選択され、前記炭化水素基は、好ましくは、部分的に又は完全にフッ素化されており、
Eのそれぞれは、各存在において等しいか又は異なり、酸素又は硫黄、好ましくは酸素であり、
-NH基及び-EH基は、交換可能に、基Aに対してオルト、メタ又はパラ位にあり、及び
-NH基は、-EH基に対してオルトにある)
の少なくとも1つのビス-アミノ(チオ)フェノール化合物[化合物(AP)]と混合し、したがって(パー)フルオロエラストマー組成物[組成物(C)]を得ること、
b)(パー)フルオロポリエーテルに基づく熱硬化性樹脂を得るために、少なくとも30℃の温度まで前記組成物(C)を加熱すること
を含む方法に関する。
【0014】
第3の態様では、本発明は、上記方法で得られる、(パー)フルオロポリエーテルに基づく熱硬化性樹脂に関する。
【0015】
本出願人は、驚くべきことに、前記(パー)フルオロポリエーテルに基づく熱硬化性樹脂が、良好な耐候性、低い表面張力、疎水性及び疎油性と組み合わされた、様々な過酷な環境における優れた化学的安定性及び熱的安定性を有することを見出した。本発明の(パー)フルオロポリエーテルに基づく熱硬化性樹脂は、有利には、低いガラス転移温度(T)を有し、そのため、低温でもそれを利用することができる。加えて、本発明の(パー)フルオロポリエーテルに基づく熱硬化性樹脂は、驚くべきことに、強化されたエラストマー特性、非常に高い破断点伸び及び優れた機械的特性を示し、そのため、前記熱硬化性樹脂は、シーリング用途で特に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書において、別段の指示がない限り、以下の用語は、以下の意味を有するものとする。
【0017】
「二価炭化水素基」という表現は、炭素原子から2つの水素原子を除去することによって炭化水素から誘導される二価のラジカルであると理解されるべきである。したがって、二価の炭化水素基は、2つの末端を含み、各末端は、別の化学基との結合を形成することができる。
【0018】
「(パー)フルオロポリエーテル」という用語は、完全に又は部分的にフッ素化されたポリエーテルポリマーを示すことが意図され、これは、直鎖ポリマー、すなわち直鎖の主鎖を有するものであり得るか、又は分岐ポリマー、すなわち側鎖を更に含むポリマーであり得る。
【0019】
「主鎖」は、一緒に分子の連続鎖を形成する、共有結合した原子の最も長い連続体である。
【0020】
本明細書において使用される「末端位置」という表現には、分岐ポリマーの場合、主鎖の末端位置と側鎖の末端位置とが含まれる。
【0021】
「不活性雰囲気」という表現は、実質的に酸素を含まない雰囲気を示すことが意図される。
【0022】
本明細書において、例えば「組成物(C)」、「化合物(CN-PFPE)」及び「化合物(AP)」のような、式又は式の一部を特定する化合物、記号又は数字の名前の前後の括弧「(…)」の使用は、これらの名称、記号又は数字を残りの文から区別し易くすることを目的としているに過ぎず、そのため、前記括弧は、省略することもできる。
【0023】
化合物(AP)
前述したように、組成物(C)は、上で詳述した式(I)の少なくとも1つのビス-アミノ(チオ)フェノール化合物[化合物(AP)]を含む。
【0024】
Aは、好ましくは、二価の炭化水素基、より好ましくは完全にフッ素化された二価の炭化水素基である。Aは、好ましくは、ヘキサフルオロプロピリデンである。
【0025】
好ましい実施形態によれば、前記化合物(AP)は、式:
を有する2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BOAP)である。
【0026】
組成物(C)中の化合物(AP)の量は、好ましくは、0.2~50重量%、より好ましくは1~40重量%の範囲である。
【0027】
化合物(CN-PFPE)
前述したように、組成物(C)は、複数のニトリル基を含む(パー)フルオロポリエーテル化合物[化合物(CN-PFPE)]を含む。様々な実施形態によれば、前記化合物(CN-PFPE)は、上で定義したように、直鎖又は分岐であり得る。
【0028】
前記化合物(CN-PFPE)は、(パー)フルオロポリオキシアルキレン主鎖[鎖(R)]を含み、任意選択的に1つ以上の(パー)フルオロポリオキシアルキレン側鎖[鎖(Rfs)]も含む。様々な実施形態によれば、前記複数のうちの1つ以上のニトリル基は、前記鎖(R)及び鎖(Rfs)の少なくとも1つからのペンダント基であり、且つ/又は前記鎖(R)及び鎖(Rfs)の1つ以上の末端位置若しくは前記末端位置に隣接する位置に配置される。
【0029】
組成物(C)中の化合物(CN-PFPE)の量は、好ましくは、50~99.8重量%、より好ましくは60~99重量%の範囲である。
【0030】
第1の実施形態
本発明の第1の実施形態によれば、1つ以上の鎖(Rfs)が存在する場合、すなわち化合物(CN-PFPE)が分岐している場合、ニトリル基は、(パー)フルオロポリオキシアルキレン主鎖(R)及び/又は少なくとも1つの(パー)フルオロポリオキシアルキレン側鎖(Rfs)からのペンダント基である。したがって、前記化合物(CN-PFPE)は、少なくとも1つのニトリル基を有するモノマーの共重合した単位を含むコポリマーである。
【0031】
特定の実施形態では、前記化合物(CN-PFPE)は、式(II):
-O-R -T’ (II)
(式中、
は、式[R -O]n1[R -O]n2の(パー)フルオロポリオキシアルキレン主鎖であり、
各R は、各存在において互いに等しいか又は異なり、(パー)フルオロアルキレン基であり、
のそれぞれは、各存在において互いに等しいか又は異なり、少なくとも1つのニトリル基を含む(パー)フルオロアルキレン基であり、及び
及びnは、ゼロと異なる整数であり、
及びT’は、互いに等しいか又は異なり、式Y-CF-の基であり、ここで、Yは、F、Cl及びC~Cパーフルオロアルキル基からなる群から選択され、前記パーフルオロアルキル基は、好ましくは、-CFである)
を有する。
【0032】
好ましくは、式(II)の化合物(CN-PFPE)の繰り返し単位-R -O-は、
(a2)単位-CFCF(G)O-、
(b2)単位-CF(G)O-、
(c2)単位-CF(CFx1CF(G)(CFx2O-(ここで、X及びXは、ゼロ又は1~2の整数であり、但し、X+Xは、少なくとも1であることを条件とし、
は、少なくとも1つのニトリル基を含むC~Cパーフルオロ(オキシ)アルキレン基である)
からなる群から選択される。
【0033】
前記第1の実施形態による化合物(CN-PFPE)は、特に欧州特許第244839号明細書(AUSIMONT SPA)及び米国特許第4,384,128号明細書(DU PONT)に記載されている方法を使用して製造することができる。
【0034】
第2の実施形態
本発明の第2の実施形態によれば、1つ以上の鎖(Rfs)が存在する場合、すなわち化合物(CN-PFPE)が分岐している場合、少なくとも1つのニトリル基は、(パー)フルオロポリオキシアルキレン主鎖(R)又は(パー)フルオロポリオキシアルキレン側鎖(Rfs)の末端位置に配置される。代わりに、前記少なくとも1つのニトリル基は、前記末端位置に隣接する位置に配置することができる。簡潔にするために、前記少なくとも1つのニトリル基は、以降では「末端ニトリル基」とも呼ばれる。
【0035】
好ましくは、前記化合物(CN-PFPE)は、複数の末端ニトリル基を含み、前記末端ニトリル基は、1つ以上の鎖(Rfs)が存在する場合、すなわち化合物(CN-PFPE)が分岐している場合、(パー)フルオロポリオキシアルキレン主鎖(R)及び/又は少なくとも1つの(パー)フルオロポリオキシアルキレン側鎖(Rfs)の末端位置に配置される。
【0036】
特定の実施形態では、前記化合物(CN-PFPE)は、2つの末端ニトリル基を含む。より具体的な実施形態では、前記末端ニトリル基は、(パー)フルオロポリオキシアルキレン主鎖(R)の末端位置に配置される。
【0037】
好ましくは、化合物(CN-PFPE)のニトリル基は、もっぱら末端ニトリル基である。これは、鎖(R)及び/又は鎖(Rfs)からのペンダント型のニトリル基が存在しないことを意味する。
【0038】
より具体的には、化合物(CN-PFPE)は、式(III):
-O-R -T’ (III)
(式中、
は、(パー)フルオロポリオキシアルキレン主鎖[鎖(R )]であり、及び
及びT’は、互いに等しいか又は異なり、任意選択的にエーテル性酸素原子を含み、且つ末端位置又は末端位置に隣接する位置にニトリル基を含む(ヒドロ)(フルオロ)カーボン基である)
を有する。
【0039】
好ましくは、T及びT’は、式:-CFZ*-CN、-CFZ*CH-CN及び-CFZ*CH-(OCHCH-CN(式中、kは、0~10の範囲であり、及びZ*は、F又はCFである)の基から独立して選択される。より好ましくは、T及びT’は、式-CFZ*-CN(式中、Z*は、上で定義した通りである)の基である。
【0040】
式(III)の化合物は、その合成方法及び使用される前駆体の結果として、以下の分子の可変のフラクションを含む混合物として提供することができる:T及びT’の両方がニトリル基含有(ヒドロ)(フルオロ)カーボン基(二官能性分子とも呼ばれる)である分子、T及びT’のいずれか一方のみがニトリル基含有(ヒドロ)(フルオロ)カーボン基であり、他方がニトリル基非含有(ヒドロ)(フルオロ)カーボン基(一官能性分子とも呼ばれる)である分子及びT及びT’の両方がニトリル基を含まない(ヒドロ)(フルオロ)カーボン基(非官能性分子とも呼ばれる)である分子。ニトリル基を含まない(ヒドロ)(フルオロ)カーボン基は、通常、場合によりH、O及びClの1つ以上を含むC~C24(ヒドロ)(フルオロ)カーボン基から選択される。
【0041】
式(III)の化合物が、主に二官能性分子からなる混合物として提供された場合、最もよい結果が得られた。
【0042】
式(III)の化合物が二官能性、単官能性及び非官能性の分子の混合物として提供される場合、前記分子の量は、通常、少なくとも60%(モル)、好ましくは少なくとも65%(モル)、より好ましくは少なくとも70%のT及びTB’基がニトリル基を含むような量である。
【0043】
好ましくは、前記鎖(R )は、
(i)-CFXO-(式中、Xは、F又はCFである)、
(ii)-CFXCFXO-(式中、Xは、各存在において等しいか又は異なり、F又はCFであり、但し、Xの少なくとも1つは、-Fであることを条件とする)、
(iii)-CFCFCWO-(式中、Wのそれぞれは、互いに等しいか又は異なり、F、Cl、Hである)、
(iv)-CFCFCFCFO-、
(v)-(CF-CFZ-O-(式中、jは、0~3の整数であり、及びZは、一般式-O-R(f-a)-Tの基であり、ここで、R(f-a)は、0~10の数の繰り返し単位を含むフルオロポリオキシアルケン鎖であり、前記繰り返し単位は、Xのそれぞれが独立してF又はCFである-CFXO-、-CFCFXO-、-CFCFCFO-、-CFCFCFCFO-の中から選択され、及びTは、C~Cパーフルオロアルキル基である)
からなる群から独立して選択される繰り返し単位を含み、好ましくはそれからなる。
【0044】
好ましくは、前記鎖(R )は、以下の式:
(R -I)
-[(CFXO)g1(CFXCFXO)g2(CFCFCFO)g3(CFCFCFCFO)g4]-
(式中、
- Xは、-F及び-CFから独立して選択され、
- X、Xは、互いに且つ各存在において等しいか又は異なり、独立して、-F、-CFであり、但し、Xの少なくとも1つは、-Fであることを条件とし、
- g1、g2、g3及びg4は、互いに等しいか又は異なり、独立して、g1+g2+g3+g4が2~300、好ましくは2~100の範囲であるような0以上の整数であり、g1、g2、g3及びg4の少なくとも2つは、ゼロと異なるべきである)
に従う。
【0045】
より好ましくは、前記鎖(R )は、式:
(R -IIA) -[(CFCFO)a1(CFO)a2]-
(式中、
- a1及びa2は、独立して、数平均分子量が400~10,000、好ましくは1,000~8,000であるような0以上の整数であり、a1及びa2の両方は、好ましくは、ゼロと異なり、比a1/a2は、好ましくは、0.1~10に含まれる)、
(R -IIB) -[(CFCFCFO)]-
(式中、
- bは、数平均分子量が400~10,000、好ましくは1,000~8,000であるような0より大きい整数である)、
(R -IIC) -[(CFCFCFCFO)]-
(式中、
- cは、数平均分子量が400~10,000、好ましくは1,000~8,000であるような0より大きい整数である)、
(R -IID) -[(CFCFO)d1(CFO)d2(CF(CF)O)d3(CFCF(CF)O)d4]-
(式中、
d1、d2、d3、d4は、独立して、数平均分子量が400~10,000、好ましくは1,000~8,000であるような0以上の整数であり、好ましくは、d1は、0であり、d2、d3、d4は0より大きく、比d4/(d2+d3)は、1以上である)、
(R -IIE) -[(CFCFO)e1(CFO)e2(CF(CFewCFO)e3]-
(式中、
ew=1又は2であり、
e1、e2及びe3は、独立して、数平均分子量が400~10,000、好ましくは1,000~8,000であるように選択される0以上の整数であり、好ましくは、e1、e2及びe3は、全て0より大きく、比e3/(e1+e2)は、一般に、0.2より小さい)、
(R -IIF) -[(CF(CF)CFO)]-
(式中、
fは、数平均分子量が400~10,000、好ましくは1,000~8,000であるような0より大きい整数である)
の鎖から選択される。
【0046】
鎖(R -IIA)、(R -IIB)、(R -IIC)及び(R -IIE)が特に好ましい。
【0047】
更により好ましくは、鎖(R )は、式(R -IIA)
(式中、
- a1及びa2は、数平均分子量が400~10,000、好ましくは1,000~8,000であるような0より大きい整数であり、比a1/a2は、一般に、0.1~10、より好ましくは0.2~5に含まれる)
に従う。
【0048】
第3の実施形態
本発明の第3の実施形態によれば、1つ以上の鎖(Rfs)が存在する場合、すなわち化合物(CN-PFPE)が分岐している場合、前記複数のニトリル基は、上で定義した少なくとも1つの末端ニトリル基と、(パー)フルオロポリオキシアルキレン主鎖(R)又は(パー)フルオロポリオキシアルキレン側鎖(Rfs)からの少なくとも1つのペンダントニトリル基とを含む。
【0049】
前述したように、本発明は、(パー)フルオロポリエーテルに基づく熱硬化性樹脂の製造の方法にも関する。
【0050】
上記の工程b)は、前記組成物(C)を、好ましくは30~300℃の範囲、より好ましくは50~300℃の範囲の温度まで、好ましくは0.1~200時間の範囲、より好ましくは24~175時間の範囲の時間にわたって加熱することを含む。温度及び時間の選択は、以下の実施例からより明らかになるように、化合物(CN-PFPE)の数平均分子量(Mn)に大きく依存する。好ましくは、前記工程b)は、不活性雰囲気下、好ましくは窒素下で行われる複数の副工程を含む。
【0051】
更に、本発明は、上記の方法によって得られる、(パー)フルオロポリエーテルに基づく熱硬化性樹脂に関する。
【0052】
参照により本明細書に組み込まれる任意の特許、特許出願及び刊行物の開示が用語を不明瞭にさせ得る程度まで本出願の記載と矛盾する場合、本記載が優先するものとする。
【0053】
本発明を、以下の実施例を参照してより詳細に説明するが、その目的は、例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例
【0054】
材料
PFPE ZCY:大部分のNC-CFO-(CFCFO)(CFO)-CFCN(ここで、m、nは、a)Mn=1794g/mol,Ew=1114g/eq及びb)Mn=3949、Ew=2170等になるような整数である)を含む化合物の混合物は、例えば、米国特許第5,545,693号明細書、米国特許第3,810,874号明細書及び国際公開第2012/138457号パンフレットに開示されている手順に従って合成される。
【0055】
PFPE Z-DEAL:大部分のCHCHO(O)C-CF-(CFCFO)(CFO)-CFC(O)CHCH(ここで、m、nは、Mn=1669g/mol及びEw=937g/eqになるような整数である)を含む化合物の混合物は、Solvay Specialty Polymers S.p.A.から入手可能である。
【0056】
BOAP:2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンは、Sigma Aldrichから購入した。
【0057】
方法
圧縮永久歪み
(パー)フルオロポリエーテルエラストマーの圧縮永久歪みは、ASTM D395(パイルディスク法)に従って試験した。
【0058】
引張測定
引張測定は、ASTM DIN53504タイプS2又はD638タイプ5に従って行った。
【0059】
熱安定性
熱安定性試験は、窒素を流しながら動的TGA及び等温TGAにより行った。
【0060】
合成実施例
実施例1
PFPE ZCY(20.0g、17.8meq、Mn=1794g/mol)及びBOAP(2.957g、16.1meq)を室温でスピードミキサーにより混合した。次いで、このようにして得た混合物をメカニカルスターラーによって100℃で1時間撹拌した。続いて、温度を170℃まで上げ、混合物を更に5時間撹拌し、その結果、粘稠な反応塊を得た。後者をガラス製のシャーレ内に移し、硬化のために窒素下で保持した。硬化プロトコルは、以下の通りであった:170℃で24時間、200℃で60時間、250℃で16時間。1.13±0.15mmの厚さを有する透明な淡褐色エラストマーフィルムが得られた。
【0061】
実施例2
PFPE ZCY(20.0g、17.8meq、Mn=1794g/mol)及びBOAP(3.26g、17.8meq)を室温でスピードミキサーにより混合した。次いで、このようにして得た混合物をメカニカルスターラーによって100℃で1時間撹拌した。続いて、温度を170℃まで上げ、混合物を更に5時間撹拌し、その結果、粘稠な反応塊を得た。後者をガラス製のシャーレ内に移し、硬化のために窒素下で保持した。硬化プロトコルは、以下の通りであった:170℃で24時間、200℃で60時間、250℃で16時間。0.88±0.13mmの厚さを有する透明な淡褐色エラストマーフィルムが得られた。
【0062】
実施例3
PFPE ZCY(20.0g、9.2meq、Mn=3949g/mol)及びBOAP(0.51g、2.76meq)を室温でスピードミキサーにより混合した。次いで、このようにして得た混合物をメカニカルスターラーによって100℃で5時間撹拌し、その結果、粘稠な反応塊を得た。後者をガラス製のシャーレ内に移し、硬化のために窒素下で保持した。硬化プロトコルは、以下の通りであった:100℃で24時間、130℃で8時間、150℃で17時間、150℃から250℃まで76時間、300℃で2時間。0.9±0.18mmの厚さを有する透明な淡褐色エラストマーフィルムが得られた。
【0063】
比較実施例4
ガラス瓶内でBOAP(17.7g、96.6meq)をPFPE Z-DEAL(90.4g、96.5meq)に添加した。得られた混合物を30分間激しく撹拌し、次いでスターラーと、水循環式還流冷却器と、加熱油浴とを備えた100mlのガラスフラスコ内に移した。次いで、混合物を100℃で1時間、続いて170℃で5時間撹拌した。このようにして得た混合物を2つに分割し、それを2つのガラス製シャーレ内に注ぎ入れ、次のプロトコルで窒素下においてオーブン処理した:170℃で24時間、200℃で60時間、250℃で16時間。それぞれ0.70±0.07mm及び0.35±0.03mmの厚さを有する2枚の黒色の剛性及び脆性フィルム(A)及び(B)が得られた。
【0064】
熱的及び機械的特性評価
表1は、動的TGA及び等温TGAにより得られた実施例1~3によるエラストマーフィルムの重量減少(%)を報告する。
【0065】
表2は、Ex.1~3及び比較Ex.4のフィルム(A)及び(B)のエラストマーフィルムの厚さを報告する。表2は、前記フィルムの機械的特性、すなわち破断点歪み、破断点応力、引張弾性率及び圧縮永久歪みも報告する。
【0066】
【0067】
【0068】
表1から明らかなように、Ex.1~3による(パー)フルオロポリエーテルに基づく熱硬化性樹脂は良好な熱安定性を有する。
【0069】
表2に報告されているデータは、Ex.1~3のフィルムがはるかに大きい破断点歪み(又は伸び)を有することを明確に示しており、これは、これらが柔軟性及び弾性を有する一方、Ex.4Cのフィルム(A)及び(B)が有しないことを意味する。更に、Ex.1~3のフィルムは、Ex.4Cのフィルム(A)及び(B)に比べて低い破断点応力の値を有する。これは、Ex.1~3のフィルムが、Ex.4Cのフィルムよりも弾性変形を引き起こすために少ない応力を必要とすることを意味する。したがって、Ex.1~3のフィルムは、Ex.4Cのフィルム(A)及び(B)よりも低い引張弾性率を有する。すなわち、これらは、弾性変形に対する抵抗が小さい。
【0070】
したがって、表2及び3から明らかなように、Ex.1~3のフィルムは、強化されたエラストマー特性を有する。対照的に、Ex.4Cからのフィルム(A)及び(B)は、エラストマー特性を示さない。
【0071】
前記特性のため、本発明による硬化した材料は、シーリング、コーティング、カプセル化、感熱包装の構成要素などの様々な用途に適している。
【国際調査報告】