(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(54)【発明の名称】医療用器具を洗浄するための組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 3/386 20060101AFI20220104BHJP
C11D 1/72 20060101ALI20220104BHJP
C11D 3/43 20060101ALI20220104BHJP
C11D 3/33 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
C11D3/386 ZBP
C11D1/72 ZNA
C11D3/43
C11D3/33
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021517667
(86)(22)【出願日】2019-09-17
(85)【翻訳文提出日】2021-05-26
(86)【国際出願番号】 US2019051464
(87)【国際公開番号】W WO2020068486
(87)【国際公開日】2020-04-02
(32)【優先日】2018-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509240479
【氏名又は名称】ダニスコ・ユーエス・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100071010
【氏名又は名称】山崎 行造
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【氏名又は名称】今井 千裕
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【氏名又は名称】朴 志恩
(72)【発明者】
【氏名】フークストラ、アージェン
(72)【発明者】
【氏名】ストナー、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ、ジェンフェン
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AC03
4H003AC05
4H003AC08
4H003BA12
4H003DA05
4H003EB04
4H003EB05
4H003EB12
4H003EB26
4H003EC01
4H003EC02
4H003EC03
4H003ED02
4H003FA28
(57)【要約】
非イオン性界面活性剤と1種以上の本質的に安定なサブチリシンとを含む組成物、並びに医療用及び歯科用器具を洗浄するためのこのような組成物の使用に関する方法が本明細書に開示される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
約1重量%~15重量%の非イオン性界面活性剤と、
約250ppm~約10000ppmの本質的に安定なサブチリシン変異体と、を含む医療用又は歯科用器具の洗剤組成物であって、
前記組成物が、実質的な量のプロテアーゼ安定剤を含まない、洗剤組成物。
【請求項2】
前記組成物が、約0.01重量%未満のプロテアーゼ安定剤を含む、請求項1に記載の洗剤組成物。
【請求項3】
前記組成物が、約0.001重量%未満のプロテアーゼ安定剤を含む、請求項2に記載の洗剤組成物。
【請求項4】
前記組成物が、プロテアーゼ阻害剤、ペプチドアルデヒド、有機ホウ素化合物、又はボロン酸誘導体からなる群から選択されるプロテアーゼ安定剤を含まない、請求項1に記載の洗剤組成物。
【請求項5】
前記ボロン酸誘導体が、フェニルボロン酸(PBA)、又は4-ホルミルフェニルボロン酸(4-FPBA)である、請求項4に記載の洗剤組成物。
【請求項6】
前記非イオン性界面活性剤が、エトキシル化度が2~14モルのC
6~C
20アルコールエトキシレートである、請求項1に記載の洗剤組成物。
【請求項7】
前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリアルキレングリコール、アルキルアミン酸化物、ポリオキシアルキレン、アルキルフェニルエーテル、脂肪酸ポリオキシエチレンエステル、脂肪酸ソルビタンエステル、脂肪酸ポリオキシアルキレンソルビタンエステル、脂肪酸糖エステル、アルキル多糖、アルキルグリセリルエーテル、及び脂肪酸アルカノールアミドの群から選択される、請求項6に記載の洗剤組成物。
【請求項8】
前記組成物が、約10~30重量%の少なくとも1種の有機溶媒を更に含む、請求項1に記載の洗剤組成物。
【請求項9】
前記溶媒が、グリセロール、プロパン1,2-ジオール、又はプロパン1,3-ジオールなどのポリオールからなる群から選択される、請求項8に記載の洗剤組成物。
【請求項10】
前記組成物が、10重量%~30重量%の生分解性キレート剤を更に含む、請求項1に記載の洗剤組成物。
【請求項11】
前記生分解性キレート剤が、グルタミン酸二酢酸(GLDA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、及びイタコン酸のナトリウム塩の群から選択される、請求項11に記載の洗剤組成物。
【請求項12】
医療用又は歯科用器具を洗浄するための方法であって、
a)約1重量%~15重量%の非イオン性界面活性剤、約250ppm~約10000ppmの本質的に安定なサブチリシン変異体を含む、医療用又は歯科用器具を洗浄するための洗剤に、前記医療用又は歯科用器具を接触させることであって、組成物は実質的な量のプロテアーゼ安定剤を含まないことと、
b)前記器具の汚れを低減又は除去するのに十分な期間、前記器具を接触させておくことと、
c)任意選択的に前記器具をすすぐことと、
を含む方法。
【請求項13】
少なくとも1分間、前記器具を前記洗剤と接触させる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
最大で24時間、前記器具を前記洗剤と接触させる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
1~60分間、前記器具を前記洗剤と接触させる、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
摂氏30度~70度の温度で、前記器具を前記洗剤と接触させる、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
摂氏40度~60度の温度で、前記器具を前記洗剤と接触させる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記組成物が、約0.01重量%未満のプロテアーゼ安定剤を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記組成物が、約0.001重量%未満のプロテアーゼ安定剤を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記組成物が、ペプチドアルデヒド、有機ボロン酸、又はボロン誘導体からなる群から選択されるプロテアーゼ安定剤を含まない、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
前記ボロン酸誘導体が、フェニルボロン酸(PBA)、又は4-ホルミルフェニルボロン酸(4-FPBA)である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記非イオン性界面活性剤が、エトキシル化度が2~14モルのC
6~C
20アルコールエトキシレートである、請求項12に記載の方法。
【請求項23】
前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリアルキレングリコール、アルキルアミン酸化物、ポリオキシアルキレン、アルキルフェニルエーテル、脂肪酸ポリオキシエチレンエステル、脂肪酸ソルビタンエステル、脂肪酸ポリオキシアルキレンソルビタンエステル、脂肪酸糖エステル、アルキル多糖、アルキルグリセリルエーテル、及び脂肪酸アルカノールアミドの群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記組成物が、約10~30重量%の少なくとも1種の有機溶媒を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項25】
前記溶媒が、プロピレングリコール、グリセロール、プロパン1,2-ジオール、又はプロパン1,3-ジオールからなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記組成物が、10重量%~30重量%の生分解性キレート剤を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項27】
前記生分解性キレート剤が、グルタミン酸二酢酸(GLDA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、及びイタコン酸のナトリウム塩の群から選択される、請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2018年9月27日に出願された米国仮特許出願第62/737291号明細書に対する優先権を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、医療用及び歯科用器具を洗浄するための組成物及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ヘルスケア産業において、医療用器具は、再利用する前に完全に洗浄して消毒する必要がある。洗浄プロセスには、自動化された、又は手動であり得る複数の工程が含まれている。器具は、生物学的汚れ、特にタンパク質をベースとした汚れによってひどく汚れることがある。医療用器具を洗浄するのに使用される高アルカリ性洗剤は腐食性であることが知られているが、その腐食性ゆえに、より穏やかなpHで作用することができる代替の酵素性洗剤が開発されてきた。
【0004】
通常、これらの洗剤には、タンパク質をベースとした汚れを効果的に除去するためのプロテアーゼ、好ましくはサブチリシンと、プロテアーゼ安定剤とが含まれている。プロテアーゼ安定剤は通常、プロテアーゼを含有する液体洗剤を保管する間にプロテアーゼ活性を阻害するために使用されており、安定剤は、水溶液で希釈されるとプロテアーゼから放出される。プロテアーゼ安定剤を使用することの問題点は、洗浄性能に寄与せず、使用時にコストがかかるということである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態は、約1重量%~15重量%の非イオン性界面活性剤、約250ppm~約10000ppmの本質的に安定なサブチリシン変異体を含む医療用又は歯科用器具の洗剤組成物であって、組成物に実質的な量のプロテアーゼ安定剤を含まない洗剤組成物を提供するものである。
【0006】
別の実施形態では、本開示は、約1重量%~15重量%の非イオン性界面活性剤、約250ppm~約10000ppmの本質的に安定なサブチリシン変異体を含み、組成物に実質的な量のプロテアーゼ安定剤を含まない、医療用又は歯科用器具を洗浄するための洗剤に、医療用又は歯科用器具を接触させることと、器具の汚れを低減又は除去するのに十分な期間、器具を接触させておくことと、任意選択的に器具をすすぐこととを含む、医療用又は歯科用器具を洗浄するための方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示は、このような医療用及び歯科用器具を洗浄するための組成物を使用した組成物(例えば、洗剤組成物)及び方法を提供する。組成物は一般に、非イオン性界面活性剤及び本質的に安定なサブチリシン変異体を使用するものであり、組成物は更に、実質的な量のプロテアーゼ安定剤、例えばプロテアーゼ阻害剤、ペプチドアルデヒド、有機ホウ素化合物、又はボロン酸誘導体を含まない。組成物はまた、任意選択的に1種以上の有機溶媒などの医療用又は歯科用器具の洗浄洗剤の追加の成分を含む。
【0008】
本組成物及び方法の実施形態を説明する前に、以下の用語を定義する。
【0009】
本明細書において別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、本発明の属する技術分野の当業者により一般に理解される意味と同様の意味を有する。本発明の実践においては、本明細書に記載の方法及び材料に類似しているか同等であるあらゆる方法及び材料が利用されるが、本明細書では好ましい方法及び物質について記載する。したがって、直下に定義した用語は、本明細書全体を参照することにより、より十分に説明される。また、本明細書で使用する場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上特に明記されない限り、複数形を含む。本発明は、当業者によって使用される状況に応じて、本明細書に記載した特定の方法、プロトコル及び試薬が変動する可能性があるため、それらに限定されるものではないことを理解すべきである。
【0010】
本明細書全体を通して与えられる全ての数値の上限が、全てのより低い数値の限界を、あたかもそのようなより低い数値の限界が本明細書で明示されていたかのように含むことが意図されている。本明細書全体を通して与えられる全ての数値の下限は、全てのより高い数値の限界を、あたかもそのようなより高い数値の限界が本明細書で明示されていたかのように含むであろう。本明細書全体を通して与えられる全ての数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入る全てのより狭い数値範囲を、あたかもそのようなより狭い数値範囲が本明細書で全て明示されていたかのように含むであろう。
【0011】
組成物
一実施形態では、本開示は、医療用及び歯科用器具を洗浄するのに使用される組成物(例えば、洗剤組成物)を提供する。組成物は一般に、非イオン性界面活性剤と本質的に安定なサブチリシン変異体とを含む。本明細書で提供される組成物は更に、実質的な量の酵素安定剤を含まない。組成物はまた、任意選択的に有機溶媒などの医療用又は歯科用器具の洗浄組成物の1種以上の追加の成分を含み得る。
【0012】
一実施形態では、組成物は、組成物全体の約1重量%~約15重量%の非イオン性界面活性剤、組成物全体の約0.5重量%~約15重量%の本質的に安定なサブチリシン変異体を含み、プロテアーゼ安定剤を実質的に含まない。
【0013】
別の実施形態では、組成物は、組成物全体の約1重量%~約15重量%の非イオン性界面活性剤、約250~約10000ppmの本質的に安定なサブチリシン変異体を含み、プロテアーゼ安定剤を実質的に含まない。
【0014】
任意の非イオン性界面活性剤を、本明細書に提供される組成物で使用することができる。本明細書で提供される組成物及び方法に使用される非イオン性界面活性剤の例としては、Nonionic Surfactants,ed.Nico M.van Os,vol.72 of the Surfactant Science Series,CRC Press,New York,1997におけるようなものを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物及び方法において使用される非イオン性界面活性剤は、アルコールエトキシレート界面活性剤である。いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤は、C6~C20アルコールエトキシレート、又はC12~C14アルコールエトキシレートである。
【0015】
一実施形態では、組成物は、組成物全体の約1重量%~約15重量%、約0.5重量%~約15重量%、又は約1重量%~約10重量%、又は2重量%~約10重量%の非イオン性界面活性剤を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物はまた、溶媒を含有する。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物全体の約10重量%~約40重量%の1種以上の界面活性剤を含有する。別の実施形態では、組成物は、組成物全体の約15重量%~約30重量%の1種以上の溶媒を含有する。
【0017】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物で使用される1種以上の溶媒は、アルコール及び/又はグリコール、好ましくはエタノール及び/又はプロピレングリコールなどの有機溶媒を含む。一実施形態では、組成物は、モノプロピレングリコールなどのプロピレングリコールを含有する。追加の溶媒としては、国際公開第2011156297号パンフレットに記載されるものを含む。一実施形態では、組成物は、組成物中の溶媒として、プロピレングリコール(例えば、モノプロピレングリコール)とグリセロールとの混合物を含有する。
【0018】
本明細書で提供される組成物は、任意の本質的に安定なサブチリシン、好ましくは任意の本質的に安定なサブチリシン変異体を含む。本質的に安定なサブチリシン酵素とは、洗剤組成物中のサブチリシンを安定化するためのプロテアーゼ安定剤を必要としない、又は量を低減させたプロテアーゼ安定剤を使用するように、安定性を改善するように改変されている任意のサブチリシンのことである。
【0019】
本明細書で提供される組成物及び方法に使用される本質的に安定なサブチリシンとしては、国際公開第2017210295号パンフレット(例えば、SQCBV35又はSQCBV419)、国際公開第2016203064号パンフレット(例えば、配列番号21)、及び2017年11月29日に出願された米国仮特許出願第62/591,976号明細書に記載されるものを含む。
【0020】
他の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、1種以上の本質的に安定なサブチリシン変異体と1種以上の追加の酵素とを含む。1種以上の追加の酵素は、アシルトランスフェラーゼ、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、α-ガラクトシダーゼ、アラビノシダーゼ、アリールエステラーゼ、β-ガラクトシダーゼ、カラギナーゼ、カタラーゼ、セロビオヒドラーゼ、セルラーゼ、コンドロイチナーゼ、クチナーゼ、エンド-β-1,4-グルカナーゼ、エンド-β-マンナナーゼ、エステラーゼ、エキソ-マンナナーゼ、ガラクタナーゼ、グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ、ヒアルロニダーゼ、ケラチナーゼ、ラッカーゼ、ラクターゼ、リグニナーゼ、リパーゼ、リポキシゲナーゼ、マンナナーゼ、メタロプロテアーゼ、ヌクレアーゼ(例えば、デオキシリボヌクレアーゼ)、オキシダーゼ、オキシドレダクターゼ、ペクチン酸リアーゼ、ペクチンアセチルエステラーゼ、ペクチナーゼ、ペントサナーゼ、ペルオキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、ホスファターゼ、ホスホリパーゼ、フィターゼ、ポリガラクツロナーゼ、ポリエステラーゼ、追加のプロテアーゼ、プルラナーゼ、レダクターゼ、ラムノガラクツロナーゼ、β-グルカナーゼ、タンナーゼ、トランスグルタミナーゼ、キシランアセチルエステラーゼ、キシラナーゼ、キシログルカナーゼ、キシロシダーゼ、及びそれらの任意の組み合わせ又は混合物から選択される。いくつかの実施形態は、アミラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、マンナナーゼ、及び/又はセルラーゼなどの従来の酵素を、1種以上の本質的に安定なサブチリシン変異体、及び/又は1種以上の追加のプロテアーゼと併せて含む酵素の組み合わせ(即ち、「カクテル」)に関する。
【0021】
別の実施形態では、1種以上の本明細書に記載の組成物は、1種以上の本質的に安定なサブチリシン変異体と1種以上の追加のプロテアーゼとを含む。一実施形態では、追加のプロテアーゼは、セリンプロテアーゼである。別の実施形態では、追加のプロテアーゼは、アルカリ性微生物プロテアーゼ又はトリプシン様プロテアーゼである。好適な追加のプロテアーゼとしては、動物、野菜又は微生物起源のものを含む。いくつかの実施形態では、追加のプロテアーゼは、微生物プロテアーゼである。他の実施形態では、追加のプロテアーゼは、化学修飾された又は遺伝子組み換えされた突然変異体である。別の実施形態では、追加のプロテアーゼは、メタロプロテアーゼ、真菌サブチリシン、アルカリ性微生物プロテアーゼ、又はトリプシン様プロテアーゼである。例示的なアルカリプロテアーゼとしては、例えば、バチルス(Bacillus)属に由来するサブチリシン(例えば、サブチリシン、レンタス(lentus)、アミロリケファシエンス(amyloliquefaciens)、サブチリシンCarlsberg、サブチリシン309、サブチリシン147、及びサブチリシン168)を含む。例示的な追加のプロテアーゼとしては、限定はされないが、国際公開第92/21760号パンフレット、国際公開第95/23221号パンフレット、国際公開第2008/010925号パンフレット、国際公開第09/149200号パンフレット、国際公開第09/149144号パンフレット、国際公開第09/149145号パンフレット、国際公開第10/056640号パンフレット、国際公開第10/056653号パンフレット、国際公開第2010/0566356号パンフレット、国際公開第11/072099号パンフレット、国際公開第2011/13022号パンフレット、国際公開第11/140364号パンフレット、国際公開第12/151534号パンフレット、国際公開第2015/038792号パンフレット、国際公開第2015/089447号パンフレット、国際公開第2015/089441号パンフレット、米国特許出願公開第2008/0090747号明細書、米国特許第5,801,039号明細書、米国特許第5,340,735号明細書、米国特許第5,500,364号明細書、米国特許第5,855,625号明細書、再発行特許出願第34,606号明細書、米国特許第5,955,340号明細書、米国特許第5,700,676号明細書、米国特許第6,312,936号明細書、米国特許第6,482,628号明細書、米国特許第8,530,219号明細書、米国仮特許出願第62/180673号明細書及び同第62/161077号明細書、並びに国際出願第PCT/米国特許出願公開第2015/021813号明細書、同第PCT/米国特許出願公開第2015/055900号明細書、同第PCT/米国特許出願公開第2015/057497号明細書、同第PCT/米国特許出願公開第2015/057492号明細書、同第PCT/米国特許出願公開第2015/057512号明細書、同第PCT/米国特許出願公開第2015/057526号明細書、同第PCT/米国特許出願公開第2015/057520号明細書、同第PCT/米国特許出願公開第2015/057502号明細書、同第PCT/米国特許出願公開第2016/022282号明細書、及び同第PCT/米国特許出願公開第16/32514号明細書に記載のもの、並びに、国際公開第1999014341号パンフレット、国際公開第1999033960号パンフレット、国際公開第1999014342号パンフレット、国際公開第1999034003号パンフレット、国際公開第2007044993号パンフレット、国際公開第2009058303号パンフレット、国際公開第2009058661号パンフレット、国際公開第2014071410号パンフレット、国際公開第2014194032号パンフレット、国際公開第2014194034号パンフレット、国際公開第2014194054号パンフレット、及び国際公開第2014/194117号パンフレットに記載のメタロプロテアーゼを含む。例示的な追加のプロテアーゼとしては、限定はされないが、トリプシン(例えば、ブタ又はウシ起源のもの)、及び国際公開第89/06270号パンフレットに記載されるフザリウム(Fusarium)属プロテアーゼを含む。例示的な市販のプロテアーゼとしては、限定はされないが、MAXATASE(登録商標)、MAXACALTM、MAXAPEMTM、OPTICLEAN(登録商標)、OPTIMASE(登録商標)、PROPERASE(登録商標)、PURAFECT(登録商標)、PURAFECT(登録商標)OXP、PURAMAXTM、EXCELLASETM、PREFERENZTMプロテアーゼ(例えば、P100、P110、P280)、EFFECTENZTMプロテアーゼ(例えば、P1000、P1050、P2000)、EXCELLENZTMプロテアーゼ(例えば、P1000)、ULTIMASE(登録商標)、及びPURAFASTTM(DuPont);ALCALASE(登録商標)、BLAZE(登録商標)、BLAZE(登録商標)及びBLAZE(登録商標)変異体、EVITY(登録商標)、BLAZE(登録商標)EVITY(登録商標)16L、CORONASE(登録商標)、SAVINASE(登録商標)、SAVINASE(登録商標)ULTRA、SAVINASE(登録商標)EVITY(登録商標)、SAVINASE(登録商標)EVERIS(登録商標)、PRIMASE(登録商標)、DURAZYMTM、POLARZYME(登録商標)、OVOZYME(登録商標)、KANNASE(登録商標)、LIQUANASE(登録商標)、LIQUANASE EVERIS(登録商標)、NEUTRASE(登録商標)、RELASE(登録商標)、PROGRESS UNO(登録商標)、及びESPERASE(登録商標)(Novozymes);BLAPTM及びBLAPTM変異体(Henkel);KAP(B.アルカロフィラス(B.alkalophilus)サブチリシン)(花王));並びにBIOTOUCH(登録商標)(AB Enzymes)を含む。例示的なメタロプロテアーゼとしては、B.サブチリス(B.subtilis)に発現する中性メタロプロテアーゼの組み換え型であるnprE(例えば、国際公開第07/044993号パンフレットを参照のこと)、及びB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)から精製された中性メタロプロテアーゼであるPMNを含む。
【0022】
別の実施形態は、1種以上の本質的に安定なサブチリシン変異体と1種以上のリパーゼとを含む組成物に関する。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の約0.00001重量%~約10重量%、約0.0001重量%~約10重量%、約0.001重量%~約5重量%、約0.001重量%~約2重量%、又は約0.005重量%~約0.5重量%のリパーゼを含む。他の実施形態では、組成物は、約50ppm~1500ppm、又は150ppm~約1200ppmのリパーゼを組成物内に含む。例示的なリパーゼは、化学修飾された又は遺伝子組み換えされた突然変異体であってよい。例示的なリパーゼとしては、限定はされないが、例えば、H.ラヌギノーサ(H.lanuginosa)リパーゼ(例えば、欧州特許第258068号明細書及び欧州特許第305216号明細書を参照されたい)、T.ラヌギノサス(T.lanuginosus)リパーゼ(例えば、国際公開第2014/059360号パンフレット及び国際公開第2015/010009号パンフレットを参照されたい)、リゾムコール・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)リパーゼ(例えば、欧州特許第238023号明細書を参照されたい)、C.アンタークティカ(C.antarctica)リパーゼ(例えば、C.アンタークティカ(C.antarctica)リパーゼA又はB)などのカンジダ(Candida)属リパーゼ(例えば、欧州特許第214761号明細書を参照されたい)、P.アルカリゲネス(P.alcaligenes)及びP.シュードアルカリゲネス(P.pseudoalcaligenes)リパーゼ(例えば、欧州特許第218272号明細書を参照されたい)、P.セパシア(P.cepacia)リパーゼ(例えば、欧州特許第331376号明細書を参照されたい)、P.スタッツェリ(P.stutzeri)リパーゼ(例えば、英国特許第1,372,034号明細書を参照されたい)、P.フルオレセンス(P.fluorescens)リパーゼなどのシュードモナス(Pseudomonas)属リパーゼ、バチルス(Bacillus)属リパーゼ(例えば、B.サブチリス(B.subtilis)リパーゼ(Dartois et al.,Biochem.Biophys.Acta 1131:253-260(1993))、B.ステアロサーモフィルス(B.stearothermophilus)リパーゼ(例えば、特開昭64-744992号公報を参照されたい)、及びB.プミルス(B.pumilus)リパーゼ(例えば、国際公開第91/16422号パンフレットを参照されたい)などの、例えば細菌又は真菌起源のものを含む。例示的なクローン化リパーゼとしては、限定はされないが、ペニシリウム・カメンベルティ(Penicillium camembertii)リパーゼ(Yamaguchi et al.,Gene 103:61-67(1991)を参照されたい)、ゲオトリクム・カンディダム(Geotricum candidum)リパーゼ(Schimada et al.,J.Biochem.,106:383-388(1989)を参照されたい)、並びにR.デレマー(R.delemar)リパーゼ(Hass et al.,Gene 109:117-113(1991)を参照されたい)、R.ニベウス(R.niveus)リパーゼ(Kugimiya et al.,Biosci.Biotech.Biochem.56:716-719(1992))、及びR.オリゼ(R.oryzae)リパーゼなどの各種リゾプス(Rhizopus)属リパーゼを含む。クチナーゼなどの他の脂肪分解酵素もまた、本明細書に記載される1種以上の組成物に使用することができ、限定はされないが、例えばシュードモナス・メンドシナ(Pseudomonas mendocina)に由来するクチナーゼ(国際公開第88/09367号パンフレットを参照されたい)及び/又はフザリウム・ソラニピシ(Fusarium solani pisi)に由来するクチナーゼ(国際公開第90/09446号パンフレットを参照されたい)を含む。例示的な市販のリパーゼとしては、限定はされないが、M1LIPASETM、LUMA FASTTM、LIPOMAXTM、及びPREFERENZ(登録商標)L(DuPont);LIPEX(登録商標)、LIPOCLEAN(登録商標)、LIPOLASE(登録商標)、及びLIPOLASE(登録商標)ULTRA(Novozymes);並びにLIPASE PTM(Amano Pharmaceutical Co.Ltd)を含む。
【0023】
また更なる実施形態は、1種以上の本質的に安定なサブチリシン変異体と1種以上のアミラーゼとを含む組成物に関する。一実施形態では、組成物は、組成物の約0.00001重量%~約10重量%、約0.0001重量%~約10重量%、約0.001重量%~約5重量%、約0.001重量%~約2重量%、又は約0.005重量%~約0.5重量%のアミラーゼを含む。他の実施形態では、組成物は、約50ppm~500ppm、又は150ppm~約300ppm、好ましくは約250ppmのアミラーゼを組成物中に含む。アルカリ性溶液中で使用するのに好適な任意のアミラーゼ(例えばα及び/又はβ)が、このような組成物中に含まれることが有用であり得る。例示的なアミラーゼは、化学修飾された又は伝子組み換えされた突然変異体であってよい。例示的なアミラーゼとしては、限定はされないが、例えば、英国特許第1,296,839号明細書、国際公開第9100353号パンフレット、国際公開第9402597号パンフレット、国際公開第94183314号パンフレット、国際公開第9510603号パンフレット、国際公開第9526397号パンフレット、国際公開第9535382号パンフレット、国際公開第9605295号パンフレット、国際公開第9623873号パンフレット、国際公開第9623874号パンフレット、国際公開第9630481号パンフレット、国際公開第9710342号パンフレット、国際公開第9741213号パンフレット、国際公開第9743424号パンフレット、国際公開第9813481号パンフレット、国際公開第9826078号パンフレット、国際公開第9902702号パンフレット、国際公開第9909183号パンフレット、国際公開第9919467号パンフレット、国際公開第9923211号パンフレット、国際公開第9929876号パンフレット、国際公開第9942567号パンフレット、国際公開第9943793号パンフレット、国際公開第9943794号パンフレット、国際公開第9946399号パンフレット、国際公開第0029560号パンフレット、国際公開第0060058号パンフレット、国際公開第0060059号パンフレット、国際公開第0060060号パンフレット、国際公開第0114532号パンフレット、国際公開第0134784号パンフレット、国際公開第0164852号パンフレット、国際公開第0166712号パンフレット、国際公開第0188107号パンフレット、国際公開第0196537号パンフレット、国際公開第02092797号パンフレット、国際公開第0210355号パンフレット、国際公開第0231124号パンフレット、国際公開第2004055178号パンフレット、国際公開第2004113551号パンフレット、国際公開第2005001064号パンフレット、国際公開第2005003311号パンフレット、国際公開第2005018336号パンフレット、国際公開第2005019443号パンフレット、国際公開第2005066338号パンフレット、国際公開第2006002643号パンフレット、国際公開第2006012899号パンフレット、国際公開第2006012902号パンフレット、国際公開第2006031554号パンフレット、国際公開第2006063594号パンフレット、国際公開第2006066594号パンフレット、国際公開第2006066596号パンフレット、国際公開第2006136161号パンフレット、国際公開第2008000825号パンフレット、国際公開第2008088493号パンフレット、国際公開第2008092919号パンフレット、国際公開第2008101894号パンフレット、国際公開第2008/112459号パンフレット、国際公開第2009061380号パンフレット、国際公開第2009061381号パンフレット、国際公開第2009100102号パンフレット、国際公開第2009140504号パンフレット、国際公開第2009149419号パンフレット、国際公開第2010/059413号パンフレット、国際公開第2010088447号パンフレット、国際公開第2010091221号パンフレット、国際公開第2010104675号パンフレット、国際公開第2010115021号パンフレット、国際公開第10115028号パンフレット、国際公開第2010117511号パンフレット、国際公開第2011076123号パンフレット、国際公開第2011076897号パンフレット、国際公開第2011080352号パンフレット、国際公開第2011080353号パンフレット、国際公開第2011080354号パンフレット、国際公開第2011082425号パンフレット、国際公開第2011082429号パンフレット、国際公開第2011087836号パンフレット、国際公開第2011098531号パンフレット、国際公開第2013063460号パンフレット、国際公開第2013184577号パンフレット、国際公開第2014099523号パンフレット、国際公開第2014164777号パンフレット、及び国際公開第2015077126号パンフレットに記載されるアミラーゼなどの細菌又は真菌起源のものを含む。例示的な市販のアミラーゼとしては、限定はされないが、AMPLIFY(登録商標)、DURAMYL(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、STAINZYME ULTRA(登録商標)EVITY(登録商標)及びBANTM(Novozymes);EFFECTENZTMS1000、POWERASETM、PREFERENZTMS100、PREFERENZTMS110、PREFERENZ(登録商標)S210、EXCELLENZTMS2000、RAPIDASE(登録商標)及びMAXAMYL(登録商標)P(DuPont)を含む。
【0024】
なお、また更なる実施形態は、1種以上の本質的に安定なサブチリシン変異体と1種以上のセルラーゼとを含む組成物に関する。一実施形態では、組成物は、組成物の約0.00001重量%~約10重量%、約0.0001重量%~約10重量%、約0.001重量%~約5重量%、約0.001重量%~約2重量%、又は約0.005重量%~約0.5重量%のセルラーゼを含む。他の実施形態では、組成物は、約50ppm~500ppm、又は200ppm~約400ppm、好ましくは約350ppmのセルラーゼを組成物中に含む。任意の好適なセルラーゼを、本明細書に記載の組成物に使用することができる。例示的なセルラーゼは、化学的に又は遺伝子的に改変された突然変異体であってよい。例示的なセルラーゼとしては、限定はされないが、例えば国際公開第2005054475号パンフレット、国際公開第2005056787号パンフレット、米国特許第7,449,318号明細書、米国特許第7,833,773号明細書、米国特許第4,435,307号明細書;欧州特許第0495257号明細書、及び米国仮特許出願第62/296,678号明細書に記載されているような細菌又は真菌起源のものを含む。例示的な市販のセルラーゼとしては、限定はされないが、CELLUCLEAN(登録商標)、CELLUZYME(登録商標)、CAREZYME(登録商標)、ENDOLASE(登録商標)、RENOZYME(登録商標)、及びCAREZYME(登録商標)PREMIUM(Novozymes);REVITALENZTM100、REVITALENZTM200/220、及びREVITALENZ(登録商標)2000(DuPont);並びにKAC-500(B)TM(花王株式会社)を含む。いくつかの実施形態では、セルラーゼは、成熟野生型又は変異体セルラーゼの一部又は断片として含まれ、N末端の一部が除去されている(例えば、米国特許第5,874,276号明細書を参照されたい)。
【0025】
なお、また更なる実施形態は、1種以上の本質的に安定なサブチリシン変異体と1種以上のマンナナーゼとを含む組成物に関する。一実施形態では、組成物は、組成物の約0.00001重量%~約10重量%、約0.0001重量%~約10重量%、約0.001重量%~約5重量%、約0.001重量%~約2重量%、又は約0.005重量%~約0.5重量%のマンナナーゼを含む。他の実施形態では、組成物は、約50ppm~500ppm、又は100ppm~約250ppm、好ましくは約110ppmのマンナナーゼを組成物中に含む。例示的なマンナナーゼは、化学的に又は遺伝子的に改変された突然変異体であってよい。例示的なマンナナーゼとしては、限定はされないが、例えば、国際公開第2016/007929号パンフレット;米国特許第6,566,114号明細書;同第6,602,842号明細書;及び同第6,440,991号明細書:並びに米国仮特許出願第62/251516号明細書、同第62/278383号明細書、及び同第62/278387号明細書に記載されているような細菌又は真菌起源のものを含む。例示的な市販のマンナナーゼとしては、限定はされないが、MANNAWAY(登録商標)(Novozymes)、並びにEFFECTENZTMM1000、PREFERENZ(登録商標)M100、MANNASTAR(登録商標)、及びPURABRITETM(DuPont)を含む。
【0026】
更になお、また更なる実施形態は、1種以上の本質的に安定なサブチリシン変異体と1種以上のペルオキシダーゼ及び/又はオキシダーゼ酵素とを含む組成物に関する。一実施形態では、組成物は、組成物の約0.00001重量%~約10重量%、約0.0001重量%~約10重量%、約0.001重量%~約5重量%、約0.001重量%~約2重量%、又は約0.005重量%~約0.5重量%のペルオキシダーゼ又はオキシダーゼを含む。他の実施形態では、組成物は、約50ppm~500ppm、又は100ppm~約250ppm、好ましくは約130ppmのペルオキシダーゼ又はオキシダーゼを組成物中に含む。ペルオキシダーゼは、過酸化水素又はその供給源(例えば、過炭酸塩、過ホウ酸塩又は過硫酸塩)と組み合わせて使用してもよく、オキシダーゼは、酸素と組み合わせて使用してもよい。ペルオキシダーゼ及びオキシダーゼは、「漂白液」用に(即ち、洗浄液中で布地を一緒に洗う際に、染色した布地から別の布地に織物染料が移行するのを防止するために)、単独で、又は増強剤と組み合わせて使用される(例えば、国際公開第94/12621号パンフレット及び国際公開第95/01426号パンフレットを参照されたい)。例示的なペルオキシダーゼ及び/又はオキシダーゼは、化学的に又は遺伝子的に改変された突然変異体であってよい。例示的なペルオキシダーゼ/オキシダーゼとしては、限定はされないが、植物、細菌、又は真菌起源のものを含む。
【0027】
別の実施形態は、1種以上の本質的に安定なサブチリシン変異体と、例えば国際公開第2005/056782号パンフレット、国際公開第2007/106293号パンフレット、国際公開第2008/063400号パンフレット、国際公開第2008/106214号パンフレット、及び国際公開第2008/106215号パンフレットに記載されているような、1種以上のペルヒドロラーゼとを含む組成物に関する。
【0028】
また更なる実施形態は、1種以上の本質的に安定なサブチリシン変異体と1種以上のデオキシリボヌクレアーゼ(DNase)とを含む組成物に関する。一実施形態では、組成物は、組成物の約0.00001重量%~約10重量%、約0.0001重量%~約10重量%、約0.001重量%~約5重量%、約0.001重量%~約2重量%、又は約0.005重量%~約0.5重量%のDNaseを含む。他の実施形態では、組成物は、約50ppm~500ppm、又は100ppm~約250ppm、好ましくは約130ppmのデオキシリボヌクレアーゼを組成物中に含む。アルカリ性溶液中で使用するのに好適な任意のDNaseが、このような組成物中に含まれることが有用であり得る。任意のDNaseは、化学的に又は遺伝子的に改変された突然変異体であってよい。例示的なDNaseとしては、限定はされないが、例えばバチルス(Bacillus)種から得ることができるDNase;特に、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、又はバチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)から得ることができるDNaseなどの細菌又は真菌起源のものを含む。このようなDNaseの例は、国際公開第2011098579号パンフレット、国際公開第2017059802号パンフレット、又は国際公開第2014087011号パンフレットに記載されている。
【0029】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、酵素安定剤を実質的に含まず、好ましくは酵素安定剤を全く含まない。いくつかの実施形態では、組成物は、洗剤組成物全体の約0.5重量%未満のプロテアーゼ安定剤、洗剤組成物全体の約0.4重量%、0.3重量%、0.2重量%、0.1重量%、0.05重量%、又は0.01重量%未満のプロテアーゼ安定剤を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、無機酵素安定剤を実質的に含まないか、又は全く含まない。いくつかの実施形態では、組成物は、カルシウム及び/又はマグネシウムイオンの水溶性供給源である酵素安定剤を実質的に含有しないか、又は全く含有しない。いくつかの実施形態では、酵素安定剤として、オリゴ糖、多糖、及び無機二価金属塩、例えばカルシウム塩などのアルカリ土類金属塩を含む。いくつかの実施形態では、酵素は、亜鉛(II)、カルシウム(II)及び/又はマグネシウム(II)イオンを酵素に提供する、最終組成物中におけるこのようなイオン、並びに他の金属イオン(例えば、バリウム(II)、スカンジウム(II)、鉄(II)、マンガン(II)、アルミニウム(III)、スズ(II)、コバルト(II)、銅(II)、ニッケル(II)及びオキソバナジウム(IV))の水溶性供給源の存在により安定化されない。塩化物及び硫酸塩もまた、一部の実施形態に使用される。例示的なオリゴ糖及び多糖(例えば、デキストリン)は、例えば国際公開第07/145964号パンフレットに記載されている。
【0031】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、ホウ素含有化合物(例えば、ホウ酸塩、4-ホルミルフェニルボロン酸、及びフェニルボロン酸誘導体(例えば、国際公開第96/41859号パンフレットに記載のものなど))、並びに/又は、例えば、国際公開第2009/118375号パンフレット及び国際公開第2013004636号パンフレットに更に記載されているようなペプチドアルデヒドなどの可逆的プロテアーゼ阻害剤を実質的に含まないか、又は全く含まない。
【0032】
他の実施形態では、本明細書で提供される1種以上の組成物は、酵素安定剤又はペプチド阻害剤を含有しない、又は量を低減させた酵素安定剤及びペプチド阻害剤、例えばペプチドアルデヒド又はフェニルボロン酸、又はそれらの誘導体を含有する。即ち、本明細書に提供される組成物で使用されるサブチリシン変異体は、酵素安定剤若しくはペプチド阻害剤のない、又は量を低減させた酵素安定剤若しくはペプチド阻害剤を含有する組成物中の言及したサブチリシンに関して改善された安定性を有する。
【0033】
ペプチドアルデヒドは、上述したように、洗剤配合物におけるプロテアーゼ安定剤として使用されてきた(国際公開第199813458号パンフレット、国際公開第2011036153号パンフレット、米国特許出願公開第20140228274号明細書)。ペプチドアルデヒド安定剤の例は、ペプチドアルデヒド、ケトン、又はハロメチルケトンであり、例えばウレイド、カルバメート、若しくは尿素部分によって「Nキャップ」されてもよく、又は、例えばカルボニル、ウレイド、オキサミド、チオウレイド、ジチオオキサミド、若しくはチオオキサミド部分によって「二重にNキャップ」されてもよい(欧州特許第2358857B1号明細書)。プロテアーゼ安定剤のその他の例は、ベンゾフェノン又は安息香酸アニリド誘導体であり、これらはカルボキシル基を含み得る(米国特許第7,968,508B2号明細書)。
【0034】
プロテアーゼ安定剤としては、典型的には、ハロゲン化物のカリウム塩、硫酸塩、亜硫酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、硝酸塩、亜硝酸塩、リン酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、及びこれらの混合物からなる群から選択されるようなもの、好ましくは塩化カリウム、硫酸カリウム、酢酸カリウム、ギ酸カリウム、プロピオン酸カリウム、乳酸カリウム及びこれらの混合物からなる群から選択されるようなもの、より好ましくは酢酸カリウム、塩化カリウム、及びこれらの混合物、最も好ましくは酢酸カリウムを含む。
【0035】
いくつかの特定の実施形態では、組成物は、プロテアーゼ阻害剤、例えばペプチドアルデヒド若しくはケトン、若しくはこれらのハイドロサルファイト付加化合物;又はフェニルボロン酸、若しくはそれらの誘導体などの酵素安定剤を全く含まないか、又は実質的に含まない。
【0036】
本明細書で提供される医療用及び歯科用洗浄組成物は、漂白系、キレート化剤、アルカノールアミン、腐食防止剤、金属イオン封鎖剤、ビルダー、消泡剤、防腐剤、染料、芳香剤、水、及びこれらの混合物などの1種以上の追加の洗剤組成物を更に含有してもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1種以上の組成物は、1種以上の漂白剤、漂白活性化剤、及び/又は漂白触媒を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1種以上の組成物は、1種以上の無機及び/又は有機漂白化合物を含む。例示的な無機漂白剤としては、限定はされないが、過水和物塩、例えば、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩、過硫酸塩、及び過ケイ酸塩を含む。いくつかの実施形態では、無機過水和物塩は、アルカリ金属塩である。いくつかの実施形態では、無機過水和物塩は、追加の保護なしに結晶性の固体として含まれるが、他のいくつかの実施形態では、塩が被覆される。漂白活性化剤は、典型的には、60℃以下の温度の洗浄過程で、漂白作用を増大させる有機過酸前駆体である。例示的な漂白活性化剤としては、過加水分解条件下で、約1個~約10個の炭素原子若しくは約2個~約4個の炭素原子を有する脂肪族ペルオキシカルボン酸、及び/又は任意選択的に置換された過安息香酸を与える化合物を含む。例示的な漂白活性化剤は、例えば、欧州特許第2100949号明細書に記載されている。例示的な漂白触媒としては、限定はされないが、マンガントリアザシクロノナン錯体及び関連錯体、並びにコバルト錯体、銅錯体、マンガン錯体、及び鉄錯体を含む。更なる例示的な漂白触媒は、例えば米国特許第4,246,612号明細書;米国特許第5,227,084号明細書;米国特許第4,810,410号明細書;国際公開第99/06521号パンフレット;及び欧州特許第2100949号明細書に記載されている。
【0038】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1種以上の組成物は、1種以上の触媒金属錯体を含む。いくつかの実施形態では、金属含有漂白触媒が使用される。いくつかの実施形態では、金属漂白触媒は、所定の漂白触媒活性の遷移金属カチオン(例えば、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガンカチオン)、漂白触媒活性を殆ど又は全く有しない補助金属カチオン(例えば、亜鉛又はアルミニウムカチオン)、並びに触媒及び補助金属カチオンに対して所定の安定性定数を有する封鎖剤、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四(メチレンホスホン酸)、及びこれらの水溶性塩を含む触媒系を含む(例えば、米国特許第4,430,243号明細書を参照されたい)。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1種以上の組成物は、マンガン化合物によって触媒される。このような化合物及び使用量は、例えば、米国特許第5,576,282号明細書に記載されている。更なる実施形態では、コバルト漂白触媒が使用され、本明細書に記載の1種以上の組成物に含まれる。各種コバルト漂白触媒は、例えば、米国特許第5,597,936号明細書及び同第5,595,967号明細書に記載されている。
【0039】
いくつかの更なる実施形態では、本明細書に記載の1種以上の組成物は、大多環状の剛性配位子(MRL)の遷移金属錯体を含む。実際問題として、限定としてではなく、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物及び洗浄プロセスは、洗浄液中に少なくとも1億分の1のオーダーで、約0.005ppm~約25ppm、約0.05ppm~約10ppm、又は約0.1ppm~約5ppmの活性MRLを提供するように調節される。例示的なMRLとしては、限定はされないが、5,12-ジエチル-1,5,8,12-テトラアザビシクロ(6.6.2)ヘキサデカンなどの架橋されている特殊な超剛性配位子を含む。例示的な金属MRLは、例えば国際公開第2000/32601号パンフレット及び米国特許第6,225,464号明細書に記載されている。
【0040】
別の実施形態では、本明細書に記載の1種以上の組成物は、1種以上の金属ケア剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の約0.1重量%~約5重量%の金属ケア剤を含む。例示的な金属ケア剤としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、及び非鉄金属(例えば、銀及び銅)を含む。更なる例示的な金属ケア剤は、例えば、欧州特許第2100949号明細書、国際公開第94/26860号パンフレット、及び国際公開第94/26859号パンフレットに記載されている。いくつかの組成物では、金属ケア剤は亜鉛塩である。
【0041】
洗浄方法
本明細書においては、医療用又は歯科用器具を洗浄するための方法も提供される。一実施形態では、方法は、医療用又は歯科用器具を洗浄するための洗剤に、医療用又は歯科用器具を接触させることであって、組成物が約1重量%~15重量%の非イオン性界面活性剤と、約0.5重量%~15重量%の本質的に安定なサブチリシン変異体とを含み、組成物に実質的な量の酵素安定剤を含まないことと、器具の汚れを低減又は除去するのに十分な期間、器具を接触させておくことと、任意選択的に器具をすすぐこととを含む。
【0042】
別の実施形態では、方法は、医療用又は歯科用器具を洗浄するための洗剤に、医療用又は歯科用器具を接触させることを含み、組成物は組成物全体の約1重量%~約15重量%の非イオン性界面活性剤と、約250~約10000ppmの本質的に安定なサブチリシン変異体とを含み、プロテアーゼ安定剤を実質的に含まない。
【0043】
別の実施形態では、方法は、組成物が約1重量%~15重量%の非イオン性界面活性剤と、約0.5重量%~15重量%の本質的に安定なサブチリシン変異体とを含み、組成物に実質的な量の酵素安定剤を含まない、医療用又は歯科用器具を洗浄するための洗剤に、医療用又は歯科用器具を浸漬することと、器具の汚れを低減又は除去するのに十分な期間、器具を浸漬することと、任意選択的に器具をすすぐこととを含む。
【0044】
更に別の実施例では、方法は、医療用又は歯科用器具を洗浄するための洗剤に、医療用又は歯科用器具を浸漬することを含み、組成物は、約1重量%~15重量%の非イオン性界面活性剤と、約250~約10000ppmの本質的に安定なサブチリシン変異体とを含み、組成物は実質的な量の酵素安定剤を含まない。
【0045】
本明細書で提供される方法は、例えば室温~約90℃、好ましくは約20℃~約90℃、より好ましくは約30℃~約80℃、約30℃~約70℃、又は約40℃~約60℃の温度条件の範囲の下で実施することができる。医療用及び歯科用器具の浸漬は、トレイ、浴槽、皿、若しくはシンク内での機械的動作(振盪若しくは撹拌など)の有無に関わらず実施してもよく、又は器具洗浄機によるような噴霧によって、超音波処理、カート若しくはケージ洗浄機での処理によって、噴霧若しくは発泡体のいずれかとして手持ちのボトルでの手動による塗布によって、或いは実験室用ガラス機械洗浄機での機械的な洗浄によって実施してもよい。
【0046】
本明細書で提供される方法の接触及び浸漬工程は、医療用又は歯科用器具を洗浄するのに必要となる任意の時間実施してもよい。いくつかの実施形態では、接触又は浸漬工程を少なくとも1分間実施する。別の実施形態では、接触又は浸漬工程を約1分~約60分間実施する。更に他の実施形態では、接触又は浸漬工程を最大で24時間、又は1分~24時間実施する。
【0047】
本明細書で提供される方法は一般に、中性からアルカリ性条件下で実施される。一実施形態では、方法は、約7~約10のpHで実行される。
【0048】
本明細書で使用する場合、「浸漬する」とは、医療用及び歯科用器具を組成物で濡らすこと、又はそのような器具をしばらくの間洗浄組成物中に浸すか、若しくは部分的に浸すこと、又は両者の組み合わせを意味する。医療用又は歯科用器具は、器具の一部だけを洗浄する必要がある場合、単に部分的に洗浄組成物に浸漬させてもよい。例えば、そのことが電子回路又は他の電気部品を水性の洗浄組成物と接触させることを避けるために望ましい場合がある。
【0049】
いくつかの実施形態では、医療用及び歯科用器具は、本明細書で提供される組成物中に医療用又は歯科用器具を接触させるか又は浸漬した後に、例えば水ですすがれる。
【0050】
本明細書で提供される方法は、血液、血液成分、血液タンパク質、フィブリン、アルブミン、及び/又はヘモグロビンなどの、プロテアーゼによって分解可能な汚れの全て、又はほぼ全てを除去することができる。
【0051】
本明細書で提供される組成物を使用して洗浄、洗濯、及び/又は浸漬することができる医療用及び歯科用器具には、酵素洗浄組成物による洗浄から恩恵を受けることができる種々の医療用若しくは歯科用器具又はデバイスのいずれかを含む、医療用及び歯科用デバイス、器具、又は機器が含まれる。一実施形態では、医療用及び歯科用器具としては、例えば医療又は歯科医療に使用される器具、デバイス、工具、電気機器、装置、及び機器が挙げられ、非加熱殺菌することができるもの、浸漬若しくは洗浄され、次いで加熱殺菌することができるもの、又は別様に、開示された組成物中で洗浄することにより恩恵を受けることができるものを含む。これらの種々の器具、デバイス及び機器としては、限定はされないが、診断器具、トレイ、皿、ホルダー、ラック、鉗子、鋏、剪刀、鋸(例えば、骨鋸及びそれらの刃)、血管鉗子、ナイフ、チゼル、骨鉗子、ファイル、ニッパー、ドリル、ドリルビット、やすり、バー、開大器、破砕機、エレベータ、クランプ、持針器、キャリア、クリップ、フック、ゲージ、キューレット、開創器、ストレイテナー、パンチ、抽出器、匙、角膜切開刀、スパチュラ、圧潰器、外套針、拡張器、ケージ、ガラス製品、チューブ、カテーテル、カニューレ、栓子、ステント、内視鏡、関節鏡、及び関連機器等、又はそれらの組み合わせを含む。
【0052】
本開示の特定の好ましい実施形態及び態様を示し、説明するために以下の実施例を提示するが、限定するものとして解釈されるべきではない。
【実施例】
【0053】
実施例1:TOSI洗浄インジケータを用いて洗浄性能を証明するための方法
TOSI洗浄インジケータは、異なるタンパク源の混合物を含む血液汚れをステンレス鋼に塗布したものである。ステンレス鋼の試験片を透明なプラスチックホルダーに置き、洗浄溶液の入ったビーカーに浸した。このビーカーを50℃の水槽に入れ、300rpmにて20分間撹拌した。使用される洗剤配合物ごとに洗浄溶液のpHを測定した。
【0054】
VideometerLab4(Videometer A/S、Horsholm,Denmark)を用いてマルチスペクトル画像を使用することにより、洗浄性能を測定した。このイメージングソフトウェアによって、ステンレス鋼表面上になお存在する血液汚れの表面積を計算し、洗浄前の初期表面と比較することが可能となる。
【0055】
プロテアーゼを含有する、医療用器具洗浄用の市販の洗剤であるProlystica 2X Concentrate Enzymatic(ex.Steris)を購入し、上記で言及される方法に従って洗浄性能を評価した。プロテアーゼを不活性化するため、洗剤の一部を90℃で20分間インキュベートし、室温まで冷却した後、異なる3つのプロテアーゼを等しい含有レベルで投与した。
【0056】
TOSI洗浄インジケータにおける洗浄性能を下記の表にまとめた。洗剤は1g/Lで投与されている。
【表1】
【0057】
汚れ除去のパーセンテージ(汚れ除去%)は、洗浄後の表面積を初期表面積で割ったものと定義される。それぞれの実験を二度繰り返して行った。測定データは、この調査における3つのプロテアーゼ全てが0.1g/Lでの市販品の洗浄性能を満たすか、又はそれを上回るということを示している。低いレベルの汚れ除去は、プロテアーゼを含まない不活性化された洗剤サンプルでしか得られなかった。
実施例2:医療用器具洗浄洗剤のための組成物及びプロテアーゼの生化学的安定性
【表2】
【0058】
含有レベルは、酵素を除いては「そのままの」重量%で与えられる(活性酵素タンパク質の単位はppm)。
1)Kathon LX 150 ex DOW
2)サブチリシン変異体1(SQCBV419、国際公開第2017210295号パンフレット)
3)PREFERENZ(登録商標)S210
4)PREFERENZ(登録商標)L100
【0059】
洗剤サンプルを37℃で2週間及び4週間インキュベートした後、N-suc-AAPF-pNA基質の加水分解を測定することによって(又は国際公開第2017210295号パンフレットに記載されているようなAAPFによる方法によって)、残留プロテアーゼ活性を試験した。残留プロテアーゼ活性を初期活性で割り、パーセンテージで表した。
【表3】
【0060】
データは、市販のプロテアーゼが、特に配合物Aに投与された場合、37℃で4週間保存したときに、プロテアーゼ安定剤がないために低い残留活性を有することを示している。市販のプロテアーゼをペプチドアルデヒド安定剤と共に使用すると、それぞれ75%又は74%の残留安定度を達成することができる。配合物Aに関しては、安定なプロテアーゼ変異体2が同等の安定性プロファイルを達成することができるが、配合物Bでは、それぞれの安定なプロテアーゼ変異体が、プロテアーゼ安定剤の不在下でより一層の安定性を保持することができる。
【0061】
それらの特定の実施形態と連動して本開示を説明してきたが、多くの代替、変更及び変形が当業者にとって明らかとなることは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨及び広範な範囲に含まれるこのような全ての代替、変更及び変形を包含することが意図される。
【0062】
本明細書に言及される全ての出版物、特許及び特許出願が、それぞれの個々の出版物、特許又は特許出願が具体的且つ個々に参照により本明細書に組み込まれると指示されたものとして、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。加えて、本出願の任意の参照の引用又は表示は、そのような参照が本開示に対する先行技術として利用可能であることを認めるものであると解釈すべきではない。見出しとなる項が使用される範囲で、それらは必ずしも限定するものとして解釈されるべきではない。
【国際調査報告】