(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(54)【発明の名称】金属加工プレス又はその他の機械と使用可能な機械加工工具又はその他の工作器具のための駆動システム
(51)【国際特許分類】
B23G 3/00 20060101AFI20220104BHJP
B21D 28/36 20060101ALI20220104BHJP
B23G 1/44 20060101ALI20220104BHJP
B23G 1/46 20060101ALI20220104BHJP
F16N 7/14 20060101ALI20220104BHJP
F16N 7/36 20060101ALI20220104BHJP
F16H 37/16 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
B23G3/00 Z
B21D28/36 Z
B23G1/44 D
B23G1/46 D
F16N7/14
F16N7/36
F16H37/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021517819
(86)(22)【出願日】2019-09-30
(85)【翻訳文提出日】2021-05-18
(86)【国際出願番号】 US2019053919
(87)【国際公開番号】W WO2020069537
(87)【国際公開日】2020-04-02
(32)【優先日】2018-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500522149
【氏名又は名称】ウィルソン トゥール インターナショナル インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ジェイ.ローズ
(72)【発明者】
【氏名】ダミアン オブライエン-ジョーンズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン エム.シモタ
【テーマコード(参考)】
3J062
4E048
【Fターム(参考)】
3J062AA21
3J062AB06
3J062AB32
3J062AC07
3J062AC09
3J062CG95
4E048MA10
4E048MA11
(57)【要約】
金属加工プレス又はその他の機械と使用される工具用の駆動システムであって、システムにおいて、遊星歯車が使用され、駆動システムは、雌ネジ切り工具などの特定の工作器具と使用するように構成され、相補的システムがこのような駆動システムと使用するように構成できる。駆動システムは、従来の駆動機構に比べて強化された工具出力を可能すると同時に、意図される機械加工作業に関してシステムの可変的分解および構成を可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属加工プレス又はその他の機械と使用可能な工作器具のための駆動ユニットであって、
第1部分及び第2部分であって、前記第2部分が前記第1部分に対して移動可能であるように前記第1部分に作動可能に連結されており、下向きの力が前記第1部分に接触して、前記第2部分と剛性構造体との間に接触が生じた場合、結果として前記第1部分に対する前記第2部分の上向き移動が生じる、第1部分及び第2部分と、
工作用組立体と、
前記工作用組立体に作動可能に連結された歯車装置構成と、
前記第1部分又は前記第2部分の一方に前記歯車装置構成を作動可能に連結するヘリックスドライブと、
を備え、
前記第2部分の前記上向き移動の場合、結果としてこれに対応する力の転換が生じて、入力線形力が出力回転力に転換され、前記力の転換が、前記連結、及び前記第1部分又は前記第2部分の前記一方と前記ヘリックスドライブの相互に対する対応する移動から生じる、
駆動ユニット。
【請求項2】
前記ヘリックスドライブが、前記第2部分に対して回転可能であって、前記ヘリックスドライブの回転が、前記第2部分の前記上向き移動によって誘発される、請求項1に記載の駆動ユニット。
【請求項3】
前記ヘリックスドライブが、ステムを備え、前記ステムが、前記ステムの周りにかつ前記ステムの長さに沿って上向きに湾曲する複数の溝を持つように形成された外面を持ち、
前記第2部分が、各々前記第2部分に堅固に固定された複数のベアリングを備え、前記ベアリングが、前記ヘリックスドライブステムの前記溝内にそれぞれ受け入れられており、
前記ベアリングが、前記第1部分に対する前記第2部分の前記上向き移動の際、前記ヘリックスドライブステムの前記溝に沿って上向きに移動するように導かれ、前記第2部分に対する前記ヘリックスドライブステムの前記回転に対応する、
請求項2に記載の駆動ユニット。
【請求項4】
前記ヘリックスドライブの前記ステムが、前記駆動ユニットにおいて前記歯車装置構成の下方に位置する、請求項3に記載の駆動ユニット。
【請求項5】
前記第2部分が前記ヘリックスドライブステムを受け入れるサイズの凹部を持つように形成され、前記ベアリングが、前記凹部を形成する前記第2部分の対応する内面から延び、前記ベアリングが前記内面の周りで離間し、これに応じて前記ヘリックスドライブステムの前記対応する溝の中へ延びる、請求項3に記載の駆動ユニット。
【請求項6】
前記歯車装置構成が、遊星歯車装置を備え、前記遊星歯車装置の入力歯車又は輪歯車が、前記ヘリックスドライブに作動可能に連結されて、前記ヘリックスドライブの前記回転が前記入力歯車の同じ回転に対応する、請求項2に記載の駆動ユニット。
【請求項7】
前記ヘリックスドライブが、前記ヘリックスドライブから延びるケーシングを備え、前記入力歯車が前記ケーシング内部に位置し前記ケーシングに連結される、請求項6に記載の駆動ユニット。
【請求項8】
前記入力歯車の回転が、結果として前記遊星歯車装置の出力歯車のより大きい回転となり、前記出力歯車が前記工作用組立体に作動可能に連結されて、前記出力歯車の回転が前記工作用組立体の同じ回転に対応する、請求項6に記載の駆動ユニット。
【請求項9】
前記遊星歯車装置が、前記入力歯車を前記出力歯車と作動可能に連結する1組又は複数組の中間歯車又は遊星歯車を備えて、前記入力歯車の前記回転が、前記1組又は複数組の中間歯車のより多数の回転に対応し、前記1組又は複数組の中間歯車の前記回転が、前記出力歯車のより多数の回転に対応する、請求項8に記載の駆動ユニット。
【請求項10】
前記工作用組立体が、一方の端部において前記遊星歯車装置の前記出力歯車に連結するインサートを備え、前記インサートの他方の端部が工具に連結されるように構成される、請求項8に記載の駆動ユニット。
【請求項11】
更に前記工具を備え、前記工具が雌ネジ切り工具であり、前記剛性構造体が、前記雌ネジ切り工具によって機械加工される材料である、請求項10に記載の駆動ユニット。
【請求項12】
前記第1部分が前記駆動ユニットの上部分であり、前記第2部分が前記駆動ユニットの下部分である、請求項1に記載の駆動ユニット。
【請求項13】
金属加工プレス又はその他の機械と使用可能な工作器具のための駆動ユニットであって、
上部分及び下部分であって、前記下部分が前記上部分に対して移動可能であるように前記上部分に作動可能に連結されており、下向きの力が前記上部分に接触して、前記下部分と剛性構造物との間に接触が生じた場合、結果として前記上部分に対する前記下部分の上向き移動が生じる、上部分及び下部分と、
前記下部分に作動可能に連結された遊星歯車装置と、
前記遊星歯車装置に作動可能に連結された工作用組立体と、
を備え、
前記下部分の前記上向き移動が、前記遊星歯車装置の歯車の回転を誘発し、
前記遊星歯車装置の入力歯車又は輪歯車の回転が、前記遊星歯車装置の出力歯車又は太陽歯車のより多数の回転に対応し、かつ前記出力歯車が、前記工作用組立体に作動可能に連結されて、前記出力歯車の回転が前記工作用組立体の同じ回転に対応する、
駆動ユニット。
【請求項14】
更に、前記遊星歯車装置を前記下部分に作動可能に連結するヘリックスドライブを備え、前記ヘリックスドライブが、前記入力歯車に作動可能に連結され、前記ヘリックスドライブの回転が、前記入力歯車の同じ回転に対応する、請求項13に記載の駆動ユニット。
【請求項15】
前記ヘリックスドライブが、前記ヘリックスドライブから延びるケーシングを備え、前記入力歯車が前記ケーシング内部に位置し前記ケーシングに連結される、請求項14に記載の駆動ユニット。
【請求項16】
前記遊星歯車装置が、前記入力歯車を前記出力歯車と作動可能に連結する1組又は複数組の中間歯車又は遊星歯車を備え、前記入力歯車の前記回転が前記1組又は複数組の中間歯車のより多数の回転に対応し、前記1組又は複数組の中間歯車の前記回転が、前記出力歯車のより多数の回転に対応する、請求項13に記載の駆動ユニット。
【請求項17】
各組の中間歯車が、前記入力歯車の中心にかつ前記入力歯車の周りに等間隔に配列された3つの歯車を備える、請求項16に記載の駆動ユニット。
【請求項18】
前記1組又は複数組の中間歯車が、2組の中間歯車であり、第1組の中間歯車が、前記入力歯車を第2組の中間歯車に連結し、前記第2組の中間歯車が前記第1組の中間歯車を前記出力歯車に連結し、それにより、前記入力歯車から前記出力歯車への回転比率が、1/3回転対7回転である、請求項16に記載の駆動ユニット。
【請求項19】
前記下部分の前記上向き移動の際、結果として対応する力の転換が生じて、入力線形力が出力回転力に転換され、前記力の転換が、前記連結及び前記下部分と前記ヘリックスドライブの相互に対する対応する移動の結果生じる、請求項14に記載の駆動ユニット。
【請求項20】
前記ヘリックスドライブが前記下部分に対して回転可能であり、前記ヘリックスドライブの回転が、前記下部分の前記上向き移動によって誘発される、請求項19に記載の駆動ユニット。
【請求項21】
前記工作用組立体が、一方の端部で前記遊星歯車装置の前記出力歯車に連結するインサートを備え、前記インサートの他方の端部が工具に連結されるように構成される、請求項13に記載の駆動ユニット。
【請求項22】
更に前記工具を備え、前記工具が雌ネジ切り工具であり、前記剛性構造体が、前記雌ネジ切り工具によって機械加工される材料である、請求項21に記載の駆動ユニット。
【請求項23】
金属加工プレス又はその他の機械と使用可能な工作器具に使用するための潤滑システムであって、
機械加工プレスによる機械加工対象の材料の下方に配置されるように構成されたハウジングであって、前記ハウジングが、潤滑剤貯留槽を形成する中央の凹部を有し、前記ハウジングが押下げられたとき前記凹部から前記機械加工対象の材料への潤滑剤の上向き放射を誘発する押下げ可能上面を有する、ハウジング、
を備える、潤滑システム。
【請求項24】
前記ハウジングがダイを備え、前記ダイの上面が、工具駆動ユニットによる前記機械加工対象の材料に対する対応する力の結果として生じる前記材料による下向き接触によって誘発するために押し下げられるように構成される、請求項23に記載の潤滑システム。
【請求項25】
前記潤滑システムが、雌ネジ切り工具のための駆動ユニットのために構成され、前記機械加工対象の材料への潤滑剤の前記上向き放射が、事前穿孔された孔の下及び上への前記潤滑剤の塗布、ならびに前記事前穿孔された孔の内部に形成されるエリアへの前記潤滑剤の塗布を含む、請求項24に記載の潤滑システム。
【請求項26】
更に、前記潤滑剤貯留槽内に収容されるピストン及び弁を備え、前記上面の押し下げが、前記貯留槽内の前記ピストンの下向き移動に対応し、かつ、前記弁を介した前記貯留槽からの前記潤滑剤の前記上向き放射に対応する、請求項23に記載の潤滑システム。
【請求項27】
更に、付加的潤滑剤を収容するための別の貯留槽と、前記潤滑油貯留槽を前記別の貯留槽と連結する別の弁とを備え、前記ハウジングの前記上面からの前記下向き接触が取り除されたとき、前記ピストンが、前記潤滑剤貯留槽の中で上昇し、前記貯留槽内の対応する真空が、結果として前記別の弁を介して前記貯留槽への更なる潤滑剤の付加を生じる、請求項26に記載の潤滑システム。
【請求項28】
金属加工プレス又はその他の機械と使用可能な工具組立体であって、
上部分及び下部分であって、前記上部分と下部分が作動可能に結合される、上部分及び下部分と、
前記上部分に作動可能に結合され、機械のラムストロームから接触して下向き移動するように構成された頭部分と、
ヘリックスドライブ及び前記ドライブに作動可能に結合されたトランスミッション組立体を備える駆動ユニットであって、前記頭部分が前記ヘリックスドライブに作動可能に結合される、駆動ユニットと、
前記トランスミッション組立体に作動可能に連結された工作用組立体と、
を備え、
前記機械のラムストロークからの前記頭部分の下向き線形運動が、結果として前記頭部分に対する前記ヘリックスドライブの回転運動を生じて、前記ヘリックスドライブの前記回転運動が、結果として前記トランスミッション組立体の強化された回転運動を生じ、前記トランスミッション組立体の前記強化された回転運動が、結果として前記工作用組立体の対応する回転運動を生じる、
工具組立体。
【請求項29】
前記トランスミッション組立体が遊星歯車装置で構成される、請求項28に記載の工具組立体。
【請求項30】
前記トランスミッション組立体が、前記ヘリックスドライブから取外し可能であるモジュール式である、請求項28に記載の工具組立体。
【請求項31】
前記ヘリックスドライブが、前記ドライブの長さと同様の傾斜する溝を持つように形成される、請求項28に記載の工具組立体。
【請求項32】
前記頭部分が、前記ドライブの回転を増減又は維持するように前記ヘリックスドライブ溝と協働する1組又は複数組の溝を持つように形成される、請求項31に記載の工具組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年9月30日に提出された米国仮特許出願第62/739339号(その教示は参照により本明細書に援用される)に対する優先権を主張する。
【0002】
本発明は、概略的に、金属加工機械、及びその工作のためにこれと使用される駆動システム並びに駆動システムと使用可能なその他のシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
シートメタル及びその他の工作物は、多様な有用な製品に加工できる。通常採用される加工(即ち、製造)プロセスは、シートメタル及びその他の工作物の曲げ、折り及び穴形成を伴う。このようなプロセスに使用される設備は、タレットプレス及びその他の工業用プレス(シングルステーションプレスなど)、トルンプ型機械(Trumpf style machines)及びその他のレール型システム、プレスブレーキ、シートフィードシステム、コイルフィードシステム及びシート材料を穿孔又はプレスするためのその他のタイプの加工設備を含めて多種を含む。
【0004】
タレットプレスに関しては、回転式上部テーブル即ち複数の工具(例えば、パンチ)を支える「タレット」と、例えば複数のダイを支える回転式下部テーブル/タレットと、を含むことが知られている。上部テーブル上の特定の雄型パンチが下部テーブル上の特定の雌型ダイと整列する位置まで上部及び下部テーブルが回されると、この2つの間の工作物(例えば、シートメタル)は、パンチが工作物を変形するようにパンチを工作物と接触するように下向きに移動することによって、機械加工(穿孔、曲げなど)できる。パンチの下向きの移動は、ラムがパンチに上部に衝突したときに生じる。ダイは、通常、凹部を有し、その中へ、穿孔作業中パンチの先端が突出する。いくつかの事例において、パンチの下りストロークのとき穴が穿たれ、パンチの先端は、シートメタルをせん断できる(このプロセスにおいて、ダイの中央凹部の中まで延びることができる)。これと比較して、シングルステーションパンチは、タレットを持たず、工作物をプレスするためのシングルステーションを持つ。
【0005】
周知のように、いくつかの事例において、金属加工プレスは、機械加工に使用するために回転する必要がある工作器具(雌ネジ切り工具(tapping tools)など)と使用されるように設計できる。例えば、雌ネジ切り工具は(パンチ工具とは異なり)、工作物にスクリューネジ部を生成するためのものである。したがって、雌ネジ切り工具(又は「タップ」)は、噛み合う対のうち雌型部分をカット又は形成するために使用される(例えば、ナット)。タップを使用する場合(この場合にもパンチ工具の使用とは異なり)工作物へ向かって直線的に駆動されるときタップのラジアル又は回転運動を必要とする(プレスラムの下りストロークによって)。逆に、このようなタップと一緒にダイを使用する場合、ダイは、主に、雌ネジ切りプロセス中シートメタルの支持体として役立つ。
【0006】
引き続き従来の雌ネジ切り工具に焦点を当てると、このような工具をプレスと一緒に使用することには問題があった。例えば、プレスのためのラムストローク距離は限定される可能性がある。したがって、雌ネジ切り工具のために発生する出力(例えば回転量)も限定される可能性がある。更に、従来の工具(駆動)組立体の場合、タップは、対応する雌ネジ切り機構によって生じる回転力からかなりの量のトルク及びせん断応力を受ける可能性がある。その結果生じる機構の構成要素の回転運動は、タップに作用し、これに応じてタップを回転させる。時間を経ると、トルク及びせん断力の結果、使用される工作物材料及び機構によって発生する力の規模に応じて、機械加工時にその長さに沿ってタップは変形(又はせん断)する可能性がある。更に、その機械加工作業のために工具に発生する力の規模に対して、工具がこれに応じた力を受けることなく、この力を効果的に伝えて出力(タップの場合には回転)を最大化することが、これまでは難しかった。
【0007】
この数年間、上記の問題に対処するために多くの設計がなされてきた。例えば、特定の設計は、ラムの降下の結果として回転しこれに応じてタップを回転させるリードスクリューを使用するものであり、タップの下向きの変位は、リードスクリュー及びタップの両方がピッチ組立体とネジ式連結を持つことによって可能になる。他の設計は、電動手段(モーター)を含むこと又はプレスの自動インデクシング機能を使用することが知られている。
【0008】
但し、上述の設計は効果的ではあったが、それでもタップに大きな力が伝えられ、それに応じる出力量(少なくとも回転に関して)が限定されている。上述の問題並びに他の問題に対処するタップ駆動システムの必要性、及びその際金属加工プレスと使用可能な効果的かつ効率的なシステムを提供する必要性が、残る。但し、このような必要性に対処する際、このような解決法は、更にこのようなプレス及びその他の機械と一緒に使用される他の工作器具に並びに(おそらく)プレス及び機械の意図される他の機能に、応用可能であり拡大できることが、分かった。
【発明の概要】
【0009】
本発明の実施形態は、金属加工プレス又はその他の機械と使用される工具のための駆動システムを含み、システムには遊星歯車が使用される。実施形態のいくつかは、雌ネジ切り工具など特定の工作器具と使用するように構成される駆動システムに関する。更なる実施形態は、好ましくはこのような駆動システムと使用するように構成された相補的システムを含む。駆動システムの実施形態は、従来の駆動機構と比べて強化された工具出力を可能にする。実施形態のいくつかは、意図される機械加工作動に関して駆動システムの可変的分解及び構成も可能にする。
【0010】
下記の図面は、本発明の特定の実施形態を例示し、したがって本発明の範囲を限定しない。図面は、必ずしも縮尺通りではなく(特に明示しない限り)、下記の発明を実施するための形態の説明と一緒に使用することを意図する。本発明の実施形態は、以下で添付図面に関連して説明する。図面において同様の番号は同様の要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の特定の実施形態に従った、有利な側面から見た駆動ユニットの斜視図である。
【
図2】
図2は、有利な上面から見た
図1の駆動ユニットの内部図である。
【
図3】
図3は、有利な側面から見た
図1の駆動ユニットの内部図である。
【
図4】
図4は、
図1の駆動ユニットの選択された構成要素の分解図である。
【
図5】
図5は、線V-Vに沿って見た
図1の駆動ユニットの断面斜視図であり、駆動ユニットは、本発明の特定の実施形態に従って雌ネジ切り工具に使用するために構成されこれを採用する。
【
図7】
図7は、
図5の駆動ユニット及び本発明の特定の実施形態にしたがってこれと使用されるダイの立面断面図であり、駆動ユニットの断面は
図5に示すのと同じであり、同様にダイに関しても示す。
【
図8】
図8は、本発明の特定の実施形態に従った上部分及び下部分に関する対応する構成要素に関する代替レイアウトの駆動ユニットを示す。
【
図9】
図9は、本発明の特定の実施形態に従った好ましい駆動ユニットを持つ工具組立体の分解図である。
【
図10】
図10は、本発明の特定の実施形態に従って組み立てられた
図9の工具組立体の側面の断面図である。
【
図12】
図12は、組み立てられた状態の
図9の工具組立体の側面部分図であり、ユニットの上部の内部図を示す。
【
図13】
図13は、組み立てられた状態の
図9の工具組立体の別の側面部分図であり、ユニットの上部分及び頭部の内部図を示す。
【
図14】
図14は、本発明の特定の実施形態にしたがったヘリックスドライブの側面図である。
【
図15】
図15は、本発明の特定の実施形態に従った線XV-XVに沿って見た
図19の工具組立体の上部分の断面図である。
【
図18】
図18は、本発明の特定の実施形態に従ったヘリックスドライブの別の設計の側面図である。
【
図19】
図19は、本発明の特定の実施形態に従って組み立てられた状態の
図9の工具組立体の変形設計の側面部分図であり、ユニットの上部分の内部図を示す。
【
図20】
図20は、本発明の特定の実施形態に従って組み立てられた状態の
図9の工具組立体の別の変形設計の側面部分図であり、ユニットの上部分の内部図を示す。
【
図21】
図21は、本発明の特定の実施形態に従って組み立てられた状態の
図9の工具組立体の更なる変形設計の側面部分図であり、ユニットの上部分の内部図を示す。
【
図22】
図22は、本発明の特定の実施形態に従ったネジ切りヘリックス及び頭部分との内部ネジ切りカップリングを使用する工具組立体の側面部分断面図である。
【
図23】
図23は、本発明の特定の実施形態に従ったネジ切りヘリックス及び頭部を持つ内部ネジ切りカップリングを使用する更なる工具組立体の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
下記の詳細な説明は、本質的に代表的なものであり、本発明の範囲、適用または構成を限定するためのものではない。むしろ、下記の説明は、本発明の好ましい実施形態を実現するためのいくつかの実践的例証を示す。構成、材料、寸法及び製造プロセスの実施例が、いくつかの選択された要素のために示されるが、その他の要素は、本発明の分野の当業者には既知のものを採用する。当業者には、記載される実施例の多くが多様な適切な代替物を持つことが分かるだろう。
【0013】
図1は、本発明の特定の実施例に従った駆動ユニット100の斜視図であり、駆動ユニット100は、その中に装填された工具を駆動するように構成される。本明細書において更に詳述するように、このような工具は、例えば雌ネジ切り工具(「タップ」)101(
図5及び7において最も明確に示される)である。図示するように、駆動ユニット100は、全体ハウジング102を使用することによって形状は比較的コンパクトである。特定の実施形態において、ハウジング102は、複数の相互に結合された層で形成され、その各々が、ユニット100の対応する構成要素を保持するために別個の外側ハウジング構造によって収容される。コンパクトな形状だと、駆動ユニット100は、特定の実施形態において、新規でも既存でも、工具が駆動ユニット100に装填されたとき提供できる機械加工作業を保証する多様な金属加工プレス又はその他の機械のいずれとでも使用できるように作ることができる。駆動ユニット100で改装できそうなこの種の1つの機械はタレットプレスを含み、ユニット100は、単にその中に(例えば、上部テーブルの穴の中に)入れれば良いが、プレスの場合、ユニットの設計は、シングルステーション、トルンプ型機械及びその他のレール型システム、プレスブレーキ、シートフィードシステム、コイルフィードシステム、並びにシート材料を穿孔又はプレスするための他のタイプの加工設備を含めて、多様な任意の工業用プレスのタイプにも使用できる。
【0014】
更に、
図1を見ると、駆動ユニット100は、金属加工機械内で使用されるときと同じ向きで示される。例えば、ユニット100の上部分104は、垂直に下向きに駆動される(駆動力Aによって、例えばラムストローク)ように構成され、ユニット100の下部分106は、それに応じて垂直に下向きに駆動されて、加工対象の材料103(例えば、シートメタル103、
図7)など下に在る構造体に接触する。本明細書において後に説明するように、下部分106は、上部分104に対して垂直に移動可能であるように上部分104に作動可能に連結される。したがって、下に在る構造体に接触すると、下部分106は、内部的にユニット100から工具の突出を誘発(trigger)し、同時に工具がその機械加工機能のためにユニット100によって回転されるように、垂直に上向きに(この場合も下部分104に対して)駆動される。このように、特定の実施形態において、前記下部分106は、上部分104に対する上向き線形駆動力ゆえにユニット100の駆動部分と呼ぶことができる。また更に説明するように、駆動ユニット100は、この線形力(例えば、元々機械加工対象の材料など下に在る構造体に対するユニット100の下向き移動から派生する)を回転力(ユニット100に配置された工具を回転するため)に転換する機能を果たすように構成される。
【0015】
次に、典型的に駆動ユニット100を採用するように構成できる特定の工作器具タイプについて説明すると、タップは(上に説明するように)、雌ネジ切り機構から与えられる回転力からの非常に大きい量のトルク及びせん断応力に耐えることが従来知られている。更に本明細書において詳述するように、雌ネジ切り機構でタップが従来受けた回転力は、駆動ユニット100と分散して、平衡化することができるので、組立体の強度を増して、タップに対する悪影響の可能性を小さくしながら、少なくとも回転に関して工具から派生する対応する出力量を増大できる。これを実現する1つの方法は、駆動ユニット100の中に装填された工具に力を伝えるために相互接続された歯車セットを駆動ユニット100内で使用することである。ユニット100の内部図を示す
図2を参照すると、特定の実施形態において、複数の歯車セットを含む歯車装置構成は、ユニット100の上部分に配置され、これと一緒に使用される工具への力の伝達に関連して使用できる。特定の実施形態において、相互接続された歯車の歯車装置構成は、駆動ユニット100に使用するための遊星歯車装置を形成する。したがって、更に下で説明するように、駆動ユニット100の遊星歯車装置は、概略的に、駆動力Aが加えられた後にかつユニット100内に装填された工具の使用と同時に作動するように構成される。
【0016】
遊星歯車装置構成に関する基本について更に詳しく述べると、典型的に3組の歯車が必要とされ、この各々が異なる自由度を持つ。特に、少なくとも3つの遊星歯車は、所定の場所でスピンする中央の太陽歯車の周りで回る軸線の周りを回転するように構成され、輪歯車は、遊星歯車を外面に結合するために使用される。
図2に戻ると(下で説明するように
図3及び4を参照すると)、輪歯車は、110で示され、太陽歯車は112で示される。輪歯車110と太陽歯車112との間で、2グループの遊星歯車114及び116が使用される。但し、本発明は、駆動ユニット100に関して異なる設計は1つのグループ並びに2つを超えるグループの遊星歯車を利用することができるので、前記の設計に限定されない。特に、利用する遊星歯車グループの数を増やすことの利点は、これに応じて中央の太陽歯車112の回転が増大することを含むが、数を増大すれば、駆動ユニット100のためのより大きい収容容量が必要となる。
【0017】
駆動ユニット100へのこのような遊星歯車装置の使用に関して、再び、側面の有利な点から見たユニット100の内部図を示す
図3及びその選択された構成要素に関するユニット100の分解図を示す
図4を参照する。ユニットの下部分106の上向きの垂直線形運動は、これに応じて輪歯車110の回転を誘発し、これが、第1組の遊星歯車114を駆動し、更に、これが第2組の遊星歯車116を駆動し、これが中央の太陽歯車112を駆動する。特定の実施形態において、輪歯車110に関しては、歯車110は、ヘリックスドライブ120に作動可能に固定される。図示する特定の実施形態において、輪歯車110は、ヘリックスドライブ120から延びるケーシング118内に位置し、それによって、歯車110(ヘリックスドライブ120に作動可能に固定されるので)は、ユニットの下部分106の上向きの垂直線形運動の結果として回転する。
【0018】
特定の実施形態において、ヘリックスドライブ120の長手長さhに沿って、複数の上向き湾曲溝122が形成され、これに沿って、同数のベアリング124が移動するように構成される。図示する特定の実施形態において、ベアリング124は、下部分106に形成された内側凹部126に堅固に固定され、これから突出する。凹部126は、溝122が対応するベアリング124を受け入れるように、ヘリックスドライブ120を受け入れるサイズを持つ。下部分106とヘリックスドライブ120との間でこのように組み立てられるので、下部分106が上向きに線形に移動するとき(下に在る構造体例えば機械加工対象の材料に接触して)、これに応じた上向きの線形の力がベアリング124に加えられる。但し、ベアリング124は下部分106に堅固に固定されていること並びに下部分106は下に在る構造体と接触することによって概ね回転を妨げられていることを考慮すると、ベアリング124に対する上向きの線形力は、ヘリックスドライブ120の対応する溝122に沿った上向き移動を生じる。下部分106(及びベアリング124)は静止して保持される(回転しないように)ので、溝122内でのベアリング124の移動は、現実には、溝122がベアリング124に対して下向きにスライドすること、及び下部分106及びベアリング124に対してヘリックスドライブ120がこれに応じて回転することを伴う。特定の実施形態において、図示するように、ベアリング124は、下部分106の凹部126の周りに相互から等距離に位置する。例えば、図示する特定の実施形態において、3つのベアリング124が、下部分106に関して採用される。これらのベアリング124が相互に等距離に位置すると、下部分106の周りのベアリング124の間隔は120°である。ヘリックスドライブ120への輪歯車110の固定(ケーシング118が内部で輪歯車110に連結することによって)に基づいて、ヘリックスドライブ120の回転の結果、輪歯車110がこれに応じて回転する。
【0019】
駆動ユニット100と使用される遊星歯車装置に戻ると、既述のように、輪歯車110の回転から第1組の遊星歯車114の対応する回転へ、第2組の遊星歯車116の対応する回転へ、太陽歯車112の回転へ、移動して、遊星歯車装置に関して順次の各歯車の回転量が増していく。遊星歯車装置のこのような属性は、より中心に近い歯車がより大きい回転量を持つように、後続の各歯車(又は歯車の組)が先行する歯車(又は歯車の組)より中央近くに配置されるものとして理解すべきである。好ましい歯車構成を使用することによって、輪歯車110の1/3回転(ヘリックスドライブ120の回転に対応する)は、太陽歯車112の7回転に対応する。
【0020】
上の説明はヘリックスドライブ120が歯車装置構成例えば、ユニット100のための遊星歯車装置の下方に在る駆動ユニット100のための実施形態に焦点を当てているが、本発明はこのような実施形態に限定されるべきではない。例えば、
図8に示すように、駆動ユニットは、ヘリックスドライブ120及び歯車装置構成の全く反対の配置を持つことができ、ヘリックスドライブ120は、歯車装置構成の上に位置する。上記の実施形態を基準とすれば、このような駆動ユニットの別の配置がどのように作動するかが分かるだろう。例えば、下向きの垂直力が上部分(ヘリックスドライブ120のステムを取り囲む)に加わると、下部分(歯車装置構成を収容する)は、表面(機械加工対象の材料)へ向けて導かれ、これに接触する。更に、下部分(歯車装置構成を持つ)は、上部分(ヘリックスドライブ120のステムを取り囲む)に対して垂直に上向きに導かれる。特定の実施形態において、歯車装置構成を保持する下部分の第1部分は、機械加工対象の材料に接触する下部分の第2部分に回転可能に保持される。更に、上部分は、上部分から突出する1つ又は複数の上部延長部(例えば、延長部はタレット穴の垂直スロットと整列するキーである)によって、回転をロックされる。下部分が垂直に上向きに移動すると、下部分(歯車装置構成)は、上部分(ヘリックスドライブ120)に対して上昇するが、下部分の第1部分(材料を機械加工しこれに接触する部分)と下部分の第2部分(歯車構成)との間の回転可能な結合、及び上部分(ヘリックスドライブ120のステムを取り囲む)のロック(回転に対する)に基づいて、上部分に対して下部分の上向き移動は、結果として、下部ハウジングの第2部分(歯車装置構成)を上部分に対して上昇させる。ヘリックスドライブ120のステムは、固定された上部分の周りを回転するように構成される(上部分のベアリング124がヘリックスドライブステムの湾曲溝122の中を下向きに移動することによって)。ヘリックスドライブ120のこのような回転は、既述の通り、これに応じて、歯車装置構成の歯車を回転させる。このような駆動ユニットの代替的配置の利点は、歯車装置構成がタップにより近く位置付けられることであり、それによって、太陽歯車又は出力歯車は、延長部又はインサート130が前記歯車を工具に接続する限り存在理由がなくなる。
【0021】
図5は、本発明の特定の実施形態に従った駆動ユニット100’( 駆動ユニット100と同様であり、 雌ネジ切り工具101(「タップ」)を採用するように構成される)の斜視断面図である。駆動ユニット100’は、その太陽歯車112がタップ101に作動上連結されるように構成される。したがって、太陽歯車112の回転は、同様に、タップ101に与えられる。したがって、上述のように、太陽歯車112が7回転すると、タップ101も7回転することが分かる。太陽歯車112は、タップ101に作動可能に結合される。特定の実施形態において、図示するように、このような作動可能な結合は、インサート130を使用することによって与えられ、インサート130の一端130aは、太陽歯車112の延長部112aと連結すように構成される。1つの好ましい連結構成は、インサート130を含むか、又は少なくともその両端130a、130bは中空とすることができる。そのために、特定の実施形態(
図4に好ましいものとして示す)において、太陽歯車延長部112aは、特定の形状(例えば、正方形)を持つように形成でき、インサート端部130aは、太陽歯車延長部112aをすっぽり受け入れるように対応する内部形状(例えば、正方形プロフィル)を持つように形成される。したがって、このような連結によって、太陽歯車112の回転はインサート130の同じ回転に対応する。同様に、特定の実施形態において、インサート130の反対端部130bは、タップ101の対応する形状(例えば正方形)の端部101aをすっぽり受け入れるように、対応する内部形状(例えば、正方形プロフィル)を持つように形成できる。特定の実施形態において、前記正方形の内部プロフィルから部分的に突出して正方形のタップ端部101aの外面に接触する(そしてよりすっぽり保持する)ように、1つ又は複数のボールベアリング130cをインサート端部130b内に位置付けできる。したがって、このような連結によって、インサート130の回転は、タップ101の同じ回転に対応する。当然、インサート130(例えば、その両端)及び太陽歯車延長部112a(例えば、その対応する端部)及びタップ101の間の連結の仕方は多様にあり、このような例の1つを詳述するが、本発明はこれに限定されない。
【0022】
図6は、本発明の特定の実施形態に従った、タップ101を除いた駆動ユニット100’の完全分解図である。駆動ユニット100’は、上部分104から下部分106’まで(下部分はタップ101のためのインサート130を含むので
図1及び3において前に参照した下部分106とは異なる参照番号である)構成要素及びハウジング構造に関して右から左まで示される。そのために、この図は、より明確に構成要素及びその構造を示す。
図7は、本発明の特定の実施形態に従った、駆動ユニット100’及びこれと使用されるダイ140の立面断面図(
図5と同様)である。駆動ユニット100’のタップ101に、特に対応する材料(例えば、シートメタル103)に対して雌ネジ切り作業を実施するためのユニット100’からのタップ101の突出に焦点を移すと、下部分106は材料と接触すると垂直に上向きに移動するので、タップ101は、比較して上向きに移動しない。その代わりに、下部分106の上向き移動によって、タップ101は、材料に対して基本的に降下して、これに接触し、その後これに対して雌ネジ切り作業を実施し、タップ101は、太陽歯車112の回転に対応する作動のために回転する。
【0023】
図7に示すダイ140に関しては、雌ネジ切り作業時のタップ101のための潤滑システムとして役立つように構成される。駆動システム100’の下部分106’が材料(例えば、シートメタル103)に接触したとき、これは、材料とダイ140の上面との間の別の接触に対応する。特定の実施形態において、このような接触は、潤滑剤(例えば、オイル)が、ダイ140からその上に在る材料の部分へ上向きに導かれるように誘発する。図示する特定の実施形態において、このダイ上面は、ダイ140の垂直に突出するパッド部分142を含み、それによって、パッド142の押し下げ(材料例えばシートメタル103との接触による)は、ダイ140内部のパッド142の下方に位置付けられたポンプピストン144を誘発して、タッピング貯留槽(tapping reservoir)146から潤滑剤を押し出す。そのために、特定の実施形態において、ピストン144は、第1弁148に作用して、潤滑剤が貯留槽146から弁を通過して、タップ101によって機械加工される材料のエリアへ導かれるようにする。その際、潤滑剤が材料並びに駆動ユニット100の下方に放出されることに基づいて、潤滑剤は、事前穿孔された孔(駆動ユニット100’のタップ101でネジ切りされる前に)の下方及び上方並びにその内部に画定された材料エリアを被覆することが分かる。
【0024】
引き続き
図7を見ると、駆動ユニット100’の下部分106’が機械加工対象の材料(例えば、シートメタル103)から取り除かれるとき、ピストン144は、これに応じて、貯留槽146に真空が生じて更なる潤滑剤を貯留槽に引き込むように、ダイ140内で上昇位置まで収縮する。特定の実施形態において、このような貯留槽146への潤滑剤の再充填は、一方の端部において貯留槽146及び弁150の他方の端部において更なる潤滑材の供給貯留槽152と流通する第2弁150の作用によって実施される。更に、タッピング貯留槽146における潤滑剤の過剰な蓄積を防止するために、貯留槽146の上開口部146aからダイ140に形成された涙孔156へ向かって延びるように、1つ又は複数の溝154をダイ140内に形成できる。
【0025】
これまで、本明細書において説明する設計は、実現された駆動ユニットによって力の伝達の有効性及び効率を強化するための形態に焦点を置いてきた。例えば、ラムストロークから工具(例えば、タップ)の駆動へ、線形から回転力への転換は、駆動ユニットを使用することによってより良く分布/平衡化され、それによって組立体の強度は高まり、使用時の工具に対する悪影響を減少し、これに応じて少なくとも回転に関して工具から派生する出力量を増大する。引き続きこの点に重点を置いて、更なる設計について例証する。
図9から始めると、工具組立体200の分解図を示す。組立体200は、トランスミッション組立体204とヘリックスドライブ206とで形成された駆動ユニット202を含む。下で更に詳しく説明するように、駆動ユニット202は、本明細書において例証した(力の伝達に関して)駆動ユニットと同様に機能し、トランスミッション組立体204は、出力を強化する(回転を増大する)ための遊星歯車装置などの歯車装置ステージ又は構成を含むトランスミッション組立体204と、入力線形力を回転力に転換してトランスミッション組立体204を作動するためのヘリックスドライブ206と、を備える。そのために(すでに上で述べたように)、プレスにおいて概ね利用可能なラム距離(ストローク)は限定されるので、段階的歯車装置構成(例えば、トランスミッション組立体204)と傾斜ヘリックス(例えばドライブ206)を組み合わせて使用することによって、限定されたラムストロークで機能してかつ出力回転を最大化するためのコンパクトな解決法を提供する。したがって、材料の厚み及び得ようとするスレッドピッチに関して雌ネジ切り具の応用の可能性は大きく広がる。これに対して、従来の雌ネジ切りユニットは、単一回転要素/線形ドライブを含むことが知られている。
【0026】
図9及び組立体200の駆動ユニット202を続けて見ると、トランスミッション組立体204は、モジュール式ユニットとして形成される。特定の実施形態において、図示するように、組立体204は、ヘリックスドライブ206に作動上結合でき(例えば、ドエルピン208によって)、
図10(線X-Xに沿って組み立てられた
図9の工具組立体200の断面図を示す)を参照すると、駆動ユニット202は、工具組立体200内に収容されるように構成される。図示する特定の実施形態において、工具組立体200は、トランスミッション組立体204及び/又はヘリックスドライブ206が現場において必要に応じて又は所望の場合に工具組立体200から改装又は交換できるように、使用者が分解できるように構成できる。更に、
図11(工具組立体200の選択された部分の部分分解図)を参照して説明するように、トランスミッション組立体204はモジュール式なので、使用者が可変的に構成でき、例えば、1つのトランスミッション組立体204を別のものに交換できるので、工具組立体200に使用される工作器具及び機械加工対象の材料に基づいて、駆動ユニット202を意図する使用/用途に最も適するように構成できる。
【0027】
上記のことから察せられるように、意図される用途に基づいて駆動ユニット202に関して改装/構成を可能にしこれを促すために、工具組立体200は、現場で使用者が分解し易いように構成される。
図10(及び
図9及び11)を参照すると、工具組立体200は、駆動ユニット202を含めて組立体200の対応する構成要素を収容及び/又は支持するために同様の形状の上部及び下部ハウジング210、212を使用することによって、比較的コンパクトであり、その形状は簡素化されている。このようにコンパクトで簡素化された形状で、工具組立体200は、特定の実施形態において、多様な金属加工プレス又はその他の機械(及び駆動及び回転のために必要なそのための工具)のいずれとも使用できる。工具組立体200で改装し易いこの種の機械の1つは、タレットプレスであり、組立体200は、その中に単に配置できる(例えば、その上部テーブルの穴に)。但し、プレスの場合、組立体の設計は、シングルステーション、トルンプ型機械及びその他レール型システム、プレスブレーキ、シートフィードシステム、コイルフィードシステム並びにシート材料を穿孔又はプレスするためのその他のタイプの加工設備を含めて多様な工業用プレスタイプにも利用できる。
【0028】
使用者による分解の概念に戻り、
図9から始めると(及び
図10を参照して)、上部ハウジング210及び下部ハウジング212は、特定の実施形態において、その対応する端部に噛み合うネジ部を持つように構成できる。例えば、図示する工具組立体200は、下部ハウジング212の上端部に、上部ハウジング210の下部端部の雌ネジ部210aと噛み合う雄ネジ部212aを持つ。但し、本発明は、このようなものに限定されるべきではなく、ハウジング210、212のために他の結合又は別のネジ式構成も使用できる。更に図示するように、キー形式の締結具を使用して、その後、ハウジング210、212を一緒にロックできる。特定の実施形態において、この締結具は、インサート114a及び/又はインサート114aを保持するための対応する締結具114bの形式をとることができる。但し、キー式締結具は、更に多様な他の締結具のタイプのいずれでも良く、同様に機能できる。分解のために(例えば、ネジ式ハウジング及び相互ロックキー締結具を使用して)、締結具114b/インサート114aは、ネジを緩め/取り外して、上部ハウジング210は、その後下部ハウジング212に対して回転して、下部ハウジングとの連結を解除し、それによって駆動ユニット202(
図11)並びにその他の内部構成要素にアクセスできる。組立(又は再組立)に関しては、駆動ユニット202に関する所望の改装又は交換の後に、上部ハウジング210を下部ハウジング212にネジ式に接続し、インサート114a/締結具114bがその後付加され/ネジ入れられて、ハウジングを相互に保持しロックする。
【0029】
工具組立体200の特徴のいくつかの紹介として上述のことは役立つが、他の特徴も本質的に好ましいものであることが分かるはずである。例えば、駆動ユニット202の構成は、トランスミッション組立体204の上に位置付けられたヘリックスドライブ206を含むが、上述の形態は、逆の構成を持つ工具組立体(例えば、
図1の駆動ユニット100について既に説明したことを参照して)にも応用できることが分かるはずである。例えば使用者による分解に関して工具組立体200について上に説明した汎用性及び駆動ユニット202の保証された構成は、雌ネジ切り工具のための従来の駆動機構については概ね考慮されていない。これは、主に、従来の設計が本質的に非常に複雑であり、特にどのような分解も機能が悪影響を受ける危険を与えるように構成されることに由来する。したがって、従来の機構は、本明細書で述べたように、意図される用途/応用に基づいて現場でより構成するのが容易ではなく、現場での変更なしに概ね完全に交換される構造体として構成される。
【0030】
更に引き続き従来の設計と比較すると、特定の実施形態において、工具組立体200は、機械的(例えば、コイルバネ式)ではなく、動的付勢部材216(気体例えば窒素、バネなど)を持つように構成される。下で更に説明するように、特定の実施形態において、工具組立体200は、付勢部材216が機械的なものに比べてより動的であるように設計される。特に、工具組立体200のトランスミッション組立体204及び/又はヘリックスドライブ206は現場で再構成/改装するように設計されるので、必要とされる反動力/距離はそれに応じて変動する可能性があり、ガススプリングの使用によってより可変的に対処できる。例えば、特定の実施形態において、ガススプリングは、38.1mm(1.5”)~88.9mm(3.5”)の行程距離で反動力363kg(800ポンド)を与えるように設置できる。付勢部材216のためにガススプリングを使用すると、反動パラメータが多様なトランスミッション組立体204/ヘリックスドライブ206の組合せに合うようにし、同時に、現場で使用者が工具組立体200を構成する際に使用者に優しい。
【0031】
図10に戻ると、図示する工具組立体200は、金属加工機械内で使用される場合と同様の向きを向く。金属加工機械に使用するために選択された場合、組立体200は、機械のラムと垂直方向に整列しこれに衝突するように移動される。組立体200の頭部分218は、垂直に下向きに駆動されると(駆動力A’例えばラムストロークによって)頭部分218とハウジング210は作動可能に連結されるので、上部ハウジング210に対して移動する。例えば、特定の実施形態において(及び、
図12及び13から分かるように)、頭部分218の長手長さh’に沿って、複数の溝222が形成され、対応する数のベアリング224がこれらの溝に沿って移動するように構成される。図示する特定の実施形態において、ベアリング224は、上部ハウジング210に形成された内側穴226に強固に固定されかつこれから突出する。
図10から分かるように、上部ハウジング210は、溝222が対応するベアリング224を受け入れるように、頭部分218を受け入れるサイズを持つ内側凹部228を持つように形成される。上部ハウジング210と頭部分218との間にこのような連結があると(
図12及び13)、機械ラムがぶつかったとき、工具組立体200全体は、反対側の工具端部が加工物と接触するまで下向きに駆動され、加工物に接触した点で、頭部分218は、上部ハウジング210に対して垂直に下向きに移動し、これに対応して溝222はベアリング224の周りで下向きに移動する。
【0032】
頭部分218及び上部ハウジング210と同様、頭部分218及びヘリックスドライブ206も、作動可能に連結される。
図14を見ると(かつ引き続き
図12及び13を参照すると)、特定の実施形態において、ヘリックスドライブ206の長さh”に沿って、複数の上向き湾曲溝222’が形成され、対応する数のベアリング224’が、これらの溝に沿って移動するように構成される。
図10及び13を参照すると、特定の実施形態において、ベアリング224’は、頭部分218に形成された対応する内側穴226’に堅固に固定され、これから突出する。
図10から分かるように、上部ハウジング210は、溝222’が対応するベアリング224’を受け入れるように、ヘリックスドライブ206を受け入れるサイズを持つ内側凹部228’を持つように形成される。
図13から分かるように、頭部分218とヘリックスドライブ206との間のこのような連結があるので、頭部分218が線形に下向きに移動するとき対応する下向きの線形の力がベアリング224’に加えられる。但し、ベアリング224’が頭部分218に堅固に固定され、頭部分218が機械内(例えばタレットテーブル孔)にロックされる上部ハウジング210との連結によって概ね回転が防止されること(既述のように)を考慮すると、ベアリング224’に対する下向き線形力は、ヘリックスドライブ206の対応する溝222’に沿った下向き移動を生じる。この場合も、頭部分218及びしたがってそのベアリング224’が静止状態に保持されると(回転しないように)、溝222’内のベアリング224’の移動(及び対応する溝222’の底面に加えられるベアリング224’に対する下向きの力)は、結果としてヘリックスドライブ206の対応する回転となる。
【0033】
特定の実施形態において、
図15に示すように、上部ハウジング210のベアリング224及び頭部分218のベアリング224’は、その内側凹部226、226’の周りに等距離に配置される。例えば、図に示す特定の実施形態において、上部ハウジング210に関して3つのベアリング224が採用され、頭部分218に関して3つのベアリング224’が採用される。これらのベアリングセット224、224’の各々を120°の間隔で相互に等間隔に位置付けかつ各々頭部分218から又はこれまで延びるようにする際、ベアリング224、224’の各3つ組の120°の分布は、頭部分218上において相互にオフセットする。後に説明するように、頭部分218は、図示する特定の実施形態において、垂直向きの溝の初期セット222に隣接して付加的溝のセット222a、222bをその中に持つように構成できる。
【0034】
話を工具組立体200の使用に戻して、ヘリックスドライブ206の回転ついて説明するために、
図10並びにトランスミッション組立体204の側面図及びその分解図である
図16及び17を参照する。上述のように、工具組立体200のための駆動ユニット202を形成する際、ヘリックスドライブ206は、例えばドエルピン208によって、トランスミッション組立体204に作動上結合できる。この結合によって、ヘリックスドライブ206の回転はトランスミッション組立体204及びその中に収容される歯車装置構成例えば遊星歯車装置への入力を形成する。本明細書において既に例証したように、遊星歯車装置は、駆動され回転される工具(例えば、タップ)の出力を強化(回転を増加)するために効果的に使用できる。輪歯車、複数組の遊星歯車及び太陽歯車を使用することによって、かつ遊星歯車のステージ数に応じて、トランスミッション組立体204の出力回転は、入力回転の倍数になる。特に、
図17の分解図を参照すると、カップリングステム230の回転は、第1組の遊星歯車232の対応する回転を生じ、これに、第1太陽歯車234によって第2組の遊星歯車238の対応する回転が続き、これに工具(例えば、タップ)のためのインサート240に作動可能に連結される第2太陽歯車240の対応する回転が続く。既に説明したように、より中心に近い歯車は、それに応じてより大きい回転量を持つので、工具(例えば、タップ)は、遊星歯車232及び238が中央輪歯車236と外回転接触することにより、それに応じて回転する。
【0035】
これまで、様々な駆動ユニット設計並びに駆動ユニット設計を備える工具組立体設計について例証した。これらの実施形態に関して、回転量に関して出力を増大するためだけでなく、出力回転力のより良い分布/平衡化を与えながらその規模を強化する(回転を増す)ために、駆動ユニット100、202内で遊星歯車装置を使用することに焦点を当ててきた。更に、駆動ユニットをモジュール式構成要素(例えば、完全に又はその分離可能な部分の1つ又はそれ以上即ちトランスミッション組立体及び/又はヘリックスドライブ)として提供することによって、使用者は、例えば応用にとってより望ましいポップイントランスミッション組立体で工具組立体を改装し構成できる。同じ概念に種類分けするために、この場合にもシステムの有効性、効率及び多目的性の1つ又はそれ以上に焦点を当てて、次に更なる設計を例証する。特定の実施形態において、1つ又は複数の他の構成要素を、例えば駆動ユニットのヘリックスドライブ及び/又は工具組立体の頭部分に関して、更に変更できる。
【0036】
工具組立体200のヘリックスドライブ206から始めると(
図14から分かるように)、
図18のヘリックスドライブ206’で例証するように、他のヘリックス設計が考えられる。2つのドライブ206及び206’の間の相違について論じる前に、ヘリックスドライブは入力を線形から回転へ転換する上で重要な役割を果たすことを理解しなければならない。この転換の分析から、ヘリックスドライブの開始及び終了サイクル又は作業ピリオドは、力に関して最もストレスが大きいことが分かる。特に、開始ピリオドに関しては、ヘリックスドライブは休止から回転し、終了ピリオドでは、ヘリックスドライブは逆転するので、同様に、ドライブは停止して、逆回転方向に回転するように駆動される。特定の実施形態においては、
図18のドライブ206’で例示するように、溝222”の間のエリアは、均等からは外れる。例えば、図示する特定の実施形態において、その端部における溝222”の間のエリアは、狭いのに対して、このエリアは、溝222”がヘリックスドライブ端部へ延びると拡大する。設計のこの変化の効果は、溝の角度の減少(ドライブの長さに対する)である。特に、ヘリックスドライブが機械ラムの下向きストロークから移動するときの方向に関して小さい角度になるように溝222”のネジ部を傾斜させると、ヘリックスドライブの開始サイクル及び終了サイクル又は作業ピリオド関するストレスが小さくなる。
【0037】
更に、所定のラムストローク力からの総出力回転は、少なくともこの時点まで、トランスミッション組立体204及びヘリックスドライブ206の設計パラメータに依存する。例えば、特定の実施形態において、設計パラメータは、溝構成及びヘリックスドライブ206の角度設定並びにトランスミッション組立体204による回転出力比を含む。単なる一例として、特定の実施形態において、トランスミッション組立体204の歯車装置ステージは、20:1の比率になるように構成され、ヘリックスドライブ206が0.4回転のとき、総出力は8回転になる。これは、概ねプレスCステーションサイズに使用されるタップ駆動ユニットに必須とされるものである。又は、特定の実施形態において、その歯車ステージが25:1の比率となるようにトランスミッション組立体204を変更し、更に傾斜するヘリックスドライブ206’を加えると、総出力はドライブ206’の0.5回転に対して少なくとも12回転とすることができる。
【0038】
焦点を工具組立体200の頭部分218に移して、
図19~21を参照する。これまで説明したように、頭部分218に形成された溝222は、金属加工機械からのラムストロークの方向とほぼ同じ方向に(又はこれに概ね平行に)なるように、垂直向きであった。したがって、溝222は、頭部分218を上部ハウジング210に作動可能に結合するために対応するベアリング224と使用されるとき、主に、ラムが下向きに頭部分218を駆動できる長さ、したがってそれに沿ってヘリックスドライブが回転できる長さを設定してきた。図示するようにヘリックスドライブ206’に形成される溝222’のレイアウトに基づいて、ドライブ206’は、ラムのストロークが頭部分218に衝突すると、右回りに回転する。但し、
図15に関して示唆したように、特定の実施形態において、頭部分218は、力の伝達速度に影響を与え、それによって加速又は減速を生じるために、ラムストロームの方向に対して異なる傾斜の溝セットを更に持つように形成できる。
【0039】
例えば、
図19から始めると、他の2つの溝セット222a及び222bが、垂直向きの溝222の他に、頭部分218aに形成される。図示するように、これらの付加的溝セット222a、222bは、各々、ヘリックスドライブ206’の溝222”に対してこれを横切るように延びる。選択された溝セット222a又は222bのいずれかに設置されたとき、ベアリング224は、頭部分218aを右回りに回転するように頭部分218aへのラムストロークを受けると溝の中で上向きに導かれる。したがって、溝222a及び222bが使用されると、頭部分218aの右回りの回転がヘリックスドライブ206’の右回りの回転に寄与/を強化するので、ラムストロークからのヘリックスドライブ206’の回転速度を増す助けとなる。溝セット222aより大きい傾斜を持つ溝セット222bは、それに応じてより大きい回転速度の増大をヘリックスドライブ206’に与えることが分かるはずである。
【0040】
逆に、
図20を見ると、他の2つの溝セット222a’及び222b’は、ヘリックスドライブ206’の溝222’に対してより整列するように頭部分218bに形成される。選択された溝222a’又は222b’のいずれかに設置されたとき、ベアリング224は、頭部分218bを左回りに回転するように頭部分218bへのラムストロークを受けると溝において上向きに導かれる。したがって、溝222a’及び222b’が使用されると、頭部分218bの左回りの回転は、ヘリックスドライブ206’の右回りの回転を減じる/妨害するので、ラムストロークからのヘリックスドライブ206’の回転速度を減じる助けとなる。溝セット222a’より大きい傾斜を持つ溝セット222b’は、これに応じてヘリックスドライブ206’により大きい回転減速を与えることが分かるはずである。
【0041】
図19及び20を引き続き参照すると、例えば機械加工される材料が工具に対してこのような速度で損傷を与えない限り作業全体をスピードアップするためにヘリックスドライブ206’の回転速度の増大が望ましい可能性があり、又、例えば、加工される材料が硬質で、それによって標準の又は速い速度は工具を損傷する場合、ドライブ206’の回転速度を減少することが好ましい可能性がある。
図21に移ると、頭部分218cは、溝セット222a及び222a’(上記の頭部分218a及び218bの溝セット)を持つように形成され、それによって、ラムストロークからのヘリックスドライブ回転に関して速度を増す(222a)、速度を減じる(222a’)又は速度に影響を与えない(222)頭部分318cを設備する。
【0042】
更に頭部分の変形に関して、特定の実施形態において、
図22及び23に示すように、ネジ切りヘリックス250を組み込む(ネジ切り)ことができる。そのために、頭部分218dは、雌型ネジ部252を持つように形成されるので、頭部分218dに線形下向き力A”(ラムストロークから)が与えられると、ネジ切りヘリックスドライブ250に対して並進回転力となる。即ち、雌型ネジ部252に沿って下向きに押される。そのために、
図22及び23の工具組立体の頭部分218d及び外側ハウジング254は、回転力がネジ切りヘリックス250から始まるように、回転式に固定される。更に、特定の実施形態において、ネジ切りヘリックス250は、ヘリックス250の回転運動が遊星歯車装置へ直接伝達されるように、トランスミッションシステム204’と作動可能に結合される。
【0043】
「金属加工プレス又はその他の機械と使用可能な機械加工工具又はその他の工作器具のための駆動システム」の実施形態を開示する。当業者は、本発明が、開示する以外の実施形態で実施できることが分かるだろう。開示する実施形態は、限定ではなく例証のために提示し、本発明は、以下の請求項によってのみ限定される。
【国際調査報告】