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特表2022-504070導光板の製造方法、それによって製造された導光板、並びにそれを有する照明装置
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  • 特表-導光板の製造方法、それによって製造された導光板、並びにそれを有する照明装置 図1
  • 特表-導光板の製造方法、それによって製造された導光板、並びにそれを有する照明装置 図2
  • 特表-導光板の製造方法、それによって製造された導光板、並びにそれを有する照明装置 図3
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  • 特表-導光板の製造方法、それによって製造された導光板、並びにそれを有する照明装置 図10
  • 特表-導光板の製造方法、それによって製造された導光板、並びにそれを有する照明装置 図11
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】導光板の製造方法、それによって製造された導光板、並びにそれを有する照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20220105BHJP
【FI】
F21S2/00 435
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021518078
(86)(22)【出願日】2019-09-30
(85)【翻訳文提出日】2021-05-31
(86)【国際出願番号】 US2019053724
(87)【国際公開番号】W WO2020072336
(87)【国際公開日】2020-04-09
(31)【優先権主張番号】10-2018-0116835
(32)【優先日】2018-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0150797
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】16/374,381
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】キム,ウィス
(72)【発明者】
【氏名】リュ,ソン-リョン
(72)【発明者】
【氏名】ユン,クン-サン
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA05
3K244BA08
3K244BA31
3K244BA48
3K244CA03
3K244DA01
3K244EA02
3K244EA12
3K244ED17
3K244ED18
3K244ED19
3K244ED28
3K244LA04
(57)【要約】
導光板(LGP)の製造方法、それによって製造されたLGP、並びにそれを備えた照明装置。本方法は、LGPを調整する工程、及びLGPの底面全体に光散乱粒子を含む印刷溶液を印刷することによって光散乱層を作製する工程を含む。光散乱層は、光散乱粒子の密度が、LGPの側面に面する発光ダイオードからの距離の増加とともに徐々に増加するように印刷を制御する第1の方法、並びに、光散乱層の厚さが発光ダイオードからの距離の増加とともに徐々に増加するように印刷を制御する第2の方法の少なくとも一方によって作製することができる。輝点が正面観察者に見えるのを防ぐことができ、工程を簡素化することができ、かつランベルト分布に似た配光を得ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導光板において、
導光板本体であって、正面観察者に面しており、それを通して光が照射される第1の表面、前記第1の表面とは反対側の第2の表面、並びに、前記第1の表面及び前記第2の表面に接続するために前記第1の表面の周辺部分と前記第2の表面の周辺部分とに接続された第3の表面であって、発光ダイオードに面している第3の表面を含む、導光板本体;及び
前記第2の表面の全領域に作製された光散乱層であって、マトリクス層と、該マトリクス層中に分散された多数の光散乱粒子とを含む、光散乱層
を備えており、
前記多数の光散乱粒子の分散密度が、前記第3の表面のうちの少なくとも1つの表面に面する前記発光ダイオードからの距離の増加とともに徐々に増加する、
導光板。
【請求項2】
前記光散乱層が、前記第2の表面の全領域に均一な厚さで作製される、請求項1に記載の導光板。
【請求項3】
前記光散乱層の表面が平坦な表面を含む、請求項1又は2に記載の導光板。
【請求項4】
前記光散乱層の表面粗さが100nm以下である、請求項3に記載の導光板。
【請求項5】
位置に応じた前記光散乱層の厚さが1μmから5μmまでの範囲である、請求項1に記載の導光板。
【請求項6】
前記光散乱粒子が、前記マトリクス層の屈折率よりも高い屈折率を有する材料から形成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の導光板。
【請求項7】
前記光散乱粒子が、TiO、ZrO、BaTiO、及びSnOの中から選択される少なくとも1つを含む、請求項6に記載の導光板。
【請求項8】
前記導光板が、30%以下のヘイズ値及び50%以上の透過率を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の導光板。
【請求項9】
照明装置であって、
請求項1に記載の導光板;
前記導光板の側面として画成された前記第3の表面のうちの少なくとも1つの表面に面するように配置された少なくとも1つの発光ダイオード;及び
前記導光板と前記発光ダイオードとが配置される空間を提供するフレーム
を備えている、
照明装置。
【請求項10】
前記発光ダイオードがオンの場合、光が、前記導光板の正面として画成された前記第1の表面及び前記導光板の背面として画成された前記第2の表面を通して照射され、
前記発光ダイオードがオフの場合、前記第1の表面に面する正面観察者が、前記導光板を通して前記第2の表面を観察することができる、
請求項9に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、その内容の各々が依拠され、その全体がここに参照することによって本願に援用される、2018年10月1日出願の韓国特許出願第10-2018-0116835号の米国法典第35編特許法119条に基づく優先権の利益を主張する、2018年11月29日出願の韓国特許出願第10-2018-0150797号の米国法典第35編特許法119条に基づく優先権の利益を主張する、2019年4月3日出願の米国特許出願第16/374,381号の米国法典第35編特許法120条に基づく優先権の利益を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本開示は、導光板(LGP)の製造方法、それによって製造されたLGP、及びそれを備えた照明装置に関し、より詳細には、光が抽出される輝点が正面観察者に見えるのを防ぐことができ、工程を簡素化することができ、かつランベルト分布に似た配光を得ることができる、LGPの製造方法、それによって製造されたLGP、及びそれを備えた照明装置に関する。
【背景技術】
【0003】
概して、導光板(LGP)は、例えばアクリル又はポリカーボネートの透明度の高い基板を使用して実装される。LGPは、光がより高い光屈折率を有する媒体からより低い光屈折率を有する媒体へと移動するときに生じる全内反射を使用して、その内部に光を分配する。LGP内を移動する光が光抽出点(又は部位)に当たると、光は屈折し、LGPから出る。この点に関して、LGPは、光が外側に抽出される複数の光抽出点を有する必要がある。このような光抽出点は、概して、LGPにV字形の溝を機械加工する方法、インクジェットを使用してレンズを製造する方法、及び図10に示されるように、スクリーン印刷によってLGP3の表面にパターン化されたドット5を印刷する方法によって製造される。しかしながら、LGP3の表面にパターン化されたドット5を印刷する場合には、ドット5間の距離が大きいことから、拡散シートを追加的に提供する必要がある。
【0004】
図11に示されるように、インクジェット技術の発展に応じて、最近は、より小さいドット5の印刷が可能になっている。微細なドット5が、拡散シートのように機能するようにランダムに配置されている場合には、拡散シートを省略することができる。しかしながら、この構造を実際の照明装置に用いると、ドットのサイズを縮小したとしても、インクジェット印刷で作製したドット5は、視覚的に認識することができる。特に、工程のばらつきに起因して、汚れなどが生じる場合がある。この構造は、実際の製品で使用するには幾分不完全でありうる。
【0005】
加えて、印刷されるドット5の数は、ドット5のサイズが縮小するにつれて増加することから、それらの大量生産は長時間を要する可能性があり、これもまた問題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国特許第10-0656896号明細書(2006年12月6日)
【発明の概要】
【0007】
本開示のさまざまな態様は、光が抽出される輝点が正面観察者に見えるのを防ぐことができ、工程を簡素化することができ、かつランベルト分布に似た配光を得ることができる、導光板(LGP)の製造方法、それによって製造されたLGP、及びそれを備えた照明装置を提供する。
【0008】
一態様によれば、エッジライト照明装置に用いられる導光板を製造する方法は、導光板を準備する工程であって、正面観察者に面しており、それを通して光が照射される第1の表面、該第1の表面とは反対側の第2の表面、並びに、第1の表面及び第2の表面に接続するために第1の表面の周辺部分及び第2の表面の周辺部分に接続された第3の表面を備えており、該第3の表面が発光ダイオードに面している、工程;並びに、第2の表面の全領域に光散乱粒子を含む印刷溶液を印刷することによって光散乱層を作製する工程を含みうる。光散乱層は、光散乱粒子の密度が第3の表面のうちの少なくとも1つの表面に面する発光ダイオードからの距離の増加とともに徐々に増加するように印刷を制御する第1の方法、及び光散乱層の厚さが第3の表面のうちの少なくとも1つの表面に面する発光ダイオードからの距離の増加とともに徐々に増加するように印刷を制御する第2の方法のうちの少なくとも一方によって作製することができる。
【0009】
本明細書では、該方法は、光散乱層を作製する前に印刷溶液を製造する工程をさらに含みうる。
【0010】
印刷溶液は、光散乱粒子の量が、印刷溶液の量の0.1質量%~5質量%の範囲になるように、印刷溶液に光散乱粒子を加えることによって製造することができる。
【0011】
印刷溶液は、TiO、ZrO、BaTiO、及びSnOの中から選択される少なくとも1つを含む光散乱粒子を印刷溶液に加えることによって製造することができる。
【0012】
第1の方法は、単位面積あたりの光散乱粒子の数が、位置に応じて少なくとも1.2倍変化するように印刷を制御することができる。
【0013】
第1の方法は、光散乱層が第2の表面の全領域に均一な厚さを有するように形成されるように印刷を制御することができる。
【0014】
第2の方法は、位置に応じた光散乱層の厚さが1μmから5μmまでの範囲になるように印刷を制御することができる。
【0015】
該方法はさらに、光散乱層を作製した後に光散乱層を硬化させる工程を含むことができる。
【0016】
別の態様によれば、導光板は、導光板本体であって、正面観察者に面しており、それを通して光が照射される第1の表面、該第1の表面とは反対側の第2の表面、並びに、第1の表面及び第2の表面に接続するために第1の表面の周辺部分及び第2の表面の周辺部分に接続された第3の表面であって、発光ダイオードに面している第3の表面を含む、導光板本体;並びに、第2の表面の全領域に作製された光散乱層であって、マトリクス層と、該マトリクス層中に分散された多数の光散乱粒子とを含む光散乱層を含むことができる。光散乱層の厚さは、第3の表面のうちの少なくとも1つの表面に面する発光ダイオードからの距離の増加とともに徐々に増加しうる。
【0017】
さらなる態様によれば、導光板は、正面観察者に面しており、それを通して光が照射される第1の表面、該第1の表面とは反対側の第2の表面、並びに、第1の表面及び第2の表面に接続するために第1の表面の周辺部分及び第2の表面の周辺部分に接続された第3の表面であって、発光ダイオードに面している第3の表面を含む、導光板本体;並びに、第2の表面の全領域に作製された光散乱層であって、マトリクス層と、該マトリクス層中に分散された多数の光散乱粒子とを含む光散乱層を含むことができる。多数の光散乱粒子の分散密度は、第3の表面のうちの少なくとも1つの表面に面する発光ダイオードからの距離の増加とともに徐々に増加しうる。
【0018】
本明細書では、光散乱層は、第2の表面の全領域に均一な厚さで作製することができる。
【0019】
光散乱層の表面は、平坦な表面でありうる。
【0020】
光散乱層の表面粗さは、100nm以下でありうる。
【0021】
位置に応じた光散乱層の厚さは、1μmから5μmまでの範囲である。
【0022】
光散乱粒子は、マトリクス層の屈折率よりも高い屈折率を有する材料から形成することができる。
【0023】
光散乱粒子は、TiO、ZrO、BaTiO、及びSnOの中から選択される少なくとも1つから形成することができる。
【0024】
導光板は、30%以下のヘイズ値及び50%以上の透過率を有しうる。
【0025】
さらなる態様によれば、照明装置は、上述の導光板;該導光板の側面として画成された第3の表面のうちの少なくとも1つの表面に面するように配置された少なくとも1つの発光ダイオード;及び、導光板と発光ダイオードとが配置される空間を提供するフレームを含むことができる。
【0026】
発光ダイオードがオンの場合、光は、導光板の正面として画成された第1の表面、及び導光板の背面として画成された第2の表面を通して照射されうる。発光ダイオードがオフの場合、第1の表面に面する正面観察者は、導光板を通して第2の表面を観察することができる。
【0027】
照明装置はさらに、導光板の背面として画成された第2の表面に隣接して配置されたリフレクタを含むことができる。
【0028】
上記のとおり、本開示によれば、光散乱粒子を含む光散乱層は、単一の印刷プロセスにおいて、正面観察者に対して、LGPの背面の全領域に作製される。したがって、これにより、光が抽出される輝点が正面観察者に見える現象、すなわち、パターンの不一致又は規則的にパターン化された形状に起因して、関連技術におけるインクジェット印刷で発生する汚れが正面観察者に見えるという問題を防ぐことができる。
【0029】
加えて、本開示によれば、光散乱層は、単一の印刷プロセスで作製することができ、LGPの前に配置された拡散シートは省略することができ、レンズの製造の場合に必要とされる低表面エネルギー層などの追加の層は不要であってよく、それによってLGP製造プロセスを簡素化する。
【0030】
さらには、本開示によれば、印刷溶液に対する光散乱粒子の密度は、LGPの側面に配置されたLEDからの距離が増加するにつれて徐々に増加するように制御されるか、あるいは、光散乱粒子の厚さは、LGPの側面に配置されたLEDからの距離が増加するにつれて徐々に増加するように制御される。これにより、結果的に、LEDに隣接する領域から過剰な量の光が出るという問題を防ぎ、ランベルト分布に似た配光を得ることができる。
【0031】
加えて、本開示によれば、照明装置は、透明な照明装置として提供することができる。すなわち、LEDがオンの場合には、LGPの正面及び背面の両方から光を照射することができ、LEDがオフの場合には、照明装置の背後にある任意の物体が正面観察者から見える。
【0032】
本開示の方法及び装置はともに、本開示のある特定の原則を説明する役割を担う、本明細書に組み込まれる添付の図面及び以下の詳細な説明から明らかである、又はより詳細に記載されている、他の特徴及び利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】例示的な実施形態によるLGPの製造方法を示すプロセス流れ図
図2】例示的な実施形態によって製造されたLGPを概略的に示す概念図
図3】例示的な実施形態によって製造されたLGPを含む照明装置を概略的に示す概念図
図4】例示的な実施形態によって製造されたLGPを含む照明装置を概略的に示す概念図
図5】比較例1によって製造されたLGPを観察することによって得られた画像
図6】本開示の比較例1によって製造されたLGPの配光図
図7】本開示の比較例1及び2によって製造されたLGPの濃度に依存する位置固有の輝度均一性を示すグラフ
図8】本開示の実施例1によって製造されたLGPの配光図
図9A】本開示の実施例1によって製造されたLGPを用いた照明装置を示す図
図9B】本開示の実施例1によって製造されたLGPを用いた照明装置を示す図
図10】関連技術のLGPを示す概略図
図11】関連技術のLGPを示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0034】
これより、導光板(LGP)の製造方法、それによって製造されたLGP、及びそれを備えた照明装置について、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
以下の説明では、本開示に組み込まれる既知の機能及び構成要素の詳細な説明は、それらを含めることによって本開示の主題が不明確になる場合には省略される。
【0036】
図1及び2に示されるように、例示的な実施形態によるLGPの製造方法は、そのエッジに配置された発光ダイオード(LED)によって照明されるエッジライト照明装置10(図3及び4参照)で用いられるLGP100の製造方法である。
【0037】
この点に関して、例示的な実施形態によるLGPの製造方法は、LGP準備工程S110及び光散乱層製造工程S130を含む。例示的な実施形態によるLGPの製造方法はさらに、光散乱層製造工程S130の前に、印刷溶液製造工程S120を含みうる。
【0038】
最初に、LGP準備工程S110において、透明プレートとしてLGP100を準備する。例えば、LGP100は、アクリル又はガラスから形成された基板を使用して実装させることができる。LGP100が透明な基板を使用して実装される場合、透明なLED照明装置は、該装置の背後の画像が見えるように提供することができる。この点に関して、LGP100は、30%以下のヘイズ値及び50%以上の透過率を有しうる。例示的な実施形態によれば、正面観察者に面し、それを通して光が照射されるLGP100の表面は、「正面」と呼ばれ、正面とは反対側のLGP100の表面は「背面」と呼ばれ、正面と背面を接続するために正面の周辺と背面の周辺とに接続されたLGP100の表面は、LGP100の側面と呼ばれる。
【0039】
その後、印刷溶液製造工程S120では、光散乱粒子130を含む印刷溶液が製造される。本明細書では、例示的な実施形態によれば、印刷溶液中の光散乱粒子130の含有量は、関連技術のドットパターン印刷溶液と比較した場合に、非常に少量であることが必要とされる。光散乱層140が後述する光散乱層製造工程S130で製造されると、光散乱層140は、関連技術のドット形状を形成する代わりに表面を提供し、それによって、全体の面積を増大させる。したがって、大量の光が、LED200に隣接する領域から出る。この問題を克服するために、光散乱粒子130の含有量は、関連技術のドットパターン印刷溶液と比較した場合に、非常に少なく設定される。
【0040】
この点に関して、印刷溶液製造工程S120では、光散乱粒子130は、印刷溶液に対するその含有量が、0.1質量%~5質量%の範囲、好ましくは2質量%以下になりうるように、印刷溶液に加えられる。
【0041】
本明細書では、例示的な実施形態によれば、光散乱粒子130は、印刷溶液の材料の屈折率とは異なる屈折率、特に印刷溶液の材料の屈折率よりも高い屈折率を有する材料を使用して実装することができる。例えば、印刷溶液製造工程S120では、印刷溶液に加えられる光散乱粒子130は、TiO、ZrO、BaTiO、及びSnOの中から選択される少なくとも1つでありうるが、これらに限定されない。しかしながら、これは単なる一例であり、光散乱粒子130は上記材料に限定されない。むしろ、光散乱粒子130は、印刷溶液の材料の屈折率よりも高い屈折率を有するさまざまな他の材料を使用して実装することができる。本明細書では、BaTiOが光散乱粒子130として使用するために選択される場合、ポリシロキサンとジプロピレングリコールメチルエーテル(DPM)との混合溶液を、印刷溶液として使用することができる。しかしながら、これは単なる一例であり、印刷溶液は上記混合溶液に限定されない。
【0042】
例えば、TiOが光散乱粒子130として選択される場合には、ヘキサメチレンジアクリレート、exo-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イルアクリレート、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2-メトキシエチル、及びジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシドの混合物を、印刷溶液として使用することができる。
【0043】
その後、光散乱層製造工程S130では、印刷溶液は、LGP100の背面の全領域に印刷され、それによって、光散乱粒子130がその中に分散されている、連続的な光散乱層140を形成する。光散乱粒子130の含有量が著しく低い印刷溶液がLGP100の背面の全領域に印刷される場合、上述のように、光散乱層140の表面は、平坦な表面を形成する。すなわち、光散乱粒子130のいずれも、光散乱層140の表面から突出しない。例えば、光散乱層140の表面で拡散反射が起こる発光条件において、原子間力顕微鏡(AFM)を使用して、光散乱層140の表面の10μm×10μmの領域から100nm以下の表面粗さ(Ra)が測定された。上述のように、散乱層140内にのみ分散された光散乱粒子130は、光が抽出される輝点が正面観察者に見える現象、すなわち、パターンの不一致又は規則的にパターン化された形状に起因して、関連技術におけるインクジェット印刷で発生する汚れが正面観察者に見えるという問題を防ぐことができる。
【0044】
加えて、光散乱層140は、関連技術のドットパターン化されたスポットとして作製される代わりにLGP100の背面の全領域を覆う単一の表面を形成するように作製されることから、関連技術ではLGPの前に配置されていた拡散シートは省略することができ、レンズの製造の場合に必要とされる低表面エネルギー層などの追加の層は不要となる可能性があり、それによってLGP製造プロセスが簡素化される。加えて、例示的な実施形態による光散乱層製造工程S130では、光散乱層140は、単一の印刷プロセスで製造することができ、それによって製造プロセスを簡素化することができる。
【0045】
加えて、例示的な実施形態による光散乱層製造工程S130は、光散乱層140内の光散乱粒子130の含有量がLGP100の側面の少なくとも1つの表面に面するLED200からの距離に応じて位置固有の方式で変化するように印刷プロセスを制御する第1の方法、及び光散乱層140の厚さがLGP100の側面の少なくとも1つの表面に面するLED200からの距離に応じて位置固有の方式で変化するように印刷プロセスを制御する第2の方法のうちの少なくとも一方を使用する。この特徴は、LGP100の側面に配置されたLED200からの距離に応じて、光抽出効率の差を調整することを意図としている。すなわち、領域全体にわたって均一な配光を実現するためには、LED200に近い領域の光抽出効率を低下させ、LED200から遠い領域の光抽出効率を増加させる必要があることから、印刷プロセスは上述のように制御される。
【0046】
具体的には、光散乱層製造工程S130で用いられる第1の方法は、印刷溶液に対する、単位面積あたりの光散乱粒子の密度が、LGP100の側面の少なくとも1つの表面に面するLED200からの距離の増加とともに徐々に増加するように印刷プロセスを制御することができる。例えば、光散乱層製造工程S130では、印刷プロセスは、単位面積あたりの光散乱粒子130の数が、位置に応じて少なくとも1.2倍変化するように制御することができる。例えば、印刷プロセスは、LED200に隣接して位置する光散乱層140の部分内に分散された多数の光散乱粒子130が50%になり、一方、LED200から最も遠い位置にある光散乱層140の部分内に分散された多数の光散乱粒子130が80%になるように制御することができる。本明細書では、第1の方法では、印刷プロセスは、光散乱層140の厚さがLGP100の背面の全領域にわたって均一になるように制御することができる。例えば、第1の方法では、BaTiOから形成された光散乱粒子を含む2つの溶液、すなわち、光散乱粒子の重量比が0.5%の溶液と、光散乱粒子の重量比が1.2%の溶液とが調製される。その後、2つの溶液の両方を使用することができるインクジェットヘッドが準備される。サブシーケンスでは、光散乱層は、単位体積あたりの光散乱粒子の数が位置に応じて変化するように、インクジェットヘッドを使用して均一な厚さで印刷される。この場合、全体の印刷濃度を一定に維持しつつ、2つの溶液の注入率を連続的に変化させることによって、均一な印刷厚さ及び単位体積あたり異なる数の光散乱粒子を有する光散乱層を印刷及び作製することができる。
【0047】
加えて、光散乱層製造工程S130に用いられる第2の方法は、光散乱層140の厚さがLGP100の側面の少なくとも1つの表面に面するLED200からの距離の増加とともに徐々に増加するように印刷プロセスを制御することができる。例えば、光散乱層製造工程S130に用いられる第2の方法では、印刷プロセスは、光散乱層140の厚さが位置に応じて1μmから5μmまでの範囲になるように制御することができる。すなわち、光散乱層製造工程S130では、印刷プロセスは、LED200に隣接して位置する光散乱層140の部分の厚さが1μmである一方、LED200から最も遠い位置にある光散乱層140の部分の厚さが5μmになるように制御することができる。本明細書では、光散乱層製造工程S130では、印刷プロセスは、LED200に隣接して位置する光散乱層140の部分の厚さが1μmになるように制御することができ、その後、光散乱層140の厚さは、LED200から最も遠い位置にある光散乱層140の部分の厚さが最終的に5μmになるように、例えばガウス分布曲線の形態で、徐々に増加する。本明細書では、光散乱層140の厚さが1μm未満の場合、ランベルト分布に似た配光は得ることができない。光散乱層140の厚さが5μmを超える場合には、印刷された光散乱層140を乾燥させることは困難であり、問題となる。
【0048】
LED200は、例示的な実施形態によれば、LGP100の一方の表面にのみ配置されると説明してきたが、LED200は、LGP100の反対側の側面に配置されていてもよい。この場合、光散乱層140は、LGP100の中央部分に位置するその部分の厚さが最大になるように製造することができる。すなわち、LGP100の中央領域に、5μmである、光散乱層140の最も厚い部分を設けることができる。
【0049】
上述のように、光散乱層製造工程S130では、印刷溶液に対する光散乱粒子130の密度は、LGP100の側面の少なくとも1つの表面に面するLED200からの距離が増加するにつれて徐々に増加するように制御することができ、光散乱粒子130の厚さは、ガウス分布曲線の形態で徐々に増加するように制御することができ、あるいは、光散乱粒子130の厚さは、印刷溶液に対する光散乱粒子130の密度が、LGP100の側面の少なくとも1つの表面に面するLED200からの距離が増加するにつれて徐々に増加するように制御される間に、徐々に増加するように制御することができる。その結果、これにより、過剰な量の光がLED200に隣接する領域から出るという問題を防ぎ、ランベルト分布に似た配光(図8を参照)を得ることができる。
【0050】
最後に、例示的な実施形態によるLGPの製造方法はさらに、光散乱層製造工程S130においてLGP100の背面の全領域に作製された光散乱層140を硬化させる光散乱層硬化工程S140を含むことができる。光散乱層硬化工程S140では、光散乱層140は、インライン紫外線(UV)硬化装置を使用して硬化することができる。
【0051】
図2に示されるように、光散乱層硬化工程S140が完了すると、例示的な実施形態によるLGP100が製造される。すなわち、例示的な実施形態によるLGP100は、LED200がその側面に隣接して配置され、光散乱層140がLGP本体110の背面の全領域に作製された、LGP本体110を含む。本明細書では、光散乱層140は、マトリクス層120と、該マトリクス層120に分散された多数の光散乱粒子130とを含む。
【0052】
例示的な実施形態によれば、光散乱層140の表面は、その表面粗さ(Ra)が例えば100nm以下である、平坦な表面を形成する。光散乱層140の厚さは、LED200が配置されているLGP100の側面からの距離が増加するにつれて、ガウス分布曲線の形態で徐々に増加する。LED200に最も隣接した光散乱層140の部分の厚さは、1μmの最小厚さでありうるのに対し、LED200から最も遠い位置にある光散乱層140の部分の厚さは、5μmの最小厚さでありうる。
【0053】
加えて、多数の光散乱粒子130の分散密度は、LED200が配置されているLGP100の側面からの距離が増加するにつれて徐々に増加しうる。本明細書では、光散乱粒子130は、その屈折率が光散乱層140の材料の屈折率より高い材料から形成することができる。例えば、光散乱粒子130は、TiO、ZrO、BaTiO、及びSnOの中から選択される少なくとも1つから形成することができるが、これらに限定されない。
【0054】
上述のように、光散乱粒子130の分散密度が、LED200が配置されているLGP100の側面からの距離が増加するにつれて徐々に増加する場合には、光散乱層140は、LGP100の背面の全領域にわたって均一な厚さで作製することができる。
【0055】
図3に示されるように、上述のように例示的な実施形態によるLGPの製造方法によって製造されたLGP100を、照明装置10で使用することができる。
【0056】
例示的な実施形態による照明装置10は、上述のように、LGP100及びLED200、並びにフレーム300を含むエッジライト照明装置である。
【0057】
LED200は、LGP100の少なくとも1つの側面に配置される。すなわち、LED200は、図面を見ると、LGP100の左側面、右側面、又は左右両側面に配置することができる。本明細書では、少なくとも1つのLED200を各側面に配置することができる。加えて、フレーム300は、LGP100及びLED200が配置される空間を提供する。図3に示されるように、フレーム300は、それを通して光が照射されるLGP100の領域(すなわち、図面の上部)を除き、LGP100の部分全体を取り囲むように構成することができる。
【0058】
本明細書では、リフレクタシート400は、LGP100の背面とフレーム300との間に配置されて、LGP100の背面から出た光を前方に反射することができる。
【0059】
加えて、図4に示されるように、フレーム300は、LGP100の正面及び背面を露出するように構成することができる。すなわち、長方形のドアフレームの形状をしたフレーム300をLGP100に結合することができる。この場合、LED200がオンのとき、光は、LGP100の露出した正面及び背面を通して反対方向に照射される。LED200がオフのとき、正面観察者が透明なLGP100を通して照明装置10の背後の画像を見ることができるように、LGP100は、30%以下のヘイズ値及び50%以上の透過率を有する。
【実施例
【0060】
比較例1
120mm×120mm×2mmのサイズを有するガラスLGPを準備した。光散乱層には、Atech innovations GmbH社から入手可能な、12質量%のTiO粒子を含む白色インクを準備した。本明細書では、白色インクは、ヘキサメチレンジアクリレート、exo-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イルアクリレート、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2-メトキシエチル、及びジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシドの混合物であった。400×400dpi(1インチあたりの液滴数)の印刷濃度で、LGPの特定の領域が印刷されないようにLGPの印刷を実施することによって、及び、液滴のサイズを12pLに調整することによって、濃度勾配を付与した。濃度勾配によれば、LEDに隣接する部分は10%の濃度で印刷され(すなわち、1×1インチ(約2.54×2.54cm)あたりの液滴数は400×400×10%=16,000)、一方、LEDから最も遠い部分は20%の濃度で印刷された。
【0061】
その後、Luminus Inc.社から入手可能な12個のLEDを直列に接続することによってそれぞれ提供される2本のLEDバーを、LGPの左側面と右側面に取り付け、35V及び63mAの電力をそれらに供給しつつ、結果として得られる生成物を観察した。加えて、ミノルタ株式会社から入手可能なCS-1000分光放射計を使用して輝度を測定した。その結果、平均正面輝度は4100cd/cmであると測定された。
【0062】
図5の画像を参照すると、それを通して光が照射されるドットが視覚的に認識された。複数の領域で、ドット間の比較的長い距離は100μmを超えた。不規則な位置で発生するこのような部分は、黒い点として観察された。加えて、印刷されたドットの位置精度の問題に起因して、密集領域と粗い領域の違いによって生じる汚れが発生した。さらに、図6の配光図に示されるように、光散乱層、すなわち印刷された層の厚さが薄いことに起因して、配光が横方向に顕著に広がっていることが認識された。
【0063】
比較例2
LEDに隣接する領域で30%の濃度、LEDから最も遠くに位置した領域で60%の濃度で印刷を行い、残りの条件は比較例1と同じように制御した。
【0064】
比較例1及び2によって製造されたLGPの濃度に依存する位置固有の輝度均一性を示す図7のグラフを参照すると、比較例1の位置固有の輝度(すなわち、ひし形でマークされた曲線)は、比較例2の位置固有の輝度(すなわち、正方形でマークされた曲線)よりも高い均一性を有していたことが認識された。
【0065】
実施例1
Corning Inc.社から入手可能な120mm×120mm×2mmのサイズを有するIris(商標)ガラスのプレートを、LGPとして準備した。このIris(商標)ガラスプレートを切断し、次に、インライン超音波洗浄機を使用して洗浄した。光散乱層には、2質量%のBaTiO粉末を含む溶液を調製した。ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPM)溶液を調製し、BaTiO粉末を分散剤と一緒にDPM溶液に投入し、分散させた。得られた溶液を、BaTiO粉末の最終含有量が0.3質量%になるように、ポリシロキサンと混合した。その後、この混合溶液を、液滴のサイズを12pLに調整することにより、800×800dpiの印刷濃度に対して、領域に応じて異なる印刷濃度でLGPに印刷した。具体的には、LEDに隣接する部分が50%の濃度で印刷され(すなわち、1×1インチ(約2.54×2.54cm)あたりの液滴数は、800×800×50%=320,000)、LEDから最も遠い部分が80%の濃度で印刷される(すなわち、1×1インチ(約2.54×2.54cm)あたりの液滴数は800×800×80%=512,000)ように、濃度勾配を与えることによって印刷を行った。ビットマップ形式の印刷濃度を有する印刷マップを使用した。印刷後、印刷された層を、インライン硬化装置を使用して硬化させた。本明細書では、メタルハライドランプを使用して、1J/cmの強度を有する光を照射した。液滴の数は、比較例1の液滴の数の約30倍に増加した。その結果、液滴は互いに完全に接続し、それにより、印刷された層に厚さ勾配を有しつつ、平坦かつ滑らかな印刷表面を形成した。本明細書では、滑らかな表面とは、光沢のある平坦な表面を指す。
【0066】
その後、Luminus Inc.社から入手可能な12個のLEDを直列に接続することによってそれぞれ提供される2本のLEDバーを、LGPの左側面と右側面に取り付け、39V及び498mAの電力をそれらに供給しつつ、結果として得られる生成物を観察した。加えて、ミノルタ株式会社から入手可能なCS-1000分光放射計を使用して輝度を測定した。その結果、平均正面輝度は14740cd/cmであると測定された。ドットが互いに接続しているため、印刷濃度の違いによる汚れも、液滴間の間隔に起因した黒点も見られなかった。加えて、図8の配光図に示されるように、照射光の方向に応じた配光は、光散乱層の厚さ、すなわち、印刷された層の厚さが増すにつれて、ランベルトの分布により類似していた。図9A及び9Bの図に示されるように、LEDがオフにされると、透明なLGP及び印刷された層は、該LGP及び印刷された層の背後の物体を視覚的に認識可能にし、それによって透明な照明装置を提供する。LGPの透過率及びヘイズ値は、BYK-Gardner GmbH社から入手可能なBYK-Gardnerヘイズメータを使用して測定して、87%及び15%であった。
【0067】
本開示の特定の例示的な実施形態の前述の説明は、図面に関して提示されているのであり、網羅的であること、又は本開示を本明細書に開示される正確な形態に限定することを意図するものではなく、上記教示に照らして、当業者にとって、多くの修正及び変形が明らかに可能であろう。
【0068】
したがって、本開示の範囲は、前述の実施形態に限定されるものではなく、本明細書に添付された特許請求の範囲及びそれらの等価物によって定義されることが意図されている。
【0069】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0070】
実施形態1
エッジライト照明装置に用いられる導光板を製造する方法において、該方法が、
導光板を準備する工程であって、正面観察者に面しており、それを通して光が照射される第1の表面、前記第1の表面とは反対側の第2の表面、並びに、前記第1の表面及び前記第2の表面に接続するために前記第1の表面の周辺部分と前記第2の表面の周辺部分とに接続された第3の表面を備えており、前記第3の表面が発光ダイオードに面している、工程;及び
前記第2の表面の全領域に光散乱粒子を含む印刷溶液を印刷することによって光散乱層を作製する工程
を含み、
前記光散乱層が、前記光散乱粒子の密度が前記第3の表面のうちの少なくとも1つの表面に面する前記発光ダイオードからの距離の増加とともに徐々に増加するように前記印刷を制御する第1の方法、及び前記光散乱層の厚さが前記第3の表面のうちの少なくとも1つの表面に面する前記発光ダイオードからの前記距離の増加とともに徐々に増加するように前記印刷を制御する第2の方法のうちの少なくとも一方によって作製することができる、
方法。
【0071】
実施形態2
前記光散乱層を作製する前に、前記印刷溶液を製造する工程をさらに含む、実施形態1に記載の方法。
【0072】
実施形態3
前記光散乱粒子の量が前記印刷溶液の量の0.1質量%~5質量%の範囲になるように前記印刷溶液に前記光散乱粒子を加えることによって、前記印刷溶液が製造される、実施形態2に記載の方法。
【0073】
実施形態4
前記印刷溶液が、該印刷溶液に前記光散乱粒子を加えることによって製造され、前記光散乱粒子がTiO、ZrO、BaTiO、及びSnOの中から選択される少なくとも1つを含む、実施形態2に記載の方法。
【0074】
実施形態5
前記第1の方法が、単位面積あたりの前記光散乱粒子の数が位置に応じて少なくとも1.2倍変化するように前記印刷を制御する、実施形態1に記載の方法。
【0075】
実施形態6
前記第1の方法が、前記光散乱層が前記第2の表面の全領域に均一な厚さを有するように形成されるように前記印刷を制御する、実施形態1に記載の方法。
【0076】
実施形態7
前記第2の方法が、位置に応じた前記光散乱層の厚さが1μmから5μmまでの範囲になるように、前記印刷を制御する、実施形態1に記載の方法。
【0077】
実施形態8
前記光散乱層を作製した後に、前記光散乱層を硬化する工程をさらに含む、実施形態1に記載の方法。
【0078】
実施形態9
導光板であって、
正面観察者に面しており、それを通して光が照射される第1の表面、前記第1の表面とは反対側の第2の表面、並びに、前記第1の表面及び前記第2の表面に接続するために前記第1の表面の周辺部分と前記第2の表面の周辺部分とに接続された第3の表面であって、発光ダイオードに面している第3の表面を含む、導光板本体;及び
前記第2の表面の全領域に作製された光散乱層であって、マトリクス層と、該マトリクス層中に分散された多数の光散乱粒子とを含む、光散乱層
を含み、
前記光散乱層の厚さが、前記第3の表面のうちの少なくとも1つの表面に面する前記発光ダイオードからの距離の増加とともに徐々に増加する、
導光板。
【0079】
実施形態10
導光板において、
導光板本体であって、正面観察者に面しており、それを通して光が照射される第1の表面、前記第1の表面とは反対側の第2の表面、並びに、前記第1の表面及び前記第2の表面に接続するために前記第1の表面の周辺部分と前記第2の表面の周辺部分とに接続された第3の表面であって、発光ダイオードに面している第3の表面を含む、導光板本体;及び
前記第2の表面の全領域に作製された光散乱層であって、マトリクス層と、該マトリクス層中に分散された多数の光散乱粒子とを含む、光散乱層
を備えており、
前記多数の光散乱粒子の分散密度が、前記第3の表面のうちの少なくとも1つの表面に面する前記発光ダイオードからの距離の増加とともに徐々に増加する、
導光板。
【0080】
実施形態11
前記光散乱層が、前記第2の表面の全領域に均一な厚さで作製される、実施形態10に記載の導光板。
【0081】
実施形態12
前記光散乱層の表面が平坦な表面を含む、実施形態9又は10に記載の導光板。
【0082】
実施形態13
前記光散乱層の表面粗さが100nm以下である、実施形態12に記載の導光板。
【0083】
実施形態14
位置に応じた前記光散乱層の厚さが1μmから5μmまでの範囲である、実施形態9に記載の導光板。
【0084】
実施形態15
前記光散乱粒子が、前記マトリクス層の屈折率よりも高い屈折率を有する材料から形成される、実施形態9又は10に記載の導光板。
【0085】
実施形態16
前記光散乱粒子が、TiO、ZrO、BaTiO、及びSnOの中から選択される少なくとも1つを含む、実施形態15に記載の導光板。
【0086】
実施形態17
前記導光板が、30%以下のヘイズ値及び50%以上の透過率を有する実施形態9又は10に記載の導光板。
【0087】
実施形態18
照明装置であって、
実施形態9又は10に記載の導光板;
前記導光板の側面として画成された前記第3の表面のうちの少なくとも1つの表面に面するように配置された少なくとも1つの発光ダイオード;及び
前記導光板と前記発光ダイオードとが配置される空間を提供するフレーム
を備えている、
照明装置。
【0088】
実施形態19
前記発光ダイオードがオンの場合、光が、前記導光板の正面として画成された前記第1の表面及び前記導光板の背面として画成された前記第2の表面を通して照射され、
前記発光ダイオードがオフの場合、前記第1の表面に面する正面観察者が、前記導光板を通して前記第2の表面を観察することができる、
実施形態18に記載の照明装置。
【0089】
実施形態20
前記導光板の背面として画成された前記第2の表面に隣接して配置されたリフレクタをさらに備えている、実施形態18に記載の照明装置。
【符号の説明】
【0090】
3 LGP
5 ドット
100 LGP
110 LGP本体
120 マトリクス層
130 光散乱粒子
140 光散乱層
200 LED
300 フレーム
400 リフレクタシート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
【国際調査報告】